JP3889915B2 - 流体軸受用潤滑油及びそれを用いた流体軸受 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、流体軸受用潤滑油、それを用いた流体軸受及び流体軸受の潤滑方法に関し、特には、省エネルギー性及び耐久性に優れ、高速回転で使用されるコンパクトな流体軸受に好適な流体軸受用潤滑油に関する。
【0002】
【従来の技術】
音響機器、パソコン等の小型・軽量化、大容量化の進歩は目覚ましいものがある。これらの電子機器には、各種の回転装置、例えば、磁気ディスク、光ディスク、FD、ミニディスク、ハードディスク、コンパクトディスク、DVDなどを駆動する回転装置が使用されており、小型・軽量化、大容量化はこれらの改良、あるいは回転装置に不可欠な軸受の改良によるところも大きい。
潤滑油を介して対向するスリーブと回転軸からなる流体軸受は、ボールベアリングを持たないため、小型・軽量化、静寂性、経済性等に優れており、音響機器やパソコンなどにその用途を広げてきている。
【0003】
また、流体軸受に使用される潤滑油あるいは軸受用流体としては、ネオペンチルポリオールエステル、スクワラン及び/又はナフテン系鉱油とウレア化合物粘稠剤のグリースからなるもの(特開平1-279117号公報)、トリメチロールプロパンの脂肪酸トリエステルを基油とし、ヒンダードフェノール系酸化防止剤及びベンゾトリアゾール誘導体を含有するもの(特開平1-188592号公報)、特定のヒンダードフェノール系酸化防止剤及び芳香族アミン系酸化防止剤を特定の割合で含有するもの(特開平1-225697号公報)、フェニル基を有する特定のモノカルボン酸エステル及び/又は特定のジカルボン酸エステルを基油とするもの(特開平4-357318号公報)、基油として単体組成物を用いたもの(特許第2621329号公報)、炭酸エステルを基油とし、硫黄含有フェノール系酸化防止剤及び亜鉛系極圧剤を含有するもの(特開平8-34987号公報)、磁性流体を用いるもの(特開平8-259977、8-259982、8-259985号公報)、炭酸エステルを主成分とする基油にフェノール系酸化防止剤を用いるもの(特開平10-183159号公報)などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
今後、大容量の情報の高速処理、あるいはさらなる機器のコンパクト化などに対する欲求、要求がますます増えていくものと予想される。また、従来、音響機器やパソコンなどの消費電力は、余り大きくないために注目されていなかったが、内蔵電池の長寿命化、あるいは小容量化による機器の小型化が図れるので省エネルギー化に対する要求は依然強いものがある。このように、情報の高速処理、あるいは機器の小型化への欲求に伴い、流体軸受はより高速回転が要求されている。そして、軸受におけるエネルギーロスは高速になればなるほど大きくなる。しかし、上記提案されている各種の潤滑油あるいは軸受用流体は、粘度が高く、軸受における省エネルギー性の観点から評価されていない。流体軸受用の潤滑油としては、潤滑性、劣化安定性(寿命)、スラッジ生成防止性、摩耗防止性、腐食防止性といった基本的な性能に加えて省エネルギー性能を有し、蒸発性の低い潤滑油が、情報の高速処理、コンパクト化等の要請に応えるために要望されている。また、装置のコンパクト化が進めば進むほど、装置自体の耐久性が犠牲になる場合があり、さらに潤滑油がかかる耐久性を左右することもあり、憂慮される。
【0005】
本発明は、上述の問題を解決するものであり、潤滑性、劣化安定性はもとより、特に蒸発性が低く、省エネルギー性及び耐久性などの性能に優れた流体軸受用の潤滑油を提供することを課題とする。また、本発明は、かかる流体軸受用の潤滑油を用いた流体軸受及び流体軸受の潤滑方法を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ネオペンチルグリコールと少なくとも1種の炭素数9 10 または12の直鎖飽和1価脂肪酸から得られる粘度指数100以上、全酸価0.5 mgKOH/g以下、及び水酸基価20 mgKOH/g以下のエステルからなる流体軸受用潤滑油である。ここで、前記の少なくとも1種の1価脂肪酸が、2種以上の1価脂肪酸であることが好ましい。
【0007】
