JP3891000B2 - 液晶表示装置およびその駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はカラー液晶表示装置に関し、特に3原色に対応する単色画面を高速に切り替えて表示するフィールドシーケンシャル方式のカラー液晶表示装置と、その駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、液晶表示装置のカラー化の手段として、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色の画面表示をそれぞれ行う3枚の液晶パネルを用いる3板方式と、1枚の液晶パネル上にあらかじめ赤色(R)、緑色(G)、青色(B)のカラーフィルタを配置した単板方式が広く使用されている。
【0003】
このうち、3板方式では、パネルへの照射光の色分解およびパネルからの出射光の色合成のための光学系が必須となり、小型軽量化が困難である。一方、単板方式では、カラーフィルタのコストが高いうえに、一つのカラー画素を得るために赤色、緑色、青色の各色に対応する3つの画素が必要となるため、実際の解像度は1/3になる。
【0004】
これに対し、新たな液晶表示装置のカラー化の手段として、フィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置が注目されている。フィールドシーケンシャル方式では、赤色、緑色、青色の画像信号を順次供給して、液晶パネルの表示面全体を各色の画像ごとに順次切り替え、これにあわせて液晶表示面に照射する光源を、赤色光、緑色光、青色光と高速で切り替える表示方式である。表示面全体で単色画像を順次切り替えて表示するため、面順次方式とも呼ばれている。各色光に対応する残像は網膜上で合成され、人間の眼にはカラー画像として認識される。
【0005】
図6は、マイクロディスプレイあるいはミニチュアディスプレイと称する液晶パネルを用いる、フィールドシーケンシャル方式の一般的な液晶表示装置の構造を示す。図6(a)は直視型の液晶表示装置、図6(b)は投射型の液晶表示装置である。
【0006】
従来のフィールドシーケンシャル型液晶表示装置100,120は、おおまかに、光源(108、128)と、偏光ビームスプリッタ103と、単一の液晶パネル101と、拡大/投射光学系(109、129)を含む。直視型でも投射型でも、光源から発せられた光の一部が偏光ビームスプリッタ103で反射され、液晶パネル101面に導かれる。液晶パネル101で光変調を受けて反射された光の一部は、偏光ビームスプリッタ103を透過して拡大/投射光学系に導かれる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
図7は、このような従来の液晶表示装置の液晶パネルと光源の駆動状態を示す図である。フィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置では、図8に示すように、水平方向に走る走査線G(G1,G2…)と垂直方向に走る画像信号線D(D1,D2…)の各交差部分に液晶パネルを構成する画素(PIX)が配置されている。列信号電極駆動回路132からは、単色の画像信号が画像信号線Dを介して供給され、行走査電極駆動回路133からは、走査信号が走査線Gを介して供給される。行走査電極駆動回路133によって、走査線Gが順次選択され、これと同期して、列信号電極駆動回路132によって、走査線単位で各画素へ単色の画像信号が供給され、すべての走査線Gで単色の画像信号の供給が完了した時点で、同期信号(SYNC)の入力を受け、各画素に供給された画像信号に対応する電荷が各液晶セルに同時に書き込まれる。ここで、液晶セルとは、液晶パネルにおいて、表示単位となる一画素分の構成(基板、電極および液晶層など)を意味する。この電荷の書き込みにより、パネル全体に一度に画面が表示される。しかし、液晶は瞬時に動くことができず、画像信号に対応する所定の配列状態に安定するまでに一定の応答期間を必要とする(以下、電荷の書き込みから液晶の配列状態が安定するまでの期間を応答期間という)。
【0008】
