JP3888731B2 - 樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(以下、EVOHと略記する)の樹脂組成物およびその用途に関し、更に詳しくは汚染除去性に優れ、壁紙等の内装材用途や農業用フィルムなどに有用な樹脂組成物およびその積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、塩化ビニル樹脂のシートやフィルムは、建築内装用の壁紙や家具等の仕上げ用の化粧シート、農業用資材、自動車の内装用資材、日用雑貨(ビニルマット、傘等)などに利用されており、更にはデスクマット、ファイル表紙、手帳表紙等の事務用品や文房具などにも多用されている。
しかしながら、かかる塩化ビニル樹脂中には多量の可塑剤が含有されており、塩化ビニル樹脂中の可塑剤の悪影響を防ぐために塩化ビニル樹脂層にEVOHを積層した壁紙(実公平2−47015号公報)や可塑剤を25〜55重量%含有するポリ塩化ビニル系フィルムに2〜50μm厚みのEVOHを積層した積層体(特開昭60−224542号公報)が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のいずれの積層体(壁紙)も短期間の可塑剤抑制効果は認められるものの、高湿度下で、かつ30〜40℃程度の温度で長期間放置された場合には、かかる抑制効果も低下することが推察され、新なる改善が望まれるところである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明者はかかる問題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、エチレン含有量20〜60モル%,ケン化度90モル%以上のEVOH(A)、SP値(Smallの式より算出)が8.5〜11のポリスチレン系化合物(B)およびホウ素化合物(C)からなる樹脂組成物が上記の課題を解決することを見出し本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の製造法について具体的に説明する。
本発明のEVOH(A)は、エチレン含量20〜60モル%(更には25〜50モル%)で、酢酸ビニル成分のケン化度が90モル%以上(更には95モル%以上)のものが用いられ、エチレン含量が20モル%未満では、高湿度下における可塑剤抑制効果が不十分となり、逆に60モル%を越えると、EVOHのバリヤー性が低下して本発明の目的を達成することはできず、また、ケン化度が90モル%未満でも高湿度下における可塑剤抑制効果が不十分となって本発明の目的を達成することはできない。
【0006】
また、該EVOHは更に少量のプロピレン、イソブテン、α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のα−オレフィン、不飽和カルボン酸又はその塩・部分アルキルエステル・完全アルキルエステル・ニトリル・アミド・無水物、不飽和スルホン酸又はその塩等のコモノマーを含んでいても差支えない。
また、EVOH(A)のメルトインデックス(MI)は、0.5〜50g/10分(210℃、2160g荷重)が好ましく、更には1〜35g/10分(同上)が好ましい。かかるMIが0.5g/10分(同上)未満では溶液或いは押出コーティングする際の加工性が不良となり、逆に50g/10分(同上)を越えると汚染除去性が不十分となって好ましくない。
【0007】
本発明のポリスチレン系化合物(B)は、SP値(Smallの式より算出)が8.5〜11であることが必要で、かかるSP値が8.5未満では、成形物にしたときに外観不良を起こし、また可塑剤抑制効果が不十分となり、逆に11を越えると、高湿度下での可塑剤抑制効果が不十分となって本発明の目的を達成することはできない
【0009】
本発明のホウ素化合物(C)としては、ホウ酸またはその金属塩、例えばホウ酸カルシウム、ホウ酸コバルト、ホウ酸亜鉛(四ホウ酸亜鉛,メタホウ酸亜鉛等)、ホウ酸アルミニウム・カリウム、ホウ酸アンモニウム(メタホウ酸アンモニウム、四ホウ酸アンモニウム、五ホウ酸アンモニウム、八ホウ酸アンモニウム等)、ホウ酸カドミウム(オルトホウ酸カドミウム、四ホウ酸カドミウム等)、ホウ酸カリウム(メタホウ酸カリウム、四ホウ酸カリウム、五ホウ酸カリウム、六ホウ酸カリウム、八ホウ酸カリウム等)、ホウ酸銀(メタホウ酸銀、四ホウ酸銀等)、ホウ酸銅(ホウ酸第2銅、メタホウ酸銅、四ホウ酸銅等)、ホウ酸ナトリウム(メタホウ酸ナトリウム、二ホウ酸ナトリウム、四ホウ酸ナトリウム、五ホウ酸ナトリウム、六ホウ酸ナトリウム、八ホウ酸ナトリウム等)、ホウ酸鉛(メタホウ酸鉛、六ホウ酸鉛等)、ホウ酸ニッケル(オルトホウ酸ニッケル、二ホウ酸ニッケル、四ホウ酸ニッケル、八ホウ酸ニッケル等)、ホウ酸バリウム(オルトホウ酸バリウム、メタホウ酸バリウム、二ホウ酸バリウム、四ホウ酸バリウム等)、ホウ酸ビスマス、ホウ酸マグネシウム(オルトホウ酸マグネシウム、二ホウ酸マグネシウム、メタホウ酸マグネシウム、四ホウ酸三マグネシウム、四ホウ酸五マグネシウム等)、ホウ酸マンガン(ホウ酸第1マンガン、メタホウ酸マンガン、四ホウ酸マンガン等)、ホウ酸リチウム(メタホウ酸リチウム、四ホウ酸リチウム、五ホウ酸リチウム等)などの他、ホウ砂、カーナイト、インヨーアイト、コトウ石、スイアン石、ザイベリ石等のホウ酸塩鉱物などが挙げられる。
