JP3885964B2 - 曲面研磨装置および曲面研磨方法 - Google Patents

曲面研磨装置および曲面研磨方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3885964B2
JP3885964B2 JP2003399513A JP2003399513A JP3885964B2 JP 3885964 B2 JP3885964 B2 JP 3885964B2 JP 2003399513 A JP2003399513 A JP 2003399513A JP 2003399513 A JP2003399513 A JP 2003399513A JP 3885964 B2 JP3885964 B2 JP 3885964B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polishing
polished
swing
contact
spherical
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003399513A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005161410A (ja
Inventor
誠二 石川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Pillar Packing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Pillar Packing Co Ltd filed Critical Nippon Pillar Packing Co Ltd
Priority to JP2003399513A priority Critical patent/JP3885964B2/ja
Publication of JP2005161410A publication Critical patent/JP2005161410A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3885964B2 publication Critical patent/JP3885964B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)

Description

本発明は、レンズ成形用金型や光学部品などの曲面を研磨するための曲面研磨装置および曲面研磨方法に関するものである。
各種光学機器や光学通信機器等に用いられるレンズなどの光学部品や、レンズを成形するための金型などは、凸状あるいは凹状の曲面を有している。光学部品には極めて高い形状精度が要求されるため、かかる光学部品や金型の研磨においても同様に高い精度が求められる。
一方、光学機器等に用いられるレンズは、その曲面形状が球面である球面レンズと、同じく非球面である非球面レンズとに大別される。非球面レンズは、球面収差がなく短焦点とすることが可能であり、また球面レンズと比較してレンズ枚数を少なくすることができる等多くの利点があるため、近年特に広く採用されている。これらレンズやそれを成形する金型の表面仕上げの為に研磨がなされる場合がある。特に金型表面については通常研磨により仕上げる必要がある。
曲面形状を高い形状精度で研磨する研磨装置および研磨方法として、特許文献1に記載のものがある。この研磨装置は、被加工体である凹レンズの平面側を保持して固定する台座(ホルダー)と、この台座を傾動自在かつ回転自在に保持する軸体とを備えている。さらに、この台座や軸体ごと凹レンズを揺動させる揺動機構部を備えている。かかる揺動の揺動中心は、レンズの被加工面である凹球面の曲率中心とされている。さらにこの研磨装置は、所望の研磨形状たる曲率半径を有する半球状の砥石(固定砥粒工具)を有している。この装置による研磨方法は、半球状の砥石を凹レンズの凹球面の全体に面接触で押し当てながら砥石を自転させ、且つ被加工物たるレンズ側では前記揺動を行なって、砥石の形状(即ち所望の曲率半径の球面形状)を凹レンズに転写しつつ研磨する装置である。この研磨方法によれば、所望の曲率半径を有する球面形状の研磨が可能である(特許文献1参照。)。
特開2001−38594号公報(第1図、第3頁)
