JP3881722B2 - ベルトの設計支援方法及び設計支援装置 - Google Patents

ベルトの設計支援方法及び設計支援装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系に回転変動やトルク変動が加わった場合の駆動系の設計を支援する方法及び装置に関する技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、伝動ベルトを用いて動力伝達を行う駆動系を設計する場合においては、負荷、ベルト張力、プーリ回転数、ベルト速度、プーリ径、プーリレイアウト等を考慮して、伝動ベルトが短寿命にならないようにする工夫が行われる。通常、その工夫とは、例えばベルトレイアウト、プーリ径、ベルト種類の変更、或いはベルト幅やベルト本数の変更等が挙げられる。
【0003】
特に、自動車等に用いられるエンジン用の補機(エアコン用コンプレッサ、パワーステアリング用オイルポンプ、冷却水用ウォータポンプ、発電用オルタネータ、エンジン潤滑用オイルオンプ等)を駆動する伝動ベルト系や、カムシャフトを駆動するタイミングベルトを用いた伝動ベルト系では、エンジンのクランクシャフトを駆動源としているため、エンジン点火周期に応じた回転変動が生じたり、クランクシャフトの捩り振動や各プーリでのトルク変動が生じたりするが、この回転変動やトルク変動によって、ベルトの駆動系はベルト長手方向に振動を受けることになる。その結果、ベルトの最大張力が増大して短寿命化を招いたり、プーリ周上の過大な剪断力によるベルト早期破損や、ベルトスリップの増大によるスリップ音の発生、或いはスリップによる発熱や短寿命化が生じたりする等の問題がある。
【0004】
これらの問題に対処するために、本出願人は、前に、実際に生じる伝動ベルト駆動系に加わる張力、加速度、速度、変位等を精度よく計算できるようにし、その数値を用いて実際に即した伝動ベルトの駆動系設計及び一方向性を有するカップリングの設計に供し得るベルトの設計支援方法及び装置を提案している(特開平7―229539号公報参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、伝動ベルト駆動システムにおいて、一方向(回転方向)にのみトルクを伝達するカップリングを慣性モーメントの大きい補機(例えば発電用オルタネータ等)に装着することにより、回転変動やトルク変動からくる補機の回転変動慣性の増大によるベルトの張力変動増加を低減させることが可能となり、伝動ベルトの寿命を大きく延ばすことができる。
【0006】
しかし、伝動ベルト駆動系システムにおいて、一方向にのみトルクを伝達するカップリングのトルクの切換周期と、ベルトレイアウトからくるベルト長手方向のばね特性による固有周期とが同期した場合や、例えばカップリングを発電用オルタネータに含み、そのオルタネータ発電による回転負荷の増大によりカップリングがトルクを伝達していないときに補機軸の回転数低下が生じた場合等、伝動ベルトが受ける刺激度合いがエンジン状態により異なることから、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動システムの性能低下や効果を予測し、伝動ベルトの駆動系設計を行う必要がある。
【0007】
しかも、少なくとも1つのプーリに一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系のベルト長手方向の振動予測においては、予測可能な方法が見出だされていない。
【0010】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、実際に生じる一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系に加わる張力、加速度、速度、変位等を精度よく計算できるようにして、その数値を用いて実際に即した伝動ベルトの駆動系設計及び一方向性を有するカップリングの設計に供し得るようにすることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1〜12の発明では、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分のばね、或いは一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分の摩擦則を考慮した接触モデルを計算の途中で変更する構成とした。
【0012】
すなわち、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分のばねに加わる歪がトルクを伝達する歪である場合には、一方向にのみトルクを伝えるカップリング部分のばね定数がばね要素の値として計算を行う。これに対し、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分のばねに加わる歪がトルクを伝達しない歪である場合には、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分のばね定数を一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分のばね定数よりも低い値かもしくは零にしてしまい、又はトルクを伝達しない歪が生じたときだけそのばね要素を取り除いてしまった状態で計算を行う。
【0013】
一方、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分の摩擦則を考慮した接触モデルに加わる摩擦方向がトルクを伝達する方向である場合には、一方向にのみトルクを伝えるカップリング部分の摩擦力が摩擦則を考慮した接触要素の値として計算を行う。これに対し、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分の摩擦則を考慮した接触モデルに加わる摩擦方向がトルクを伝達しない方向である場合には、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分の摩擦力を一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分の摩擦力よりも低い値かもしくは零にしてしまい、又はトルクを伝達しない歪が生じたときだけその摩擦則を考慮した接触モデルを取り除いてしまった状態で計算を行う。
【0014】
具体的には、請求項1〜6の発明は方法の発明であり、請求項1の発明では、伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するベルトの設計支援方法において、上記一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分をばねとしてモデル化した要素に加わる歪がトルクを伝達する歪になったときには、ばね定数をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない歪になったときには、ばね定数をカップリングの空転トルク特性に変更することを特徴としている。
【0015】
