JP3895592B2

JP3895592B2 - Flame retardant seamless belt

Info

Publication number: JP3895592B2
Application number: JP2001379567A
Authority: JP
Inventors: 雅和田中; 俊朗松尾
Original assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Current assignee: Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date: 2001-12-13
Filing date: 2001-12-13
Publication date: 2007-03-22
Anticipated expiration: 2021-12-13
Also published as: JP2003176342A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性シームレスベルトに関し、詳しくは、画像形成装置等に用いられ、難燃性を有する上に、生産性や耐久性に優れる難燃性シームレスベルトに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真方式または静電印刷方式にて画像形成を行う画像形成装置内で、シート材搬送ベルト、転写ベルト、中間転写ベルト、定着ベルト、現像ベルト、感光体基体用ベルト等には、シームレスベルトが用いられている。
【０００３】
上記のようなシームレスベルトは、上述したような画像形成装置等の機器や装置内で使用されるのが一般的であり、このような装置内では、ベルトが高電圧、高温環境下に置かれる場合がある。従って、ベルトが可燃性であり燃えやすく、難燃性が不十分であると、装置内の環境条件によってはその使用状態が制限される恐れがある。このため、シームレスベルトにおいて、その使用上の環境を考慮し、難燃性を有することが要求されている。
【０００４】
従来、上記のようなシームレスベルトを難燃化するには、難燃剤の添加が一般的に行われており、例えば、ハロゲン系の難燃剤、リン酸エステル系の難燃剤、メラミンシアヌレート等の添加剤等が用いられている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記ハロゲン系の難燃剤を添加した場合には、ベルトが高温下にさらされると、使用条件によってはダイオキシン等の有毒ガスが発生することも考えられる。また、上記リン酸エステル系の難燃剤を添加した場合には、ベルトが高温下で長期間使用されると、時間の経過とともにベルト内部から、添加剤等がベルト表面にしみ出したりして感光体等を汚染することがある。さらに、メラミンシアヌレートを添加した場合には、分散不良を起こしやすく、成形品表面に凹凸を生じたり、中間転写ベルトとした場合トナー清掃性が悪くなることもある。さらには、上記のように難燃剤を添加する場合には、難燃剤を添加した配合材を混練りする必要が生じるため、生産性が悪くなるという問題がある。
【０００６】
本発明は上記した問題に鑑みてなされたものであり、強度や耐久性等の物性値を維持しながら難燃性を有すると共に、生産性に優れた難燃性シームレスベルトを提供することを課題としている。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、ジカルボン酸成分は芳香族ジカルボン酸であり、ジオール成分は炭素数が１〜６のジオール及び化学式（１）で示されるカルド構造を有するフルオレン誘導体を備えたジオールであり、平均分子量は２００００以上１０００００以下であるポリエステル樹脂を用いて成形されることを特徴とする難燃性シームレスベルトを提供している。
【化１】

［化学式１中、Ｒ _１は水素原子または炭素数１〜４のアルキル基、Ｒ _２は−ＯＨ、又は−Ｏ−Ｒ _３ −ＯＨ（Ｒ _３は炭素数１〜４のアルキレン基）を示す。］
【０００８】
このように、上記ポリエステル樹脂は、分子鎖中にカルド構造を有するフルオレン誘導体からなる構造を備えているため、ポリマー自体が難燃性を有しており、難燃剤を添加することなくシームレスベルトに難燃性を付与することができる。また、上記ポリエステル樹脂を用いることにより適度な弾性を有する上に繰り返し曲げられても優れた強度と耐久性を有し、かつ成形性にも優れているので、難燃性シームレスベルトを押出成形等により容易に得ることができる。さらに、難燃剤を混入する必要がないので、良好な透明性を保持したシームレスベルトを得ることができる上に、作業工程が簡略化され容易にシームレスベルトを作製することができ、生産性も向上することができる。
【０００９】
カルド構造を有するフルオレン誘導体とは、下記の化学式１にて示すことができ、多数のベンゼン環を有している。
【００１０】
【化１】

