JP3895596B2 - 薄膜磁気ディスクおよびシリコンウェハ上の薄膜層の厚み、反射率、粗度、表面輪郭および磁気パターンを同時に測定するシステムおよび方法 - Google Patents

薄膜磁気ディスクおよびシリコンウェハ上の薄膜層の厚み、反射率、粗度、表面輪郭および磁気パターンを同時に測定するシステムおよび方法 Download PDF

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Description

【0001】
(発明の分野)
本発明はシリコンウェハなどの薄膜の測定方法に関し、より詳細には、薄膜ディスクの吸収層の非ブルースター角などの多くの角度にて薄膜ディスクに指向されたレーザを用いて潤滑剤厚み、潤滑剤劣化、ならびに、薄膜の厚みおよび摩耗を測定する方法に関する。
【0002】
(背景技術の説明)
被覆された薄膜ディスクは、種々の分野で使用される。ひとつの例は、コンピュータ・ハードディスクの分野である。コンピュータ・ハードディスク(磁気記憶デバイス)は、大量のデータを記憶し得る不揮発メモリデバイスである。ハードディスクの製造業者が遭遇するひとつの問題は、如何にしてハードディスクの作動寿命を最大化するかである。ハードディスクが故障したとき、その中に記憶されたデータを復旧することは困難、不経済または不可能なこともある。
【0003】
図1には、磁気記憶デバイスで使用される薄膜ディスクの概略が示される。この薄膜ディスクは、(典型的にはNiPメッキされたAl-Mg合金もしくはガラスである)基板108上に析出された磁性薄膜(層)106を含む。磁性薄膜106は、たとえばその厚みが典型的には50乃至200オングストローム(Å)である炭素の薄膜(炭素層)104により保護され得る。炭素層104は典型的に、フルオロカーボン潤滑剤(潤滑剤層)102の薄層(10乃至30オングストローム)により被覆される。潤滑剤層102は、以下に記述される如くたとえばディスク・ドライブが電源切断されたときなどの様に特に磁気書込/読取ヘッドがディスクに接触するときに下側の炭素層104の耐久性を高める役割を果たす。また、薄膜ディスクの開発および試験の間には、薄膜磁気ディスクを書込/読取ヘッドの幾多の起動(start)および停止(stop)に委ねる必要がある。上記の如く起動/停止を行うと、書込/読取ヘッドは起動/停止領域として知られた薄膜ディスク100の限定領域において該薄膜ディスク100と接触する。上記起動/停止領域上で薄膜ヘッドを停止および起動する動作によれば、フルオロカーボン潤滑剤層102の減損および/または劣化、炭素層104の摩耗、および、表面粗度の変化を引き起こし得る。薄膜の特性を測定する従来の技術は米国特許第4,873,430号で論じられているが、該米国特許は言及したことによりその全体が本明細書中に援用される。この米国特許は、膜のブルースター角にて伝搬するP偏光平行化(非集束)レーザを使用して膜厚および表面粗度を測定する技術を記述している。
【0004】
米国特許第5,726,455号は、薄膜磁気ディスクから反射された光の正反射成分(specular component)のみを測定する光学システムを記述している。この米国特許は、上記光学システムが潤滑剤被覆の厚みと被覆の摩耗を測定し得ると称している。この光学システムは、(ペルチェ効果により冷却された)温度安定な光源と、ディスクから遠隔配置された積分球検出器とを使用する。而して入射角は、上記潤滑剤のブルースター角と近傍層のそれとの間である。この発明は、散乱光の測定に対する準備を行わず、表面粗度を測定してもいない。
【0005】
表面粗度を測定する他の技術は、米国特許第5,608,527号、第5,196,906号、第5,313,542号、第4,668,860号、第5,406,082号、および、1995年のワシントン州、Bellingham、SPIEプレス、John C. Stoverによる著書“光散乱の測定および分析”、第2版("Optical Scattering-Measurement and Analysis" second edition by John C. Stover, SPIE Press, Bellingham, WA)の第169〜170頁にて論じられているが、これらは全て言及したことによりその全体が本明細書中に援用される。これらの特許等は表面粗度の読み取りに関しているが、潤滑剤の厚みおよび劣化、または、薄膜の厚みもしくは摩耗の識別に対処していない。
【0006】
特に上記米国特許第5,608,527号は、ひとつの散乱平面における正反射光(specular light)および散乱光(scattered light)を測定する技術を記述している。上記正反射光および散乱光は表面粗度を獲得すべく使用される。上記米国特許第5,196,906号は、半球体に沿って位置された検出器の配列から表面粗度を決定するモジュール式散乱計を記述している。上記米国特許第5,313,542号は、レーザ・ダイオードおよび光ファイバ束からの非偏光を使用して部分的にまたは完全に半球体的に散乱光を収集する散乱計を記述している。上記米国特許第4,668,860号は、体積(bulk)および表面散乱の両者を有する光学要素の表面品質を評価する散乱計を記述している。この特許は、光の偏光特性を用いて表面散乱および体積散乱を分離するとされた技術を記述している。上記米国特許第5,406,082号は、検査されるべき表面上に指向される広帯域赤外線光源を使用する表面検査/特性記述システムを示している。反射光は数個の波長へと分離され、これらの信号は吸収度などの特性により表面を特性記述すべく使用される。
【0007】
薄膜の厚みおよび表面粗度の測定値を組合せる技術は、台湾、台北のAHEAD光電子社(AHEAD Optoelectronics, Inc., Taipei, Taiwan, R.O.C)によるパンフレットに記述されているが、これは言及したことによりその全体が本明細書中に援用される。これは、積分球偏光解析分析器(Integrating Sphere Ellipsometry Analyzer)と呼ばれる計測器を記述している。この計測器は、偏光解析器と積分球分析器とを組合せたものである。而してこのパンフレットは、絶対的な膜厚および屈折率の原位置外(ex situ)測定に対して偏光解析技術を使用する測定技術を教示している。この技術はまた、可変角度にて表面の微小粗度を測定する積分球も使用する。記述された上記システムは膜厚および表面の微小粗度の原位置外での測定に対して設計されており、原位置(in situ)での摩耗、潤滑剤および表面粗度を測定し得ない。
【0008】
摩擦学に関するASME研究論文、第117巻(1995年1月)、第112〜118頁、S. Meeks等による“薄膜ディスクのヘッド−ディスク界面の光学的表面分析”(S. Meeks et. al., Optical Surface Analysis of the Head-Disk-Interface of Thin Film Disks, ASME Transactions on Tribology, Vol. 117, pp. 112-118, (Jan.1995))には、ブルースター角にて薄膜特性を測定する技術が記述されるが、これは言及したことによりその全体が本明細書中に援用される。
【0009】
これらの文献はいずれも、上記した測定の全てを原位置で実施する単一のシステムおよび方法を教示していない。しかも、Meeks等およびJuliana等の文献は、測定が実質的に炭素104のブルースター角にて生ずるべきことを教示している。また上記米国特許第5,726,455号は、測定が潤滑剤のブルースター角と近傍層のそれとの間で生ずるべきことを教示している。この角度を用いた場合の利点は、光信号が炭素104から反射される代わりに炭素104を直接的に通過して磁性体層106から反射されると述べられている。
【0010】
故に必要とされるものは、(1)潤滑剤厚みおよび厚み変化の量を測定し、(2)潤滑剤劣化の程度を測定し、(3)炭素層の摩耗および厚みを測定し、(4)絶対的表面粗度および表面粗度の変化を測定し、(5)磁気的作像を実施し、(6)光学的輪郭形成(optical profiling)を実施し、且つ、(7)これらの測定が(a)同時に実施され、(b)実質的にブルースター角とは異なる入射角にて実施されると共に(c)原位置もしくは原位置外で実施され得るようにする、という薄膜ディスクの検証システムおよび方法である。
【0011】
(発明の要約)
本発明は、実質的にブルースター角である必要の無い入射角にて薄膜ディスクへと電磁放射線を送出する光学システムを用いて薄膜ディスク特性を測定するシステムおよび方法である。本発明は、薄膜保護上側被覆(炭素)の実質的にブルースター角で無い角度にて、薄膜磁気ディスクの潤滑剤の厚みおよび劣化、炭素の摩耗および厚みおよび表面粗度を測定する。焦点合わせされると共に偏光性がPもしくはS偏光性の間で切換えられ得る光学的光は、薄膜磁気ディスクの表面に対して所定角度で入射する。これにより、薄膜ヘッドの相互作用に依る潤滑剤厚みの変化、絶対的潤滑剤厚み、および、潤滑剤の劣化が容易に測定され得る。これによれば更に、炭素厚みおよび絶対的炭素厚みの変化も測定され得る。表面粗度もまた測定され得る。
【0012】
(好適実施例の詳細な説明)
次に、同一の参照番号が同一のもしくは機能的に同様の要素を示す各図面を参照して本発明の好適実施例を記述する。尚、これらの図において各参照番号の最も左の桁は、その参照番号が最初に使用された図に対応している。
【0013】
図2は、本発明の好適実施例に係る薄膜の特性を測定する装置を示している。該装置は焦点合わせされたレーザ光信号を用いるが、その伝搬角度は法線から0°乃至法線から90°とされ得る。
【0014】
装置200の一実施例は:たとえばカリフォルニア州、サニーベール(Sunnyvale)のHoetron社により平行化された、日本、東京のSonyから入手可能なたとえばSLD 104AUなどの習用のレーザ・ダイオード202;たとえばカリフォルニア州、アーヴィン(Irvine)のNewport社から市販されているたとえばPolarcorから作成された習用の直線偏光素子204;コロラド州、ロングモント(Longmont)のMeadowlark社から市販されている習用の液晶可変遅延器206;カリフォルニア州、アーヴィンのNewport社から市販されている習用の非偏光ビームスプリッタ208;ドイツのSpindler Hoyer社から市販されている習用の拡散板210;日本、浜松市の浜松社(Hamamatsu Corp.)から市販されている習用の帰還フォトダイオード212;カリフォルニア州、サンフランシスコのAnalog Design社から市販されている帰還増幅器/受信器前置増幅器214;カリフォルニア州、アーヴィンのNewport社から市販されている習用の集束レンズ216;および、ニューハンプシャー州、ノースサットン(North Sutton)のLabsphere社から市販されている約0.62インチ立方体アルミニウム・ブロックから成る特製の積分球218であって、中心から0.54インチ直径の球状部分が除去されると共に、該球体に散乱光が進入するための底部における4mm直径孔、この光が光検出器に到達するための頂部の別の4mm直径孔、該球体に正反射光が進入かつ退出するための各側部における2個の孔を有し、内側表面はたとえばニューハンプシャー州、ノースサットンのLabsphere社から入手可能なたとえばSpectralflectなどの、光を散乱する反射的表面により被覆された積分球218を含む。積分球218はレーザ光線を遮断しない様にレーザ光線直径より僅かに大寸に設計された入力孔を有し、上記出力孔の直径は上記光線が上記球体を退出するのを許容するに十分なほど大寸に且つ式(3)に従い最小空間周波数の検出を許容するに十分なほど小寸に選択されるものとし、上記各孔の直径および上記球体の直径は、各孔の全表面積が好適には上記球体の全表面積の5%未満である様に選択され、但しこれより大きな割合が使用され得る。積分球218は好適には入射光と同一の平面内で該積分球218の中心を通り延在するバッフルを有し、該バッフルはその中心において、散乱光検出器に対して配備された上記孔と同一の直径の円形領域を有する。上記バッフルによれば、ディスクからの一切の一次反射が先ず上記積分球の表面に衝当しないで上記光検出器に到達することが防止される。積分球218は好適には、光学的デバイス全体を小寸に維持すべく最小化される。
【0015】
装置200の一実施例はまた:カリフォルニア州、アーヴィンのNewport社から市販されている習用の平行化レンズ220;ドイツのSpindler Hoyer社から市販されている習用の拡散板222;日本、浜松市の浜松社から市販されている習用の正反射光検出器224Aおよび散乱光検出器224B;ニューハンプシャー州、ノースサットンのLabsphere社から市販されている特製のバッフル226;液晶可変遅延器(LCVR)ドライバ228;および、たとえばニューヨーク州、アーモンク(Armonk)のIBM社から市販されているマイクロコントローラもしくはIBMパーソナルコンピュータなどの習用のコンピュータ240であって、習用の入出力デバイス242と、たとえば分析ユニット248などの独特のアプリケーションが記憶された習用のメモリ・モジュール244とを有するコンピュータ240;および、たとえばカリフォルニア州、サンタクララ(Santa Clara)のIntel社から市販されているPentium Proプロセッサなどの習用のプロセッサ246;を含む。当業者であれば、装置200は本発明の好適実施例であり且つ本発明から逸脱することなく代替的設計態様が使用され得ることを理解し得よう。次に、装置200の作用が相当に詳細に記述される。
【0016】
レーザ・ダイオード202は、上記薄膜ディスクに向けて電磁的信号を発する。好適実施例においてこの電磁的信号は780ナノメータの波長を有する光信号であるが、多様な波長が使用され得る。上記光信号の伝搬角度は、0°乃至90°間の任意の角度である。但し好適実施例において、上記角度は必ずしも実質的に上記薄膜の炭素に対するブルースター角である必要はない。すなわち上記伝搬角度は上記炭素のブルースター角と2〜5°の最小値だけ異なり、たとえばこの角度では、上記炭素に基づく上記薄膜の反射率の変化がブルースター角における反射率と比較して相当に変化する。発せられた光は、直線偏光素子204を通過する。直線偏光素子204は、レーザ光信号の直線偏光を改善する。上記偏光信号は液晶可変遅延器(LCVR)206を通過する。LCVR206はLCVRドライバ228から受信した命令に応じ、PおよびS直線偏光の間で上記光の偏光性を切換える。LCVRドライバ228は、コンピュータ240の外部に配置され又はコンピュータ240と一体化され得る。以下に記述される如く、PおよびS直線偏光により装置200は薄膜100の種々の特性を測定し得る。次に、図3を参照して上記LCVRドライバの一例を記述する。
【0017】
