JP3886237B2 - 工作機械 - Google Patents

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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23Q1/00Members which are comprised in the general build-up of a form of machine, particularly relatively large fixed members
    • B23Q1/25Movable or adjustable work or tool supports
    • B23Q1/44Movable or adjustable work or tool supports using particular mechanisms
    • B23Q1/48Movable or adjustable work or tool supports using particular mechanisms with sliding pairs and rotating pairs
    • B23Q1/4804Movable or adjustable work or tool supports using particular mechanisms with sliding pairs and rotating pairs a single rotating pair followed perpendicularly by a single sliding pair
    • B23Q1/4819Movable or adjustable work or tool supports using particular mechanisms with sliding pairs and rotating pairs a single rotating pair followed perpendicularly by a single sliding pair followed perpendicularly by a single sliding pair
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • B23B3/00General-purpose turning-machines or devices, e.g. centre lathes with feed rod and lead screw; Sets of turning-machines
    • B23B3/06Turning-machines or devices characterised only by the special arrangement of constructional units
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    • B23B3/26Turning-machines or devices with rotary tool heads the tools of which perform a radial movement; Rotary tool heads thereof

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Machine Tool Positioning Apparatuses (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1つの旋削工具で複数の刃先位置を設定できるようになった工作機械に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複合加工CNC旋盤等の旋盤において、様々なタイプの刃物台が採用されている。また、1つの旋削工具を異なる複数の加工モード(外径加工や内径加工など)で使用可能とすれば、各加工モード毎に旋削工具を別個に使用するのに比べて、使用する旋削工具の本数を減らすことができ、これにより機械のマガジン本数を減らすことができ、またATCの回数を減らせるので加工時間が短縮できることが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、異なる加工モードにおいては、旋削工具のバイトの向きを上下や左右に回して刃先の方向を変更しない限り、1つの旋削工具では兼用できないことが多い。従って、1つの旋削工具で、その刃先の方向を変更可能とし、即ち複数の刃先位置を設定可能とし、これによって使用する旋削工具の本数を減らすようにすることが望まれている。
【0004】
そこで本発明は上記事情に鑑み、1つの旋削工具で複数の刃先位置を設定できる工作機械を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
即ち本発明のうち最も基本となる基本発明は、回転駆動自在なワーク主軸(7)、該ワーク主軸(7)の軸心(CT1)に平行なZ軸方向に往復移動駆動自在な刃物台ベース(12)、該刃物台ベース(12)上で前記Z軸方向に直角なX軸方向に往復移動駆動自在な刃物台(13)、該刃物台(13)の前端側に配設された主軸支持体(35)、前端に工具装着部(33)を有すると共に自軸の軸心(CT3)を前記ワーク主軸(7)の軸心(CT1)に指向させて前記主軸支持体(35)に加工回転駆動手段(32a)により加工回転駆動自在に支持された工具主軸(32)、複数の旋削工具(60A)と回転工具(60B)とを保持するための工具保持手段(15a)を有するツールマガジン(15)及び該ツールマガジン(15)から選択された旋削工具(60A)又は回転工具(60B)の一つを取り出してその工具を前記工具主軸(32)の工具装着部(33)に工具交換可能に装着するようにした自動工具交換装置(16)を備えてなる旋削加工及び回転加工の実施可能な工作機械(1)において、前記主軸支持体(35)は、前記刃物台(13)の前端側において、前記ワーク主軸(7)の軸心(CT1)に直角なY軸方向の中心軸(CT2)のまわりに回転自在に支持されると共に、該主軸支持体(35)の割出し回転駆動手段(30a,30b,50)及び噛合い係合方式のヘッドクランプ機構(55)と摩擦面の摩擦力による固定方式(以下、単に「摩擦面方式」という)の簡易クランプ機構(63)とからなる二種類の割出し回転位置決め手段(55,63)を設け、前記主軸支持体の割出し回転駆動手段及び前記二種類の割出し回転位置決め手段により、前記工具装着部(33)の軸心(CT3)を前記ワーク主軸(7)の軸心(CT1)に直角なY軸方向の中心軸(CT2)を中心に前記旋削工具(60A)の先端が前記Y軸を基準として前記Z軸と平行でワーク側向きとなる角度位置(B0)から、前記Y軸を基準として前記Z軸と平行でワークと反対側向きとなる角度位置(B180)までの数の第1回転角度位置(B0−B90−B180)に位置決めすることができ、また、噛合い係合方式のカップリングクランプ機構(40)からなる前記工具主軸(32)の自軸まわりの割出し回転位置決め手段(40,41,42,43,45)を設けると共に、前記加工回転駆動手段(32a)を割出し回転駆動手段に転用できるようにし、前記工具主軸の自軸まわりの割出し回転位置決め手段及び割出し回転駆動手段に転用した前記加工回転駆動手段により、前記工具装着部(33)を前記工具主軸(32)の中心軸(CT3)を中心に前記工具主軸(32)の軸心(CT3)がX軸方向を指向する位置にあるとき、前記旋削工具(60A)の刃先が前記Y軸を基準として前記Z軸と平行でワーク側向きとなる第1位置(S1)と前記Y軸を基準として前記Z軸と平行でワークと反対側向きとなる第2位置(S2)との二つの第2回転角度位置(S1、S2)に位置決めすることができるように構成されており、前記工具装着部(33)に装着された旋削工具(60A)の加工位置として、前記数の第1回転角度位置(B0−B90−B180)のうちの一つと、前記二つの第2回転角度位置(S1、S2)のうちの一つとの組合せからなる数の加工位置(KP1−KP3−KP4)のうちの一つの加工位置を選択して単一の旋削工具により多様な旋削加工を行えるようにしたことを特徴とするものである。
【0006】
発明のうち前記基本発明に従属する第1の発明は、前記基本発明の工作機械(1)において、前記ツールマガジン(15)の工具保持手段(15a)に保持された各旋削工具(60A)の工具識別情報(kb)を格納した第1メモリ(106)を設け、前記工具保持手段(15a)に保持されていた旋削工具(60A)の一つを前記工具識別情報(kb)に基づいて選択的に取り出して前記工具装着部(33)に装着するようにし、単一の旋削工具(60A)に関する、2つ以上の前記加工位置(KP1〜KP3、KP4)ごとの刃先位置データ(Xt、Zt)を、前記各加工位置(KP1〜KP3、KP4)の加工位置識別情報(ks)と共に格納した刃先位置データファイルメモリ(217)を有し、旋削工具(60A)の工具識別情報(kb)と共に、該旋削工具(60A)を装着して加工を行おうとする前記工具装着部(33)の加工位置(KP1〜KP3、KP4)についての加工位置識別情報(ks)を入力し得る加工情報入力手段(102a)を設け、前記加工情報入力手段(102a)により入力された工具識別情報(kb)及び加工位置識別情報(ks)を格納する加工情報メモリ(109)を設け、前記加工情報メモリ(109)に格納された加工位置識別情報(ks)に基づいて、前記工具装着部位置決め駆動手段(32a、40、50、55)を制御する工具装着部位置決め制御部(431、432)を設け、前記加工情報メモリ(109)に格納された工具識別情報(kb)及び加工位置識別情報(ks)に基づいて、これら工具識別情報(kb)及び加工位置識別情報(ks)に対応する刃先位置データ(Xt、Zt)を、前記刃先位置データファイルメモリ(217)から取り出し、該刃先位置データ(Xt、Zt)を用いて前記刃物台(13)を前記ワーク主軸(7)に対して相対的に移動駆動する形で加工を実行する加工制御手段(210、217、219、430)を設けて構成したことを特徴とするものである。
