JP3896180B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマ処理装置に関し、特に、ドライエッチング装置、プラズマCVD装置、スパッタリング装置、表面改質装置に適したプラズマ処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基板処理のためのプラズマ処理装置のプラズマ源として、従来、定圧力で高密度なプラズマを生成できる誘導結合型プラズマ(Inductive Cuppled Plasma: 以下「ICP」という)や、ヘリコン波を励起・伝播させてプラズマを生成するヘリコン波プラズマ(以下「ヘリコン」という)が知られている。ICPは、通常、高周波電力が印加されるアンテナを利用してプラズマを生成する。ヘリコンは、通常、ICPと同様なアンテナを備え、さらに磁気回路と組み合わせてヘリコン波がプラズマ中に伝搬できるように構成される。
【0003】
図9を参照して従来のプラズマ処理装置の構成の一例を説明する。このプラズマ処理装置はICPの装置とヘリコンの装置から構成される。この装置は、内部を減圧状態に保持できる基板処理室101と、基板処理室101内で基板103を支持する基板支持機構102と、基板処理室101内にガスを導入するガス導入機構104と、基板処理室101の内部にプラズマを生成するための環状のアンテナ105と、アンテナ105に高周波電力を供給する高周波電源106と、高周波電源106からアンテナ105に高周波電力を供給する際に整合をとるための整合回路107を備えている。基板処理室101は、石英等の非金属部101aと、アルミニウムやステンレス等からなる金属部101bとから形成される。アンテナ105の周囲にはヘリコン波を励起するためのソレノイドコイル108,109が配置されている。さらに必要に応じて、基板処理室101の周囲には永久磁石110が配置される。この永久磁石110は、基板処理室101の壁面においてプラズマの損失を抑制するために設けられる。以上の構成によって、直流電源111,112によりソレノイドコイル108,109の各々に直流電力を供給することにより基板処理室101の内部に磁場が生成され、通常のICPのプラズマの他に、ヘリコン波を利用したプラズマを生成することができる。なお図9において、基板処理室101内を減圧状態に保持するためのは排気機構、基板103を搬送する基板搬送機構、基板温度調整機構、基板処理室101の壁面温度調整機構、およびガス導入機構104までガスを供給するガス供給機構等の図示は説明の便宜上省略されている。
【0004】
次に上記のプラズマ処理装置を使って基板を処理する手順を説明する。基板処理室101の内部に図示しない基板搬送機構により基板103を搬送し、基板支持機構102の上に基板103を固定する。図示しない排気機構により基板処理室101の内部は所定の圧力に減圧され、さらに図示しないガス供給機構から供給されるガスはガス導入機構104を介して基板処理室101に導入され、所定の圧力に保持される。高周波電源106から整合回路107を介してアンテナ105に高周波を印加し、基板処理室101の内部にプラズマを生成し、このプラズマで基板103を処理する。さらに、ヘリコン波を励起する場合には、高周波が印加される間、直流電源111,112によりソレノイドコイル108,109に直流電流を流し、基板処理室101の内部に磁場を形成する。このとき、通常、ソレノイドコイル108,109には逆向きの電流が流れることになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前述した従来のプラズマ処理装置は次のような問題を提起する。ヘリコンに係る装置の構成に関して、ソレノイドコイル108,109の電流値を変化させることにより基板103に入射するイオンの電流分布を制御することができる。一方、上記アンテナ105は、通常、基板103のサイズよりも小さく設計され、上記従来装置では、アンテナのサイズと、これに関連する整合回路107の能力とを、比較的に小さくすることができた。しかしながら、従来の装置はφ200mm(6インチ)の基板の処理に対応した装置であるので、φ300mm(8インチ)の基板に対してイオン電流密度の分布が良好な条件を得ることは、ソレノイドコイルの電流値を変化させただけでは困難であることが判明した。
【0006】
その理由は、非金属部101aの内部におけるアンテナ105の近傍に密度の濃いプラズマが生成されるが、基板103の外周部ではその近傍にプラズマが生成されず、アンテナ近傍領域からの濃いプラズマの拡散だけではイオン電流密度を十分に高くすることができないことにある。このことから、従来のプラズマ処理装置を用いた場合、φ200mmよりも大きい基板を処理する場合、基板の面内処理の均一性が不良となる。
