JP3889504B2 - 熱可塑性樹脂成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂成形体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然石風の石目調を有する熱可塑性樹脂成形体に関するもので、より詳細には、各熱可塑性樹脂層に石目柄を配合すると共に、各樹脂層の光学濃度をコントロールすることにより、深みのある立体的な石目調の風合いを再現した熱可塑性樹脂成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、石目調の風合いを有する熱可塑性樹脂成形品が種々提案されている。これらの石目調樹脂成形品は、熱可塑性樹脂に石目柄、即ち、天然石の微細粒子、フレーク状の金属粒子、耐熱性の着色樹脂の粒子や繊維等を分散させ、石目調の外観を付与するものである。
【0003】
特開昭48−32151号公報には、熱可塑性樹脂100重量部に対して、着色した有機質の繊維状物質を0.1乃至2重量部の量で分散混合した組成物であって、この繊維状物質が、前記樹脂の成形加工温度では軟化変形するに至らないが、前記樹脂の成形加工温度より約40℃高い温度では軟化変形するものであり、且つその形状が1乃至20デニールの太さと1〜8mmの長さを有し、上記樹脂とは異なる色彩に着色されている斑点模様を有する成形体の製造用樹脂組成物が記載されている。
【0004】
特開昭51−12348号公報には、熱可塑性樹脂100重量部に、形状が太さ1〜50デニール、長さ0.1〜5mmであって通常の加熱成形温度でも軟化変形しないセルロース系の着色繊維0.05〜5重量部を均一に分散させて成ることを特徴とする微細斑点模様を有する熱可塑性樹脂組成物が記載されている。
【0005】
特開昭55−142613号公報には、基礎になる着色もしくは無着色の熱可塑性樹脂80〜99.9重量%に対し、模様を構成する着色したグラフト化ポリフェニレンエーテル樹脂またはその変性体0.1〜20重量%混入し、該混合樹脂を170〜300℃にて成形して成ることを特徴とする木目・石目等の模様を有する成形物が記載されている。
【0006】
実公平7−11955号公報には、押出発泡体の生地中に染色した人造繊維または天然繊維の微粒状物が混在していることを特徴とする石目模様を有する合成樹脂押出発泡体が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
これらの石目調の樹脂成形体は、溶融樹脂中での石目柄、即ち粒状着色樹脂の軟化を防止するために、種々の創意工夫を行ったものであるが、従来の石目調成形体は、未だ石目の鮮明さに欠けたり、また深みに乏しいものであり、更に濃淡にも乏しいものであるという点において十分満足できるものではない。
【0008】
本発明者らは、光学濃度のコントロールされた熱可塑性樹脂に石目柄を分散させると共に、これを特定の順序で多層化することにより、より深みのある立体的な石目調の風合いを再現できることを見出した。
【0009】
即ち、本発明の目的は、各熱可塑性樹脂層に石目柄を配合すると共に、各樹脂層の光学濃度をコントロールすることにより、深みのある立体的な石目調の風合いを再現した熱可塑性樹脂成形体を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、光学濃度が2.5以下で且つ光学濃度が1.0よりも大きい熱可塑性樹脂100重量部当たり粒径0.05〜3.0mmの着色耐熱性樹脂の石目柄0.1〜10重量部を配合した組成物から第1層と、光学濃度が1.0以下である熱可塑性樹脂100重量部当たり粒径0.05〜3.0mmの着色耐熱性樹脂の石目柄0.1〜10重量部を配合した組成物から第2層との共押出成形体からなり、第2層の肉厚が0.05〜2.0mmの厚みを有することを特徴とする天然石風の石目調を有する熱可塑性樹脂成形体が提供される。
本発明において、第2層の石目柄が第1層の石目柄よりも小さい粒径を有するものであることが、より深みのある立体的な石目の風合いを得る点で好ましく、また、前記第2層の上に光学濃度が1.0以下の熱可塑性樹脂層を、第3層として、0.05〜2mmの厚みで被覆して成ることが、成形性、表面の平滑性、艶乃至光沢、耐候性等の点で好ましい。
【0011】
【発明の実施形態】
[作用]