上述した従来の研磨装置および研磨方法では、球面に沿って揺動させながら凹球面と凸球面とをすり合わせて研磨しているため、球面の研磨は可能であるものの、非球面の研磨はできない。したがって、特に近年増加している非球面レンズや非球面レンズを成形するためのレンズ成型用金型などの非球面を研磨することができない。さらには、非球面レンズや非球面レンズ成形用金型において、研磨前における被研磨物に形状誤差等があった場合に、かかる誤差を研磨によって修正して所望の非球面形状を創成することもできない。
本発明は、以上のような状況に鑑みてなされたものであり、非球面であっても高精度に研磨することが可能であり、さらに所望の非球面形状を創成することも可能な曲面研磨装置および曲面研磨方法を提供することを目的としている。
本発明の曲面研磨装置は、被研磨物を回転させる回転機構と、下端部に球面状の研磨表面を備えた研磨体が固定され、この研磨体の球面状の研磨表面を前記回転機構により回転する前記被研磨物の上面にスポット的に接触させることにより当該被研磨物の上面を研磨する棒状の研磨工具と、前記被研磨物と前記研磨体との接触位置が変化するように前記回転機構を傾斜させつつ揺動させるための第一揺動支持部を備えた第一揺動機構と、前記被研磨物と前記研磨体とが接触した状態で、前記研磨工具を前記球面状の研磨表面の曲率中心又はその近傍を通過する軸線回りに揺動させるための第二揺動支持部を備えた第二揺動機構と、前記第一揺動機構による揺動を制御することにより前記被研磨物上の前記各接触位置における接触時間を制御しうる揺動制御機構と、を備えていることを特徴とする。
また、本発明の研磨方法は、球面状の研磨表面を備えた研磨体と被研磨物とをスポット的に接触させた状態で当該被研磨物を回転させることにより研磨がなされる研磨方法であって、前記被研磨物と前記研磨体の研磨表面とが接触した状態で、前記研磨体を前記球面状の研磨表面の曲率中心又はその近傍を通過する軸線回りに揺動させつつ、前記被研磨物を揺動させることで前記研磨体に対する前記被研磨物の接触位置を変化させて研磨を行うとともに、前記被研磨物の前記揺動を制御することにより、前記被研磨物上の前記各接触位置における接触時間を制御しながら研磨を行うことを特徴とする。
以上のような研磨装置および研磨方法では、研磨体の球面状の研磨表面を被研磨物接触させることで、スポット的な接触となるので、被研磨物の曲面が非球面であっても当該非球面形状に追従して研磨できる。さらに、この接触時間を被研磨物上の各位置において制御することにより、接触時間を比較的長くした部分は多く研磨され、比較的短くした部分は少なく研磨されることとなるので、高精度な非球面形状の創成も可能となる。また、かかる接触位置および接触時間の制御は、被研磨物の揺動(第一揺動機構による揺動)を制御することにより可能となるので、装置構造を簡素としながら高精度な制御が可能となる
研磨工具と被研磨物とをスポット的に接触させ、かつ被研磨物上での接触時間を制御できるようにしたので、非球面であっても高精度に研磨することが可能であり、さらに所望の非球面形状を創成することも可能となる。さらに、研磨工具および被研磨物をそれぞれ揺動させる手法を採用することにより、装置構造を簡素とすることができる。
以下に、図面を参照しつつ本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本発明の一実施形態であるガラスレンズ成型用金型研磨用の研磨装置1及びこれに固定されたガラスレンズ成型用金型2の概略構成を示す全体図である。
なお、以下の研磨装置1の説明において、「上側」、「上方向」、「下側」、「下方向」などと記載した場合の「上」及び「下」とは、第一揺動部Y1や第二揺動部Y2が傾斜していない状態(即ち、後述の下方軸体4や研磨工具7などが鉛直方向に向いた状態)における「上」及び「下」をいうものとする。
この研磨装置1は、互いに別体とされた第一揺動部Y1と第二揺動部Y2とに大別される。第一揺動部Y1は、第一揺動軸線Z1(図1において破線で示す)を揺動中心軸線として揺動する第一揺動機構を備えている。第二揺動部Y2は、第二揺動軸線Z2(図1において破線で示す)を揺動中心軸線として揺動する第二揺動機構を備えている。
第一揺動部Y1は、被研磨物(ワーク)としてのガラスレンズ成型用金型2を固定する円板状の固定台3と、この固定台3の下側面中央から垂直下向きに延びる下方軸体4と、この下方軸体4を軸回転させることにより固定台3に固定されたガラスレンズ成型用金型2を回転させる回転機構としてのワーク回転用モータM1を備えている。下方軸体4は、その一端(上端)が固定台3に取り付けられるとともに、その他端(下端)がワーク回転用モータM1の回転軸と一体とされている。