【0010】
上記の(A)〜(C)の配合重量比は特に限定されないが、(A)および(B)の配合重量比が(A)/(B)=95〜50/5〜50であることが好ましく、更には(A)/(B)=90〜70/10〜30であることが好ましい。かかる配合重量比よりも(A)が多くなり過ぎると高湿度下での可塑剤抑制効果が不十分となり、逆に(A)が少なくなり過ぎると汚染除去性が不十分となって好ましくない。
また、(C)の配合量は、(A)100重量部に対して0.001〜0.1重量部であることが好ましく、更には0.01〜0.08重量部が好ましく、かかる(C)が0.001重量部未満では高湿度下での可塑剤抑制効果が不十分となり、逆に0.1重量部を越えると成形物の外観が不良となって好ましくない。
【0011】
上記の(A)〜(C)の混合方法としては特に限定されることなく、一括混合する方法やいずれかの2種を混合後に残りに1種を混合する方法のいずれでもよいが、本発明では、予め混合された(A)と(C)からなる組成物に(C)を溶融混合或いは溶液分散後、精製することが好ましい。
かくして本発明の樹脂組成物(a)が得られるわけであるが、該樹脂組成物(a)は、積層体用途としても有用で、各種の基材と積層することができる。
かかる基材としては、熱可塑性樹脂(b)が重要で、具体的には、塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂等が挙げられるが、中でも塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好適に使用される。
【0012】
また、かかるポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、(直鎖状)低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、酢酸ビニルやアクリル酸エステル或いはブテン,ヘキセン,4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類を共重合したポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、エチレンをグラフト共重合したポリプロピレン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン類を共重合したポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン及び上記ポリオレフィンに不飽和カルボン酸やその酸無水物,ビニルシラン系化合物,エポキシ基含有化合物等を共重合或いはグラフト重合してなる変性ポリオレフィン系樹脂などが挙げられ、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、(直鎖状)低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレンホモポリマー、エチレンをグラフト共重合体したポリプロピレン、α−オレフィン類を共重合したポリプロピレン等のポリプロピレンやエチレン−酢酸ビニル共重合体などが好適に使用される。
【0013】
上記の如き基材上に本発明の樹脂組成物(a)の層を形成(積層)するに当たっては、特に限定されず、▲1▼溶液コーティング、▲2▼溶融押出コーティング、▲3▼フィルムラミネート(ドライラミネート)等の積層方法が挙げられる。
▲1▼溶液コーティングにおいては、樹脂組成物(a)の溶液或いは分散液が用いられ、その際の溶媒としては水とアルコールの混合溶媒が使用され、水の量は30〜70重量%(アルコールの量は70〜30重量%)、好ましくは40〜60重量%(アルコールの量は60〜40重量%)であり、30重量%未満又は70重量%を越えると均一な溶液が得難く塗膜が不透明となるという問題点が生じる。またアルコールとしては メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、 iso−プロピルアルコール、 n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等が挙げられ、n−プロピルアルコール、iso −プロピルアルコールが好適に使用される。