このため、図7に示すように、液晶パネルの液晶表示面が赤色画像信号に対応して安定した配列状態になったところで、光源から赤色光(R)が照射される。その後、同じ液晶パネルの液晶表示面に緑(G)の画像信号が書き込まれる間、液晶が緑色画像信号に対して安定した配列状態になるまで(応答中)、光源はいったん消灯される。表示画像の混色や、これにともなうコントラストの低下を避けるためである。
【0009】
このような駆動方式では、画像表示中、光源からの色光が照射されない時間が所定間隔で発生し、液晶画面の高輝度化の妨げとなる。さらに、従来のフィールドシーケンシャル駆動では、赤色、緑色、青色の画像を表示面全体で順次切り替えて表示することで、人間の眼には3色画像が合成されたカラー画像として認識されるが、各色画像の繰り返し周期が長いと、3色画像が合成されて認識されないカラーブレイクダウン(色割れ)現象が発生する。
【0010】
これを解決するには、各色画像の繰り返し周期を短くすればよいが、前述のように、液晶は瞬時には動くことができず、画像信号に対応する所定の配列状態に安定するまでにどうしても一定の応答時間を必要とする。したがって、従来の液晶表示装置の構成では、各色の画像表示の周波数を上げることは困難であり、カラーブレイクダウンを避けることができなかった。
【0011】
本発明の目的は、高輝度化を可能とし、カラーブレイクダウンを効果的に防止することのできる液晶表示装置およびその駆動方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係わる液晶表示装置は、赤、緑、青の各色光に対応した画像を所定のタイミングかつ色順で交互に形成する第1および第2の液晶パネルと、前記各色光を前記所定のタイミングかつ色順で出射する光源と、前記光源から出射された色順で交互に、前記色光を偏光方向の異なる第1の偏光光又は第2偏光光に変換して出射する偏光変換手段と、前記偏光変換手段から出射した前記第1の偏光光を反射して前記第1の液晶パネルに導き、前記第1の液晶パネルに形成された画像により光変調を受けて反射され、前記画像に対応する色光の第2の偏光光として取り出された戻り光を透過して後段の結像光学系に出射し、また前記偏光変換手段から出射した前記第2の偏光光を透過して前記第2の液晶パネルに導き、前記第2の液晶パネルに形成された画像により光変調を受けて反射され、前記画像に対応する色光の第1の偏光光として取り出された戻り光を反射して前記後段の結像光学系に出射するビームスプリッタとを備えることを特徴とする。
【0013】
この構成によれば、光源の消灯ロスが解消され高輝度化が可能になる。また、消灯期間をなくすことにより、単色光による切り替え表示の繰り返し周波数を2倍にし、カラーブレイクダウンを防止することができる。
【0014】
好ましくは、上記構成において、前記第1および第2の液晶パネルは、所定ピッチでマトリクス状に配列された画素を有し、前記第1および第2の液晶パネルの画素の配列は、水平方向と垂直方向の少なくとも一方向に、互いに前記所定ピッチの1/2だけずれて配置する。
【0015】
この構成によれば、高輝度化に加えて画像の解像度も向上し、高画質のカラー表示が可能になる。
【0016】
請求項2に係わる液晶表示装置の駆動方法は、請求項1の構成において、前記第1および第2の液晶パネルに、赤、緑、青の各色光に対応した画像を所定のタイミングかつ色順で交互に形成し、前記所定のタイミングかつ色順で、前記光源から前記画像の色に対応する色光を出射し、前記偏光変換手段において、前記色光を前記光源から出射された順に交互に偏光方向の異なる第1の偏光光又は第2偏光光に変換し、前記偏光変換手段で変換された前記第1の偏光光を前記ビームスプリッタで反射して前記第1の液晶パネルに導き、前記第1の液晶パネルに形成された前記画像で光変調を受けて反射され、前記画像に対応する色光の第2の偏光光として取り出した戻り光を前記ビームスプリッタを透過させて後段の結像光学系に出射し、また前記偏光変換手段から出射した前記第2の偏光光を前記ビームスプリッタで透過して前記第2の液晶パネルに導き、前記第2の液晶パネルに形成された前記画像で光変調を受けて反射され、前記画像に対応する色光の第1の偏光光として取り出した戻り光を前記ビームスプリッタで反射して前記後段の結像光学系に出射する動作を含む駆動方法であって、前記第1および第2の液晶パネルの一方で画像を形成する間、前記第1および第2の液晶パネルの他方に形成された画像に対応する色光を取り出して出射する動作を交互に繰り返すことにより、前記後段の結像光学系に異なる色の画像を順次表示することを特徴とする。
