JP3890138B2 - 流量コントローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、半導体製造工程においてプロセスガス、パージガス等のガス流量を制御するために使用される流量コントローラに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば半導体製造工程では、プロセスガス、パージガスの流量を制御するのにマスフローコントローラ(以下[MFC]という)が一般に使用されてきた。ここで、MFCは、ガス流量を測定する熱式センサを備え、そのセンサが80〜120℃に加熱されてガスに直接晒されるセンサ部を有する。従って、MFCの場合、熱分解し易いオゾン等のガスを制御対象にすることができない。一方、イオン・インプランテーション(注入器)等においてガス流量を制御するには、2CCM程度の微少流量で制御する必要があるが、MFCでは、このような微少流量の制御が困難であった。
【0003】
そこで、上記のような流量制御を行うには、加熱部がなく、微少流量に対応可能なデバイスを使用する必要があり、それに好適な音速ノズルを使用した流量コントローラが近年提案されている。
【0004】
図16に示すように、この音速ノズル式の流量コントローラは、音速ノズル31と呼ばれ、校正された細孔を有するノズルと、ガス圧力を制御するための電子レギュレータ32と、ガス圧力を測定するための圧力センサ33と、ガス温度を測定するための温度センサ34と、各センサ33,34の測定結果に基づいて電子レギュレータ32を制御するためのコントローラ35とを備える。音速ノズル31は、例えば、50〜200CCM、直径約0.1ミリ、20LMで約1.2ミリ、50LMで約2.4ミリの細孔を有するものである。ここで、音速ノズル31と同様の機能を有する可変ノズルを代用することもできる。この流量コントローラは、ガス圧力を電子レギュレータ32を使用して所定値に設定することにより、音速ノズル31から噴出されるガス流量を所定値に制御するようにしたものである。この流量コントローラは、電子レギュレータ32及び音速ノズル31というシンプルな基本構成を有するものであることから、信頼性が高く、ガス系の配管をシンプルなものにすることができ、装置全体のコスト低減を図る上でメリットが大きいものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の音速ノズル式の流量コントローラでは、音速ノズル31の細孔が極めて細いことから、目づまりを起こすおそれがあり、目づまりが起きた場合には、制御されるガス流量に誤差が生じるおそれがある。特に、プロセスガスラインでは、酸化物等のパーティクル(微少なゴミ)が発生するおそれがあり、そのパーティクルが音速ノズル31に詰まるというおそれがある。又、この流量コントローラでは、ガス圧力を制御することによりガス流量を制御するというオープンループ制御が採用されており、ガス流量を直接測定してその流量を制御するといったフィードバック制御は採用されていない。従って、音速ノズル31のの目づまりによりガス流量に誤差が生じても、それを検出することができず、作業者が誤差の発生を知って直ちに対策を講じることができない。更に、オープンループ制御では、流量コントローラ自体でガス流量を自己補正することも困難である。このため、流量コントローラの信頼性を上げるために、その外部にマスフローメータや流量モニタリングシステム等の流量検定手段を別途に設けてガス流量を検定する必要が生じる。この結果、装置の全体構成が複雑化したり、そのメンテナンス性が悪化したり、コストアップしたりするという問題があった。
【0006】
この発明は上記の事情に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、ノズルを用いた流量コントローラにおいて、簡単な構成でノズルの目づまりを検出可能にすることにある。この発明の第2の目的は、第1の目的に加え、ノズルの目づまり状態に応じてガス流量を適正に制御可能にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記第1の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、その上流側に供給されるガス圧力に応じた流量のガスをその下流側へ流出させるノズルと、ノズルの上流側に供給されるガス圧力を調整するための圧力調整手段と、ノズルの上流側に供給されるガス圧力を所定値に調整することによりノズルの下流側へ流出するガス流量を目標値に制御するために、圧力調整手段を制御するための圧力制御手段とを備えた流量コントローラにおいて、圧力調整手段とノズルとの間のガス流を遮断するためのガス流遮断手段と、そのガス流遮断手段により圧力調整手段とノズルとの間のガス流が遮断されたときに、ガス流遮断手段とノズルとの間のガス圧力の降下を検出するための圧力降下検出手段と、その検出されるガス圧力の降下の状態に基づいてノズルの目づまり状態を判定するための目づまり判定手段とを備えたことを趣旨とする。
【0008】
上記の発明の構成によれば、通常の使用時には、圧力制御手段が圧力調整手段を制御する。これにより、ノズルの上流側に供給されるガス圧力が所定値に調整され、ノズルの下流側に流出するガス流量が目標値に制御される。ここで、ノズルに目づまりがなければ、ノズルからのガス流量がノズルの上流側に供給されるガス圧力に応じた目標値に適正に制御されることになる。しかし、ノズルに目づまりがあると、ノズルからのガス流量がノズルの上流側に供給されるガス圧力に応じた目標値に制御されなくなり、ガス流量に誤差を生じることになる。
そこで、通常の使用時に先立ってノズルの目づまりを検出するために、ガス流量遮断手段を動作させ、圧力調整手段とズルとの間のガス流を遮断する。このとき、圧力調整手段とズルとの間に残留するガス圧力は、そのガスがノズルから徐々に流出することにより、経時的に降下することになる。
従って、このときにガス流遮断手段とノズルとの間のガス圧力の降下を圧力降下検出手段により検出し、その検出されるガス圧力の降下の状態に基づいて目づまり判定手段が判定を行うことにより、外部に流量検定手段を別途に設けることなく、ノズルの目づまり状態が判定される。
【0009】
上記第2の目的を達成するために、請求項2に記載の発明は、請求項1の発明の構成において、ノズルの下流側へ流出するガス流量が目標値となるように、圧力調整手段によるガス圧力の調整を、判定される目づまり状態に基づいて補正するための圧力補正手段を備えたことを趣旨とする。
【0010】
上記の発明の構成によれば、請求項1の発明の作用に加え、圧力補正手段を動作させることにより、上記判定される目づまり状態に基づいて圧力調整手段によるガス圧力の調整が補正され、ノズルの下流側へ流出するガス流量が補正される。
【0011】
上記第2の目的を達成するために、請求項3に記載の発明は、請求項2の発明の構成において、圧力補正手段は、判定される目づまり状態に基づいてガス流量の誤差を算出し、その算出される誤差に基づいて圧力調整手段によるガス圧力の調整を自動補正するための自動補正手段を含むことを趣旨とする。
【0012】
上記の発明の構成によれば、請求項2の発明の圧力補正手段の動作が、自動補正手段の動作により具体化される。即ち、判定される目づまり状態に基づいて自動補正手段によりガス流量の誤差が算出される。更に、その算出される誤差に基づいて圧力調整手段によるガス圧力の調整が自動補正手段により補正されることにより、ガス流量の誤差が自動的に補正される。
【0013】
上記第2の目的を達成するために、請求項4に記載の発明は、請求項2の発明の構成において、圧力補正手段は、判定される目づまり状態に基づいてガス流量の誤差を算出するための誤差算出手段と、その算出されるガス流量の誤差を表示するための表示手段と、表示されるガス流量の誤差に基づいて圧力調整手段によるガス圧力の調整を作業者が人為補正するための人為補正手段とを含むことを趣旨とする。
【0014】
上記の発明の構成によれば、請求項2の発明の圧力補正手段の動作が、誤差算出手段、表示手段及び人為補正手段の動作により具体化される。即ち、判定される目づまり状態に基づいて誤差算出手段によりガス流量の誤差が算出される。更に、その算出されるガス流量の誤差が表示手段に表示される。そして、その表示されるガス流量の誤差に基づいて作業者が人為補正手段を操作して圧力調整手段によるガス圧力の調整を人為補正することにより、ガス流量の誤差が適宜に補正される。
【0015】
上記第2の目的を達成するために、請求項5に記載の発明は、請求項1の発明の構成において、ノズルを、その開度を変更可能にした可変ノズルとし、可変ノズルの下流側へ流出するガス流量が目標値となるように、判定される目づまり状態に基づいて可変ノズルの開度を補正するための開度補正手段を備えたことを趣旨とする。
【0016】
上記の発明の構成によれば、請求項1の発明の作用に加え、開度補正手段を動作させることにより、上記判定される目づまり状態に基づいて可変ノズルの開度が補正される。これにより、可変ノズルの下流側へ流出するガス流量が、目づまりの状態に応じて目標値に補正される。
【0017】