本明細書において、光学濃度とは、通常の意味で使用されるものであり、分光光度計、例えば、日本分光(株)製 分光光度計 UVDEC−660を使用して、可視光線範囲の波長、即ち、0.4μm〜0.8μmで、1.0mm厚さのフィルムについて透過光の強度を測定し、下記式
Figure 0003889504
から求められるものである。
【0012】
本発明においては、第1層、即ち下地層として、光学濃度が2.5以下で且つ光学濃度が1.0よりも大きい熱可塑性樹脂を選択し、第2層、即ち上地層として、光学濃度が1.0以下である熱可塑性樹脂を選択し、これら各樹脂層に粒径0.05〜3.0mmの着色耐熱性樹脂の石目柄を配合し、これらを共押出成形体の形に組み合わせたことが特徴であり、これにより鮮明な石目柄を示すと共に、深みと立体感のある模様を現出させることができる。
【0013】
先ず、本発明において、第1層の熱可塑性樹脂として、光学濃度が2.5以下で且つ光学濃度が1.0よりも大きい熱可塑性樹脂を選択するのは、石目柄の現出と深みの強調とを行うためであり、光学濃度が2.5を上回るような樹脂では、柄や立体感の現出が至って劣ったものとなりやすい。一方、第1層樹脂の光学濃度が1.0以下となると、透明感はでるが、石目柄成形体としての重量感が不足するので好ましくない。
【0014】
また、第2層の熱可塑性樹脂として、光学濃度が1.0以下の熱可塑性樹脂を選択するのは、石目柄の現出を損なうことなく、立体感を強調するためであり、第2層の熱可塑性樹脂の光学濃度が1.0を上回る場合には、第1層単独からなる成形体と同様な欠点を生じる。
【0015】
更に、本発明では、上記第1層及び第2層の各々に、粒径0.05〜3.0mmの着色耐熱性樹脂の石目柄を配合することも重要である。即ち、第1層にのみ石目柄を配合する場合、及び第2層にのみ石目柄を配合する場合には、立体感がやや欠けるのに対して、これら第1層及び第2層の各々に、本発明で規定した範囲内で石目柄を配合すると、柄及び立体感ともに非常に優れたものが得られる。
【0016】
この理由は、第1層の樹脂組成物は、高い光学濃度にも関連してどっしりした深みのある石目柄の外観を与えるものであるが、これが光学濃度の低い第2層を通して視覚される一方、第2層中にも石目柄が存在し、この第2層中の石目柄も同時に視覚されるため、深みと立体感とに優れた重厚な石目模様の成形体が形成されるものと思われる。
【0017】
本発明において、樹脂中に含有させる石目柄の粒径は、0.05乃至3.0mmの粒径を有する着色耐熱性樹脂からなるべきである。即ち、この着色樹脂粒子の耐熱性が不十分であるときには、熱可塑性樹脂への混練及び成形時に着色樹脂粒子の軟化による変形等が生じ、石目柄の発現が困難となる傾向がある。また、着色樹脂粒子の粒径が上記範囲を下回る場合及び上記範囲を上回る場合の何れの場合も、繊細でしかも明確な石目模様の形成が困難となる傾向がある。
尚、本明細書において、石目柄の粒径とは、特に断らない限り、石目柄粒子の最大寸法として定義される。
【0018】
一方、熱可塑性樹脂に対する石目柄の配合量は、0.1乃至10重量部、特に0.5乃至5重量部の範囲にあるべきであり、上記範囲を下回る場合には、やはり明確な石目模様を形成することが困難となる傾向があり、一方上記範囲を上回る場合には、石目模様の鮮明さが失われる傾向がある。
【0019】
本発明の成形体において、上層である第2層の厚みには、一定の最適厚みがあり、第2層は0.05乃至2.0mmの厚みを有するべきである。この厚みが上記範囲を下回る場合或いは上回る場合の何れにおいても、やはり深みのある立体的な石目調の風合いを得ることが困難となる傾向がある。
【0020】
本発明において、第2層の石目柄が第1層の石目柄よりも小さい粒径を有するものであることが、より深みのある立体的な石目の風合いを得る点で好ましい。即ち、この構成においては、下地となる大きい石目模様の上に小さい石目模様が浮き出て、立体的で深みのある石目模様の形成が可能となる。第2層に含有させる石目柄の粒径は、0.05乃至1.5mmであることが好ましい。
【0021】
第1層及び第2層における熱可塑性樹脂の光学濃度の調節は、樹脂の選択や着色剤の配合、更には樹脂層の厚みの調節等により行いうるが、第1層の熱可塑性樹脂の光学濃度を1.0よりも大でしかも2.5以下の範囲とするには、熱可塑性樹脂の発泡体を用いることが好ましい。樹脂発泡体を用いると、光の散乱により、石目模様は深みのある独特のものとなる。