さらに、流体軸受用潤滑油は、多価アルコール部分エステル化合物、多価アルコール部分エーテル化合物、又はそれらの混合物を0.1〜5.O質量%含有することが好ましく、前記エステル化合物又はエーテル化合物は少なくとも2個の水酸基を有する化合物であることが好ましい。さらに、流体軸受用潤滑油は、ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体、フェノール系酸化防止剤、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物及び/又はリン酸エステルをそれぞれO.05〜5.O質量%含有することが好ましい。
【0008】
また、本発明は、軸とスリーブからなる流体軸受において、前記の流体軸受用潤滑油を充填した流体軸受であり、さらに、軸とスリーブからなる流体軸受を前記の流体軸受用潤滑油で潤滑する潤滑方法である。
【0009】
【好ましい実施の態様】
本発明の流体軸受用潤滑油には、ネオペンチルグリコールと炭素数9 10 または12の1価脂肪酸との反応で得られたエステルを基油として用いる。1価脂肪酸として、化学的安定性、耐熱性の面から不飽和結合を含まない飽和脂肪酸を用いる。炭素数が5以下の1価脂肪酸とのエステルは粘度が低く、流体軸受部を支えるに十分な剛性が得られにくく、耐久性にも好ましくない。一方、炭素数が13以上の1価脂肪酸とのエステルは粘度が高く、回転時における抵抗が大きくなり省エネルギー性で良好なものが得られない。
【0010】
また、脂肪酸としては、分岐脂肪酸及び直鎖脂肪酸のいずれも使用できる。本発明の流体軸受用潤滑油に関しては、分岐脂肪酸からなるジエステルは加水分解に対しては好ましく、一方、直鎖脂肪酸のジエステルは、良好な潤滑性、高い粘度指数を有することからより好ましい。当然、これらの性質を併せ持った分岐脂肪酸及び直鎖脂肪酸からの両方のアシル基を有するネオペンチルグリコールのジエステルも好ましく使用できる。また、脂肪酸として飽和脂肪酸及び不飽和脂肪酸のいずれも使用できるが、安定性の点等から飽和脂肪酸が好ましい。
【0011】
炭素数9 10 または12の飽和1価脂肪酸とは、具体的には、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸あるいはこれらの混合酸であり、少なくとも粘度指数100以上のネオペンチルグリコールエステルが得られるものが挙げられる。なお、ネオペンチルグリコールエステルの合成は、ネオペンチルグリコールと、上記脂肪酸とから、公知のエステル化反応又はエステル交換反応によって行うことができる。
【0012】
音響機器、パソコンなどの普及により流体軸受用潤滑油が使用される環境は家電品と同等でその使用範囲は−20〜60℃まで考えなければならない。こうした条件下での使用を可能にするには低温においても十分な流動性が得られるように優れた低温特性が必要である。ネオペンチルグリコールエステルは、化学構造が異なる2種以上の飽和1価脂肪酸を用いて得られたエステルが良好な低温流動性を有するので好ましい。例えば、2種類の脂肪酸を用いると、一方の脂肪酸のみが結合したエステル、もう一方の脂肪酸のみが結合したエステル、及び両方の脂肪酸が1個ずつ結合したエステルの3種類の異なる化学構造のエステルを含むエステル混合物が得られることになる。このようなエステル混合物は、単一の化学構造のみのエステルよりも、結晶性がなくなるために低温流動性が向上すると考えられる。
【0013】
本発明の潤滑油に用いるエステルは、粘度指数が100以上のものを使用する。エステルの粘度指数は、アシル基が直鎖で、炭素数が多いほど高くなる傾向がある。特に直鎖の混合脂肪酸のみを用いると、高い粘度指数、良好な潤滑性を確保することができ、高い粘度指数を有すことから、低温で低粘度となり省エネルギーが可能となり、高温で高い粘度を確保できるため潤滑性が良好になる。
【0014】
本発明の流体軸受用潤滑油には、全酸価O.5 mgKOH/g以下及び水酸基価20 mgKOH/g以下のエステルを使用する。全酸価は、腐食防止性、耐摩耗性及び安定性を確保する上で重要であり、さらには0.3 mgKOH/g以下が好ましい。また水酸基価は、耐吸湿性、安定性向上の観点から5 mgKOH/g以下が好ましい。このような性状を有するエステルは、十分にエステル化反応を行い、その後適宜公知の方法で精製することによって得ることができる。
【0015】