【0007】
また本発明のうち前記第1の発明に従属する第2の発明は、第1の発明の工作機械(1)において、前記工具装着部(33)に装着された旋削工具(60A)の刃先位置を刃先位置データ(Xt、Zt)として演算検出し出力自在な刃先位置検出手段(52、540)を設け、前記工具保持手段(15a)に保持された各旋削工具(60A)に関する刃先位置データ(Xt、Zt)を検出して入力するための指令を含むデータ入力プログラム(TRP)が保存された第2メモリ(215)を設け、前記データ入力プログラム(TRP)に基づいて、前記工具保持手段(15a)に保持された各旋削工具(60A)を順次取り出して前記工具装着部(33)に順次装着するように前記工具装着手段(15b、16)を制御する工具装着手段制御部(433)を設け、前記工具装着部(33)に各旋削工具(60A)が装着されるごとに、該工具装着部(33)を加工位置(KP1〜KP3、KP4)に順次位置決めする形で工具装着部位置決め駆動手段(32a、40、50、55)を制御する工具装着部位置決め駆動手段制御部(431、432)を設け、前記工具装着部(33)が各加工位置(KP1〜KP3、KP4)に位置決めされた状態で、該工具装着部(33)に装着された旋削工具(60A)の刃先位置を刃先位置データ(Xt、Zt)として演算検出するように前記刃先位置検出手段(52、540)を制御する刃先位置検出制御部(437)を設け、前記刃先位置検出手段(52、540)により演算検出された刃先位置データ(Xt、Zt)前記刃先位置データファイルメモリ(217)に格納する刃先位置データ格納制御部(439)を設けたことを特徴とするものである。
【0008】
また本発明のうち前記第1の発明に従属する第3の発明は、第1の発明の工作機械(1)において、前記工具装着部(33)に装着された旋削工具(60A)の刃先位置を刃先位置データ(Xt、Zt)として演算検出し出力自在な刃先位置検出手段(52、540)を設け、前記工具保持手段(15a)に保持された各旋削工具(60A)に関する刃先位置データ(Xt、Zt)を検出して入力するための指令を含むデータ入力プログラム(TRQ)が保存された第2メモリ(215)を設け、前記データ入力プログラム(TRQ)に基づいて、前記工具保持手段(15a)に保持された各旋削工具(60A)を順次取り出して前記工具装着部(33)に順次装着するように前記工具装着手段(15b、16)を制御する工具装着手段制御部(433)を設け、前記工具装着部(33)に各旋削工具(60A)が装着されるごとに、該工具装着部(33)を少なくとも1つの加工位置(KP1〜KP3、KP4)に位置決めする形で工具装着部位置決め駆動手段(32a、40、50、55)を制御する工具装着部位置決め駆動手段制御部(431、432)を設け、前記工具装着部(33)が前記加工位置(KP1〜KP3、KP4)に位置決めされた状態で、該工具装着部(33)に装着された旋削工具(60A)の刃先位置を刃先位置データ(Xt、Zt)として演算検出するように前記刃先位置検出手段(52、540)を制御する刃先位置検出制御部(437)を設け、前記刃先位置検出手段(52、540)により演算検出された刃先位置データ(Xt、Zt)に基づいて、前記工具装着部(33)に装着された同一の旋削工具(60A)に関する別の加工位置(KP1〜KP3、KP4)での刃先位置データ(Xt、Zt)を演算する刃先位置演算部(650)を設け、前記刃先位置検出手段(52、540)により演算検出された刃先位置データ(Xt、Zt)及び、前記刃先位置演算部(650)により演算された刃先位置データ(Xt、Zt)を、前記刃先位置データファイルメモリ(217)に格納する刃先位置データ格納制御部(439)を設けたことを特徴とするものである。
【0009】
なお、括弧内の番号等は、図面における対応する要素を示す便宜的なものであり、従って、本記述は図面上の記載に限定拘束されるものではない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、本発明による工作機械の一例である旋盤を示した斜視図、
図2は、図1に示す旋盤のフロントドア内側を示した斜視図、
図3は、旋削工具ユニットが装着された状態の工具主軸先端付近を示した側面図、
図4は、工具主軸付近を示した側断面図、
図5は、工具主軸先端付近の詳細を示した側断面図、
図6は、制御装置を示したブロック図、
図7(a)は、刃先位置データファイルの内容を示した図、
図7(b)は、工具データファイルの内容を示した図、
図8は、刃先位置データ入力プログラムを示したフローチャート、
図9は、ディスプレイに表示された加工情報等を示した図、
図10乃至図13は、ワークの加工における一工程を示した図、
図14及び図15は、別のタイプの旋盤におけるワーク加工の一工程を示した図、
図16は、別の刃先位置データ入力プログラムを示したフローチャートである。
【0011】
複合加工CNC旋盤である旋盤1は、図1に示すように略直方体状のフレーム2を有しており、フレーム2の前面側(図1の紙面手前側)にはフロントドア3が開閉自在に設けられている。フレーム2の内部には主軸台6が設置されており、主軸台6には、図1及び図2に示すようにワーク主軸7が、Z軸となっているその軸心CT1を中心に図の矢印Q、R方向(C軸方向)に回転駆動自在に軸支されている。ワーク主軸7の先端側(図1の紙面右側)にはチャック9が、加工しようとするワーク10を複数のチャック爪9bにより把持し得る形で設けられている。また、フレーム2の内部には刃物台ユニット11が設けられており、刃物台ユニット11は刃物台ベース12を、前記ワーク主軸7の軸心CT1に平行な矢印H、I方向(Z軸方向)に、前記フレーム2に対して移動駆動自在な形で有している。刃物台ベース12には刃物台13が、前記Z軸方向に直角で、かつ鉛直方向からやや傾斜した方向となるX軸方向である図1及び図2の矢印D、E方向に移動駆動自在に設けられている。
【0012】
刃物台13は刃物台本体13aを有しており、刃物台本体13aの矢印D側の先端側には、図2乃至図4に示すように主軸取付部30が形成されている。主軸取付部30には主軸支持体35が、前記X軸方向及びZ軸方向に対して直角なY軸となる軸心CT2を中心に図の矢印T、U方向(B軸方向)に、ヘッド回動駆動機構50を介して回動駆動自在に設けられている。ヘッド回動駆動機構50は、刃物台本体13a内において動力源として内蔵した図示しない適宜な回動駆動用モータ及び、該回動駆動用モータからの駆動力を主軸支持体35に伝達自在な、歯車30bやシャフト(図示せず)等からなる動力伝達機構30aによって構成されている。更に、主軸取付部30と主軸支持体35の間には噛合い係合方式のヘッドクランプ機構55が設けられている。ヘッドクランプ機構55は、図4に示すように主軸支持体35がその一部として固定的に有した回動部カップリング56を有している。回動部カップリング56は前記軸心CT2を中心にした略環状形状に形成されており、その一端側(即ち、図4の紙面上側)には複数の噛合用突起が形成されている。
【0013】
また、ヘッドクランプ機構55は、主軸取付部30に固定して設けられた固定用カップリング57を有している。固定用カップリング57は、前記軸心CT2を中心にした略環状形状に形成されており、上述した回動部カップリング56の内周側に配置されている。固定用カップリング57には、その一端側(即ち、図4の紙面上側)に複数の噛合用突起が形成されている。更に、ヘッドクランプ機構55は、固定用カップリング57及び回動部カップリング56相互を軸心CT2を中心に所定角度毎に係合・係合解除自在とするカップリング駆動機構25を有している。即ち、カップリング駆動機構25は、主軸取付部30のうち上述した固定用カップリング57よりも図4中上側の位置に設けられた、前記軸心CT2を中心にした環形状中空のシリンダ59を有している。更にカップリング駆動機構25は、このシリンダ59内で油圧オイル等により矢印A、C方向に移動駆動自在になったピストン状のクランプカップリング61を有している。クランプカップリング61の一端側(即ち図4の紙面下側)には、回動部カップリング56及び固定用カップリング57に対向する大きさ及び位置で複数の噛合用突起が形成されている。
【0014】
なお、回動部カップリング56の外周側にはギア部56dが螺刻形成されており、このギア部56dと、上述した動力伝達機構30aの歯車30bが噛合している。即ち、回動部カップリング56は動力伝達機構30aに含まれている。これにより、動力伝達機構30aは歯車30bを介して回動部カップリング56を回動し、その結果、主軸支持体35全体を軸心CT2を中心に矢印T、U方向に回動駆動し得るようになっている。更に、主軸取付部30と主軸支持体35の間には摩擦面方式の簡易クランプ機構63も設けられている。簡易クランプ機構63は、図4に示すように、前記回動部カップリング56の矢印C方向(図4の紙面下方)に向いた環状平面である回動側摩擦面56c及び、該回動側摩擦面56cと隣接対向して配置され、主軸取付部30において形成された環状平面である固定側摩擦面65aを有している。更に簡易クランプ機構63はクランプ面駆動機構27を有している。即ち、クランプ面駆動機構27は、上述した回動部カップリング56及び付勢手段69から構成されている。付勢手段69は、上述した回動部カップリング56よりも図4の紙面上側(矢印A側)の位置に形成された、前記軸心CT2を中心にした環形状中空のシリンダ66を有している。また、付勢手段69は、このシリンダ66内で油圧オイル等により矢印A、C方向に移動駆動自在になったピストン状の押圧体67を有しており、押圧体67の矢印C側には、前記回動部カップリング56が隣接配置されている。
【0015】
一方、主軸支持体35は、図2及び図4に示すように、その先端側(矢印A側)に設けられた形でヘッドストック31を有している。ヘッドストック31は、少なくとも図4の矢印F方向に開口した略筒状の形状をなしており、ヘッドストック31内部には工具主軸32が、矢印F、G方向の軸心CT3を中心に図の矢印J、K方向に軸回転自在に支持されて設けられている。なお、軸心CT3の伸延方向である矢印F、G方向は前記Y軸方向と直角な方向となっている。工具主軸32は、ヘッドストック31に対して、ベアリングユニット37を介して支持されている。なおベアリングユニット37は、工具主軸32の先端側である矢印F側に配置された軸受装置37aと工具主軸32の後端側である矢印G側に配置された軸受装置37bを有している。工具主軸32の先端側(即ち図の矢印F側)は、図4及び図5に示すように、基本的に略円筒状に形成された工具装着部33となっており、該工具装着部33には、図3又は図5に示すように旋削工具ユニット60A(或いは図2に示すように回転工具ユニット60B)が着脱自在に装着されている(なお、図4では工具主軸32に工具ユニットが装着されていない状態を示している)。また、刃物台本体13a内には図示しない適宜な主軸駆動用モータが内蔵されており、該主軸駆動用モータと前記工具主軸32の間には、図4に示すように、歯車(一部のみ図示)やシャフト等からなる適宜な動力伝達手段32aが、前記主軸駆動用モータからの動力を伝達することにより、前記工具主軸32を軸心CT3を中心に図の矢印J、K方向に軸回駆動自在になっている。
【0016】
また、ヘッドストック31と工具主軸32の間には、上述した軸受装置37aの近傍で、かつこれよりも矢印F側の位置において、噛合い係合方式のカップリングクランプ機構40が設けられている。即ち、カップリングクランプ機構40は、図5に示すように、工具主軸32に固定して設けられた主軸カップリング42を有している。主軸カップリング42は工具主軸32の外周側に、フランジ状に形成されており、その矢印F方向に向いた面には、該矢印F方向に突出した形で複数の噛合用突起形成されている。また、カップリングクランプ機構40は、ヘッドストック31に設けられた固定用カップリング45を有している。固定用カップリング45は、上述した主軸カップリング42の外周側に対応して配置され、前記ヘッドストック31に固定され、しかも矢印F、G方向に略垂直な、前記主軸カップリング42の外側を囲む環状に形成されている。固定用カップリング45にはその矢印F方向に向いた面に、該矢印F方向に突出した形で複数の噛合用突起が形成されている。更に、ヘッドストック31のうち上述した固定用カップリング45よりも矢印F側の位置には、該ヘッドストック31内に設けられ形で中空のシリンダ41が形成されている。シリンダ41は、工具主軸32の放射方向外側に配置され、該工具主軸32と同心状の環形状をなしている。そして前記カップリングクランプ機構40は、このシリンダ41を介してヘッドストック31に支持された形でクランプカップリング43を有している。即ち、クランプカップリング43は、シリンダ41内で油圧オイル等により矢印F、G方向に移動駆動自在になった基本的にピストン体となっている。クランプカップリング43の矢印G側には、主軸カップリング42及び固定用カップリング45に対向する大きさ及び位置で複数の噛合用突起が形成されている。
【0017】
また、旋盤1は制御装置100を有している。制御装置100は図6に示すように主制御部101を有しており、主制御部101にはバス線を介して、キーボード102、ディスプレイ103、加工条件演算部105、工具データファイルメモリ106、加工プログラム作成部107、加工プログラムメモリ109、加工制御部210、刃先位置データ入力管理部211、加工情報入力管理部212、加工情報メモリ213、システムプログラムメモリ215、変数メモリ216、刃先位置データファイルメモリ217、ワーク主軸制御部219、刃物台駆動制御部430、ヘッドストック回動制御部431、工具主軸回転制御部432、ツール交換制御部433、工具位置判定部435、主軸位置検出部436、刃先位置検出装置制御部437、データ入力部439、刃先位置データ演算検出部540、工具情報メモリ541等が接続されている。更に旋盤1は、図1に示すように、旋削工具ユニット60Aや回転工具ユニット60B等の複数の工具を保持し得る複数のポケット15aを有し、マガジン駆動機構15bにより駆動するようになっている公知のツールマガジン15及び、工具主軸32に工具をツールマガジン15から取り出して交換装着することのできる公知の自動工具交換装置16を有している。
【0018】
旋盤1は以上のように構成されており、本実施例の旋盤1の特徴として、工具主軸32に装着した1つの旋削工具ユニット60Aにおいて、そのバイト刃先の方向が変更可能、即ち複数の刃先位置を設定可能となっている。即ち、旋削工具ユニット60Aにおいてバイト刃先の方向を変更するには、まず図4に示すヘッドクランプ機構55においてクランプカップリング61を矢印A方向に移動駆動させて、回動部カップリング56及び固定用カップリング57との噛合を解除する(簡易クランプ機構63では回動側摩擦面56cと固定側摩擦面65aとの間の摩擦力による固定を解除しておく)。次いで、ヘッド回動駆動機構50により主軸支持体35及びヘッドストック31を矢印T、U方向(B軸方向)に回動駆動させることにより、工具主軸32の位置を矢印T、U方向(B軸方向)に所望する位置まで移動させ配置させる。例えば図3に示すように工具主軸32の位置が、二点鎖線で示した位置B0(軸心CT3がZ軸方向と平行になる位置)や、実線で示した位置B90(軸心CT3がX軸方向と平行になる位置、前記位置B0からB軸方向に90度移動した位置)等、即ち軸心CT2を中心とした複数の角度位置に配置される。次いで、ヘッドクランプ機構55においてクランプカップリング61を矢印C方向に移動駆動させて、回動部カップリング56及び固定用カップリング57と噛合させ、工具主軸32等をB軸方向に移動しないようにクランプし位置決めする(つまり上述した位置B0、B90等における位置決めが完了)。これと共に、図4及び図5に示すカップリングクランプ機構40においてクランプカップリング43を矢印F方向に移動駆動させて、主軸カップリング42及び固定用カップリング45との噛合を解除させ、工具主軸32を、その矢印J、K方向に回転可能な状態にアンクランプした上で、動力伝達手段32aを介して工具主軸32を矢印J、K方向に軸回転駆動させることにより、工具主軸32の位置を矢印J、K方向に所望する位置まで移動させ配置させる。例えば図3に示すように工具主軸32の工具装着部33の位置が、実線や図中左上の二点鎖線で示した位置S1や、図中右下の二点鎖線で示した位置S2(前記位置S1から矢印J、K方向に180度移動した位置)等、即ち軸心CT3を中心とした複数の角度位置に配置される。次いで、カップリングクランプ機構40においてクランプカップリング43を矢印G方向に移動駆動させて、主軸カップリング42及び固定用カップリング45と噛合させ、工具主軸32を矢印J、K方向に回転しないようにクランプし位置決めする(つまり工具装着部33が上述した位置S1、S2等における位置決めが完了)。
【0019】
なお、工具主軸32が位置B0で工具装着部33が位置S1となる該工具装着部33の位置は加工位置KP1となっており、工具主軸32が位置B90で工具装着部33が位置S1となる該工具装着部33の位置は加工位置KP2となっており、工具主軸32が位置B90で工具装着部33が位置S2となる該工具装着部33の位置は加工位置KP3となっている。言い替えれば、前記工具装着部33は、前記位置(B0、B90)及び前記位置(S1、S2)の組合せからなる複数の加工位置KP1、KP2、KP3において位置決め自在に形成されている。以上のように工具装着部33の加工位置KP1、KP2、KP3を変更することにより、1つの旋削工具ユニット60Aにおいてバイト刃先の方向が変更可能、従って1つの旋削工具ユニット60Aにおいて複数の刃先位置が設定可能となっている。
【0020】
以下、各旋削工具ユニット60Aに関する加工位置KP1、KP2、KP3における刃先位置データの入力を説明する(なお、回転工具ユニット60Bに関する刃先位置データ等の入力は公知の適宜な方法により行われるものとする)。なお、制御装置100の工具データファイルメモリ106には、刃先位置データの入力を行うより先に予め作成された工具データファイルKDFが保存されており、工具データファイルKDFでは、図7(b)に示すようにツールマガジン15の各ポケット15aのポケット番号(1、2、3、……)ごとに、該ポケット15aに保持された工具の工具番号kb(001、012、031、……)が公知の方法によって入力されテーブル形式で格納されている。更に工具データファイルKDFでは、図に示すように「管理番号」の欄が「ポケット番号」及び「工具番号」に対応する形で設けられており、この「管理番号」の欄の情報は、例えば上述したポケット番号(1、2、3、……)の順に工具番号kb(001、012、031、……)を取り出し、取り出した該工具番号kbに基づき、工具情報メモリ541に予め保存されている図示しない公知の工具情報ファイル(工具番号ごとに、その工具に関する種類、工具の適切な周速及び送り速度等の情報が格納されている)を参照する形で、該工具番号kbの工具の種類(バイト、ドリル、エンドミル、……)を検出し、検出した工具の種類が旋削工具(バイト等)である場合にのみ、該工具番号kbに対して管理番号tn(1、2、3、……)を順次つける形で入力されている。
【0021】
刃先位置データの入力は、まずオペレータが制御装置100のキーボード102を介して刃先位置データの入力を指令する。この指令C1は主制御部101に伝送され、主制御部101は刃先位置データ入力管理部211に刃先位置データの入力を指令する。これを受けて刃先位置データ入力管理部211は、システムプログラムメモリ215に保存している刃先位置データ入力プログラムTRPを読み出し、読み出した該プログラムTRPに従って処理を行う。なお、刃先位置データ入力プログラムTRPは、図8に示すようにツールマガジン15内の各旋削工具ユニット60Aに関して加工位置KP1、KP2、KP3における各刃先位置を刃先位置データ(例えば軸心CT2、CT3の交点を原点GPとし、前記X軸に平行なX’軸及び前記Z軸に平行なZ’軸を設定した場合の、X’座標位置Xt及びZ’座標位置Zt)として演算検出し刃先位置データファイルTDF(後述)に格納するよう指示するプログラムである。
【0022】
即ち、刃先位置データ入力管理部211は読み出した刃先位置データ入力プログラムTRPに従って、まず変数メモリ216に保存されている変数tn及び変数iに初期値である1をそれぞれ代入する(ステップSTP1)。なお、変数tnは上述した工具データファイルKDFの管理番号tn(1、2、3、……)に対応したものであり、変数iは加工位置KPi(i=1、2、3)に対応したものである。次いで、刃先位置データ入力管理部211は、工具主軸32を所定の工具交換位置である基準位置KJPに移動させるように加工制御部210に指令する。なお、基準位置KJPとは、刃物台13が機械原点位置にあり、かつ工具主軸32が位置B0、S1をとる状態での該工具主軸32の位置となっている。加工制御部210はこの指令を受けて刃物台駆動制御部430に刃物台の駆動・位置決めを指令し、これを受けて刃物台駆動制御部430は刃物台ベース12を矢印H、I方向に移動駆動して位置決めし、刃物台13を矢印E、D方向に移動駆動して位置決めさせる形で該刃物台13を所定の機械原点位置に復帰させる。
【0023】
また同時に加工制御部210は、前記刃先位置データ入力管理部211からの指令を受けてヘッドストック回動制御部431にヘッドストック31のB軸方向(矢印T、U方向)の回動駆動・位置決めを指令し、これを受けてヘッドストック回動制御部431は、ヘッドクランプ機構55を駆動することによりヘッドストック31側のクランプ又はアンクランプを行うと共に、ヘッド回動駆動機構50を駆動することにより、ヘッドストック31側を矢印T、U方向に回動させて、工具主軸32を図3の二点鎖線で示すように位置B0に位置決め配置する。更に加工制御部210は、これと共に前記刃先位置データ入力管理部211からの指令を受けて工具主軸回転制御部432に工具主軸32の矢印J、K方向の回転駆動・位置決めを指令し、これを受けて工具主軸回転制御部432は、カップリングクランプ機構40を駆動することによりヘッドストック31に対する工具主軸32側のクランプ又はアンクランプを行い、また動力伝達機構32aを介する工具主軸32の回転駆動を制御することにより該工具主軸32を矢印J、K方向に回転駆動させて、工具主軸32の工具装着部33を図3の二点鎖線で示すように位置S1に位置決め配置する。こうして工具主軸32は基準位置KJPに位置決め配置された(ステップSTP2)。
【0024】
工具主軸32が基準位置KJPに位置決め配置されると、ツール交換制御部433は、変数メモリ216中の変数tn=1及び、図7(b)に示す工具データファイルメモリ106中の工具データファイルKDFを参照してマガジン駆動機構15bの駆動を制御する形でツールマガジン15を駆動し、該変数tn(管理番号tn)の値に対応した工具番号kbの旋削工具ユニット60A(この場合は工具番号001なのでポケット番号1のポケット15aに保存されている)を割り出させる。またツール交換制御部433は、自動工具交換装置16を駆動することにより、ツールマガジン15により割り出された前記旋削工具ユニット60Aを工具主軸32に装着させる(ステップSTP3)。次いで、加工位置判定部435は、変数メモリ216中の変数i=1を参照し、この変数iの値に対応した加工位置KPi(この場合、KP1)に工具装着部33が配置されているか否かを判定する(ステップSTP4)。即ち、工具主軸32のB軸方向の位置を検出自在な図示しない第1の位置センサ及び、工具主軸32の軸心CT3回りの位置を検出自在な図示しない第2の位置センサに接続された主軸位置検出部436により工具主軸32の位置が検出されている。この場合は、既に工具主軸32が基準位置KJPに配置されているので、主軸位置検出部436により工具主軸32の位置B0、S1が検出され、該検出された位置情報が加工位置判定部435に伝送される。従って、加工位置判定部435は工具主軸32の位置が位置B0、S1であることより、工具装着部33が加工位置KP1に配置されていると判定し刃先位置データ入力管理部211に所定の判定結果を出力する。
【0025】
刃先位置データ入力管理部211は前記所定の判定結果を受け取ると、データ入力部439にデータの入力を命じる。刃先位置データファイルメモリ217には図7(a)に示すような刃先位置データファイルTDFが保存されており、刃先位置データファイルTDFには、「管理番号」、「主軸位置」、「刃物台位置」等の欄がテーブル形式で設けられている。データ入力部439は、現在装着されている旋削工具ユニット60Aの管理番号tnを、変数メモリ216中の変数tn=1より検出し、これを刃先位置データファイルTDFの該当位置に入力する(「管理番号」の位置に「1」と入力された)。また、データ入力部439は、現在の工具主軸32の位置を、変数メモリ216中の変数i=1に基づき検出し、刃先位置データファイルTDFの該当位置に入力する(「主軸位置」の位置に位置S1を示す「S1」が、「刃物台位置」の位置に位置B0を示す「B0」が入力された)。これによって工具装着部33の加工位置KP1を示す加工位置識別情報ks(位置B0と位置S1の組合せ)が入力された。続いてデータ入力部439は刃先位置検出装置制御部437に刃先位置検出装置52の駆動を指令する。この指令を受けて刃先位置検出装置制御部437は、旋盤1に設けられている図1に示す刃先位置検出装置52(図3ではそのセンサ部付近のみを図示している。なお、刃先位置検出装置の詳しい構成及び該装置による刃先位置の検出方法の一例は特公平4−71661号等で開示されている。)を駆動させて、工具主軸32に現在装着されている旋削工具ユニット60Aの刃先位置を検出し、刃先位置データ演算検出部540により刃先位置データ(Xt、Zt)として演算検出する。検出された刃先位置データ(Xt、Zt)はデータ入力部439に送られ、該データ入力部439により刃先位置データファイルTDFの「Xt」及び「Zt」の位置に数値としてそれぞれ格納される(ステップSTP6)。なお、これと共にデータ入力部439は、変数メモリ216中の変数tn=1を参照して、前記旋削工具ユニット60Aの工具番号kbを工具データファイルKDFから読み取り、また工具情報メモリ541の図示しない工具情報ファイルから該工具番号kbの旋削工具ユニット60Aに関する回転及び勝手の情報を読み取り、これらを刃先位置データファイルTDFの「工具番号」、「回転」、「勝手」の位置に格納する(この場合は、逆回転で左勝手なので図7(a)に示すように回転は「逆」、勝手は「左」と格納される)。
【0026】
こうして刃先位置データ(Xt、Zt)の検出格納等が完了すると刃先位置データ入力管理部211は、変数メモリ216中の変数iがi≧3であるか否かを判定する(ステップSTP7)。この場合は変数i=1でありi≧3ではないので、刃先位置データ入力管理部211は変数iの値に1を加え(ステップSTP9)、再び上述したステップSTP4に入る。即ち、現在、工具装着部33は加工位置KP1にあるので、加工位置判定部435は加工位置KPi(この場合、変数i=2であるので、KP2)でないと判定し(ステップSTP4)、従って、加工制御部210は変数i=2を参照し、加工位置KP2に工具主軸32を移動させるようにヘッドストック回動制御部431及び工具主軸回転制御部432に指令する(ステップSTP5)。これを受けてヘッドストック回動制御部431はヘッドクランプ機構55を駆動し、ヘッド回動駆動機構50を駆動することによりヘッドストック31側を矢印T、U方向回動させて、工具主軸32を図3の実線で示すように上述した位置B90に位置決め配置する(なお、工具主軸32の軸心CT3回りの位置は位置S1なので工具主軸回転制御部432はカップリングクランプ機構40の駆動及び動力伝達機構30aを介する工具主軸32の回転駆動を行わない)。これにより工具主軸32の工具装着部33は加工位置KP2に配置された。そして、再びステップSTP4に入り、加工位置判定部435は、工具装着部33が加工位置KP2であると判定し、刃先位置データ入力管理部211に所定の判定結果を出力する。
【0027】
次いで、図8に示すようにステップSTP6が上述した手順と同様に実行され、これによって図7(a)に示すように、管理番号tnが1である旋削工具ユニット60A(即ち工具番号001)に関する加工位置KP2での刃先位置データ(Xt、Zt)及び、この情報と対応する「管理番号」、「主軸位置」、「刃物台位置」、「回転」、「勝手」、「工具番号」の情報等が刃先位置データファイルTDFに入力格納された。その後、刃先位置データ入力管理部211は、変数メモリ216中の変数i=2がi≧3でないと判定し(ステップSTP7)、該変数iの値に1を加え(ステップSTP9)、ステップSTP4に入る。即ち、現在の工具装着部33は加工位置KP2にあるので、加工位置判定部435は加工位置KPi(この場合、変数i=3であるので、KP3)でないと判定し
(ステップSTP4)、従って、加工制御部210は変数i=3を参照し、この変数iの値に対応した加工位置KP3に工具主軸32を移動させるようにヘッドストック回動制御部431及び工具主軸回転制御部432に指令する(ステップSTP5)。これを受けて工具主軸回転制御部432によりカップリングクランプ機構40の駆動及び動力伝達機構32aを介した工具主軸32の回転駆動を行うことにより、該工具主軸32を位置S2に位置決め配置し(B軸方向では工具主軸32の位置は位置B90のまま)、従って工具装着部33を加工位置KP3に配置する。そして、再びステップSTP4に入り、加工位置判定部435は、工具装着部33が加工位置KP3であると判定し、ステップSTP6を上述した手順と同様に実行する。これによって図7(a)に示すように、管理番号tnが1(即ち工具番号が001)である旋削工具ユニット60Aに関する加工位置KP3(従って工具主軸32の位置S2、B90)での刃先位置データ(Xt、Zt)及び、この情報と対応する諸情報が刃先位置データファイルTDFに入力格納された。これによって管理番号tnが1(即ち工具番号が001)である旋削工具ユニット60Aの加工位置KP1、KP2、KP3における刃先位置データ(Xt、Zt)等が刃先位置データファイルTDFに格納された。
【0028】
その後、刃先位置データ入力管理部211は、変数メモリ216中の変数i=3でi≧3であると判定し(ステップSTP7)、次のステップSTP8に入る。即ち、刃先位置データ入力管理部211は、変数メモリ216中の変数tnの値が工具データファイルKDFの管理番号tnのうちの最大値(本実施例では6とする)以上であるか否かを判定する(ステップSTP8)。この場合は変数tn=1でありtn≧6ではないので、刃先位置データ入力管理部211は、変数メモリ216中の変数tnの値に1を加えると共に(これにより変数tn=2になった)、変数iの値に1を代入し(ステップSTP10)、再び上述したステップSTP2に入る。
【0029】
以降上述した手順と同様に、図8に示すようにステップSTP2、STP3、STP4、STP6と実行して管理番号tnが2、従って工具番号kbが012(図7(b)参照)である新たな旋削工具ユニット60Aの加工位置KP1における刃先位置データ(Xt、Zt)等を刃先位置データファイルTDFに入力格納し、更にステップSTP7、STP9を経て、ステップSTP4、STP5、STP6と実行して該旋削工具ユニット60Aの加工位置KP2における刃先位置データ(Xt、Zt)等を刃先位置データファイルTDFに入力格納し、更にステップSTP7、STP9を経て、ステップSTP4、STP5、STP6と実行して該旋削工具ユニット60Aの加工位置KP3における刃先位置データ(Xt、Zt)等を刃先位置データファイルTDFに入力格納し、ステップSTP7、STP8へと進む。こうして管理番号tnが2である旋削工具ユニット60Aの加工位置KP1、KP2、KP3における刃先位置データ(Xt、Zt)等が刃先位置データファイルTDFに格納された。以降もステップSTP10を経由する形で、上述した手順と同様の手順で管理番号3、4、5、6という順で、これら管理番号tnに対応した工具番号kbの旋削工具ユニット60Aの加工位置KP1、KP2、KP3における刃先位置データ(Xt、Zt)等を刃先位置データファイルTDFに順次入力格納し、刃先位置データの入力を全て完了する。
【0030】
また上述した実施例とは別の方法で刃先位置データの入力を行うことも可能である。例えば図16に示すように、上述した刃先位置データ入力プログラムTRPとは別の刃先位置データ入力プログラムTRQを実行する形で刃先位置データの入力を行う。なおこの場合には、制御装置100に刃先位置演算部650を主制御部101に接続した形で設けておく。刃先位置データ入力プログラムTRQによる刃先位置データの入力は、図16に示すように、まず刃先位置データ入力管理部211が変数メモリ216中の変数tnに初期値である1を代入し(ステップSTP101)、次いで上述した刃先位置データ入力プログラムTRPのステップSTP2、STP3、STP4、STP6と同内容のステップSTP102、STP103、STP104、STP106を、上述したステップSTP2、STP3、STP4、STP6の実行手順と同様の手順で実行する。その後、ステップSTP107に入り、刃先位置データ入力管理部211は刃先位置演算部650に加工位置KP2、KP3での刃先位置データの演算検出を命じる。これを受けて刃先位置演算部650は、検出された加工位置KP1での刃先位置データ(Xt、Zt)に基づいて加工位置KP2での刃先位置データ(Xt、Zt)及び加工位置KP3での刃先位置データ(Xt、Zt)を演算検出する。即ち、加工位置KP2での刃先位置データ(Xt、Zt)は、図3に示すように加工位置KP1での刃先位置データ(Xt、Zt)を原点GPを中心に図の矢印U方向に90度回転移動させた位置であるので、加工位置KP1での刃先位置データ(Xt、Zt)を公知の演算方法により、原点GPを中心に図の矢印U方向に90度回転移動させる形で変換して、該変換された座標位置を加工位置KP2での刃先位置データ(Xt、Zt)として決定する。また、加工位置KP3での刃先位置データ(Xt、Zt)は、図3に示すように加工位置KP2での刃先位置データ(Xt、Zt)をX’軸(加工位置KP2の状態での軸心CT3と一致)を中心に対称移動させた位置であるので、加工位置KP2での刃先位置データ(Xt、Zt)を公知の演算方法により、X’軸を中心に対称移動させる形で変換して、該変換された座標位置を加工位置KP3での刃先位置データ(Xt、Zt)として決定する。こうして演算決定された加工位置KP2、KP3での刃先位置データ(Xt、Zt)はデータ入力部439に送られ、該データ入力部439により刃先位置データファイルTDFに格納される(ステップSTP107)。
【0031】
以降、図16に示すようにステップSTP108に入り、変数メモリ216中の変数tnがtn≧6か否かを判定し、該変数tnがtn<6である場合には、該変数tnに1を加えて(ステップSTP109)再びステップSTP102に入る。以降、上述した手順と同様の手順でステップSTP102、STP103、STP104、STP106、STP107の実行をステップ108、STP109を経る形で繰返し、管理番号2、3、4、5、6という順で、これら管理番号tnに対応する工具番号kbの旋削工具ユニット60Aの加工位置KP1、KP2、KP3における刃先位置データ(Xt、Zt)等を刃先位置データファイルTDFに順次入力格納し、刃先位置データの入力を全て完了する。このような刃先位置データ入力プログラムTRQによる刃先位置データの入力を採用すると、工具主軸32の工具装着部33を複数の加工位置にそれぞれ配置する手間が省け刃先位置データ入力の際の作業時間が節約できる。
【0032】
以上のように刃先位置データの入力が完了すると、実際に加工を行うに先立って加工プログラムを作成するための加工情報INFの入力が行われる。即ち、加工情報入力管理部212は、例えば図9に示すような形でディスプレイ103に加工情報入力の表示を出す。これは図9中の下線を施した位置にカーソルが順次移動して各情報をキーボード102で入力するようになっている。従って、オペレータは加工情報INF(ワーク材質や加工プロセス毎の加工方法等、なお図9ではワーク材質を入力するための表示等を省略している)をキーボード102等を介して入力する。例えば本実施例では、プロセスPR1として円筒状のワーク10T(外径φ120mm、内径φ50mm)を、まず棒材外径加工により図10(なお、図10乃至図12等では刃物台13側は、便宜上、ヘッドストック31、工具主軸32、旋削工具ユニット60A等のみを模式的に示している。また各図中には加工手順を理解する便宜上、寸法等がmm単位で記入されている。)のように図中紙面右手側から旋削し、次いでプロセスPR2としてチャック9側からの棒材外径加工により図11のように図中紙面左手側から旋削し、最後にプロセスPR3として棒材内径加工により図12のように旋削を実行し、図13に示すような最終加工形状を得ようとしている。またこれらの旋削加工は、1つの旋削工具ユニット60Aについて複数の刃先位置が設定できるという旋盤1の特徴を活かして、1つの旋削工具ユニット60A(本実施例では工具番号001のものを使用)を用いて加工位置KP1、KP2、KP3を変更しながら行うようにする。
【0033】
そこで図9に示すように、プロセスPR1に対応するプロセス番号「PNo.1」には、図10に示すような棒材外径加工についての情報を入力する。具体的には加工モードを入力すべき「加工モード」の位置には棒材外径加工を示す「棒材外径加工」を、切込座標位置を入力すべき「切込X」及び「切込Z」の位置には製作図面等から所定の切込座標位置を入力し、加工形状を入力すべき「加工形状」の位置には直線加工である「直線」を入力し、その始点座標及び終点座標を入力すべき「始点X」「始点Z」及び「終点X」「終点Z」の位置には製作図面等から所定の座標位置を入力する。更に、工具条件JKを入力すべき「工具」の位置には「001−S1−B90」を入力する。即ち、この工具条件JKは工具番号kbと加工位置識別情報ksを含んでおり、工具番号kbは「001」の部分で指定され(従って工具番号001が指定され)、加工位置識別情報ksは「S1−B90」の部分で指定されている(従って工具主軸32の位置S1及び位置B90の組合せにより加工位置KP2が指定されている)。なお、この工具条件JKの入力はキーボード102に設けられた工具条件入力キー102aを介して入力される。
【0034】
同様にプロセスPR2、PR3に対応するプロセス番号「PNo.2」「PNo.3」には、図11に示すような棒材外径加工(チャック側)及び図12に示すような棒材内径加工についての情報を入力する。なお、プロセスPR2では加工位置KP3で加工を行うため、工具条件JKを入力すべき「工具」の位置には、工具番号001の工具を加工位置KP3で使用することを示す「001−S2−B90」(即ち、工具主軸32が位置S2及び位置B90であり、加工位置KP3であることを示す)を入力し、プロセスPR3では加工位置KP1で加工を行うため、工具条件JKを入力すべき「工具」の位置には、工具番号001の工具を加工位置KP1で使用することを示す「001−S1−B0」(即ち、工具主軸32が位置S1及び位置B0であり、加工位置KP1であることを示す)を入力する。なお、上述したようにオペレータがキーボード102を介して各情報を入力し終えると、加工条件演算部105は、既に入力されたワーク材質等の情報及び工具条件JK中の工具番号kbに基づき、工具情報メモリ541中の図示しない工具情報ファイルなどを参照する形で各プロセスPR1、PR2、PR3における最適なワーク主軸7の周速や刃物台13における工具の送り速度を演算し、図9に示すように該当するプロセスPR1、PR2、PR3に対応する「周速」「送り」の位置に演算結果を表示する。
【0035】
このように加工情報INFの入力が完了すると、加工情報入力管理部212はディスプレイ103に表示された加工情報INFを加工情報メモリ213に記憶格納する。次いで、加工プログラム作成部107は加工情報メモリ213に記憶格納された加工情報INFに基づいて公知の自動プログラムの手法により加工プログラムPROを作成し、作成した加工プログラムPROを加工プログラムメモリ109に格納する。この加工プログラムPROの作成時には、加工プログラム作成部107は、加工情報INFにおける各工具条件JK(図9に示す「001−S1−B90」等)に基づき、刃先位置データファイルメモリ217に格納された図7(a)に示す刃先位置データファイルTDFにおける「Xt」「Zt」に格納された刃先位置データ(Xt、Zt)のうち、各工具条件JKに対応するものを参照し、制御データを演算作成するようにする。なお別の実施例として、工具番号kbや加工位置識別情報ks等をキーボード102等を介して入力せず、予め作成された加工プログラムをフロッピーディスクを介して入力したり、通信ライン等を介して他のコンピュータ等から入力することも可能である。この場合、工具番号kbや加工位置識別情報ks等の入力手段はフロッピーディスク等の記録媒体のドライブ装置や通信ライン接続コネクタ等によって構成される。
【0036】
加工プログラムPROが作成された後、図10に示すようにチャック9でワーク10Tを把持し旋削を開始する。即ち、ワーク10Tをチャック9で把持しておき、オペレータがキーボード102を介して旋削開始の指令を入力すると主制御部101は加工プログラムメモリ109に格納された加工プログラムPROを読み出し、この加工プログラムPROに従って処理を行う。即ち、主制御部101は、工具主軸32を所定の工具交換位置である基準位置KJPに移動させるように加工制御部210に指令し、この指令を受けて加工制御部210が刃物台駆動制御部430に指令を与えることにより、刃物台13を所定の機械原点位置に復帰させる。また同時に加工制御部210はヘッドストック回動制御部431及び工具主軸回転制御部432に指令を与えることにより、工具主軸32を矢印T、U方向(B軸方向)及び矢印J、K方向に回転駆動して基準位置KJPに位置決めする。次いで、ツール交換制御部433は、加工プログラムPRO中に含むプロセスPR1での工具条件JK中の工具番号kb(即ち「001」)に基づき、工具データファイルKDFを参照する形でツールマガジン15のマガジン駆動機構15bを駆動し、該工具番号kbに対応するポケット15a(ポケット番号1)の旋削工具ユニット60Aを割り出させる。またツール交換制御部433は、自動工具交換装置16を駆動することにより、ツールマガジン15により割り出された前記旋削工具ユニット60Aを工具主軸32に装着させる。
【0037】
次いで、加工制御部210はプログラムPRO中に含むプロセスPR1での工具条件JK中の加工位置識別情報ks(「S1−B90」)に基づきヘッドストック回動制御部431及び工具主軸回転制御部432に指令を与えることにより、工具主軸32を矢印T、U方向(B軸方向)及び矢印J、K方向に回転駆動して位置S1、B90、即ち加工位置KP2に位置決めする。次いで、加工制御部210はワーク主軸制御部219にワーク主軸7の駆動制御を命じ、これを受けてワーク主軸制御部219はワーク主軸7を回転駆動させると共に、刃物台駆動制御部430に指令を与えることにより、刃物台13をX軸方向及びZ軸方向に移動駆動させて、図10に示すように、加工位置KP2に位置決め配置された旋削工具ユニット60Aにより上述したプロセスPR1で示す形での加工を行う(図10の二点鎖線で示す外径加工)。この加工においては、加工制御部210はプログラムPRO中に含むプロセスPR1での工具条件JK中の工具番号kb及び加工位置識別情報ksに基づき、刃先位置データファイルメモリ217の刃先位置データファイルTDFから対応する刃先位置データ(Xt、Zt)を取り出し、該刃先位置データ(Xt、Zt)を用いてワーク主軸7に対する刃物台13の移動駆動を制御する形で行う。プロセスPR1の加工が完了すると、プログラムPROに従って、図11或いは図12に示すように、プロセスPR2、PR3での加工を順次行う。この場合も、プログラムPRO中に含むプロセスPR2、PR3での工具条件JK(001−S2−B90、001−S1−B0)を参照する形で、工具主軸32を矢印T、U方向(B軸方向)及び矢印J、K方向に回転駆動して加工位置KP3(位置S2、B90)或いは加工位置KP1(位置S1、B0)に順次位置決め配置し、工具条件JKに対応した刃先位置データ(Xt、Zt)を刃先位置データファイルTDFから取り出して用いる形で図2の二点鎖線で示すように加工を行う。こうしてプログラムPROに従った加工を終了し図13に示すように加工されたワーク10Tを得た。
【0038】
以上のように、1つの旋削工具ユニット60Aで加工位置KP2、KP3、KP1等での刃先位置を設定できるので、図10乃至図12に示すような異なる複数の加工モードを1つの旋削工具ユニット60Aで加工できる。従来では、図10乃至図12に示すような異なる複数の加工モードでは、各加工モード毎にそれぞれ別個の旋削工具が必要となっていたことに比べ、本実施例ではこれら複数の加工モードを1つの旋削工具で兼用できるので、使用する旋削工具の本数を減らすことができる。また、これによりツールマガジン15での本数を減らすことができ、またATCの回数を減らせるので加工時間が短縮できる。更に、刃先位置データファイルTDFには、図7(a)に示すように、工具を識別する「工具番号」及び、加工位置KP1、KP2、KP3を識別する「主軸位置」と「刃物台位置」の組合せ及び、刃先位置データである「Xt」「Zt」等のデータが格納されているので、加工プログラムPRO作成時等には、使用すべき工具の「工具番号」及び採用したい加工位置を示す「主軸位置」と「刃物台位置」の組合せからなる工具条件JKを指定すれば、1つの旋削工具ユニット60Aによる複数の加工位置での加工を行う加工プログラムPROの作成が容易に行える。
【0039】
なお、旋盤1ではドリル加工やミル加工等を行うこともできるようになっている。この場合には、ドリルやエンドミル等が備えられた適切な回転工具ユニット60Bを自動工具交換装置16により工具主軸32に装着し、ワーク主軸7を回転角度制御状態、即ちC軸制御状態にしておく。これと共に、刃物台13側では、ヘッドストック31内のカップリングクランプ機構40においてクランプカップリング43を矢印F方向に移動駆動させて、主軸カップリング42及び固定用カップリング45との噛合を解除させ、工具主軸32を、その矢印J、K方向に回転可能な状態にアンクランプした上で、動力伝達手段32aを介して工具主軸32を矢印J、K方向に軸回転駆動させて、該工具主軸32に装着された回転工具ユニット60Bの先端を矢印J、K方向に回転駆動させるようにする。更に、ヘッドクランプ機構55においてはクランプカップリング61を矢印A方向に移動駆動させて、回動部カップリング56及び固定用カップリング57との噛合を解除しておくと共に、簡易クランプ機構63において押圧体67を矢印C方向に移動駆動させて、回動部カップリング56を矢印C方向に押圧して、該回動部カップリング56の回動側摩擦面56cを主軸取付部30の固定側摩擦面65aに押圧させておく。つまり、回動側摩擦面56cと固定側摩擦面65aの間の摩擦力により、主軸取付部30に対して回動部カップリング56をクランプさせ、主軸支持体35側のヘッドストック31を、その矢印T、U方向(B軸方向)の回転を拘束する形でクランプ固定させておく。このようにヘッドストック31を、その矢印T、U方向(B軸方向)の回転を拘束する形でクランプ固定し、回転工具ユニット60Bを矢印J、K方向に回転駆動させた状態で、刃物台13をZ軸方向及びX軸方向に移動駆動させることにより、工具主軸32に装着した回転工具ユニット60Bの先端とワーク10との相対位置をX軸方向或いはZ軸方向に変化させながら加工が行われる。
【0040】
また、回転工具ユニット60Bの向き、即ち軸心CT3の向きを矢印T、U方向(B軸方向)に移動変更することもできる。即ち、ヘッドクランプ機構55においては上述したようにクランプカップリング61と回動部カップリング56及び固定用カップリング57との噛合を解除したままで、簡易クランプ機構63において押圧体67を矢印A方向に移動駆動させて、回動部カップリング56に対する矢印C方向の押圧を解除して、回動側摩擦面56cと固定側摩擦面65aの間の押圧を解除する。このように主軸取付部30に対する主軸支持体35側のクランプ固定を一旦解除した状態で、ヘッド回動駆動機構50を介して主軸支持体35側を矢印T、U方向(B軸方向)に回動駆動し、工具主軸32に装着した回転工具ユニット60Bを所望する向きにした後、簡易クランプ機構63において押圧体67を矢印C方向に移動駆動させて、回動部カップリング56を矢印C方向に押圧して、回動側摩擦面56cと固定側摩擦面65aの間を押圧する形で主軸取付部30に対し主軸支持体35側をクランプ固定し、回転工具ユニット60Bの向きの変更が完了する。このように回転工具ユニット60Bを使用する際には、簡易クランプ機構63の面摩擦によるクランプを採用しているので、クランプ・アンクランプ動作を簡易に素早く行うことができると共に任意角度位置で割出しできる(つまり工具主軸32側を極力細かい割出し角度でB軸方向に素早く回動・位置決めできる)ようになっている。
【0041】
これに対して、上述した旋削加工時における工具主軸32のヘッドストック31に対するクランプ固定は、3枚カップリングクランプ機構であるカップリングクランプ機構40により実現されているので、高剛性で工具主軸32をクランプ固定できる。また、従来の2枚カップリングクランプ機構のようにクランプ時に工具主軸が移動するようなものとは違い、クランプ時に工具主軸32が移動しなくて済むので、工具主軸32を高精度にクランプできる。また、旋削加工時における主軸支持体35の主軸取付部30に対するクランプが、上述した3枚カップリング機構であるヘッドクランプ機構55により実現されているので、高剛性で工具主軸32をB軸回りにクランプ固定できる。2枚カップリングのようにクランプ時に主軸支持体35側が移動するようなものとは違い、クランプ時に主軸支持体35側が移動しなくて済むので、クランプの精度が向上し、クランプ・アンクランプ動作を素早く行うことができ、また、クランプ・アンクランプ時の動作はクランプカップリング61のみを矢印A、C方向に駆動すればよく主軸支持体35全体を動かさなくてもよいので機構が簡単になり好都合である。
【0042】
ところで別の実施例として、工具装着部33の加工位置に関して、図15に示すように、加工位置KP3(図3で二点鎖線により図示)から工具主軸32を更に図の矢印U方向に90度回動した位置B180での加工位置KP4も設定できるようにしてもよい。これにより旋盤1が、例えば図14に示すようにワーク主軸7の前方(図の矢印I側)に第2ワーク主軸19をこれらワーク主軸7、19が互いに対向した形で有し、筒状のワーク10Sの内径加工を両端から行なうような場合には、上述した実施例と同様の加工位置KP1等に加えて前記加工位置KP4での刃先位置データを検出記憶し、この刃先位置データを用いて加工プログラムを作成する。そして前記作成した加工プログラムに従って、図14に示すように、加工位置KP1に配置した旋削工具ユニット60Aで、ワーク主軸7のチャック9に把持されたワーク10Sを図中紙面右端側から加工し、次いで、図15に示すように、該ワーク10Sを第2ワーク主軸19に受け渡し、該第2ワーク主軸19のチャック20にチャック爪20bを介してワーク10Sを把持すると共に、同一の旋削工具ユニット60Aを加工位置KP4に配置してワーク10Sの図中紙面左端側から加工する。このように内径加工等を行う場合はバイト刃先をワーク主軸側に向けねばならず、従って従来では、ワーク主軸を2つ持つような旋盤における各ワーク主軸での内径加工等は、各ワーク主軸ごとに工具を取り替えて行う必要が生じていたが、本実施例では加工位置を変更するだけでよいので、その分、段取り時間が節約でき都合がよい。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のうち最も基本となる基本発明は、請求項1に記載の構成を有するものとしたので、工具装着部に装着された旋削工具の加工位置として、請求項1に規定される角度位置(B0)から角度位置(B180)までの数の第1回転角度位置のうちの一つと、同じく、第1位置(S1)と第2位置(S2)との二つの第2回転角度位置のうちの一つとの組合せからなる数の加工位置のうちからいくつもの加工位置を順次選択することにより、特に工具交換をすることなく単一の旋削工具により多様な旋削加工を行えるという効果がある。
また、本発明のうち前記基本発明に従属する第1の発明は、前記基本発明の工作機械1において、前記ツールマガジン15の工具保持手段15aに保持された各旋削工具60Aの工具識別情報kbを格納した第1メモリ106を設け、前記工具保持手段15aに保持されていた旋削工具60Aの一つを前記工具識別情報kbに基づいて選択的に取り出して前記工具装着部33に装着するようにし、単一の旋削工具60Aに関する、2つ以上の前記加工位置KP1〜KP3、KP4ごとの刃先位置データXt、Ztを、前記各加工位置KP1〜KP3、KP4の加工位置識別情報ksと共に格納した刃先位置データファイルメモリ217を有し、旋削工具60Aの工具識別情報kbと共に、該旋削工具60Aを装着して加工を行おうとする前記工具装着部33の加工位置KP1〜KP3、KP4についての加工位置識別情報ksを入力し得る加工情報入力手段102aを設け、前記加工情報入力手段102aにより入力された工具識別情報kb及び加工位置識別情報ksを格納する加工情報メモリ109を設け、前記加工情報メモリ109に格納された加工位置識別情報ksに基づいて、前記工具装着部位置決め駆動手段32a、40、50、55を制御する工具装着部位置決め制御部431、432を設け、前記加工情報メモリ109に格納された工具識別情報kb及び加工位置識別情報ksに基づいて、これら工具識別情報kb及び加工位置識別情報ksに対応する刃先位置データXt、Ztを、前記刃先位置データファイルメモリ217から取り出し、該刃先位置データXt、Ztを用いて前記刃物台13を前記ワーク主軸7に対して相対的に移動駆動する形で加工を実行する加工制御手段210、217、219、430を設けて構成される。即ち、1つの旋削工具に関して、複数の加工位置における刃先位置をそれぞれ設定できるので、1つの旋削工具により、異なる複数の加工モードを加工位置を変更することにより加工できるようになる。従って、従来のように各加工モード毎にそれぞれ別個の旋削工具が必要となっていたことに比べ、複数の加工モードを1つの旋削工具で兼用できる分、使用する旋削工具の本数を減らすことができる。また、これによりマガジン本数を減らすことができ、またATCの回数を減らせるので加工時間が短縮できる。
【0044】
また本発明のうち第2の発明は、第1の発明の工作機械において、前記工具装着部に装着された旋削工具の刃先位置を刃先位置データとして演算検出し出力自在な刃先位置検出装置52、刃先位置データ演算検出部540等の刃先位置検出手段を設け、前記工具保持手段に保持された各旋削工具に関する刃先位置データを検出して入力するための指令を含む刃先位置データ入力プログラムTRP等のデータ入力プログラムが保存されたシステムプログラムメモリ215等の第2メモリを設け、前記データ入力プログラムに基づいて、前記工具保持手段に保持された各旋削工具を順次取り出して前記工具装着部に順次装着するように前記工具装着手段を制御するツール交換制御部433等の工具装着手段制御部を設け、前記工具装着部に各旋削工具が装着されるごとに、該工具装着部を各加工位置に順次位置決めする形で工具装着部位置決め駆動手段を制御するヘッドストック回動制御部431、工具主軸回転制御部432等の工具装着部位置決め駆動手段制御部を設け、前記工具装着部が各加工位置に位置決めされた状態で、該工具装着部に装着された旋削工具の刃先位置を刃先位置データとして演算検出するように前記刃先位置検出手段を制御する刃先位置検出装置制御部437等の刃先位置検出制御部を設け、前記刃先位置検出手段により演算検出された刃先位置データを前記刃先位置データファイルメモリに格納するデータ入力部439等の刃先位置データ格納制御部を設けたので、第1の発明による効果に加えて、1つの旋削工具に関して、複数の加工位置における刃先位置データを検出し入力する形で設定できる。また、刃先位置データの検出は、旋削工具を装着した工具装着部を各加工位置に順次位置決めさせて行うため、正確な刃先位置データを検出することができる。
【0045】
また本発明のうち第3の発明は、第1の発明の工作機械において、前記工具装着部に装着された旋削工具の刃先位置を刃先位置データとして演算検出し出力自在な刃先位置検出手段を設け、前記工具保持手段に保持された各旋削工具に関する刃先位置データを検出して入力するための指令を含む刃先位置データ入力プログラムTRQ等のデータ入力プログラムが保存されたシステムプログラムメモリ215等の第2メモリを設け、前記データ入力プログラムに基づいて、前記工具保持手段に保持された各旋削工具を順次取り出して前記工具装着部に順次装着するように前記工具装着手段を制御する工具装着手段制御部を設け、前記工具装着部に各旋削工具が装着されるごとに、該工具装着部を少なくとも1つの加工位置に位置決めする形で工具装着部位置決め駆動手段を制御する工具装着部位置決め駆動手段制御部を設け、前記工具装着部が前記加工位置に位置決めされた状態で、該工具装着部に装着された旋削工具の刃先位置を刃先位置データとして演算検出するように前記刃先位置検出手段を制御する刃先位置検出制御部を設け、前記刃先位置検出手段により演算検出された刃先位置データに基づいて、前記工具装着部に装着された同一の旋削工具に関する別の加工位置での刃先位置データを演算する刃先位置演算部650等の刃先位置演算部を設け、前記刃先位置検出手段により演算検出された刃先位置データ及び、前記刃先位置演算部により演算された刃先位置データを、前記刃先位置データファイルメモリに格納する刃先位置データ格納制御部を設けたので、第1の発明による効果に加えて、1つの旋削工具に関して、複数の加工位置における刃先位置データを検出し入力する形で設定できる。また、刃先位置検出手段により演算検出された刃先位置データに基づいて、工具装着部に装着された同一の旋削工具に関する別の加工位置での刃先位置データを演算するので、旋削工具を装着した工具装着部を全ての加工位置に順次位置決めさせる必要が無く、刃先位置データ検出における時間と手間を省くことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による工作機械の一例である旋盤を示した斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す旋盤のフロントドア内側を示した斜視図である。
【図3】図3は、旋削工具ユニットが装着された状態の工具主軸先端付近を示した側面図である。
【図4】図4は、工具主軸付近を示した側断面図である。
【図5】図5は、工具主軸先端付近の詳細を示した側断面図である。
【図6】図6は、制御装置を示したブロック図である。
【図7】図7(a)は、刃先位置データファイルの内容を示した図、図7(b)は、工具データファイルの内容を示した図である。
【図8】図8は、刃先位置データ入力プログラムを示したフローチャートである。
【図9】図9は、ディスプレイに表示された加工情報等を示した図である。
【図10】図10は、ワークの加工における一工程を示した図である。
【図11】図11は、ワークの加工における一工程を示した図である。
【図12】図12は、ワークの加工における一工程を示した図である。
【図13】図13は、ワークの加工における一工程を示した図である。
【図14】図14は、別のタイプの旋盤におけるワーク加工の一工程を示した図である。
【図15】図15は、別のタイプの旋盤におけるワーク加工の一工程を示した図である。
【図16】図16は、別の刃先位置データ入力プログラムを示したフローチャートである。
【符号の説明】
1……工作機械(旋盤)
7……ワーク主軸
13……刃物台
15a……工具保持手段(ポケット)
15b……工具装着手段(マガジン駆動機構)
16……工具装着手段(自動工具交換装置)
32……工具支持部(工具主軸)
32a……工具装着部位置決め駆動手段(動力伝達手段)
33……工具装着部
40……工具装着部位置決め駆動手段(カップリングクランプ機構)
50……工具装着部位置決め駆動手段(ヘッド回動駆動機構)
52……刃先位置検出手段(刃先位置検出装置)
55……工具装着部位置決め駆動手段(ヘッドクランプ機構)
60A……旋削工具(旋削工具ユニット)
60B……回転工具(回転工具ユニット)
106……第1メモリ(工具データファイルメモリ)
102a……加工情報入力手段(工具条件入力キー)
109……加工情報メモリ(加工プログラムメモリ)
217……刃先位置データファイルメモリ
210……加工制御手段(加工制御部)
215……第2メモリ(システムプログラムメモリ)
217……加工制御手段(刃先位置データファイルメモリ)
219……加工制御手段(ワーク主軸制御部)
430……加工制御手段(刃物台駆動制御部)
431……工具装着部位置決め制御部、工具装着部位置決め駆動手段制御部
(ヘッドストック回動制御部)
432……工具装着部位置決め制御部、工具装着部位置決め駆動手段制御部
(工具主軸回転制御部)
433……工具装着手段制御部(ツール交換制御部)
437……刃先位置検出制御部(刃先位置検出装置制御部)
439……刃先位置データ格納制御部(データ入力部)
540……刃先位置検出手段(刃先位置データ演算検出部)
650……刃先位置演算部
kb……工具識別情報(工具番号)
ks……加工位置識別情報
B0……第1角度位置(位置)
B90……第1角度位置(位置)
B180……第1角度位置(位置)
CT1……軸心
CT2……第1の中心軸(軸心)
CT3……第2の中心軸(軸心)
TRP……データ入力プログラム(刃先位置データ入力プログラム)
TRQ……データ入力プログラム(刃先位置データ入力プログラム)
KP1〜KP4……加工位置
S1〜S2……第2角度位置(位置)
(Xt、Zt)……刃先位置データ

Claims (4)

  1. 回転駆動自在なワーク主軸、該ワーク主軸の軸心に平行なZ軸方向に往復移動駆動自在な刃物台ベース、該刃物台ベース上で前記Z軸方向に直角なX軸方向に往復移動駆動自在な刃物台、該刃物台の前端側に配設された主軸支持体、前端に工具装着部を有すると共に自軸の軸心を前記ワーク主軸の軸心に指向させて前記主軸支持体に加工回転駆動手段により加工回転駆動自在に支持された工具主軸、複数の旋削工具と回転工具とを保持するための工具保持手段を有するツールマガジン及び該ツールマガジンから選択された旋削工具又は回転工具の一つを取り出してその工具を前記工具主軸の工具装着部に工具交換可能に装着するようにした自動工具交換装置を備えてなる旋削加工及び回転加工の実施可能な工作機械において、
    前記主軸支持体は、前記刃物台の前端側において、前記ワーク主軸の軸心に直角なY軸方向の中心軸のまわりに回転自在に支持されると共に、該主軸支持体の割出し回転駆動手段及び噛合い係合方式のヘッドクランプ機構と摩擦面方式の簡易クランプ機構とからなる二種類の割出し回転位置決め手段を設け、前記主軸支持体の割出し回転駆動手段及び前記二種類の割出し回転位置決め手段により、前記工具装着部の軸心を前記ワーク主軸の軸心に直角なY軸方向の中心軸を中心に前記旋削工具の先端が前記Y軸を基準として前記Z軸と平行でワーク側向きとなる角度位置(B0)から、前記Y軸を基準として前記Z軸と平行でワークと反対側向きとなる角度位置(B180)までの数の第1回転角度位置に位置決めすることができ、また、噛合い係合方式のカップリングクランプ機構からなる前記工具主軸の自軸まわりの割出し回転位置決め手段を設けると共に、前記加工回転駆動手段を割出し回転駆動手段に転用できるようにし、前記工具主軸の自軸まわりの割出し回転位置決め手段及び割出し回転駆動手段に転用した前記加工回転駆動手段により、前記工具装着部を前記工具主軸の中心軸を中心に前記工具主軸の軸心がX軸方向を指向する位置にあるとき、前記旋削工具の刃先が前記Y軸を基準として前記Z軸と平行でワーク側向きとなる第1位置(S1)と前記Y軸を基準として前記Z軸と平行でワークと反対側向きとなる第2位置(S2)との二つの第2回転角度位置に位置決めすることができるように構成されており、前記工具装着部に装着された旋削工具の加工位置として、前記数の第1回転角度位置のうちの一つと、前記二つの第2回転角度位置のうちの一つとの組合せからなる数の加工位置のうちの一つの加工位置を選択して単一の旋削工具により多様な旋削加工を行えるようにしたことを特徴とする工作機械。
  2. 請求項1に記載の工作機械において、前記ツールマガジンの工具保持手段に保持された各旋削工具の工具識別情報を格納した第1メモリを設け、前記工具保持手段に保持されていた旋削工具の一つを前記工具識別情報に基づいて選択的に取り出して前記工具装着部に装着するようにし、単一の旋削工具に関する、2つ以上の前記加工位置ごとの刃先位置データを、前記各加工位置の加工位置識別情報と共に格納した刃先位置データファイルメモリを有し、旋削工具の工具識別情報と共に、該旋削工具を装着して加工を行おうとする前記工具装着部の加工位置についての加工位置識別情報を入力し得る加工情報入力手段を設け、前記加工情報入力手段により入力された工具識別情報及び加工位置識別情報を格納する加工情報メモリを設け、前記加工情報メモリに格納された加工位置識別情報に基づいて、前記工具装着部位置決め駆動手段を制御する工具装着部位置決め制御部を設け、前記加工情報メモリに格納された工具識別情報及び加工位置識別情報に基づいて、これら工具識別情報及び加工位置識別情報に対応する刃先位置データを、前記刃先位置データファイルメモリから取り出し、該刃先位置データを用いて前記刃物台を前記ワーク主軸に対して相対的に移動駆動する形で加工を実行する加工制御手段を設けて構成したことを特徴とする工作機械。
  3. 前記工具装着部に装着された旋削工具の刃先位置を刃先位置データとして演算検出し出力自在な刃先位置検出手段を設け、前記工具保持手段に保持された各旋削工具に関する刃先位置データを検出して入力するための指令を含むデータ入力プログラムが保存された第2メモリを設け、前記データ入力プログラムに基づいて、前記工具保持手段に保持された各旋削工具を順次取り出して前記工具装着部に順次装着するように前記工具装着手段を制御する工具装着手段制御部を設け、前記工具装着部に各旋削工具が装着されるごとに、該工具装着部を各加工位置に順次位置決めする形で工具装着部位置決め駆動手段を制御する工具装着部位置決め駆動手段制御部を設け、前記工具装着部が各加工位置に位置決めされた状態で、該工具装着部に装着された旋削工具の刃先位置を刃先位置データとして演算検出するように前記刃先位置検出手段を制御する刃先位置検出制御部を設け、前記刃先位置検出手段により演算検出された刃先位置データを前記刃先位置データファイルメモリに格納する刃先位置データ格納制御部を設けたことを特徴とする請求項2記載の工作機械。
  4. 前記工具装着部に装着された旋削工具の刃先位置を刃先位置データとして演算検出し出力自在な刃先位置検出手段を設け、前記工具保持手段に保持された各旋削工具に関する刃先位置データを検出して入力するための指令を含むデータ入力プログラムが保存された第2メモリを設け、前記データ入力プログラムに基づいて、前記工具保持手段に保持された各旋削工具を順次取り出して前記工具装着部に順次装着するように前記工具装着手段を制御する工具装着手段制御部を設け、前記工具装着部に各旋削工具が装着されるごとに、該工具装着部を少なくとも1つの加工位置に位置決めする形で工具装着部位置決め駆動手段を制御する工具装着部位置決め駆動手段制御部を設け、前記工具装着部が前記加工位置に位置決めされた状態で、該工具装着部に装着された旋削工具の刃先位置を刃先位置データとして演算検出するように前記刃先位置検出手段を制御する刃先位置検出制御部を設け、前記刃先位置検出手段により演算検出された刃先位置データに基づいて、前記工具装着部に装着された同一の旋削工具に関する別の加工位置での刃先位置データを演算する刃先位置演算部を設け、前記刃先位置検出手段により演算検出された刃先位置データ及び、前記刃先位置演算部により演算された刃先位置データを、前記刃先位置データファイルメモリに格納する刃先位置データ格納制御部を設けたことを特徴とする請求項2記載の工作機械。
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