【0022】
本発明の成形体における積層構造は、二層構造のものに限定されない。例えば、この積層体の第2層の上には、光学濃度が1.0以下の熱可塑性樹脂層を0.05乃至2.0mmの厚みで設けることができ、これにより、成形体に優れた成形性や、成形体表面の平滑性、光沢乃至艶、耐候性等を付与することが可能となる。特に、この第3層樹脂は、耐候性を有する熱可塑性樹脂が好ましい。
【0023】
[熱可塑性樹脂]
本発明において、石目柄を分散させる熱可塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。
【0024】
塩化ビニル系樹脂としては、平均重合度が約600〜1400の塩化ビニル単独重合体(所謂ストレートポリマー)の他に塩化ビニルを主成分とする共重合体や、塩化ビニル重合体の変性物、塩化ビニル系樹脂と他の重合体とのブレンド物を挙げることができる。
塩化ビニル共重合体としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−スチレン共重合体、塩化ビニル−イソブチレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−スチレン−無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル−スチレン−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル−ブタジエン共重合体、塩化ビニル−塩化プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン−酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル−メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、内部可塑化ポリ塩化ビニル等の重合体等が挙げられる。
塩化ビニル重合体の変性物としては、塩素化ポリ塩化ビニル等が挙げられる。
また、他の重合体とのブレンド物としては、上記塩化ビニル系樹脂と、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ−3−メチルブテンなどのα−オレフィン重合体又はエチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、などのポリオレフィン及びこれらの共重合体、ポリスチレン、アクリル樹脂、スチレンと他の単量体(例えば無水マレイン酸、ブタジエン、アクリロニトリルなど)との共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、メタクリル酸エステル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ゴム等の他の塩素含有重合体、とのブレンド品などを挙げることができる。
【0025】
オレフィン樹脂としては、例えば低−、中−或いは高−密度のポリエチレン、アイソタクティックポリプロピレン、シンジオタクティックポリプロピレン、線状低密度ポリエチレン、線状超低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、ポリブテン−1、エチレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン−アクリル酸エステル共重合体等が挙げられる。
【0026】
アクリル樹脂としては、アクリル酸やメタクリル酸のエステルを主体とするものであり、このようなエステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸イソアミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル等がある。ただし上記の(メタ)アクリル酸とはアクリル酸もしくはメタクリル酸を示す。上記(メタ)アクリル酸エステルは単独でも組み合わせても使用でき、また他の単量体との共重合体でもよい。好適なエステルは、メタクリル酸メチル(MMA)である。
これらの単量体と共に共重合される他の共単量体としては、スチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル等を挙げることができる。