さらに、エステルに含まれる水分は加水分解に関与する物質であり、灰分は加水分解を促進する触媒やスラッジ発生の原因物質なりえることから、できるだけ小さい値に調整することが好ましい。水分含有量は、500 ppm以下、さらには100 ppm以下であることが好ましく、灰分含有量は、10 ppm以下、さらには1 ppm以下であることが好ましい。水分は例えば加熱蒸留、加熱減圧蒸留あるいは不活性ガス吹込みにより除去することができ、また、灰分は吸着処理により除去することができる。灰分を少なくするためには、エステル合成を無触媒で行うことも効果的である。こうすることによってエステルの加水分解やスラッジ発生はミニマムに抑えられて安定性の高いエステルを得ることができるので、流体軸受用潤滑油の耐劣化安定性が向上し、長期安定性、長寿命化を図ることができる。
【0016】
本発明の潤滑油は、上記の基油としてのネオペンチルグリコールエステルに加えて、実用性能を向上させるために、各種の添加剤を配合することができる。このような添加剤として、多価アルコールの脂肪酸モノエステル化合物及び/又はモノエーテル化合物、ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体が挙げられる。さらに、フェノール系酸化防止剤、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物、リン酸エステルから選択される1種又は2種以上を配合することも効果的である。
【0017】
多価アルコールの脂肪酸モノエステル及びモノエーテルは、2個以上の水酸基を有し、さらに、1個以上の炭化水素基がエーテル結合又はエステル結合で付加されている多価アルコール誘導体であり、油性剤として用いられる。この多価アルコール誘導体は、水酸基部分で一方の軸受金属(例えば軸)に吸着し、前記エーテル結合又はエステル結合から伸展する炭化水素基は他方の軸受金属(例えば、スリーブ)との接触を防止して、潤滑作用を向上するものと考えられる。
このような多価アルコール誘導体は、3〜6個の水酸基を有する多価アルコールと、炭素数10〜22のモノオール又は1価脂肪酸との縮合反応によって得ることができる。ここで、多価アルコールとして、具体的には、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、トリグリセリン、ソルビトール、マンニトールなどが挙げられ、特に3価のアルコールが好ましく、なかでもグリセリンが好ましい。また、多価アルコールとで部分エステルを生成する1価脂肪酸は、炭素数14〜20のものがより好ましく、具体的には、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸などが挙げられる。多価アルコールと部分エーテルを生成するモノオールとしてはこれらの酸に相当する1価のアルコールが挙げられる。特にオレイン酸、オレイルアルコールが好ましく、多価アルコール誘導体の化合物としてはグリセリンモノオレート又はグリセリンモノオレイルエーテルが特に好ましい。
【0018】
この多価アルコール誘導体は、効果を発揮する有効量を適宜配合すればよく、特にその配合量を限定するものではないが、流体軸受用潤滑油を基準として0.1〜5.O質量%、さらにはO.5〜5.0質量%程度含有されるよう配合することが好ましい。また、上記多価アルコールの部分(特に、モノ)エーテル、部分(特に、モノ)エステルは、それぞれ単独でも、複数の化合物を用いても、またそれらの混合物を用いてもよい。
【0019】
ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体としては、次の一般式(1)で示される化合物を用いることが好ましい。
【化1】
Figure 0003889915
式中、R1は、水素原子又はメチル基を示し、R2は、水素原子、又は窒素原子及び/又は酸素原子を含有する炭素数O〜20の基を示す。銅の耐摩耗性を向上させることから、ベンゾトリアゾール誘導体が好ましく、さらに、R2が窒素原子を含有する炭素数10〜20の基であることが好ましい。
【0020】
また、ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体は、流体軸受用潤滑油全体を基準としてO.1〜5.0質量%、さらにはO.5〜5.O質量%程度含有されるよう配合することが好ましい。添加量が少ないと、特に銅の耐摩耗の効果がなく、多すぎると、添加量に見合う効果が得られないばかりでなく、場合によってはスラッジ生成の原因となるので好ましくない。