【0017】
上記駆動方法によれば、光源の消灯ロスが解消され高輝度化が可能になる。また、消灯期間をなくすことにより、単色光による切り替え表示の繰り返し周波数を2倍にし、カラーブレイクダウンを防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係わる液晶表示装置およびその駆動方法の実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1および図2は、本実施形態に係る液晶表示装置の概略構成図である。このうち、図1は直視型液晶表示装置10を示し、図2は投射型液晶表示装置20を示す。
【0020】
図1に示す直視型液晶表示装置10は、光源としてのLED18、第1の液晶パネル11a、第2の液晶パネル11b、偏光板15、90°偏光変換器17、偏光ビームスプリッタ13を含む。第2の液晶パネル11bは、偏光ビームスプリッタ13を間に挟んで、第1の液晶パネル11aと直角に位置する。以下、適宜に、3色のLED18や後述の白色ランプ28を“光源”と総称する。
【0021】
第1および第2の液晶パネル11a、11bは、図8に示すようなフィールドシーケンシャル方式の液晶パネルである。本実施形態では、赤、緑、青の各色の単色画像に対応する画像信号が、第1および第2の液晶パネル11a、11bに交互に供給され、異なる色の単色画像が交互に形成される。たとえば、第1の液晶パネル11aに赤の画像信号が供給され対応する電圧印加を受けて液晶が安定状態になるまでの間、第2の液晶パネル11bには青色の画像が安定に形成されている。そして、第1の液晶パネル11aに赤色の単色画像が安定に形成されたところで、第2の液晶パネル11bには、次の緑の画像信号が供給され、緑画像を形成する準備がなされる。このように、第1および第2の液晶パネル11a、11b上には、電圧印加により液晶状態が安定するタイミングで、赤、緑、青の単色画像が交互に形成される。
【0022】
LED18は、3原色の単色光(R、G、B)を順次切り替えて照射する。LED18の照射切り替えのタイミングは、液晶状態が安定して第1および第2の液晶パネル11a、11b上に交互に画像が形成されるタイミングと同期し、第1および第2の液晶パネル11a、11b上に形成された画像の色に対応する単色光が照射される。たとえば、第1の液晶パネル11aに赤色画像が安定に形成されたときに、光源は赤色光を照射する。この間、第2の液晶パネル11bには、次の色の画像、たとえば緑の単色画像を形成するための準備がなされている(応答期間)。
【0023】
偏光板15は、LED18から発せられた単色光を、平面偏光に整える。90°偏光変換器17は、第1および第2の液晶パネル11a、11bの駆動タイミングと同期して、平面偏光にされた偏光面の方向を、90°変換して、S偏光成分とP偏光成分を交互に出力する。以下、単色光のS偏光成分、P偏光成分を、それぞれS偏光光、P偏光光と称する。偏光板15と90°偏光変換器17は、本実施形態における偏光変換手段を構成する。
【0024】
偏光ビームスプリッタ13は、90°偏光変換器17と、第1、第2の液晶パネル11a、11bとの間に位置し、90°偏光変換器17から出力された単色光を、その偏光面の方向、すなわちS偏光光かP偏光光かに応じて、第1の液晶パネル11aと第2の液晶パネル11bのいずれかに導く。
【0025】
具体的には、LED18から発せられた第1の単色光(たとえばR)が、偏光板15と90°偏光変換器17を経た結果、図1に両方向の矢印で示すS偏光光として出力されたとする。この場合、偏光ビームスプリッタ13は、このS偏光光を反射して、第1の液晶パネル11aへ導く。このとき、第1の液晶パネル11aには、LED18から発せられた単色光に対応する画像が形成されている。S偏光光は第1の液晶パネル11aで光変調を受けて反射され、戻り光はP偏光光となる。P偏光光は、偏光ビームスプリッタ13をそのまま通過して、拡大光学系19へ導かれる。