アクリル樹脂は官能基含有単量体成分の少量を含有していてもよく、官能基含有単量体成分としては、カルボキシル基、その塩の基、アミド基、水酸基、アミノ基、エポキシ基、メチロール基、及びエーテル化メチロール基を有するものである。
【0027】
スチレン系樹脂としては、スチレンを主体とする熱可塑性樹脂であり、スチレンの単独重合体及び共重合体が挙げられる。スチレン系共重合体としては、スチレン−ブタジエン共重合体(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)、アクリロニトリル−スチレン−アクリル酸エステル共重合体(ASA)、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体(MS)、アクリロニトリル−エチレン/プロピレン/ジエンゴム−スチレン共重合体(A/EPDM/S)等が挙げられる。
【0028】
これらの樹脂には、必要に応じて、それ自体公知の処方に従って、安定剤、可塑剤或いは滑剤等の加工助剤、強化剤、着色剤、発泡剤、架橋剤、酸素吸収剤、紫外線吸収剤、充填剤等を配合することができる。
【0029】
第1層に使用する熱可塑性樹脂を、光学濃度を前記範囲とするために、本発明の好適態様では、熱可塑性樹脂の発泡体を用いるのがよい。第1層樹脂は、発泡倍率が1.1乃至5倍、特に1.3乃至3.3倍の低発泡樹脂からなることが好ましく、この発泡樹脂層は、押出発泡や押出架橋発泡等の手段で製造される。発泡剤としては、炭酸ガス、窒素、プロパン、ブタン、ペンタン等の気体発泡剤、重炭酸塩−有機酸、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアマイド、ジアゾアミノベンゼン、ベンゼンスルホニルヒドラジド等の化学発泡剤を、必要に応じ架橋剤と共に、樹脂に配合し、溶融押出することにより得られる。
【0030】
第1層に使用する樹脂は未着色でも或いは着色されていてもよく、この後者の場合、配合する石目柄とは異なる色相に着色されている必要がある。
【0031】
一方、第2層或いは更に第3層に使用する樹脂は、光学濃度が1.0以下となるようなものであれば、前に例示した樹脂は全て使用することができる。特に光学的特性に優れたものとして、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS)、メチルメタクリレート−スチレン共重合体(MS)、塩化ビニル系樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂にも、必要に応じて、それ自体公知の処方に従って、安定剤、可塑剤或いは滑剤等の加工助剤、強化剤、着色剤、酸素吸収剤、紫外線吸収剤等を配合することができる。
【0032】
[石目柄]
上記樹脂中に配合する石目柄は、粒径が0.05乃至3.0mmの着色耐熱性樹脂からなるものであり、一般に粒状、フレーク状、或いは繊維状の形状を有している。
【0033】
耐熱性樹脂としては、マトリックスとなる前記熱可塑性樹脂の加工温度において実質上溶融しないような樹脂であり、このような樹脂の例として、ナイロン6、ナイロン6−6、ナイロン6−10、ナイロン6−12、ナイロン11、ポリキシリレンアジパミド(NyMXD6)、ポリエチレンテレフタラミド、ポリエチレンイソフタラミド等のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリアリレート、ポリカーボネート、ポリフエニレンオキサイド、ポリビニルアルコール或いはそのアセタール化物、ポリアクリロニトリル、セルローストリアセテート等のセルロース誘導体、レーヨン等あるいはそれらの混合物を挙げることができる。
【0034】
耐熱性樹脂の着色は、上記樹脂を粒状物、フレーク状或いは繊維状に形成するに先立って、樹脂中に着色剤を分散させることにより行われ、ここで着色剤としては、
適当な例として、次のものを挙げることができるが、勿論これに限定されない。
黒色顔料
カーボンブラック、アセチレンブラック、ランブラック、アニリンブラック、四三酸化鉄(マグネタイト)。
黄色顔料
黄鉛、亜鉛黄、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマンネントイエローNCG、タートラジンレーキ。