上記第2の目的を達成するために、請求項6に記載の発明は、請求項5の発明の構成において、開度補正手段は、判定される目づまり状態を所定の基準値と比較することにより可変ノズルの開度を自動補正するための自動補正手段を含むことを趣旨とする。
【0018】
上記の構成によれば、請求項5の発明の開度補正手段の動作が、自動補正手段の動作により具体化される。即ち、自動補正手段が、判定される目づまり状態を所定の基準値と比較することにより、可変ノズルの開度が自動補正される。これにより、ガス流量の誤差が自動的に補正される。
【0019】
上記第2の目的を達成するために、請求項7に記載の発明は、請求項5の発明の構成において、開度補正手段は、判定される目づまり状態及びそれと比較されるべき所定の基準値を表示するための表示手段と、それら表示される目づまり状態及び所定の基準値に基づいて可変ノズルの開度を作業者が人為補正するための人為補正手段とを含むことを趣旨とする。
【0020】
上記の発明の構成によれば、請求項5の発明の開度補正手段の動作が、表示手段及び人為補正手段の動作により具体化される。即ち、判定される目づまり状態及び所定の基準値が表示手段に表示される。そして、その表示される目づまり状態及び所定の基準値に基づいて作業者が人為補正手段を操作して可変ノズルの開度を人為補正することにより、ガス流量の誤差が適宜に補正される。
【0021】
上記第2の目的を達成するために、請求項8に記載の発明は、請求項1乃至請求項7の何れか一つの発明の構成において、判定される目づまり状態が所定の許容状態を超えたときに、ノズルが異常であるものとしてその異常を報知するための異常報知手段を備えたことを趣旨とする。
【0022】
上記の発明の構成によれば、請求項1乃至請求項7の何れか一つの発明の作用に加え、判定される目づまり状態が所定の許容状態を超えてノズルが異常となったときに、異常報知手段によりそのことが報知される。従って、作業者はこの報知を受けてノズルの異常を認識し、ノズルを正常なものと交換することができるようになる。
【0023】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の流量コントローラを具体化した第1の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
【0024】
図1に本実施の形態に係る音速ノズル式の流量コントローラの概略構成図を示す。この流量コントローラは、半導体製造装置において、プロセスガスの流量を制御するために使用される。この流量コントローラは、音速ノズル1、エアオペレート式のバルブ2、圧力センサ3、温度センサ4及びコントローラ5を備える。音速ノズル1は、校正された細孔を有するものであり、その上流側に供給されるガス圧力に応じた流量のガスをその下流側へ流出させるものである。バルブ2は、音速ノズル1の上流側に供給されるガス圧力を調整(制御)する機能を有するものであり、本発明の圧力調整手段に相当する。圧力センサ3は、音速ノズル1に供給されるガス圧力を測定する機能を有するものである。温度センサ4は、音速ノズル1に供給されるガス温度を測定する機能を有するものである。コントローラ5は、圧力センサ3及び温度センサ4の測定結果に基づいてバルブ2を制御する機能を有するものである。コントローラ5は、本発明の圧力制御手段、目づまり判定手段及び圧力補正手段を構成する。このコントローラ5は、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、バックアップRAM及び入出力回路等の周知の構成を備えたものである。ROMは流量制御を含む各種制御に係る制御プログラムを予め記憶している。コントローラ(そのCPU)5は、これらの制御プログラムに従って各種制御を実行する。
【0025】
コントローラ5は、圧力制御システムを含む。このシステムは、音速ノズル1に供給されるガス圧力を、所定の設定圧力に調整するために、圧力センサ3からの圧力信号に基づいてバルブ2に圧力設定信号を出力することにより、バルブ2の開度を連続的変化をもって制御するものである。このシステムは、圧力センサ3とバルブ2との間の入出力回路、CPU及び各種メモリ等よりなるハード構成と、バルブ2を制御するためのROMに格納された制御プログラムとを含むものである。このシステムは、音速ノズル1の上流側に供給されるガス圧力を所定値に調整することにより、音速ノズル1の下流側へ流出するガス流量を所定の目標値に制御するために、バルブ2の開度を制御するものである。
【0026】
コントローラ5は、更に、温度チェックシステムを含む。このシステムは、音速ノズル1に供給されるガス温度を測定し、チェックするためのものである。このシステムは、温度センサ4との間の入出力回路、CPU及び各種メモリ等よりなるハード構成と、温度の測定結果を圧力制御システム及び後述する流量変化チェックシステムの制御へ反映させるためのROMに格納された制御プログラムを含むものである。
【0027】
これらの構成は、流量コントローラの基本構成であり、従来の流量コントローラのそれと同等である。但し、従来の流量コントローラでは、バルブ2の代わりに電子レギュレータ32が使用されている。流量コントローラは、音速ノズル1の上流側に供給されるガス圧力を所定値に設定することにより、音速ノズル1の下流側へ流出するガス流量を所定の目標値に制御するようにしたものである。この音速ノズル1は、「ノズル下流側を真空に近い低圧状態にし、ノズル1を通して、ノズル上流側のガスを流出させた場合、ノズル下流側の気体の温度、圧力が一定で、ノズル前後の圧力差がある限界圧力差以上のときは、ノズル下流側の圧力が変わっても常に臨界流量として一定流量が保たれる。」という基本原理を利用したものである。
【0028】
図2に音速ノズル1の圧力流量特性のグラフを示す。このグラフにおいて、「圧力」はノズル上流側に供給されるガス圧力であり、「流量」はノズル下流側へのガス流量を意味する。グラフに示す「音速領域」では、流量は圧力に対してほぼ直線性をもって変化し、「音速領域」以外の低圧域では、若干曲線性をもって変化することが分かる。ノズル上流側の圧力とノズル下流側の圧力との比をある値にしたとき、ノズルを通るガスの流速は音速を超える。このとき、ノズル下流側の圧力変化はノズル上流側へ伝わるスピードを超えることができず、ノズル下流側の圧力が変化しても、ノズル上流側の圧力のみでガス流量が決まる。「音速領域」とは、このような関係が得られる圧力領域を意味するものである。
【0029】
流量コントローラは、上記のように基本構成がシンプルであることから、信頼性が高く、ガス系の配管をシンプルなものにすることができ、装置全体のコスト低減に寄与する。
【0030】
以上が流量コントローラの通常動作、即ち、音速ノズル1から流出するガス流量を目標値に制御する動作を実現するための基本構成である。この基本構成に加え、この流量コントローラは、音速ノズル1の目づまりを検出するための構成と、その目づまり状態に応じて、同ノズル1に供給されるガス圧力を補正し、同ノズル1からのガス流量を補正・制御するための構成を備える。
【0031】
即ち、この実施の形態では、バルブ2に対し、音速ノズル1に供給されるガス流れを遮断するための機能を与え、本発明のガス流遮断手段を構成している。つまり、ガス流れを遮断するために、バルブ2を全閉可能な構成としている。この構成自体は、エアーオペレート式のバルブ2が持つ本来の構成により得られるものである。この実施の形態では、圧力制御機能とガス遮断機能を併せ持つバルブとして、エアーオペレート式のバルブ2を使用しているが、その他に、電磁ソレノイド式、ピエゾ式等のバルブを代わりに使用することもできる。
【0032】
この実施の形態では、更に、圧力センサ3に、バルブ2により同バルブ2と音速ノズル1との間のガス流が遮断されたときに、バルブ2と音速ノズル1との間のガス圧力の降下を検出するための機能を与え、本発明の圧力降下検出手段としている。つまり、音速ノズル1が目づまりすると、その下流側へのガス流量が変化することから、圧力降下によって流量変化を検出するための機能を、圧力センサ3に与えているのである。
【0033】
上記各機能構成に合わせて、コントローラ5の中の圧力制御システムは、流量変化チェックシステムを兼用している。この流量変化チェックシステムは、音速ノズル1からのガス流量の変化をチェックするために、上記のように検出されるガス圧力の降下状態に基づいて音速ノズル1の目づまり状態を判定するためのものである。このシステムは、圧力制御システムのために兼用されるハード構成と、目づまり状態を判定し、その判定結果を出力するためのROMに格納された制御プログラム等とを含むものである。
【0034】
この実施の形態では、図1に示すように音速ノズル1、バルブ2、圧力センサ3、温度センサ4及びコントローラ5等の部材が一つのケーシングに収容されることによりユニット化され、コントロールユニット29が構成されている。
【0035】
