JP3895455B2 - アンテナシステム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はアンテナシステム、特に車両等の移動体に搭載され衛星機器からの電波を捕捉・追尾するアンテナシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
通信衛星や放送衛星から送られる衛星電波を受信する場合、良好な受信品質を得るためには地上局側で指向性が鋭い高利得のアンテナが必要になる。
従ってアンテナを移動体に搭載して衛星電波を受信するには、始めに衛星の方向を探索してアンテナの指向性を衛星に向ける必要がある。
即ち、アンテナを全空間に対し方位方向に回転走査させながら受信強度の変化を監視し、受信強度が最大となる方向にアンテナを指向させる必要がある。以下、このような動作を捕捉動作と言うが、この捕捉動作は、受信中に電波遮断などにより衛星からの電波を受信できなくなり再捕捉する場合や、受信する衛星を切り替える場合にも必要になる。
【0003】
そして捕捉動作終了後は、移動体が移動することに伴って起きる移動体の姿勢変更に応じてアンテナの指向方向を相対的に変えて、アンテナを常に目的の衛星に正対(対峙)させる必要がある。以下、このような動作を追尾動作という。
【0004】
図5は、上述の捕捉動作と追尾動作とを自動で行う従来のこの種のアンテナシステムの構成の一例を示すブロック図である。
図5において、50は制御プログラム、51は回転制御部、52はアンテナ回転機構、53はアンテナ、54は受信チャネル設定部、55は検波部、56は信号レベル(以下、Sレベルという。)検出部、57は比較回路、58は微小回動制御部、59はアンテナ角度検出部、60は角度/Sレベル記憶部、61はピーク角度検出部、62はアンテナビーム切替部である。
【0005】
図6は、図5に示すアンテナシステムの捕捉動作を示すフローチャートである。
制御プログラム50の制御により回転制御部51がアンテナ回転機構52を動作させ、アンテナ53が方位方向に回転を開始して捕捉動作が開始される。
アンテナ53からの受信電波は、受信チャネル設定部54に入力されて所望の受信チャネルの電波が検波部55で検波され、また受信チャネル設定部54の出力から受信レベル検出部56で受信電界強度が検出され、その情報が比較回路57へ入力される。
比較回路57では、受信電界強度を示すSレベル情報を予め定めたしきい値と比較し、所定レベル以上の希望波を検出した場合、回転制御部51がアンテナ回転機構52を動作させてアンテナの回転を停止させ、捕捉動作を終了する。
【0006】
捕捉動作を終了すると、制御プログラム50は追尾動作を開始する。
この追尾動作では、まず制御プログラム50の制御により微小回動制御部58がアンテナ回転機構52に対してアンテナ53を現在の停止角度を中心に常時±微小角度回動させるように指示する。もしくは、アンテナは固定のままとし、アンテナビーム切替部62に対してアンテナビームを微小角度で振るように指示する。
そして回動するアンテナ53の方位角度もしくは、アンテナビームの方位角度は、角度検出部59で常時検出されてこの情報が角度/Sレベル記憶部60に入力される。
一方、角度/Sレベル記憶部60には、Sレベル検出部56から受信電界強度を示すSレベル情報が入力されており、アンテナ53の微小回動、あるいは、アンテナビームの微小角度の変動に伴って各角度に対応するSレベル情報が記憶・更新される。
【0007】
そしてピーク角度検出部61では、常時最大受信レベルを監視しており、最大受信レベルが現在の設定中心角度(回動中心角度)から変化した場合には、変化した角度を読み取って回転制御部51に指示を与え、回転制御部51がアンテナ回転機構52を動作させて信号受信レベルが最大になる角度へ、アンテナ53を回動し、今度はその角度を設定中心角として微小回動制御部58が再びアンテナ53を微小回動させ、もしくは、アンテナビーム切替部62がアンテナビームを微小角度で振る。
このような動作を繰り返すことによって、移動体の姿勢変更があってもアンテナを常時衛星に正対させる追尾動作が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のこの種のアンテナシステムは以上のように構成され動作するので、捕捉動作においては以下のような問題が生じる。
周知のように移動体上での電波の受信は、場所やトラフィック量等の変化による受信環境の変化で受信レベルが大きく変化する。
すなわち例えばノイズが捕捉されるのを防止するため受信レベルのしきい値をある程度高くしておくと、受信レベルが低い環境下では、希望波が存在するにも係わらず捕捉できない現象が生じる。