橙色顔料
赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジGK。
赤色顔料
ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀カドミウム、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウオッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B。
紫色顔料
マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ。
青色顔料
紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダスレンブルーBC。
緑色顔料
クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ、ファナルイエローグリーンG。
白色顔料
亜鉛華、二酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛。
体質顔料
バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト。
これらの顔料は、一般に耐熱性樹脂100重量部当たり0.01〜5重量部の量で配合するのがよい。
【0035】
本発明に用いる石目柄において、耐熱性樹脂の着色は、上記の顔料の配合及び練り混みにより行うのが好ましいが、勿論この例に限定されない。例えば、耐熱性樹脂が繊維状の形態をとる場合には、例えば染色により着色したものであってもよい。また、耐熱性樹脂がフレーク状の形態をとる場合、金属蒸着フィルム乃至金属蒸着と染色とを組み合わせて行ったフィルムの破砕物でもよく、メタリックな色調のものであってもよい。
【0036】
石目柄が粒状の場合、その形状は任意のものであってよく、例えば球状、回転楕円体状、ダイス状、円柱状、角柱状等の任意の形状であってよい。また、本発明に用いる石目柄は、熱可塑性樹脂との混練及び成形時に多少の変形を伴うものであってもよい。例えば、繊維状の場合、石目柄が潜在巻縮性を有する繊維状であって、押出加工時に巻縮を発現し、これにより繊細且つ微妙な石目模様が発現するようにすることもできる。これは、石目柄がフィルム破砕物乃至切断片等のフレーク状からなるものについても、全く同様である。
【0037】
本発明において、石目柄としては、単一のものを使用してもよく、或いは特異な石目の風合いを出すために、寸法、形状、材質、色彩等が互いに異なる複数種のものを組み合わせで用いることができる。
【0038】
[成形体]
本発明の熱可塑性樹脂成形体は、上記第1層、第2層或いは更に第3層の樹脂組成物を共押出成形する点を除けば、それ自体公知の方法で製造しうる。即ち、成形に際しては、各層に対応する数の押出機を使用し、各押出機からの溶融樹脂流を多層多重ダイ中で合流させ、押出物をサイジング金型を通した後、冷却させることにより製造する。
用いるダイの形状は、フラットダイ、異形断面ダイ等の任意の断面形状を有するものであってよい。
【0039】
本発明の成形体は、内装材、外装材等の各種建材、家具或いは家具の外面材等として有用である。
【0040】
【実施例】
本発明を次の例で説明する。
以下の実施例において使用した石目柄及び各樹脂層の組成は次のものである。
【0041】
石目柄
石目柄としては、原液着色されたポリエチレンテレフタレート繊維(黒色)を長さ0.05〜2.5mmに切断したものを用いた。
【0042】
第1層樹脂:
第1層樹脂としては、下記の塩化ビニル樹脂のコンパウンド及びポリプロピレンを用いた。
(1)塩化ビニル樹脂コンパウンド
押出グレードの塩化ビニル樹脂に、熱安定剤、加工助剤、滑剤、着色剤、発泡剤を配合したコンパウンド(PVC)を用いた。着色剤の含有量及び発泡の程度を変化させることにより、成形体としたときの光学濃度が3及び2となる塩化ビニル樹脂コンパウンドを得た。
(2)ポリプロピレンコンパウンド
押出グレードのポリプロピレンに、酸化防止剤、紫外線吸収剤、滑剤、着色剤、発泡剤を配合したコンパウンド(PP)を用いた。着色剤の含有量及び発泡の程度を変化させることにより、成形体としたときの光学濃度が2.2及び2となるポリプロピレンコンパウンドを得た。