図3は、本発明の好適実施例に係るLCVRドライバ228の更なる詳細図である。LCVRドライバ228は、振幅制御モジュール302、正規分布ノイズ・モジュール(gaussian noise module)304、水晶発振子306およびローパス・フィルタ308を含む。好適実施例において上記水晶発振子は、正規分布ノイズ・モジュール304により生成される正規分布ノイズにより基本周波数がランダムに5%だけ変調されるという2kHz矩形波発振子である。2kHz矩形波の振幅は、PおよびS偏光が達成され得る様にコンピュータ240から信号を受信する振幅制御モジュール302により2つの状態に制御される。上記発振子の出力は、上記液晶に導向される前に約15kHzでの遮断を有するローパス・フィルタ308により低域通過される。上記矩形波のランダム変調によれば、データ・サンプリングに対する装置200のクロストークの同期の防止が助力される。
【0018】
上記直線偏光信号は、該直線偏光信号を分割する非偏光ビームスプリッタ208により受信される。上記直線偏光信号の一部は分割され、拡散板210および帰還光検出器212へと導向される。帰還光検出器212の出力は、帰還増幅器/受信器前置増幅器214内の帰還増幅器により受信される。図4は、本発明の好適実施例の帰還増幅システムを示す図である。好適実施例の帰還増幅システムは、帰還光検出器212の出力を受信する負帰還増幅器402を含む。負帰還増幅器402は、レーザ・ダイオード202の強度を正確に制御する信号を該レーザ・ダイオードに出力する。本発明の一実施例において、上記帰還ループの帯域幅は15Hzに制限される。これによりレーザ出力は、DCと15Hzとの間で安定し得る。上記帰還ループの帯域幅は15Hzより上では鋭角的に遮断され、電力周波数(60Hzおよびその高調波)が上記レーザ出力を変調することを防止する。基準フォトダイオード212と協働する外部のビームスプリッタ208の利点は、温度安定性が高められることである。この様に高められた温度安定性が達成されるのは、基準フォトダイオード212が正反射光検出器224Aおよび散乱光検出器224Bと同一だからである。基準フォトダイオード212の光学的感度の一切の温度変化は、正反射光検出器224Aおよび散乱光検出器224Bにおけるのと同様の変化により実質的に補償される。
【0019】
レーザ出力を監視すべくレーザ・ダイオードが内部フォトダイオードを有することは公知である。光強度を制御する帰還制御回路の別実施例は、レーザ・ダイオードの内部の斯かるフォトダイオードを使用することである。このレーザ・ダイオードは図4に示された回路に対し制御信号を帰還し、その様にすることでレーザの強度を一定値に維持する。
【0020】
たとえば摩擦学に関するASME研究論文、第117巻(1995年1月)、第112〜118頁、S. Meeks等による“薄膜ディスクのヘッド−ディスク界面の光学的表面分析”に記述された習用のシステムは、外部光源からの干渉を最小化すべく光検出器上に狭帯域通過フィルタ(NBPF)を使用することを記述している。上記NBPFによれば、特定された波長のみが検出器に到達し得る。この方法のひとつの欠点は、レーザが上記特定波長で安定なことを要することである。レーザ波長は温度変化により影響されるのでこれは困難であり、故に、システムが熱的に安定化されねばならない。
【0021】
上記計測器に対する外部光の影響を排除すべく装置200の全体は、外部光が各検出器に到達する可能性を排除する光密閉容器内に囲繞される。結果として、上記NBPFは上記設計態様から排除され得る。上記NBPFを除去すると、信号振幅に対する温度変化の影響は相当に減少する。これにより、上記システムの熱的安定性が改善される。
【0022】
上記システムの安定性を改善する別の手段は、ブラック・スタンダード(black standard)を用いて電子的なゼロ点移動を排除することである。ブラック・スタンダードとは、到来する一切の光を吸収するデバイスである。ブラック・スタンダードのひとつの形態は円筒状キャビティであり、この円筒状キャビティは該円筒の内側に尖頭円錐を備え、内側表面の全てが黒色の光吸収材料で被覆されている。この形式のブラック・スタンダードは、ニューハンプシャー州、ノースサットンのLabsphere社から市販されている。上記各電子機器は典型的には、熱的変化、構成要素の経年変化、および他の要因に依り経時的に変動する。上記ブラック・スタンダードは、斯かる変動を測定して相殺すべく安定なゼロレベル基準を提供する。スキャンを行うに先立ち、レーザ光線は上記ブラック・スタンダード内に指向され、次に上記電子機器の各信号が測定されてゼロレベルが規定される。この結果、上記システムのゼロレベルの長期変動における安定性が改善される。
【0023】
非偏光ビームスプリッタ208を通過する直線偏光信号は集束レンズ216へと指向され、該集束レンズ216は上記光信号を、積分球218(該積分球の断面図は図2に示されている)の下方に配置された薄膜100の所定領域へと焦点合わせする。焦点合わせされた光信号の第1部分は薄膜100から平行化レンズ220に向けて反射され、第2部分は積分球218内で散乱する。次に、焦点合わせされた光信号の反射および散乱の更に詳細な論議が示される。
【0024】
図5A乃至図5Cは、本発明の好適実施例に係るPおよびS偏光放射光(P and S polarized radiation)の反射および散乱特性を示す図である。図5A乃至図5Cの視点は、図2の視点と比較して逆角度視点である。図5Aは、薄膜100からの、焦点合わせされた光信号の反射(P偏光)を示している。上述された如く焦点合わせされたP偏光信号は、たとえば実質的にブルースター角でない角度にて薄膜100に導向される。焦点合わせされたP偏光信号の幾分かは潤滑剤層102から反射する。また、焦点合わせされたP偏光信号の幾分かは炭素104から反射する一方、焦点合わせされたP偏光の幾分かは上記炭素層により吸収され且つ焦点合わせされたP偏光の幾分かは磁性体層106から反射する。図5Bは、焦点合わせされた光信号(S偏光)の薄膜100からの反射を示している。上述された如く、焦点合わせされたS偏光信号もまた、実質的にブルースター角でない角度にて薄膜100へと導向される。S偏光の反射は、上述のP偏光の反射と同様である。特に、焦点合わせされたS偏光信号の幾分かは潤滑剤層102から反射する。焦点合わせされたS偏光信号の幾分かは炭素104から反射する一方、焦点合わせされたS偏光の幾分かは上記炭素層により吸収され且つS偏光の幾分かは磁性体層106から反射される。
【0025】
反射(正反射)光信号ISPは、選択的な平行化レンズ220に向けて積分球218の開口を通過する。上記平行化レンズは反射光信号を平行化することから、拡散板222および正反射光検出器224Aは薄膜ディスク100上の反射領域から、その他の場合において可能であるよりも更なる距離に位置され得る。上記拡散板は、上記正反射光検出器の位置感度が減少される如き様式で上記光線を拡開する。これにより、上記ディスクの揺動により誘起される上記光線の動作に対する上記光検出器の感度が減少する。拡散板222および正反射光検出器224Aは、反射光経路の法線から僅かに(たとえば5°)離れた角度で位置される。この幾何学的位置関係によれば、拡散板222および/または正反射光検出器224Aから反射されて上記積分球内へと戻り伝搬して以下に記述される如く散乱光の検出に影響し得るという光信号の量が減少される。すなわち光を平行化する平行化レンズ220を付加することで経路長が増加されることから、正反射光検出器224Aおよび拡散板222の傾斜の量が最小化され得る。正反射光検出器224Aおよび拡散板222の傾斜量が減少された場合に上記正反射光検出器は上記反射信号の相当の部分を受信する、と言うのも、拡散板222または正反射光検出器224Aからの反射に起因する正反射信号の量は最小だからである。好適実施例において平行化レンズ220は、高分解能(短焦点距離)の設計態様に使用される。低分解能システム(長焦点距離レンズ)は一般的に上記正反射フォトダイオードと上記積分球との間の十分な長さを許容し、上記正反射フォトダイオードの小さな傾斜のみを必要とする。上記正反射信号は上記積分球に戻ることが許容されてはならない、と言うのも、正反射信号は散乱信号を劣化して散乱信号および正反射信号の間にクロストークを引き起こすからである。上記光学的本体における光ポートの直径は、上記正反射検出器領域における一切の表面から上記積分球に向けて反射される光の殆どをブロックすべく最小値に維持される。上記ポートの直径は、光線の直径自体よりも僅かだけ大きくされる。これらの直径は、作製を容易とすべく(連続的なテーパではなく)段状とされ得る。正反射光検出器224Aは受信された光の量を表す信号を、帰還増幅器/受信器前置増幅器盤214の受信器前置増幅器へと出力する。受信された光は、コンピュータ240により以下に記述される様式で解釈される。
【0026】
図5Cは、SもしくはP偏光信号の散乱効果を示している。焦点合わせされた光信号が潤滑剤層102、炭素層104および/または磁性体層106に衝当する場合、光の一部は入射角とは等しくない角度で散乱する。簡素化のために図5Cは、潤滑剤層102からの反射のみを示している。上記光の散乱成分は、積分球218に取付けられた散乱光検出器224Bにより測定される。積分球218の内部には、一切の一次反射散乱光が散乱光検出器224Bに到達するのを許容しないバッフル226が在る。このバッフル218は、上記ディスクから散乱光検出器224B内への直接反射により引き起こされるホットスポット(hot spot)の測定を減少する。すなわちバッフル218はこれを、薄膜ディスク100からの一切の反射が散乱光検出器224Bに到達する前に該反射を2回以上反射させることで防止する。
【0027】
上述された如くLCVR206によれば、偏光性はPおよびS直線偏光間で切換えられる。P正反射光信号は主として、上記薄膜ディスク上の炭素層の厚みの変化もしくは絶対的厚みに関する情報を与える。S正反射光信号は主として、上記炭素表面に塗付された潤滑剤厚みの変化に関する情報を与える。上記散乱光は正反射光と共に、薄膜ディスク表面の粗度の測定値を与える。薄膜ディスク100の特性を測定すべくPおよびS偏光の正反射および散乱成分を用いる方法は、以下に記述される。
【0028】
図6は、本発明の好適実施例に係る光検出器224の更なる詳細図である。該光検出器は、正反射光検出器224Aまたは散乱光検出器224Bである。好適実施例の光検出器224は、バイアス・フォトダイオード602、相互コンダクタンス前置増幅器604、バッファ増幅器606、(カナダ、トパンガのアナログデザイン社[Analog Design, Inc. in Topanga, CA]から入手可能な)信号調整回路607、および、カナダ、モントリオールのGAGEアプライド・サイエンス社(GAGE Applied Science, Inc., Montreal, Canada)から市販されているたとえば型番CS1012/PCIなどのGAGEアプライド・サイエンス社製アナログ/デジタル・ボード608を含む。バイアス光導電体602は光信号を受信し、受信光の強度を反映する信号を生成する。バイアス・フォトダイオード信号は相互コンダクタンス前置増幅器604により増幅されてバッファ増幅器606へと送信される。上記アナログ/デジタル・ボードによりデジタル化される前に、上記信号は信号調整回路607を通過する。信号調整回路607は、上記信号のDCオフセットを減算し、該信号を可変アンチエイリアシング・フィルタ(variable anti-aliasing filter)に通過させ、且つ、好適実施例においては薄膜ディスク100を回転するスピンドルからのエンコーダ信号の64倍までの乗算値を提供する。乗算されたエンコーダ信号、および、上記スピンドルからのインデックスは夫々、上記アナログ/デジタル・ボードに対するクロックおよびトリガとして使用される。上記正反射および散乱信号が調整された後、これらの信号はアナログ/デジタル・ボード608へと受け渡されて其処でデジタル化される。デジタル化された信号は、分析のためにコンピュータ240へと送信される。受信された信号を分析して薄膜ディスク100の特性を決定する方法は、以下に示される。
【0029】
薄膜ディスク100全体の特性は、光信号を薄膜ディスク100の全ての領域上に焦点合わせすることで測定され得る。これは、薄膜ディスク100を正確に移動しまたは装置200を移動することで達成され得る。好適実施例において装置200は極めて精度の高い(不図示の)ステッパ・モータに取付けられ、薄膜ディスク100の表面の全体に亙り段階移動される。斯かるステッパ・モータの一例は、カリフォルニア州、アーヴィンのNewport社から市販されているNewport社製マイクロ精度ステージ(Mikroprecision stage)である。
【0030】
図7は、本発明の好適実施例に係る薄膜特性を測定する方法を示すフローチャートである。好適実施例においては、実験作業の開始時に薄膜ディスクの基準画像が作成されると共に、引き続く画像の各々から基準画像が減算される如き差分技術(differential technique)が使用される。結果的な差分画像は、基準画像と引き続く画像との間の期間にディスクに対する相互作用の結果として変化した処のみを示す。基準画像はデータを分析するための要件ではないが、基準画像によればディスク表面における一切の変化の識別が容易となり且つ変化に対する感度も大きくなる。但し代替実施例においては、(たとえば実質的に炭素層104に対するブルースター角でない角度にて)一組(Ssp、Ssc、Psp、Psc)の画像のみが測定されて、潤滑剤の厚みおよび劣化、炭素の摩耗ならびに表面粗度が決定される。
【0031】
装置200は、(上述された如く)実質的にブルースター角でない角度にて上記薄膜ディスクの基準値を測定702する。これらの基準値としては、正反射光検出器224Aおよび散乱光検出器224Bにより夫々受信されたPおよびS偏光信号の正反射および散乱成分が挙げられる。以下に記述される如く上記測定値は原位置もしくは原位置外で獲得され得る。ユーザは次に、薄膜ディスク100上での動作を実施704する。たとえば薄膜ディスク100は、書込/読取ヘッドのセラミック・スライダが薄膜ディスク100に反復的に接触する如く、反復的な起動および停止動作に委ねられる。これはたとえば、ハードディスク・ドライブの電力のon/offサイクルをシミュレートするものである。この接触により、潤滑剤減損、潤滑剤劣化および炭素層摩耗が引き起こされ得る。たとえば1,000回の起動/停止シミュレーションなどの最初の反復が薄膜ディスク100上で実施された後、上記装置は薄膜ディスク100の新たな値を測定706する。これらの新たな値としては、正反射光検出器224Aおよび散乱光検出器224Bにより夫々受信されたPおよびS偏光信号の正反射および散乱成分が挙げられる。これらの値を表す信号はコンピュータ・メモリ・モジュール244に記憶されると共に、該メモリ・モジュール内の分析ユニット248はプロセッサ246と協働してこれらの値を分析する。分析ユニット248により実施される機能は以下に記述される。
【0032】