さらに第一揺動部Y1は、略上下方向に延びる縦アーム13と、縦アーム13の長手方向略中央付近から水平方向に延びるとともに下方軸体4を回動自在に支持する第一アーム10と、縦アーム13の下端から第一アーム10と平行に延びるとともにワーク回転用モータM1を支持する第二アーム11と、縦アーム13の上部から水平方向且つ第一アーム10と反対の方向に延びる第一軸体5と、を備えた振り子体12を有している。第一アーム10、第二アーム11及び縦アーム13は断面矩形の直線棒状部材からなり、第一軸体5は断面円形の円柱棒であって、これら第一アーム10、第二アーム11、及び縦アーム13は一体構造とされている。また第一軸体5は、図示しないステッピングモータにより軸回転する。
また第一揺動部Y1は、第一軸体5を回動自在に支持する第一揺動支持部14を備えている。図示省略するが、第一揺動支持部14は研磨装置1の土台部分に固定されている。よって、第一揺動支持部14は、第一軸体5を回動自在に支持することにより、振り子体12全体を揺動自在に支持している。振り子体12が揺動すると、固定台3、下方軸体4及びワーク回転用モータM1も振り子体12と一体的に揺動する。この揺動を以下、第一揺動Yaなどという(図1の矢印参照。)。
第一揺動部Y1の揺動中、ワーク回転用モータM1の回転により下方軸体4が軸回転し、これにより円板状の固定台3が回転し、よって固定台3の上面に固定されたガラスレンズ成型用金型2も回転する。つまり、第一揺動部Y1は、被研磨物としてのガラスレンズ成型用金型2を回転させながら揺動する。
一方、第二揺動部Y2は、上下方向に延び球状の研磨体6をその一端(下端)に有する棒状の研磨工具7を備えている。研磨体6は、精密研磨に適した錫等の材質からなる。さらに第二揺動部Y2は、水平方向に延びその一端に研磨工具7を備えた第三アーム15と、この第三アーム15の他端から研磨工具7と平行に下向きに延びる第四アーム16と、を有する。さらに、第四アーム16の下端付近からは、第二軸体8が第三アーム15と反対方向で且つ第三アーム15と平行な向きに延びている。第二軸体8は、断面円形の棒状部材であり、第二揺動支持部17により回動自在に支持されている。この第二軸体8は、その一端が第四アーム16と一体とされ、その他端は回転伝達部18を介して第二揺動モータM2に連結されている。この第二揺動モータM2は、図示しない研磨装置1の土台部分に固定されている。第二揺動部Y2の揺動(以下、第二揺動Ybなどという)を駆動する第二揺動モータM2の回転は、回転伝達部18を介して第二軸体8に伝達される。そして、第二揺動モータM2が回転すると、第二軸体8が軸回転して、これに伴い研磨体6を含む研磨工具7と、第三アーム15と、第四アーム16とが一体的に揺動する。
回転伝達部18は、第二揺動モータM2側の回転軸19から上方に延びる直線棒状のモータ側縦アーム20と、このモータ側縦アーム20の上部から第二軸体8側に水平に延びる直線棒状の伝達横アーム21と、第二軸体8の第二揺動モータM2側端から上方に延びる直線棒状の第二軸体側縦アーム22と、を備えている。
モータ側縦アーム20と伝達横アーム21とは互いに一体的に固定されているが、伝達横アーム21と第二軸体側縦アーム22とは互いに上下方向に相対移動できるようになっている。即ち、第二軸体側縦アーム22は、その長手方向(上下方向)に沿って延びる図示されないスリット(隙間)を備えており、このスリットに伝達横アーム21が略隙間なく差し込まれた状態とされている。そして、第二軸体8と回転軸19との上下方向相対位置関係が変化すると、伝達横アーム21が第二軸体側縦アーム22の前記スリット内を移動(摺動)できるようにされている。したがって回転伝達部18は、第二軸体8と回転軸19との相対位置変化(軸ずれ)を許容しつつ回転軸19の軸回転を第二軸体8に伝達する。
図2は、第一揺動軸線Z1(あるいは第二揺動軸線Z2)の延長線方向から見た図であって、第一揺動Yaにより一体的に揺動する第一揺動部Y1(のガラスレンズ成型用金型2、固定台3、下方軸体4、ワーク回転用モータM1)と、前記第二揺動Ybにより揺動する第二揺動部Y2(の研磨工具7)との揺動状態を示す図である。図2では、下方軸体4や研磨工具7が鉛直方向に配向している状態を実線で表し、左右に揺動している状態をそれぞれ仮想線(二点鎖線)で示している。この図2において、ガラスレンズ成型用金型2及び研磨体6に記載の+印の中心が、それぞれ第一揺動軸線Z1及び第二揺動軸線Z2である。
前述したように、第一軸体5が図示しないステッピングモータにより軸回転すると、第一揺動軸線Z1を揺動中心軸線として振り子体12や下方軸体4等が揺動するから、ガラスレンズ成型用金型2も傾斜しつつ揺動する。一方、第二軸体8が第二揺動モータM2により軸回転すると、第二揺動軸線Z2を揺動中心軸線として第三アーム15や第四アーム16とともに研磨工具7が揺動する。