【0043】
第2層樹脂:
第2層樹脂としては、成形体としたときの光学濃度が0.1となるポリメチルメタクリレート(押出グレード、PMMA)及び成形体としたときの光学濃度が0.3となるポリプロピレン(PP)を用いた。
【0044】
第3層樹脂:
第3層樹脂としては、成形体としたときの光学濃度が0.1となるポリメチルメタクリレート(押出グレード、PMMA)を用いた。
【0045】
比較例1
光学濃度が3.0の塩化ビニルコンパウンド100重量部と石目柄2重量部とを混合し、厚さが10mmの押出成形体を得た。
【0046】
比較例2
光学濃度が2.0の塩化ビニルコンパウンド100重量部と石目柄2重量部とを混合し、厚さが10mmの押出成形体を得た。
【0047】
比較例3
光学濃度が2.0の塩化ビニルコンパウンド100重量部と石目柄2重量部との混合物を第一層(厚さ10mm)とし、光学濃度が0.1のポリメチルメタアクリレートを第二層(厚さ0.5mm)とし、共押出成形により二層押出成形体を得た。
【0048】
実施例1
光学濃度が2.0の塩化ビニルコンパウンド100重量部と石目柄2重量部との混合物を第一層(厚さ10mm)とし、光学濃度が0.1のポリメチルメタアクリレート100重量部と石目柄2重量部との混合物を第二層(厚さ0.5mm)とし、共押出成形により二層押出成形体を得た。
【0049】
比較例4
光学濃度が2.0の塩化ビニルコンパウンドを第一層(厚さ10mm)とし、光学濃度が0.1のポリメチルメタアクリレート100重量部と石目柄2重量部との混合物を第二層(厚さ0.5mm)とし、共押出成形により二層押出成形体を得た。
【0050】
実施例2
光学濃度が2.0の塩化ビニルコンパウンド100重量部と石目柄2重量部との混合物を第一層(厚さ10mm)とし、光学濃度が0.1のポリメチルメタアクリレート100重量部と石目柄2重量部との混合物を第二層(厚さ0.5mm)とし、光学濃度が0.1のポリメチルメタアクリレートを第三層(厚さ0.5mm)とし、共押出成形により三層押出成形体を得た。
【0051】
比較例5
光学濃度が2.2のポリプロピレンコンパウンドを第一層(厚さ10mm)とし、光学濃度が0.3のポリプロピレン100重量部と石目柄2重量部とを混合物を第二層(厚さ0.5mm)とし、共押出成形により二層押出成形体を得た。
【0052】
実施例3
光学濃度が2.0のポリプロピレンコンパウンド100重量部と石目柄2重量部との混合物を第一層(厚さ10mm)とし、光学濃度が0.3のポリプロピレン100重量部と石目柄2重量部との混合物を第二層(厚さ0.5mm)とし、共押出成形により二層押出成形体を得た。
【0053】
得られた結果を下記表1に示す。
【表1】
Figure 0003889504
【0054】
表中の評価は次の基準である。
× 柄、立体感共に劣っている。
△ 柄は出ているが、立体感に欠ける。
○ 柄は出ているが、立体感にやや欠ける。
◎ 柄、立体感共に優れている。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、各熱可塑性樹脂層に石目柄を配合すると共に、各樹脂層の光学濃度をコントロールすることにより、深みのある立体的な石目調の風合いを再現した熱可塑性樹脂成形体を提供することができる。

Claims (3)

  1. 光学濃度が2.5以下で且つ光学濃度が1.0よりも大きい熱可塑性樹脂100重量部当たり粒径0.05〜3.0mmの着色耐熱性樹脂の石目柄0.1〜10重量部を配合した組成物から第1層と、光学濃度が1.0以下である熱可塑性樹脂100重量部当たり粒径0.05〜3.0mmの着色耐熱性樹脂の石目柄0.1〜10重量部を配合した組成物から第2層との共押出成形体からなり、第2層の肉厚が0.05〜2.0mmの厚みを有することを特徴とする天然石風の石目調を有する熱可塑性樹脂成形体。
  2. 第2層の石目柄が第1層の石目柄よりも小さい粒径を有するものであることを特徴とする請求項1記載の熱可塑性樹脂成形体。
  3. 前記第2層の上に光学濃度が1.0以下の熱可塑性樹脂層を、第3層として、0.05〜2mmの厚みで被覆して成ることを特徴とする請求項1または2記載の熱可塑性樹脂成形体。
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