分析ユニット248は、各基準値と、薄膜ディスク100の次続測定における対応値との間の差を決定することで差分値を決定708する。上記差分値としては、S偏光の正反射成分の差(すなわちデルタ)(ΔSSP)、P偏光の正反射成分のデルタ(ΔPSP)、S偏光の散乱成分のデルタ(ΔSSC)およびP偏光の散乱成分のデルタ(ΔPSC)が挙げられるが、上記S偏光の正反射成分とはすなわちS偏光が薄膜ディスクに向けて送出されたときに正反射光検出器224Aにより受信される反射率である。これらの差分値は、以下に記述される如く薄膜特性を識別すべく使用される。炭素層104のブルースター角にて薄膜ディスク100に衝当するレーザ信号の反射率を測定するひとつの技術は、上記において言及することで援用された摩擦学に関するASME研究論文、第117巻(1995年1月)、第112〜118頁、S. Meeks等による“薄膜ディスクのヘッド−ディスク界面の光学的表面分析”に記述されている。
【0033】
基準画像および次続画像の減算は、該基準画像および次続画像の収集の間に熱的変動が存在すると劣化する。この熱的変動は、周囲温度の変動による上記ディスクおよび他の構成要素の熱膨張により引き起こされる。上記熱的変動は、各画像を他の画像に関して薄膜ディスクの径方向にシフトすることで補正され得る。シフトされた各画像はシフトされると共に、2つの画像間の相互相関(cross correlation)が算出される。最大値に到達するまで、シフトの量は増加されると共に相互相関が反復される。相互相関において上記最大値が生ずるシフトは最適シフトであり、すなわち、各構成要素の熱的変動を補正するシフトである。相互相関を使用する代替例は、各画像を減算し、2つの画像間の分散(variance)または標準偏差を算出することである。次に上記シフトが増加され、分散または標準偏差が再び算出される。標準偏差または分散を最小化するシフトの量は、熱的変動を補正する最適シフトである。
【0034】
次に、上記差分値の分析方法をより良く理解すべく、以下においては正反射光検出器224Aおよび散乱光検出器224Bにより受信された光の量に対する上記潤滑剤層の厚みおよび炭素層104の厚みの影響が記述される。
【0035】
図8は、本発明の好適実施例に係る、潤滑剤層102を有さない薄膜および深度が10ナノメータの潤滑剤層102を有する薄膜からのPおよびS偏光放射光の反射率を示すグラフである。図8は、薄膜ディスクに対する光信号の入射角に対してシミュレートされたSおよびP偏光の正反射率を示している。この例において光信号は、650nmの波長を有する。2つの曲線が示されるが、一方の曲線(太線)は炭素表面に対して潤滑剤が塗付されず、他方の曲線(細線)は10nmの潤滑剤が塗付されている。この図においては、各曲線間の差分を例示すべく非現実的に厚寸の潤滑剤層が示されている。2つの曲線間の差分は、潤滑剤に対するPおよびS偏光正反射光の感度を表している。ディスクに潤滑剤が付加された場合、0°〜約53°の角度でディスクの反射率はPおよびS偏光信号の両者に対して減少する。炭素表面に対して潤滑剤が付加されたとき、約53°より大きな角度にてディスクの反射率はS偏光に対しては減少し且つP偏光に対しては増加する。約53°にてP偏光は上記表面上の潤滑剤に不感となる、と言うのも、これは潤滑剤のブルースター角だからである。80°近傍の角度にてP偏光は潤滑油に対する感度が最大値に達し、S偏光の感度の約2〜3倍となる。53°の角度は、[潤滑剤の屈折率/空気の屈折率]の逆正接(Arc Tan)として定義される潤滑剤のブルースター角の特定例である。
【0036】
図8に見られる如く、潤滑剤に対するP感度とS感度との間の比率は角度の関数として変化する。固定入射角にてこの比率は、潤滑油の屈折率に関連する。故にもし潤滑油が劣化したなら、屈折率もまた変化し、P偏光の正反射成分の変化(ΔPSP)に対するS偏光の正反射成分の変化ΔSSPの比率が変化する。これは、薄膜ディスク100上の潤滑油の劣化を測定するひとつの技術である。これに対して53°の角度は特に良好である、と言うのも、潤滑油の屈折率の極めて僅かな変化でさえもデルタP(ΔPSP)に対するデルタS(ΔSSP)の比率の大きな変化を生成するからである。
【0037】
図9は、本発明の好適実施例に係る、20ナノメータの炭素層104を有する薄膜および15ナノメータの炭素層を有する薄膜からのPおよびS偏光放射光の反射率を示すグラフである。太線の曲線は、存在する20nmの炭素への入射角に対するSおよびP反射率を示している。細線の曲線は、5nmの炭素が除去されたときの同一の曲線を示している。SおよびP偏光の両者が炭素摩耗の測定に使用され得るが、概略的にPは炭素の摩耗に対して更に感応し且つ更に線形である。炭素が除去されたとき、S反射率は全ての入射角にて増加する。P偏光は炭素除去に対し、約71°未満の角度に対して増加し、約71°にてゼロであり、且つ、角度が71°より大きいときに減少する。炭素厚みもしくは炭素摩耗に対する最大感度は、0°付近で生ずる。71°の角度は、P偏光反射係数が炭素厚み変化に不感となる角度として定義される“P偏光クロスポイント角度(P polarization crosspoint angle)”の特定例である。
【0038】
好適実施例において上記入射角は、潤滑剤の特徴、炭素の厚みおよび摩耗ならびに表面粗度の全てを測定すべく58°である。但し上述された如く、多くの角度が使用され得る。58°にて操作すると、ユーザは炭素摩耗(SおよびP反射率が増加)から潤滑剤厚み増加(P反射率は増加してSは減少、図8参照)を容易に分離し得る。炭素摩耗を測定するこの技術は、炭素から成る上側被覆に制限されない。本明細書中で論じられる実施例によれば、任意の吸収層の摩耗が測定され得る。特に、たとえば酸化ジルコニウム、二酸化ケイ素、有機材料およびプラスチックが使用され得る。もしこれらの代替的な上側被覆がそれらの上に潤滑剤を有するなら、潤滑剤厚み、減損および劣化もまた測定され得る。
【0039】
ΔSSPおよびΔPSPに基づき炭素摩耗から潤滑剤厚み変化を識別するひとつの技術は、2次元濃度ヒストグラム(two dimensional concentration histogram)を使用することである。2次元濃度ヒストグラムを生成して使用する技術は、上記において言及することで援用された摩擦学に関するASME研究論文、第117巻(1995年1月)、第112〜118頁、S. Meeks等による“薄膜ディスクのヘッド−ディスク界面の光学的表面分析”により記述されている。2次元ヒストグラムを構築すべく、P、S平面(上記ヒストグラムの空間)内に一定のΔP×ΔS寸法を有する(バケット[bucket]として知られる)小領域の各々が定義される。実空間画像における各座標対(x,y)が選択され、そのP、S座標が収まる対応バケットが識別される。画像全体を完了した後、各バケットにおけるポイントの総数が識別されると共に、バケット内のポイントの個数に基づきたとえば色が割当てられる。完成された2次元画像は、2次元濃度ヒストグラムとして公知である。上記2次元濃度ヒストグラムは、潤滑剤貯留、減損、炭素摩耗および異物の各領域を別個の領域へと分離する。異物(debris)は、ディスク上での摩耗プロセスの結果としての生成物である。これに加え、上記ヒストグラムの勾配は、改変されつつある層の屈折率に関している。以下に記述される如くヒストグラムの勾配は、潤滑剤減損と炭素減損とを区別すべく使用され得る。図10乃至図13には、各々が本発明の異なる実施例に対応するヒストグラムの幾つかの例が示される。
【0040】
図10は、本発明の一実施例に係る、放射光源の入射角が約53°乃至約71°であるときの薄膜測定に関してS偏光放射光の変化(ΔSSP)とP偏光放射光の変化(ΔPSP)との間の関係を示すヒストグラムである。53°の角度は、[潤滑剤の屈折率/空気の屈折率]の逆正接として定義される潤滑剤のブルースター角の特定例である。71°の角度は、P偏光反射係数が炭素厚み変化に不感となる角度として定義される“P偏光クロスポイント角度”の特定例である。
【0041】
好適実施例において分析ユニット248は、以下の様式で上記正反射差分値(ΔSSP、ΔPSP)を用いて潤滑剤の貯留もしくは減損を識別710しまたは炭素摩耗を識別712する。焦点合わせされた光信号が薄膜に衝当する入射角が約53°乃至71°である場合、もしΔSSPの値が正であり且つΔPSPの値が負なら、分析ユニット248は薄膜ディスク100が潤滑剤減損に遭遇したと決定する。これは図10に示されたヒストグラムを使用すると、ΔSSP、ΔPSPが配置される象限を発見することで決定されるが、この例においてデータは潤滑剤減損として識別される象限IIにおいて発見される。分析ユニット248は、ΔSSPの値と、1オングストロームの潤滑剤変化当たりのΔSSP変化の量の較正とに基づき潤滑剤の減損もしくは貯留の量を決定する。
【0042】
この入射角の範囲によれば、潤滑剤貯留/減損、炭素摩耗および異物間の測定が容易に区別され得る。潤滑剤貯留、減損、炭素摩耗および異物は、上記2次元ヒストグラムの異なる象限内に在ることから、データの分離を更に容易とする。4個の象限の各々からの該データは、ディスク上における潤滑剤貯留、減損、炭素摩耗および異物の箇所を表す元の画像(実空間におけるPおよびS画像)へと逆トレースされ得る。
【0043】
もしΔSSPおよびΔPSPの両者が正であれば、分析ユニット248は薄膜ディスク100が炭素摩耗に遭遇したと決定する。上記分析ユニットは、種々の技術を用いて炭素摩耗の量を決定し得る。これらの技術の幾つかは以下に記述される。また、もしΔSSPが負であり且つΔPSPが正なら、分析ユニット248は薄膜ディスク100が潤滑剤貯留に遭遇したと決定する。上述された如く、ΔSSP/ΔPSPの比率は潤滑油の屈折率に相関する。この比率の期待値は既知であると共にコンピュータ・メモリ・モジュール244に記憶される。もしΔSSP/ΔPSPの比率が該比率の期待値に対応しないと分析ユニット248が決定したなら、該分析ユニットは潤滑剤層の潤滑油が劣化したと決定714する。
【0044】
図11は、本発明の一実施例に係る、放射光源の入射角が約53°(概略的に潤滑剤のブルースター角)であるときの薄膜測定に関してS偏光放射光の変化(ΔSSP)とP偏光放射光の変化(ΔPSP)との間の関係を示すヒストグラムである。この入射角は、潤滑剤の屈折率における変化に対する感度を強化する。これは、潤滑剤劣化の測定に対して最適化された実施例である。潤滑剤の屈折率における変化は、潤滑油の劣化に関連する。
【0045】
図12は、本発明の一実施例に係る、放射光源の入射角が53°未満であるときの薄膜測定に関してS偏光放射光の変化(ΔSSP)とP偏光放射光の変化(ΔPSP)との間の関係を示すヒストグラムである。この入射角の範囲は、潤滑剤、炭素厚み変化および絶対的炭素厚みに対する感度を強化する。これは、潤滑剤貯留/減損、炭素摩耗および炭素厚みの測定に対して最適化された実施例である。
【0046】
図13は、本発明の好適実施例に係る、放射光源の入射角が71°乃至90°であるときの薄膜測定に関してS偏光放射光の変化(ΔSSP)とP偏光放射光の変化(ΔPSP)との間の関係を示すヒストグラムである。この入射角の範囲は、特にP偏光が潤滑剤厚み変化に最高の感度を有する。この実施例は、潤滑剤貯留/減損の測定に対して最適化されている。この角度範囲の場合、測定された表面粗度の空間周波数は、略々直角入射にて測定される空間周波数の約2倍である。これにより大きな空間周波数粗度(小さな粗度)の測定が許容される。
【0047】
これらのヒストグラムを分析すべく使用される技術は、上述の記述と同様である。図12に関し、ΔSSPおよびΔPSPの値が両者ともに潤滑剤減損および炭素摩耗に対し正であることから、何が生じたかを識別するひとつの技術は図12に示された如くヒストグラムの勾配が変化する点を決定することである。ΔPSP、ΔSSPヒストグラムは、試験手順(起動/停止、薄膜ヘッドは飛翔もしくはドラッグする)の間に収集されたデータから(一切の試験が開始される前に獲得された)基準画像を減算することで構築される。差分画像は前述の如く構築され、上述の分析がヒストグラムに対して適用される。また、種々の時点にて基準画像から画像を減算することで、ヒストグラムの時間シーケンスが構築され得る。この様にしてヒストグラムの進展が、故にディスク表面の進展が、追随かつ分析され得る。
【0048】
分析ユニット248は、薄膜ディスク100の表面粗度を識別716する。粗度は、正反射光および散乱光と同時に測定される。分析ユニット248は、式(1)を使用して薄膜ディスク100の粗度のRMS(二乗平均)を決定する。
【0049】
RMS粗度=RQ=[(TIS)1/2×λ]/(4×π×cos(ψ)) (1)
式中、λは光信号の波長であり、ψは光信号の入射角であり、且つ、TISは光信号の散乱部分の全積分であり且つ式(2)により定義される。
【0050】
TIS=SC/(SP+SC) (2)
式中、SCは全散乱光であり且つSPは全正反射光である。上記に示された如く、上記式中の波長は入射光の波長である。好適実施例において波長は780nmまたは650nmのいずれかであるが、代替実施例において波長は任意の可視光もしくは非可視光の波長とされ得る。粗度が測定される最大空間周波数は、たとえば式(3)に従い光の波長および入射角により決定される。
【0051】
fg=(sin(ψ1)−sin(ψi))/λ (3)
式中、fgは最大空間周波数であり、ψ1は最大散乱角であり、且つ、ψiは入射角である。上記最大空間周波数は、スポットサイズもしくは上記球体の退出孔の内で大きな数を与える方により決定される。
【0052】
散乱光の測定値は、炭素摩耗および炭素厚みの量を測定すべく使用される。入射強度(incident intensity)は式(4)により与えられる。式(4)は単にエネルギの保存を記述している。
【0053】
Ii=IA+(ISP+ISC) (4)
式中、Iiは入射強度であり、IAは炭素膜の摩耗および炭素の厚みに関する吸収強度であり、ISPは正反射強度であり且つISCは散乱強度である。上記入射強度は固定維持されると共に、吸収強度を測定すべく、故に炭素摩耗または炭素厚みを測定すべく所定入射角にて正反射光および散乱光の両者を測定する必要がある。炭素摩耗を測定するアルゴリズムは2つの場合に分けられ得る。最初の場合は、上述の原位置摩耗測定として知られている。図18は、原位置の場合に対して炭素摩耗を決定するフローチャートを示している。該プロセスは、まさに実験作業の開始時にディスクを試験スタンド内に載置して基準画像を獲得1802する段階を含む。各基準画像は、ディスクの表面に対して何かが行われる前のSSP、SSC、PSPおよびPSC画像である。次にディスクは、薄膜磁気ヘッドの起動/停止動作、または、炭素保護上側被覆の摩耗を引き起こし得る他の任意のプロセスに委ねられる1804。起動/停止の間、ディスクは摩耗プロセスを辿るべく数回に亙りスキャン1806される。実験作業の完了時に、起動/停止動作の以前にディスク上で獲得された各画像から基準画像を減算することで差分画像が構築1808される。上記2次元濃度ヒストグラムは、ΔPSPおよびΔPSC(中間画像から基準画像を減算して形成された差分画像)を合計すると共に、ΔSSCと合計された対応ΔSSPにより2次元濃度ヒストグラムを作成することで構築される。上記各画像は必要に応じて低域通過1810され且つ高域濾過1811され、上記2次元ヒストグラムが構築1812される。上記ヒストグラムは図10に示された如く現れることもあり、もしそうであれば第1象限内に存する領域は炭素摩耗に対応する。