【0021】
フェノール系酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−4-nブチルフェノール(エチル744)、4,4’メチレンビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノール)、2,2'−チオビス(4−メチル−6-t−ブチルフェノール)等が挙げられる。また、アミン系酸化防止剤を使用してもよく、特に併用により大幅な酸化安定性の向上をはかることができる。
【0022】
エポキシ化合物としては、フェニルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、エポキシ化脂肪酸モノエステル、エポキシ化植物油などを単独で又は複数混合して使用することができる。これらのエポキシ化合物の中でも好ましいものは、アルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物及びエポキシ化脂肪酸モノエステルである。中でもアルキルグリシジルエーテル型エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物もしくはこれらの混合物がより好ましい。これらのエポキシ化合物を添加することにより、基材の安定性、特に加水分解安定性が大幅に向上する。
【0023】
カルボジイミド化合物は、次の一般式(2)で表される化合物である。
【化2】
3−N=C=N−R4 (2)
式中、R3及びR4は水素又は炭化水素基、あるいは窒素及び/又は酸素を含有する炭化水素基であり、R3及びR4はそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。
上記一般式(2)において、好ましくは、R3及びR4が水素、炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、及び芳香−脂肪族炭化水素基の場合である。具体的には、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ペンチル、2−メチルブチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等のアルキル基、プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、2−エチルヘキセニル、オクテニル等のアルケニル基、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロペンチル、エチルシクロペンチル等のシクロアルキル基、フェニル、ナフチル等のアリール基、トレイル、イソプロピルフェニル、ジイソプロピルフェニル、トリイソプロピルフェニル、ノニルフェニル等のアルキル置換フェニル等のアリール基、ベンジル、フェネチル等のアラルキル基等をR3、R4として含有する化合物を挙げることができる。カルボジイミド化合物は酸補足剤としての働きを有し、加水分解安定性を向上させる。
【0024】
リン酸エステルとしては、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジフェニルハイドロジェンホスフート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェートなどが挙げられ、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェートがより好ましい。リン酸エステルを添加することにより鉄の耐摩耗性を大幅に向上することができる。
【0025】
フェノール系酸化防止剤、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物及びリン酸エステルは、これらから選択される1種又は2種以上を配合することが好ましい。本発明において、特にこれらの添加剤の配合量を限定するものではないが、複数の添加剤を配合する場合にも、それぞれの添加剤について、流体軸受用潤滑油全量に対してO.05〜5.0質量%含有されるように配合すればよい。添加量が少ないと効果がなく、多すぎると基油の特性が生かされず、スラッジ生成の原因ともなるので好ましくない。
