JP3893841B2 - ダイヤフラム及びダイヤフラムポンプ並びにダイヤフラムの製造方法 - Google Patents

ダイヤフラム及びダイヤフラムポンプ並びにダイヤフラムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダイヤフラム及びダイヤフラムポンプ並びにダイヤフラムの製造方法に関する。具体的には、小型のダイヤフラムポンプにおける流量、圧力の増大を図ることができるダイヤフラムの構造及び当該ダイヤフラムを用いたダイヤフラムポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】
図22は従来のダイヤフラムポンプの一例を示す分解斜視図、図23は当該ダイヤフラムポンプの概略的断面構造図である。当該ダイヤフラムポンプHは、排気路2及び吸気路3が形成された筐体1と、筐体1との間でポンプ室7を形成するためのダイヤフラム10とから構成されている。筐体1は、上部筐体20と下部筐体30とから構成されており、ほぼ平面視正方形状に形成されている。また、筐体1内部には、排気路2及び吸気路3が設けられており、筐体1側面には排気路2及び吸気路3と外部のパイプ(図示せず)を接続するための接続部4が延設されている。
【0003】
下部筐体30には、排気路2を形成する排気路用溝部32と吸気路3を形成する吸気路用溝部37とが凹設されている。排気路用溝部32の一端は、下部筐体30側面に突設された接続部4形成用の突起部31に延設されており、その他端には、排気バルブ部5を形成するための略円筒状の凹部33が形成されている。また、吸気路用溝部37の一端も、下部筐体30側面に突設された接続部4形成用の突起部36に延設されており、その他端にも、吸気バルブ部6を形成するための略円筒状の凹部38が形成されている。また、吸気バルブ部6用の凹部38の中央には、円筒状をした台座39が形成されている。
【0004】
上部筐体20は下部筐体30とぴったりと重ね合わせられる形状をしており、上部筐体20には、下部筐体30の突起部31,36と対向して、接続部4形成用の突起部21,26が備えられている。また、上部筐体20の裏面側には、排気バルブ部5用の凹部33と対向する凹部23及び吸気バルブ部6用の凹部38と対向する凹部28が形成されている。また、排気バルブ部5用の凹部23ほぼ中央には、円筒状の台座24が形成されている。さらに、当該上部筐体20には、排気バルブ部5用の凹部23から上部筐体20上面に貫通する貫通穴25が形成されている。また、吸気バルブ部6用の凹部27からも上部筐体20上面に貫通する貫通穴29が形成されている。従って、上部筐体20と下部筐体30を重ね合わせられることにより、筐体1に排気路2及び吸気路3並びに接続部4が構成される。なお、上部筐体20と下部筐体30は、接着剤等を用いることにより、漏れがないように接合される。
【0005】
これら上部筐体20と下部筐体30の間には、排気バルブ5a並びに吸気用バルブ6aを構成するフィルム40が挟み込まれる。当該フィルム40は、上部筐体20並びに下部筐体30に形成された凹部23,28,33,38の位置に合わせて、バルブ形成用の穴41が2つ開設されている。当該穴41は、上記2つの台座24,39よりも小さく設計されている。
【0006】
この結果、上部筐体20及び下部筐体30に形成された2つの排気バルブ部5用の凹部23,33と、上部筐体20に形成された凹部23内の台座24と、上記フィルム40によって、排気バルブ部5が形成される。また、上部筐体20及び下部筐体30に形成された2つの吸気バルブ部6用の凹部28,38と、下部筐体30に形成された凹部38内の台座39と、上記フィルム40によって、吸気バルブ部6が形成される。さらに、筐体1に排気路2及び吸気路3並びに接続部4が構成される。
【0007】
このようにして、ポンプ本体となる筐体1が形成される訳であるが、この筐体1の上面に、略円形状をした薄膜状のダイヤフラム10が、接着剤9を用いてその周囲が上部筐体20の上面に接合される。こうして、ダイヤフラムポンプHが構成され、筐体1の上面とダイヤフラム10との間にポンプ室7が形成される。
【0008】
このような構造をしたダイヤフラムポンプHにおいては、ダイヤフラム10を上下に振動させることによりダイヤフラム10を屈曲運動させ、ポンプの機能を発揮させることができる。
【0009】
次に、当該ダイヤフラムポンプHにおいて、吸気路3から空気を吸入し、排気路2から排気させる動作について説明する。まず、図24(a)(b)に示すように、ダイヤフラム10を膨らませることにより、大気が吸気バルブ6aを押し上げ、吸気バルブ部6が開となる。この結果、吸気路3から大気がポンプ室7へと流れる。このとき、排気バルブ5aはダイヤフラム10の膨張により上方に吸い上げられ、排気バルブ部5は閉となる。
【0010】
次に、図25(a)(b)に示すように、ダイヤフラム10を元の状態に収縮させることにより、大気が排気バルブ5aを押し下げ、排気バルブ部5が開となる。この結果、ポンプ室7から大気が排気路2へと流れる。このとき、吸気用バルブ6aはダイヤフラム10の収縮により下方に押し下げられ、吸気バルブ部6は閉となる。
【0011】