【0014】
かかる樹脂組成物(a)溶液或いは分散液中の樹脂組成物(a)濃度は特に制限はなく任意の範囲で塗工可能で通常は0.5〜25重量%程度が好ましいが、本発明の効果を効率よく発揮するためには10〜20重量%が最も好ましい。
かかる樹脂組成物(a)溶液或いは分散液を基材の表面にコーティングするに当たっては公知の方法を採用することができ、例えばグラビアコーター、リバースロールコーター、エアナイフコーター、ロータースクリーンコーター、フラットスクリーンコーター、スプレー、ハケ塗り、バーコーター等が挙げられ、好適にはグラビアコーターやリバースロールコーターが使用される。その後加熱乾燥されて紙の表面にEVOHの塗膜層が形成される訳であるが、かかる樹脂組成物(a)溶液或いは分散液を紙に塗布・乾燥する際の理想的な、樹脂組成物(a)溶液或いは分散液塗布時の溶液粘度とその後の乾燥温度は、樹脂組成物(a)溶液塗布時の溶液粘度が50〜1000cps、その後の乾燥温度が80〜120℃程度の範囲よりそれぞれ任意に選択すればよい。また、乾燥時の時間は特に限定されないが、通常は10秒〜10分(更には30秒〜5分)の範囲より適宜選択される。
【0015】
また、樹脂組成物(a)塗膜層の(乾燥後の)厚みは特に限定されないが、1〜50μmが好ましく、特に2〜10μmとすることが好ましく、樹脂組成物(a)の着量(乾燥後の付着量)は、1〜50g/m2が好ましく、更には2〜10g/m2が好ましい。(樹脂組成物(a)の着量は、下記の▲2▼、▲3▼についても同様である。)かかる樹脂組成物(a)溶液或いは分散液の塗布に当たって、通常は基材の表面には接着剤(アンカーコート)層が設けられる。かかる接着剤としては、有機チタン系接着剤、2液反応型ポリウレタン系接着剤、ポリエステル/イソシアネート系接着剤等が挙げられ、好適には2液反応型ポリウレタン系接着剤が使用される。
【0016】
▲2▼溶融押出コーティングにおいては、基材の表面に必要に応じてプライマー処理を施しておくことが好ましく、該プライマー処理剤としては上記の▲1▼に記載の有機チタン系接着剤、2液反応型ポリウレタン系接着剤、ポリエステル/イソシアネート系接着剤等が挙げられ、好適には2液反応型ポリウレタン系接着剤が使用され、かかるプライマー処理剤の使用量は0.1〜10g/m2、好ましくは0.3〜5g/m2である。樹脂組成物(a)の溶融押出に際しては公知の溶融押出機を用いることができ、(必要によりプライマー処理された)基材の表面に溶融押出コーティングすることが好ましい。また、溶融押出コーティングの際には、樹脂組成物(a)の安定したコーティングを行うために必要に応じてポリオレフィン系樹脂等のサポート層を入れて、2種2層以上の溶融押出コーティングを行ってもよい。
【0017】
▲3▼フィルムラミネート(ドライラミネート)においては、基材の表面に必要に応じて上記の如きプライマー処理を行った後、有機チタン系接着剤、2液反応型ポリウレタン系接着剤、ポリエステル/イソシアネート系接着剤等の接着剤を介して行うのであるが、この場合の樹脂組成物(a)のフィルムは延伸、無延伸どちらでもよく、延伸の場合は短時間の熱処理と配向の効果で後述する融解熱を上げることができるが、後でエンボス処理等が施されるのであれば、収縮する可能性もあり、この場合には無延伸フィルムが好ましい。また、このときの樹脂組成物(a)フィルムの厚みは5〜50μmが好ましく、更には10〜20μmが好ましい。
【0018】
かくして本発明の樹脂組成物(a)(層)/熱可塑性樹脂(b)(層)の積層体が得られるわけであるが、本発明においてはこれ以外にも、本発明の樹脂組成物(a)層をa、熱可塑性樹脂(b)層をbとすると、b(ポリオレフィン系樹脂)/a/b(塩化ビニル樹脂)、 b(ポリオレフィン系樹脂)/a/(ポリオレフィン系樹脂)、a/b(ポリオレフィン系樹脂)/b(塩化ビニル樹脂)、a/b(ポリエステル系樹脂)/b(塩化ビニル樹脂)、b(アクリル系樹脂)/a/b(塩化ビニル樹脂)等の積層構造を挙げることができ、特に(表側)a/b(塩化ビニル樹脂)(裏側)、(表側)a/b(ポリオレフィン系樹脂)/b(塩化ビニル樹脂)(裏側)の積層構造を有するものは、壁紙や化粧用シート等の内装材用途に有用で、これらの積層体の熱可塑性樹脂(b)層の裏面には洋紙、和紙、不織布、アスベスト、紙、ガラス、繊維、布等の壁紙用の基材を粘(接)着剤を塗布し、カレンダー法、ラミネート法等の方法で張り合わせることも可能で、また紙にナイフコーターやロールコーター、フラットスクリーンコーターで塩化ビニル樹脂を塗布し、その後樹脂組成物(a)を積層させることもできる。
【0019】