【0026】
本発明の流体軸受は、上記の流体軸受用潤滑油を用いることを特徴とする。ボールベアリングなどの機構を有さず、スリーブと軸からなり、それらの間に収容された潤滑剤によって互いに直接接触することがないように間隔が保持される流体軸受であれば、機械的に特に限定するものではない。本発明の流体軸受は、回転軸及びスリーブの何れかに又はそれらの両方に動圧発生溝が設けられ、回転軸が動圧によって支持される流体軸受、また回転軸に垂直方向に動圧を生じるようにスラストプレートが設けられている流体軸受なども含む。
【0027】
流体軸受は、非回転時には動圧が生じないためにスリーブと回転軸あるいはスリーブとスラストプレートが部分的あるいは全面接触しており、回転により動圧が生じて非接触状態となる。こうしたことから接触、非接触を繰り返し、スリーブ、回転軸あるいはスリーブとスラストプレートの金属摩耗が、また回転中の一時的な接触により焼付きが起こることがあるが、前記潤滑油の有する優れた安定性、潤滑性、防食性、スラッジ生成耐性によって、長期に亘り高速回転安定性、静寂性(耐久性)を保持するものであり、特に高速において優れた省エネルギー性を示す。したがって、本発明の流体軸受はより高速化及び省エネルギー性によって消費電力の低減を可能にすることから、この流体軸受を装備するOA機器などは、高速回転安定性、静寂性に加えて、より小型なものにできるか、さもなければ長寿命が付与される。
【0028】
さらに、本発明は、前記流体軸受を上記に規定した流体軸受用潤滑油で潤滑する流体軸受の潤滑方法である。既に記したように、前記流体軸受用潤滑油を流体軸受に充填して潤滑することにより、長期に亘り高速回転安定性、静寂性を保持され、かつ優れた省エネルギー性、長寿命化を果すことができる。
【0029】
【実施例】
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施例によって何ら制限されるものではない。
【0030】
(実施例I)
図1は、本発明の流体軸受用潤滑油を装填して用いるために好ましい流体軸受の一具体例を示すものであり、該潤滑油を用いる記録ディスク駆動用の流体軸受を装備したモータの概略構成を模式的に示す断面図である。この図1において、モータ1は、ブラケット2と、このブラケット2の中央開口部に一方の端部が外嵌固定されるシャフト4、このシャフト4に対して相対的に回転自在に保持されたロータ6とを備える。ブラケット2にはステータ12が固定され、これに対向してロータ6に設けられたロータマグネット10との間で、回転駆動力を生ずる。
【0031】
シャフト4の上部及び下部には、半径方向外方に突出する円盤状の上部スラストプレート4aと下部スラストプレート4bがあり、これらのスラストプレート間のシャフト外側面には、気体介在部22が形成されている。一方ロータ6は、その外周部に記録ディスクDが載置されるロータハブ6aとロータ6の内周側に位置し潤滑油8が保持される微小間隙を介してシャフト4に支持されるスリーブ6bとを備えている。さらにスリーブ6bには、上部及び下部スラストプレートの外側に蓋をする形で、上部カウンタプレート7a及び下部カウンタプレート7bが設けられている。
【0032】
シャフト4の中央部に設けられた気体介在部22の上部に隣接するシャフト4の外周部から、上部スラストプレートの下面、外周面及び上面外周部に至る部分には、対向するスリーブ6bの内周部貫通孔6cの上部から上部カウンタプレート7aの下面に至る部分との間に、微小間隙が形成され、潤滑油8が保持されている。そして上部スラストプレート4aの下面には、ロータ6の回転にともない潤滑油8中に動圧を発生するスパイラル溝14が形成されており、モータ回転時にロータ部を軸線方向に保持する支持力を発生すると同時に、潤滑油8を矢印Aの方向に押し戻す。さらにスリーブ6bの内周部貫通孔6c上部内面の潤滑油保持部には、アンバランスなヘリンボーン状溝24が形成され、モータ回転時にロータ部を半径方向に保持する支持力を発生すると同時に、潤滑油8を矢印Bの方向に押し上げる。
【0033】
これらの溝により生じる潤滑油8の動圧により、微小間隙内の潤滑油8に生じる圧力分布は、上部スラストプレート4aの下面内周部Pで最も高くなっている。その結果、仮に潤滑油8内に溶け込んだ空気が気泡化しても、その気泡は前記内周部Pの外側に拡散排除され、下方の気体介在部22空隙部又は上方の上部カウンタプレート7a下面空隙部に至る。そしてこれらの空隙部は、直接又は外気連通孔20により大気に解放されており、前記気泡は外気に解放され、潤滑油漏れがなくかつ支持力の高い流体軸受構造を実現している。