この構成により、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分の捩りばね要素にトルクを伝達する歪が生じた場合には、捩りトルクを保持することになるが、トルクを伝達しない歪が生じた場合には、ばね定数が一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分のばね特性よりも低い空転トルク特性のばね定数に変更されるので、振動計算モデルによる計算上、空転トルクを伝えることになり、実際の現象に極めて近い状態の計算が行うことができる。
【0016】
請求項2の発明では、上記と同様に、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を、摩擦則を考慮した接触モデルとしてモデル化した要素に加わる摩擦方向がトルクを伝達する方向になったときには、摩擦力をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない摩擦方向になったときには、摩擦力をカップリングの空転トルク特性に変更することを特徴としている。
【0017】
この構成によると、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分の摩擦則を考慮した接触要素にトルクを伝達する摩擦が生じた場合には、摩擦力を保持することになるが、トルクを伝達しない摩擦が生じた場合には、摩擦力が一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分の摩擦力よりも低い空転トルク特性の摩擦力に変更されるので、振動計算モデルによる計算上、空転トルクを伝えることとなり、実際の現象に極めて近い状態の計算が行うことができる。
【0018】
請求項3の発明では、上記請求項1の発明と同様に、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分をばねとしてモデル化した要素に加わる歪がトルクを伝達する歪になったときには、ばね定数をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない歪になったときには、上記要素を取り除くように変更する。
【0019】
この構成では、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分のばね要素にトルクを伝達する歪が生じた場合には、当該要素が取り除かれる。従って、全くトルクを伝達しない側の捩りトルクを保持しないことになり、実際の現象に近い状態の計算が行うことができる。
【0020】
請求項4の発明では、請求項2の発明と同様に、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を摩擦則を考慮した接触モデルとしてモデル化した要素に加わる摩擦方向がトルクを伝達する方向になったときには、摩擦力をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない摩擦方向になったときには、上記要素を取り除くように変更する。
【0021】
この発明では、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分の摩擦則を考慮した接触要素にトルクを伝達する摩擦が生じた場合に、当該要素が取り除かれるので、全くトルクを伝達しない側の摩擦力を保持しないことになり、実際の現象に近い状態の計算が行うことができる。
【0022】
請求項5の発明では、請求項1の発明と同様に、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分をばねとしてモデル化した要素に加わる歪がトルクを伝達する歪になったときには、ばね定数をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない歪になったときには、ばね定数を零の値に変更する。
【0023】
このことで、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分のばね要素にトルクを伝達する歪が生じたときには、ばね定数が零の値に変更されるので、請求項3の発明と同様に、全くトルクを伝達しない側の捩りトルクを保持しないことになり、実際の現象に近い状態の計算が行うことができる。
【0024】
請求項6の発明では、請求項2の発明と同様に、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を摩擦則を考慮した接触モデルとしてモデル化した要素に加わる摩擦方向がトルクを伝達する方向になったときには、摩擦力をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない摩擦方向になったときには、摩擦力を零の値に変更する。
【0025】
このことで、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分の摩擦則を考慮した接触要素にトルクを伝達する摩擦が生じたときには、摩擦力が零の値に変更される。従って、請求項4の発明と同様に、全くトルクを伝達しない側の摩擦力を保持しないことになり、実際の現象に近い状態の計算が行うことができる。
【0026】
請求項7〜12の発明は装置の発明であり、請求項7の発明では、伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するようにしたベルトの設計支援装置が前提である。
【0027】
そして、振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うときに、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分をばねとしてモデル化した要素に加わる歪を判定する判定手段と、この判定手段により要素に加わる歪がトルクを伝達する歪になったと判定されたときには、ばね定数をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない歪になったときには、ばね定数をカップリングの空転トルク特性に変更するばね定数変更手段とを備える。このことで、請求項1の発明と同様の作用効果が得られる。
【0028】
請求項8の発明では、伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するようにした装置が前提であり、振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うときに、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を摩擦則を考慮した接触モデルとしてモデル化した要素に加わる摩擦方向を判定する判定手段と、この判定手段により要素に加わる摩擦方向がトルクを伝達する方向になったと判定されたときには、摩擦力をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない摩擦方向になったときには、摩擦力をカップリングの空転トルク特性に変更する摩擦力変更手段とを備える。このことで、請求項2の発明と同様の作用効果が得られる。
【0029】