【0007】
本発明の目的は、上記問題を解決することにあり、φ200mmよりも大きい基板、さらにはφ300mm以上の基板を処理するのに必要なイオン電流密度分布の均一性を高めることができるプラズマ処理装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明に係るプラズマ処理装置は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
【0009】
第1の本発明(請求項1に対応)に係るプラズマ処理装置は、内部が減圧状態にある容器(減圧容器)内に配置された被処理物(基板)をプラズマで処理するための構成を有し、この容器は、外側周囲に環状アンテナが配置され、内部空間にプラズマが生成される誘電体で作られた電力導入容器と、この電力導入容器の内部空間と通じる状態で接続され、被処理物が配置される処理容器とからなり、環状アンテナに供給された高周波電力で電力導入容器内にプラズマを発生させ、処理容器内へ拡散したプラズマによって被処理物を処理するように構成され、さらに、環状アンテナは、電力導入容器と処理容器が接続される境界部近傍の電力導入容器側部分の外側周囲に配置され、電力導入容器側の内部空間と処理容器側の内部空間の各々に対して向かう縁部を有し、この環状アンテナによって電力導入容器側と処理容器側の各内部空間でプラズマの高密度領域が生成されるようにした。
【0010】
上記第1の本発明では、ICPとヘリコンに関係する環状アンテナの形状、および電力導入容器に対する当該環状アンテナの配置関係を上記のごとき構成にすることにより、環状アンテナの内縁部および外縁部に対応する内部空間で高密度のプラズマの領域を作ることができる。これによって、電力導入容器内で作られたプラズマの処理容器への拡散と、処理容器側の内部空間で作られた高密度プラズマとを利用することによって、被処理物が配置された処理容器の内部空間で当該被処理物の外周部において十分な密度を有するプラズマを生成することができる。特に直径が300mm以上の基板のプラズマによる成膜処理等において、基板の中央部に加え、その外周部近傍の空間に十分な密度のプラズマを与えることができ、基板の径方向のイオン電流密度の分布の均一性が高められる。
【0011】
第2の本発明(請求項2に対応)に係るプラズマ処理装置は、第1の発明において、境界部近傍の電力導入容器側部分には径拡大部が形成され、環状アンテナは径拡大部の周りに配置されることを特徴とする。当該径拡大部の外面に対して適切な位置関係で配置することにより、高周波電力を供給するための環状アンテナの内縁部と外縁部を、電力導入容器の円筒形壁部の外面と、処理容器側の内部空間に対応する電力導入容器の円板状フランジ部の外面とに対応させて配置することができる。
【0012】
第3の本発明(請求項3に対応)に係るプラズマ処理装置は、第1または第2の発明において、環状アンテナの両縁部の各々は、電力導入容器の外面に対し直角の角度で向かうことを特徴とする。環状アンテナの縁部をかかる配置とすることにより、電力導入容器の内面のスパッタを防ぐことができる。
【0013】
第4の本発明(請求項4に対応)に係るプラズマ処理装置は、上記の各発明において、環状アンテナの外側の縁部の位置は基板の外周部の位置に対応することを特徴とする。これにより特に基板の外周部の近くに高密度プラズマ領域を作ることができる。
【0014】
第5の本発明(請求項5に対応)に係るプラズマ処理装置は、内部が減圧状態にある容器内に配置された被処理物をプラズマで処理するための構成であり、容器は電力導入壁部を含み、電力導入壁部の外側に、容器の内部空間にプラズマを生成するための環状アンテナが配置され、環状アンテナの半径方向の断面形状はU字型またはコ字型であって、環状アンテナの断面形状の開放された側は電力導入壁部に向かって配置され、環状アンテナの半径方向の断面形状における少なくとも2箇所の環状縁部が電力導入壁部を介して前記容器の内部空間の異なる位置に向かい、環状アンテナによって容器の内部空間の少なくとも2箇所でプラズマの高密度領域が生成されるように構成される。この構成では、容器が特別に電力導入容器を持たず、電力導入壁部で処理容器の内部に直接に高周波電力を導入して当該処理容器内に高密度プラズマ領域を作ることが可能となる。
【0015】