【0034】
同様の微小間隙、溝、潤滑油保持部の構造が、シャフト4の中央部に設けられた気体介在部22の下部から下部スラストプレート4b及び下部カウンタプレート7bに、上下逆配置で形成されており、この下部動圧軸受部によりロータ部は一層安定に支持される。
また、本構造の流体軸受は、毎分2万回転前後の高速回転においても、回転遠心力による潤滑油8の外周方向への発散が、上部及び下部カウンタプレート7a、7bにより効果的に防止され、本発明にかかる流体軸受用潤滑油を用いることにより、一層高速で安定した回転を実現する。
【0035】
(実施例II)
各種の流体軸受用潤滑油を試作し、図1に示す上記流体軸受構造を有するモータに充填して実際に駆動し、以下のようにして試験し、潤滑油性能を評価した。
【0036】
流体軸受用潤滑油のべ一ス基材として次に示すエステル(A〜E及びH)、鉱油(F)、アルキルベンゼン(G)を使用した。
A:ネオペンチルグリコール(NPG)とn-C9酸とのエステル
B:NPGと、n-C9酸(50 mol%)とn-C10酸(50 mol%)の混合酸とのエスアル
C:NPGと、n-C10酸(95 mol%)とn-C12酸(5 mol%)の混合酸とのエステル
D:ペンタエリスリトールとn-C5酸とのエステル
E:トリメチロールプロパンと2−エチルヘキサン酸とのエステル
F:パラフィン系鉱油
G:アルキルベンゼン
H:NPGと2−エチルヘキサン酸とのエステル72質量%と、ペンタエリスリトールと2−エチルヘキサン酸とのエステル28質量%の混合エステル
【0037】
また、添加剤としては、次のものを用いた。
I:グリセリンモノオレイルエーテル
J:次の一般式(3)で表されるベンゾトリアゾール誘導体
【化3】
Figure 0003889915
K:2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール
L:2−エチルヘキシルグリシジルエーテル
M:トリクレジルホスフェート
N:ビス(ジイソプロピルフェニル)カルボジイミド
【0038】
NPGエステル基材(A〜C)及び添加剤を表1に示すように配合して本発明の流体軸受用潤滑油(実施例1〜8)を調製した。実施例1及び2の油は添加剤を含有せず、実施例3〜8は、表1の添加剤の列に示すように、上記I〜Nの添加剤を括弧内の数量含有されるよう配合した。また、D〜Hの基材を用いて比較例の流体軸受用潤滑油(比較例1〜5)を調製した。なお、比較例の流体軸受用潤滑油にはいずれも添加剤を配合していない。
【0039】
【表1】
Figure 0003889915
【0040】
調製した実施例1〜8及び比較例1〜4の油について、それぞれの物性を測定するとともに、流体軸受の実機に装填して加速試験を行い、実用性能を評価した。物性測定及び性能評価試験は、次の方法で行った。
【0041】
(1) 蒸発量:熟重量分析法(TG法)により、120℃に12時間保持したときの重量減少量から求めた。
(2) 動粘度、粘度指数:JIS K 2283に準じ、キャノン−フェンスケ粘度計を用い動粘度を測定するとともに粘度指数を算出した。
(3) 水酸基価:JIS K 0070に準じて測定した。
(4) 全酸価:JIS K 2514に準じて測定した。
(5) 水分:JIS K 2275のカールフィッシャー式電量滴定法に準じて測定した。
(6) 灰分:JIS K 2272に準じて測定した。但し、ppmの単位まで測定できるものとした。
【0042】
(7) NRROテスト不良率(耐久性):
各試料について、図1の流体軸受構造を有するモータ5台に装填し、80℃の温度条件下に、モータの駆動/停止を繰り返す間欠運転による加速試験を行い、回転非同期振れ(non repeatable run out、以下、NRROという。)を測定し、耐久性に及ぼす潤滑油の効果を評価した。このとき、モータの駆動/停止は、図2に示すように、モータを駆動(ON)し、規定回転数(例えば、10,OOO rpm)に達したらそれを保持した後、駆動開始(0N)から30秒後にモータを停止(OFF)し、その30秒後に再びモータを駆動(0N)する動作を繰り返した。