【0054】
炭素摩耗は、図14に示された如き炭素摩耗に対するP正反射光の曲線により較正され得る。図14は、nm単位の炭素層の厚みに対してP反射率の変化と絶対的P反射率とを示す理論的グラフである。図14に示された理論的曲線は、ニュージャージー州、プリンストンのFTGソフトウェア・アソシエーツ(FTG Software Associates, Princeton, New Jersey)から市販されている“フィルムスター(Film Star)”と称される薄膜分析プログラムを用い、図1に示された薄膜ディスクの各層の複素屈折率を知ることで算出されている。図14の各曲線を算出する代替的手法はたとえば、1997年のケンブリッジ大学刊行物、第6版の第51頁で開始する“光学の原理”(Principles of Optics" 6th Edition Cambridge University Press, 1997)にてBornおよびWolfにより、且つ、1987年の北ホラントの第270〜315頁の“偏光解析法および偏光”("Ellipsometry and Polarized Light" North-Holland, 1987)にてAzzamおよびBasharaにより論じられている。また、吸収層厚みに対する薄膜の反射率に関する各式は、たとえば上記で言及した“偏光解析法および偏光”に見られる。BornおよびWolfにおいて言及されたこれらの式または同様の式は、ディスクの反射率から膜厚を自動的に予測するコンピュータ・ソフトウェアに取入れられ得る。膜厚を予測するためには先ず、炭素層104および磁性体層106の複素屈折率を知ることが必要である。上記ヒストグラムの第1象限における各ポイントの反射率の変化は、図14に示された曲線などの反射率目盛り(図14の右辺上)の理論的変化により炭素摩耗と関連付けられ得る。図14の左辺の絶対的反射率目盛は、炭素の絶対的厚みを算出すべく使用され得る。炭素の絶対的厚みを算出するには、上記炭素層および磁性体層の複素屈折率を知る必要がある。また、薄膜ディスクからのS偏光反射率により同様の曲線が算出され得る。
【0055】
図14の左右の目盛上の反射率は、PSPおよびPSCの合計により実験的に測定された反射率である。光の正反射成分のみを使用するシステムは散乱された光を無視することから、不正確な炭素厚みもしくは摩耗の測定値を与える。正反射および散乱成分の合計を用いることの付加的な利点は、炭素摩耗からの信号が本質的に倍加されることである。これは、炭素が摩耗するとP正反射成分およびP散乱成分が増加するからである。P散乱成分が増加するのは、P光の殆どは吸収膜を貫通して磁性体層106から散乱するからである。炭素が薄寸化するにつれて磁性体層106からの散乱光の量は増加する、と言うのも、上記磁性体層からの散乱光を吸収する炭素が少ないからである。
【0056】
炭素摩耗の量を識別する代替方法は、上記炭素のk(屈折率の複素部分)を測定し、1オングストロームの炭素摩耗当たりの百分率反射率変化を使用することである。図15は、650nmの波長および58°の入射角を有する光信号に対する炭素のkに関して炭素摩耗に対するP偏光反射率の感度を示すグラフである。図15は、炭素の屈折率の虚数部分(k)と、炭素摩耗に対するP偏光の感度との間の関係を示している。図14における曲線の初期勾配(200オングストローム厚み)は図15に示された縦座標に類似しており、図15において縦座標における変化は炭素のkの変化に依るものである。横座標は炭素の上記kであり、且つ、縦座標は1オングストロームの炭素摩耗当たりのP偏光反射率変化の百分率で表現された、炭素厚みの変化に対するP正反射光の感度である。典型的な炭素は約0.4のk値を有することから、上記感度を1オングストロームの炭素摩耗当たりで約0.07%とする。この技術によれば、反射率の0.01%の変化が、故に1オングストローム未満の炭素摩耗の変化が検出され得る。図15のグラフは、炭素摩耗の近似測定値を決定すべく使用され得る。図14の曲線の初期勾配は、図15に示されたk=0.4の値として与えられる。図14を用いる上記第1の技術は、反射率対摩耗の非線形性を考慮するという利点を有する。図15を使用する第2の技術は、簡素性の利点を有する。炭素摩耗の分析は、一次元の摩耗ヒストグラムを用いて助力される。ヒストグラムには、炭素摩耗に対応する画像(もし入射角が58°なら第1象限)における各ピクセルがプロットされる。この一次元ヒストグラムは縦座標としてピクセルの個数を有し、且つ、横座標は上記の如く較正された炭素摩耗の量である。上記ヒストグラムによればユーザは、摩耗の量に対して、摩耗された表面の量(ピクセルの個数)を表示し得る。この様にしてユーザは、摩耗の量(横座標上の点)を選択し、この摩耗の量を超えてまたはこの摩耗の量未満にて摩耗した表面積の百分率を決定し得る。これは、薄膜ヘッドにより誘起された摩耗に応じて種々の炭素表面の比較を助力する。
【0057】
上記データの分析は、時間の関数として薄膜ディスクの画像を分析することで達成される。上記ディスクは、上述された如くディスク表面を改変し得る薄膜ヘッドの起動/停止などの一定の動作に委ねられる。ディスクの画像は一定の時間間隔で反復され、これらの画像は2次元ヒストグラムを介してステップ702〜716で分析される。図18には、原位置手順を用いる炭素摩耗分析の例が示される。各画像を収集してそれらを分析するステップ702〜716は、実験作業が結論付けられるまで反復される。各画像は、極めて正確なステッパ・モータにより薄膜ディスクの半径に亙り装置200を移動する一方、ディスクを高速度(1,000〜2,000rpm)で回転することで構築される。
【0058】
ディスクを高速度で回転するスピンドルは、たとえば360°の回転を行うときに1,024個のパルスを生成するエンコーダを含む。このエンコーダは、ディスクの回りにおける円周方向位置を決定すべく使用される。本発明は好適には、ディスクの周縁部の回りにおける位置の極めて高分解能の決定を利用する。これは、64倍までの選択可能な係数をエンコーダ信号に乗算すべく位相ロックループ(phase locked loop)を用いて達成される。1,024個のエンコーダ・パルスを乗算する位相ロックループは、エンコーダにおける一切の速度ジッタを追尾する能力を有する。この特徴によれば、横方向分解能(lateral resolution)の損失なしで反復回転の平均が行われ得る。すなわち引き続く回転は相互に同相に在り、平均されたときに結果的な画像は一切のジッタ効果により不鮮明とされない。平均化は、信号/ノイズ比を改善すべく行われる。
【0059】
スピンドル・ジッタのスペクトルは、スピンドル回転の周波数に関連すると仮定され、その一定の倍数に制限される。たとえばジッタは、モータ磁極からのトルクの変動に起因し得る。スピンドル周波数ジッタに関わらず、上記エンコーダの出力はディスク上のデータを厳密に追尾する。故に、データ獲得クロックをエンコーダに同期するのが理想的である。実際問題としては、クロックがエンコーダを追尾し得る周波数に関する制限が在る。(エンコーダからアナログ/デジタル変換器に対するクロックを生成する)位相ロックループにおいて、エンコーダは内部基準クロックと比較されて位相エラー・パルスが生成される。これらのパルスのデューティ・サイクルは、内部基準がエンコーダ周波数に整合するかまたは追尾を維持すべく調節されるべきかを表すエラー信号を構成する。これらのパルスをエラー信号として有用な平均電圧へと変換するには、追尾帯域幅を制限するローパス・フィルタが必要である。対立するパラメータは、ローパス・フィルタの遮断周波数が低下されるにつれて低下するエラー信号リップルである。エラー信号のリップルは、乗算されたクロックの周波数の小さな変動につながる。各エンコーダ期間の間におけるクロック周波数のこの上昇および下降は、スキャン毎には一貫していることから平均化に対して脅威ではないが、もし振幅が大きければデータ特徴の外観を歪曲する。また、スピンドル・ジッタの反復可能な部分は(画像を歪曲し得るが)平均化に対して脅威ではない。しかしジッタの反復不能な部分は平均画像を不鮮明とすることから、該回路はこの不鮮明さを除去し、高分解能および高信号/ノイズ画像に帰着する。
【0060】
エンコーダ周波数はスピンドル周波数の1,024倍であることから折衷案に行き当たり、ローパス・フィルタの遮断周波数は、スピンドル周波数の約50〜100倍速く且つエンコーダ周波数の約10〜20倍遅くされ得る。この様にして、スピンドル周波数の>50倍までのスピンドル・ジッタが追尾される一方、クロック周波数は±数%以内で安定なままである。エンコーダ周波数は広範囲に変動することから、ローパス・フィルタの遮断周波数は上記の比率を維持すべく調節されねばならない。本発明の一実施例の68:1エンコーダ周波数範囲は7個の2:1範囲に分割され、その各々はアナログ・マルチプレクサを介して適切なコンデンサを切換えることで確立された個々の固定フィルタ設定を使用する。
【0061】
上述された如く好適実施例において薄膜ディスク特性の測定は原位置で行われる。代替実施例において薄膜特性の測定は、原位置外で行われる。図19は、本発明に係る原位置外手順を用いて炭素摩耗を測定する方法を示すフローチャートである。薄膜ディスク特性を原位置外で測定するひとつの技術は、薄膜磁気ディスクを別体の試験スタンド上で試験することである。これは、基準画像を獲得する必要が無いことを意味する。ユーザはスピンドル上にディスクを載置するとともに、図2に示された上記装置が炭素摩耗に関してそのディスクをスキャンする。このスキャンにより、実験作業の完了時には炭素摩耗、潤滑剤減損、潤滑剤貯留および表面粗度の測定値の変化が提供される。ユーザはPSP、PSC、SSPおよびSSCを測定1902する。各画像は一切の背景変動を除去すべく高域濾過1904されると共に、画像の平均値をゼロに設定することで反射率のDC値が除去1906される。次に、合計された画像PSP+PSCおよびSSP+SSCが算出1908され、必要に応じてノイズを除去すべく低域通過1910される。次に2次元ヒストグラムが算出1912され、炭素摩耗に対応する各ポイントが識別される。これらのポイントの強度は、図14および図15などの曲線によりオングストローム単位で炭素摩耗に関連付け1914される。
【0062】
炭素の絶対的厚みは、図14に示された如き理論モデルを介してPSPおよびPSCの合計またはSSPおよびSSCの合計を炭素厚みに関連付けることで算出され得る。この方法は炭素厚みの測定に限定されるものでなく、吸収性被覆により被覆された一切の反射性基板に適用され得る。
【0063】
製造業者は、公知の炭素の上側被覆厚みにより薄膜ディスクを作成する。炭素厚みの制御基準は±10%のオーダーである。炭素の絶対的厚み及び複素屈折率を知れば、図14および図15などの較正曲線を構築し、結果として炭素摩耗の量を決定し得る。潤滑剤の厚みの変化は、上記2次元ヒストグラムの第2象限または第4象限から決定され得る。上述された如く、潤滑剤に対する較正係数は曲線から獲得される。而して較正係数は、特定実施例がどの角度で動作するかに依存する。もしその実施例が53°〜71°の角度で動作するなら、第4象限に収まるデータは潤滑剤貯留に対応し、第2象限のデータは潤滑剤減損に対応する。潤滑剤の絶対的厚みは、ディスク100上の潤滑剤の一部を適切な溶媒で除去することで決定され得る。上記段部(step)に対応する反射率は、PもしくはS正反射率で測定され得る。この反射率変化は、図8などの曲線により潤滑剤の厚みに関連付けられ得る。図8の如き曲線は、ニュージャージー州、プリンストンのFTGソフトウェア・アソシエーツなどから市販されている“フィルムスター”などのソフトウェアにより算出され得る。SもしくはP反射率のいずれも使用され得るがS反射率が好適である、と言うのも、S反射率における潤滑剤に対する感度は炭素のkが1未満のときにkに殆ど無関係だからである。
【0064】
その実施例が53°〜71°の角度で作動する場合、潤滑剤における段部の測定はP画像に対するS画像の比率またはその逆を実施することで強化され得る。これは2つの理由により潤滑剤に対する強化コントラストを与える:1)Sに対するPまたはPに対するSの比率はディスク上における反射率変動の殆どを除去して潤滑剤における段部のみを示し、2)潤滑剤段部に対するS光の応答はP光のそれの逆である結果、比率画像は潤滑剤段部からの信号を増大するからである。潤滑剤に対するS対P(またはP対S)の画像の比率の感度は、潤滑剤厚みに対してSまたはP正反射画像が較正されるのと同様の様式で較正され得る。
【0065】
摩擦学者は薄膜ディスク100の表面上で潤滑剤が如何に移動するかを測定する必要がある、と言うのも、炭素保護層の耐久性を決定する上で潤滑剤の動作は極めて重要だからである。上記比率もまた、潤滑剤の動作(移動性)を観察すべく使用され得る。上記比率は強化されたコントラストを与えると共に、上記で論じられた如く潤滑剤段部に無関係な反射率変動を除去する。この比率によればユーザはまた、潤滑剤段部と共にディスクを取り外してそれらを(湿度もしくは温度などの)一定の環境ストレス下に置いてから、ディスクを元の場所に置いて潤滑剤段部がどれだけ移動したかを測定し得る。これは上記比率を用いなければ不可能である、と言うのも、絶対的画像は潤滑剤段部を見分けるに十分なコントラストを有さないからである。
【0066】
S画像に対するP画像の比率はまた、ディスク表面上の深いもしくは異常なテクスチャ・ライン(texture line)を識別するためにも使用され得る。これは可能である、と言うのも、これらの画像の比率は、光線によりサンプリングされつつある領域の屈折率に関連付けられるからである。異常なもしくは深いテクスチャ・ラインは自身上に炭素が少なくまたは自身内に汚染物を有する。結果として、上記比率画像は異常なもしくは深いテクスチャ・ラインに対して強いコントラストを与える、と言うのも、炭素の欠如または汚染は屈折率を変化させる結果としてP対SまたはS対Pの比率を変化させるからである。S画像に対するP画像の比率はまたディスク上の汚染を識別するためにも使用され得る、と言うのも、ディスク上の汚染は光学的特性の変化を引き起こすからである。特に、膜の下方もしくは上方の汚染により複素屈折率が変化され、P対Sの比率はこれをディスクの種々の領域間のコントラストとして示す。個々の画像もまた反射率の変化として汚染を示すがP対SもしくはS対Pの比率は変化を更に明瞭に示す、と言うのも、上記比率は汚染が存在する領域を除き一定だからである。
【0067】