の本発明(請求項に対応)に係るプラズマ処理装置は、第5の発明において、環状アンテナの外側の縁部の近くに環状の磁気回路を設け、磁気回路によって容器の内部空間に荷電粒子を拘束する領域を形成したことを特徴とする。これによって、荷電粒子を特定の領域にトラップして当該領域のプラズマ密度を高めることができる。さらに荷電粒子の閉じ込め効果を高め、プラズマの拡散を抑制できる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0017】
図1〜図3を参照して第1の実施形態を説明する。図1は基板処理用プラズマ処理装置の減圧容器の内部構造とこれに関連する部分の構成を示す図、図2は図1中の要部の拡大図、図3は特性を表すグラフである。
【0018】
図1において、プラズマ処理装置はICPに係る装置構成とヘリコンに係る装置構成を含む。容器11は、その内部空間を図示しない排気機構によって所定の減圧状態に保持される。以下、容器11を「減圧容器」という。本実施形態による減圧容器11では、その内部空間は2つの空間からなる。1つは基板支持機構12が配置される空間であり、アルミニウムやステンレス等の金属で作られた処理容器13によって形成される。処理容器13の側壁は例えば円筒形に作られる。また基板支持機構12の上には処理される基板14が配置される。この基板14は例えばφ300mmの大型の基板である。他の1つはプラズマが生成される空間であり、高周波を内部に導入できる石英等の誘電体で主に作られた容器15によって形成される。容器15は、上端壁15aが金属で作られ、その他の部分は誘電体で作られている。上側に位置する容器15の側壁15bは例えばほぼ円筒形に作られている。容器15は、処理容器13の上壁13aに取り付け、固定される。処理容器13の側壁13bの径に対して、容器15の側壁15bの径は小さくなるように設定される。処理容器13の内部空間と容器15の内部空間は通じている。従って容器15の内部空間で生成されたプラズマは拡散し、下方に移動して、処理容器13の内部空間に進む。処理容器13の内部空間に配置された基板14は、容器15の内部空間に対向した位置にある。容器15の円筒形側壁の軸線と基板14の中心は同軸上に位置している。図2においてAは中心軸である。容器15から処理容器13へ拡散したプラズマは基板14の前面空間に移動することになる。
【0019】
本実施形態の構成では、接続された関係にある処理容器13と容器15の境界部において、容器15側の部分で、容器15の円筒形側壁15bから処理容器13の側に至るに従って径が徐々に拡大する部分15c(以下「径拡大部15c」という)が形成される。容器15の下部の周縁部は、処理容器13の上壁と面一になっている。容器15は、前述の円筒形側壁15bと、この円筒形側壁よりも径の大きな同心円上の円板状フランジ部15dと、それらの中間に位置する径拡大部15cにより構成される。
【0020】
上記容器15の径拡大部15cの周囲にはアンテナ16が配置される。アンテナ16は、一部が開いた環状であって、その軸方向に所望の長さを有し、図1および図2に示すように、処理容器13に向かって径が次第に直線的に大きくなるように形成されている。アンテナ16の支持機構は図示されないが、よく知られた機構が用いられる。アンテナ16の特徴は、図2に示されるように、アンテナ16の図2中上側に位置する内縁が容器15の内部空間に向かうごとく容器15の円筒形側壁15bに対応し、図2中下側に位置する外縁が処理容器13の内部空間に向かうごとく容器15の円板状フランジ部15dに対応するように配置される。
【0021】
上記の構成に対して、上記アンテナ16に高周波電力を供給する高周波電源17と、高周波電源17からアンテナ16に高周波電力を供給する際に整合をとるための整合回路18と、処理容器13の内部空間にガスを導入するガス導入機構19と、アンテナ16の周囲に配置されるソレノイドコイル20,21と、処理容器13の周囲に配置される永久磁石22が設けられる。ソレノイドコイル20,21はヘリコン波を励起するためのもので、直流電源23,24により直流電力が供給される。永久磁石22は、処理容器13の壁面においてプラズマの損失を抑制するために設けられる。なお図1において、内部を減圧状態に保持する排気機構、基板搬送機構、基板温度調整機構、処理容器の壁面温度調整機構、およびガス導入機構までガスを供給するガス供給機構等の図示は、発明の要旨との関係上および説明の便宜上省略されている。
【0022】