このダイヤフラム10においては、排気側の圧力が低い場合には、ダイヤフラム10がポンプ室7を押し下げた分排気されるが、排気側の圧力が上昇するに従い、ポンプ室7が膨らんだ時と圧縮された時のポンプ室7の体積変化による大気の圧力増加と排気側の圧力の差圧によって、流量が決定される。
【0012】
一方、ポンプ室7が膨らんだ時と圧縮された時のポンプ室7の体積変化による大気の圧力増加が、排気側の圧力と等しくなった時に、流量がゼロとなり、圧力が飽和した状態(最大圧力)となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このダイヤフラム10の駆動方法として、モータを利用してポンプ室を形成させる場合と、圧電素子から構成されたダイヤフラム10を延伸させてポンプ室を形成させる場合とがあった。
【0014】
モータを利用して小型のダイヤフラムポンプHを作製する場合、小型のモータを利用する必要があるが、モータを非常に小さくした場合には、モータの効率が低下する。また、モータの回転をダイヤフラム10に伝えるため、ダイヤフラム10との間の摺動面において、発熱を生じるという問題を生じていた。このために、放熱などの対策を考える必要があった。
【0015】
一方、圧電素子を利用して小型のダイヤフラムポンプHを作製する場合には、モータを利用した場合のように、摺動面がなく発熱について考慮する必要がない。従って、小型のダイヤフラムポンプHでは、圧電素子を用いた方が有利である。
【0016】
しかしながら、圧電素子を利用した場合、圧電素子の伸縮量が小さいため、ダイヤフラム10の大きな膨張は望むことができず、流量を大幅に増大させることは非常に困難なものであった。
【0017】
このとき、流量を増大させるためには、駆動周波数を大きくすることも考えられるが、駆動周波数の増大にも限界があり、機械的強度が十分に対応できないという問題点もあった。
【0018】
本発明は叙上の従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、流量及び圧力の大きな小型のダイヤフラムポンプを提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るダイヤフラムは、誘電分極により延伸する電歪ポリマーからなる薄膜部と、当該薄膜部の上下面に備えられた電極部とを具備することを特徴としている。
【0020】
当該ダイヤフラムにおいては、例えば、いずれか一方の電極部を、金属薄膜から作製することができ、いずれか一方の電極部の全面若しくは周縁部に、弾性板を備えることもできる。
【0021】
また、いずれか一方の面において、該薄膜部の周縁領域が、該周縁領域の内部領域よりも厚く作製するのが好ましい。
【0022】
これらのダイヤフラムにおいては、前記薄膜部の周縁部に、電極部の形成されていない固定領域を設けるのが望ましい。
【0023】
また、本発明においては、複数の電極部と複数の薄膜部とを交互に積層し、薄膜部を電極部に挟み込むように構成することもできる。
【0024】
次に、本願第1の発明に係るダイヤフラムポンプは、通気路及び排気路が形成された筐体とダイヤフラムとを備え、筐体と当該筐体上に凸に膨らんだダイヤフラムとの間にポンプ室が形成されるダイヤフラムポンプにおいて、前記ダイヤフラムは、上記本発明に係るダイヤフラムであることを特徴としている。
【0025】
このとき、ダイヤフラムに張力を掛けた状態で、前記ダイヤフラムを筐体側面に接合するのが望ましい。
【0026】
また、このダイヤフラムポンプにおいて、前記薄膜部の周縁部に、電極部の形成されていない固定領域が設けられたダイヤフラムを用いて、当該ダイヤフラムに張力を掛けた状態で、前記固定領域を筐体の側面に接合するのが好ましく、さらに、前記筐体を上部筐体と下部筐体とから構成し、前記固定領域の少なくとも端部を、前記上部筐体と前記下部筐体との間に挟み込むようにするのがよい。
【0027】
次に、本願第2の発明に係るダイヤフラムポンプは、通気路及び排気路が形成された筐体と本発明に係るダイヤフラムとを備え、筐体にポンプ室を構成する凹部が形成されたダイヤフラムポンプにおいて、ダイヤフラムが凹部内に屈曲可能になったことを特徴としている。
【0028】
また、当該ダイヤフラムポンプにおいては、前記筐体上面に、前記ダイヤフラムが外側に屈曲するのを防ぐ変位防止板を備えるのが好ましい。
【0029】
本願第1の発明に係るダイヤフラムの製造方法は、誘電分極により延伸する電歪ポリマーからなる薄膜部と、当該薄膜部の上下面に備えられた金属製の電極部とを具備するダイヤフラムの製造方法であって、前記電極部を、蒸着やスパッタリングなどの物理蒸着法により形成することを特徴としている。
【0030】
また、本願第2の発明に係るダイヤフラムの製造方法は、誘電分極により延伸する電歪ポリマーからなる薄膜部と、当該薄膜部の上下面に備えられた電極部と、何れか一方の電極部の上面に形成された金属製の弾性板とを具備するダイヤフラムの製造方法であって、前記弾性板を、蒸着やスパッタリングなどの物理蒸着法により形成することを特徴としている。
【0031】