又しきい値を低くして受信感度を良好にして捕捉動作を行うと、今度は本波以外のサイドローブやバックローブを捕捉してしまう恐れがある。
【0009】
また追尾動作においては、受信電波の強度が最大になる方向を検出するために、常に微小角アンテナを回動させる構成とした場合、受信電波の強度が常に揺動してしまう。
またサイドローブやバックローブを捕捉した場合、捕捉したサイドローブやバックローブを常に追尾し続けることになる。
また、本波を捕捉できている場合でも、追尾においてアンテナを回動させる角度を大きくすると受信電波の強度が大きく変化するので、微小角でしか回動が行えず、このためその中で電界強度が最大になるアンテナ角度を検出することが非常に困難となる。
さらに当該アンテナシステムを搭載した移動体が急激に方向を変化させたような場合、アンテナを回動して電界強度を検出し、受信レベルが最大になる角度にアンテナの回動中心を修正している間に、移動体の方向が大きく変化してしまうので、電界強度の正確なピーク角度が検出できなくなり、追尾が行えなくなる等の問題点があった。
【0010】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、希望波の本波を正確に捕捉,追尾し、安定した受信動作が行えるアンテナシステムを提供することを目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係わるアンテナシステムは、受信周波数を設定し、アンテナを方位方向に回転させて得られる受信電界強度を基準に該アンテナを希望波に対峙させ希望波を捕捉し、且つ捕捉した希望波を追尾するアンテナシステムにおいて、捕捉・追尾用アンテナを方位方向に常時回転させて希望波の方向を常時検出する捕捉・追尾用アンテナ制御部と、前記捕捉・追尾用アンテナ制御部で検出された希望波の方向へ常時受信用アンテナを対峙させる受信用アンテナ制御部とを備え、前記捕捉・追尾用アンテナ制御部は、前記捕捉・追尾用アンテナを方位方向に360度回転させて得られた各方向に対する希望波の受信電界レベルを計測し、計測された受信電界レベルのうち、最大受信電界レベルと2番目に高い受信レベルとの中間値をしきい値に設定し、再び前記捕捉・追尾用アンテナを方位方向に回転させて、前記しきい値より高い受信電界レベルを受信した位置を希望波の方向として検出することを特徴とする。従って移動体等に搭載し衛星機器からの電波を正確且つ安定して捕捉・追尾できるようになる。さらに、また、受信周波数を設定し、アンテナを方位方向に回転させて得られる受信電界強度を基準に該アンテナを希望波に対峙させ希望波を捕捉し且つ捕捉した希望波を追尾するアンテナシステムにおいて、アンテナを方位方向に360度回転させて得られた各方向に対する希望波の受信電界レベルを計測する受信電界レベル計測手段と、前記受信電界レベル計測手段で計測された受信電界レベルのうち、最大受信電界レベルと2番目に高い受信レベルとの中間値をしきい値に設定し、再び前記アンテナを方位方向に回転させ前記しきい値より高い受信電界レベルを受信した位置で前記アンテナを停止させ、希望波の捕捉を行う希望波捕捉手段とを備え、なおかつ、追尾動作時に、アンテナビームを2方向に切替え、該2方向にアンテナビームが振られた時のそれぞれの信号レベルを検出しその差が常に零になる方向にアンテナを回転する希望波追尾手段とを備えたことを特徴とする。従って、移動体等に搭載し衛星機器等からの電波を正確且つ安定して捕捉・追尾できるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明のアンテナシステムを理解するうえで参考となる実施形態を示すブロック図である。図1において、10はシステム全体の動作を制御する制御プログラム、11はアンテナの回転を制御する回転制御部、12はアンテナを方位方向360度回転するアンテナ回転機構、13は衛星からの電波を受信するアンテナ、14はアンテナ13で受信した電波の受信周波数及び受信チャネルを選択する受信チャネル設定部、15は受信電波を検波する検波部、16は受信レベル情報を検出するSレベル検出部、17は受信電界強度を示す受信レベル情報をしきい値と比較する比較回路、18はしきい値を超えて比較回路17から出力された受信レベル情報を記憶しておくメモリ、19はしきい値を設定・変更するしきい値設定回路である。
【0014】
また、20はアンテナ13を所定の角度を中心に±微小角度回動させる微小回動制御部、21はアンテナ13の方位方向を角度で検出する角度検出部、22はアンテナ13の角度およびビームの角度に対応させて受信レベル強度を記憶する角度/Sレベル記憶部、23は受信Sレベルが最大となるアンテナ角度またはビーム角度を検出するピーク角度検出部、24はアンテナビームを±微小角度振るアンテナビーム切替部である。