【0026】
LED18から発せられる光が、画像形成のタイミング、すなわち第1および第2の液晶パネル11a、11bの駆動タイミングで、第2の単色光(たとえばG)に切り替えられると、90°偏光変換器17は、LED18の切り替えタイミングと連動して、偏光板15を経た光の偏光面の方向を再度90°変換し、今度はP偏光光のみを出力する。偏光ビームスプリッタ13は、このP偏光光をそのまま通過させ、第2の液晶パネル11bに導く。このとき、第2の液晶パネル11bには、第2の色光(G)に対応する画像が形成されている。P偏光光は、第2の液晶パネル11bで光変調を受けて反射され、戻り光はS偏光光となる。戻り光は、偏光ビームスプリッタ13で反射されて、同じく、拡大光学系19へ導かれる。
【0027】
LED18からの光は、第1および第2の液晶パネル11a、11bの駆動タイミングに同期して、さらに第3の単色光(B)に切り替えられ、90°偏光変換器17による偏光面の方向の切り替え動作によって、S偏光光として取り出される。偏光ビームスプリッタ13は、この光を、青色画像が形成されている第1の液晶パネル11aに導く。戻り光は、偏光ビームスプリッタ13を通過して、拡大光学系19へと導かれる。
【0028】
拡大光学系19は、液晶パネル11a、11bから交互に供給される単色光像を表示する。これら3色の単色光像は、人間の網膜上において一つに結像する。各色の切り替え速度はきわめて速いので、3原色の像が網膜上で合成され、カラー画像として認識される。
【0029】
図2の投射型の液晶表示装置20は、基本的に図1の直視型液晶表示装置10と同様の構成をとる。ただし、光源として、単一の白色ランプ28と、白色ランプ28からの照射光を3原色に色分解する色分解フィルタ27を有する。また、投射光学系29を出射した光像は、スクリーン30上に投射される。
【0030】
図1、図2のいずれの構成においても、第1、第2の液晶パネル11a、11bに交互に画像が形成されるタイミングと同期して、光源から照射される単色光が切り替えられる。さらにこのタイミングに連動して、偏光板15と90°偏光変換器17とで、単色光の偏光面の方向を変換制御する。制御された偏光面の方向に応じて、偏光ビームスプリッタ13は、各色の単色光を、第1および第2の液晶パネル11a、11bに交互に導く。
【0031】
90°偏光変換器17は、たとえば、(1)液晶分子の配列を90°ねじったネマティック(TN)液晶の旋光性の変化、(2)高速応答する強誘電性液晶パネルの複屈折性の変化、(3)圧電性結晶の複屈折の変化、などを利用して実現することができる。
【0032】
TN液晶の旋光性の変化を利用する場合、90°偏光変換器17は、たとえば2枚の透明電極と、その間に充填されたTN液晶とで構成される。液晶パネルの駆動タイミングおよび光源の色光の切り替えタイミングに合わせて、90°偏光変換器17の透明電極への電圧印加を制御することで、入射光の偏光面の方向を切り替えることができる。
【0033】
たとえば、図1に示すように、手前の偏光板15で光の振動方向(偏光軸)が紙面に垂直な平面偏光(P偏光)に揃えられた場合、TN液晶を用いた90°偏光変換器17に入射したP偏光光は、電圧印加のない状態で、偏光面の方向が90°ねじれる。したがって、90°偏光変換器17を出るときは、双方向矢印で示されるS偏光光に変換され、さらに偏光ビームスプリッタ13で反射されて、第1の液晶パネル11aに導かれる。一方、電圧が印加され、90°偏光変換器17を構成するTN液晶分子の方向が垂直方向に並ぶと、90°偏光変換器17への入射光がそのままの状態(P偏光光)で透過し、偏光ビームスプリッタ13を透過して、第2の液晶パネル11bに導かれる。
【0034】
このようなTN液晶を利用した90°偏光変換器17は、作製が簡単で、取り扱いも容易である。
強誘電性液晶パネルを使用する場合は、液晶分子の自発分極を利用するため、より高速の切り替え動作が可能になる。圧電性結晶を利用する場合は、圧電素子の伸縮方向の変化に基づき、偏光面の方向を切り替える。
【0035】
このように、偏光板15、90°偏光変換器17、偏光ビームスプリッタ13を用いて、LED18から照射された各色光を、第1の液晶パネル11aと、第2の液晶パネル11bに交互に導いて、液晶表示面に形成された単色画像を照射する。この動作の詳細については後述する。