これらのダイヤフラムの製造方法においては、前記蒸着対象面に、予め改質処理を施しておき、その後に物理蒸着するのが好ましい。また、予め、蒸着対象面にマスクを備えた後、物理蒸着を施し、その後マスクを除去することにより、該ダイヤフラムに薄肉部を形成することにしてもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、各図を参照しながら、本発明について詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施の形態に係るダイヤフラム10を示す説明図であって、同図(a)はその斜視図、同図(b)はその断面構造図である。本発明に係るダイヤフラム10は、誘電分極により延伸する電歪ポリマーからなる薄膜部11の上下面に電極部12が備えられた構造をしている。薄膜部11は、ダイヤフラム10の中心構造をなすものであって、電圧が印加されていない状態で平板状をしている。
【0034】
この薄膜部11に用いられる電歪ポリマーとは、電圧が印加されることにより延伸し、印加電圧を除去することにより元の状態に戻る性質を有するポリマーを意味し、具体的には、シリコンゴムやアクリル樹脂などを挙げることができる。この電歪ポリマーは、その材質にもよるが、従来の圧電素子が約0.1%程度の伸びに対して、最大約400%の伸びることができるものである。すなわち、本発明においては、この延伸性を利用することにより、ダイヤフラム10の屈曲変位量を増大させることにより、ポンプの性能として大流量化及び最大圧力の増大を図ろうとするものである。従って、この目的を達成できるものであれば、シリコンゴムやアクリル樹脂に限定されることなく使用できる。
【0035】
この薄膜部11の上下面には、当該薄膜部11に電圧を印加するための電極部12が形成される。当該電極部12は、薄膜部11の全面に形成されているが、必ずしもその全面に形成する必要もなく、薄膜部11の延伸を十分に行うための電圧を印加できる程度であれば、その一部領域にほぼ円形状に形成することにしてもよい。当該電極部12の材質としては、薄膜部11の延伸を阻害するものでなければ、その材質は特に制限させるものではないが、ポリマーとの結合性を考慮すれば、例えば、シリコンゴムなどの弾性ポリマーにカーボンブラックなどの導電性粉体を混合させたものを好適に用いることができる。
【0036】
当該ダイヤフラム10は、従来のダイヤフラム10と同様にして用いられ、例えば、図23に示すような筐体1上にその周縁部が接着剤9等により接合され、本発明に係るダイヤフラムポンプB(図10(a)参照)が作製される。
【0037】
このダイヤフラム10の両電極部12には、一定周波数の交流電圧が印加される。このとき、電圧が印加された状態において、電歪ポリマーが分極して、電極間が引き合うようになる。この結果、印加電圧の大きさに応じて、図2に示すように薄膜部11がその周囲方向に延伸される。従って、ダイヤフラム10が屈曲され、従来のダイヤフラムポンプHと同様に、筐体1上面に上に凸となったポンプ室7が形成される。このとき、直流電圧が印加された状態を想定すると、従来の圧電材料100を用いた場合、図3(a)に示すように、その周囲方向には約0.1%程度の伸びしか示さないが、本発明のダイヤフラム10を用いた場合には、図3(b)に示すように、最大約400%の伸びを示すことになる。また、電圧を除加した場合には、元のように平坦な形状に戻る。この結果、ポンプ室7の容量が増大され、給排気1回あたりの吐出量が増大される。従って、小型にも拘らず、流量が大きく、しかも最大圧力の大きなダイヤフラムポンプを得ることができる。なお、当該電歪ポリマーは、電圧が印加されることにより一方向のみに延伸され、極性を反対にした場合にも、収縮されることがない。このため、交流電圧を印加することにより、周波数の2倍の速さでダイヤフラム10が屈曲(振動)することになる。
【0038】
当該ダイヤフラム10においては、様々な応用例が考えられる。次に図4に示すダイヤフラム10においては、上記電極部12のうち何れか一方のみが、導電性の弾性を有する金属薄膜から作製されている。この結果、ダイヤフラム10の屈曲変位量は、導電性を有する弾性ポリマーを用いた場合に比べて小さくなるが、薄膜部11の復元力のみならず、金属薄膜の復元力が加わり、ダイヤフラム10全体の復元力が増大される。すなわち、導電性を有する弾性ポリマーから電極部12を作製した場合には、膨らんだ薄膜部11の弾性力以上の復元力が発生せず、自ずと排気時の圧力が比較的弱いものに制限される。この点、当該ダイヤフラム10においては、金属薄膜の復元力により排気時に発生する圧力が増強され、ポンプの最大圧力を増大できる。従って、より強い圧力を得たい場合には好適な方法となる。
【0039】
この金属薄膜は通常接着剤を用いることによって薄膜部11に貼着されるが、これ以外に、例えば、蒸着やスパッタリングなどの物理蒸着法(Physical Vapor Deposition、PVD法)によって、形成することもできる。ここにおいて、物理蒸着法とは、物理的手段を用いた膜析出法を意味するものであり、一般に真空に近い減圧下においてガス化した物質で対象物表面を被覆する方法を意味する。
【0040】
図5に示すものは、当該方法を実施するための蒸着装置50の一具体例を示す概略的構成図である。この蒸着装置50は、蒸着を行なうためのチャンバー51と、対象物を載置するホルダー52と、被覆膜(ここでは、電極部12)を形成する蒸着物質を供給するためのターゲット53と、ターゲット53からチャンバー51内に蒸着物質を提供するための電源回路54及び真空ポンプ(図示せず)とから構成されている。電源回路54は、ターゲット53とチャンバー51との間に構成されており、直流電源55から電圧を印加することにより、ターゲット53からチャンバー51内に蒸着物質が供給される。また、この蒸着装置50においては、チャンバー51とホルダー52との間に、被着体の改質処理を行なうための制御回路56が構成されている。この制御回路56は、高周波電源57とブロッキングコンデンサ58及びマッチングボックス59とを備えており、制御回路56によりホルダー52に所望の高周波電圧が印加され、チャンバー51内にプラズマを発生させることができる。
【0041】
このような蒸着装置50を用いることにより、金属薄膜からなる電極部12を至極簡単に作製できる。具体的に説明すると、まず、チャンバー51内のホルダー52上に薄膜部11を載置し、真空ポンプにて、概ね10<SUB>-4</SUB>Pa程度に減圧した後、アルゴンガスをチャンバー51内に導入し、チャンバー51内をアルゴンガス置換する。このとき、約10Pa程度の気圧となるようにアルゴンガスを導入する。なお、アルゴンガス以外にも、酸素、窒素、及び酸素若しくは窒素とアルゴンガスとの混合ガスを用いることもできる。
【0042】
次に、制御回路56をオンして、ホルダー52に高周波電圧を印加してプラズマを発生させ(3分間程度)、薄膜部11の表面にイオンボンバードによる洗浄を施し、改質処理を行なう。その後、制御回路56をオフし、真空ポンプにて0.2Pa程度にまでチャンバー51内を排気する。
【0043】
そして、次に電源回路54をオンし、ターゲット53に直流電圧を印加して、スパッタリングを行い、電極部12となる金属薄膜を形成する。なお、膜厚の調整はスパッタリングの時間の調整により行なわれる。
【0044】
このような蒸着装置50により、簡単に薄い電極部12を形成することができる。しかも、接着剤で貼着する場合には接着剤の厚みを均一に担保することが困難であるが、この物理蒸着法を用いれば、均一な膜厚となり、一定した品質のダイヤフラム10を容易に提供できる。また、その厚みを自由に設定することもできる点でも好都合である。
【0045】
また、上記方法では、スパッタリングの前処理、すなわち改質処理としてプラズマ処理が施されており、この結果、薄膜部11表面に官能基が形成されるため、電歪ポリマーと金属薄膜との密着性が向上される。
【0046】
このダイヤフラム10の筐体1への接合に際しては、金属薄膜から作製された電極部12の周縁部を筐体1上面に接合するのが望ましい。この結果、ダイヤフラム10の屈曲方向が上に凸方向に限定され、ダイヤフラム10の屈曲運動をよりスムーズに行わせることも可能になる。
【0047】
図6(a)(b)に示すダイヤフラム10においては、薄膜部11の何れか一方の面において、電極部12の表面に薄膜状の弾性板13が備えられている。この弾性板13は、絶縁体だけでなく、金属などからも作製できる。このダイヤフラム10は、弾性板13の周縁部が筐体1の上面に接合される。この結果、屈曲変位量は弾性板13がない場合に比べて小さくなり、ポンプの流量が少なくなるが、上記第2の実施の形態と同様に、復元力が増大され、最大圧力の増加を図ることができる。また、本実施の形態においても、ダイヤフラム10の屈曲運動が上に凸方向に限定され、ダイヤフラム10の屈曲運動をよりスムーズに行わせることができる。
【0048】
このような弾性板13を形成する場合にあっても、図5に示す蒸着装置50を使用すれば、容易に形成できるものである。このとき、絶縁体による弾性板13を作製する場合には、電源回路54には直流電源55の替わりに交流電源を使用すると共にターゲット53として絶縁物を用いて、いわゆるRFスパッタリングを行なえば足りる。
【0049】
さらに、図7(a)(b)に示すダイヤフラム10においては、前記弾性板13は、薄膜部11の周縁部にのみ備えられている。この結果、弾性板13がない場合に比べてより大きな復元力がダイヤフラム10に発生させることができる。また、それとともに、弾性板13のない領域においては膨らみやすく、薄膜部11の全面に弾性板13を備えた場合に比べ、屈曲変位量を大きくできる。この結果、流量を比較的増大させることができ、最大圧力だけでなく、流量をもある程度増大させたい場合には好都合なものである。
【0050】
この弾性板13は、その全面を筐体1全面に接合することもできるが、この場合には、屈曲できるダイヤフラム10の面積が小さくなる。従って、弾性板13の一部領域を接合するようにするのが望ましい。もちろん、この実施の形態においても、ダイヤフラム10の屈曲運動をよりスムーズに行わせることができるのは言うまでもない。
【0051】
この弾性板13も上記物理蒸着法により作製できるが、特に物理蒸着法はこのように部分的な膜形成に好適な方法であり、物理蒸着法を用いることにより、非常に簡単にしかも効率良く当該ダイヤフラム10を得ることができる。
【0052】
これらのダイヤフラム10においては、上記したように、ダイヤフラム10の周縁部が筐体1の上面に接合される訳であるが、このとき、ダイヤフラム10に外周方向に張力を掛けて接合するのが好ましい。このように張力を掛けて接合することにより、延伸されたダイヤフラム10が元の状態に戻る際に、より大きな復元力が発生することになる。この結果、ダイヤフラムポンプBの最大圧力が増大される。