【００１１】
上記化学式１中、Ｒ_１は水素原子または炭素数１〜４のアルキル基、Ｒ_２は−ＯＨ、又は−Ｏ−Ｒ_３−ＯＨ（Ｒ_３は炭素数１〜４のアルキレン基）を示す。具体的には、カルド構造を有するフルオレン誘導体を備えたジオールとしては、式中Ｒ_１をＨとし、Ｒ_２をＯＣ_２Ｈ_４ＯＨとしているビスフェノキシエタノールフルオレンが好適に用いられ、その他Ｒ_１をＣＨ_３とし、Ｒ_２をＯＨとしているビスクレゾールフルオレン、Ｒ_１をＨとし、Ｒ_２をＯＨとしているビスフェノールフルオレン等が挙げられる。
【００１２】
上記ポリエステル樹脂の重量平均分子量が２００００より小さいとポリエステル樹脂の機械的強度が低くなり、１０００００より大きいとポリエステル樹脂の溶融粘度が高くなりすぎ成形しにくくなる。なお、上記平均分子量は３５０００以上５５０００以下が好ましい。
【００１３】
上記芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸であり、上記炭素数が１〜６のジオールがエチレングリコールであることが好ましい。このように、ポリエステル樹脂の基本構造をＰＥＴ樹脂とすることにより、ベルトとしての適度な弾性及び柔軟性と、適度な硬度とを両立することができる。
【００１４】
上記カルド構造を有するフルオレン誘導体を備えたジオールは、全ジオール成分中、１０モル％以上９０モル％以下であるのが好ましい。これにより、ベルトの他の性能に影響を及ぼすことなく難燃性を付与することができる。
【００１５】
上記ポリエステル樹脂のＭＦＲ（ＪＩＳＫ−６７６０の２３０℃、２．１６ｋｇ荷重下におけるメルトフローレイト）が１ｇ／１０分以上２０ｇ／１０分以下であることが好ましい。これにより、押出成形にて容易に仕上がり良好なベルトを得ることができる。
【００１６】
また、ＪＩＳＫ−７１２７における引張強度が２０ＭＰａ以上２００ＭＰａ以下であることが好ましく、適度な耐久性を得ることができる。
【００１７】
上記ポリエステル樹脂を用いて押出成形により成形されてなることが好ましい。押出成形によりチューブ状に成形すると、連続生産が可能であり、遠心成形等の他の成形方法により製造する場合に比べて、安価に成形することができ、生産性を向上することができる。
【００１８】
上記芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸以外にイソフタル酸、ジフェニルジカルボン酸、２、６−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられ、複数種を混合することも可能である。また、炭素数が１〜６のジオールとしては、エチレングリコール以外に、１，４−ブタンジオール、プロピレングリコール等が挙げられ、複数種を混合することも可能である。
【００１９】
また、本発明の難燃性シームレスベルトに他機能を付加するために難燃性を損なわない範囲で、上記ポリエステル樹脂に各種添加剤等を配合することもできる。具体的には、導電性を付与するために、カーボンブラック、金属酸化物、シリカ等の導電性充填剤や、帯電防止剤、電荷制御剤等のイオン導電剤を配合することができる。なお、上記導電性充填剤とは別に、機械的強度を向上させるために、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、タルク、硫酸バリウム、ケイ藻土などの充填剤を配合しても良い。
【００２０】
さらに、ベルト表面からの添加剤等の遊離、ブリード、ブルーミングや感光体汚染性などの接触物への移行などを起こさない範囲で、かつ難燃性に悪影響を及ぼさない範囲で、ステアリン酸、ラウリン酸などの脂肪酸、綿実油、トール油、アスファルト物質、パラフィンワックスなどの軟化剤を配合しても良い。また、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート等のフタル酸系化合物、ジオクチルアジペートなどのアジピン酸系化合物、ジブチルセバケート等のセバチン酸系化合物、安息香酸系化合物などの可塑剤を配合しても良い。これによりベルトの硬度や柔軟性を適度に調整することができる。
【００２１】
さらには、２−メルカプトベンゾイミダゾールなどのイミダゾール類、フェニル−α−ナフチルアミン、Ｎ，Ｎ’−ジ−β−ナフチル−ｐ−フェニレンジアミン、Ｎ−フェニル−Ｎ’−イソプロピル−ｐ−フェニレンジアミン等のアミン類、ジ−ｔ−ブチル−ｐ−クレゾール、スチレン化フェノール等のフェノール類などの老化防止剤を配合しても良い。
【００２２】
本発明の難燃性シームレスベルトは、押出成形以外に、射出成形、プレス成形、ブロー成形、粉体を用いた回転成形など従来公知の方法により成形することができ、画像形成装置等に用いられる中間転写ベルト、転写ベルト、定着ベルト、現像ベルト、搬送ベルト等として用いることができる。また、上記のような各種添加剤を配合する場合には、１軸押出機、２軸押出機、密閉式混練り機、オープンロール、ニーダー等を用いた従来の方法により混練りを行うこともできる。
【００２３】
本発明の難燃性シームレスベルトは単層で用いても良いし、より良好な表面特性等を付与し多機能を持たせるために、本発明の難燃性シームレスベルトをベース層として、難燃性を損なわないように、適当な材質により表面層及び裏面層を積層しても良い。上記表面層及び裏面層は、１〜１０μm程度の薄膜であることが好ましく、ウレタン樹脂やフッ素樹脂のような樹脂を用いることができ、導電性ベルトとした場合、表面抵抗値の安定化、付着したトナーのクリーニング性の向上などに寄与することができる。上記表面層及び裏面層の塗装方法としては、ディッピングや静電塗装など従来から行われている種々の方法により行うことができる。なお、本発明のベルトはドラムやローラ等に巻きつけたり被覆したりして使用しても良い。
【００２４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図１は、本発明の第１実施形態の難燃性シームレスベルト１を示し、全体形状は無端状の円環形状である。このシームレスベルト１は可撓性に富んでおり、２つの軸間に張設され搬送ベルトとして用いられるものである。
【００２５】
難燃性シームレスベルト１は、ジカルボン酸成分が芳香族ジカルボン酸であるテレフタル酸とされ、ジオール成分が炭素数が２のジオールであるエチレングリコール及びカルド構造を有するフルオレン誘導体を備えたジオールとされたポリエステル樹脂を用いて押出成形により成形されている。
【００２６】
上記カルド構造を有するフルオレン誘導体を備えたジオールは、下記の化学式２に示す構造のものを用いており、化学式２中、Ｒ_１をＨとし、Ｒ_２をＯＣ_２Ｈ_４ＯＨとした、ビスフェノキシエタノールフルオレンとしている。また、全ジオール成分中、上記カルド構造を有するフルオレン誘導体を備えたジオールは５０モル％としている。
【００２７】
【化１】

【００２８】
このポリエステル樹脂の重量平均分子量は４５０００であり、ＭＦＲ（ＪＩＳＫ−６７６０の２３０℃、２．１６ｋｇ荷重下におけるメルトフローレイト）が４．４ｇ／１０分であり、ＪＩＳＫ−７１７２における引張強度が７０ＭＰａである。
【００２９】
上記難燃性シームレスベルト１は、分子鎖中にカルド構造を有するフルオレン誘導体からなる構造を備えた上記のようなポリエステル樹脂を用いて成形されているため、難燃性を有すると共に、環境に良い実用性に非常に優れたシームレスベルトである。また、上記ポリエステル樹脂のＭＦＲが比較的小さな値であるため、押出成形により容易に物性値が良好なベルトを得ることができる。従って、本発明の難燃性シームレスベルトは、画像形成装置等の機器や装置内において、ベルトが高電圧、高温環境下に置かれる場合でも、使用状態に制限を受けることなく使用することができる。
【００３０】
また、ポリエステル樹脂には、必要に応じて、導電性充填剤等の種々の添加剤を配合することができ、これら添加剤を配合した材料を混練り後、ベルト状に成形することもできる。
【００３１】
以下、本発明の難燃性シームレスベルトの実施例及び比較例について詳述する。
下記の表１に示すように配合材料を変更してシームレスベルトを作製した。
【００３２】
【表１】

【００３３】
（実施例１）
上記第１実施形態と同様のポリエステル樹脂を用いて難燃性シームレスベルトを作製した。具体的には、カルド構造を有するフルオレン誘導体を備えたポリエステル樹脂として（ＯＫＰ１：大阪ガスケミカル（株）製）を用いた。即ち、基本構造はＰＥＴ樹脂であるが、カルド構造を有するフルオレン誘導体を備えたジオールであるビスフェノキシエタノールフルオレンを用いているため、ポリエステル樹脂の分子鎖中にカルド構造を有するフルオレン誘導体を備えている構造とした。
このポリエステル樹脂を円形のダイリップより連続的に押出し、サイジング型により円筒状に押出成形して適当な長さでカットすることにより、内径１６８ｍｍ、幅３１２ｍｍ、平均肉厚４５μｍのシームレスベルトを得た。
【００３４】
（比較例１）
ＰＥＴ樹脂のみを用い、実施例１と同様に押出成形によりシームレスベルトを作製した。
【００３５】
（比較例２）
ＰＥＴ樹脂にメラミンシアヌレート（ＭＣ−６４０：日産化学製）を２５重量％配合し、２軸押出機を用いで混練りした後、実施例１と同様に押出成形によりベルトを作製した。
【００３６】
上記実施例、比較例の難燃性シームレスベルトについて、後述する方法にて難燃性評価及びベルト表面評価を行った。評価結果を上記表１に示す。
【００３７】
（難燃性評価方法）
難燃性試験：VTM2
UL-94；プラスチック材料の燃焼性試験に準ずる。薄膜サンプルを対照とした「薄手材料垂直燃焼試験：VTM-0、VTM-1、VTM-2」の方法により試験を行った。VTM-2のレベルに達しているものを「○」、達していないものを「×」とした。
【００３８】
（ベルト表面評価）
成形後のベルトの表面状態を目視により観察し、表面に凹凸がなく平滑であるものを「○」、ツヤがなく細かな凹凸があるものを「×」とした。
【００３９】
表１に示すように、実施例１は、カルド構造を有するフルオレン誘導体を備えたポリエステル樹脂を用いているので、難燃性試験において、VTM-2のレベルに有り、十分な難燃性を有する上に、ベルトの表面状態も良好な仕上がりであり、実用に適した難燃性シームレスベルトであることが確認された。
【００４０】
一方、比較例１は、ＰＥＴ樹脂のみにより作製され、難燃剤も配合されていないため、難燃性が悪かった。比較例２は、難燃剤であるメラミンシアヌレートを配合しているため、難燃性評価には優れているものの、メラミンシアヌレートの凝集塊により細かなブツブツが表面に現れ、ベルトの表面状態が悪かった。また、比較例２は、難燃剤配合による追加工程が必要であるため、実施例１に比べて生産性に劣っていた。
【００４１】
【発明の効果】
以上の説明より明らかなように、本発明によれば、分子鎖中にカルド構造を有するフルオレン誘導体からなる構造を備えたポリエステル樹脂を用いてシームレスベルトを作製しているため、難燃剤を添加することなくシームレスベルトに難燃性を付与することができる。また、上記した特定のポリエステル樹脂を用いることにより適度な弾性と耐久性を実現しつつ、成形性にも優れているので押出成形等により容易に作製することができる。さらに、難燃剤を混入する必要がないので、良好な透明性を保持したシームレスベルトを得ることができる上に、作業工程が簡略化され、生産性も向上することができる。
【００４２】
従って、複写機、ファクシミリ、プリンター等の電子写真方式または静電印刷方式にて画像形成を行う画像形成装置内で用いられる、シート材搬送ベルト、転写ベルト、中間転写ベルト、定着ベルト、現像ベルト、感光体基体用ベルト等に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の難燃性シームレスベルトの概略斜視図である。
【符号の説明】
１シームレスベルト[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a flame retardant seamless belt, and more particularly to a flame retardant seamless belt that is used in an image forming apparatus and the like and has flame retardancy and is excellent in productivity and durability.
[0002]
[Prior art]
In image forming apparatuses that perform image formation by electrophotography or electrostatic printing such as copiers, facsimiles, and printers, for sheet material conveyance belts, transfer belts, intermediate transfer belts, fixing belts, development belts, and photoreceptor substrates A seamless belt is used as the belt.
[0003]
The seamless belt as described above is generally used in devices and apparatuses such as the above-described image forming apparatus. In such an apparatus, the belt is placed in a high voltage, high temperature environment. There is a case. Therefore, if the belt is flammable and flammable, and its flame retardance is insufficient, its use state may be limited depending on the environmental conditions in the apparatus. For this reason, the seamless belt is required to have flame retardancy in consideration of the usage environment.
[0004]
Conventionally, in order to make a seamless belt as described above flame retardant, a flame retardant is generally added. For example, halogen flame retardant, phosphate ester flame retardant, melamine cyanurate, etc. Additives and the like are used.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the halogen-based flame retardant is added, toxic gases such as dioxin may be generated depending on the use conditions when the belt is exposed to high temperatures. In addition, when the above-mentioned phosphate ester flame retardant is added, if the belt is used at a high temperature for a long time, the additive oozes out from the inside of the belt as time passes and the photosensitive belt is exposed. May contaminate the body. Further, when melamine cyanurate is added, dispersion failure tends to occur, and the surface of the molded product may be uneven, or the toner transferability may be deteriorated when an intermediate transfer belt is used. Furthermore, when a flame retardant is added as described above, it is necessary to knead the compounded material to which the flame retardant has been added, so that there is a problem that productivity is deteriorated.
[0006]
The present invention has been made in view of the above problems, and has an object to provide a flame retardant seamless belt having flame retardancy while maintaining physical properties such as strength and durability and excellent in productivity. It is said.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above problems, the present invention provides a dicarboxylic acid component is an aromatic dicarboxylic acid, and the diol component includes a diol having 1 to 6 carbon atoms and a fluorene derivative having a cardo structure represented by the chemical formula (1) . A flame retardant seamless belt characterized by being formed using a polyester resin which is a diol and has an average molecular weight of 20,000 or more and 100,000 or less.
[Chemical 1]

[In Chemical Formula 1, R ₁ represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, R ₂ represents —OH, or —O—R ₃ —OH (R ₃ represents an alkylene group having 1 to 4 carbon atoms). ]
[0008]
Thus, since the polyester resin has a structure composed of a fluorene derivative having a cardo structure in the molecular chain, the polymer itself has flame retardancy and can be used as a seamless belt without adding a flame retardant. Flame retardancy can be imparted. In addition, by using the above polyester resin, it has moderate elasticity and has excellent strength and durability even when it is repeatedly bent, and has excellent moldability. Can be obtained more easily. In addition, since there is no need to mix flame retardants, a seamless belt with good transparency can be obtained, and the work process is simplified, making it possible to easily produce seamless belts and improving productivity. can do.
[0009]
The fluorene derivative having a cardo structure can be represented by the following chemical formula 1 and has a large number of benzene rings.
[0010]
[Chemical 1]

[0011]
In the above chemical formula 1, R ₁ represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, R ₂ represents —OH, or —O—R ₃ —OH (R ₃ represents an alkylene group having 1 to 4 carbon atoms). Specifically, as the diol having a fluorene derivative having a cardo structure, bisphenoxyethanol fluorene in which R ₁ is H and R ₂ is OC ₂ H ₄ OH is preferably used, and other R ₁ is CH. ₃ and then, biscresol fluorene that the _{R 2} and OH, the _{R 1} and H, bisphenol fluorene and the like that the _{R 2} and OH.
[0012]
If the weight average molecular weight of the polyester resin is less than 20000, the mechanical strength of the polyester resin is lowered, and if it is greater than 100,000, the melt viscosity of the polyester resin becomes too high and molding becomes difficult. The average molecular weight is preferably 35000 or more and 55000 or less.
[0013]
It is preferable that the aromatic dicarboxylic acid is terephthalic acid and the diol having 1 to 6 carbon atoms is ethylene glycol. Thus, by using a polyester resin as the basic structure of the polyester resin, it is possible to achieve both appropriate elasticity and flexibility as a belt and appropriate hardness.
[0014]
The diol provided with the fluorene derivative having the cardo structure is preferably 10 mol% or more and 90 mol% or less in all diol components. Thereby, a flame retardance can be provided, without affecting the other performance of a belt.
[0015]
It is preferable that the polyester resin has an MFR (melt flow rate of JIS K-6760 at 230 ° C. under a load of 2.16 kg) of 1 g / 10 min to 20 g / 10 min. As a result, it is possible to easily obtain a belt having a good finish by extrusion.
[0016]
Moreover, it is preferable that the tensile strength in JIS K-7127 is 20 MPa or more and 200 MPa or less, and moderate durability can be obtained.
[0017]
It is preferably formed by extrusion molding using the polyester resin. When formed into a tube shape by extrusion molding, continuous production is possible, and it can be formed at a lower cost and productivity can be improved as compared with the case of manufacturing by other molding methods such as centrifugal molding.
[0018]
Examples of the aromatic dicarboxylic acid include isophthalic acid, diphenyldicarboxylic acid, 2,6-naphthalenedicarboxylic acid and the like in addition to terephthalic acid, and a plurality of types can be mixed. Examples of the diol having 1 to 6 carbon atoms include 1,4-butanediol and propylene glycol in addition to ethylene glycol, and a plurality of types can be mixed.
[0019]
Moreover, various additives etc. can also be mix | blended with the said polyester resin in the range which does not impair a flame retardance in order to add another function to the flame retardant seamless belt of this invention. Specifically, in order to impart conductivity, conductive fillers such as carbon black, metal oxide, and silica, and ionic conductive agents such as antistatic agents and charge control agents can be blended. In addition to the conductive filler, a filler such as calcium carbonate, silica, clay, talc, barium sulfate, diatomaceous earth, or the like may be blended in order to improve mechanical strength.
[0020]
Furthermore, stearic acid and lauric acid are used as long as they do not cause liberation of additives from the belt surface, migrate to contact materials such as bleeding, blooming, and photoreceptor contamination, and do not adversely affect flame retardancy. You may mix | blend softeners, such as fatty acids, such as an acid, cottonseed oil, tall oil, asphalt substance, and paraffin wax. Further, a plasticizer such as a phthalic acid compound such as dimethyl phthalate or dibutyl phthalate, an adipic acid compound such as dioctyl adipate, a sebacic acid compound such as dibutyl sebacate, or a benzoic acid compound may be blended. As a result, the hardness and flexibility of the belt can be adjusted appropriately.
[0021]
Furthermore, imidazoles such as 2-mercaptobenzimidazole, phenyl-α-naphthylamine, N, N′-di-β-naphthyl-p-phenylenediamine, N-phenyl-N′-isopropyl-p-phenylenediamine, etc. You may mix | blend anti-aging agents, such as amines, phenols, such as di-t-butyl-p-cresol and styrenated phenol.
[0022]
The flame-retardant seamless belt of the present invention can be molded by a conventionally known method such as injection molding, press molding, blow molding, rotational molding using powder, in addition to extrusion molding, and is used in an image forming apparatus or the like. It can be used as an intermediate transfer belt, a transfer belt, a fixing belt, a developing belt, a conveying belt, and the like. In addition, when blending various additives as described above, kneading may be performed by a conventional method using a single screw extruder, a twin screw extruder, a closed kneader, an open roll, a kneader, or the like. it can.
[0023]
The flame retardant seamless belt of the present invention may be used in a single layer, or in order to give better surface characteristics and the like and to have multiple functions, the flame retardant seamless belt of the present invention is used as a base layer for flame retardant. The surface layer and the back layer may be laminated with an appropriate material so as not to impair the properties. The surface layer and the back layer are preferably thin films of about 1 to 10 μm, and a resin such as urethane resin or fluororesin can be used. When a conductive belt is used, the surface resistance value is stabilized and adhered. This can contribute to an improvement in cleaning properties of the toner. As a method for coating the front surface layer and the back surface layer, various conventional methods such as dipping and electrostatic coating can be used. The belt of the present invention may be used by being wound around or coated on a drum or a roller.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
FIG. 1 shows a flame-retardant seamless belt 1 according to a first embodiment of the present invention, and the overall shape is an endless annular shape. The seamless belt 1 is rich in flexibility, and is stretched between two shafts and used as a transport belt.
[0025]
The flame retardant seamless belt 1 is terephthalic acid whose dicarboxylic acid component is an aromatic dicarboxylic acid, and diol having a diol component having a diol component having ethylene glycol and a cardo structure whose diol component is a diol having 2 carbon atoms. It is formed by extrusion molding using a polyester resin.
[0026]
The diol having the fluorene derivative having the cardo structure is a bisphenoxyethanol having a structure represented by the following chemical formula 2, wherein R ₁ is H and R ₂ is OC ₂ H ₄ OH. Fluorene. Moreover, the diol provided with the fluorene derivative which has the said cardo structure in all the diol components is 50 mol%.
[0027]
[Chemical 1]