【0036】
第1および第2の液晶パネル11a、11bは、水平および垂直方向にマトリクス状態に配置される画素アレイ(基板上に形成された電極構造)を有する。このような液晶パネルとしては、フィールドシーケンシャル方式の液晶表示装置に通常使用されるパネル、たとえば図8に示したアクティブマトリクス型液晶パネルを用いることができる。
【0037】
図3は、アクティブティグマトリクス型液晶パネルを構成する1画素(図8の画素PIXに相当する)の等価回路を示す。各画素は、液晶セルLC、第1トランジスタTR1、第2トランジスタTR2、および電荷蓄積用コンデンサCを有する。液晶セルLCはたとえば透明なITO共通電極と、共通電極に対向する画素電極(反射電極)と、これらの電極間に充填された液晶層で構成される。
【0038】
第1トランジスタTR1のゲートは、図3で水平方向(X方向)に走る走査線(SCAN)に接続される。第1トランジスタTR1のソースは、垂直方向(Y方向)に走る画像信号線(VIDEO)に接続され、ドレインはコンデンサCに接続される。
【0039】
第2トランジスタTR2のゲートは、同期信号線SYNCに接続され、ソースはコンデンサCに、ドレインは液晶セルLCに接続される。
【0040】
液晶パネルへの画像信号の書き込みは、線順次走査で行われる。すなわち、走査線に接続された第1トランジスタTR1のゲートに走査信号を印加するとともに、画像信号線に単色画像に対応する画像信号VIDEOを供給すると、選択された走査線上に位置する横1列の画素のコンデンサCに、画像信号が書き込まれる。
【0041】
この動作を走査線ごとに繰り返し、すべての走査線でコンデンサCへの書き込みが終了した時点で、すべての画素に一度に同期信号を印加する。第2トランジスタTR2のゲートに同期信号が印加されることにより、コンデンサCに蓄積されていた単色画像に対応する電荷が、一度に液晶セルLCに書き込まれ、画面全体への単色画像の書き込みが完了する。
【0042】
この動作を、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各単色画像について、第1の液晶パネル11aと第2の液晶パネル11bを交互に用いて繰り返す。上述したように、光源は、液晶表示面に書き込まれた単色画像の色に対応する色の光を、順次切り替えて照射する。図1の直視型液晶表示装置10であれば、赤、緑、青のLED18を順次点灯、消灯させる。図2の投射型液晶表示装置20であれば、色分解フィルタ27を回転させて、白色ランプ28から三色光を生成する。光源の切り替えに連動して、偏光変換手段(15、17)と偏光ビームスプリッタ13とで、照射光を第1の液晶パネル11aと第2の液晶パネル11bに交互に導く。
【0043】
図4は、図1に示す直視型液晶表示装置10の動作を説明するための図である。第1の液晶パネル11aの液晶セルLCに赤色(R)の画像信号に対応する電圧が印加され、液晶の配向状態が赤画面を示す状態になっている。このとき、光源では赤色(R)のLED18が点灯される。LED18から照射された赤色の単色光は、偏光板15と、90°偏光変換器17を経ることによって、S偏光光のみが取り出され、偏光ビームスプリッタ13により第1の液晶パネル11aへ導かれる。これにより、第1の液晶パネル11aに形成された赤色に対応する画像が照射される。第1の液晶パネル11aで光変調を受けて反射した戻り光は、偏光ビームスプリッタ13を介して拡大光学系19に導かれる。
【0044】
この間に、第2の液晶パネル11bでは、次の画像信号、すなわち緑色(G)の画像信号が液晶セルLCに印加され、液晶の配向が緑画像を示す状態へと移行する過程にある。図4の応答中(応答期間)である。
【0045】
第2の液晶パネル11bの液晶が完全に緑画像に対応する状態に配向すると、光源は、緑色(G)のLED18に切り替えられる。緑色の照射光は、偏光板15と90°偏光変換器17によって、その偏光面の方向が90°変換され、P偏光光だけが取り出される。緑色光のP偏光光は、偏光ビームスプリッタ13を透過して、第1の液晶パネル11aと90°の角度を成して配置される第2の液晶パネル11bに導かれる。これにより、第2の液晶パネル11b上に形成されていた緑色に対応する画像が照射され、第2の液晶パネル11bで光変調を受けて反射した戻り光が拡大光学系19に導かれる。