上記のプラズマ処理装置では、処理容器13内に基板搬送機構により基板14を搬送し、基板支持機構12上に基板14を配置し、基板14を固定する。図1は、基板14が固定された状態を示す。次に、排気機構によって処理容器13および容器15の内部を所要圧力に減圧し、ガス供給系から供給されるガスをガス導入機構19を介して処理容器13内に導入し、内部を所要圧力に保持する。高周波電源17から整合回路18を介してアンテナ16に高周波を印加し、容器15の内部、および処理容器13における容器15側の近傍領域でプラズマを生成する。容器15の内部等で生成されたプラズマは処理容器13の内部空間に拡散する。こうして拡散されたプラズマによって基板14が処理される。
【0023】
上記実施形態によるプラズマ処理装置では、さらに前述のごとく、容器15と処理容器13の境界部近傍の容器15側部分、すなわち、径拡大部15cの周囲には、アンテナ16が配置される。この径拡大部15cは、図2に示されるように、その断面形状において傾斜しており、その結果、当該傾斜壁部に平行に配置されるアンテナ16は、その断面形状において、両縁が円筒形側壁15bの外面と円板状フランジ部15dの外面に隣接している。すなわち、環状のアンテナ16の内縁が容器15の円筒形側壁15bの外面に隣接し、その外縁が容器15の円板状フランジ部15dに隣接している。
【0024】
さらに詳しく説明する。容器15の円筒形側壁15bの内側半径は好ましくは基板14の半径の1/5〜3/5倍程度の長さとして設定され、当該円筒形側壁の内面とアンテナ16の最も内側箇所との距離は30mm以内とすることが好ましい。またアンテナ16の最も外側箇所は、円筒形側壁の中心軸Aから、基板14の半径の3/5〜1倍程度の距離とすることが好ましい。このような位置関係から、図2に示したアンテナ16の断面における傾斜角度は30〜60°程度に保たれることが好ましい。
【0025】
減圧容器11の容器15と処理容器13に対して上記のごとき位置関係で配置されたアンテナ16に対して高周波電力が供給された場合、アンテナ16の内縁部と外縁部に対応する内部空間、すなわち、内縁部に対応する容器15の内部空間と外縁部に対応する処理容器13側の内部空間の各々に直径の異なる同心軸上の高密度プラズマ25,26が生成される。このため、大型の基板14を処理する場合であっても、従来のように基板の外周部でイオン電流密度が減少することをなくすことができる。これによって、基板面内の均一性が良好なプラズマ27が基板14の前面空間に生成される。
【0026】
基板14から約30mmの高さで測定したイオン電流密度の径方向の分布を図3に示す。特性31,32は、ソレノイドコイル20,21の電流値を変えた場合に得られるヘリコンに係る装置の場合のイオン電流密度の径方向分布を示している。特性33は、前述の第1実施形態の場合に得られるイオン電流密度の径方向の分布である。
【0027】
これらの特性の比較から明らかなように、従来のプラズマ処理装置で問題とされた基板外周部のイオン電流密度の低下が、本実施形態の装置では抑制されている。さらに、本実施形態による装置によれば、直流電源23,24からソレノイドコイル20,21に直流電力を印加し、イオン電流密度の径方向分布を制御し最適化することが可能であるが、さらに、アンテナ16の各縁部と容器11の位置関係を最適化することによってもイオン電流密度の径方向分布を制御・最適化することが可能である。従って、直流電源やソレノイドコイルは、必ずしも必要ではなく、コンパクトでコストを低減することができる。
【0028】
図4は図2と同様な図であり、上記第1実施形態の一部を変形した第2の実施形態を示す。この実施形態では、アンテナ116は、その断面形状が変更され、図で示されるごとく、アンテナ116の各縁部が、容器15の円筒形側壁15bの外面と円板状フランジ部15dの外面に直角に向かうように、L字型の縦断面を有している。その他の構成は第1実施形態の構成と同じであり、実質的に同一の要素には同一の符号を付している。アンテナ116の各縁部に対応して高密度プラズマ25,26の領域が内部空間に形成される。
【0029】
かかる形状を有するアンテナであっても、図3に示した特性33と同様なイオン電流密度を得ることができる。本実施形態の場合、かかる形状にすることにより、アンテナ116の両縁部以外の部分が容器15から離れるために、容器15に対向するアンテナ116の部分の実質的な面積を両縁部のみに限定することが可能である。この結果、アンテナ116の近傍の容器15の内面がスパッタされにくくなり、基板14の表面への汚染を抑制することができる。
【0030】