図4は、ガラスレンズ成型用金型2付近の拡大斜視図である。ガラスレンズ成型用金型2は、円柱形状の基部kと、この基部kの上側端面から上方に向かって丘状に突出する突出部tとからなる。このガラスレンズ成型用金型2は、例えば円筒状の胴型とこれに挿入される上下型とからなる金型の上型又は下型として用いられ、突出部tの形状を成形素材に転写して凹レンズを成形するためのものである。そして、突出部tの表面が研磨対象となる被研磨面2aである。
このガラスレンズ成型用金型2は、円板状の固定台3の中心位置に固定されており、その中心軸線2Zが下方軸体4の中心軸線RZと一致するように配置されている。下方軸体4の中心軸線RZは、ワーク回転用モータM1による回転軸線でもあるから、ガラスレンズ成型用金型2は中心軸線2Zを回転軸線として回転する。そして、金型2の突出部tは、研磨体6とスポット的な接触にて接触しながら中心軸線2Zまわりに回転する。よって、研磨体6と突出部tの被研磨面2aとの間に相対移動が生じて研磨がなされる。なお、突出部tと研磨体6との接触面積は、0.1mm程度以下となっている。
突出部tは、球面形状又は非球面形状であるが、この突出部tは、少なくとも研磨後においては基部kの中心軸線2Zまわりに均等な形状であるのが好ましい。なぜなら、前述のように金型2を中心軸線2Zまわりに回転させながら研磨しているからである。中心軸線2Zまわりに均等な形状とは、中心軸線2Zに垂直な平面による断面が、中心軸線2Zの長手方向位置のどの位置においても中心軸線2Zを中心とする円となることを意味する。なお、研磨装置1は、本実施形態の被研磨面2aのような凸曲面のみならず、凹曲面の研磨用としても用いられる。
図1及び図2に示すように、第一揺動軸線Z1と第二揺動軸線Z2とは互いに相違する軸線であるが、互いに平行な軸線とされ且つ双方が同一の鉛直面内に位置している。そして、第二揺動軸線Z2は、第二揺動Ybにより研磨体6の位置(三次元的位置)がほとんど変化しないような位置とされている。本実施形態では、第二揺動軸線Z2が研磨体6の内部を通る位置に設定されている。そしてさらには、第二揺動軸線Z2は球体である研磨体6の中心点(又はその近傍)を通っている。このため図2に示すように、研磨工具7が第二揺動Ybにより揺動しても研磨体6の位置(三次元的位置)は不変である。なお、研磨体6が球体でない場合であっても、研磨体6の表面のうち被研磨面2aと接触する部分が球面となっている場合には、当該接触部分の球面の曲率中心を通るように第二揺動軸線Z2を配置すれば、当該研磨体6の接触部分は第二揺動Ybにより移動しないので好ましい。
一方、第一揺動軸線Z1は、ガラスレンズ成型用金型2の内部を通っており、第一揺動Yaによりガラスレンズ成型用金型2の被研磨面2aの位置(三次元的位置)が変化しにくいようにされている。なお、研磨前の被研磨面2aが球面であってこれを球面形状を維持したまま研磨する場合や、研磨前の被研磨面2aが球面であってこれを研磨して非球面形状を創成する場合には、前記研磨前又は研磨後の被研磨面2a(球面)の曲率中心を第一揺動軸線Z1が通るようにすると、被研磨面2aの位置が変化しにくいのでより好ましい。また、被研磨面2aが非球面形状である場合には、当該非球面の一部を構成する球面(のうちのいずれか一の球面)の曲率中心を第一揺動軸線Z1が通るようにすると、被研磨面2aの位置が変化しにくいので好ましい。
以上のような構成であるから、第一揺動Yaにより被研磨面2aの位置はほとんど変化せず、且つ、第二揺動Ybによって研磨体6(の被研磨面2aと接触しうる範囲の表面)の位置はほとんど変化しない。したがって、研磨体6と被研磨面2aとを接触させた状態を維持しながら第一揺動Ya及び第二揺動Ybによる揺動を行うことが容易とされている。
そして、図2に示すように、第一揺動Yaによりガラスレンズ成型用金型2を揺動させつつ傾斜させ、ガラスレンズ成型用金型2の被研磨面2aと研磨体6との接触位置を変化させる。つまり、状態J1(下方軸体4が鉛直方向に向いた状態)では被研磨面2aの頂点部分と研磨体6とが接触し、状態J2(図2において右方向に揺動した状態、仮想線参照)では被研磨面2aの(図2上における)右側部分と研磨体6とが接触し、状態J3(図2において左方向に揺動した状態、仮想線参照)では被研磨面2aの(図2上における)左側部分と研磨体6とが接触する。