かかる壁紙を壁に貼着する場合には、一般に用いられる水系澱粉糊等の公知の接着剤を基材に塗布し、壁面に圧着させればよく、また、意匠性等の付加価値を高めるために該積層体の少なくとも一方の表面にエンボス加工を施して凹凸模様を形成することも有用であり、凹凸模様としては木目導管模様、塗装板の表面を模したもの、抽象模様、石目模様、布目模様、万線模様、木肌模様及びそれらを組み合わせたもの等を用いることができ、かかるエンボス加工により形成される凹凸模様の深さは模様により異なるが、壁紙用途の場合、通常1〜200μm程度に形成するのが、良好な立体感を付与することとなり好ましい。
また、壁紙等の意匠性を付与するために塩化ビニル樹脂等の基材を発泡させることも有用で、この場合の樹脂組成物(a)の積層工程は発泡処理の前後どちらでもよいが、実質的には溶液コーティングの時は樹脂組成物(a)積層後に発泡処理を行うことが好ましく、溶融コーティング或いはフィルムラミネート法の時は発泡処理後に樹脂組成物(a)を積層することが好ましい。
【0020】
エンボス加工により凹凸模様を形成する方法としては、所望の凹凸模様を形成した通常の熱エンボス機を用いてエンボス加工を施す方法やエクストルージョンコート装置の冷却ロール等に所望の凹凸模様を付与したエンボスロールを用い、樹脂組成物層を形成するのと同時にエンボス加工を行う所謂ダブリングエンボス法等いわゆるメカニカルエンボス法あるいは発泡抑制剤や発泡促進剤を含むインクを印刷し、発泡工程で凹凸模様をつけるケミカルエンボス法等が用いられる。また、a/b(塩化ビニル樹脂)、a/b(ポリオレフィン系樹脂)、a/b(ポリオレフィン系樹脂)、a/b(ポリオレフィン系樹脂)/b(ポリオレフィン系樹脂)、a/b(ポリオレフィン系樹脂)/b(ポリオレフィン系樹脂)/b(ポリオレフィン系樹脂)・・・、a/b(塩化ビニル樹脂)/a、a/b(ポリオレフィン系樹脂)/a、a/b(ポリオレフィン系樹脂)/b(ポリオレフィン系樹脂)・・・/a等の積層構造を有するものは、農業用フィルム(シート)として有用である。
【0021】
本発明では積層体の各層に可塑剤(塩化ビニル樹脂層には当然のことながら含有されている)、安定剤、界面活性剤、架橋性物質(エポキシ化合物、多価金属、無機又は有機の多塩基酸又はその塩等)、充填剤、着色剤、補強材としての繊維(ガラス繊維、炭素繊維等)、艶消剤(タルク、シリカ系粉末、ポリエチレン、ポリウレタン等の樹脂微粒子粉末)等を本発明の効果を阻害しない範囲において配合することもできる。
【0022】
尚、上記の如きa/b、b/a/b、・・・・・等の積層体におけるaおよびbの厚みはその用途等により一概に規定できないが、通常はaが1〜50μm、bが50〜10000μm程度の範囲から任意に選択され、層間に接着剤を用いる場合の該接着剤層の厚みは0.1〜10μm程度である。
かくして得られた本発明の積層体は、建築内装用の壁紙や家具等の仕上げ用の化粧シートなどをはじめデスクマット等の事務用品、塩ビレザーの表紙を用いた手帳やファイル等の文房具、自動車用の内装用資材、農業用フィルム等の農業用資材、日用雑貨(ビニルマット、傘等)などに利用することができ、中でも上記で詳述したように壁紙や化粧シート等の内装材や農業用フィルム(シート)に大変有用であり、殊に耐汚染性(汚染除去性)に優れた壁紙に有用である。
【0023】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明の方法を具体的に説明する。
なお、「%」、「部」とあるのは特にことわりのない限り、いずれも重量基準を意味する。
実施例1
エチレン含有量44モル%,ケン化度99.7モル%,MI12g/10分(210℃、2160g荷重)のEVOH(A)80部及びSP値9.1,MI1g/10分(200℃、5kg荷重)のポリスチレン(B)20部を溶融混合した後、かかる混合物にホウ酸(C)0.044部配合して本発明の樹脂組成物(a)を得た。
次いでかかる樹脂組成物(a)を二軸押出機にてリペット後、単軸押出機にて厚さ20μmのフィルムに成形した。
更に、片面にイソシアネート反応型ポリウレタン系接着剤(東洋モートン社製、AD−335A/cat−10)が1.5g/m2塗工された厚み400μmの軟質ポリ塩化ビニル(b)のシート(可塑剤含有量約50重量%)の接着剤面に上記のフィルムをドライラミネートして積層体を作製した。
得られた積層体を用いて以下の評価を行った。
【0024】
(汚染除去性)
積層体の樹脂組成物層表面に約70℃のホットコーヒーを直径2cm程度の大きさに塗布あるいは滴下し、20℃で24時間放置後に水を含ませたさらし木綿で拭き取った後の積層体の表面状態を目視により以下の通り評価した。なお、軟質ポリ塩化ビニル樹脂シート単独層についても同様に行った。
また、別途、得られた積層体を40℃で1日間放置処理して同様の評価を行った。