加えて、この実施の形態では、コントローラ5に接続された制御装置6及びその付属機器としてのキーボード7、ディスプレイ装置8及びアラームランプ9を備える。制御装置6は、中央処理装置(CPU)、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、バックアップRAM及び入出力回路等の周知の構成を備えたものである。ROMは各種制御に係る制御プログラムを予め記憶している。制御装置(そのCPU)6は、これらの制御プログラムに従って各種制御を実行する。制御装置6は、音速ノズル1からのガス流量が所定の目標値となるように、音速ノズル1の上流側に供給されるガス圧力を、音速ノズル1の目づまり状態に基づいて補正するための機能を有するものである。制御装置6は、コントローラ5と共に本発明の圧力補正手段を構成する。キーボード7は、音速ノズル1のガス流量に係る流量設定値(目標値)を任意に入力したり、その設定流量を補正するための補正値を任意に入力したりするために作業者に操作されるものである。ディスプレイ装置8は、流量コントローラの運転状態に係るデータ、即ち流量設定値及び補正値等に係るデータを表示するためのものである。
【0036】
この実施の形態では、上記圧力補正のための機能として、自動補正機能と人為補正機能とを兼ね備える。
即ち、自動補正機能は、制御装置6及びコントローラ5によって発揮されるものである。コントローラ5の流量変化チェックシステムは、判定される音速ノズル1の目づまり状態に基づいてガス流量の誤差を算出する。同システムは、更に、その誤差を補正するための目づまり補正値を算出し、その算出結果を目づまり補正値信号として制御装置5へ出力する。制御装置5は、予め設定された流量設定値を、入力された目づまり補正値により補正することにより、補正後の流量設定値を決定し、流量設定値信号としてコントローラ5へ出力する。コントローラ5の圧力制御システムは、流量コントローラを通常の動作で使用する時に、音速ノズル1からのガス流量を補正するために、上記補正後の流量設定値に基づいてバルブ2の開度を制御することにより、同ノズル1の上流側に供給されるガス圧力の調整を自動的に補正する。この実施の形態において、コントローラ5及び制御装置6は、本発明の自動補正手段を構成する。
【0037】
一方、人為補正機能は、コントローラ5及び制御装置6に加え、キーボード7及びディスプレイ装置8によって発揮される。ここで、コントローラ5の流量変化チェックシステムは、判定される音速ノズル1の目づまり状態に基づいてガス流量の誤差(これに相当する要素を含む。)を算出する。同システムは、その誤差を補正するための目づまり補正値を算出し、その算出結果を目づまり補正値信号として制御装置6へ出力する。制御装置6は、その目づまり補正値をガス流量の誤差としてディスプレイ装置8に表示させる。作業者は、ディスプレイ装置8に表示される目づまり補正値(これに相当する値を含む。)に基づいてバルブ2によるガス圧力の調整を人為により補正するために、キーボード7を任意に操作する。即ち、予め設定された流量設定値に対して必要な補正値をキーボード7で入力することにより、補正後の流量設定値を任意決定して流量設定値信号としてコントローラ5へ出力するのである。コントローラ5の圧力制御システムは、流量コントローラの通常使用時において、音速ノズル1からのガス流量を補正するために、上記補正後の流量設定値に基づいてバルブ2の開度を制御する。このようにして、音速ノズル1の上流側に供給されるガス圧力の調整を作業者が人為補正するのである。この実施の形態において、コントローラ5は、本発明の誤差算出手段に相当し、ディスプレイ装置8は、本発明の表示手段に相当する。更に、キーボード7及び制御装置6は、本発明の人為補正手段を構成する。
【0038】
上記各種機能に加え、この実施の形態の流量コントローラは、音速ノズル1の目づまりが異常である場合に、そのことを報知するための機能を有する。
即ち、アラームランプ9は、音速ノズル1の目づまり状態が異常である場合に、そのことを作業者に報知するために動作するものである。制御装置6は必要に応じてアラームランプ9を動作させる。コントローラ5は目づまり状態を反映した目づまり補正値を所定の限界値と比較し、目づまり補正値がその限界値を超えた許容範囲外のものと判断したときに、音速ノズル1の目づまりが異常であるものとしてアラーム信号を制御装置6へ出力する。制御装置6は、そのアラーム信号を受けて異常を報知するためにアラームランプ9等を動作させる。この実施の形態では、コントローラ5、制御装置6及びアラームランプ9が、本発明の異常報知手段を構成する。
【0039】
次に、上記各種機能に対応した制御プログラムの内容を詳しく説明する。図3は音速ノズル1の目づまりの測定と、その目づまり補正値の算出を行うためのプログラムの内容を示すフローチャートである。コントローラ5は、このプログラムのルーチンを、半導体製造装置の起動時に初期動作の一つとして、所定の期間だけ周期的に実行する。作業者は、キーボード7により「流量チェックモード」を設定入力することにより、このプログラムの実行を任意に選択することができるものとする。
【0040】
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ100において、コントローラ5は流量チェックモードが設定されているか否かを判断する。流量チェックモードでない場合、コントローラ5は、そのまま処理を終了する。流量チェックモードである場合、コントローラ5は、ステップ110において、音速ノズル1の上流側に供給されるガス流を一旦遮断するために、バルブ2を全閉に制御する。
【0041】
ステップ120において、コントローラ5は、ガス流が遮断されたときに圧力センサ3により測定される圧力降下信号に基づき、所定時間だけ圧力降下波形を測定する。図4はその圧力降下波形に対応する音速ノズルの圧力降下曲線を示す。このグラフからも分かるように、ガス流が遮断された後、圧力は経時的に徐々に降下する。このグラフにおいて、Q1は、音速ノズル1に目づまりがない正常な場合の圧力降下曲線を示す。Q2は、音速ノズル1に目づまりがある場合の圧力降下曲線を示す。両曲線Q1,Q2の比較からも明らかなように、音速ノズル1に目づまりがある場合には、ノズル1から圧力が抜け難くなることから、圧力降下の様子が若干緩やかになることが分かる。コントローラ5は、本ステップ120において、上記のような圧力降下波形を測定するのである。
【0042】
ステップ130において、コントローラ5は、音速ノズル1の上流側に供給されるガス流の遮断を解除するために、バルブ2を開放に制御する。
【0043】
ステップ140において、コントローラ5は、上記測定された圧力降下波形から、音速ノズル1の細孔の有効断面積を算出し、メモリに一旦記憶する。この有効断面積の大きさは、ノズル1の目づまりを反映したものであり、ノズル1に目づまりがある場合には、その有効断面積も当然に相対的に小さくなる。従って、この有効断面積を算出することは、ノズル1の目づまりを測定することにもなる。
この有効断面積を算出する方法として、例えば、図4に示すように、圧力が所定値P1(例えば「3.0 kgf/cm2」)から別の所定値P2(例えば「2.0 kgf/cm2」)に降下するのに要する時間t1,t2を有効断面積に相当する値として測定するものがある。この値の測定を、音速ノズル1に目づまりがない状態のときに予め行い、その測定結果を初期値としてメモリに格納しておく。そして、その後の測定値を初期値と比較することにより、流量の変化率、つまりは、ノズル1の目づまりの程度を算出することができる。
有効断面積を算出するその他の方法として、上記のように圧力降下に要する時間を測定するのに対して、ある時点から一定時間が経過するまでに降下した圧力降下値を測定する方法、或いは、圧力降下の理論式に最小二乗方等により相関させて行う方法が考えられる。
加えて、温度センサ4からの温度信号に基づいて有効断面積の算出を補正することにより、温度により変わりうるガス圧力の違いを有効断面積の算出に反映させることもできる。
【0044】
ステップ150において、コントローラ5は、ステップ110〜140の処理を3回繰り返すのを待って、処理をステップ160へ移行する。即ち、1回の測定だけでは測定精度が不十分であることを考慮して3回繰り返すこととしたものである。この実施の形態では、上記の繰り返し回数を3回としたが、この回数は3回に限られるものではなく、3回より多くても、3回より少なくてもよい。1回で十分な精度が得られる場合には、1回のみ行うものとすることもできる。
【0045】
ステップ160において、コントローラ5は、上記のように算出された有効断面積に係る複数(3つ)の値から、ノズル1の目づまり補正値を算出する。この補正値の算出方法として、例えば、有効断面積に係る算出値に基づきノズル1の目づまりの程度を評価し、その評価された目づまりの程度に応じてガス流量の減少を補うことのできる目づまり補正値を算出する方法がある。
【0046】
ステップ170において、コントローラ5は、上記算出された目づまり補正値がその限界値よりも大きいか否かを判断する。ここで、限界値とは、ノズル1の目づまりを補正できる許容限界を意味する。補正値が限界値よりも大きくない場合、コントローラ5は、処理をそのままステップ190へ移行し、算出された目づまり補正値を制御装置6へ出力し、その後の処理を一旦終了する。補正値が限界値よりも大きい場合、コントローラ5は、ステップ180において、ノズル1の目づまりが異常であることを示すアラーム信号を制御装置6へ出力する。次いで、ステップ190において、コントローラ5は、算出された目づまり補正値を制御装置6へ出力し、その後の処理を一旦する。
【0047】
上記のように、コントローラ5は、目づまりの測定と、目づまり補正値の算出とを実行する。