潤滑剤特性および炭素摩耗の測定に加え、本発明は上述の技術を用いて薄膜ディスク100の表面粗度も同時に測定し得る。薄膜磁気ディスクの粗度の画像は、位置によりディスクの粗度の変動を与える。ディスクの粗度もしくは滑らかさは典型的には、事実上略々円周方向である研磨痕跡を生成する機械的研磨に依るものである。(式(1)により獲得された)粗度画像または各正反射画像の一方の高速フーリエ変換(FFT)を作成することで略々円周方向研磨の空間周波数を空間周波数領域に表示し得る。FFTは研磨ラインの角度的分布(angular distribution)を測定すべく使用されるが、これは薄膜ディスクの製造における関心パラメータである。粗度画像のFFTは、特定方向に延在するテクスチャ・ラインの粗度とテクスチャ・ラインの粗度出力密度(roughness power density)を与える。図16は、本発明の好適実施例により利用される粗度画像もしくは各正反射画像のひとつから獲得されるディスク・テクスチャのFFTを示す図である。このFFTを切断すると、テクスチャ・ライン粗度分布(texture line roughness distribution)の角度および角度幅に対してテクスチャ・ラインの粗度出力密度が提供される。図17は、ディスク・テクスチャ・ライン・パターンのテクスチャ角度、幅およびテクスチャ出力密度分布を示す上記高速フーリエ変換を通る切断面を示す図である。
【0068】
本発明の別の特徴は、図2に示された装置200を自動的に焦点合わせする方法である。自動焦点合わせは、上記計測器を備えたスピンスタンド上に、レーザ領域が加工されたディスクを載置することで行われ得る。レーザ領域が加工されたディスクは磁気薄膜ディスクであり、該ディスクは自身の内径付近に螺旋パターンで載置された一連のレーザ溶融***部を有している。上記レーザ溶融***部は、ディスクが停止したときに薄膜ヘッドがディスクに突き刺さるのを防止する。スピンスタンドはディスクが載置される試験スタンドであり、ディスクを回転してディスク・ドライブの動作をシミュレートする。図2に示された装置200は薄膜磁気ディスクのレーザ加工された領域の上方に載置され、焦点が調節され乍ら正反射出力および散乱出力がオシロスコープ上で観察される。上記計測器が焦点に来たとき、上記レーザ用***部(laser bump)からの正反射および散乱信号が最大値に到達する。
【0069】
潤滑剤の特性は湿度に敏感であることから、湿度が変化するときの潤滑剤特性を測定することが重要である。多くの場合、装置200は高湿度環境で動作する。光学機器を加熱すれば、本発明の該実施例の動作が高湿度環境で許容される。上記計測器の光学機器は雰囲気温度よりも僅かに高く加熱されることから、湿度環境で使用されたとき水分は上記光学機器上に凝縮しない。上記光学機器を加熱するひとつの技術は、上記光学的閉塞体内の電子機器により生成された熱を使用することである。代替的技術は、光学的アセンブリ200内にまたはその近傍に小寸のヒータを載置することである。
【0070】
本発明の代替実施例において上記の光学的表面分析装置および方法は、レーザ用***部の高さと相関され得る薄膜ディスク磁気媒体上のレーザ用***部のRMS粗度の高速測定に使用される。これは、薄膜ディスク上のレーザ用***部の製造におけるプロセス制御フィードバックとして有用である。本発明の好適実施例は小寸スポットサイズの散乱計(3ミクロンの分解能)を含むことから、個々のレーザ・テクスチャ***部(laser texture bump)からの散乱光を解像し得る。個々のレーザ用***部のRMS粗度は、式(1)から算出される如く正反射光に対する散乱反射光の比率から決定される。個々に解像されたレーザ用***部のRMS粗度は、各レーザ用***部の高さの関数である。故にレーザ・テクスチャ***部のRMS粗度の測定値は、レーザ・テクスチャ***部の高さおよび高さ分布の監視に使用され得る。この技術は、レーザ用***部の高さを決定する従来の光学的もしくは機械的な技術よりも数桁速いという極めて高速(10MHzのデータ速度)であるという独特の利点を有する。
【0071】
本発明の代替実施例において上記の光学的表面分析装置および方法は、潤滑剤層102および/または炭素層104上における光沢研磨ヘッド(burnish head)または滑空ヘッド(glide head)の効果の識別を助力すべく使用される。光沢研磨ヘッドは、ディスクの表面の近傍を飛翔する低速飛翔セラミック・スライダである。それを行う上で該スライダは、ディスクの表面から凹凸を除去する。滑空ヘッドは、好適実施例においては圧電センサを備えた低速飛翔セラミック・スライダである。滑空ヘッドはディスクの表面の上方を飛翔せしめられ、凹凸に遭遇したときに欠陥がディスク上に存在することを表す信号を送信する。
【0072】
通常、潤滑剤層102または炭素層104上での光沢研磨ヘッドまたは滑空ヘッドの効果を観察するのは困難である、と言うのも、これらの効果を原位置ですなわちディスクを光沢研磨もしくは滑空するプロセスの間に観察する従来のシステムまたは方法が存在しないからである。本発明の一実施例は、薄膜ディスク特性を測定する上述のシステムおよび方法を、以下に記述される様式での滑空のために、磁気、摩擦、スティクション(stiction)、光沢研磨の各ヘッドおよび音響放射(acoustic emission)と組合せる。この組合せにより、たとえば粗度、テクスチャおよび/または炭素層厚みなどの炭素層104上での光沢研磨および滑空の効果の検査が許容される。
【0073】
薄膜スライダが薄膜ディスクのひとつの特定半径に長時間留まる時点であるトラック追随の間に、または、薄膜ディスクへのアクセスの間に、上記スライダが潤滑剤層102を減損、貯留または劣化する可能性がある。本発明の該実施例は、これらの影響が生ずる間に該影響を測定して分析する。たとえば劣化潤滑剤の層は、長時間のトラック追随の結果としてディスク上に形成され得る。該実施例は、潤滑剤における変化が磁気信号に対して有する効果を測定することで、潤滑剤層102の特性を測定する。炭素厚みの変化の結果は、磁気信号の振幅の変化により測定される。これに加え、全ての測定は原位置ですなわちディスクをスピンドルから除去せずに行われ得る。
【0074】
本発明の該実施例は、粗度、潤滑剤減損/貯留、潤滑剤劣化、表面異物および炭素摩耗などの表面特性を特性記述するツールである。これはディスク表面を測定して作像するものである。この点、ディスク・ドライブの動作をシミュレートし得るべくスピンドルおよび回転アクチュエータを備えて“スピンスタンド(spinstand)”と一般的に知られたツールが在る。該ツールはまた、スピンドルの起動および停止の間に磁気ヘッドがディスク表面に接触するときに該磁気ヘッドにより行われる摩耗および裂開もシミュレートする。更に上記スピンスタンドは、ディスクの他の特性を測定するツールも含み得る。たとえば、ディスクに対するヘッドのスティクション/摩擦、ディスクの磁気信号振幅、ヘッドとディスクとの間の接触からの音響放射、および、ヘッドの平均飛翔高さの上方に突出する表面形状を検出してマッピングするセンサなどである。
【0075】
一実施例においては上記の機能が組合され、各ツールからのデータが他のツールの測定値に対して相関され得る。これによりユーザは各データを相関し得る、と言うのも、種々の測定が同時にもしくは順次に且つ原位置で行われ得るからである。これにより、上記ツールの有用性は相当に強化される。たとえば、スピンドルの起動/停止の間における薄膜ディスクの破損(failure)の原因となるメカニズムがより良く理解され得る。これに加え、潤滑剤劣化/減損、炭素摩耗の進展および表面粗度の変化は、スピンドルの起動/停止の回数の関数として追随され得る。
【0076】
本発明の該実施例を上記スピンスタンドと組合せる上で、本発明の光学構成要素200とスピンスタンドの回転アクチュエータおよび磁気ヘッドは極めて接近される。最適には光学構成要素200はディスク領域の半分以上を占有してはならず、さもなければスピンスタンドの回転アクチュエータと衝突してしまう。本発明200は小寸形態であり特に上記積分球が小寸とされる、と言うのも、該積分球は磁気ヘッドを保持する上記回転アクチュエータに最接近するからである。
【0077】
本発明の別実施例は、薄膜特性を測定する上述の装置および方法を、原子間力顕微鏡(AFM)などの高分解能の光学的もしくは機械的ツールと組合せ、薄膜ディスク上の損傷領域を迅速かつ容易に識別する。たとえばカリフォルニア州、サンタバーバラ(Santa Barbara)のデジタル・インスツルメント社(Digital Instruments)からのモデルDI-5000などの習用の原子間力顕微鏡は、表面の極めて高分解能の画像を提供し得るが、たとえば約100マイクロメータなどの極めて小さな検出範囲(視認直径)を有する。故に、薄膜ディスクの損傷領域を習用のAFMを用いて発見することは極めて困難である。しかし上述の装置200および方法は、薄膜ディスク100上の損傷領域を容易かつ迅速に発見する。上述された如く本発明の一実施例は、たとえば炭素摩耗、表面粗度、潤滑剤減損、潤滑剤貯留および潤滑剤劣化などの形態で薄膜ディスク損傷を識別する。本発明の該実施例は光学分析装置200を使用し、薄膜ディスク100の損傷部分を迅速かつ安価に発見する。装置200は、損傷箇所を正確に識別する。上記AFMは、正確に識別された損傷箇所の検証に関している。該実施例によれば上記AFMは、ディスクの損傷部分を発見して極めて詳細な分析を実施し得る。故に本発明の該実施例によればユーザは、薄膜ディスク100上の一個以上の損傷部分を迅速かつ安価に発見し得ると共に、習用のシステムおよび方法を用いた場合に可能であるよりも相当に迅速にAFMを直接的に損傷部分に導向し得る。
【0078】
特定例はレーザ用***部の炭素摩耗の考察であり、炭素摩耗を有する特定のレーザ用***部(数百個〜数千個のレーザ用***部)を発見し得るのが望ましい。高出力および高分解能の測定もしくは作像ツールにより、これらの摩耗***部を迅速に発見してこれらのレーザ用***部を考察するのが好適である。本発明は、レーザ用***部を迅速に発見し得るが、極めて詳細にレーザ用***部を考察する分解能は有していない。逆に、原子間力顕微鏡(AFM)などの高分解能ツールは多数の***部を分析するには遅すぎる。これらの2つの形式のツールを組合せると、両ツールの利点が提供される。問題となる(炭素摩耗を有する)レーザ用***部は本発明を用いて迅速に発見され得ると共に、ディスクを保持するスピンドルの位置エンコーダは斯かる***部の箇所を追尾し得る。同一のスピンドルはまた、AFMの箇所に対する光線位置の相対位置も較正し得る。次にこれらのレーザ用***部は、更なる考察のために(たとえばAFMなどの)高分解能ツール下に載置され得る。
【0079】
本発明の別実施例は、高温膜測定を実施するシステムおよび方法である。図20は、本発明の一実施例に係る高温薄膜測定システム2000を示す図である。高温システム2000は、図2の視点と比較して逆角度視点である。システム2000は、炭素膜の厚みおよび摩耗、潤滑剤膜の厚みおよび厚み変動、表面粗度、および潤滑剤の劣化を測定し得る。システム設計態様は、たとえば図2に関して上記に示された設計態様と類似している。ひとつの変更は、高温薄膜測定システム2000によればたとえば80℃などの高温での動作が許容されることである。高温薄膜測定システム2000は、たとえばニューメキシコ州、アルバカーキー(Albuquerque, NM)のCVI Laser社から入手可能な0次温度補償型クォーツ半波長板(zero order temperature compensated quartz half wave plate)2004、および、日本、京都のローム社(Rohm Co., LTD.)から入手可能な高温レーザ・ダイオード2002を使用する。0次クォーツ半波長板2004は、ニューヨーク州、イーストロックウェイ(East Rockway)のW.M.Berg社から市販されているギヤ2008を使用する、たとえばカリフォルニア州、バーリンガム(Burlingame)のMaxon Precision Motors社の型式番号118426などの小型モータにより45°まで回転され得る回転可能ハウジング内に取付けられる。上記半波長板を45°に亙り回転すると、偏光性は90°まで回転される。高温薄膜測定システム2000はまた、図2に関して上述されたものと同様とされ得る積分球218およびバッフル226も含む。積分球218は、立方体アルミニウム・ブロックの内部の切欠である。高温薄膜測定システム2000はまた、図2に類似した集束レンズ216および平行化レンズ220も含んでいる。高温薄膜測定システム2000はまた図4に示されたのと実質的に同一の帰還回路も含むが、これは、図6に示されたのと実質的に同一のレーザ強度、増幅、信号調整およびデジタル化を行う電子機器を制御するためである。
【0080】
解決されるべきひとつの問題は、高温膜測定システムを開発することである。ハードディスク・ドライブおよびディスクの製造業者は、たとえば80℃などの比較的高温にて自身のディスク上の炭素および潤滑剤を試験する必要がある。これは、この温度にて作動し得る膜測定システムを作成することで達成され得る。これを達成する手段は、高温レーザ・ダイオード2002と共に、機械的に回転可能な温度補償型0次半波長板2004を使用することである。使用される上記レーザは、日本、京都のローム社から入手可能であり且つ型式番号はRLD-78MAT1である。これは、ノイズが低くて80℃で連続的に作動し得る780nmレーザ・ダイオードである。上記温度補償型0次半波長板は、米国のニューメキシコ州、アルバカーキーのCVI Laser社から入手可能である。他の全ての光学的および電気的構成要素は80℃より高温へと調節されることから、結果的なシステムは80℃まで作動し得ると共に80%のRH(相対湿度)にて作動され得る。
【0081】
ディスク・ドライブ販売会社およびそのサプライヤは、たとえば80%の相対湿度にて70℃までの環境で薄膜ディスクおよび完成されたディスク・ドライブを試験する。習用のシステムは、ペルチェ冷却(Peltier cooled)されたまたは冷却されない強度安定化レーザのいずれかのレーザを使用する。ペルチェ冷却されたレーザには幾つかの問題が在り、すなわち、70℃の温度および80%の相対湿度のチャンバ内で(たとえば25℃まで冷却された)冷却レーザを使用せんとする場合、冷却されたレーザの表面上には水が凝縮することから光学的表面を損傷する。また、50℃または60℃より高い温度でペルチェ冷却器を作動せんとすれば、習用のレーザは損傷され得る。図20に示された実施例は、80℃の温度における連続的動作に対して開発された非冷却レーザ2002を使用する。図20に示されたシステムはまた80%の相対湿度にもて作動する、と言うのも、上記レーザは実際にその周囲よりも僅かに高い温度で作動するからである。
【0082】
高温システムにおいて克服される必要のある別の問題は、PおよびS偏光間で偏光性を切換える手段である。習用の液晶可変半波長板206は、50℃を超えると作動し得ない。この問題に対する解決策は、熱的に補償された0次半波長板を使用することである。波長板の形式は熱的補償を有することから、80℃を超えた温度での作動が許容される。上記0次半波長板は、PおよびS状態間で偏光性を切換えるべく機械的に回転される。これは、小型電気モータ2006およびギヤ2008により達成される。上記電子機器に対する温度の影響を減少すべく、上記前置増幅器/レーザ調整盤214は高温環境の外側に配置される。上記各光検出器および盤214の間の接続は、ケーブルにより行われる。