請求項9の発明では、伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するようにしたベルトの設計支援装置において、振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うときに、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を捩りばねとしてモデル化した要素に加わる歪を判定する判定手段と、この判定手段により要素に加わる歪がトルクを伝達する歪になったと判定されたときには、ばね定数をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない歪になったときには、ばね定数を上記要素を取り除くように変更するばね定数変更手段とを備えたことを特徴とする。
【0030】
このことで、ばね定数変更手段は、振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うとき、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を捩りばねとしてモデル化した要素に加わる歪がトルクを伝達しない歪になると、請求項7とは異なり、該要素を取り除くように変更するので、請求項3の発明と同様の作用効果が得られる。
【0031】
請求項10の発明では、伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するようにしたベルト設計支援装置において、振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うときに、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を、摩擦則を考慮した接触モデルとしてモデル化した要素に加わる摩擦方向を判定する判定手段と、この判定手段により要素に加わる摩擦方向がトルクを伝達する方向になったと判定されたときには、摩擦力をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない摩擦方向になったときには、上記要素を取り除くように変更する摩擦力変更手段とを備えた構成とする。
【0032】
このことで、摩擦力変更手段は、振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うとき、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を摩擦則を考慮した接触モデルとしてモデル化した要素に加わる摩擦方向がトルクを伝達しない摩擦方向になれば、請求項8の発明とは異なり、該要素を取り除くように変更するので、請求項4の発明と同様の作用効果が得られる。
【0033】
請求項11の発明では、上記振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うときに、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分をばねとしてモデル化した要素に加わる歪を判定する判定手段と、この判定手段により要素に加わる歪がトルクを伝達する歪になったと判定されたときには、ばね定数をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない歪になったときには、ばね定数を零の値に変更するばね定数変更手段とを備えた構成とする。このことで、請求項5の発明と同様の作用効果が得られる。
【0034】
請求項12の発明では、上記振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うときに、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を、摩擦則を考慮した接触モデルとしてモデル化した要素に加わる摩擦方向を判定する判定手段と、この判定手段により要素に加わる摩擦方向がトルクを伝達する方向になったと判定されたときには、摩擦力をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない摩擦方向になったときには、摩擦力を零の値に変更する摩擦力変更手段とを備えた構成とする。このことで、請求項5の発明と同様の作用効果が得られる。
【0037】
【発明の実施の形態】
初めに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト振動計算モデルで適用した従来の伝動ベルト駆動系振動計算モデル(特開平7−229539公報参照)の例を説明すると、図1〜図5は上記従来の伝動ベルト駆動系振動計算モデルに係る2軸の伝動ベルト駆動系の例を示し、1,8,16,23は回転変動が生じる原動側(駆動側)プーリ、2,9,17,24は該原動側プーリ1,8,16,23と平行な軸心を有する従動側プーリで、両プーリ間には伝動ベルトBが巻き掛けられている。
【0038】
この伝動ベルト駆動系のベルトスパン部分B1,B2をばねによってモデル化した際の図を図2に示す。伝動ベルト駆動系の中で、ベルトBにおけるばねとして置き換えられる箇所として、プーリ1,2に巻き付いている部分のベルト心線と、プーリ1,2との間に位置するゴム部分とがばねとして働く。図3は、このベルトBのプーリ8,9に巻き付いている部分のベルト心線とプーリ8,9との間のゴム部分でのばねを付加した場合の振動モデルである。
【0039】
図4は、図2に示す振動モデルの内部減衰を表現するために減衰要素を付加したものである。図5は、図3に示す振動モデルの内部減衰を表現するために減衰要素を付加したものである。
【0040】
そして、この振動モデルにおいて、ベルトスパン部分B1,B2に加わる歪が圧縮歪になった際には、ばね定数を引張り歪の際よりも低い値もしくは零にしてしまうか、又は圧縮歪が生じたときだけベルトスパンB1,B2の構成要素を取り除いてしまった状態で計算を行う。
【0041】
つまり、図4及び図5に示されるベルトスパン部分B1,B2は、ばね要素と減衰要素との組合せにて成り立っているものであるから、これらの組合せ状態において、ベルトスパン部分B1,B2に加わる歪が引張り歪になった際には、その引張り荷重を保持するが、圧縮歪になった際には、引張り歪の値よりもそのばね定数が低い値か零にしてしまい、或いは圧縮歪が生じたときだけ、そのベルトスパン部分B1,B2の要素を取り除いてしまった状態で計算を行う。
【0042】
(実施形態1)
以上の如き振動計算モデルのいずれの計算方法においても、一方向のみにトルクを伝達するカップリングを含んだプーリに上記モデルを装着することにより、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト駆動系が得られる。
【0043】
すなわち、図6は、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ、本発明の実施形態1に係る伝動ベルト駆動系の例を示し、28は回転変動が生じる原動側(駆動側)プーリ、29は該原動側プーリ28と平行な軸心を有する従動側プーリ、30は従動側プーリ29に装着された一方向にのみトルクを伝達するカップリングで、両プーリ28,29間には伝動ベルトBが巻き掛けられている。この例は、振動モデルの内部減衰を表現するために減衰要素を付加したもので、従動側プーリ29に装着された一方向にのみトルクを伝達するカップリング30をばねによってモデル化している。
【0044】
