JP3877996B2 - 繊維強化プラスチック複合材料およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、繊維強化プラスチック複合材料およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の繊維強化プラスチック複合材料は、例えば炭素繊維強化エポキシ樹脂のような繊維強化プラスチックからなるプリプレグを複数重ね合わせて積層した構造を有し、例えば航空機の翼のような各種構造材に利用されている。前記繊維強化プラスチック複合材料は、引張り力および圧縮力が繰り返し加わると、複数の繊維強化プラスチック層の界面での層間剥離に起因して疲労することから、層間剥離を防ぐための改良が望まれている。
【0003】
このようなことから、従来の繊維強化プラスチック複合材料は、繊維強化プラスチックのマトリックス樹脂にゴムや樹脂のような他の成分を添加したプリプレグを複数重ね、加熱加圧して積層する方法、繊維強化プラスチックからなるプリプレグをそれらの間に接着剤層を介在して重ね合わせ、加熱加圧して積層する方法により製造されている。しかしながら、これらの方法で製造された繊維強化プラスチック複合材料においても、複数の繊維強化プラスチック層の界面での層間剥離を効果的に防止することが困難であった。
【0004】
一方、"IMPROVING THE FATIGUE RESISTANCE OF CARBON/EPOXY LAMINATES WITH DISPERSED-PARTICLE INTERLAYERS" Act mater. Vol. 46, No. 7, pp. 2455-2460, 1998には、複数のカーボン繊維強化エポキシ樹脂層の積層界面に例えば変性アモルファスポリアミドのようなポリマーの粒子を多数分散させたカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料が開示されている。なお、前記論文に関連した発明は、特開平7−41577号公報にも開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このようなカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料は、カーボン繊維強化エポキシ樹脂層の積層界面に多数のポリマー粒子を分散させることにより、ポリマー粒子のアンカー作用によりカーボン繊維強化エポキシ樹脂層の接着力および剪断力の向上が認められるものの、引張り力および圧縮力が繰り返し加わった時の内部発熱に伴う積層界面の熱劣化に起因する疲労を改善することが困難であった。
【0006】
本発明は、引張り力および圧縮力が繰り返し加わった時の内部発熱に伴う積層界面の熱劣化を防止して、耐疲労性を向上した繊維強化プラスチック複合材料およびその製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る繊維強化プラスチック複合材料は、複数の繊維強化プラスチック層を積層するとともに、それらの積層界面に複数の高熱伝導性のセラミック粒子を少なくとも一部がその積層界面の中央部から外周縁に向けて互いに面方向に接触した状態で存在させて熱伝達の経路を形成するように面内において単一粒子分散させた層を介在することを特徴とするものである。
【0008】
本発明に係る繊維強化プラスチック複合材料の製造方法は、繊維強化プラスチックからなるプリプレグの表面に複数の高熱伝導性のセラミック粒子を厚さ方向に重なることなく散布することにより前記セラミック粒子を面内において単一粒子分散させ、かつ前記セラミック粒子の少なくとも一部がその面内の中央部から外周縁に向けて互いに面方向に接触した状態で存在させて熱伝達の経路となる層を形成する工程と、
前記単一粒子分散層を有するプリプレグを複数用意し、これらを積層した後、加熱加圧する工程と
を含むことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0010】
本発明の繊維強化プラスチック複合材料は、複数の繊維強化プラスチック層を積層するとともに、それらの層の積層界面に高熱伝導性のセラミック粒子を面内において単一粒子分散させた層として介在した構造を有する。
【0011】