[0028]
The weight average molecular weight of this polyester resin is 45000, MFR (melt flow rate under 230 ° C. and 2.16 kg load of JISK-6760) is 4.4 g / 10 min, and the tensile strength in JIS K-7172 is 70 MPa. It is.
[0029]
Since the flame-retardant seamless belt 1 is molded using the above-described polyester resin having a structure made of a fluorene derivative having a cardo structure in the molecular chain, it has flame retardancy and is good for the environment. This seamless belt is extremely practical. Further, since the MFR of the polyester resin is a relatively small value, a belt having good physical property values can be easily obtained by extrusion molding. Therefore, the flame-retardant seamless belt of the present invention can be used in devices and apparatuses such as image forming apparatuses even when the belt is placed in a high voltage and high temperature environment without being restricted by the use state. .
[0030]
Moreover, various additives, such as a conductive filler, can be blended with the polyester resin, if necessary, and a material blended with these additives can be kneaded and then formed into a belt shape.
[0031]
Hereinafter, examples and comparative examples of the flame retardant seamless belt of the present invention will be described in detail.
As shown in Table 1 below, the blending materials were changed to produce seamless belts.
[0032]
[Table 1]

[0033]
Example 1
A flame-retardant seamless belt was produced using the same polyester resin as in the first embodiment. Specifically, a polyester resin provided with a fluorene derivative having a cardo structure (OKP1: Osaka Gas Chemical Co., Ltd.) was used. That is, since the basic structure is a PET resin but bisphenoxyethanol fluorene, which is a diol having a fluorene derivative having a cardo structure, is used, a structure having a fluorene derivative having a cardo structure in the molecular chain of the polyester resin. It was.
This polyester resin was continuously extruded from a circular die lip, extruded into a cylindrical shape with a sizing die, and cut to an appropriate length to obtain a seamless belt having an inner diameter of 168 mm, a width of 312 mm, and an average wall thickness of 45 μm.
[0034]
(Comparative Example 1)
A seamless belt was produced by extrusion molding in the same manner as in Example 1 using only PET resin.
[0035]
(Comparative Example 2)
A PET resin was blended with 25% by weight of melamine cyanurate (MC-640: manufactured by Nissan Chemical), kneaded using a twin screw extruder, and then a belt was produced by extrusion in the same manner as in Example 1.
[0036]
About the flame-retardant seamless belt of the said Example and the comparative example, flame retardance evaluation and belt surface evaluation were performed by the method mentioned later. The evaluation results are shown in Table 1 above.
[0037]
(Flame retardance evaluation method)
Flame retardancy test: VTM2
UL-94: According to the flammability test of plastic materials. The test was conducted by the method of “thin material vertical combustion test: VTM-0, VTM-1, VTM-2” with a thin film sample as a control. Those that had reached the level of VTM-2 were marked with "○", and those that did not reach were marked with "X".
[0038]
(Belt surface evaluation)
The surface state of the belt after molding was visually observed, and “◯” indicates that the surface is smooth and has no unevenness, and “X” indicates that the surface is smooth and has fine unevenness.
[0039]
As shown in Table 1, since Example 1 uses a polyester resin provided with a fluorene derivative having a cardo structure, it is at the level of VTM-2 in the flame retardancy test and has sufficient flame retardancy. In addition, the surface condition of the belt was also good, and it was confirmed that the belt was a flame-retardant seamless belt suitable for practical use.
[0040]
On the other hand, since the comparative example 1 was produced only by PET resin and the flame retardant was not mix | blended, the flame retardance was bad. Since Comparative Example 2 is blended with melamine cyanurate, which is a flame retardant, it is excellent in flame retardancy evaluation, but fine lumps appear on the surface due to aggregates of melamine cyanurate, and the surface state of the belt is It was bad. Moreover, since the additional process by the flame retardant mixing | blending was required for the comparative example 2, compared with Example 1, it was inferior to productivity.
[0041]
【The invention's effect】
As is clear from the above description, according to the present invention, since a seamless belt is produced using a polyester resin having a structure composed of a fluorene derivative having a cardo structure in the molecular chain, a flame retardant is added. It is possible to impart flame retardancy to the seamless belt without any problems. In addition, by using the above-described specific polyester resin, it can be easily manufactured by extrusion molding or the like because it achieves appropriate elasticity and durability and is excellent in moldability. Furthermore, since it is not necessary to mix a flame retardant, a seamless belt having good transparency can be obtained, and the work process can be simplified and the productivity can be improved.
[0042]
Accordingly, a sheet material conveying belt, a transfer belt, an intermediate transfer belt, a fixing belt, a developing belt, which are used in an image forming apparatus that forms an image by an electrophotographic method or an electrostatic printing method such as a copying machine, a facsimile, and a printer, It can be suitably used for a photoreceptor substrate belt or the like.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic perspective view of a flame-retardant seamless belt of the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Seamless belt