図5も図2と同様な図であり、上記第1実施形態の一部を変形した第3の実施形態を示す。この実施形態でも、アンテナ216は、その断面形状が変更され、図で示されるごとく、アンテナ216の各縁部が、容器15の円筒形側壁15bの外面と円板状フランジ部15dの外面に向かうように、湾曲させた円弧形の縦断面を有している。その他の構成は第1実施形態の構成と同じであり、実質的に同一の要素には同一の符号を付している。アンテナ216の各縁部に対応して高密度プラズマ25,26の領域が内部空間に形成される。本実施形態によるアンテナ216でも、第2実施形態のアンテナと同様な作用・効果が生じる。
【0031】
図6は、本発明に係るプラズマ処理装置の第4の実施形態を示し、アンテナ近傍の縦断面図である。プラズマ処理装置の全体的構成は第1実施形態と同じであり、説明を省略する。本実施形態のプラズマ処理装置では、前述の容器15に相当する部分が平面構造を有する。すなわち、図6に示すように、石英等の誘電体で作られた壁部41は、処理容器13の上壁13aの中央部分の一部を形成している。前述した容器15の内部空間は実質的に存在せず、処理容器13の内部空間の一部となっている。壁部41は円板形状を有し、高周波電力を導入するための窓としての働きを有している。
【0032】
壁部41の外側にはアンテナ316が配置される。当該アンテナ316は環状であって、その断面がU字型またはコ字型の形状を有する。アンテナ316は、断面における開放部が壁部41の外面に向かうように配置され、アンテナ316の両縁が壁部41の外面に面している。アンテナ316は、その外側縁部の直径が誘電体壁部41の直径よりも必ず小さくなるように、形成されている。この結果、処理容器13の内部空間には、アンテナ316の両縁部に対応する箇所に、同軸的な位置関係にある環状の2箇所の高密度プラズマ25,26の領域が形成される。本実施形態による構造においても、図3に示した特性33と同様なイオン電流密度分布を得ることができる。誘電体で形成された壁部41の直径は、基板14の直径の2/3倍から5/4倍であることが好ましい。さらにアンテナ316の内側縁部の直径は基板14の直径の1/4倍から1/2倍であること、アンテナ316の外側縁部の直径は基板14の直径の3/5倍から1倍であることが好ましい。
【0033】
基板14のサイズがφ300mmよりも大きい場合には、第1〜第3の実施形態よりも第4の実施形態の構造の方が適している。なお、第4実施形態に係る壁部41は、完全な平面ではなく、少し外方に向かって凸の形状にして、強度を増すことが好ましい。
【0034】
図7は第5の実施形態を示し、前述の第4実施形態の変形例である。プラズマ処理装置の全体的構成は第1および第4の実施形態と同じであるので、説明を省略する。アンテナ316の形態および配置は第4実施形態と同じである。本実施形態の特徴的構成は、アンテナ316の外側縁部の近傍に磁気回路を配置している。この磁気回路は例えば3つのリング状(環状)の永久磁石42によって構成される。3つの永久磁石42は同心円の位置関係で、壁部41および処理容器13の上壁部13aに配置される。またこの場合、処理容器13の周囲に配置される永久磁石22は必ず必要なものではない。本実施形態の場合には当該永久磁石は省略されている。3つの永久磁石42の磁極配列については、処理容器13の上壁部13aおよび壁部41に面する磁極が交互に異なるように配置されることが好ましい。さらにアンテナ316の外側端部は、3つの永久磁石42の間、例えば図示されるごとく内側の永久磁石42と中間の永久磁石42の間に配置される。また中間の永久磁石42と外側の永久磁石42との間に配置することもできる。この結果、図7に示されるごとく、永久磁石42が配置された箇所の下方に位置する領域にプラズマの濃い領域43が作り出され、図3に示した特性33と同様なイオン電流密度分布を得ることができる。
【0035】
図8は、図7に示した3つの永久磁石42によって得られる処理容器13の内部空間における磁力線44の分布の様子を示している。3つの永久磁石42の磁極を交互に異ならせて配列することにより、磁力線44においてセパラトリクスと呼ばれる谷45が形成される。この谷45の領域では、荷電粒子がトラップされやすい。従って、谷45の領域では、プラズマの密度を高くでき、閉じ込め効果を高くすることができる。さらに本実施形態では、永久磁石42による磁場の効果により、プラズマの拡散が抑制されることから基板14の外周部にも十分な密度のプラズマを生成することができ、特にφ300mmよりも大きい基板の処理に適している。
【0036】
前述の各実施形態では、アンテナの縁部が2つの場合の例を説明したが、当該縁部を分岐させることによって、3つ以上の縁部を設けるようにすることもできる。この場合に、各縁部の近傍に磁気回路を配置することもできる。