【0048】
次に、上記目づまり補正値等を受けて制御装置6が実行する制御内容を詳しく説明する。図5は流量設定値の補正等を行うためのプログラムの内容を示すフローチャートである。制御装置6は、コントローラ5と同じく、半導体製造装置の起動時に、所定の期間だけ実行する。
【0049】
ステップ200において、制御装置6は、コントローラ5からのアラーム信号が有るか否かを判断する。アラーム信号が有った場合、制御装置6は、ステップ210において、音速ノズル1に目づまり異常があるものとして、そのことをディスプレイ装置8に表示させる。次いで、ステップ215において、制御装置6は、ノズル1の異常を作業者に報知するために、アラームランプ9を点滅させ、その後の処理を一旦終了する。
【0050】
ステップ200でアラーム信号が無かった場合、制御装置6は、ステップ220において、自動補正モードであるか否かを判断する。ここで、「自動補正モード」とは、制御装置6が流量設定値を自動的に補正するためのモードであり、作業者が任意に流量設定値を人為で補正するための「人為補正モード」とは異なるものである。この実施の形態では、作業者が、キーボード7を使用して、予め自動補正モード又は人為補正モードを任意に選択可能になっている。従って、自動補正モードであるか否かは、作業者の選択によって決定される。
【0051】
ここで、作業者の設定が自動補正モードである場合、制御装置6はステップ230において、予め作業者により入力された流量設定値を読み込む。この値は、音速ノズル1から流出するガス流量として、作業者が要求する目標値であり、キーボード7により予め制御装置6に入力されたものである。
【0052】
ステップ231において、制御装置6は、コントローラ5から送られた目づまり補正値を読み込む。
【0053】
ステップ232において、制御装置6は、その目づまり補正値に基づいて流量設定値を補正し、補正後の流量設定値を算出する。
【0054】
ステップ233において、制御装置6は、算出された補正後の流量設定値をコントローラ5へ出力し、その後の処理を一旦終了する。
【0055】
一方、ステップ220において、自動補正モードの設定ではなく、人為補正モードの設定である場合、制御装置6は、ステップ240において、目づまり補正値をディスプレイ装置8に表示させる。作業者はこれを視認することにより、音速ノズル1の目詰まりの程度を知ることができる。経験を積んだ作業者であれば、その目づまりの程度とその他の作業条件から、自身の経験・ノウハウに基づき、流量設定値の補正に必要な補正値を任意に選択することができる。
【0056】
そこで、ステップ241において、制御装置6は、作業者によりキーボード7で入力される補正値等に基づいて流量設定値の補正のための計算を行う。
【0057】
そして、ステップ242において、制御装置6は、作業者によりキーボード7で入力される指令に基づいて、補正後の流量設定値をコントローラ5へ出力し、その後の処理を一旦終了する。上記のように、制御装置6は流量設定値の補正等を実行する。
【0058】
次に、上記補正後の流量設定値を受けてコントローラ5が実行する制御内容を詳しく説明する。図6はコントローラ5が通常の流量制御を行うためのプログラムの内容を示すフローチャートである。コントローラ5は、半導体製造装置の起動完了後に、このルーチンを周期的に実行する。作業者は、キーボード7により「通常モード」を設定入力することにより、このプログラムの実行を任意に選択することができるものとする。
【0059】
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ300において、コントローラ5は通常モードが設定されているか否かを判断する。通常モードでない場合、コントローラ5は、そのまま処理を終了する。通常モードである場合、コントローラ5は、ステップ310において、流量設定値をメモリから読み込む。この流量設定値は、流量チェックモードにおいて補正により得られたものであり、制御装置6から送られてメモリに一旦格納されたものである。
【0060】
ステップ320において、コントローラ5は、読み込まれた補正後の流量設定値に応じた圧力設定値を算出する。コントローラ5は、この算出を、流量設定値と圧力設定値をパラメータとして予め設定された関数データに基づいて行う。
【0061】
ステップ330において、コントローラ5は、圧力センサ3からの圧力信号を読み込む。そして、ステップ340において、コントローラ5は、測定された圧力信号値が、算出された圧力設定値となるように圧力設定信号をバルブ2へ出力することにより、バルブ2の開度を制御し、その後の処理を一旦終了する。このバルブ2の開度制御により、音速ノズル1の上流側に供給されるガス圧力が調整され、同ノズル1の下流側へ流出するガス流量が補正後の設定流量値に制御される。このように通常モードの流量制御が実行される。
【0062】
以上説明したように、この実施の形態の流量コントローラによれば、通常の流量制御を行う通常モードが設定されたときは、コントローラ5がバルブ2の開度を制御する。これにより、音速ノズル1の上流側に供給されるガス圧力が所定の圧力設定値に調整され、同ノズル1の下流側に流出するガス流量が目標の流量設定値に制御される。
【0063】
ここで、音速ノズル1に目づまりがなければ、同ノズル1からのガス流量は、同ノズル1の上流側に供給されるガス圧力の設定値に応じた流量設定値となるように適正に制御されることになる。しかし、音速ノズル1に目づまりがあると、同ノズル1からのガス流量が同ノズル1の上流側に供給されるガス圧力に応じた目標の流量設定値に制御されなくなり、ガス流量に誤差が生じることになる。
そこで、通常モードの設定に先立って流量変化チェックモードを設定することにより、音速ノズル1の目づまりを検出するために、コントローラ5がバルブ2と音速ズル1との間のガス流を遮断させる。このときバルブ2と音速ノズル1との間に残留するガス圧力は、そのガスが音速ノズル1から徐々に抜けることにより、経時的に降下することになる。
従って、このときにバルブ2と音速ノズル1との間のガス圧力の降下を圧力センサ3により測定し、その測定される圧力降下波形に基づいて、コントローラ5が音速ノズル1の目づまり程度を判定する。これにより、流量コントローラの信頼性を上げるために、その外部にマスフローメータや流量モニタリングシステム等の特別な流量検定手段を別途に設けることなく、音速ノズル1の目づまり状態が判定される。特に、音速ノズル1の目づまり程度を判定するのに、圧力降下波形をガス温度に応じて補正することにより、更に正確な判定を行うことができるようになる。このため、音速ノズル1を用いた流量コントローラにおいて、比較的簡単な構成で音速ノズル1の目づまりを検出することができる。この意味で、半導体製造装置の全体構成が複雑化したり、そのメンテナンス性が悪化したり、装置がコストアップしたりすることがない。
【0064】
この実施の形態の流量コントローラによれば、上記のように音速ノズル1につき検出される目づまり状態に基づいて、バルブ2によるガス圧力の調整が補正され、音速ノズル1の下流側へ流出するガス流量が補正される。このため、音速ノズル1に多少の目づまりが生じても、その目づまりの状態に応じて、ガス流量を適正に制御することができる。
【0065】
特に、この実施の形態の流量コントローラでは、ガス流量を自動補正するための自動補正モードのための構成と、人為補正するための人為補正モードのための構成とを備える。
【0066】
ここで、自動補正モードにおいては、上記検出される目づまり状態に基づき、コントローラ5によりガス流量の誤差に相当する目づまり補正値が算出される。そして、算出される目づまり補正値に基づき、制御装置6により流量設定値が補正される。更に、その補正後の流量設定値に基づき、コントローラ5によりバルブ2の開度が制御されて、音速ノズル1に供給されるガス圧力の調整が補正され、同ノズル1からのガス流量の誤差が自動的に補正される。このため、音速ノズル1に多少の目づまりが生じても、その目づまりの状態に応じて、ガス流量を適正に自動的に制御することができる。
【0067】
一方、人為補正モードにおいては、上記検出される目づまり状態に基づいき、コントローラ5によりガス流量の誤差に相当する目づまり補正値が算出される。更に、算出される目づまり補正値がディスプレイ装置8に表示される。そして、表示される目づまり補正値に基づいて作業者がキーボード7を操作することにより、制御装置6により流量設定値の補正演算を任意に行わせる。そして、その補正後の流量設定値に基づいてコントローラ5にガス圧力の調整を人為補正することにより、音速ノズル1からのガス流量の誤差が、作業者の経験を反映して適宜に補正される。このため、音速ノズル1に多少の目づまりが生じても、その目づまりの状態に応じて、ガス流量を人為的に適正に制御することができる。
【0068】