【0015】
図2は、図1に示すアンテナシステムの捕捉動作を示すフローチャートである。
捕捉動作が開始される場合、受信チャネル設定部14へ所望する受信チャネルがセットされ(ステップS21)、またしきい値設定回路19へは、初期しきい値Mが設定される(ステップS22)。この初期しきい値Mは受信環境が悪く希望波が存在してもその受信電界レベルが小さいことを想定して、低いしきい値が設定される。
そして、制御プログラム10の制御により回転制御部11がアンテナ回転機構12を動作させ、アンテナを方位方向に一回転させる(ステップS23)。
【0016】
アンテナ13からの受信電波は、受信チャネル設定部14に入力されて所望の受信チャネルからの電波が検波部15で検波され、また受信レベル検出部16が受信電界強度を検出して、その情報を比較回路17へ入力する。
比較回路17では、受信電界強度を示すSレベル情報をしきい値Mと比較し、しきい値Mを超える受信Sレベルをメモリ18へ出力させ記憶させる。
そしてアンテナを一回転させた時点でしきい値Mを超える希望波が検出されたか否かを判断し(ステップS24)、一本も希望波が検出されていない場合、ステップS25へ移り、予備チャネルに切り替えて再びアンテナ13を方位方向に一回転させる。
【0017】
上述のように初期設定しきい値Mは、受信環境が悪い場合でも希望波を捕捉できるように低いレベルに設定しており、従ってステップS24を終了した時点でメモリ18には希望波の本波以外にもサイドローブやバックローブが記憶されていることがある。
従来のアンテナシステムでは、例えば最初にサイドローブが検出されると、その時点でアンテナの回転を停止して捕捉動作を終了するため、本波を捕捉できない場合が生じる。
【0018】
本発明では、サイドローブやバックローブに比べ本波の受信レベルが必ず高くなることに鑑み、ステップS26でメモリ18に記憶された受信レベルの最高レベルを検出し、このレベルより少し低いレベル値、もしくは、該最大受信電界レベルと2番目に高い受信レベルとの中間値をしきい値に設定し、しきい値Nとしてしきい値設定回路19へ設定し、再びアンテナを方位方向に回転させる(ステップS27)。
そして、新たに設定したしきい値Nを超える希望波を検出した場合(ステップS28)、その角度でアンテナの回転を停止して捕捉動作を終了する構成としている。
従って希望波が存在する場合、その受信レベルが低い場合でも高い場合でも本波を捕捉でき、安定した捕捉が可能となる。
【0019】
なお図1,図2及びその説明は、本発明のアンテナシステムを理解するうえで参考となる実施形態であり、図1及び図2に示すアンテナシステムは、アンテナを方位方向に360度回転させて得られた各方向に対する希望波の受信電界レベルを計測する受信電界レベル計測手段と、前記受信電界レベル計測手段で計測された受信電界レベルのうち最大受信電界レベルより少し低いしきい値、もしくは、該最大受信電界レベルと2番目に高い受信電界レベルとの中間値をしきい値に設定し、再び前記アンテナを方位方向に回転させ、前記しきい値より高い受信電界レベルを受信した位置で前記アンテナを停止させ希望波の捕捉を行う希望波捕捉手段とを備えたシステムであれば良い。
【0020】
図3は、本発明のアンテナシステムの第1の実施形態を示すブロック図である。図3において、100は捕捉・追尾用アンテナ制御部、200は受信用アンテナ制御部を示し、また図1と同一符号は同一又は相当する部分を示す。図1,図2で説明した実施形態では、希望波が存在する場合、その受信レベルが低い場合でも高い場合でも本波を捕捉でき、安定した捕捉が可能となるが、本波捕捉後は図5に示す従来の技術と同様に追尾動作が行われるので、受信電波の強度が常に揺動したり、移動体が急激に方向を変化させたような場合、追尾が行えなくなる等の問題点が残る。従って図3に示す実施形態では、捕捉・追尾用アンテナ制御部100と受信用アンテナ制御部200とを設け、捕捉・追尾用アンテナ制御部100では、本波を捕捉後もアンテナ13aを常に方位方向に回転させて常時ピーク角度を検出し、受信用アンテナ13bの方位角度を検出したピーク角度に同期させるようにした。
【0021】