【0037】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように本発明によれば、プラズマが生成され処理されるべき大型の基板が配置される容器を備え、ICPやヘリコンを利用して当該基板を処理するプラズマ処理装置において、高周波電力を内部空間に供給する環状アンテナの形状および配置構造を、上記容器の中心領域と基板外周部に対応する周囲領域とに高密度プラズマ領域を形成できるようなものとしたため、従来装置に比較して基板の中心から外周部に向かってイオン電流密度分布の良好なプラズマを生成することができ、基板面内の均一性の良い処理を行うことができる。さらにφ300mmよりも大きい径を有する基板に対しても、十分に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の構成を示す縦断面図である。
【図2】図1における要部の拡大縦断面図である。
【図3】第1実施形態の装置によるイオン電流密度特性と従来装置のイオン電流密度特性を示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施形態の構成を示す要部縦断面図である。
【図5】本発明の第3の実施形態の構成を示す要部縦断面図である。
【図6】本発明の第4の実施形態の構成を示す要部縦断面図である。
【図7】本発明の第5の実施形態の構成を示す要部縦断面図である。
【図8】第5の実施形態における磁束線の分布を示すグラフである。
【図9】従来のプラズマ処理装置の構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
11 容器(減圧容器)
12 基板支持機構
13 処理容器
14 基板
15 容器(電力導入容器)
16 アンテナ
116,216 アンテナ
316 アンテナ
42 永久磁石

Claims (6)

  1. 減圧状態にある容器内に配置された被処理物をプラズマで処理するための構成を有し、前記容器は、外側周囲に環状アンテナが配置され、内部空間にプラズマが生成される電力導入容器と、この電力導入容器の内部空間と通じる状態で接続され、前記被処理物が配置される処理容器とからなり、前記環状アンテナから与えられる高周波電力で前記電力導入容器内に前記プラズマを発生させ、前記処理容器内へ拡散した前記プラズマによって前記被処理物を処理するプラズマ処理装置において、
    前記環状アンテナは、前記電力導入容器と前記処理容器が接続される境界部近傍の前記電力導入容器側部分の外側周囲に配置され、前記電力導入容器側の内部空間と前記処理容器側の内部空間の各々に対して向かう縁部を有し、前記環状アンテナによって前記電力導入容器側と前記処理容器側の各内部空間で前記プラズマの高密度領域が生成されることを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 前記境界部近傍の前記電力導入容器側部分には径拡大部が形成され、前記環状アンテナは前記径拡大部の周りに配置されることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
  3. 前記環状アンテナの前記両縁部の各々は、前記電力導入容器の外面に対し実質的に直角の角度で向かうことを特徴とする請求項1または2記載のプラズマ処理装置。
  4. 前記環状アンテナの外側の前記縁部の位置は前記基板の外周部の位置に対応することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
  5. 減圧状態にある容器内に配置された被処理物をプラズマで処理するための構成を有し、前記容器は電力導入壁部を含み、前記電力導入壁部の外側に、前記容器の内部空間に前記プラズマを生成するための環状アンテナが配置され、
    前記環状アンテナの半径方向の断面形状はU字型またはコ字型であって、前記環状アンテナの前記断面形状の開放された側は前記電力導入壁部に向かって配置され
    前記環状アンテナの半径方向の断面形状における少なくとも2箇所の環状縁部が前記電力導入壁部を介して前記容器の内部空間の異なる位置に向かい、
    前記環状アンテナによって前記容器の内部空間の少なくとも2箇所で前記プラズマの高密度領域が生成されることを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 前記環状アンテナの外側の前記環状縁部の近くに環状の磁気回路を設け、前記磁気回路によって前記容器の内部空間に荷電粒子を拘束する領域を形成したことを特徴とする請求項5記載のプラズマ処理装置。
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