なお、前述のように研磨体6の位置は第二揺動Ybによりほとんど変化せず、また第一揺動軸線Z1と第二揺動軸線Z2とは平行な関係にあるから、研磨体6は突出部tにおける1本の母線に略沿って被研磨面2a上を横切るように移動することとなるが、上述のようにガラスレンズ成型用金型2が中心軸線2Zまわりに回転しているため、被研磨面2aの全体が研磨されることになる。ただし、被研磨面2aの全体を研磨するためには、研磨体6が突出部tの頂点を通過するようにする必要がある。このため、第一揺動部Y1と第二揺動部Y2との相対的位置関係を微調整しうる位置調整機構を第一揺動部Y1又は第二揺動部Y2に設けておくのが好ましい。
研磨体6により被研磨面2aを研磨するためには、これら両者の間に所定の圧力(以下、研磨圧などという)を作用させる必要がある。研磨装置1において第二軸体8を回動自在に支持する第二揺動支持部17は、図示しないスライド機構により上下方向スライド可能に支持されており、この第二揺動支持部17及びこれに支持される第二軸体8、さらには第二軸体8と一体である第三アーム15、第四アーム16、研磨工具7等の自重が、研磨体6と被研磨面2aとの間に研磨圧として作用した状態となっている。前述のごとく、第二揺動支持部17や第二軸体8等が上下に移動して第二軸体8と(第二揺動モータM2側の)回転軸19との上下方向相対位置が変化しても、前述した回転伝達部18により第二揺動モータM2の回転が回転軸19から第二軸体8へと伝達される。なお、図示しない上記スライド機構も第二揺動Ybにより第二揺動支持部17等と一体的に揺動する。
また、このように第二揺動支持部17等が上下方向に移動可能とされ、かつ自重により研磨圧が付与された状態とされているので、研磨体6は、被研磨面2aの研磨が進行して被研磨面2aが研削されていっても研磨圧を維持しつつ当該被研磨面2aに追従する。同様に研磨体6は、被研磨面2aが非球面形状であっても研磨圧を維持しつつ被研磨面2aに追従する。また、このように非球面形状にも追従して研磨できるのは、研磨体6と被研磨面2aとの接触がスポット的な接触であることにもよる。
このように研磨装置1は、研磨体6と被研磨面2aとの間に研磨圧を付与しつつ研磨体6を被研磨面2aに追従させながら研磨しうる研磨圧付与手段を備えているが、この研磨圧付与手段としては上述の構成に限定されず、例えば第三アーム15等、第一揺動部Y1や第二揺動部Y2の各部分の撓みを利用してもよく、あるいは被研磨面2aと研磨体6との間に研磨圧を発生させるべく被研磨面2a又は研磨体6を相手側に向かって付勢するバネ等の付勢手段を設けても良い。また、第一揺動部Y1と第二揺動部Y2との上下方向における相対的位置関係を微調整可能な上下方向位置調整機構を第一揺動部Y1又は第二揺動部Y2に設けておくと、上述した各部撓みによる研磨圧付与手段を容易に実現できる。
なお、本実施形態では、第一揺動部Y1を約5分の比較的ゆっくりした周期で揺動させるのに対して、第二揺動部Y2は約一秒の比較的速い周期で揺動させる。したがって、研磨体6上における接触位置が周期的に移動し、研磨体6の偏摩耗が抑制される。したがって、研磨体6と被研磨面2aとの接触面積の経時変化が少なくなり、研磨精度が高くなる。
そして、研磨装置1は、第一揺動部Y1の揺動を制御することにより、被研磨面2aと研磨体6との各接触位置における接触時間を制御する揺動制御機構をそなえている。第一揺動部Y1の揺動制御は、第一軸体5を回転させる前記ステッピングモータにより行われる。ステッピングモータを用いることにより、第一軸体5の回転角や各回転角における角速度等を制御することが可能となる。前述のように、本実施形態では、第一揺動部Y1を約5分の比較的ゆっくりした周期で揺動させるが、例えば研磨により所望の非球面形状を創成しようとする場合には、かかる第一揺動部Y1の揺動速度を細かく制御する。なお、本実施形態では、第一揺動部Y1の揺動周期を約5分とし、第二揺動部Y2の揺動周期を約1秒とし、且つ連続して約1〜2時間程度研磨を行って、金型2の被研磨面2aを1μm〜数μm程度の研磨量にて研磨している。
図3は、前記揺動制御機構による第一揺動部Y1の揺動制御を説明するための図である。ここでは、もともと球面形状Q(図3の破線)であった突出部tを研磨して、所望の非球面形状Hを得るための揺動制御について説明する。
なお図3では、分かりやすくするため他の図面に比して研磨工具7及び研磨体6を金型2に対して小さく記載している。また、研磨工具7及び研磨体6は、上述の如く金型2を揺動傾斜させることにより突出部t上を移動するものであるが、ここでは分かりやすくするため、あたかも固定された金型2の突出部t上を研磨工具7及び研磨体6が移動したように記載している。