すなわち図4のフローチャートに示すように、捕捉・追尾用アンテナ制御部100を動作させて図2のステップS21〜S26と同様の動作を実行し(ステップS41)、次に捕捉・追尾用アンテナ13aを方位方向に一定速度で回転させ(ステップS42)、角度/Sレベル記憶部22にしきい値Nを超える希望波が記憶された場合、その時の角度をピーク角度検出部23が検出し(ステップS43)、捕捉・追尾用アンテナ13aが一回転する毎に1回検出されるピーク角度と同じ方位角度に受信用アンテナ13bが向くように回転制御部11bがアンテナ回転機構12bを動作させる構成とした(ステップS44)。
従って図3,図4に示す実施形態では、希望波のレベルの高低に係わらず希望波の本波を捕捉でき、且つ捕捉した本波を安定して追尾できるようになる。
【0022】
なお図3,図4及びその説明は、本発明のアンテナシステムの第1の実施形態であり、本発明の第1のアンテナシステムは、捕捉・追尾用アンテナを方位方向に常時回転させて希望波の方向を常時検出する捕捉・追尾用アンテナ制御部と、前記捕捉・追尾用アンテナ制御部で検出された希望波の方向へ常時受信用アンテナを対峙させる受信用アンテナ制御部とを備え、前記捕捉・追尾用アンテナ制御部は、前記捕捉・追尾用アンテナを方位方向に360度回転させて得られた各方向に対する希望波の受信電界レベルを計測し、計測された受信電界レベルのうち、最大受信電界レベルと2番目に高い受信電界レベルとの中間値をしきい値に設定し、再び前記捕捉・追尾用アンテナを方位方向に回転させて、前記しきい値より高い受信電界レベルを受信した位置を希望波の方向として検出する構成のシステムであれば良い。図7は、本発明のアンテナシステムにおいての第2の実施形態を示すブロック図である。図7において、24はアンテナビーム切替部、72はそれぞれ2つの方向にアンテナビームが振られた時のSレベルを記憶するビーム信号レベル(以下、ビームSレベルという。)記憶部、73は捕捉動作中に検出するSレベル、追尾動作中に検出するビームSレベルを検出するSレベル/ビームSレベル検出部、74は2つの方向にアンテナビームが振られた時のSレベル差を検出するビーム信号差検出部、75はレベル差を駆動間隔周波数に変換するV/Fコンバータである。図3、4で説明した上述の実施形態では、アンテナが2系統必要であること、角度検出する必要があること等から回路部品の多さ、制御の簡素化に対し不利な面がある。従って図7に示す実施形態では、常時2つのアンテナビーム時のレベルを検出しその差が常に零になる方向にアンテナを回動し追尾動作が行われるようにした。すなわち図8のフローチャートに示すように、図2のステップS21〜S26と同様の動作を実行し(ステップS81)、その捕捉動作を行った後の追尾動作中、常に追尾動作制御に必要なアンテナビーム切替部24のアンテナ13のビーム切替(移相切替)動作を行う(ステップS82)。ビームは2方向のみとし、アンテナ正対方向に対し±微小角度で一定間隔の時間で振り、それぞれのビーム位置で常に受信レベルを検出する。異なる2つのビーム時のレベル差を取り、それが常に零になるときアンテナ13は衛星に正対していることになる。このレベル差に値が生じた時はアンテナ13が衛星に対し傾きが起きた時で、この場合このレベル差を零になる方向にアンテナ回転機構12を回動しアンテナ13を衛星に対し正対させ追尾動作が行われる。レベル差値の大きさが回転機構12の駆動力を決め衛星方向から大きく変化するほどレベル差値が大きくなり駆動力が増す。また、V/Fコンバータ75を利用してそのレベル差値の変化率に従って回転機構12の駆動間隔が変化するようにして、変化率が高い程(移動体の急激な旋回等)駆動間隔を狭くし、変化率が低い程駆動間隔を広くし、追尾するアンテナの回転をより速くよりなめらかなものになるようにした(ステップS83)。従って図7、8に示す実施形態では、希望波のレベルの高低に関わらず希望の本波を捕捉でき、かつ捕捉した本波を安定して追尾できるようになる。なお図7、8及びその説明は、本発明のアンテナシステムの第2の実施形態であり、本発明の第2のアンテナシステムは、アンテナを方位方向に360度回転させて得られた各方向に対する希望波の受信電界レベルを計測する受信電界レベル計測手段と、前記受信電界レベル計測手段で計測された受信電界レベルのうち、最大受信電界レベルと2番目に高い受信電界レベルとの中間値をしきい値に設定し、再び前記アンテナを方位方向に回転させ、前記しきい値より高い受信電界レベルを受信した位置で前記アンテナを停止させ希望波の捕捉を行う希望波捕捉手段とを備え、なおかつ、追尾動作時にアンテナビームを2方向に切替え該2方向にアンテナビームが振られた時のそれぞれの信号レベルを検出しその差が常に零になる方向にアンテナを回動する希望波追尾手段とを備えたシステムであれば良い。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のアンテナシステムは、受信を希望する希望波の周波数を設定して一度アンテナを全方位方向に一回転し、一番強い受信レベルより少し低いしきい値、もしくは該最大受信電界レベルと2番目に高い受信電界レベルとの中間値をしきい値に設定し、再度アンテナを回転させて行って捕捉動作を行うこととしたので、受信レベルが低い場合でも希望波を受信できると共に、サイドローブやバックローブを捕捉する恐れを防止できる。