具体的には、図1に示すように例えば8つの繊維強化プラスチック層1を積層し、これら繊維強化プラスチック層1の積層界面に高熱伝導性のセラミック粒子2をその面内において単一粒子分散させた層(単一粒子分散層)3として介在することにより繊維強化プラスチック複合材料を構成している。
【0012】
ここで、『単一粒子分散層』とは多数の高熱伝導性のセラミック粒子が繊維強化プラスチック層の積層界面にその面方向に単一状態で分散されて層を形成していることを意味する。別の言い方をすれば、『単一粒子分散層』とは多数の高熱伝導性のセラミック粒子が前記積層界面に積層方向に重なり合うことなく、面方向に個々の状態で分散されて層を形成していることを意味する。
【0013】
前記単一粒子分散層を構成する前記セラミック粒子は、前記繊維強化プラスチック層の積層界面で全てが個々独立して存在せず、少なくとも一部がその積層界面の中央部から外周縁に向けて互いに面方向に接触した状態で存在し、熱伝達の経路を形成することが必要である。このような形態の単一粒子分散層は、例えば平均粒径3μmの六方晶窒化ホウ素(h−BN)粒子を高熱伝導性のセラミック粒子として用いた場合、これらのh−BN粒子を前記積層界面に1cm2当たり、
0.09mg以上、より好ましくは0.184mg以上存在させることにより実現することが可能になる。
【0014】
前記繊維強化プラスチックとしては、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂をガラス繊維、炭素繊維、アラミッド繊維および炭化ケイ素繊維から選ばれる少なくとも1つの強化繊維で強化されたものをあげることができる。ここに用いる熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を挙げることができる。前記熱可塑性樹脂としては、例えばナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド等を挙げることができる。前記強化繊維としては、クロスの形態、一方向に配列された形態のものを用いることができる。
【0015】
特に、前記繊維強化プラスチックとしては前記強化繊維が一方向に配列されたものを用い、積層方向に隣接する繊維強化プラスチック層間においてそれら繊維強化プラスチック層中の強化繊維の配列方向を異ならせることが好ましい。配列方向を異ならせて積層する形態としては、例えば直交積層、斜交積層、擬似等方性を挙げることができる。
【0016】
前記繊維強化プラスチックは、前述した構造を有するとともに、さらに高熱伝導性のセラミック粒子を分散して含有することを許容する。
【0017】
前記高熱伝導性のセラミックは、常温で0.01cal/cm・s・℃以上、より好ましくは常温で0.03cal/cm・s・℃以上、さらに好ましくは常温で0.07cal/cm・s・℃以上の熱伝導率を有することが望ましい。このようなセラミックとしては、例えば窒化アルミニウム[AlN](常温での熱伝導率;0.07cal/cm・s・℃)、六方晶窒化ホウ素[h−BN](常温での熱伝導率;0.08cal/cm・s・℃)、立法晶窒化ホウ素[cBN](常温での熱伝導率;3.1cal/cm・s・℃)等を挙げることができる。
【0018】
前記セラミック粒子は、3〜6μmの平均粒径を有することが好ましい。また、前記セラミック粒子は粒径が単一粒子分散層内または単一粒子分散層間で揃っていても、不揃いであってもよい。
【0019】
前記各単一粒子分散層は、そのセラミック粒子の密度が前記各積層界面の間で異なる、例えば積層方向に任意のパターンもしくは積層方向に意図した分布のパターンになる、ように形成することを許容する。より具体的には、前記各単一粒子分散層は、そのセラミック粒子の密度が前記各積層界面の間で積層方向に段階的に変化するように形成することを許容する。
【0020】
次に、本発明に係る繊維強化プラスチック複合材料の製造方法を説明する。
【0021】
(第1工程)
繊維強化プラスチックからなるプリプレグの表面に高熱伝導性のセラミック粒子を厚さ方向に重なることなく散布する。このとき、前記プレプレグ表面は粘着性を有するため、散布されたセラミック粒子は前記プレプレグ表面に付着してその面内において単一粒子分散されて層を形成する。つまり、本発明の繊維強化プラスチック複合材料で説明した単一粒子分散層がプリプレグ表面に形成される。
【0022】