この実施形態では、一方向にのみトルクを伝達するカップリングモデルにおいて、トルクを伝えない歪になった際には、ばね定数をトルクを伝える歪の値よりも低い値もしくは零にしてしまうか、又はトルクを伝えない歪が生じたときだけ一方向にのみトルクを伝達するカップリングの要素を取り除いた状態で計算を行う。
【0045】
図7は、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の他の例を示す。図7中、33は回転変動が生じる原動側(駆動側)プーリ、34は該原動側プーリ33と平行な軸心を有する従動側プーリ、35は従動側プーリ34に装着された一方向にのみトルクを伝達するカップリングで、両プーリ33,34間には伝動ベルトBが巻き掛けられている。この例は、振動モデルの内部減衰を表現するために減衰要素を付加したもので、従動側プーリ34に装着された一方向にのみトルクを伝達するカップリング30をばねとスライダ要素とによってモデル化した例である。
【0046】
この例では、一方向にのみトルクを伝達するカップリングモデルにおいて、トルクを伝えない歪になった際には、スライダの力をトルクを伝える歪の値よりも低い値もしくは零にしてしまうか、又はトルクを伝えない歪が生じたときだけ一方向にのみトルクを伝達するカップリングのばねとスライダ要素とを取り除いた状態で計算を行う。
【0047】
こうすることで、図6及び図7に示すいずれの例においても、トルクを伝えない歪が生じた場合に小さな一定の荷重を伝えることになり、実際の空転トルク特性の現象に近い状態の計算を行うことができる。
【0048】
図8及び図9は一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ3軸の伝動ベルト駆動系の例を示す。これらの図中、39,49は原動側プーリ、40,50は該原動側プーリ39,49と平行な軸心を有する一方の従動側プーリ、41,51は同様に原動側プーリ39,49と平行な軸心を有する他方の従動側プーリで、これらプーリ39〜41,4,〜51間には伝動ベルトBが巻き掛けられている。この伝動ベルトBのスパン部分、及びプーリ39〜41,49〜51に巻き付いている部分のベルト心線とプーリ39〜41,49〜51との間のゴム部分をばねによってモデル化する。このモデルは、振動モデルの内部減衰を表現するために減衰要素を付加した振動モデルで、この振動モデルの従動側プーリに装着された一方向にのみトルクを伝達するカップリング42,52をばねによってモデル化している。
【0049】
図9では、図8の一方向にのみトルクを伝達するカップリングモデルを、ばねとスライダとによってモデル化している。この一方向にのみトルクを伝達するカップリングモデルは、1つの従動側プーリだけでなく複数用いることも可能である。また、原動側プーリに用いることも可能である。
【0050】
図8に示す振動モデルにおいて、一方向にのみトルクを伝達するカップリングモデルがトルクを伝えない歪になった際には、ばね定数をトルクを伝える歪の値よりも低い値もしくは零にしてしまうか、又はトルクを伝えない歪が生じたときだけ一方向にのみトルクを伝達するカップリングの要素を取り除いた状態で計算を行う。
【0051】
また、図9に示す振動モデルにおいても、一方向にのみトルクを伝達するカップリングモデルがトルクを伝えない歪になった際には、スライダの力をトルクを伝える歪の値よりも低い値もしくは零にしてしまうか、又はトルクを伝えない歪が生じたときだけ一方向にのみトルクを伝達するカップリングのばねとスライダ要素を取り除いた状態で計算を行う。
【0052】
したがって、この例の場合でも、トルクを伝えない歪が生じた場合に小さな一定の荷重を伝えることになり、実際の空転トルク特性の現象に近い状態の計算を行える。
【0053】
図10及び図11は一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだオートテンショナを含んだ4軸の伝動ベルト駆動系の例を示す。これらの図中、60,70は回転変動の生じる原動側プーリ、61,71は上記原動側プーリ60,70と平行な軸心を有する一方の従動側プーリ、62,72は同様の他方の従動側プーリで、原動側プーリ60,70と他方の従動側プーリ62,72との間にはばね64,74によって付勢されたオートテンショナのプーリ63,73が配設され、これらプーリ60〜63,70〜73間には伝動ベルトBがオートテンショナプーリ63,73だけ背面掛けとして巻き掛けられている。この伝動ベルトBのスパン部分、及びプーリ60〜63,70〜73に巻き付いている部分のベルト心線とプーリ60〜63,70〜73との間のゴム部分をばねによってモデル化する。このモデルは、振動モデルの内部減衰を表現するために減衰要素を付加した振動モデルであり、この振動モデルの従動側プーリに装着された一方向にのみトルクを伝達するカップリングをばねによってモデル化している。図11では、図10の一方向にのみトルクを伝達するカップリングモデルを、ばねとスライダとによってモデル化した例を示す。
【0054】
次に、図12は、図7に示す一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系を、図1〜図5に示す結合方法に従ってトラス要素でモデル化した場合の要素形状を示している。図中、N1,N2は各プーリ33,34の中心の節点を示す。また、N4〜N7はベルトスパン部分B1,B2とプーリ33,34とが接している所に位置する節点である。要素E1,E2はベルトスパン部分B1,B2に当たるもので、1次元のトラス要素である。要素E4〜E7の一端はプーリ中心の節点N1,N2に結合し、他端がベルトスパンB1,B2部分のトラス要素に結合しており、この要素E4〜E7は、接合するプーリ中心の節点のZ軸回りの回転に従うように拘束されている。また、この要素E4〜E7の長さは変化しない。
【0055】
要素E3は一方向にのみトルクを伝達するカップリング35に当たり、その一端は、カップリング35の装着されているプーリ34の中心節点N2に結合され、他端が補機軸中心の節点N3に結合されている。従動側プーリ34の中心節点N2とカップリング35の結合していない節点とには、補機負荷に相当する捩りモーメントを加える。
【0056】
慣性マスは、各プーリ33,34の中心の節点N1,N2と補機軸の中心の節点N3とに結合している。
【0057】
以上のように設定した後、原動側プーリ33に所定の回転変動を加えてやることにより、この振動系に振動を与える。振動が定常になった状態で、このベルト駆動系の振動状態と判断する。
【0058】
次に、上記のようにしてベルトの設計を支援するようにしたベルトの設計支援装置について説明する。この装置はコンピュータでのソフトウェアにより構成されるもので、このコンピュータでの計算の手順例を図13及び図14に示すフローチャート図により説明する。
【0059】
この図のベルトスパン部分の動的応答繰返し計算のステップは、従来(特開平7―229539号公報参照)のベルト設計支援装置を用いて、内部判定計算の中に本発明の一方向にのみトルクを伝達するカップリングの判定計算式を入れる。
【0060】
すなわち、最初のステップS1にてデータを入力し、次のステップS2にて計算を行う伝動ベルト駆動系の運動方程式を作成する。その後、ステップS3〜S12の間で微小時間ずつ増分させたときの動的応答を繰り返し計算することにより求める。
【0061】