研磨前の球面形状Qから所望の非球面形状Hを得るためには、突出部t上の各位置において研磨量dを連続的に変化させる必要がある。そこで、研磨体6が突出部tの頂上付近αから突出部tの中腹付近β、更にはその裾野付近γと移動するにつれて、第一揺動Yaの角速度を徐々に(連続的に)遅くする。第一揺動Yaの角速度を比較的速くすると研磨体6の同一位置での滞留時間が比較的短くなり研磨量dを比較的少なくすることができる。また、第一揺動Yaの角速度を比較的遅くすると研磨体6の同一位置での滞留時間が比較的長くなり研磨量dを比較的多くすることができる。このように、第一揺動部Y1の揺動角速度を制御するだけで、所望の形状を創成することができるから、高精度の形状を創成しうる研磨装置1を極めて簡単な装置構造により実現できる。
なお、研磨体6と突出部tとの間の相対移動速度は、金型2の回転中心軸である中心軸線2Zから離れるほど速くなるから、この点をも考慮して第一揺動部Y1の揺動角速度を制御することになる。
本発明の一実施形態であるガラスレンズ成型用金型研磨用の研磨装置の概略構成を示す全体図である。 第一揺動軸線の延長線方向から見た、第一揺動部と第二揺動部との揺動状態を示す図である。 揺動制御機構による第一揺動部の揺動制御を説明するための図である。 ガラスレンズ成型用金型付近の拡大斜視図である。
符号の説明
1 研磨装置
2 ガラスレンズ成型用金型(被研磨物)
6 研磨体
7 研磨工具
Y1 第一揺動部(第一揺動機構)
Ya 第一揺動
Y2 第二揺動部(第二揺動機構)
Yb 第二揺動

Claims (2)

  1. 被研磨物を回転させる回転機構と、
    下端部に球面状の研磨表面を備えた研磨体が固定され、この研磨体の球面状の研磨表面を前記回転機構により回転する前記被研磨物の上面にスポット的に接触させることにより当該被研磨物の上面を研磨する棒状の研磨工具と、
    前記被研磨物と前記研磨体との接触位置が変化するように前記回転機構を傾斜させつつ揺動させるための第一揺動支持部を備えた第一揺動機構と、
    前記被研磨物と前記研磨体とが接触した状態で、前記研磨工具を前記球面状の研磨表面の曲率中心又はその近傍を通過する軸線回りに揺動させるための第二揺動支持部を備えた第二揺動機構と、
    前記第一揺動機構による揺動を制御することにより前記被研磨物上の前記各接触位置における接触時間を制御しうる揺動制御機構と、
    を備えていることを特徴とする曲面研磨装置。
  2. 球面状の研磨表面を備えた研磨体と被研磨物とをスポット的に接触させた状態で当該被研磨物を回転させることにより研磨がなされる研磨方法であって、
    前記被研磨物と前記研磨体の研磨表面とが接触した状態で、前記研磨体を前記球面状の研磨表面の曲率中心又はその近傍を通過する軸線回りに揺動させつつ、前記被研磨物を揺動させることで前記研磨体に対する前記被研磨物の接触位置を変化させて研磨を行うとともに、
    前記被研磨物の前記揺動を制御することにより、前記被研磨物上の前記各接触位置における接触時間を制御しながら研磨を行うことを特徴とする曲面研磨方法。
JP2003399513A 2003-11-28 2003-11-28 曲面研磨装置および曲面研磨方法 Expired - Fee Related JP3885964B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003399513A JP3885964B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 曲面研磨装置および曲面研磨方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003399513A JP3885964B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 曲面研磨装置および曲面研磨方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005161410A JP2005161410A (ja) 2005-06-23
JP3885964B2 true JP3885964B2 (ja) 2007-02-28

Family