前記繊維強化プラスチックおよび高熱伝導性のセラミックとしては、本発明の繊維強化プラスチック複合材料で説明したのと同様なものを用いることができる。
【0023】
前記プリプレグを構成する前記繊維強化プラスチックは、特に熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を一方向に配列されたガラス繊維、炭素繊維、アラミッド繊維および炭化ケイ素繊維から選ばれる少なくとも1つの強化繊維で強化されたものを用いることが好ましい。
【0024】
前記プリプレグの表面に前記セラミック粒子を散布する際、全てのセラミック粒子を前記プリプレグ表面に個々独立して付着せず、少なくとも一部のセラミック粒子がそのプリプレグ表面の中央部から外周縁に向けて互いに面方向に接触するように付着させ、後述する加熱加圧による積層後において積層界面に熱伝達の経路が作られるように散布することが必要である。このような熱伝達の経路を形成するには、例えば平均粒径3μmの六方晶窒化ホウ素(h−BN)粒子を高熱伝導性のセラミック粒子として用いた場合、これらのh−BN粒子を前記プリプレグ表面に1cm2当たり、0.09mg以上、より好ましくは0.184mg以上になるように散布することにより実現することが可能になる。
【0025】
複数の前記プリプレグの表面に前記セラミック粒子をそれぞれ散布する際、前記プリプレグ間で前記セラミック粒子が前記プリプレグ表面に異なる密度で付着させて単一粒子分散層を形成することを許容する。
【0026】
(第2工程)
前記単一粒子分散層を有するプリプレグを複数用意し、これらを積層した後、加熱加圧することにより複数の繊維強化プラスチック層の積層界面に前記セラミック粒子を面内において単一粒子分散させた層、つまり単一粒子分散層として介在した構造を有する繊維強化プラスチック複合材料を製造する。
【0027】
前記加熱加圧処理は、使用されるプリプレグを構成する樹脂および繊維の組み合わせによって決定することが好ましい。例えば、航空機用部品として用いる繊維強化プラスチックの場合は、121〜132℃、0.4MPa程度で加熱加圧すればよい。
【0028】
前記セラミック粒子が異なる密度を有する単一粒子分散層を持つ複数のプリプレグを積層する際、前記単一粒子分散層の前記セラミック粒子の密度が例えば前記プリプレグの積層方向に任意のパターンもしくは積層方向に意図した分布のパターンになるように積層する、より具体的には積層方向に段階的に変化するように積層することを許容する。
【0029】
前記プリプレグを構成する前記繊維強化プラスチックとして、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を一方向に配列されたガラス繊維、炭素繊維、アラミッド繊維および炭化ケイ素繊維から選ばれる少なくとも1つの強化繊維で強化されたものを用いる場合、前記単一粒子分散層を有する複数の前記プリプレグを積層する際、隣接する前記プリプレグ間でその繊維強化プラスチック中の前記強化繊維の配列方向を異ならせることが好ましい。配列方向を異ならせて積層する形態としては、例えば直交積層方法、斜交積層方法、擬似等方性を挙げることができる。
【0030】
以上説明したように、本発明によれば複数の繊維強化プラスチック層を積層するとともに、それらの層界面に高熱伝導性のセラミック粒子を面内において単一粒子分散させた層として介在させることによって、前記単一粒子分散層の各セラミック粒子によるアンカー効果により前記繊維強化プラスチック層間の接着力を向上できる。
【0031】
また、前記セラミック粒子はポリマー粒子に比べて機械的強度が高いために、前記繊維強化プラスチック層の積層界面の剪断力を向上することができる。なお、前記繊維強化プラスチック層の積層界面にセラミック粒子が積層方向に重なって多層粒子分散して層を形成した場合には、引張り力および圧縮力が繰り返し付与されるとそれらセラミック粒子間での滑りにより剪断力がかえって低下する虞がある。
【0032】
このような構造の繊維強化プラスチック複合材料において、引張り力および圧縮力が繰り返し付与されても、長期間に亘って複数の繊維強化プラスチック層の界面での層間剥離を防いで、優れた耐疲労性を発現できる。
【0033】
さらに、本発明に係る繊維強化プラスチック複合材料の特徴は、単一粒子分散層を構成するセラミック粒子が高熱伝導性(例えば常温で0.01cal/cm・s・℃以上の熱伝導率)を有することで、かかる高熱伝導性のセラミック粒子を用いることによって、引張り力および圧縮力が繰り返し付与されたときの機械的な疲労とは別の熱劣化に起因する疲労を防止することができる。
【0034】
すなわち、通常、繊維強化プラスチック複合材料に引張り力および圧縮力が繰り返し付与すると、内部発熱(特に積層界面での発熱)を生じ、その積層界面が熱劣化する。積層界面の熱劣化は、剪断力等の低下要因になる。
【0035】
これに対し、本発明では前記引張り力および圧縮力が繰り返し付与されたときに内部発熱(特に積層界面の発熱)を生じた場合、その熱を高熱伝導性(例えば常温で0.01cal/cm・s・℃以上の熱伝導率)のセラミック粒子からなる単一粒子分散層を通して積層界面の外周縁に放散することができるため、前記内部発熱に伴う積層界面の熱劣化を緩和ないし防止でき、その積層界面での剪断力の低下を防ぐことができる。その結果、長期間に亘って複数の繊維強化プラスチック層の界面での層間剥離を防止できる。
【0036】
したがって、複数の繊維強化プラスチック層を積層するとともに、それらの層界面に高熱伝導性のセラミック粒子を面内において単一粒子分散させた層として介在させることによって、前記単一粒子分散層による前記各繊維強化プラスチック層の積層界面での接着力の向上および剪断力の向上と、高熱伝導性のセラミック粒子からなる単一粒子分散層の熱放散性による熱劣化に伴う剪断力の低下の防止との相乗作用により層間剥離を防止できるため、優れた耐疲労性を有する繊維強化プラスチック複合材料を実現できる。
【0037】
また、複数の繊維強化プラスチック層の積層界面に単一粒子分散層をセラミック粒子の密度を異ならせて介在させる、例えば単一粒子分散層をセラミック粒子の密度が前記各積層界面の間で積層方向に段階的に変化するように介在させることによって、使用形態、つまり引張り力および圧縮力が受ける形態に対応して層間剥離を効果的に防止して耐疲労性を向上した繊維強化プラスチック複合材料を実現することができる。
【0038】
さらに、前記繊維強化プラスチックとしては前記強化繊維が一方向に配列されたものを用い、積層方向に隣接する繊維強化プラスチック層間においてそれら繊維強化プラスチック層中の強化繊維の配列方向を異ならせることによって、積層界面の面方向への引張り力、圧縮力の繰り返しに対する機械的な強度をさらに向上させた繊維強化プラスチック複合材料を実現できる。
【0039】
本発明の方法によれば、繊維強化プラスチックからなるプリプレグの表面に高熱伝導性のセラミック粒子を厚さ方向に重なることなく散布することにより前記セラミック粒子を面内において単一粒子分散させた層を形成し、この単一粒子分散層を有するプリプレグを複数用意し、これらを積層した後、加熱加圧することによって、前述したように単一粒子分散層による各繊維強化プラスチック層の積層界面での接着力の向上および剪断力の向上と高熱伝導性のセラミック粒子からなる単一粒子分散層の熱放散性による熱劣化に伴う剪断力の低下の防止との相乗作用により層間剥離が防止され、優れた耐疲労性を有する繊維強化プラスチック複合材料を製造することができる。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【0041】
(実施例1)
まず、図2の(a)に示すようにマトリックスとしてエポキシ樹脂、強化繊維としてカーボン繊維を組み合わせ、前記カーボン繊維が一方向(図2(a)中の矢印方向を0°とする)に配列された厚さ0.11mmのプリプレグ(東レ社製商品名;T800H/#2500)11を8枚用意した。つづいて、これらのプリプレグ11の表面に図示しない平均粒径3μmの多数の六方晶窒化ホウ素[h−BN](常温での熱伝導率;0.08cal/cm・s・℃)粒子を前記プリプレグ11表面の1cm2当たりの重量が0.184mgになるようにそれぞれ散布した。このとき、前記h−BN粒子は前記プリプレグ11表面に個々独立して付着せず、大部分のh−BN粒子はそれらプリプレグ11表面中央部から外周縁に向けて互いに面方向に接触した状態で付着し、単一粒子分散層が形成された。
【0042】
次いで、図2の(b)に示すように前記単一粒子分散層(図示せず)が形成されたプリプレグ111〜118をそれらのカーボン繊維の配列方向が0°、+45°、−45°、90°、90°、−45°、+45°、0°になるように重ね合わせた。つづいて、この積層物をオートクレーブ内の加圧装置に設置し、図3に示すようにオートクレーブ内の温度を2℃/分の昇温速度で約50分かけて130℃まで上昇させ、途中から前記加圧装置による前記積層物に対して0.4MPaの圧力を加え、この温度および圧力を180分維持した後、オートクレーブ内の温度を徐々に冷却して400分後に約40℃とした。なお、前記積層物への加圧は冷却過程でも続行して最終のカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料の反り発生を防いだ。このような加熱加圧により図2の(c)および図4に示す厚さ0.9mmのカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料12を製造した。
【0043】
得られたカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料12は図4に示すように8枚のカーボン繊維強化エポキシ樹脂層131〜138がそれらのカーボン繊維の配列方向が0°、+45°、−45°、90°、90°、−45°、+45°、0°になるように積層し、これらカーボン繊維強化エポキシ樹脂層131〜138の積層界面にh−BN粒子14がその面内において単一粒子分散させた層(単一粒子分散層)15として介在した構造を有していた。
【0044】
(比較例1)
単一粒子分散層が表面に形成されていないカーボン繊維強化エポキシ樹脂からなる厚さ0.11mmのプリプレグ(東レ社製商品名;T800H/#2500)を8枚用意し、これらプリプレグを実施例1と同様に積み重ね、加熱加圧することにより厚さ0.9mmのカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料を製造した。
【0045】
(比較例2)
カーボン繊維強化エポキシ樹脂からなる厚さ0.11mmのプリプレグ(東レ社製商品名;T800H/#2500)の表面に平均粒径3μmのPZT(PbZrO3−PbTiO3[常温での熱伝導率;0.003cal/cm・s・℃])粒子を散布して実施例1と同様な形態の単一粒子分散層を形成した後、この単一粒子分散層が形成されたプリプレグを8枚用意し、これらプリプレグを実施例1と同様に積み重ね、加熱加圧することにより厚さ0.9mmのカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料を製造した。
【0046】
得られた実施例1および比較例1,2のカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料について、次のような引張り疲労試験を行った。
【0047】
前記各カーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料を裁断加工して図5の(a),(b)に示す長さ130mm,幅10mm,厚さ0.9mmの短冊片31とし、この短冊片31の両面にガラス繊維強化エポキシ樹脂からなる保護板32をその短冊片31の長さ40mmの中央付近が表裏で露出するように貼り付けることにより試験片33を作製した。
【0048】
電気油圧サーボ式疲労試験機(森エンジニアリング社製商品名;L7−2.50−S)を用い、その一対の把持部材で前記試験片33両端の保護板32を挟持し、最小応力と最大応力の比、すなわち応力比が0.1と一定で、荷重が一定の引張疲労試験条件にて、疲労試験を実施した。繰返し速度(周波数)は、10Hzで、正弦波で実施した。この試験により疲労繰り返し数(疲労寿命)と最大繰り返し応力の関係を求めた。この結果を図6に示す。
【0049】
図6から明らかなように図4に示すカーボン繊維強化エポキシ樹脂層131〜138の積層界面にh−BN粒子14がその面内において単一粒子分散させた層(単一粒子分散層)15として介在した構造を有する実施例1のカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料は、単にカーボン繊維強化エポキシ樹脂層を積層した構造を有する比較例1のカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料に比べて疲労繰り返し数(疲労寿命)の増加に伴う最大繰り返し応力の低下度合いが低く、優れた耐疲労性を有することがわかる。
【0050】
一方、カーボン繊維強化エポキシ樹脂層の積層界面にセラミックの一種であるPZT粒子が実施例1と同様な形態の単一粒子分散層として介在した構造を有する比較例2のカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料は、単にカーボン繊維強化エポキシ樹脂層を積層した構造を有する比較例1のカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料に比べて耐疲労性が低下することがわかる。このことから、単一粒子分散層を構成する材料はセラミック粒子であれば全て高い耐疲労性を示すわけではなく、高熱伝導性を有する特定のセラミック粒子により単一粒子分散層を形成することにより初めて優れた耐疲労性を発現できることがわかる。
【0051】
また、前記実施例1および比較例1の試験片について前記電気油圧サーボ式疲労試験機(森エンジニアリング社製商品名;L7−2.50−S)を用い引張り疲労試験を行っている間に、赤外線温度検出装置(NEC三栄株式会社製商品名;サーモトレーサーTH1104)を用いて図5に示す試験片33の短冊片31外表面の温度推移を測定した。その結果を図7に示す。
【0052】
図7から明らかなように実施例1の試験片は、比較例1の試験片に比べて外表面の温度が10℃前後高くなることがわかる。このことは、実施例1のカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料は図4に示すカーボン繊維強化エポキシ樹脂層131〜138の積層界面に高熱伝導性のh−BN粒子14がその面内において単一粒子分散させた層(単一粒子分散層)15として介在させているため、引張り疲労試験時における試験片の内部発熱を前記単一粒子分散層15により外部に良好に放散したことを証明するもので、結果として複合材料の内部を冷却する効果を発現できる。
【0053】
なお、前記実施例1では繊維強化プラスチック樹脂としてカーボン繊維強化エポキシ樹脂、高熱伝導性のセラミック粒子としてh−BN粒子を例にして説明したが、カーボン繊維強化フェノール樹脂のような他の繊維強化プラスチック樹脂、AlN、cBNの粒子のような他の高熱伝導性のセラミック粒子を用いても実施例1と同等またはそれ以上の優れた耐疲労性を有する繊維強化プラスチック複合材料を得ることができる。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、引張り力および圧縮力が繰り返し加わった時の内部発熱に伴う積層界面の熱劣化を防ぎ、層間剥離を効果的に防止して耐疲労性を向上した航空機の翼のような各種構造材に有用な繊維強化プラスチック複合材料およびその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る繊維強化プラスチック複合材料を示す部分切欠斜視図。
【図2】本発明の実施例1におけるカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料を製造する工程を示す図。
【図3】本発明の実施例1におけるカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料を製造する際のオートクレーブでの加熱加圧条件を示すグラフ。
【図4】本発明の実施例1により製造されたカーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料を示す部分切欠斜視図。
【図5】本発明の実施例1および比較例1,2を評価するための試験片を示す図。
【図6】本発明の実施例1および比較例1,2の試験片を用いて引張り疲労試験を行った結果を示すグラフ。
【図7】本発明の実施例1および比較例1の試験片を用いて引張り疲労試験を行った時のそれら試験片外表面の温度変化を示すグラフ。
【符号の説明】
1…繊維強化プラスチック層、
2…セラミック粒子、
3,15…単一粒子分散層、
11,111〜118…プリプレグ、
12…カーボン繊維強化エポキシ樹脂複合材料、
131〜138…カーボン繊維強化エポキシ樹脂層、
14…h−BN粒子、
31…短冊片、
33…試験片。
Claims (13)
- 複数の繊維強化プラスチック層を積層するとともに、それらの積層界面に複数の高熱伝導性のセラミック粒子を少なくとも一部がその積層界面の中央部から外周縁に向けて互いに面方向に接触した状態で存在させて熱伝達の経路を形成するように面内において単一粒子分散させた層を介在することを特徴とする繊維強化プラスチック複合材料。
- 前記繊維強化プラスチックは、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂をガラス繊維、炭素繊維、アラミッド繊維および炭化ケイ素繊維から選ばれる少なくとも1つの強化繊維で強化したものであることを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチック複合材料。
- 前記繊維強化プラスチックは、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を一方向に配列されたガラス繊維、炭素繊維、アラミッド繊維および炭化ケイ素繊維から選ばれる少なくとも1つの強化繊維で強化したものであることを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチック複合材料。
- 前記繊維強化プラスチックは、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂をガラス繊維、炭素繊維、アラミッド繊維および炭化ケイ素繊維から選ばれる少なくとも1つの強化繊維で強化され、さらに高熱伝導性のセラミック粒子が分散して含有するものであることを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチック複合材料。
- 前記高熱伝導性のセラミックは、常温で0.01cal/cm・s・℃以上の熱伝導率を有することを特徴とする請求項1記載の繊維強化プラスチック複合材料。
- 前記高熱伝導性のセラミックは、窒化ホウ素であることを特徴とする請求項5記載の繊維強化プラスチック複合材料。
- 前記高熱伝導性のセラミックは、窒化アルミニウムであることを特徴とする請求項5記載の繊維強化プラスチック複合材料。
- 前記各単一粒子分散層は、前記セラミック粒子の密度が前記積層界面間で異なるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載の繊維強化プラスチック複合材料。
- 前記各単一粒子分散層は、前記セラミック粒子の密度が前記繊維強化プラスチックの積層方向に段階的に変化するように形成されていることを特徴とする請求項1ないし7いずれか記載の繊維強化プラスチック複合材料。
- 繊維強化プラスチックからなるプリプレグの表面に複数の高熱伝導性のセラミック粒子を厚さ方向に重なることなく散布することにより前記セラミック粒子を面内において単一粒子分散させ、かつ前記セラミック粒子の少なくとも一部がその面内の中央部から外周縁に向けて互いに面方向に接触した状態で存在させて熱伝達の経路となる層を形成する工程と、
前記単一粒子分散層を有するプリプレグを複数用意し、これらを積層した後、加熱加圧する工程と
を含むことを特徴とする繊維強化プラスチック複合材料の製造方法。 - 前記プリプレグの表面に前記セラミック粒子を散布する際、複数のプリプレグ間で前記セラミック粒子が異なる密度で単一粒子分散された層を形成することを特徴とする請求項10記載の繊維強化プラスチック複合材料の製造方法。
- 前記セラミック粒子が異なる密度の単一粒子分散層を有する複数のプリプレグを積層する際、前記単一粒子分散層のセラミック粒子の密度が前記プリプレグの積層方向に段階的に変化するように積層することを特徴とする請求項11記載の繊維強化プラスチック複合材料の製造方法。
- 前記プリプレグを構成する前記繊維強化プラスチックとして、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を一方向に配列されたガラス繊維、炭素繊維、アラミッド繊維および炭化ケイ素繊維から選ばれる少なくとも1つの強化繊維で強化されたものを用い、前記単一粒子分散層を有する複数の前記プリプレグを積層する際、隣接する前記プリプレグ間でその繊維強化プラスチック中の前記強化繊維の配列方向を異ならせることを特徴とする請求項10ないし12いずれか記載の繊維強化プラスチック複合材料の製造方法。
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