この実施の形態の流量コントローラによれば、検出される目づまり状態が所定の限界値を超えるほどに音速ノズル1が異常であるとコントローラ5が判断したとき、その異常がディスプレイ装置8に表示され、アラームランプ9の点滅により作業者に報知される。従って、作業者はこの報知を受けて音速ノズル1の異常を認識し、その異常なノズル1を正常なものと交換する等の処置をとることができる。この際、交換後の音速ノズル1の流量特性につき、上記流量チェックモードにより検定及び補正を行い、交換後の音速ノズル1の流量特性値を、交換前のそれに合わせ込むことにより、ノズル1の交換の前後で流量特性の再現性を確保することができる。この意味で、流量コントローラの信頼性を更に高めることができる。しかも、上記再現性の確保を、外部の流量検定手段を何ら用いることなく、比較的簡単に行うことができるようになる。
【0069】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の流量コントローラを具体化した第2の実施の形態を図面に従って説明する。尚、この実施の形態を含む以下の各実施の形態においては、第1の実施の形態に係る流量コントローラの構成と同じ部材等については同一符号を付して説明を省略し、他と異なる点を中心に説明するものとする。
【0070】
図7に本実施の形態に係る音速ノズル式の流量コントローラの概略構成図を示す。第1の実施の形態では、ガス圧力を制御する機能と、ガス流を遮断する機能とを一つのバルブ2に兼用させたのを、この実施の形態では、二つの部材に機能分担させた点で異なる。即ち、前者の機能を電子レギュレータ10に分担させ、後者の機能を、電子レギュレータ10と音速ノズル1との間に設けられたバルブ2に分担させる。更に、上記の機能分担に合わせて、コントローラ5の中の流量変化チェックシステムと、圧力制御システムとを個別に設けている。
【0071】
従って、この実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0072】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の流量コントローラを具体化した第3の実施の形態を図面に従って説明する。
【0073】
図8に本実施の形態に係る音速ノズル式の流量コントローラの概略構成図を示す。第2の実施の形態では、通常の圧力を測定する機能と、流量チェックモードにおいて降下圧力を測定する機能とを一つの圧力センサ3に兼用させたのを、この実施形態では、二つの圧力センサに機能分担させた点で異なる。即ち、前者の機能をレギュレータ10とバルブ2との間に配置された新たな圧力センサ11に分担させ、後者の機能を、バルブ2と音速ノズル1との間に設けられた圧力センサ3に分担させる。
【0074】
従って、この実施の形態においても、前記第1及び第2の実施の形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0075】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の流量コントローラを具体化した第4の実施の形態を図面に従って説明する。
【0076】
図9に本実施の形態に係る可変ノズル式の流量コントローラの概略構成図を示す。前記第1の実施の形態では、音速ノズル1を使用し、同ノズル1に供給されるガス圧力を補正することにより、同ノズル1からのガス流量を補正するようにした。これに対し、この実施の形態では、音速ノズル1に代わって可変ノズル12を使用し、同ノズル12からのガス流量を補正するために、同ノズル12の開度を補正するようにした点で異なる。更に、可変ノズル12にしたことに合わせて、コントローラ5に、ノズル開度制御システムを追加して設けている。
【0077】
ここで、第1の実施の形態の流量コントローラでは、開度が固定された音速ノズル1に目づまりが発生すると、同ノズル1の有効断面積が目づまり程度を示す値として算出される。そして、その目づまり程度の分だけ同ノズル1に供給されるガス圧力の設定値を補正して、初期のガス流量を維持するようにしていた。
これに対し、本実施の形態の流量コントローラでは、開度を変更可能にした可変ノズル12に目づまりが発生すると、同ノズル12の有効断面積が目づまり程度を示す値として算出される。そして、その目づまり程度の分だけ、同ノズル12自体の開度を増大させることにより、結果的にそのノズル12に供給されるガス圧力の設定値を補正し、所望のガス流量を維持するようにしている。
この可変ノズル式の流量コントローラでは、一定のノズル開度における初期流量とノズル有効断面積等の特性値とを、製品出荷段階で予め校正しておく。そして、その後の流量検定で、ノズル12に目づまりが検出されたとき、計算から求められる所定の開度まで可変ノズル12を開けて初期の特性値が得られるように補正する。その処理後に、再び流量検定を行い、初期の特性値からのズレがあれば、上記と同様にして特性値を初期の値に補正する。これを適宜に繰り返すことにより、流量コントローラの特性値を、出荷段階の状態に合わせ込み、その調整が完了した後に、通常の流量制御のために使用するのである。
ここで、可変ノズル12としては開度可変なバルブが想定される。そのバルブとしては、止め弁、ボールバルブ及びニードルバルブ等の流量調節できるバルブであれば種類は問わない。そのアクチュエータとしては、電磁ソレノイド、ピエゾアクチュエータ及びびモータ等、電気的に弁体の変移を調整できるものであればよい。
【0078】
この実施の形態で、コントローラ5は、温度チェックシステム、圧力制御システム及び流量変化チェックシステムに加えて「ノズル開度制御システム」を含む。このシステムは、可変ノズル12の開度を制御するために、同ノズル12へ開度設定信号を出力することにより、ノズル12の開度を連続的変化をもって制御するものである。このシステムは、可変ノズル12等との間の入出力回路、CPU及び各種メモリ等よりなるハード構成と、ノズル12を制御するためのROMに格納された制御プログラムとを含むものである。このシステムは、可変ノズル12の下流側へ流出するガス流量が所定の設定流量(目標値)となるように、流量変化チェックシステムにより判定される同ノズル12の目づまり状態に基づいて、可変ノズル12の開度を補正するものである。この実施の形態において、コントローラ5及び制御装置6は、本発明の開度補正手段を構成する。
【0079】
この実施の形態では、上記開度補正のための機能として、自動補正機能と人為補正機能とを兼ね備える。
即ち、自動補正機能は、コントローラ5により発揮されるものである。コントローラ5の流量変化チェックシステムは、判定される可変ノズル12の目づまり状態を所定の基準値と比較することにより、可変ノズル12の開度を自動補正する。これにより、同ノズル12の下流側に流出するガス流量が自動的に補正される。この実施の形態において、コントローラ56は、本発明の自動補正手段を構成する。
【0080】
一方、人為補正機能は、コントローラ5及び制御装置6に加え、キーボード7及びディスプレイ装置8によって発揮される。ここで、コントローラ5の流量変化チェックシステムは、判定される可変ノズル12の目づまり状態及びそれと比較されるべき所定の基準値を信号として制御装置6へ出力する。制御装置6は、その目づまり状態及び所定の基準値をそれぞれディスプレイ装置8に表示させる。作業者は、ディスプレイ装置8に表示される目づまり状態及び所定の基準値に基づいて可変ノズル12の開度を人為的に補正するために、キーボード7を任意に操作する。即ち、予め設定された開度設定値に対して必要な補正値をキーボード7で入力することにより、補正後の開度設定値を任意に決定して開度設定値信号としてコントローラ5へ出力するのである。コントローラ5のノズル開度制御システムは、可変ノズル12からのガス流量を補正するために、上記補正後の開度設定値に基づいてノズル12の開度を制御する。このようにして、可変ノズル12の上流側に供給されるガス圧力の調整を作業者が人為的に補正するのである。この実施の形態において、ディスプレイ装置8は、本発明の表示手段に相当する。更に、キーボード7及び制御装置6は、本発明の人為補正手段を構成する。
【0081】
上記各種機能に加え、この実施の形態の流量コントローラは、可変ノズル12の目づまりが異常である場合に、そのことを報知するための機能を有する。この実施の形態では、コントローラ5、制御装置6及びアラームランプ9が、本発明の異常報知手段を構成する。
【0082】
次に、上記各種機能に対応した制御プログラムの内容を詳しく説明する。図10は可変ノズル12の目づまりの測定と、同ノズル12の開度設定値等を行うためのプログラムの内容を示すフローチャートである。コントローラ5は、このプログラムのルーチンを、半導体製造装置の起動時に初期動作の一つとして、所定の期間だけ周期的に実行する。作業者は、キーボード7により「流量チェックモード」を設定入力することにより、このプログラムの実行を任意に選択することができるものとする。
【0083】
処理がこのルーチンへ移行すると、コントローラ5は、ステップ400から処理を開始する。ここでは、ステップ400〜ステップ450の処理内容は、前記第1の実施の形態における図3に示すステップ100〜ステップ150の処理内容と同じであることから、その説明を省略する。
【0084】
そして、ステップ450から移行してテップ460において、コントローラ5は、算出されたノズル有効断面積の値が、メモリに記憶された前回又は初期のノズル有効断面積の値(検定基準値)よりも小さいか否か、即ち、可変ノズル12が目づまり状態にあるか否かを判断する。ここで、可変ノズル12に目づまりが起きていると判断した場合、コントローラ5は処理をテップ465へ移行する。