ID=34724044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003399513A Expired - Fee Related JP3885964B2 (ja) 2003-11-28 2003-11-28 曲面研磨装置および曲面研磨方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3885964B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4996964B2 (ja) * 2007-04-12 2012-08-08 オリンパス株式会社 研磨装置
US8961264B2 (en) * 2010-12-14 2015-02-24 Nike, Inc. Method of deburring a ball
JP5300939B2 (ja) * 2011-08-25 2013-09-25 安田工業株式会社 仕上加工用工具を用いた加工方法
CN103192305A (zh) * 2013-03-19 2013-07-10 西安交通大学苏州研究院 一种非球面光学元件的点接触抛光装置及方法
WO2015076039A1 (ja) * 2013-11-22 2015-05-28 コニカミノルタ株式会社 研磨方法及び研磨装置
KR101958565B1 (ko) * 2017-09-12 2019-07-04 강상구 곡면 강화유리 연마장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005161410A (ja) 2005-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6122999A (en) Lathe apparatus and method
JP4633815B2 (ja) 球面研磨装置
US10092994B2 (en) Grinding machine with pivotable mounting of a grinding spindle
JP2000515074A (ja) 光学的表面の製造方法およびこの方法を実施するための加工機
US4584799A (en) Method of forming a convergent lens in a plate of transparent mineral material
US5024024A (en) Grinding and finishing apparatus and method
JP3885964B2 (ja) 曲面研磨装置および曲面研磨方法
JP2011177873A (ja) 研磨装置及び研磨方法
JP2019055452A (ja) 凸レンズ加工装置、凸レンズ加工方法、及び砥石
JP2006218554A (ja) 工具砥石の形状創成方法
JP2007118117A (ja) フライアイレンズ成形型の加工装置および加工方法
JP6207275B2 (ja) 部品の製造方法、研磨装置、光学部材の製造方法、および型の製造方法
JP6274769B2 (ja) 部品の製造方法、および研磨装置
EP0872307B1 (en) Lathe apparatus and method
KR20070121858A (ko) 비구면 연삭/연마 가공 기구에 대한 비구면 가공 경로를 생성하는 방법
JP2001334460A (ja) 研磨方法
US5085007A (en) Toric lens fining apparatus
US4166342A (en) Toroidal polisher
JPH02131851A (ja) 曲面研摩装置
JPH0413090B2 (ja)
JP6513236B2 (ja) 部品の製造方法および研磨装置
JP3756130B2 (ja) カム式球心型研磨機を用いた非球面レンズ研磨方法
JPS62203744A (ja) 異曲率曲面形成方法及び形成装置
JPH0966445A (ja) 研磨装置および研磨方法
JP2009018381A (ja) 表面加工機

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060405

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060411

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060609

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061024

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees