JP3879601B2 - 位置計測方法及び位置計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電プラントや火力発電プラント等における構造物の位置計測方法、位置計測装置および位置情報構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
発電所の建設工事や定期点検工事において、3次元センサを用いて配管やバルブ等を位置決めする例が、特開2001−280958号公報に開示されている。この公報では、広範囲の測定やセンサの取り付けスペーサの制約にも対応可能なように、3次元センサを用いている。このセンサが計測した情報を用いて配管やバルブ等の構造物の移動範囲を調整し、位置決めする。その際、既設配管とこれから配管する配管の長さも、このセンサを用いて測定する。センサが検出した角度および長さに基づいて、制御手段が既設配管に対する配管の移動量および回転角度を求める。この求めた移動量および回転角度を用いて、制御部がチェーンブロックに指示を出し、配管を移動させる。
【0003】
屋内で測定装置などを正確に位置決めするために、特開平11−287858号公報では、壁面で囲まれた建物の内部の予め定められた複数の位置に、標的を設けている。保持手段がこの標的の位置座標を保持し、各標的のうち適宜なものまでの距離をレーザ距離計が測定する。この測定された各標的までの距離とこれら標的に関する保持中の位置座標とから、建物内における位置を処理手段が算定する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2001−280958号公報に記載の構造物の位置決め方法では、比較的近距離にある配管相互間を3次元センサ等を用いて測定しているが、発電プラント内のように構造物相互間の距離が遠かったり構造物が複雑に入り組んでいて、3次元センサをそのままでは使用しにくい環境における位置測定については十分には考慮されていない。
【0005】
また、特開平11-287858号公報には、レーザービームを用いてクリーンルーム内を測定することが記載されている。この公報に記載のものはレーザー光を用いているので、計測前準備として測定器を精密に位置決めする必要があること、およびレーザの発射角度の初期調整が必要であること等の不具合がある。また発電プラント内等では構造物が相互に入り組んでいて、これらの測定器を据え付ける位置が限られ、測定位置を変えて測定することを余儀なくされるが、そのような場合にたびたび初期設定するのには多数の工数を必要とする。
【0006】
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、短時間で高精度な3次元位置測定を可能にすることにある。本発明の他の目的は、仮想空間内に3次元構造物モデルを構築することにより、構造物相互の関係を明確にすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の特徴は、時間情報発信装置が5個以上あり、少なくとも4台の時間情報発信装置からの信号を2台の受信装置が受信して被測定物の位置を計測する位置計測方法において、2台の受信装置が前記発信装置から発信されこの受信装置が受信した信号に基づいて各受信装置の位置を求め、一方の受信装置と被測定物にレーザ光を照射するレーザ距離測定装置との距離および前記受信装置の位置を用いてレーザ距離測定装置の位置を求め、被測定物にレーザ距離測定装置からレーザを被測定物に照射し、その照射から反射光の受光までに要した時間に基づいて被測定物の位置を求めること、前記複数の時間情報発信装置の中から4個ずつの組み合わせを設定し、各組み合わせにおいて測定した受信装置間の距離が、設定された受信装置間の距離に最も近いときの発信装置の組み合わせを用いることを特徴とするものである。
【0008】
また、上記目的を達成するための本発明の特徴は、時間情報発信装置が5個以上あり、少なくとも4台の時間情報発信装置からの信号を2台の受信装置が受信して被測定物の位置を計測する位置計測装置において、2台の受信装置が前記発信装置から発信されこの受信装置が受信した信号に基づいて各受信装置の位置を求める手段と、一方の受信装置と被測定物にレーザ光を照射するレーザ距離測定装置との距離および前記受信装置の位置と方向を用いてレーザ距離測定装置の位置を求める手段と、被測定物にレーザ距離測定装置からレーザを被測定物に照射し、その照射から反射光の受光までに要した時間とレーザ光の方向に基づいて被測定物の位置を求める手段とを備え、前記複数の時間情報発信装置の中から4個ずつの組み合わせを設定し、各組み合わせにおいて測定した受信装置間の距離が、設定された受信装置間の距離に最も近いときの発信装置の組み合わせを用いることを特徴とするものである。
【0009】
上記目的を達成するための本発明の他の特徴は、少なくとも4個の位置情報の得られる発信手段と、時間情報を有する2個の受信手段と、被測定物にレーザ光を照射可能なレーザ距離測定装置と、受信装置が受信した情報を演算する演算装置とを備えたものである。
【0010】
上記目的を達成するための本発明のさらに他の特徴は、電波を遮蔽する構造物で区切られた空間毎に配設された少なくとも4台の座標位置が既知の時間情報発信装置と、少なくとも2台の時間情報を有する時間情報受信装置と、レーザ距離測定装置と、時間情報受信装置及びレーザ距離測定装置を固定する距離が既知の固定装置と、受信情報の演算処理装置とを備えたことにある。
【0011】
そしてこの特徴において、レーザ距離測定装置と時間情報受信装置を載置する無人移動手段を設け、この無人移動手段に、データ通信可能な通信手段と、この通信手段が受発信する信号を処理する手段と、データ送信可能なカメラとを載置し、遠隔操作により被測定物の3次元座標位置を測定可能にしてもよい。
【0012】
上記目的を達成するための本発明のさらに他の特徴は、少なくとも4台の時間情報発信装置からの信号を2台の受信装置が受信して被測定物の位置を計測し、その計測結果に基づき仮想空間内に構造モデルを構築する位置情報構築方法において、2台の受信装置が発信装置から発信されこの受信装置が受信した信号に基づいて受信装置間の距離を求め、一方の受信装置と被測定物にレーザ光を照射するレーザ距離測定装置との距離および前記受信装置間の距離を用いてレーザ距離測定装置の位置を求め、被測定物にレーザ距離測定装置からレーザを被測定物に照射し、その照射から反射光の受光までに要した時間に基づいて被測定物の位置を求め、この位置測定を被測定物の異なる複数点に対して実行し、この求めた複数の位置情報に基づいて仮想空間内に被測定物の構造モデルを構築するものである。
【0013】
そして好ましくは、構造モデルが規格により定められるものであるときは、その規格情報に測定した位置情報をフィッティングするものである。また好ましくは、被測定物の3次元座標位置情報を仮想空間の座標上にプロットし、予め形状及び寸法が登録された少なくとも配管とエルボと分岐管とバルブのいずれかのパーツデ−タにこのプロット点を関連付けて、前記仮想空間の座標上に3次元モデルを構築するものである。
【0014】
上記目的を達成するためのさらに他の特徴は、鉄筋コンクリート等の電波を遮蔽する構造物で区切られた空間内に配設された座標位置が既知の少なくとも4台の時間情報発信装置と、少なくとも2台の時間情報受信装置と、レーザ距離測定装置とを用いた3次元座標位置の計測方法であって、時間情報発信装置からの信号により時間情報受信装置それぞれの位置を求め、この求めた受信装置各々の位置から受信装置間の距離を求め、この送信信号に基づく受信装置間の距離と2台の受信装置間を予め測定して求めた受信装置間距離とを比較して測定結果の精度を評価するものである。
【0015】
そして精度評価において、送信信号に基づく距離と予め定めた距離との差が所定値以下であって最も小さいときに、被測定物の3次元座標位置測定結果として用いるのが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
初めに、本発明に係る構造物の位置計測方法及び位置情報構築方法に用いる測定原理について説明する。図2に示すように、空間には多数の時間情報発信装置3が取付けられている。この中の4台の時間情報発信装置3の情報を用いて、被測定物の3次元座標位置(X,Y,Z)を演算するのが主原理である。
【0017】
4台の時間情報発信装置3の3次元座標位置を巻尺を用いて、またはハンディタイプのレーザ測距計を用いて求め、各発信装置3に、座標P(x,y,z)〜P(x,y,z)を設定する。固定装置6の両端部に固定された時間情報受信装置4、4間の距離をλ10、固定装置6の先端部に固定されたレーザ距離測定装置5とこのレーザ距離測定装置5とは固定装置6対して反対端部に設けられた第2の時間情報受信装置4との距離をλ20とする。各時間情報発信装置3、3、…の3次元座標位置は測定開始前に既に知られている。
【0018】
第1の時間情報受信装置4の座標をQ(X,Y,Z)、第2の時間情報受信装置4の座標をQ(X,Y,Z)、レーザ距離測定装置5の座標をQ(X,Y,Z)とする。第1、第2の時間情報受信装置4、4、およびレーザ距離測定装置5は、それぞれ演算処理装置7に結線されており、第1、第2の時間情報受信装置4、4が受信した受信情報は、演算処理装置7に伝送される。演算処理装置7は、受信情報に基づき被測定物の3次元座標位置を演算する。
【0019】
4台の時間情報発信装置3、3、…の時間は、基準時間に対してすべて時間あわせがなされている。4台の時間情報発信装置3、3、…が発生する時間情報をt〜t、第1の時間情報受信装置4が発生する時間情報をt、第2の時間情報受信装置4が発生する時間情報2をtbとする。レーザ距離測定装置5からレーザ光を被測定物1に照射したときの反射光を、レーザ距離測定装置5が受光する。その際、2台の時間情報受信装置4、4は、4台の時間情報発信装置から発信された位置情報と時間情報とを受信し、レーザ距離測定装置5が計測したレーザ光の照射から反射光の受光までに要する時間Δtを用いて、被測定物1の座標位置を求める。
【0020】
この被測定物1の座標位置の演算方法を、以下に詳述する。第1の時間情報受信装置4と4台の時間情報発信装置3、3、…との相対距離L11〜L14(最初の添字は時間情報受信装置4の種類を、次の添字は時間情報発信装置の種類を示す)は、式(1)および式(2)で示される。ここで、添字nは時間情報発信装置4の種類を示し、n=1,2,3,4のいずれかである。cは光速であり、c=2.99792458×108m/sである。Sは時間情報受信装置4と時間情報発信装置3が発生した時間情報の基準となる時計の誤差距離である。
【0021】
1n=c(ta−tn) ………式(1)
【0022】
【数1】
Figure 0003879601
式(1)および式(2)から式(3)が導かれる。式(3)の4式に含まれる4個の未知数X,Y,Z,Sを求めることにより、第1の時間情報受信装置4の座標位置Q(X,Y,Z)が求まる。
【0023】
【数2】
Figure 0003879601
第2の時間情報受信装置4の座標位置Q(X,Y,Z)も、同様に求められる。この2個の座標位置Q、Qと時間情報受信装置4、4間の距離λ10及びレーザ距離測定装置5と第2の時間情報受信装置4間の距離λ20を用いて、レーザ距離測定装置5の座標位置Q(X,Y,Z)は、式(4)〜式(6)から求められる。
【0024】
=λ20(X−X)/λ10+X ………式(4)
=λ20(Y−Y)/λ10+Y ………式(5)
=λ20(Z−Z)/λ10+Z ………式(6)
レーザ距離測定装置5から被測定物1までの距離Lは、レーザ距離測定装置3が受信したレーザ光の照射から反射光の受光までに要した時間Δtと光速cから、式(7)を用いて求められる。
【0025】
L=cΔt/2 ………式(7)
以上の演算結果から、被測定物1の座標位置O(X,Y,Z)は、式(8)〜式(10)で求められる。
【0026】
X=L(X−X)/λ10+X ………式(8)
Y=L(Y−Y)/λ10+Y ………式(9)
Z=L(Z−Z)/λ10+Z ………式(10)
このようにして得られた測定結果は、式(11)および式(12)により評価される。
【0027】
【数3】
Figure 0003879601
ここで、式(1)、式(2)を用いて求めた第1、第2の時間情報受信装置4、4の座標位置Q(X,Y,Z)、Q(X,Y,Z)から、時間情報受信装置4、4間の距離λ11が、式(11)から求められる。この距離λ11と予め知られている2個の時間情報受信装置4、4間の距離λ10の差Δλが、式(12)から求められる。求めたΔλを指標として測定精度を評価する。
【0028】
上述の測定原理に基づいて発電プラント内の構造物を、具体的に位置測定する例を、以下に示す。図1に示すように、被測定物1を測定するときは、鉄筋コンクリート等により電波を遮蔽する構造物で区切られる空間2毎に、少なくとも4台以上の時間情報発信装置3を配置する。この配置位置は、予め図面等に記載されていて位置情報が既知である発電プラント内構造物に対して相対位置を求めることができる位置とする。時間情報発信装置3の設定位置は、時間情報発信装置3と図示しないハンディタイプのレーザ距離測定装置とを組み合わせ、予め図面等に記載された位置が既知の3平面まで距離を測定することにより、簡易に設定することも可能である。
【0029】
座標位置を測定するためには、少なくとも4台以上の時間情報発信装置3からの情報が必要であるから、被測定物1に4台以上の時間情報発信装置3から信号が届くようにする。2台の時間情報受信装置4はそれ自身が時間情報を有している。レーザ距離測定装置5は、棒状の固定手段6の両端部に固定されており、この棒状の固定手段6の中間部は、可動台車8a上に設けた支柱部8bに回動可能に取り付けられている。3次元位置測定装置8は、レーザ距離測定装置5、2個の受信装置4、可動台車8aおよび演算処理装置7を備えている。
【0030】
図2に示す位置関係にある本実施例では、2個の時間情報受信装置4とレーザ距離測定装置5が受信した各情報を、演算処理装置7が演算処理し、被測定物1の3次元座標位置O(X,Y,Z)を算出する。この際、測定した2個の時間情報受信装置4の座標位置P(X,Y,Z)、P(X,Y,Z)から、受信装置4、4間の距離λ11を求める。この距離λ11と固定装置6の寸法から設定した2個の時間情報受信装置4、4間の距離λ10とを比較し、その偏差Δλを求める。この距離の測定値と設定値との偏差Δλを、予め設定した要求精度と比較し、要求精度を満足するときは、測定に基づきえられた被測定物の座標位置O(X,Y,Z)を仮想空間の座標上にプロットする。偏差Δλが要求精度を満足しないときは、再度要求精度を満足する測定結果が得られるまで測定を繰返す。
【0031】
上記実施例においては4台の時間情報発信装置3から発信される信号を受信するようにしているが、時間情報受信装置4が5台以上の時間情報発信装置3からの信号を受信するようにしてもよい。その場合、レーザ距離測定装置5からの1回のレーザ照射で生じる演算量が増える。そこで、任意の4台の時間情報発信装置3の組み合わせを作成し、その組み合わせの中から要求精度を満足する組み合わせを選ぶ。そしてこの組み合わせの中で、最も偏差Δλが小さくなったときの組み合わせを選定して得られた座標位置O(X,Y,Z)を、被測定物1の座標位置とする。なお、複数回測定し、その結果を平均した値を被測定物の座標位置としてもよい。
【0032】
以上の手順を、図3に示す。本発明による位置計測が開始される(ステップ300)と、空間に多数配置した発信装置3、3、…を初期設定(位置設定)する(ステップ310)。レーザ距離測定装置5を使用するかどうかを選択し(ステップ320)、レーザ距離測定装置5を使用するときは、レーザ距離測定装置5を位置決めする。この場合、既に位置関係が分かっている3平面までの距離を求めて、発信装置3の距離を求めるようにしてもよい。次に要求精度を設定するために、偏差Δλを定める(ステップ340)。
【0033】
初期設定が済んだので、測定を開始する。レーザ距離測定装置5から被測定物1へレーザを照射する(ステップ350)。複数の発信装置3、3、…からデータを得る対象としての発信装置3の組み合わせを作成する(ステップ360)。この場合、発信装置3を4台ずつ組み合わせる。4台の発信装置3からの信号を2台の受信装置4が受信し、受信装置4自体の座標位置を求める(ステップ370)。各受信装置4の座標位置が求められたので、受信装置4間の距離が式(11)により得られる(ステップ380)。式(12)を用いて設定した受信装置間の距離と測定した受信装置間の距離との偏差を求め、この偏差が最も小さくなる発信装置3の組み合わせを選択する(ステップ390)。このように選択したときに、偏差が初期設定時に設定した要求精度を満たすかどうかを判断する(ステップ400)。要求精度を満足しないときは、ステップ360に戻る。
【0034】
要求精度を満たす測定結果が得られたら、被測定物1の座標位置を、式(8)〜式(10)を用いて演算する(ステップ410)。演算装置7に作成した仮想空間に、被測定物1の座標位置をプロットする(ステップ430)。被測定物1の全体にわたって、この測定およびプロットを繰返すことにより、仮想空間内に被測定物の3次元モデルを構築し、位置計測を終了する(ステップ430)。
【0035】
本実施例によれば、足場設置が必要であった高所における寸法測定でも足場設置が不要となる。また、高所に位置する構造物の調査作業時に大幅な工数低減が図られる。さらに、従来、計測位置の移動毎に初期設定していたが、1回の初期設定で時間情報発信装置からの信号が届く範囲を測定にできる。したがって、発電プラントのような複雑な配置の設備においても、連続計測に要する測定工数を少なくできる。
【0036】
図4に、上述の手法により被測定物1の3次元モデルを仮想空間内に構築する様子を、図5にその手順を示す。ステップ500において、3次元モデルの構築を開始する。被測定物1は、配管である。仮想空間の座標上に配管モデルを構築するためには、被測定物の少なくとも3点の座標位置が必要である。配管9の表面上の多数の点を、図2にしたがって測定する(ステップ510)。多数の点の中から、3点A10、B11、C12を選択する(ステップ520)。測定により仮想空間の座標上にプロットされた3点A、B、Cが、配管9を決定する座標位置と定義する(ステップ530)。なお、配管の規格や形状、寸法等は予め演算装置7に登録されている。この登録された規格の形状と寸法の中で、実測から得られた寸法が最も近いものを選択して、3次元モデルを構築する。具体的には、配管の外形寸法が既に知られているときは、外径寸法を指定する(ステップ540)。被測定物1が配管以外のときや配管であっても外径以外の情報から被測定物の他の情報を知ることができるときは、その情報を入力してもよい。例えば、モデル化に際して測定者がルート情報として得た平行関係または直交関係にある壁面13の情報を用いる。また、カメラから取り込んだ画像に示された形状を用いてもよい。
【0037】
外径寸法を指定するときは、その指定された外径の円筒面に測定点が適合するよう円筒軸をフィッティングする(ステップ560)。外径寸法を指定しないときは、測定した3点が外表面上にある円筒を求める(ステップ550)。このようにして求めた円筒を、演算装置7内の仮想空間に構築する(ステップ570)。このとき、円筒の軸長は無限大とする。
【0038】
ここで、ルートが指定されているかどうかを判断する(ステップ580)。このルート情報は、壁面に平行で床面に垂直などである。ルートが指定されているときは、先に選択した3点A,B,Cでフィッティングしたルートを、指定されたルートに補正する(ステップ590)。モデルが構築されたので、モデルの境界を求める。配管の場合は、配管軸の両端を求めることになる。そこで、配管の両端にある点D15、点E16を、レーザ距離測定装置5を用いて測定する(ステップ600)。この点D、点Eを配管両端と定義する(ステップ610)。これで配管の全体像が得られたので、配管の3次元モデルとして仮想空間に構築する(ステップ620)。被測定物物の数だけこの操作を繰り返し、測定を終える(ステップ630)。なおこの操作において、配管の肉厚や材質等、外観から判断できない情報については、施工図面に記載の情報等により測定時または測定後に入力する。
【0039】
本実施例によれば、3次元モデルを測定作業時に構築できるので、現場調査後に測定結果から構築していたデータ構築作業が不要となる。なお、レーザの照射点をカメラ撮影した画像上に写せば、フィッティングの際に画像上の被測定物の形状を利用することができる。
【0040】
図6および図7に、遠隔操作で位置測定する本発明の他の実施例を示す。図6は、遠隔操作で3次元座標位置を測定する様子を示したものであり、図7はその手順である。測定に基づき得られた第1、第2の時間情報受信装置4の座標位置Q(X,Y,Z)、Q(X,Y,Z)、およびレーザ距離測定装置5の座標位置Q(X,Y,Z)の何れかを用いて、遠隔測定装置18が測定する。遠隔測定装置18は、図1の実施例に示した3次元座標位置測定装置8に、データ送受信用アンテナ20と、遠隔測定装置が自走できるようにバッテリー27と、このバッテリー27を駆動源とする制御装置23とを付加している。
【0041】
遠隔操作で位置計測を開始する(ステップ700)ときは、初めに位置が既知の時間情報発信装置3を4台以上用意する。そして、これらの時間情報発信装置3からの信号が、遠隔測定装置18に届くように配置する。遠隔測定装置18の位置を、カメラ19の画像と、時間情報受信装置4の座標位置Q(X,Y,Z)、Q(X,Y,Z)またはレーザ距離測定装置5の座標位置Q(X,Y,Z)を用いて確認する。それとともに、その3次元座標位置測定装置8の位置を、遠隔地28にいる測定者に送受信アンテナ20を介して伝える(ステップ710)。
【0042】
この送受信アンテナ20からの信号は、発電プラント内のPHS回線基地局21に伝送される。測定者は伝えられた位置情報に基づいて、位置測定装置8を被測定物1の測定可能範囲まで遠隔操作22で移動させる(ステップ720)。次いで、位置測定装置8に搭載されたレーザ距離測定装置5の向きを、カメラ19で監視しながら被測定物1に向け、照準をあわせる(ステップ730)。
【0043】
なお、レーザ距離測定装置5を取付けた支持手段6の鉛直方向の角度は鉛直角度制御モータ26を駆動して、水平方向の角度は水平角度制御モータ25を駆動して変更する。これら2つのモータを駆動しても、良好な測定結果または情報が得られないときは、遠隔測定装置18の移動用キャタピラ24を駆動して遠隔測定装置18をわずかに移動させる。測定条件が整ったときに、上述した被測定物1の位置測定と3次元モデルの構築を遠隔操作22で実行する(ステップ740)。計測が終了したかどうかを判断し(ステップ750)、計測が残っていればステップ720に戻る。遠隔測定が終了したら、移動用キャタピラ24を駆動して遠隔測定装置18を回収し(ステップ760)、遠隔計測を終える(ステップ770)。
【0044】
本実施例によれば、測定者は遠隔地28からカメラ19で得られた画像データと測定した遠隔測定装置18の位置情報を用いて、図1に示した実施例と同様に、構造物を3次元モデル化できる。時間情報発信装置の位置を初期設定するときは、時間情報発信装置とレーザ距離測定装置を組み合わせて使用することにより、既知の3平面との寸法測定をすれば、簡易に設定できる。さらに、実機プラント内に設けられているPHS回線網を利用して、CCDカメラから取り込んだ画像を操作者へ伝送することにより、運転中であって立ち入りができない場所の現場調査が可能になる。プラントに不具合が発生してもその発生個所に容易に作業員が近づけないときには、測定装置だけを発生個所に遠隔操作で送ることにより、不具合発生個所の確認や対応処置等を行える。したがって、プラント運転中の改造工事や運転中の点検も可能になり、保守点検に要する時間を低減できる。また、高放射線環境に位置する構造物の調査も可能になる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも4個の発信装置の信号を2台の受信装置が受信し、かつ、4個ずつの発信装置の組み合わせを設定し、各組み合わせにおいて測定した受信装置間の距離が、設定された受信装置間の距離に最も近いときの発信装置の組み合わせを用いることにより、多数の反射電波が存在している場合でも高精度に3次元構造物の位置計測が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る位置計測方法の一実施例を説明する図。
【図2】計測原理を説明する図。
【図3】計測のフローチャート。
【図4】本発明に係る位置計測におけるモデル化を説明する図。
【図5】3次元モデル化フローチャート。
【図6】本発明に係る位置計測方法を他の実施例の図。
【図7】遠隔操作による計測のフローチャート。
【符号の説明】
1…被測定物、2…空間、3…時間情報発信装置、4…時間情報受信装置、5…レーザ距離測定装置、6…固定装置、7…演算処理装置、8…3次元座標位置測定装置、9…配管、10…点A、11…点B、12…点C、13…壁面、14…円筒モデル、15…点D、16…点E、18…遠隔測定装置、19…カメラ、20…データ送受信用アンテナ、21…PHS回線基地局、22…遠隔制御、23…制御装置、24…移動用キャタピラ、25…水平角度制御モータ、26…鉛直角度制御モータ、27…バッテリー、28…遠隔地。

Claims (6)

  1. 時間情報発信装置が5個以上あり、少なくとも4台の時間情報発信装置からの信号を2台の受信装置が受信して被測定物の位置を計測する位置計測方法において、2台の受信装置が前記発信装置から発信されこの受信装置が受信した信号に基づいて各受信装置の位置を求め、一方の受信装置と被測定物にレーザ光を照射するレーザ距離測定装置との距離および前記受信装置の位置を用いてレーザ距離測定装置の位置を求め、被測定物にレーザ距離測定装置からレーザを被測定物に照射し、その照射から反射光の受光までに要した時間に基づいて被測定物の位置を求めること、
    前記複数の時間情報発信装置の中から4個ずつの組み合わせを設定し、各組み合わせにおいて測定した受信装置間の距離が、設定された受信装置間の距離に最も近いときの発信装置の組み合わせを用いることを特徴とする位置計測方法。
  2. 請求項1に記載の位置計測方法において、
    前記2台の受信装置は、各々時間情報を有するものであることを特徴とする位置計測方法。
  3. 請求項1に記載の位置計測方法において、
    前記発信装置から発信され受信装置が受信した信号に基づいて求めた受信装置間の距離が所定範囲内に無いときは、再度受信装置間の距離測定を実行することを特徴とする位置計測方法。
  4. 時間情報発信装置が5個以上あり、少なくとも4台の時間情報発信装置からの信号を2台の受信装置が受信して被測定物の位置を計測する位置計測装置において、
    2台の受信装置が前記発信装置から発信されこの受信装置が受信した信号に基づいて各受信装置の位置を求める手段と、
    一方の受信装置と被測定物にレーザ光を照射するレーザ距離測定装置との距離および前記受信装置の位置と方向を用いてレーザ距離測定装置の位置を求める手段と、
    被測定物にレーザ距離測定装置からレーザを被測定物に照射し、その照射から反射光の受光までに要した時間とレーザ光の方向に基づいて被測定物の位置を求める手段とを備え、
    前記複数の時間情報発信装置の中から4個ずつの組み合わせを設定し、各組み合わせにおいて測定した受信装置間の距離が、設定された受信装置間の距離に最も近いときの発信装置の組み合わせを用いることを特徴とする位置計測装置
  5. 請求項4に記載の位置計測装置において、
    前記2台の受信装置は、各々時間情報を有するものであることを特徴とする位置計測装置。
  6. 請求項4に記載の位置計測装置において、
    前記発信装置から発信され受信装置が受信した信号に基づいて求めた受信装置間の距離が所定範囲内に無いときは、再度受信装置間の距離測定を実行することを特徴とする位置計測装置。
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