【0085】
ステップ465において、コントローラ5は算出されたノズル有効断面積の値とその初期値とに基づき、可変ノズル12の開度設定値を算出する。コントローラ5は、初期の開度設定値を所定値だけ増大させる補正を行うことにより、この開度設定値の算出を行う。
【0086】
ステップ466において、コントローラ5は、可変ノズル12の開度を前回よりも所定量だけ大きくするために、算出された開度設定値を可変ノズル12へ出力する。その後、コントローラ5は、処理をステップ410へ戻し、同ステップ410からの処理を繰り返す。そして、ステップ460において、可変ノズル12が目づまり状態にないと判断した場合、コントローラ5は処理をステップ469へ移行する。ステップ469において、コントローラ5は、今回算出された開度設定値を補正後の開度設定値としてメモリに記憶させる。
【0087】
その後、ステップ470において、コントローラ5は、上記補正後の開度設定値がその限界値よりも大きいか否かを判断する。ここで、限界値とは、ノズル1の目づまりを補正することのできる許容限界を意味する。補正後の開度設定値が限界値よりも大きくない場合、コントローラ5は、処理をそのままステップ490へ移行し、補正後の開度設定値を制御装置6へ出力し、その後の処理を一旦終了する。補正後の開度設定値が限界値よりも大きい場合、コントローラ5は、ステップ480において、可変ノズル12の目づまりが異常であることを示すアラーム信号を制御装置6へ出力する。次いで、ステップ490において、コントローラ5は、上記算出されたノズル有効断面積の値及び初期のノズル有効断面積の値をそれぞれ制御装置6へ出力し、その後の処理を一旦する。
【0088】
上記のように、コントローラ5は、目づまりの測定及び開度設定値の算出等を実行する。
【0089】
次に、上記ノズル有効断面積値等を受けて制御装置6が実行する制御内容を詳しく説明する。図11は開度設定値の補正等を行うためのプログラムの内容を示すフローチャートである。制御装置6は、コントローラ5と同じく、半導体製造装置の起動時に、所定の期間だけ実行する。
【0090】
ステップ500において、制御装置6は、コントローラ5からのアラーム信号が有るか否かを判断する。アラーム信号が有った場合、制御装置6は、ステップ510において、可変ノズル12に目づまり異常があるものとして、そのことをディスプレイ装置8に表示させる。次いで、ステップ515において、制御装置6は、ノズル12の異常を作業者に報知するために、アラームランプ9を点滅させ、その後の処理を一旦終了する。
【0091】
ステップ500でアラーム信号が無かった場合、制御装置6は、ステップ520において、人為補正モードであるか否かを判断する。この実施の形態でも、作業者が、キーボード7を使用して、予め人為補正モード又は自動補正モードを任意に選択するようになっている。
【0092】
ここで、作業者の設定が自動補正モードである場合、制御装置6はステップ530において、作業者により入力された流量設定値を読み込む。この値は、可変ノズル1から流出するガス流量として、作業者が要求する目標値であり、キーボード7により予め制御装置6に入力されたものである。
【0093】
ステップ535において、制御装置6は、読み込まれた流量設定値をコントローラ5へ出力し、その後の処理を一旦終了する。
【0094】
一方、ステップ520において、自動補正モードの設定ではなく、人為補正モードの設定である場合、制御装置6は、ステップ540において、コントローラ5から出力されたノズル有効断面積値及び初期のノズル有効断面積値をディスプレイ装置8に表示させる。作業者はこれらの値を視認することにより、可変ノズル1の目づまりの程度を知ることができる。経験を積んだ作業者であれば、その目づまりの程度とその他の作業条件から、自身の経験・ノウハウに基づき、可変ノズル12の開度設定値の補正に必要な補正値を任意に選択することができる。
【0095】
そこで、ステップ541において、制御装置6は、作業者によりキーボード7で入力される補正値等に基づいて開度設定値の補正のための計算を行う。
【0096】
そして、ステップ542において、制御装置6は、作業者によりキーボード7で入力される指令に基づいて、補正後の開度設定値をコントローラ5へ出力し、その後の処理を一旦終了する。上記のように、制御装置6は開度設定値の補正等を実行する。
【0097】
次に、上記補正後の開度設定値等を受けてコントローラ5が実行する制御内容を詳しく説明する。図12はコントローラ5が通常の流量制御を行うためのプログラムの内容を示すフローチャートである。コントローラ5は、半導体製造装置の起動完了後に、このルーチンを周期的に実行する。作業者は、キーボード7により「通常モード」を設定入力することにより、このプログラムの実行を任意に選択することができる。
【0098】
処理がこのルーチンへ移行すると、ステップ600において、コントローラ5は通常モードが設定されているか否かを判断する。通常モードでない場合、コントローラ5は、そのまま処理を終了する。通常モードである場合、コントローラ5は、ステップ610において、流量設定値及び開度設定値をメモリから読み込む。ここで、流量設定値は、前述したように作業者により任意に入力され、メモリに一旦格納されたものである。開度設定値は、流量チェックモードにおいて自動補正又は人為補正により得られたものであり、メモリに一旦格納されたものである。
【0099】
ステップ615において、コントローラ5は、補正後の開度設定値に係る開度設定信号を可変ノズル12へ出力することにより、同ノズル12の開度を制御する。
【0100】
その後、コントローラ5は、ステップ620〜ステップ640の処理を実行する。ここでは、ステップ620〜ステップ640における処理内容が、第1の実施の形態の図6のフローチャートに示すステップ320〜ステップ340の処理内容と同じであることから、説明を省略する。
【0101】
上記のようなバルブ2の開度制御と、可変ノズル12の開度制御により、可変ノズル12の上流側に供給されるガス圧力が調整され、同ノズル12の下流側へ流出するガス流量が初期の設定流量値に制御される。このように通常モードの流量制御が実行される。
【0102】
以上説明したように、この実施の形態の流量コントローラによれば、通常の流量制御を行う通常モードが設定されたときは、コントローラ5がバルブ2及び可変ノズル12の開度を制御する。これにより、可変ノズル12の下流側に流出するガス流量が目標の流量設定値に制御される。
【0103】
ここで、可変ノズル12に目づまりがあると、同ノズル12からのガス流量が同ノズル12の上流側に供給されるガス圧力に応じた目標の流量設定値に制御されなくなり、ガス流量に誤差が生じることになる。
【0104】
そこで、この実施の形態においても、通常モードの設定に先立って流量変化チェックモードを設定することにより、可変ノズル12の目づまりを検出するために、コントローラ5がバルブ2と可変ノズル12との間のガス流を遮断させる。このとき、バルブ2と可変ノズル12との間で圧力センサ3により測定される圧力降下波形に基づいて、コントローラ5が可変ノズル1の目づまり程度を判定する。これにより、外部に特別な流量検定手段を別途に設けることなく、可変ノズル12の目づまり状態が判定される。その圧力降下波形をガス温度に応じて補正すれば、更に正確な判定を行うことができるようになる。このため、可変ノズル12を用いた流量コントローラにおいて、比較的簡単な構成で可変ノズル12の目づまりを検出することができる。この意味で、半導体製造装置の全体構成が複雑化したり、そのメンテナンス性が悪化したり、装置がコストアップしたりすることがない。
【0105】
この実施の形態の流量コントローラによれば、上記のように可変ノズル12について検出(算出)されるノズル有効断面積値に基づき、同ノズル12の開度を制御することにより、同ノズル12の開度が適正値に補正され、同ノズル12の下流側へ流出するガス流量が補正される。このため、可変ノズル12に多少の目づまりが生じても、その目づまりの状態に応じて、ガス流量を適正に制御することができる。
【0106】
この実施の形態において、自動補正モードでは、コントローラ5により、上記検出(算出)されるノズル有効断面積値が所定の検定基準値と比較されることにより、可変ノズル12の開度が補正される。更に、その補正の繰り返し動作により、適正なノズル有効断面積の確認が行われる。このため、可変ノズル12に多少の目づまりが生じても、その目づまりの状態に応じて、ガス流量を適正に自動的に制御することができる。
【0107】
この実施の形態において、人為補正モードでは、上記検出(算出)されるノズル有効断面積値及びそれに比較されるべき検定基準値等がディスプレイ装置8に表示される。そして、その表示されるノズル有効断面積値及び検定基準値に基づいて作業者がキーボード7を操作することにより、制御装置6により開度設定値の補正演算を任意に行わせる。そして、その補正後の開度設定値に基づいて可変ノズル12の開度を補正することにより、可変ノズル12からのガス流量の誤差が、作業者の経験を反映して適宜に補正される。このため、可変ノズル12に多少の目づまりが生じても、その目づまりの状態に応じて、ガス流量を人為的に適正に制御することができる。
【0108】