Claims

ジカルボン酸成分は芳香族ジカルボン酸であり、ジオール成分は炭素数が１〜６のジオール及び化学式（１）で示されるカルド構造を有するフルオレン誘導体を備えたジオールであり、平均分子量は２００００以上１０００００以下であるポリエステル樹脂を用いて成形されることを特徴とする難燃性シームレスベルト。

［化学式１中、Ｒ _１は水素原子または炭素数１〜４のアルキル基、Ｒ _２は−ＯＨ、又は−Ｏ−Ｒ _３ −ＯＨ（Ｒ _３は炭素数１〜４のアルキレン基）を示す。］ The dicarboxylic acid component is an aromatic dicarboxylic acid, and the diol component is a diol having a diol having 1 to 6 carbon atoms and a fluorene derivative having a cardo structure represented by the chemical formula (1) , and the average molecular weight is 20,000 or more and 100,000 or less. A flame-retardant seamless belt, which is molded using a polyester resin.

[In Chemical Formula 1, R ₁ represents a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, R ₂ represents —OH, or —O—R ₃ —OH (R ₃ represents an alkylene group having 1 to 4 carbon atoms). ]

上記芳香族ジカルボン酸がテレフタル酸であり、上記炭素数が１〜６のジオールがエチレングリコールである請求項１に記載の難燃性シームレスベルト。 The flame-retardant seamless belt according to claim 1, wherein the aromatic dicarboxylic acid is terephthalic acid, and the diol having 1 to 6 carbon atoms is ethylene glycol.

上記ポリエステル樹脂のＭＦＲ（ＪＩＳＫ−６７６０の２３０℃、２．１６ｋｇ荷重下におけるメルトフローレイト）が１ｇ／１０分以上２０ｇ／１０分以下であり、ＪＩＳＫ−７１２７における引張強度が２０ＭＰａ以上２００ＭＰａ以下である請求項１または請求項２に記載の難燃性シームレスベルト。 The polyester resin has an MFR (JIS K-6760 of 230 ° C., melt flow rate under a load of 2.16 kg) of 1 g / 10 min to 20 g / 10 min, and a tensile strength of JIS K-7127 of 20 MPa to 200 MPa. The flame-retardant seamless belt according to claim 1 or 2.

上記ポリエステル樹脂を用いて押出成形により成形されてなる請求項１乃至請求項３のいずれか１項に記載の難燃性シームレスベルト。 The flame-retardant seamless belt according to any one of claims 1 to 3, which is formed by extrusion molding using the polyester resin.