まず、ステップS3で、計算中の現在の状態よりΔt時間後の状態を計算により求める。このステップS3における振動系モデルは、前述したようにオイラー法、線形加速度法、ニューマークのβ法、ウィルソンのθ法、フーボルト法、ルンゲクッタ法のような方法により行うことができる。
【0062】
上記ステップS3での計算結果によりΔt時間後の状態が計算されるが、その計算結果より、ステップS4においてベルトスパンばねに加わる歪を調べる。これは、t時間時のベルトスパンの歪に対して、t+Δt時間時のベルトスパン歪が引張り歪から圧縮歪に変化しているかどうかを判定する。ベルトスパン歪が引張り歪から圧縮歪に変化している部分があって判定がYESになれば、ステップS5にてベルトスパン部のばね定数を零にするか、低い値に変更するか、又は計算モデル上からばねを取り除いた形にした後、ステップS6に進む。判定がNOのときにはそのままステップS6に進む。
【0063】
上記ステップS6では、カップリングの歪がトルクを伝達する歪成分又はトルクを伝達しない歪成分のいずれであるかを判定する。カップリングの歪がトルクを伝達しない歪成分に変化していて、ステップS6の判定がYESのときには、ステップS7にてカップリングのばね定数を零にするか、もしくは低い値に変更するか、又は計算上からばねを取り除いた形にする。カップリングの振動モデルにスライダが取り付けられている場合は、空転トルクの値で滑り状態にする。このステップS7の後、ステップS6の判定がNOのときと共にステップS8に進む。
【0064】
上記ステップS8では、t時間時のベルトスパンの歪に対してΔt時間後のベルトスパン歪の変化により、ベルトスパンばねに加わる歪みを調べる。すなわち、t時間時のベルトスパンの歪に対してt+Δt時間時のベルトスパン歪が圧縮歪から引張り歪に変化しているかどうかを判定する。ベルトスパン歪が圧縮歪から引張り歪に変化している部分があり、判定がYESのときには、ステップS9にて、ベルトスパンの引張り時のばね定数に変更するか、又は、その部分にばねを取り除いた形になっている場合には、ベルトスパンのばねを取り付けることを行い、しかる後にステップS10に進む。また、判定がNOであると、そのままステップS10に進む。
【0065】
ステップS10では、ステップS6と同様にカップリング歪がトルクを伝達する歪成分か又はトルクを伝達しない歪成分かどうかを判定する。ここで、カップリングの歪がトルクを伝達する歪成分に変化していて、ステップS10の判定がYESのときには、ステップS11にてカップリングのばね定数をトルクを伝えるばね定数にするか、低い値に変更するか、又は計算上からばねを取り除いた形になっているときには、カップリングのばねを取り付ける。カップリングの振動モデルにスライダが取り付けられている場合は、カップリングのトルク容量の値で滑り状態にし、しかる後にステップS12に進む。ステップS10の判定がNOのときにはそのままステップS12に進む。
【0066】
尚、上記ステップS6,S10での判定は、その直前のステップS3での計算と、さらにその前のステップS3の計算との間でカップリングばね又はスライダを変更した部分については、変更したときの状態がトルクを伝える歪を受けている状態に変更したものであれば、t時間後にトルクを伝える歪を受けているものとし、トルクを伝えない歪を受けている状態に変更したものであれば、t時間後にトルクを伝えない歪を受けているものとして取り扱う。
【0067】
上記ステップS12では、ステップS5,S7,S8,S10にてベルトスパンのばねもしくはカップリングのばね又はスライダを変更したかどうかを判定し、その変更有りのYESの場合には、ステップS3に戻って再計算を行う。尚、簡易に計算を行う場合や時間増分Δtが小さい場合には、ステップS12を取り除いたフローで計算を行い、ステップS11から直接ステップS13に進む手順を行ってもよい。
【0068】
ステップS12にて、ベルトスパンのばねもしくはカップリングのばね又はスライダを変更していないNOの場合と判定されると、ステップS13で時間tをΔtだけ増やし、さらにステップS14で、その時間における計算結果を記録する。
【0069】
その後、ステップS15にて、指定された時間範囲まで計算が終了したか否かを判定し、終了時間になっていないNOの場合は、ステップS3に戻る一方、終了時間になっているYESの場合には、ステップS16に進んで結果出力を行い、しかる後に本計算を終了する。
【0070】
本発明の実施形態では、ステップS6,S10により、伝動ベルト駆動系ベルト長手方向の振動計算モデルに対し、カップリング部分をばね又はばね及びスライダとしてモデル化した要素に加わる歪を判定するようにした判定手段101が構成されている。
【0071】
また、ステップS7,S11により、上記判定手段101にて要素に加わる歪がトルクを伝える歪と判定されたときには、ばね定数をカップリング部分のばね特性とし、又はスライダが取り付けられている場合には該スライダをカップリングのトルク容量の値で滑り状態の特性にする一方、トルクを伝えない歪になったと判定されたときには、ばね定数をカップリング部分のばね定数よりも低いばね定数に変更するか、零にするか、或いは当該の要素を取り去り、スライダが取り付けられている場合は空転トルクの値で滑り状態にするようにした変更手段102が構成される。
【0072】
ここで、上記各例での他の運動方程式を例示する。
[図5に示すモデルの運動方程式]
【数1】
Figure 0003881722
【0073】
この式をマトリックス形式で書くと、
【数2】
Figure 0003881722
【数3】
Figure 0003881722
【0074】
[図6に示すモデルの運動方程式]
【数4】
Figure 0003881722
【0075】
この式をマトリックス形式で書くと、
【数5】
Figure 0003881722
【0076】
[図7に示すモデルの運動方程式]
【数6】
Figure 0003881722
【0077】
この式をマトリックス形式で書くと、
【数7】
Figure 0003881722
【0078】
[図8に示すモデルの運動方程式]
【数8】
Figure 0003881722
【0079】
この式をマトリックス形式で書くと、
【数9】
Figure 0003881722
【0080】
[図9に示すモデルの運動方程式]
【数10】
Figure 0003881722
【0081】
この式をマトリックス形式で書くと、
【数11】
Figure 0003881722
【0082】
[図10に示すモデルの運動方程式]
【数12】
Figure 0003881722
【0083】
この式をマトリックス形式で書くと、
【数13】
Figure 0003881722
【数14】
Figure 0003881722
【数15】
Figure 0003881722
【0084】
[図11に示すモデルの運動方程式]
【数16】
Figure 0003881722
【0085】
この式をマトリックス形式で書くと、
【数17】
Figure 0003881722
【数18】
Figure 0003881722
【数19】
Figure 0003881722
【0097】
尚、以上に説明した実施形態1の例は、ベルトスパン部分及びカップリング部分をばねとしているが、ばね定数を表現できるものであれば何でもよく、例えばばね要素、トラス要素、梁要素、三角形要素、四角形要素、プリズム要素、れんが型要素等を単独又は複合させて用いた場合にも、同様の作用効果が得られ、本発明に含まれる。