また、追尾用アンテナでこの動作を行い、且つこの追尾用アンテナを常時回転させながらピーク角度を常時検出し、検出したピーク角度に受信用アンテナの角度を同期させる構成とすることにより、捕捉した希望波の安定した追尾が可能となる。
さらにまた、追尾動作時に、アンテナビームを2方向に切替え、該2方向にアンテナビームが振られた時のそれぞれのSレベルを検出し、その差が常に零になる方向にアンテナを回動する、そのレベル差の変化率に従い回転駆動間隔が変化することで追尾するアンテナの回転をより速くよりなめらかなものにする特徴を持って、捕捉した希望波の安定した追尾を可能とし、また、捕捉動作、追尾動作共に角度検出を不要とする構成が可能となる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のアンテナシステムを理解するうえで参考となる実施形態を示すブロック図である。
【図2】図1に示すアンテナシステムにおける捕捉動作を説明するフローチャートである。
【図3】本発明のアンテナシステムの第1の実施形態を示すブロック図である。
【図4】図3に示すアンテナシステムにおける追尾動作を説明するフローチャートである。
【図5】従来のこの種のアンテナシステムの一例を示すブロック図である。
【図6】図5に示すアンテナシステムにおける捕捉動作を説明するフローチャートである。
【図7】本発明のアンテナシステムの第2の実施形態を示すブロック図である。
【図8】図7に示すアンテナシステムにおける追尾動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 制御プログラム
11,11a,11b 回転制御部
12,12a,12b アンテナ回転機構
13,13a,13b アンテナ
14,14a,14b受信チャネル設定部
15 検波部
16 Sレベル検出部
17 比較回路
18 メモリ
19 しきい値設定回路
20 微小回動制御部
21 角度検出部
22 角度/Sレベル記憶部
23 ピーク角度検出部
24 アンテナビーム切替部
72 ビームSレベル記憶部
73 Sレベル/ビームSレベル検出部
74 ビームSレベル差検出部
75 V/Fコンバータ
100 捕捉・追尾用アンテナ制御部
200 受信用アンテナ制御部
Claims (2)
- 受信周波数を設定し、アンテナを方位方向に回転させて得られる受信電界強度を基準に該アンテナを希望波に対峙させ希望波を捕捉し、且つ捕捉した希望波を追尾するアンテナシステムにおいて、
捕捉・追尾用アンテナを方位方向に常時回転させて希望波の方向を常時検出する捕捉・追尾用アンテナ制御部と、
前記捕捉・追尾用アンテナ制御部で検出された希望波の方向へ常時受信用アンテナを対峙させる受信用アンテナ制御部と
を備え、
前記捕捉・追尾用アンテナ制御部は、前記捕捉・追尾用アンテナを方位方向に360度回転させて得られた各方向に対する希望波の受信電界レベルを計測し、計測された受信電界レベルのうち、最大受信電界レベルと2番目に高い受信レベルとの中間値をしきい値に設定し、再び前記捕捉・追尾用アンテナを方位方向に回転させて、前記しきい値より高い受信電界レベルを受信した位置を希望波の方向として検出することを特徴とするアンテナシステム 。 - 受信周波数を設定し、アンテナを方位方向に回転させて得られる受信電界強度を基準に該アンテナを希望波に対峙させ希望波を捕捉するアンテナシステムにおいて、
アンテナを方位方向に360度回転させて得られた各方向に対する希望波の受信電界レベルを計測する受信電界レベル計測手段と、
前記受信電界レベル計測手段で計測された受信電界レベルのうち、最大受信電界レベルと2番目に高い受信レベルとの中間値をしきい値に設定し、再び前記アンテナを方位方向に回転させ、前記しきい値より高い受信電界レベルを受信した位置で前記アンテナを停止させ希望波の捕捉を行う希望波捕捉手段と
を備え、
なおかつ、追尾動作時に、アンテナビームを2方向に切替え、該2方向にアンテナビームが振られた時のそれぞれの信号レベルを検出しその差が常に零になる方向にアンテナを回動する希望波追尾手段とを備えたことを特徴とするアンテナシステム 。
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