尚、靴墨(中性洗剤で拭き取った)、和がらし、水性マジック(市販の洗剤(マジックリン)で拭き取った)についても同様に評価した。
○ −−− 完全に拭き取れて汚染の痕跡が認められない。
△ −−− 汚染の痕跡は認められるものの、軟質ポリ塩化ビニル樹脂シート単独層の場合よりも痕跡は少ない。
× −−− 軟質ポリ塩化ビニル樹脂シート単独層の場合と同等の痕跡が認められる。
【0025】
(可塑剤移行性)
積層体(10cm×10cm)を樹脂組成物(a)層が上になるように平坦な場所に置き、樹脂組成物(a)層表面と接するように厚さ3mm,直径5cmの可塑剤無添加の塩化ビニル樹脂板を置いた後、均一に50g/cm2の荷重をかけて、70℃、90%RHで10日放置後の該塩化ビニル樹脂板の重量変化(可塑剤移行量)(g/m2)を測定して、以下の通り評価した。
○ −−− 重量変化が2g/m2未満
× −−− 重量変化が2g/m2以上
(耐薬品性)
エタノールを約1ccを積層体の樹脂組成物層表面に滴下し、常態で1時間放置後の表面状態を目視観察して、以下の通り評価した。
○ −−− 異状無し
× −−− 膨潤が認められる
【0028】
実施例
実施例1において、ホウ酸(C)の配合量を0.055部とした以外は同様に行って積層体を得て、同様に評価を行った。
【0029】
実施例
実施例において、EVOH(A)及びポリスチレン(B)の配合重量比を(A)/(B)=70部/30部とした以外は同様に行って積層体を得て、同様に評価を行った。
【0033】
比較例1
実施例1において、ポリスチレン(B)に代えて、ポリイソプレン(SP値=8.0)を用いた以外は同様に行って積層体を得て、同様に評価を行った。
【0034】
比較例2
実施例1において、ポリスチレン(B)に代えて、ポリアクリロニトリル(SP値=12)を用いた以外は同様に行って積層体を得て、同様に評価を行った。
【0035】
比較例3
実施例1において、ホウ酸(C)を無添加とした以外は同様に行って積層体を得て、同様に評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0036】
【表1】
Figure 0003888731
【0037】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、EVOHに特定のポリスチレン系化合物及びホウ素化合物を配合しているため、耐防汚性(汚染除去性)に優れ、建築内装用の壁紙や家具等の仕上げ用の化粧シートなどをはじめデスクマット等の事務用品、塩ビレザーの表紙を用いた手帳やファイル等の文房具、自動車用の内装用資材、農業用フィルム等の農業用資材、日用雑貨(ビニルマット、傘等)などの積層体にも大変有用である。

Claims (8)

  1. エチレン含有量20〜60モル%,ケン化度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)、SP値(Smallの式より算出)が8.5〜11のポリスチレン系化合物(B)およびホウ素化合物(C)からなることを特徴とする樹脂組成物。
  2. ホウ素化合物(C)がホウ酸またはその金属塩であることを特徴とする請求項1記載の樹脂組成物。
  3. エチレン含有量20〜60モル%,ケン化度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)およびSP値(Smallの式より算出)が8.5〜11のポリスチレン系化合物(B)の配合重量比が(A)/(B)=95〜50/5〜50であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の樹脂組成物。
  4. ホウ素化合物(C)の配合量がエチレン含有量20〜60モル%,ケン化度90モル%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(A)100重量部に対して0.001〜0.1重量部であることを特徴とする請求項1〜いずれか記載の樹脂組成物。
  5. 請求項1〜いずれか記載の樹脂組成物(a)を少なくとも1層積層したことを特徴とする積層体。
  6. 樹脂組成物(a)と積層される他の層が熱可塑性樹脂(b)からなる層であることを特徴とする請求項記載の積層体。
  7. 熱可塑性樹脂(b)が塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂のいずれかであることを特徴とする請求項記載の積層体。
  8. 溶液コーティング法、共押出法、ドライラミネート法のいずれかの方法で積層されたことを特徴とする請求項5〜7いずれか記載の積層体。
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