【0098】
また、上記のようなばね要素、粘性要素、慣性マス等の結合によって作られた振動系のモデルはオイラー法、線形加速度法、ニューマークのβ法、ウィルソンのθ法、フーボルト法、ルンゲクッタ法等の方法により、動的釣合い式を各時間増分で解く動的応答解析を行えばよい。
【0099】
また、この発明の対象となるベルトは歯付ベルト、Vベルト、Vリブドベルト、平ベルトを含む伝動ベルトであり、特定の種類のベルトに限定されない。
【0100】
さらに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングについては、一方向クラッチ(シェルタイプ、ローラタイプ、スプラグタイプ、カムクラッチタイプ、ベアクラッチタイプ等)や一方向にのみトルクを伝達できるものであれば、全てに適用できる
【0101】
【実施例】
最後に、図15に示すように一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ2軸の伝動ベルト駆動系について実験を行い、本発明による計算値に対比すべき実験値を求めた。図15は、実施形態1において図7に示される一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ2軸の伝動ベルト駆動系に対し(尚、図7と同じ部分については同じ符号を付して説明する)、各種のセンサが取り付けられている。
【0102】
すなわち、原動側プーリ33は図外のエンジン又は可変速軸に連結されて回転変動が生じるものである。また、従動側プーリ34にはエンジンに駆動される補機として例えばオルタネータ、空調用コンプレッサ、パワーステアリング用ポンプ、ウォータポンプ等のうち、一方向のみトルクが伝達するカップリング特性が顕著に現れるオルタネータ36が駆動連結されている。従動側プーリ34と補機36(オルタネータ)との連結部には、一方向にのみトルクを伝達するカップリングが取り付けられている。
【0103】
これに対し、上記各プーリ33,34及び補機36の軸にはそれぞれスリット円盤76〜78が回転一体に取り付けられ、これらスリット円盤76〜78に近接して光電スイッチ79〜81が配設され、この光電スイッチ79〜81の矩形波パルス信号出力は該光電スイッチ79〜81からの周波数信号を電圧に変換するFVコンバータ86〜88にそれぞれ接続されており、プーリ33,34と補機36の軸の回転時、スリット円盤76〜78のスリットが光電スイッチ79〜81の位置を通過したときに該光電スイッチ79〜81でパルス電圧信号を生じさせ、その電圧信号を受けたFVコンバータ86〜88からスリット円盤76〜78のスリットの通過周期に応じたプーリ回転速度に対応する電圧を出力させるようにしている。
【0104】
また、上記原動側プーリ33と従動側プーリ34との間の第1のベルトスパンB1には第1のタッチプーリ82が、また第2のベルトスパンB2には第2のタッチプーリ83がそれぞれ設けられている。これらのタッチプーリ82,83は対応するベルトスパンB1,B2の背面を3〜20°屈曲するように配置されており、接触するベルトに比例した反力がタッチプーリ82,83に作用するようになっている。そして、これらのタッチプーリ82,83の取付部にはロードセル84,85が取り付けられ、これらのロードセル84,85はそれぞれ歪ゲージ用アンプ89,90に接続されている。
【0105】
そして、上記各FVコンバータ86〜88及び各歪ゲージ用アンプ89,90の出力信号は、A/Dコンバータ91でアナログ信号からディジタル信号に変換された後にその電圧値が計測コンピュータ92に取り込まれて計測される。この計測値を出図するために、コンピュータ92にプリンタ93が接続されている。尚、実験上の諸元は表1及び表2に示すとおりである。
【0106】
【表1】
Figure 0003881722
【0107】
【表2】
Figure 0003881722
【0108】
図16は、補機軸であるオルタネータの発電負荷が、無負荷状態で回転負荷のみが生じているときの、原動側プーリ33、従動側プーリ34及び補機36の軸の回転変動について計算結果(図16(a))と実験結果(図16(b))とを示す。原動側プーリ33の回転変動は計算又は実験のいずれとも同じで、計算ではこの回転変動を加振力として与えている。このような原動側プーリ33の回転変動に対し、従動側プーリ34及び補機36の軸(オルタネータ軸)も回転変動を示しており、計算結果は実験結果に対し位相及び振幅量を共に近似できていることが判る。
【0109】
また、図17は原動側プーリ33と従動側プーリ34との間のベルトスパン部分の張力を示している。これも同様に、計算結果(図17(a))は実験結果(図17(b))に対し位相及び変動量とも近似できていることが判る。
【0110】
これらのデータによれば、従動側のプーリがカップリングのトルクを伝えない歪方向に回転したとき、補機軸は慣性マスにより回転慣性が生じていることから、補機軸は従動側プーリと絶縁されて空転している状態が示されており、計算においても実験値と同等の状態が再現されていることが判る。
【0111】
このことにより、ベルトスパン部分の要素には補機の回転慣性を制動・動作させる仕事エネルギーが生じないため、トルクを伝達しない回転方向時には張力変化が少なくなり、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系が従来の固定プーリを用いた伝動ベルト駆動系よりもベルトへの刺激が少なく、ベルトの故障や寿命にとって優位であることが、理論的に実証できたことになる。
【0112】
従来(特開平7−229539公報参照)の設計支援装置を用いて同様の計算を行うと、トルクを伝えない絶縁状態が計算されないために、図18に示すように実験結果と異なる計算結果(図18(a),(b))となる。
【0113】
また、本発明装置はオルタネータのように発電により軸負荷が変化するような補機であっても、補機軸の負荷を運動方程式に付加してやることにより、そのときのプーリや補機軸の回転変動やベルトスパン間の張力変動を計算することができる。
【0114】
図19及び図20は、補機軸であるオルタネータの発電負荷を20アンペアの負荷としたときの原動側プーリ33、従動側プーリ34及び補機36の軸の回転変動と、原動側プーリ33及び従動側プーリ34の間のベルトスパン部分の張力変動とについて計算結果(図19(a),図20(a))と実験結果(図19(b),図20(b))とを示す。
【0115】
また、図21及び図22は、補機軸であるオルタネータの発電負荷を40アンペアの電流が発電されるように40アンペアの負荷としたときの原動側プーリ33、従動側プーリ34及び補機36の軸の回転変動と、原動側プーリ33及び従動側プーリ34の間のベルトスパン部分の張力変動とについて計算結果(図21(a),図22(a))と実験結果(図21(b),図22(b))とを示す。このときもまた、実験値と同等の状態が再現されていることが判る。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜12の発明では、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系のベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行う場合に、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分のばね要素又はスライダ要素をトルクが伝達する歪作用時とトルクが伝達しない歪作用時とで変更するようにした。すなわち、請求項1又は7の発明では、カップリングにトルクが伝達しない歪が生じた場合には、ばね定数をカップリングのばね定数よりも低いばね定数に変更することとした。また、請求項3又は9の発明では、カップリングにトルクが伝達しない歪が生じた場合には、該要素を取り除くこととした。さらに、請求項5又は11の発明では、カップリングにトルクが伝達しない歪が生じたときにはばね定数を零の値に変更することとした。さらにまた、請求項2又は8の発明では、カップリングにトルクが伝達しない歪が生じた場合には、スライダの力をトルクを伝える歪の値よりも低い値に変更することとした。また、請求項4又は10の発明では、カップリングにトルクが伝達しない歪が生じた場合には、ばねとスライダ要素を取り除くこととした。さらに、請求項6又は12の発明では、カップリングにトルクが伝達しない歪が生じたときにはスライダの力を零の値に変更することとした。
【0123】
したがって、これら発明によると、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系が実際の現象に極めて近い状態の計算を行うことができ、ベルトの張力変動や従動側の補機の回転変動、一方向のみにトルクを伝達するカップリングに連結された補機軸の回転変動等を正確に計算できるようになり、振動によるベルト駆動系各部品や一方向にのみトルクを伝達するカップリングの疲労寿命やベルトスリップ等の判断指針に適確に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】2軸の伝動ベルト駆動系の振動モデルを示す概略図である。
【図2】2軸の伝動ベルト駆動系の振動モデルを詳細に示す図である。
【図3】2軸の伝動ベルト駆動系の別の振動モデルを示す図である。
【図4】2軸の伝動ベルト駆動系の別の2番目の振動モデルを示す図である。
【図5】2軸の伝動ベルト駆動系の別の3番目の振動モデルを示す図である。
【図6】本発明の実施形態1において2軸の一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系を示す図である。
【図7】2軸の一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の別の第1の振動モデルを示す図である。
【図8】3軸の一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系を示す図である。
【図9】3軸の一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の別の第1の振動モデルを示す図である。
【図10】多軸のオートテンショナと一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系を示す図である。
【図11】多軸のオートテンショナと一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の別の第1の振動モデルを示す図である。
【図12】一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系のトラス要素による振動モデルを示す図である。
【図13】コンピュータでの振動計算処理の前半部を示すフローチャート図である。
【図14】同振動計算処理の後半部を示すフローチャート図である
【図15】実施形態1に係る実験装置の全体概略図である。
【図16】補機負荷を無負荷にしたときの原動側プーリ、従動側プーリ、補機軸の回転変動を示す特性図である。
【図17】補機負荷を無負荷にしたときの原動側プーリと従動側プーリとの間のベルトスパン部分の張力変動を示す特性図である。
【図18】従来の設計支援装置を用いて、振動計算を行ったときの原動側プーリ、従動側プーリ、補機軸の回転変動と原動側プーリと従動側プーリとの間のベルトスパン部分の張力変動を示す特性図である。
【図19】補機負荷を20アンペアの負荷したときの原動側プーリ、従動側プーリ、補機軸の回転変動を示す特性図である。
【図20】補機負荷を20アンペアの負荷したときの原動側プーリと従動側プーリとの間のベルトスパン部分の張力変動を示す特性図である。
【図21】補機負荷を40アンペアの負荷したときの原動側プーリ、従動側プーリ、補機軸の回転変動を示す特性図である。
【図22】補機負荷を40アンペアの負荷したときの原動側プーリと従動側プーリとの間のベルトスパン部分の張力変動を示す特性図である
【符号の説明】
28,33,39,49,60,70 原動側プーリ
29,34,40,41,50,51,61,62,71,72 従動側プーリ
30,35,42,52,65,75 補機軸
63,73 オートテンショナプーリ
101 判定手段
102 カップリング特性変更手段
B ベルト
B1,B2 ベルトスパン部分

Claims (12)

  1. 伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するベルトの設計支援方法において、
    上記一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分をばねとしてモデル化した要素に加わる歪がトルクを伝達する歪になったときには、ばね定数をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない歪になったときには、ばね定数をカップリングの空転トルク特性に変更することを特徴とするベルトの設計支援方法。
  2. 伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するベルトの設計支援方法において、
    上記一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を、摩擦則を考慮した接触モデルとしてモデル化した要素に加わる摩擦方向がトルクを伝達する方向になったときには、摩擦力をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない摩擦方向になったときには、摩擦力をカップリングの空転トルク特性に変更することを特徴とするベルトの設計支援方法。
  3. 伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するベルトの設計支援方法において、
    上記一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分をばねとしてモデル化した要素に加わる歪がトルクを伝達する歪になったときには、ばね定数をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない歪になったときには、上記要素を取り除くように変更することを特徴とするベルトの設計支援方法。
  4. 伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するベルトの設計支援方法において、
    一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を、摩擦則を考慮した接触モデルとしてモデル化した要素に加わる摩擦方向がトルクを伝達する方向になったときには、摩擦力をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない摩擦方向になったときには、上記要素を取り除くように変更することを特徴とするベルトの設計支援方法。
  5. 伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するベルトの設計支援方法において、
    上記一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分をばねとしてモデル化した要素に加わる歪がトルクを伝達する歪になったときには、ばね定数をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない歪になったときには、ばね定数を零の値に変更することを特徴とするベルトの設計支援方法。
  6. 伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するベルトの設計支援方法において、
    上記一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を、摩擦則を考慮した接触モデルとしてモデル化した要素に加わる摩擦方向がトルクを伝達する方向になったときには、摩擦力をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない摩擦方向になったときには、摩擦力を零の値に変更することを特徴とするベルトの設計支援方法。
  7. 伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するようにしたベルトの設計支援装置において、
    上記振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うときに、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分をばねとしてモデル化した要素に加わる歪を判定する判定手段と、
    上記判定手段により要素に加わる歪がトルクを伝達する歪になったと判定されたときには、ばね定数をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない歪になったときには、ばね定数をカップリングの空転トルク特性に変更するばね定数変更手段とを備えたことを特徴とするベルトの設計支援装置。
  8. 伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するようにしたベルトの設計支援装置において、
    上記振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うときに、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を、摩擦則を考慮した接触モデルとしてモデル化した要素に加わる摩擦方向を判定する判定手段と、
    上記判定手段により要素に加わる摩擦方向がトルクを伝達する方向になったと判定されたときには、摩擦力をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない摩擦方向になったときには、摩擦力をカップリングの空転トルク特性に変更する摩擦力変更手段とを備えたことを特徴とするベルトの設計支援装置。
  9. 伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するようにしたベルトの設計支援装置において、
    上記振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うときに、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を捩りばねとしてモデル化した要素に加わる歪を判定する判定手段と、
    上記判定手段により要素に加わる歪がトルクを伝達する歪になったと判定されたときには、ばね定数をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない歪になったときには、ばね定数を上記要素を取り除くように変更するばね定数変更手段とを備えたことを特徴とするベルトの設計支援装置。
  10. 伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するようにしたベルトの設計支援装置において、
    上記振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うときに、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を、摩擦則を考慮した接触モデルとしてモデル化した要素に加わる摩擦方向を判定する判定手段と、
    上記判定手段により要素に加わる摩擦方向がトルクを伝達する方向になったと判定されたときには、摩擦力をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない摩擦方向になったときには、上記要素を取り除くように変更する摩擦力変更手段とを備えたことを特徴とするベルトの設計支援装置。
  11. 伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するようにしたベルトの設計支援装置において、
    上記振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うときに、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分をばねとしてモデル化した要素に加わる歪を判定する判定手段と、
    上記判定手段により要素に加わる歪がトルクを伝達する歪になったと判定されたときには、ばね定数をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない歪になったときには、ばね定数を零の値に変更するばね定数変更手段とを備えたことを特徴とするベルトの設計支援装置。
  12. 伝動ベルト駆動系の少なくとも1つのプーリに、一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだベルト長手方向の振動計算モデルにより振動計算を行ってベルトの設計を支援するようにしたベルトの設計支援装置において、
    上記振動計算モデルにより一方向にのみトルクを伝達するカップリングを含んだ伝動ベルト駆動系の振動計算を行うときに、一方向にのみトルクを伝達するカップリング部分を、摩擦則を考慮した接触モデルとしてモデル化した要素に加わる摩擦方向を判定する判定手段と、
    上記判定手段により要素に加わる摩擦方向がトルクを伝達する方向になったと判定されたときには、摩擦力をカップリングのトルク容量特性とする一方、トルクを伝達しない摩擦方向になったときには、摩擦力を零の値に変更する摩擦力変更手段とを備えたことを特徴とするベルトの設計支援装置。
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