【0083】
図20に示されたシステムは、図2に示されたのと同様の様式で作動する。このシステムは積分球218に入力開孔2016を有するが、該開孔は光線よりも僅かに大きいことから、光線は該開口により遮断されない。積分球218は底部に孔2022を有するが、該孔により、光線はディスクに衝当してから開孔2024を介して上記積分球から外方に反射し得る。開孔2024は上記光線より僅かに大寸であることから、光線は遮断されずに通過し得る。開孔2024の箇所は、ディスクの表面から1cm未満である。開孔2024の直径は、上記で論じられた式(3)に従い上記デバイスが測定し得る粗度の最小空間周波数を制御し得る。上記積分球はその頂部に開口を有することから、散乱光は散乱光検出器224Bに衝当し得る。而して正反射光線は、光線が拡開するのを防止する平行化レンズ220へと導向される。光線は上記平行化レンズを通過した後、開口2030を介して小型積分球2028内へと通過する。上記積分球は、ディスクの歪曲および振れ(runout)に対する上記光検出器の感度を減少する。歪曲されたディスクは、完全な平坦平面とは異なるディスクである。製造プロセス、または、スピンドル上にディスクを挟持するプロセスがディスクの歪曲を引き起こし得る。ディスクの振れは、スピンドルの不完全さにより引き起こされる垂直方向のディスクの動き、および、ディスクの機械的振動である。正反射強度は、上記小型積分球における孔2032を介して正反射光検出器224Aにより検出される。孔2030は、平行化された正反射光線よりも大きく設計されることから、光線は該光線により遮断されない。積分球2028は紙面の平面内で僅かに回転されることから、該積分球の進入ポートは光線に対し直交しない。このことは、積分球2028の背部から反射された信号が散乱光積分球218内への光路へと逆反射しないことを意味する。ここで逆反射とは、到来するレーザ光線の経路へと実質的に直接的に反射することを意味する。積分球218内に入る反射光の量は、積分球218と平行化レンズ220との間に載置された黒色不透明バッフル2026を用いて更に減少される。ディスク歪曲に対する正反射光検出器224Aの感度を減少する別の手段は、図2に示された如く正反射光検出器224Aの前方に拡散板222を載置することである。
【0084】
たとえば上述の装置200、2000などの光学的表面分析器は、たとえば磁気ディスク媒体の反射的表面上の複数層の薄膜被覆の摩耗により誘起される厚み変化を測定する。本発明の別の特徴は、2次元ヒストグラムを用いて薄膜の種々の層からの信号を分離して識別するシステムおよび方法である。該方法は、上記で言及したことにより本明細書中に援用されると共に1995年1月に刊行された摩擦学に関するASME刊行物、第117巻、第112頁でS. MeeksおよびH. Rosenにより詳細に記述されている。
【0085】
上記2次元ヒストグラムは計測器用ソフトウェアにより生成されるとともに該2次元ヒストグラムによればユーザは、ヒストグラムにおける炭素摩耗信号などの特定の関心領域を、該領域の回りのラインを手動でトレースすることで選択し得る。次に上記ソフトウェアは画像源位置をトレースすることにより、画像上でヒストグラムの選択領域の位置を発見して強調する。2次元ヒストグラムを構築すべく、P、S平面(上記ヒストグラムの空間)内に一定のΔP×ΔS寸法を有する(バケットとして知られる)小領域の各々が定義される。実空間画像における各座標対(x,y)が選択され、そのP、S座標が収まる対応バケットが識別される。画像全体を完了した後、各バケットにおけるポイントの総数が識別されると共に、バケット内のポイントの個数に基づきたとえば色が割当てられる。完成された2次元画像は、2次元濃度ヒストグラムとして公知である。上記2次元濃度ヒストグラムは、潤滑剤貯留、減損、炭素摩耗および異物の各領域を別個の領域へと分離する。異物は、ディスク上での摩耗プロセスの結果としての生成物である。これに加え、上記ヒストグラムの勾配は、改変されつつある層の屈折率に関している。2次元ヒストグラムを生成するひとつの技術は、1992年の顕微鏡観察法:重要な研究ツール(Microscopy: The Key Research Tool)、第22巻、第21頁における“濃度ヒストグラム作像:関連画像の定量的図示(Concentration Histogram Imaging: A Quantitative View of Related Images)”と称された論文においてBrightおよびMarinenkoによっても論じられている。
【0086】
本発明の3つの実施例の各々は、操作者の介在なしで炭素摩耗信号、劣化潤滑剤、潤滑剤貯留/減損、異物および欠陥などの特定の関心領域を自動的に選択してからこの情報を用いて炭素もしくは潤滑剤のタイプを最適化しまたはディスク・ドライブの障害を分析する方法を使用する。
【0087】
上記の3つの方法は、(1)中心軌跡[centroid]の回りにおける対称操作を実施し、(2)基準ヒストグラムを減算し、且つ(3)基準ヒストグラムとAND/NOT演算を実施する段階である。
【0088】
上記の3つの実施例は、たとえばパーソナルコンピュータ、マイクロコントローラ、単一チップコンピュータ、ネットワークなどの習用のコンピュータ・システムにおいて実現され得る。一例として本発明のこれらの実施例は、たとえば図21に示された如き習用のパーソナルコンピュータまたはマイクロコントローラなどの習用のコンピュータ・システム上で実現され得る。図21に示されたコンピュータ・システムは、PentiumII 400MHzプロセッサなどの習用のプロセッサ、習用の記憶ユニット2104、習用の入出力ユニット2106および習用のメモリ2108を含む。本発明の一実施例においてメモリ2108は、ワシントン州、レドモンド(Redmond)のMicrosoft社から市販されているWindows98などのオペレーティング・システム2110に関連するソフトウェアを含み得る。これに加え、本発明の一定の実施例は、対称ユニット2112、ヒストグラム減算ユニット2114およびAND/NOTユニット2116のひとつ以上を含み得る。対称ユニット2112、ヒストグラム減算ユニット2114およびAND/NOTユニット2116の更に詳細な記述は、以下に示される。
【0089】
本発明の一実施例は対称ユニット2112により、ヒストグラムの中心軌跡の回りにおける対称操作を実施して中心軌跡回りの対称的ヒストグラムを生成する。図22は、本発明の一実施例に係る対称ユニット2112の作用を示すフローチャートである。対称ユニット2112はヒストグラムを受信2202する。上記2次元ヒストグラムは、上述の様式で生成され得る。対称ユニット2112は、ヒストグラムの中心軌跡を決定2204する。2Dヒストグラムの中心軌跡を識別するひとつの技術は、以下に示される。上記対称ユニットは先ず2Dヒストグラムを、たとえば一切の非ゼロ・ピクセル値が“1”となりその他の場合にピクセルは“0”の値を取るという2進表示へと変換する。次に、この2進画像から骨格化/軸変換(skeletonization/Medial Axis transformation)が実施される。骨格化は、2進画像を、元の領域の範囲および接続性を殆ど保存する骨格残存物へと整理編集(reduce)するプロセスである。また骨格化は、デジタル画像処理に対する一種の形態的フィルタ(morphological filter)である。骨格化のプロセスの間に導入され得る擬似側線の無い骨格を生成するためには、更なる処理(たとえば細線化処理[thinning]または侵食[erosion]などの、簡潔化[pruning])が必要なこともある。次に、中心軌跡のより良い表現を獲得すべく‘骨格化’に加えてまたはそれと別体的に他の形態的フィルタが使用され得るが、斯かるフィルタとしては、2進画像形状を本質的に単一ピクセル太さまで減少する細線化処理、および、元の領域の境界を侵食除去するプロセスである侵食が挙げられる。この操作はたとえば、2Dヒストグラム画像上の小斑点ノイズを除去し得る。骨格化プロセスの一例は1997年のMcGraw-HillにおいてHoward E. Burdickにより‘デジタル作像(Digital Imaging)’で詳細に記述されているが、これは言及したことによりその全体が本明細書中に援用される。
【0090】
対称ユニット2112は、ヒストグラムの左側を中心軌跡線の回りで右側へと鏡映2206し、ヒストグラムの右側から、鏡映された左側を減算2208する。結果的なヒストグラムは上記ヒストグラムの非対称的部分を表し、これは、炭素摩耗、異物、欠陥などを含むルックアップ・テーブルを介して識別され得る。関心領域が識別されたなら、摩耗により覆われた表面積の百分率、摩耗の深度、劣化潤滑剤などのパラメータが自動的に計算され得る。
【0091】
図25は、本発明の実施例に従い簡素化された2次元ヒストグラムの例である。(たとえば炭素摩耗などの)薄膜厚み変化からの信号は、陰影領域2502として示される。目的は、ヒストグラムの非陰影部分をデータから除去することである。この領域は、非陰影領域の対称線の忠実な近似である中心軌跡線2504を計算することで、上記画像の残部から自動的に分離され得る。次に、ヒストグラム画像の中心軌跡線2504に関して対称的である上記ヒストグラムの領域2506がデータから除去され得る。この例においては、中心軌跡線2504の左のデータおよび中心軌跡線2504の逆側におけるその対称部分は上記ヒストグラムから減算2208される。残存するのは、摩耗領域からの信号である陰影領域2502である。炭素摩耗に対応するこの領域は、PSUM軸心上に投影され、適切な較正により炭素摩耗の定量的な量を与え得る。炭素摩耗の量を算出する上では、本明細書において先に論じられた同様の較正係数が使用され得る。この技術は、それ自体がデータの自動分析を与える。たとえば、表面摩耗の百分率および炭素摩耗の1Dヒストグラムの自動分析である。
【0092】
上記2Dヒストグラムは(x,y)格納位置[bin position]における値から成るが、この格納位置の振幅(amplitude)は、該格納位置内に収まる振幅xおよびyの空間的に同一な2個の画像からポイントの個数をカウントすることで与えられる。格納位置は寸法Δx×Δyの小寸領域の位置であり、その目的は、特定の箇所においてこれらの寸法内に収まるポイントの個数を蓄積かつカウントし得るバケットとしての役割を果たすことである。上記2Dヒストグラムは、同一の空間位置上で測定された任意の2個の画像により形成され得る。
【0093】
上記ヒストグラムの対称部分の減算の後で残存する該ヒストグラムの各部分の分析は、PSUMおよびSSUMに基づき分析され得る。図26は、本発明の一実施例に係る分析技術を示す図である。
【0094】
もしPSUM/SSUMが両者ともに正でありすなわち各値が象限1内に収まるなら、ディスクの試験領域は炭素摩耗のみを有する。もし各値が象限2に収まるなら、試験領域は潤滑剤減損を有する。もし各値が象限3に収まるなら、ディスクの試験領域は劣化潤滑剤および/または異物、または、異常なテクスチャ・ラインを有する。もし各値が象限4に収まるなら、ディスクの試験領域は、炭素摩耗および劣化潤滑剤、または、潤滑剤貯留もしくは有機物貯留の混合を有する。
【0095】
本発明の別実施例は、測定されるべきディスクのヒストグラムから減算される基準ヒストグラムを使用する。図23は、本発明の一実施例に係るヒストグラム減算ユニット2114の作用を示すフローチャートである。ヒストグラム減算ユニット2114は、測定されるべきディスクと極めて類似するが表面上に損傷を有さない薄膜ディスクからの測定値を表し得る第1(基準)ヒストグラムを受信2304する。たとえば上記第1ヒストグラムは、試験の以前におけるディスクもしくは同一のバッチからのディスク(すなわちシスタ[sister]ディスク)のヒストグラム、または、たとえば試験されるべきディスクの非試験側からのヒストグラムとされ得る。
【0096】
もし基準ヒストグラムがシスタ・ディスクから入手可能でなければ、基準ヒストグラムは幾通りかのひとつからも獲得され得る。第1の手法は、現在の画像(試験下の表面)の部分集合から2Dヒストグラムを構築することである。上記部分集合は試験下のディスクで損傷を有さない領域で選択されることから、未使用表面のヒストグラムを提供する。代替的に、画像の非損傷領域上で‘順トレース(traceforward)’操作を実施することでバックグラウンドの表現(基準ヒストグラム)が獲得され、これは試験下のディスクの2Dヒストグラムを作成する。‘順トレース’操作は、欠陥もしくは損傷が無いと見做される画像の部分集合上で実施される。上記‘順トレース’操作は、1992年の顕微鏡観察法:重要な研究ツール、第22巻、第21頁における“濃度ヒストグラム作像:関連画像の定量的図示”と称された論文においてBrightおよびMarinenkoにより詳細に記述されている。今や2Dヒストグラム領域内であるピクセルの結果的な集合は、その特定の画像に対するバックグラウンド・ヒストグラムの代表的ピクセルとして使用され得る。
【0097】
順トレースを計算するひとつの技術は、(1)先ず元の画像上で、順トレースが所望される領域を獲得し、且つ、(2)2Dヒストグラムを形成すべく元の画像上で順トレースに対して選択された上記領域の内側の各ピクセルに対し、第1画像源および第2画像源のピクセル値から上記2Dヒストグラム内における箇所が計算され得る。各ピクセル値は、夫々、上記2Dヒストグラム上で特定のx軸格納箇所(x-axis bin)およびy軸格納箇所(y-axis bin)に収まる。
【0098】
ヒストグラム減算ユニット2114はまた、たとえば試験後のディスクを表す第2ヒストグラムも受信2304する。ヒストグラム減算ユニット2114は、各ヒストグラムから全てのポイントが選択されたか否かを決定2306する。もしそうでなければ、ヒストグラム減算ユニット2114はたとえばA[x,y]およびB[x,y]などの各ヒストグラムにおけるポイントを選択2308する。次にヒストグラム減算ユニット2114は、基準ヒストグラムのポイントA[x,y]から、試験下のヒストグラムからのポイントB[x,y]を減算2310し(または、図26を用いて分析に対して適切な改変を加えて、その逆を行い)、結果的ヒストグラム(R)を生成する。結果的ヒストグラムは、図26に関して上述された如く4個の別体の象限へと分離される。
【0099】
本発明の別実施例は、当該基準ヒストグラムとデータ・ヒストグラムとの間のNOT演算が実施されてからAND演算が行われるという基準ヒストグラムを使用する。図24、本発明の一実施例に係るAND/NOTユニット2116の作用を示すフローチャートである。AND/NOTユニット2116は、たとえば基準ヒストグラム(B)、および、データもしくは試験ヒストグラム(A)などの2つのヒストグラムを受信2402する。AND/NOTユニット2116は、各ヒストグラムにおいてポイント(x,y)を選択2404する。もし基準ヒストグラムで選択されたポイントの値がゼロより大きければ、AND/NOTユニット2116は結果的ヒストグラムにおける対応ポイントをゼロに等しく設定2408する。もし基準ヒストグラムで選択されたポイントの値がゼロより大きくなければ、AND/NOTユニット2116は結果的ヒストグラムにおけるポイントを、試験ヒストグラムにおいて選択されたポイントに等しく設定し、すなわちR[x,y]=A[x,y]とする。