また、評価は、NRRO値を間欠回数1万回及び2万回の時点で測定し、NRRO値が0.05μmを超えた場合を不良とし、不良と判定されたモータの台数を、その試料油に使用したモータの全台数(5台)に対する割合で表した。なお、明らかに、O.05μmを超える兆候を示した場合は、1万回又は2万回に達しない時点でも測定し、O.05μmを超えた場合も不良とした。
【0043】
(8) 省エネルギー性:
NRROテスト不良率(耐久性)の評価に用いたものと同じモータを使用し、モータに流れる電流を測定して省エネルギー性を評価した。すなわち、前記実施例1〜5、比較例2及び5の潤滑油を前記モータの流体軸受部に装填し、直流電源とモータとの間にセットした電流計で電流の値を測定した。また、モータ回転数10,000 rpm、無負荷、モータ外気温O℃及び40℃の条件下にて行った。
【0044】
物性測定及び耐久性評価の試験結果を表2に示し、省エネルギー性評価の試験結果を表3に示す。
【0045】
【表2】
Figure 0003889915
【0046】
表2から、実施例1〜8の潤滑油は、蒸発量が小さく、NRROテストの不良率も問題とならない程度であり、流体軸受用潤滑油として有効に使用できるものであることがわかる。一方、比較例1及び2は、蒸発量は小さいけれども、NRROテストの不良率が大きく、また、比較例3〜5は、蒸発量が大きすぎて実用的に用いることはできない。
【0047】
【表3】
Figure 0003889915
【0048】
表3から、実施例の潤滑油は、0℃及び40℃のいずれの場合も電流の値が小さく(特に実施例2の潤滑油は比較例5より高い粘度であるが電流の値は小さい。)、直流回路ではモータを回す力は電流に比例するので、消費電力が少なく、省エネルギー性が高いといえる。また、実施例4、5は実施例1よりも粘度が高いにもかかわらず、電流値が低く添加剤の効果がうかがわれる。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、ネオペンチルグリコールと炭素数6〜12の1価脂肪酸とから得られる粘度指数100以上、全酸価O.5 mgKOH/g以下、及び水酸基価20 mgKOH/g以下の
エステルからなることを特徴とする流体軸受用潤滑油であり、また、該流体軸受用潤滑油を用いる流体軸受及び該流体軸受の潤滑方法であることから、優れた省エネルギー性及び耐久性を示し、特に高速化、コンパクト化が進む電子機器の回転装置に好適に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】流体軸受を装備したモータの概略構成を模式的に示す断面図。
【図2】流体軸受用潤滑油の実用性能を評価する加速試験でモータの間欠運転における駆動/停止パターンを模式的に示すチャート。
【符号の説明】
1 モータ
4 シャフト(軸)
4a 上部スラストプレート
4b 下部スラストプレート
6b スリーブ

Claims (6)

  1. ネオペンチルグリコールと少なくとも1種の炭素数9 10 または12の直鎖飽和1価脂肪酸とから得られる粘度指数100以上、全酸価0.5 mgKOH/g以下、及び水酸基価20 mgKOH/g以下のエステルからなることを特徴とする流体軸受用潤滑油。
  2. 少なくとも1種の1価脂肪酸が、2種以上の1価脂肪酸である請求項1に記載の流体軸受用潤滑油。
  3. さらに、(a)少なくとも2個の水酸基と少なくとも1個のエステル結合を有する多価アルコール部分エステル化合物又は少なくとも2個の水酸基と少なくとも1個のエーテル結合を有する多価アルコール部分エーテル化合物又はそれらの混合物を0.1〜5.0質量%、及び/又は(b)ベンゾトリアゾール及び/又はその誘導体を0.1〜5.0質量%含有する請求項1又は2に記載の流体軸受用潤滑油。
  4. さらに、フェノール系酸化防止剤、エポキシ化合物、カルボジイミド化合物及びリン酸エステルから選択される1種又は2種以上を、それぞれ0.05〜5.0重量%含有する請求項1〜のいずれかに記載の流体軸受用潤滑油。
  5. 軸とスリーブからなる流体軸受において、請求項1〜のいずれかに記載の潤滑油を用いることを特徴とする流体軸受。
  6. 請求項に記載の流体軸受を、請求項1〜のいずれかに記載の流体軸受用潤滑油を用いて潤滑することを特徴とする流体軸受の潤滑方法。
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