この実施の形態においても、補正後の開度設定値が所定の限界値を超えるほどに可変ノズル12が異常であるとコントローラ5が判断したとき、その異常がディスプレイ装置8に表示され、アラームランプ9の点滅により作業者に報知される。
従って、作業者はこの報知を受けて可変ノズル12の異常を認識し、その異常なノズル12を正常なものと交換する等の処置をとることができる。この際、第1の実施の形態と同様、流量チェックモードにより、交換後の可変ノズル12の流量特性値を交換前のそれに合わせ込むことができ、同ノズル12の交換の前後で流量特性の再現性を確保することができる。この意味で、流量コントローラの信頼性を更に高めることができ、上記再現性の確保を、外部の流量検定手段を用いることなく、比較的簡単に行うことができるようになる。
【0109】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の流量コントローラを具体化した第5の実施の形態を図面に従って説明する。
【0110】
図13に本実施の形態に係るオリフィス式の流量コントローラの概略構成図を示す。第1の実施の形態では、前述した「音速領域」に適した音速ノズル1を使用した。これに対し、本実施の形態では、音速ノズル1に代わり、ノズルの一種でもあり、「亜音速領域」に適したオリフィス13を使用し、そのオリフィス13の下流側に設けられた別の圧力センサ14に2次側(下流側)の圧力測定を行わせる。そして、コントローラ5の中の圧力制御システムに、圧力センサ3からの圧力信号及び別の圧力センサ14からの2次側圧力信号に基づいて、通常モードにおける流量制御を行わせる。
【0111】
従って、この実施の形態でも、前記第1の実施の形態と同様の作用及び効果を得ることができる。そして、通常モードにおいては、「亜音速領域」を使用してガス流量を好適に制御することができる。
【0112】
[第6の実施の形態]
次に、本発明の流量コントローラを具体化した第6の実施の形態を図面に従って説明する。
【0113】
図14に本実施の形態に係る音速ノズル式の流量コントローラを半導体製造装置に適用した概略構成図を示す。この構成では、チャンバ15に対して複数のプロセスガスを供給するための複数のガスライン16,17,18に対応して二つの音速ノズル1と一つのマスフローコントローラ(MFC)19を設ける。各ガスライン16〜18の上流に、各プロセスガスの圧力を調整するための電子レギュレータ20をそれぞれ設ける。各音速ノズル1及びMFC19の上流側及び下流側に、開閉用バルブ21,22をそれぞれ設ける。各音速ノズル1及びMFC19の上流側に、パージガス(窒素ガス)を供給するためのパージライン23を、対応する分岐ライン24を介して接続する。各分岐ライン24に、開閉用バルブ25をそれぞれ設ける。パージライン23の上流に、本発明の圧力調整手段及びガス流遮断手段を構成する一つのバルブ2と、本発明の圧力降下検出手段を構成する一つの圧力センサ3を設ける。バルブ2及び圧力センサ3に対応するコントローラ5及び制御装置6を設ける。コントローラ5及び制御装置6は、本発明の圧力制御手段、目づまり判定手段及び圧力補正手段を構成する。
【0114】
この実施の形態では、各電子レギュレータ20を閉じ、そのガスライン16〜18に対応して設けられた開閉用バルブ25を選択的に開くことにより、各音速ノズル1又はMFC19にパージガスを供給することができる。ここで、例えば、一つの音速ノズル1にパージガスを供給する状態から、バルブ2を一旦閉じてその音速ノズル2に供給されるパージガスの供給を遮断することにより、圧力センサ3により同ノズル1に供給されるガス圧力の降下を測定することができる。
そして、コントローラ5は、そのガス圧力の降下状態に基づき、音速ノズル1の目づまり状態を判定することができる。
【0115】
この実施の形態では、音速ノズル1とバルブ2との間にパージライン23を設けることから、目づまり状態の判定時に圧力降下に関わる配管容積が増え、圧力降下に要する時間が他の実施の形態のそれに比べて長くなる。この結果、圧力降下波形を、より正確に測定することができるようになる。
【0116】
この実施の形態では、音速ノズル1を使用した複数のガスライン16,17と、MFC19を設けたガスライン18の両方に対し、目づまり状態を判定するための一組の構成、即ちバルブ2、圧力センサ3、コントローラ5及び制御装置6を共用することができる。
【0117】
[第7の実施の形態]
次に、本発明の流量コントローラを具体化した第7の実施の形態を図面に従って説明する。
【0118】
図15に本実施の形態に係る音速ノズル式の流量コントローラを半導体製造装置に適用した概略構成図を示す。この構成では、前記第6の実施の形態とは異なり、チャンバ15に対して複数のプロセスガスを供給するための各ガスライン16〜18に対応して、コントロールユニット29がそれぞれ設けられる。各コントロールユニット29は、音速ノズル1と、本発明の圧力調整手段及びガス流遮断手段を構成するバルブ2と、本発明の圧力降下検出手段を構成する圧力センサ3と、本発明の圧力制御手段、目づまり判定手段及び圧力補正手段を構成するコントローラ5とを備える。各ガスライン16〜18の上流に、各プロセスガスの流量を調整するためのバルブ26をそれぞれ設ける。各コントロールユニット29の上流側における開閉用バルブ21を省略し、それら下流側にのみ開閉用バルブ22を設ける。各コントロールユニット29の上流側に、パージガス(窒素ガス)を供給するためのパージライン23を、対応する分岐ライン24を介して接続する。各分岐ライン24に、開閉用バルブ25をそれぞれ設ける。パージライン23の上流に、バルブ27及び電子レギュレータ20を設ける。
【0119】
この実施の形態では、各バルブ26を閉じ、それらガスライン16〜18に対応して設けられた開閉用バルブ25を選択的に開くと共に、パージライン23に設けられたバルブ27及びレギュレータ20を開くことにより、各コントロールユニット29に対してパージガスを供給することができる。ここで、パージガスが供給されるコントロールユニット29において、バルブ2を一旦閉じてその音速ノズル1に供給されるパージガスの供給を遮断することにより、圧力センサ3により同ノズル1に供給されるガス圧力の降下を測定することができる。そして、コントローラ5は、そのガス圧力の降下状態に基づき、音速ノズル1の目づまり状態を判定することができる。
【0120】
一方、パージライン23に関わる各バルブ25,27及びレギュレータ20を閉じ、個々のガスライン16〜18に対応して設けられた開閉用バルブ26を開くことにより、各コントロールユニット29に対してプロセスガスを供給することができる。ここで、プロセスガスが供給されるコントロールユニット29を上記と同様に動作させることにより、音速ノズル1の目づまり状態を判定することができる。
【0121】
この実施の形態の構成によれば、個々のコントロールユニット29において音速ノズル1における目づまりを自己補正できることから、MFC等のモニタリングシステムを設ける必要がないことは言うまでもない。
【0122】
この実施の形態では、従来とは異なり、図中の矢印Aで示される部分に設けられたバルブを省略することができるようになる。更には、前記第6の実施の形態とは異なり、パージガスを使用する場合及びプロセスガスを使用する場合のそれぞれの場合において、音速ノズル1の目づまり状態の判定を行うことができる。
【0123】
尚、この発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で以下のように実施することもできる。以下の各実施の形態においても、前記各実施の形態と同様の作用及び効果を得ることができる。
【0124】
(1)前記各実施の形態では、本発明を自動補正機能と人為補正機能を両方兼ね備えた流量コントローラに具体化したが、自動補正機能又は人為補正機能のいずれか一方を備えた流量コントローラに具体化することもできる。
【0125】
(2)前記各実施の形態では、音速ノズル1又は可変ノズル12が目づまり異常であることを報知するための構成を備えた流量コントローラに具体化したが、その報知のための構成を省略することもできる。
【0126】
(3)前記第4の実施の形態では、第1の実施の形態に係る音速ノズル式の流量コントローラに対する変形例のひとつとして、可変ノズル式の流量コントローラを構成した。これに対し、前記第2及び第3の実施の形態に係る音速ノズル式流量コントローラに対する変形例としての可変ノズル式の流量コントローラを構成することもできる。
【0127】
(4)前記第4の実施の形態では、可変ノズル12の下流側に流出するガス流量を補正するために、可変ノズル12の開度を補正するようにした。これに対して、可変ノズル12の下流側に流出するガス流量を補正するために、可変ノズル12の開度を補正すると共に、同ノズル12の上流側に供給されるガス圧をバルブ2により調整するようにしてもよい。
【0128】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、ノズルを用いた流量コントローラにおいて、ノズル上流側のガス圧力の降下を検出し、そのガス圧力の降下の状態に基づいて目づまりの判定を行うことにより、外部に流量検定手段を別途に設けることなく、ノズルの目づまり状態が判定される。このため、比較的簡単な構成でノズルの目づまりを検出することができるという効果を発揮する。