【0100】
AND/NOTユニット2116は、当該基準ヒストグラムとデータ・ヒストグラムとの間のAND演算が実施されてからNOT演算が行われるとう基準ヒストグラムを使用する。これにより、データ・ヒストグラムと基準ヒストグラムとの両者に共通でない領域のみを含む結果的ヒストグラムが得られる。
【0101】
結果的なand/notヒストグラムは次に、上記に示された如くセグメント化され、各象限が上記の解釈により名称表示される。図27は、本発明の上記AND/NOTユニットに依るヒストグラム分析の一例を示している。各ヒストグラム象限からのデータは、元のデータ画像へと逆トレースされる。元の画像において、図27に示された領域の各々によりカバーされる表面積の量が算出かつ表示され得る。たとえば、炭素摩耗を有する表面の総量が上記逆トレースから算出され得る。而して炭素摩耗の深度は、反射率変化に対応する炭素摩耗の量を較正することで算出され得る。
【0102】
上記のプロセスは、“PSUM=Pscattered+Pspecular”対“SSUM=Sscattered+Sspecular”ヒストグラムに対し、または、“任意の組合せにおける構成要素Pscattered、Pspecular、Sscattered、Sspecularの任意のもの”対“他の任意の組合せ”に対して適用され得る。上記基準ヒストグラムは上記で論じられた如く、未試験のシスタ・ディスク、試験されるディスクの逆側、試験下のディスクの非損傷領域から算出された部分的画像ヒストグラム、または、試験下のディスクの非損傷領域に関して算出された順トレースから算出され得る。
【0103】
たとえば図28は、本発明の上記AND/NOTユニットに依りP正反射またはS正反射に対してP散乱またはS散乱変数を用いたヒストグラム分析の一例を示す図である。この場合、第2象限内へと延在するフィンガ2802は、ディスク表面上の腐食生成物に対応する。このフィンガ2802の中心軌跡の勾配は、腐食生成物の屈折率に関連付けられる。異なる材料は異なる屈折率を有するが故に異なる勾配を有することから、ユーザは異物、腐食生成物およびテクスチャ・ラインを区分し得る。図28の水平軸に沿う第2領域2806は、上記AND/NOT演算により除去された領域である。異物もしくはテクスチャ・ラインにより覆われた表面の量は、象限IIのフィンガ領域2802に含まれたピクセルの個数を計算することで容易に算出される。フィンガ2808は、ディスク上の異物に対応する。このフィンガ2808の中心軌跡2810の勾配は、ディスク表面上の異物の屈折率に関連付けられる。これによりユーザは、ディスク上における個々の粒子および腐食生成物を(上記中心軌跡の勾配から)定量的に区別および識別し得る。P正反射光対S正反射光の2Dヒストグラムからは、実質的に同一の分析値が算出され得る。この場合、2個のフィンガ2802および2808は第3象限へと延在することになる。上記2つのフィンガは、図28と実質的に同一の様式にて、異なる勾配により依然として区別される。
【0104】
上記の論議は、SおよびP偏光の大きさおよびそれらの適切な散乱成分を測定する手段に主眼を置いた。既存の技術の感度を改善する手段は、波のSおよびP成分間の位相を測定する能力を付加することである。SおよびP成分間の位相シフトを測定すると、薄膜および欠陥の測定に対する感度が4〜20倍改善される。これは、たとえば光のPおよびS成分の両者を含む直線または楕円偏光により薄膜ディスクを照射することで行われ得る。検出された光は次に、PおよびS成分間の位相シフトを測定すべく分析され得る。これと同時に、PおよびS成分の振幅、散乱成分、および、磁気光学的カー回転(Magneto-Optic Kerr rotation)も測定し得る。もし光学的設計態様に対して二重セル(bi-cell)または位置感応性検出器が付加されたなら、表面上の特定形状の変位(高さまたは深度)も測定し得る。故に本発明の一実施例は、膜厚測定、表面粗度測定、反射率測定、磁気的作像および光学的輪郭形成を同時に実施する。この計測器の好適実施例は、図29に示される。
【0105】
図29は、本発明の一実施例に係る、反射率計、散乱計、位相シフト顕微鏡、磁気光学的カー効果顕微鏡、および、光学的粗面計(optical profilometer)2900の組合せを示している。本発明は、型式番号RLD-78MVとして日本、京都のローム社から入手可能なマルチモード多重波長レーザ・ダイオード2902、および、P偏光性に対し調節されてレーザの消光比を改善する偏光素子204とを使用する。次の要素は、CVI Laser社から入手可能であると共に45度の間で偏光性を、且つ、PもしくはS偏光性を回転すべく使用され得る機械的回転可能な半波長板2904である。偏光性を回転する代替的技術は、レーザ・ダイオード2902を回転し、または、Meadowlark Optics, Frederick社から入手可能な型式LPR-100などの液晶偏光性回転器を使用することである。後者の実施例は、偏光性回転の純粋に電子的な手段である結果、偏光性が回転されたときに光線が移動する可能性が無い、という利点を有する。
【0106】
上記非偏光ビームスプリッタ208は、レーザ・ダイオードの強度を安定化すべく基準光線を提供すべく使用される。集束レンズ216は、薄膜ディスク100の表面上に小寸スポットを生成する。積分球218は、表面粗度を算出すると共にディスク表面上の異物もしくは腐食を測定する目的で、散乱光を測定すべく使用される。入力2920および出力2922における各孔は、正反射光線を通過させて散乱光を収集すべく設計される。散乱光の空間周波数の下限は、退出孔2922の開孔直径により決定される。散乱光は、上記積分球の頂部における退出孔2926に載置された光検出器224Bにより測定される。積分球218はディスクに最も近い表面に孔2924を有することから、光線は薄膜ディスク100の表面から反射され得る。
【0107】
ディスクから反射された後、光線は非偏光ビームスプリッタ208を通過すると共に、光線の約半分がカリフォルニア州、HawthorneのUDT Sensors社から入手可能な二重セル検出器2916へと通過される。本発明の一実施例において上記二重セル検出器は、(典型的には25ミクロン未満の離間で)小寸距離だけ離間された同一の2個の検出器を含む。上記二重セルの出力は、2つの出力を減算する差動増幅器2918に受け渡される。減算された出力は2912および2910の出力の合計によりデジタル的に正規化され、レーザ強度もしくはディスク反射率の一切の変動を除去する。正規化された出力は、上記表面の勾配に比例する、と言うのも、差動検出器2916は表面勾配の変動に依る光線の移動を測定するからである。結果的画像は、表面の勾配の2次元マップである。表面の変位(高さまたは深度)は、位置対勾配の信号を積分することで求められ得る。二重セル2916からの信号は、上記光信号に対する自動焦点合わせ信号を提供するためにも使用され得る。上記光学的アセンブリは、最初に組立てられるときに較正かつ焦点合わせされる。差動増幅器2918からの電圧の読取値は、たとえばPCメモリなどの記憶デバイスに記録され得る。異なる厚みのディスク100が上記光学機器の下方に載置されたとき、差動増幅器2918の読取値が、該光学的アセンブリが最初に組立てられたときに当初に記録されたのと同一の読取値となるまで、(不図示の)小寸モータが上記ヘッドを上下し得る。これが行われたときにディスク100からの上記光学的アセンブリの距離は一定のままとなり、該光学的アセンブリは焦点が合わせられる。
【0108】
上述の二重セルは、上記表面の円周方向の輪郭(profile)を測定する。上記表面の円周方向および径方向の輪郭の両者を測定するためには、これもまたカリフォルニア州、HawthorneのUDT Sensors社から入手可能な4重セル(quad-cell)が使用され得る。上記4重セルは、図34に示された如き同一の4個の要素を備えた4要素検出器である。円周方向に配向された2個の要素(図34の1および2)は相互に合計されて二重セル検出器2916の半分を形成し、他の2個の要素(3および4)は合計されて二重セル2916の他の半分を形成し得る。この配置構成は、上述の円周方向輪郭を与える。もし要素1および3が合計され且つ2および4が合計されたなら、これらの2つの半体は径方向輪郭(radial profile)を与えるべく使用され得る。この様にして、表面の単一のスキャンにより径方向輪郭および円周方向輪郭の両者が求められ得る。
【0109】
上記非偏光ビームスプリッタを通過した後、光線の他の半分はレンズ220により再び平行化される。この光線は次に、CVI Laser社から入手可能であり且つ機械的回転可能な4分の1波長板2906を通過する。上記光線は次に、たとえばCVI Laser社から入手可能なウォラストン(Wollaston)プリズム2908により偏光性分割され、各偏光成分は別体の光検出器により検出される。上記ウォラストン・プリズムの平面(SおよびP成分の平面)は、入射の平面に対して45°に調節される。上記光線のP成分はたとえば浜松社から入手可能な習用のフォトダイオード2912へと導向され、S成分は習用のフォトダイオード2910へと導向される。これらのフォトダイオードは、残存する該フォトダイオードの位置感受性を減少すべく自身の前方に載置された拡散板210を有する。上記各光検出器の間の差は、上記ウォラストン・プリズムから到来するSおよびP波間の位相差のコサイン(cosine)に比例する。結果として、この計測器は異なるモードで使用されたときに異なる形式の情報を獲得し得る。
【0110】
偏光性がPへと調節されたときにはP正反射光およびP散乱光が測定されて、炭素厚みおよび炭素摩耗の感応性測定に帰着する。P正反射信号は、入射偏光性がPとなる如く半波長板2904を回転することで得られる。P正反射信号は、2912および2910からの信号の合計により与えられる。偏光性が45°(厳密にPおよびS偏光の間)に調節されたときに上記計測器は、ディスク表面上の各薄膜の厚みの変化により誘起される位相変化の測定値に対して最も感応的である。位相シフトモードにおいて、上記計測器は薄膜ディスク上の潤滑剤厚みおよび炭素厚みを測定する。位相シフトは、2912および2910で測定された各信号間の差を取ることで測定される。これにより、波のSおよびP成分間の位相差のコサインに比例する出力が与えられる。4分の1波長板2906の配向は、潤滑剤および炭素摩耗もしくは厚みに対する感度を最適化すべく調節される。個々の成分、すなわち45°偏光のSおよびP成分も測定され得る。これらは、位相シフトおよび散乱光と同時に測定される。
【0111】
45°直線偏光のSおよびP成分はSQおよびPQと称される。位相シフトのこれらの成分が2次元濃度ヒストグラムにプロットされたとき、データの表現は図31に示された如くとなる。炭素摩耗は第2象限に見られ、ディスク表面上の炭素厚みの変化量(variation)は上記ヒストグラムの本体の長さであり、異物は第3象限内であり、且つ、劣化潤滑剤および潤滑剤貯留は第4象限内に在る。
【0112】
偏光性がS偏光性へと調節されたときに上記計測器はS正反射光およびS散乱光を測定し得る結果、サンプルの表面粗度および他の特性が得られる。S正反射信号は、2912および2910からの信号の合計により与えられる。図29に示された入射角は58°であるが、58°より大きいまたは小さい角度も同様に機能する。上記計測器を任意の直線偏光すなわちP、Sまたは45°で動作させることにより、縦カー効果(longitudinal Kerr effect)が測定され得る。磁気パターンに対する最大感度を達成すべく4分の1波長板2906を回転すると、カー効果信号が最適化される。カー効果を最適化する上記4分の1波長板の配向は、潤滑剤および炭素感度に対して最適化する配向とは異なり得る。結果として上記4分の1波長板は着脱可能とされることから、たとえば別個の且つ別体的に最適化された2枚のプレートが異なるアプリケーションに対して使用され得る。異なる実施例は、カー効果もしくは潤滑剤および炭素モードに対する信号を最適化するために上記4分の1波長板の配向を回転すべく、小型モータを有する。最適化を達成するために、異なる偏光性は異なる4分の1波長調節を必要とする。このモードにおいて上記計測器はカー効果顕微鏡として機能する。好適実施例においてS偏光性は、縦カー効果を作像すべく使用される。
【0113】
図29に示された上記計測器によりディスク上の欠陥が観察されたときには、機械的刻印器(mechanical scribe)によりその欠陥の位置をマークし得るのが望ましい。斯かる刻印器は、図30に示される。該刻印器を明示すべく、該図面からは積分球218および関連構成要素が除去されている。実際の計測器においては、刻印器および積分球が存在する。上記刻印器は、支持装置3002、リニア・スライド3004、ダイヤモンド刻印針3006および空気シリンダ・アクチュエータ3008から成る。上記空気シリンダ・アクチュエータは、上記ダイヤモンド刻印針を解除するとのコマンドをPCから受信するまで、上記ダイヤモンド刻印針を表面から離間して保持する。上記刻印器は、図29の光学構成要素を保持するのと同一の光学的本体に取付けられる。このことは、刻印プロセスの間において上記刻印器が上記光学的本体と同一の直線的段階を使用し得ることを意味する。ディスクに対して刻印をマークするプロセスは以下の如くである:(1)図29に示された上記計測器を欠陥の箇所に配置し、(2)該欠陥はマーク(刻印)されるべき欠陥であることを、PCビデオモニタ上に表示された画像からソフトウェアに対して表示し、(3)次にソフトウェアは、欠陥が刻印と同一角度となる様に、エンコーダを備えた上記スピンドルに取付けられたディスク100を回転し、(4)上記刻印器は上記光学的ヘッドを移動するステージにより上記欠陥の半径へと移動され、欠陥の極く近傍に来たときに上記空気シリンダ・アクチュエータが起動されて該刻印器が上記表面上へと降下され、(5)上記ディスクと接触する上記刻印器とともに上記ステージは特定距離だけ移動され、上記欠陥の近傍にマークを残す。このマークは、引き続く分析のために上記欠陥を発見すべく使用され得る。所望であれば、上記欠陥の近傍には複数のマークが載置され得る。
【0114】
図29および図30に示された上記計測器は、表面の光学的輪郭[optical profile](高さおよび深度)、反射率のSおよびP成分、PおよびS波間の位相シフト、および、散乱光を同時に測定し得る。該計測器はまた磁性膜の磁気光学的カー効果を測定し得ると共に、後時の分析のために欠陥を刻印する機能を有する。
【0115】