【0046】
この間に、第1の液晶パネル11aでは、次の画像、すなわち青色(B)の画像信号が液晶セルに印加され、液晶の配向が青色画像に対応する状態へと移行する。液晶の配向が完全に揃ったところで、光源が青色LEDに切り替えられる。青色の単色光は、偏光変換手段(15、17)を経ることにより、その偏光面が90°もとの方向へ変換され、S偏光光だけが取り出され、偏光ビームスプリッタ13により、第1の液晶パネル11aに導かれる。
【0047】
この動作を順次繰り返す。液晶パネル上での単色画像の書き込み完了のタイミングで、光源から照射する単色光の色を切り替え、偏光変換手段(15、17)により、照射光の偏光面を90°変換して、偏光ビームスプリッタ13を介して、第1の液晶パネル11aと第2の液晶パネル11bを交互に照射する。図2に示す投射型液晶表示装置20を用いる場合は、液晶パネル上の画面切り替えのタイミングで、色分解フィルタ27を回転させ、形成された単色画像の色に応じて単色光の色を切り替える。
【0048】
上記のような液晶表示装置の構成と動作によれば、一方の液晶パネルが画像信号に対応して所定の配向状態に安定するまでの応答期間に、他方の液晶パネルで画像表示が可能になるので、応答期間に対応する光源のロス(消灯)期間をなくすことができ、高輝度のカラー画像を得ることができる。
【0049】
また、2枚の液晶パネルを交互に駆動し、必ずいずれか一方で画面表示を行い、かつ、順次異なる色の画像を交互に表示することから、画像表示の周波数を2倍にすることができる。この結果、カラーブレイクダウンの発生が抑制され、画質の鮮明度を向上させることができる。
【0050】
図5は、図1または図2の液晶表示装置において、解像度をさらに向上する構成を説明するための図である。
【0051】
図5(a)に示すように、第1および第2の液晶パネル11a、11bの画素アレイの位置関係が合致する場合、2枚の液晶パネルを間断なく交互に駆動することにより、画像表示の周波数は2倍になり、かつ高輝度化が図られるが、画面の解像度自体は、1枚の場合と同じである。
【0052】
そこで、図5(b)に示すように、所定の角度(たとえば90°)を成して配置される第1および第2の液晶パネル11a、11bの画素配列を、水平方向、垂直方向ともに1/2画素ピッチだけずらして配置する。
【0053】
たとえば、画素アレイの水平方向への画素ピッチをPx、垂直方向への画素ピッチをPyとすると、第2の液晶パネル11bの画素31は、第1の液晶パネルの画素31に対して、水平方向にPx/2、垂直方向にPy/2だけシフトした関係になる。この場合、画素ピッチとは、隣接する画素の中心間距離をいう。
【0054】
本実施形態に係わる液晶表示装置では、第1および第2の液晶パネル11a、11bに異なる色の単色画像を交互に形成し、画面および光源を高速で切り替えることにより、見る者の網膜上にカラー画像を合成する。したがって、2枚の液晶パネルの画素アレイを互いに1/2画素ピッチずらして配置することにより、合成されて観察される像は、水平方向、垂直方向にそれぞれ擬似的に2倍の解像度にすることが可能になる。
【0055】
この場合、第2の液晶パネル11bには、第1の液晶パネル11aの駆動に使用した画素から水平方向、垂直方向ともに1/2画素ピッチずらした位置の画素に、次の色の画素信号が供給される。
【0056】
たとえば、第1の液晶パネル11aにおいて、表示しようとする画面の奇数番目の走査線上にある奇数番目の画素に、赤色の画像信号に対応する電圧が印加されるとする。この場合、次に、第2の液晶パネル11bにおいて、表示しようとする画面の偶数番目の走査線上にある偶数番目の画素に、緑色の画像信号に対応する電圧が印加される。さらにその次に、第1の液晶パネル11aにおいて、表示しようとする画面の奇数番目の走査線上にある奇数番目の画素に、青色の画像信号に対応する電圧が印加される。これを順次繰り返す。
【0057】