【0053】
このとき、例えば図8に示すダイヤフラムポンプAの如く、薄膜部11のみを筐体1の本体の側面に固定することにすれば、簡単な手法により張力を掛けてダイヤフラム10を接合できる。すなわち、このダイヤフラム10においては、図9(a)(b)に示すように、薄膜部11の周縁領域に、電極部12の形成されていない固定領域14が設けられている。ダイヤフラム10の接合時には、張力が掛けられた状態で固定領域14が筐体1の側面に接合される。従って、電極部12は少なくとも筐体1上面とほぼ同じ領域若しくはそれよりも小さな領域に形成される必要があるが、ダイヤフラム10の屈曲を考慮すれば、固定領域14の内縁と筐体1の外周とを一致させるのが望ましい。このとき、固定領域14は筐体1上部の角において位置決めされ、固定領域14の一部を筐体1側面に固定した後張力を掛けることにすればよく、このような構造であれば張力を掛けた状態を維持しながら簡単に接合できる。
【0054】
この結果、図10(a)に示すように、筐体1の上面で接合する場合には、接合付近においては、ダイヤフラム10が十分に屈曲変形できないが、筐体1側面にて固定する方法を採用すれば、図10(b)に示すように、筐体1上面では拘束されることがなく、筐体1の端部から屈曲変形が可能になる。すなわち、筐体1上面では自由端に近い構造となるため、ポンプ室7の容量が大きくなり、より一層流量が増大される。しかも、筐体1側面での接合位置を一定にすることにより、張力の再現性を確実に確保でき、安定した品質のものを供給できるというメリットもある。また、筐体1上部の角において、シール性が確保されるため、筐体1の側面への漏れを防ぐこともできる。
【0055】
また、図11に示すものは、さらに本発明の別な実施の形態に係るダイヤフラムポンプCの分解斜視図、図12は当該ダイヤフラムポンプCを一部破断した概略的断面構造図である。このダイヤフラムポンプCも、従来のダイヤフラムポンプHとほぼ同様な構成をしており、筐体1を形成する上部筐体20及び下部筐体30、排気バルブ5a及び吸気バルブ6aを形成するためのフィルム40並びに本発明に係るダイヤフラム10から構成されている。
【0056】
このダイヤフラム10は、図9に示すダイヤフラム10と同様に、上部筐体20よりも大きく作製されており、上部筐体20の上面に対応する領域には電極部12が設けられ、その外周部に固定領域14が形成されている。また、接続部4に対応する領域には、切欠き15が設けられている。
【0057】
この下部筐体30の上部周縁部には、段差部35が形成されている。当該段差部35は、ほぼ薄膜部11の厚みとほぼ同じ高さに作製されており、上部筐体20との間に薄膜部11を挟み込める構造となっている。
【0058】
このような構造を採用することにより、ダイヤフラムポンプCの組立て時には、上部筐体20の裏面側にダイヤフラム10を巻き込んで仮固定した後、下部筐体30と接合できる。従って、上部筐体20と下部筐体30の接合時に、ダイヤフラム10の接合を同時に行え、組み立て工程が簡略化される。
【0059】
もちろん、上部筐体20の下部周縁部に段差部35を設けることも考えられるが、この場合には、上部筐体20の下面に固定領域14を接合することになるため、接合作業が却って困難になり、好ましい実施の形態ではない。
【0060】
図13は本発明のさらに別な実施の形態に係るダイヤフラムポンプDを示す図であって、同図(a)はその概略的断面構造図、同図(b)はその平面図である。当該ダイヤフラムポンプDのダイヤフラム10は、その何れか一方の面において、接合部近傍の薄膜部11の周縁領域に、肉厚の厚肉部16が作製され、その内部領域において当該厚みよりも肉薄になった薄肉部17が設けられており、残る一方の面は平坦面となっている。このダイヤフラム10において、厚肉部16及び薄肉部17と、電極部12との位置関係は特に問われるものではなく、例えば、図13に示すものでは、薄肉部17にのみ電極部12が構成され、厚肉部16はそれよりも厚くなるように作製されている。このダイヤフラム10は、厚肉部16の平坦面が筐体1上面に接合される。
【0061】
このように接合部近傍の周縁部が厚く、中央領域が薄くなったダイヤフラム10を用いることにより、ダイヤフラム10の復元力を増大させることができる。すなわち、ダイヤフラム10の厚み増加による影響は、動作電圧を大きくすることで対応することが可能であり、ダイヤフラム10の復元時には、接合部近傍の厚みが大きいため復元力が大きくなる。従って、薄肉部17全体の膜厚を増加する場合に比べて、動作効率の向上を図ることができる。
【0062】
また、図14に示すダイヤフラム10のように、均一な厚さの薄膜部11の片面に均一な膜厚の電極部12を形成し、残る薄膜部11の片面に厚みの異なる電極部12を形成して、厚肉部16と薄肉部17とを作製することもできる。
【0063】
当該ダイヤフラム10は、例えば、上記した蒸着装置50を用いて、次の製造工程により簡単に得ることができる。図15は、当該製造工程を示す図であるが、まず、上記何れかの方法により、薄膜部11の片面に電極部12を形成する。次に残る薄膜部11の片面にPVDにより極薄い金属薄膜18aを薄膜部11の全面に形成する(図15(a))。次に、図15(b)に示すように、薄肉部17となる領域にマスク19を形成し、さらにPVDによりほぼマスク19と同じ高さにまで金属膜18を形成する(図15(c))。そして、マスク18を除去することにより、当該ダイヤフラム10を得ることができる(図15(d))。もちろん、均一な膜厚の金属膜を形成した後にエッチングをして薄肉部17を形成してもよいが、エッチング法によれば時間及び手間が掛かる。しかしながら、この方法によればこのような欠点がなく、簡単に効率的に作製できる。
【0064】
また、図16は本発明のさらに別な実施の形態に係るダイヤフラムポンプEを示す断面図である。当該ダイヤフラムポンプEにおいては、筐体1の上部、すなわち上部筐体20の上部には、ポンプ室7を形成するための凹部8が形成されており、その周縁部にダイヤフラム10の周縁部が接合されている。当該ダイヤフラム10は、薄肉部17の上下面に、導電性を有する弾性ポリマーから形成された電極部12が形成されている。さらに、ダイヤフラム10の上面には、変位防止板60が備えられている。この変位防止板60は、絶縁性を有する剛性の高いプラスチック性材料などから作製され、ダイヤフラム10が凹部8と反対側に屈曲変位するのを防止する役割を果たすものである。
【0065】
すなわち、この変位防止板60によりダイヤフラム10が下に凸に屈曲されるように構成され、当該ダイヤフラムポンプEにおいては、図17(a)に示すように、電圧が印加された状態でダイヤフラム10が下に凸に屈曲して、排気動作が行われる。また、図17(b)に示すように、電圧が印加されていない状態でポンプ室7が形成され、吸気動作が行われるようになっている。
【0066】
このような構成を採用することにより、ダイヤフラム10の屈曲により排気動作が行われ、排気時の圧力を増加することが可能になる。また、上に凸の状態でポンプ室7が形成される場合(例えば、図8に示すようなダイヤフラムポンプA)には、最大圧力を増加させるために弾性板13を設置したり、金属薄膜から電極部12を作製すると、屈曲変位量が低下して流量の増大を十分に図れることができない。しかしながら、このように下に凸に屈曲されるような構成であれば、屈曲変位量を十分に取ることができ、流量低下の問題を考慮することなく圧力の増大を図ることができる。
【0067】
次に図18に示すダイヤフラムポンプFにおいては、いずれか一方の面において、該薄膜部11の周縁領域が、該周縁領域の内部領域よりも厚くなったダイヤフラム10が用いられている。すなわち、当該ダイヤフラム10においては、露出面(上面側)において、接合部近傍の薄膜部11の周縁領域に、肉厚の厚肉部16が作製され、その内部領域において当該厚みよりも肉薄の薄肉部17が設けられ、残る一方の面は平坦面となっている。そして、この平坦面の周縁領域が筐体1上面に接合されている。従って、当該ダイヤフラム10は、凹部8側に屈曲されやすくなっている。
【0068】
このような構成とすることにより、変位防止板60が不要となり、変位防止板60を用いる場合に比べ、組み立て作業を簡略化すると共にダイヤフラムポンプFが大きくならずに済むという利点がある。
【0069】
また、図14に示すように、薄膜部11の片面に電極部12を兼ねた金属薄膜を形成し、厚肉部16と薄肉部17とを構成したダイヤフラム10を用いて、ダイヤフラム10を凹部8側に屈曲させることにしてもよい。
【0070】
もちろん、何れか一方の電極部12に金属薄膜を用いたダイヤフラム10(図4参照)を用いて、金属薄膜を露出させるようにして接合したり、あるいは何れか一方の電極部12に弾性板13を備えたダイヤフラム10(図6参照)を用いて、弾性板13を露出させるようにして接合することも考えられる。
【0071】
次に図19に示すダイヤフラム10では、3枚の電極部12a,12b,12cと2枚の薄膜部11a,11bが交互に積層され、いわゆるサンドイッチ構造をなしている。このダイヤフラム10では、第1の薄膜部11aは、第1の電極部12aと第2の電極部12bによって挟み込まれ、当該2つの電極部12a,12b間の印加電圧1によって延伸される。また、第2の薄膜部11bは、第2の電極部12bと第3の電極部12cによって挟み込まれ、当該2つの電極部12b,12c間の印加電圧2によって延伸される。
【0072】
このダイヤフラム10においては、印加電圧1のみを加える、若しくは印加電圧1が印加電圧2よりも大きくなるように電圧を加えることにより、第1の薄膜部11aの延伸量が第2の薄膜部11bの延伸量よりも大きくなり、図20(a)に示すように、上に凸の状態に屈曲する。これとは反対に、印加電圧2のみを加える、若しくは印加電圧2が印加電圧1よりも大きくなるように電圧を加えることにより、第2の薄膜部11bの延伸量が第1の薄膜部11aの延伸量よりも大きくなり、図20(b)に示すように、下に凸の状態に屈曲する。
【0073】
このダイヤフラム10を、凹部8が形成された筐体1に適用してダイヤフラムポンプGを作製することにより、下に凸の状態に屈曲させることにより、図21(a)に示す如く排気動作が行なわれる。また、上に凸の状態に屈曲させることにより、図21(b)に示す如く吸気動作が行われる。
【0074】
このようなダイヤフラム10を用いることにより、屈曲変位量が飛躍的に増大、つまり上記各実施の形態に比べてほぼ倍増され、流量の増大及び最大圧力の増大を図ることができる。また、印加電圧1及び印加電圧2を調整することにより、ダイヤフラム10を上に屈曲させるか、下に屈曲させるかを調整できる。このため、所望する動作を容易に行わせることができ、ダイヤフラム10の汎用性を高めたり、当該ダイヤフラム10を用いたダイヤフラムポンプGの汎用性を高めることも可能になる。
【0075】
また、この実施の形態においては、凹部8が形成された筐体1を用いた場合について説明したが、凹部8が形成されず、上面が平坦になった筐体1に適用できるのは言うまでもない。
【0076】
このように、本発明においては、誘電分極により延伸される電歪ポリマーを用いてダイヤフラム10の中心的構造である薄膜部11を作製しているため、従来の圧電素子を用いた場合に比べて、ダイヤフラム10の屈曲変位量を増大できる。このようなダイヤフラム10を用いることにより、ダイヤフラムポンプの流量及び最大吐出圧力を増大させることができる。
【0077】
また、本発明のダイヤフラムポンプは、気体のみならず、液体などその他の流体に用いることができるのは言うまでもない。
【0078】
【発明の効果】
本発明のダイヤフラムにあっては、薄膜部に誘電分極により延伸する電歪ポリマーを用いているため、従来の圧電素子に比べて非常に大きな延伸量を得ることができる。このため、ポンプ室容量が増大される結果、一回吐出量が多くなり、流量の増大及び最大圧力の増大を図ることができる。
【0079】
このとき、いずれか一方の電極部を金属薄膜から作製することにより、ダイヤフラムの復元力が増大し、最大圧力がより一層向上される。
【0080】
また、いずれか一方の電極部の全面若しくは周縁部に弾性板を備えることにより、最大圧力をより一層向上させることができる。
【0081】
さらに、いずれか一方の面において、該薄膜部の周縁領域が、該周縁領域の内部領域よりも厚く作製することにより、ダイヤフラムの復元力が増大するだけでなく、電極部を金属薄膜から作製したり、電極部の全面に弾性板を備える場合に比べ、ダイヤフラムの最大変位量を増加させることができる。従って、最大圧力だけでなく流量をも増大させたい場合には、好適な方法となる。
【0082】
これらのダイヤフラムにおいて、ダイヤフラムに張力を掛けた状態で筐体に接合することにより、より一層効果的に最大圧力を増加させることができる。
【0083】
このとき、前記薄膜部の周縁部に、電極部の形成されていない固定領域が設けられたダイヤフラムを用いて、当該ダイヤフラムに張力を掛けた状態で、前記固定領域を側面に接合すると、ダイヤフラムの復元力が増大するだけでなく、自由端にしたのとほぼ同じ効果が得られ、筐体上面全体にポンプ室が形成される。従って、より大きな流量及び最大圧力が得られるダイヤフラムポンプとすることができる。また、このような構成とすることにより、均一な張力を得ることができ、品質的に安定したダイヤフラムポンプを提供できる。
【0084】
さらに、前記筐体を上部筐体と下部筐体とから構成し、前記固定領域の少なくとも端部を、前記上部筐体と前記下部筐体との間に挟み込むようにすれば、上部筐体の裏面側にて固定領域を仮固定した後、筐体の接合と同時にダイヤフラムの接合も行なえる。この結果、ダイヤフラムに張力を掛けた状態で、ダイヤフラムポンプの組立作業を容易に行なえる。
【0085】
また、複数の電極部と複数の薄膜部とを交互に積層し、薄膜部を電極部に挟み込むようにすれば、薄膜部を挟み込む電極部間に印加する電圧を調整することにより、ダイヤフラムの変位方向、変位量を自由に調整できる。この結果、所望する動作を容易に行わせることができ、ダイヤフラムの汎用性、ダイヤフラムポンプの汎用性を高めることができる。
【0086】
さらに、筐体に凹部が形成されたダイヤフラムポンプにおいて、ダイヤフラムを凹部内に屈曲可能に構成することにより、ダイヤフラムの延伸時に排気動作を行わせることができ、最大圧力の低下を減少させることができる。
【0087】
例えば、変位防止板を備えることにより、ダイヤフラムの外面側に屈曲するのを防止できる。
【0088】
本発明によるダイヤフラムの製造方法によれば、電極部あるいは弾性板は物理蒸着法により作製されるため、均一厚さの電極部あるいは弾性板を作製できる。このため、品質的に安定したダイヤフラムを提供でき、信頼性の高いダイヤフラムポンプを提供できる。
【0089】
特に、前記蒸着対象面に、予め改質処理を施しておくことにより、電極部と薄膜部との接合性を高めたり、電極部と弾性板との接合性を高めることができる。
【0090】
また、予め、蒸着対象面にマスクを備えた後、物理蒸着を施し、その後マスクを除去することにより、該ダイヤフラムに薄肉部を至極簡単に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るダイヤフラムを示す説明図であって、同図(a)はその斜視図、同図(b)はその断面構造図である。
【図2】同上のダイヤフラムの動作を示す説明図である。
【図3】同上のダイヤフラムの利点を示す比較説明図であって、同図(a)は従来例における説明図、同図(b)は本発明における説明図である。
【図4】本発明の別な実施の形態に係るダイヤフラムを示す説明図であって、同図(a)はその斜視図、同図(b)はその断面構造図である。
【図5】本発明のダイヤフラムの製造に用いられる蒸着装置の一例を示す概略構成図である。