光波のSおよびP成分間の位相シフトを測定するには、ダイオード・レーザの長期的位相ドリフトを安定化する手段が必要とされる。これは、基準ミラーを使用して達成され得る。該基準ミラーは、金製ミラー、または、薄膜ディスクの一部などの、安定な光学的表面である。上記基準ミラーは、上記計測器が最初に設定されたときに該基準ミラーの位相シフトを測定かつ記録することで較正される。上記計測器の初期較正の後の時点にては、サンプリングの測定に先立ち上記基準ミラーが測定される。基準ミラーの読取値の一切の偏差は、記録されると共に、サンプル読取値の測定値から減算される。これにより確実に、測定される表面(薄膜ディスク100)からの位相シフト読取値は経時的に安定なままとなる。S正反射信号およびP正反射信号の測定に対しても、同一の手順が適用され得る。この場合には、上記計測器が較正されたとき、上記基準ミラー上で測定されたP正反射信号およびS正反射信号が記録されると共に、これらの値からの偏差は正反射データを補正すべく使用される。これにより、PおよびS正反射信号からの一切のドリフトが除去される。
【0116】
上記の論議は、垂直から略々60°の入射角を有する計測器に対して関連する。60°より小さいまたは大きい角度で作動する機器に対しても同様の考えが適用され得る。入射角が変化したとき、上記ヒストグラムの種々の象限の解釈は先に与えられた論議に従い変化する。
【0117】
上述された如く本発明は磁気ディスク上の薄膜を測定し得るだけでなく、シリコン半導体ウェハ上の同一のパラメータも測定し得る。より詳細は本発明は、膜厚、表面輪郭(surface profile);欠陥、不都合な薄膜または粒子により汚染された領域からの表面散乱;および、欠落しまたは損傷された膜に依る反射率変化を測定し得る。半導体用途の一例は、化学機械研磨プロセス(CMP)の特性の測定である。CMPプロセスは、被覆されてパターン化されたシリコンウェハの表面を平坦化すべく使用される。CMPプロセスを制御すべくエンジニアは、金属領域から除去された材料の量を酸化物領域と比較して測定することを望む。酸化物および金属領域は異なる物理的特性を有することから、それらは異なる速度で滑らかになる。この結果、公知の“椀状変形”および“侵食”に帰着する。侵食は、CMP研磨の結果として、研磨された金属ラインの平均変位量が周囲酸化物表面より低位になることである。而して狭幅の各金属ライン間には酸化物が分散され、金属ラインの変位の量が直近周囲の酸化物より低位となることは椀状変形として公知である。その例は図32に示される。CMPプロセスのエンジニアは、椀状変形および侵食の量を制御することを望む。図33は、パターン化されたシリコンウェハ上のダイ上での位置に対する光学的位相シフトの測定による椀状変形および侵食の測定を示している。図33に示された侵食は、金属の縁部の近傍、すなわち位置93および2117にて最大である。これらと同一の位置にて、椀状変形は最小である。光学的位相シフトは、酸化物の厚み変化を直接的に測定する。故に位相シフト・モードにおいては、酸化物の下方の層は平坦であると見做される。同一の椀状変形および侵食は上記の光学的粗面計2900により測定され得る。光学的粗面計2900は、侵食および椀状変形による表面上の勾配変化を直接的に測定する。上記勾配は積分され、実際の光学的輪郭を与える。上記光学的粗面計(optical profiler)の利点は、下側の膜の一切の厚み変化とは無関係に、高さ変化を与えることである。
【0118】
習用のシステムは図33と同一のパラメータを測定すべく機械的粗面計を使用して来たが、本発明の幾つかの利点は、略々1分以内にシリコンウェハ全体を測定し得ると共に、習用の機械的粗面計により生成される如き単なる単一ライン・スキャンと対照的に、3次元画像を生成し得ることである。ウェハ全体の3次元画像によればユーザは、プロセス均一性の情報が与えられる。すなわちユーザは、ウェハの直径に亙り研磨プロセスが如何に変化しているかを迅速に決定し得る。この有益な情報の生成は、習用の機械的粗面計を用いたのでは極めて困難で時間が掛かるものである。
【0119】
本発明の別の利点は、上記計測器は小さな載置箇所を有することから、既存のシリコンプロセスもしくは度量衡機器内に一体化され得ることである。たとえばそれは、ウェハの平坦またはノッチ発見モジュールの代わりに、CMP機内に載置され得る。これは、本発明が現在のプロセスまたは度量衡機器以上のクリーンルーム床面積を使用しないことを意味する。
【0120】
本発明は好適実施例および幾つかの代替実施例に関して詳細に示され且つ記述されたが、当業者であれば本発明の精神および有効範囲から逸脱することなく形態および詳細における種々の変更が為され得ることを理解し得よう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の好適実施例を用いて測定され得る薄膜を示す図である。
【図2】 本発明の好適実施例に係る薄膜の特性を測定する装置を示す図である。
【図3】 本発明の好適実施例に係る液晶可変遅延器(LCVR)ドライバの更なる詳細図である。
【図4】 本発明の好適実施例の帰還増幅システムを示す図である。
【図5A】 本発明の好適実施例に係るPおよびS偏光放射光の反射および散乱特性を示す図である。
【図5B】 本発明の好適実施例に係るPおよびS偏光放射光の反射および散乱特性を示す図である。
【図5C】 本発明の好適実施例に係るPおよびS偏光放射光の反射および散乱特性を示す図である。
【図6】 本発明の好適実施例に係るフォトダイオード電子機器の更なる詳細図である。
【図7】 本発明の好適実施例に係る薄膜特性を原位置で測定する方法を示すフローチャートである。
【図8】 本発明の好適実施例に係る、潤滑剤を有さない薄膜および数ナノメータの潤滑剤を有する薄膜からのPおよびS偏光放射光の反射率と入射角とを示すグラフである。
【図9】 本発明の好適実施例に係る、20ナノメータの炭素を有する薄膜および15ナノメータの炭素を有する薄膜からのPおよびS偏光放射光の反射率と入射角とを示すグラフである。
【図10】 本発明の一実施例に係る、放射光源の入射角が53°乃至71°であるときの薄膜測定に関してS偏光放射光の変化とP偏光放射光の変化との間の関係を示す2次元濃度ヒストグラムである。
【図11】 本発明の一実施例に係る、放射光源の入射角が約53°であるときの薄膜測定に関してS偏光放射光の変化とP偏光放射光の変化との間の関係を示す2次元濃度ヒストグラムである。
【図12】 本発明の一実施例に係る、放射光源の入射角が53°未満であるときの薄膜測定に関してS偏光放射光の変化とP偏光放射光の変化との間の関係を示す2次元濃度ヒストグラムである。
【図13】 本発明の一実施例に係る、放射光源の入射角が71°乃至90°であるときの薄膜測定に関してS偏光放射光の変化とP偏光放射光の変化との間の関係を示す2次元濃度ヒストグラムである。
【図14】 P正反射率の変化とナノメータ単位の炭素層の厚みとを示す理論的グラフである。
【図15】 650nmの波長および58°の入射角を有する光信号に対する炭素のkに関して炭素摩耗に対するP偏光反射率の感度を示すグラフである。
【図16】 本発明の好適実施例により測定されたS正反射画像の2次元高速フーリエ変換を示す図である。
【図17】 ディスク・テクスチャ・ライン・パターンのテクスチャ角度、幅およびテクスチャ振幅分布を示す高速フーリエ変換を通る切断面を示す図である。
【図18】 本発明の実施例に係る原位置プロセスに対して炭素摩耗を測定する方法を示すフローチャートである。
【図19】 本発明の実施例に係る原位置外プロセスに対して炭素摩耗を測定する方法を示すフローチャートである。
【図20】 本発明の一実施例に係る高温薄膜測定システム2000を示す図である。
【図21】 本発明の実施例に係るコンピュータ・システムを示す図である。
【図22】 本発明の一実施例に係る対称ユニット2112の作用を示すフローチャートである。
【図23】 本発明の一実施例に係るヒストグラム減算ユニット2114の作用を示すフローチャートである。
【図24】 本発明の一実施例に係るAND/NOTユニット2116の作用を示すフローチャートである。
【図25】 本発明の実施例に係る簡素化2次元(2D)ヒストグラム画像の例を示す図である。
【図26】 本発明の一実施例に係る分析技術を示す図である。
【図27】 本発明の上記AND/NOTユニットに依るヒストグラム分析の一実施例を示す図である。
【図28】 本発明の上記AND/NOTユニットに依りP正反射またはS正反射に対してP散乱またはS散乱変数を用いたヒストグラム分析の一例を示す図である。
【図29】 厚み、反射率、粗度、磁気パターンおよび表面輪郭などの薄膜の特性を測定する装置の好適実施例を示す図である。
【図30】 薄膜の特性を測定すると共に欠陥を刻印する機能を有する装置の好適実施例を示す図である。
【図31】 45°直線偏光に対するPQおよびSQの2次元濃度ヒストグラムにおける位相シフトデータの解釈を示す図である。
【図32】 CMP研磨されたシリコンウェハの侵食および椀状変形の概略図である。
【図33】 パターン化シリコンウェハ上のダイに対する(膜厚に比例する)位相シフトの実際の測定値、ならびに、椀状変形および侵食の定義も示す図である。
【図34】 円周方向および径方向の光学的輪郭形成に使用される4重セル検出器の種々の象限を示す図である。

Claims (16)

  1. 磁気ディスク又はシリコンウェハから成る第一の物体のカー効果及び潤滑剤厚みの少なくとも一方を測定する方法であって:
    第一の光信号を第一の物体に向けて送出する段階と;
    前記第一の物体で反射した反射光信号であって、第一の位相を有する第一の混合反射偏光信号成分と、異なる位相を有する第二の混合反射偏光信号成分とを含んで成る反射光信号を受信する段階と;
    第一の位相を有する前記第一の混合反射偏光信号成分であって、前記反射光信号の入射面に対するP偏光とS偏光の両方を含む前記第一の混合反射偏光信号成分と、異なる位相を有する前記第二の混合反射偏光信号成分であって、前記反射光信号の入射面に対するP偏光とS偏光の両方を含む前記第二の混合反射偏光信号成分とを前記反射光信号から分離する段階と;
    前記第一の混合反射偏光信号成分の第一強度を検出する段階と;
    前記第二の混合反射偏光信号成分の第二強度を検出する段階と;
    前記第一の混合反射偏光信号成分と第二の混合反射偏光信号成分との間の位相差を前記第一強度及び前記第二強度に基づいて決定する段階と;
    カー効果及び潤滑剤厚みの少なくとも一方を前記位相差に基づいて測定する段階と;を含んで成る、第一の物体のカー効果及び潤滑剤厚みの少なくとも一方を測定する方法。
  2. 第一の物体上の第一の場所に欠陥が存在するか否かを前記第一強度及び前記第二強度に基づいて決定する段階と;
    前記欠陥を識別するために前記第一の場所をマークする段階と;をさらに含んで成る請求項1に記載の方法。
  3. 前記マークする段階が:
    機械的刻印器を前記第一の場所に近接する位置へ移動させる段階と;
    前記機械的刻印器をほぼ前記第一の場所に位置決めする段階と;
    前記第一の場所を前記機械的刻印器でマークする段階と;をさらに含んで成る、請求項2に記載の方法。
  4. 前記測定する段階が、カー効果及び潤滑剤厚みの両方を前記位相差に基づいて測定する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第一の物体の炭素層の厚みを前記位相差に基づいて決定する段階をさらに含んで成る、請求項4に記載の方法。
  6. 前記第一の光信号の第一の偏光信号成分と第二の偏光信号成分とを生み出すために前記第一の光信号を偏光する段階であって、前記第一の偏光信号成分と第二の偏光信号成分が直交するように偏光されるところの前記第一の光信号を偏光する段階をさらに含んで成る、請求項4に記載の方法。
  7. 第一の物体上の第一の場所に欠陥が存在するか否かを前記第一強度及び前記第二強度に基づいて決定する段階と;
    前記欠陥を識別するために前記第一の場所をマークする段階と;をさらに含んで成る請求項4に記載の方法。
  8. 前記マークする段階が:
    機械的刻印器を前記第一の場所に近接する位置に移動させる段階と;
    前記機械的刻印器をほぼ前記第一の場所に位置決めする段階と;
    前記第一の場所を前記機械的刻印器でマークする段階と;をさらに含んで成る、請求項7に記載の方法。
  9. 位相差を決定する前記段階が、前記第一の物体上のテクスチャの少なくとも一つの測定値への影響を低減するために第一強度と第二強度との間の差を決定する段階を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 磁気ディスク又はシリコンウェハから成る第一の物体のカー効果及び潤滑剤厚みの少なくとも一方を測定するための測定システムであって:
    第一の光信号を第一の物体に向けて送出するための光源と;
    前記第一の物体で反射した反射光信号から、第一の位相を有する第一の混合反射偏光信号成分であって、前記反射光信号の入射面に対するP偏光及びS偏光の両方を含む第一の混合反射偏光信号成分と、異なる位相を有する第二の混合反射偏光信号成分であって、前記反射光信号の入射面に対するP偏光及びS偏光の両方を含む第二の混合反射偏光信号成分とを分離するための光ビームスプリッタと;
    前記第一の混合反射偏光信号成分の第一強度を検出するための第一検出器と;
    前記第二の混合反射偏光信号成分の第二強度を検出するための第二検出器と;
    前記第一の混合反射偏光信号成分と前記第二の混合反射偏光信号成分との間の位相差を前記第一強度及び前記第二強度に基づいて決定するための位相測定器と;
    前記第一の物体のカー効果及び潤滑剤厚みの少なくとも一方を前記位相差に基づいて測定するための物体特性測定器と;を具備する、第一の物体のカー効果及び潤滑剤厚みの少なくとも一方を測定するための測定システム。
  11. 前記光ビームスプリッタが:
    前記第一の混合反射偏光信号成分及び変調光信号成分を前記反射光信号から分離するための第一スプリッタユニットと;
    前記第二の混合反射偏光信号成分を前記変調光信号成分から分離するための第二スプリッタユニットと;を含む、請求項10に記載の測定システム。
  12. 欠陥が第一の物体上の第一の場所に存在するか否かを前記第一強度及び前記第二強度に基づいて判定するための欠陥判定器と;
    前記欠陥を識別するために前記第一の場所をマークするための機械的刻印器と;をさらに具備する、請求項10に記載の測定システム。
  13. 前記物体特性測定器が、前記第一の物体のカー効果及び前記潤滑剤厚みの両方を前記位相差に基づいて測定する、請求項10に記載の測定システム。
  14. 前記第一の物体上のテクスチャの少なくとも一つの測定値への影響を低減するために、前記位相測定器が、前記第一強度及び前記第二強度の間の差を決定するテクスチャ・エリミネータを具備する、請求項13に記載の測定システム。
  15. 前記第一の物体の炭素層の厚みを前記位相差に基づいて決定するための炭素厚み測定器をさらに具備する、請求項13に記載の測定システム。
  16. 欠陥が第一の物体上の第一の場所に存在するか否かを前記第一強度及び前記第二強度に基づいて判定するための欠陥判定器をさらに具備する、請求項13に記載の測定システム。
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