図5に示す例では、水平方向、垂直方向ともに1/2画素ピッチ分、ずらして配置しているが、水平または垂直方向のいずれか一方にだけ1/2画素ピッチずらす配置としてもよい。その場合は、シフトさせた方向への解像度が2倍になる。
【0058】
図5に示す実施形態のように、交互に駆動する2枚の液晶パネルの画素配列を相対的にシフトさせることにより、高輝度化、カラーブレイクダウンの抑制という効果に加え、解像度の向上という効果も得られる。
【0059】
【発明の効果】
本発明によれば、液晶応答期間の消灯ロスを排除することができるため、画面の高輝度化を実現することができる。また各色画像の繰り返し周期を短くすることができるため、各所の画像表示の周波数を上げることによりカラーブレイクダウンを防止することができる。
【0060】
さらに、2枚の液晶パネルの画素配列を互いに1/2画素ピッチ分シフトさせることにより、合成カラー画像の解像度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係る直視型液晶表示装置の概略構成図である。
【図2】実施形態に係る投射型液晶表示装置の概略構成図である。
【図3】液晶パネルを構成する画素の等価回路図である。
【図4】液晶表示装置の駆動動作の説明図である。
【図5】液晶パネルの画素配置例を示す図である。
【図6】従来の液晶表示装置の概略構成図である。
【図7】従来の液晶表示装置の駆動動作図である。
【図8】一般的なフィールドシーケンシャル方式の液晶パネルの模式図である。
【符号の説明】
10、20 液晶表示装置
11a,11b 液晶パネル
13 偏光ビームスプリッタ(PBS)
15 偏光板
17 90°偏光変換器
18、28 光源
19、29 光学系
Claims (2)
- 赤、緑、青の各色光に対応した画像を所定のタイミングかつ色順で交互に形成する第1および第2の液晶パネルと、
前記各色光を前記所定のタイミングかつ色順で出射する光源と、
前記光源から出射された色順で交互に、前記色光を偏光方向の異なる第1の偏光光又は第2偏光光に変換して出射する偏光変換手段と、
前記偏光変換手段から出射した前記第1の偏光光を反射して前記第1の液晶パネルに導き、前記第1の液晶パネルに形成された画像により光変調を受けて反射され、前記画像に対応する色光の第2の偏光光として取り出された戻り光を透過して後段の結像光学系に出射し、また前記偏光変換手段から出射した前記第2の偏光光を透過して前記第2の液晶パネルに導き、前記第2の液晶パネルに形成された画像により光変調を受けて反射され、前記画像に対応する色光の第1の偏光光として取り出された戻り光を反射して前記後段の結像光学系に出射するビームスプリッタと、
を備えることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1に記載の液晶表示装置において、
前記第1および第2の液晶パネルに、赤、緑、青の各色光に対応した画像を所定のタイミングかつ色順で交互に形成し、
前記所定のタイミングかつ色順で、前記光源から前記画像の色に対応する色光を出射し、
前記偏光変換手段において、前記色光を前記光源から出射された順に交互に偏光方向の異なる第1の偏光光又は第2偏光光に変換し、
前記偏光変換手段で変換された前記第1の偏光光を前記ビームスプリッタで反射して前記第1の液晶パネルに導き、前記第1の液晶パネルに形成された前記画像で光変調を受けて反射され、前記画像に対応する色光の第2の偏光光として取り出した戻り光を前記ビームスプリッタを透過させて後段の結像光学系に出射し、
また前記偏光変換手段から出射した前記第2の偏光光を前記ビームスプリッタで透過して前記第2の液晶パネルに導き、前記第2の液晶パネルに形成された前記画像で光変調を受けて反射され、前記画像に対応する色光の第1の偏光光として取り出した戻り光を前記ビームスプリッタで反射して前記後段の結像光学系に出射する動作を含む駆動方法であって、
前記第1および第2の液晶パネルの一方で画像を形成する間、前記第1および第2の液晶パネルの他方に形成された画像に対応する色光を取り出して出射する動作を交互に繰り返すことにより、前記後段の結像光学系に異なる色の画像を順次表示することを特徴とする液晶表示装置の駆動方法。
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