【図6】本発明のさらに別な実施の形態に係るダイヤフラムを示す説明図であって、同図(a)はその斜視図、同図(b)はその断面構造図である。
【図7】本発明のさらに別な実施の形態に係るダイヤフラムを示す説明図であって、同図(a)はその斜視図、同図(b)はその断面構造図である。
【図8】本発明の一実施の形態に係るダイヤフラムポンプの概略的断面構造図である。
【図9】本発明のさらに別な実施の形態に係るダイヤフラムを示す説明図であって、同図(a)はその斜視図、同図(b)はその断面構造図である。
【図10】図8に示すダイヤフラムポンプの利点を示す比較説明図であって、同図(a)は筐体上面で接合した場合における説明図、同図(b)は筐体側面で接合した場合における説明図である。
【図11】本発明の別な実施の形態に係るダイヤフラムポンプの分解斜視図である。
【図12】同上のダイヤフラムポンプの一部破断した概略的断面構造図である。
【図13】本発明のさらに別な実施の形態に係るダイヤフラムポンプを示す図であって、同図(a)はその概略的断面構造図、同図(b)はその平面図である
【図14】本発明のさらに別な実施の形態に係るダイヤフラムの断面構造図である。
【図15】(a)〜(d)は、同上のダイヤフラムの製造方法を示す説明図である。
【図16】本発明のさらに別な実施の形態に係るダイヤフラムポンプの概略的断面構造図である。
【図17】同上のダイヤフラムポンプにおける動作を示す説明図であって、同図(a)は排気動作を示す説明図、同図(b)は吸気動作を示す説明図である。
【図18】本発明のさらに別な実施の形態に係るダイヤフラムポンプの概略的断面構造図である。
【図19】本発明のさらに別な実施の形態に係るダイヤフラムの断面構造図である。
【図20】(a)(b)はそれぞれ、同上のダイヤフラムの動作を示す説明図である。
【図21】同上のダイヤフラムを用いたダイヤフラムポンプの動作を示す説明図であって、同図(a)は排気動作を示す説明図、同図(b)は吸気動作を示す説明図である。
【図22】従来例であるダイヤフラムポンプの一例を示す分解斜視図である。
【図23】同上のダイヤフラムポンプの概略的断面構造図である。
【図24】同上のダイヤフラムポンプにおける吸気動作を示す説明図であって、同図(a)はその概略的説明図、同図(b)は吸気バルブ部を示す断面説明図である。
【図25】同上のダイヤフラムポンプにおける排気動作を示す説明図であって、同図(a)はその概略的説明図、同図(b)は排気バルブ部を示す断面説明図である。
【符号の説明】
A,B,C,D,E,F,G 本発明に係るダイヤフラムポンプ
1 筐体
2 排気路
3 吸気路
4 接続部
5 排気バルブ部
6 吸気バルブ部
7 ポンプ室
8 ポンプ室を形成するための凹部
9 接合用の接着剤
10 ダイヤフラム
11 薄膜部
11a 第1の薄膜部
11b 第2の薄膜部
12 電極部
12a 第1の電極部
12b 第2の電極部
12c 第3の電極部
13 弾性板
14 固定領域
15 切欠き
16 厚肉部
17 薄肉部
20 上部筐体
21 接続部形成用の突起部
22 排気路用の溝部
23 排気バルブ部用の凹部
24 排気バルブ部用の台座
25 排気路形成用の貫通穴
26 接続部形成用の突起部
27 吸気路用の溝部
28 吸気バルブ部用の凹部
29 吸気路形成用の貫通穴
30 下部筐体
31 接続部形成用の突起部
32 排気路用溝部
33 排気バルブ部用の凹部
35 段差部
36 接続部形成用の突起部
37 吸気路用溝部
38 吸気バルブ部用の凹部
39 吸気バルブ部用の台座
40 フィルム
41 バルブ形成用の穴
50 蒸着装置
51 チャンバー
52 ホルダー
53 ターゲット
54 電源回路
55 直流電源
56 制御回路
57 高周波電源
58 ブロッキングコンデンサ
59 マッチングボックス
60 変位防止板

Claims (4)

  1. 誘電分極により延伸する電歪ポリマーからなる薄膜部と、当該薄膜部の上下面の、薄膜部の延伸を十分に行うための電圧を印加できる程度より大きい領域に備えられた電極部とを具備し、いずれか一方の電極部の全面若しくは周縁部に、弾性板を備えたことを特徴とするダイヤフラム。
  2. 誘電分極により延伸する電歪ポリマーからなる薄膜部と、当該薄膜部の上下面の、薄膜部の延伸を十分に行うための電圧を印加できる程度より大きい領域に備えられた電極部とを具備し、複数の電極部と複数の薄膜部とが交互に積層され、薄膜部が電極部に挟まれたことを特徴とするダイヤフラム。
  3. 通気路及び排気路が形成された筐体とダイヤフラムとを備え、筐体と当該筐体上に凸に膨らんだダイヤフラムとの間にポンプ室が形成されるダイヤフラムポンプにおいて、
    前記ダイヤフラムは、請求項1または2のいずれかに記載のダイヤフラムであることを特徴とするダイヤフラムポンプ。
  4. 誘電分極により延伸する電歪ポリマーからなる薄膜部と、当該薄膜部の上下面に備えられた電極部と、何れか一方の電極部の上面に形成された金属製の弾性板とを具備するダイヤフラムの製造方法であって、
    前記弾性板を、蒸着やスパッタリングなどの物理蒸着法により形成することを特徴とするダイヤフラムの製造方法。
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