【0129】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1の発明の作用及び効果に加え、判定される目づまり状態に基づいてガス圧力の調整が補正され、ノズル下流側へ流出するガス流量が補正される。このため、ノズルに目づまりが生じても、その目づまり状態に応じて、ガス流量を適正に制御することができるという効果を発揮する。
【0130】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2の発明の構成において、判定される目づまり状態に基づいてガス流量の誤差が算出され、その算出される誤差に基づいてガス圧力の調整が補正されることにより、ガス流量の誤差が自動的に補正される。このため、ノズルに多少の目づまりが生じても、その目づまりの状態に応じて、ガス流量を適正に自動的に制御することができるという効果を発揮する。
【0131】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2の発明の構成において、判定される目づまり状態に基づいてガス流量の誤差が算出され、そのガス流量の誤差が表示される。その表示される誤差に基づいて作業者がガス圧力の調整を人為補正することにより、ガス流量の誤差が適宜に補正される。このため、ノズルに多少の目づまりが生じても、その目づまりの状態に応じて、ガス流量を適正に人為的に制御することができるという効果を発揮する。
【0132】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1の発明の作用に加え、判定される目づまり状態に基づいて可変ノズルの開度が補正され、可変ノズルの下流側へ流出するガス流量が、目づまりの状態に応じて目標値に補正される。このため、可変ノズルに目づまりが生じても、その目づまり状態に応じて、ガス流量を適正に制御することができるという効果を発揮する。
【0133】
請求項6に記載の発明によれば、請求項5の発明の構成において、判定される目づまり状態を所定の基準値と比較することにより、可変ノズルの開度が自動補正され、ガス流量の誤差が自動的に補正される。このため、可変ノズルに多少の目づまりが生じても、その目づまりの状態に応じて、ガス流量を適正に自動的に制御することができるという効果を発揮する。
【0134】
請求項7の発明の構成によれば、請求項5の発明の構成において、判定される目づまり状態及び所定の基準値が表示手段に表示される。その表示される目づまり状態及び所定の基準値に基づいて作業者が人為補正手段を操作して可変ノズルの開度を人為補正することにより、ガス流量の誤差が適宜に補正される。このため、可変ノズルに多少の目づまりが生じても、その目づまりの状態に応じて、ガス流量を適正に人為的に制御することができるという効果を発揮する。
【0135】
請求項8の発明の構成によれば、請求項1乃至請求項7の何れか一つの発明の作用及び効果に加え、判定される目づまり状態が所定の許容状態を超えてノズルが異常となったときに、そのことが報知される。従って、作業者はこの報知を受けてノズルの異常を認識し、ノズルを正常なものと交換することができるようになる。この意味で、流量コントローラの信頼性を更に高めることができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係り、流量コントローラを示す概略構成図である。
【図2】同じく、音速ノズルの圧力流量特性を示すグラフである。
【図3】同じく、音速ノズルの目づまりの測定等を行うためのフローチャートである。
【図4】同じく、音速ノズルの圧力降下曲線を示すグラフである。
【図5】同じく、流量設定値の補正等を行うためのフローチャートである。
【図6】同じく、通常の流量制御を行うためのフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態に係り、流量コントローラを示す概略構成図である。
【図8】第3の実施の形態に係り、流量コントローラを示す概略構成図である。
【図9】第4の実施の形態に係り、流量コントローラを示す概略構成図である。
【図10】同じく、可変ノズルの目づまりの測定等を行うためのフローチャートである。
【図11】同じく、流量設定値の補正等を行うためのフローチャートである。
【図12】同じく、通常の流量制御を行うためのフローチャートである。
【図13】第5の実施の形態に係り、流量コントローラを示す概略構成図である。
【図14】第6の実施の形態に係り、流量コントローラを適用した製造装置を示す概略構成図である。
【図15】第7の実施の形態に係り、流量コントローラを適用した製造装置を示す概略構成図である。
【図16】従来技術に係り、流量コントローラを示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 音速ノズル
2 バルブ(圧力調整手段、ガス流遮断手段)
3 圧力センサ(圧力降下検出手段)
5 コントローラ(圧力制御手段、目づまり判定手段、開度補正手段、誤差算出手段)
6 制御装置(5,6:圧力補正手段、自動補正手段及び人為補正手段)
7 キーボード(6,7:人為補正手段)
8 ディスプレイ装置(6,8:表示手段)
9 アラーム(5,6,9:異常報知手段)
10 電子レギュレータ(圧力調整手段)
11 圧力センサ(圧力降下検出手段)
12 可変ノズル
13 オリフィス(ノズル)
Claims (5)
- その上流側の圧力とその下流側の圧力との比が臨界圧力比以下である時に、その上流側に供給されるガス圧力に応じた流量のガスをその下流側へ流出させる音速ノズルと、
前記音速ノズルの上流側に供給されるガス圧力を調整するための圧力調整手段と、
前記音速ノズルの上流側に供給されるガス圧力を所定値に調整することにより前記音速ノズルの下流側へ流出するガス流量を目標値に制御するために、前記圧力調整手段を制御するための圧力制御手段と、
測定データを記憶するための記憶手段と
を備えた流量コントローラにおいて、
前記圧力調整手段と前記音速ノズルとの間のガス流を遮断するためのガス流遮断手段と、
前記ガス流遮断手段により前記圧力調整手段と前記音速ノズルとの間のガス流が遮断されたときに、前記ガス流遮断手段と前記音速ノズルとの間のガス圧力の降下を検出するための圧力降下検出手段と、
前記圧力降下検出手段により、前記音速ノズルの上流側の圧力と前記音速ノズルの下流側の圧力との比が前記臨界圧力比以下である時に測定されるガス圧力に基づき前記音速ノズルの有効断面積を計算する有効断面積算出手段と、
前記測定データが、予め前記有効断面積算出手段により計算され記憶された前記音速ノズルの初期有効断面積である前記記憶手段と、
前記検出されるガス圧力の降下の状態に基づいて、前記記憶手段に予め記憶される前記初期有効断面積と、前記圧力降下検出手段によって測定されたガス圧力に基づき算出された算出有効断面積とを比較し、該比較に基づき目づまり補正値を算出し、該目づまり補正値が規定された限界値以内であるかを判定することで、前記音速ノズルの目づまり状態を判定するための目づまり判定手段と、
前記音速ノズルの下流側へ流出するガス流量が前記目標値となるように、前記圧力調整手段によるガス圧力の調整を、前記判定される目づまり状態に基づいて補正するための圧力補正手段と、
を含むことを特徴とする流量コントローラ。 - 請求項1に記載の流量コントローラにおいて、
前記圧力補正手段は、
前記判定される目づまり状態に基づいてガス流量の誤差を算出し、その算出される誤差に基づいて前記圧力調整手段による前記ガス圧力の調整を自動補正するための自動補正手段を含むことを特徴とする流量コントローラ。 - 請求項1に記載の流量コントローラにおいて、
前記圧力補正手段は、
前記判定される目づまり状態に基づいてガス流量の誤差を算出するための誤差算出手段と、
前記算出されるガス流量の誤差を表示するための表示手段と、
前記表示されるガス流量の誤差に基づいて前記圧力調整手段による前記ガス圧力の調整を作業者が人為補正するための人為補正手段と
を含むことを特徴とする流量コントローラ。 - 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の流量コントローラにおいて、
前記圧力降下検出手段によって、前記ガス流遮断手段と前記音速ノズルとの間のガス圧力のガス圧降下波形を検出する検出過程と、
前記有効断面積算出手段によって、前記圧力降下検出手段により測定されるガス圧力に基づき前記音速ノズルの有効断面積を算出する有効断面積算出過程と、
を複数回繰り返し、有効断面積に係る複数の値から、前記音速ノズルの目づまりの程度を示す前記目づまり補正値を算出することを特徴とする流量コントローラ。 - 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の流量コントローラにおいて、
前記判定される目づまり状態が所定の許容状態を超えたときに、前記音速ノズルが異常であるものとしてその異常を報知するための異常報知手段を備えたことを特徴とする流量コントローラ。
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