JP3877955B2 - 可変制御システムの運用評価装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負荷に応じて制御出力を変化させる可変制御システムの運用評価装置に係り、特に、建物の冷暖房負荷状態の変動に応じた冷温水供給および給排気を行う変流量制御システムおよび変風量制御システムの導入効果を実運用データに基づいて評価する、可変制御システムの運用評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建物の空調熱源設備において採用されている代表的な可変制御システムに、インバータ駆動による変流量制御システムおよび変風量制御システムがある。インバータは周波数を変化させることによってモータの回転速度を制御する機器であり、空調熱源設備では、これを主にポンプやファン等の回転機器に電気的に接続することにより、流量および風量の可変制御を行っている。一般に、ポンプやファン等の回転機器で消費される動力は回転速度の3乗に比例して増減するため、機器の所要回転速度が減少するほど、すなわち、機器負荷率(定格運転出力に対する実運転出力の比率)が小さくなるほど、インバータによる可変制御システムの省エネルギー効果は飛躍的に増大することになる。
【0003】
建物新築あるいは改修に際し、設計段階で検討される可変制御システムの費用対効果を示す指標としては、通常、投資回収年数が利用されるが、可変制御システム導入による省コスト効果あるいは省エネルギー効果を客観的かつ定量的に検証するためには、システム導入後の設備運転データ、特に、空調負荷データとエネルギー消費量データの継続的な監視計測が必要不可欠となる。
【0004】
空調負荷データは、冷凍機やヒートポンプなどの熱源機から供給された冷温水の送水温度、還水温度、流量を計測することによって求めることができる。一方、エネルギー消費量データは、電力、ガス、油等のユーティリティ消費量を直接計測するか、あるいは、所定の換算式を利用して他の計測値から間接的に求めることができる。多くの業務用ビルや工場などで導入されている設備監視制御システム等の運用評価装置には、これらの情報の監視機能や表示機能が標準で実装されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の可変制御システムの運用段階における経済性評価や省エネルギー性評価は、設備運転データから実際の空調負荷データやエネルギー消費量を取得または算出してその瞬時値や経時変化を評価する形式、すなわち、現存する設備の運転状況のみを評価対象とする形式に留まっていた。また、可変制御システムとは異なる制御方式の制御システムとの性能比較データが必要な場合は、その都度、設備監視制御システムに蓄積された評価対象期間内の設備運転データを収集し、これをオフラインで分析する方法が一般的であった。そのため、従来の運用評価装置では、可変制御システム以外の従来型制御システム、例えば、定流量制御システムや定風量制御システムを基準とした場合の可変制御システム導入による省コスト効果や省エネルギー効果を、運用段階で即座に定量評価し、その比較結果を画面表示することが難しいという問題点があった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、可変制御システム導入後の省コスト効果および省エネルギー効果を、従来型制御システムと対比させながらリアルタイムかつ定量的に評価することができる可変制御システムの運用評価装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明は、空調負荷に応じて回転数を可変制御するポンプおよびファン等の搬送機器を備えた可変制御システムの運用評価を行う可変制御システムの運用評価装置であって、可変制御システムを構成する搬送機器の基本情報を登録する機器登録手段と、前記機器登録手段によって登録された搬送機器の基本情報を用いて搬送機器の実際または定格運転時の制御特性を設定する機器特性設定手段と、実際の制御特性および実際の運転データに基づいて可変制御システムのエネルギー消費量またはエネルギーコストまたは環境負荷排出量を演算する実際運用評価値演算手段と、定格運転時の制御特性および実際の運転データに基づいて可変制御システムのエネルギー消費量またはエネルギーコストまたは環境負荷排出量を演算する仮想運用評価値演算手段と、実際運用評価値演算手段および仮想運用評価値演算手段による演算結果を所定周期で蓄積し比較評価する運用評価手段とを備えることを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態例を詳細に説明する。
【0011】
図1は本発明の可変制御システムの運用評価装置を示す構成説明図である。
【0012】
図1において、変流量制御システムや変風量制御システム等の可変制御システム11の運転データ(温度・流量・圧力・制御出力などのアナログ入出力データや、発停状態・故障状態・切換状態などのデジタル入出力データや、電力量・蒸気量などのパルス入力データ)は運用評価装置12の運転データ入力部13を経由してエネルギー消費量演算部14に入力される。エネルギー消費量演算部14は2つの演算モジュール、すなわち、実際の可変制御システムの運転データに基づいて電力や化石燃料等のエネルギー消費量を算定する可変制御システムエネルギー消費量演算部15、および、同一運転条件下における仮想制御システムのエネルギー消費量を算定する仮想制御システムエネルギー消費量演算部16から構成される。ここで同一運転条件とは、可変制御システムを構成する機器の発停状態(ON−OFF状態)が同一であることを意味する。このうち、可変制御システムエネルギー消費量演算部15では、実際の運転データの中から選択されたエネルギー消費量算定用データに基づいて、単位時間あたりのエネルギー消費量が所定の周期で取得または演算される。運転データ中にエネルギー消費量データが含まれている場合にはそのデータがエネルギー消費量データとしてそのまま取得され、運転データ中にエネルギー消費量データが含まれていない場合には機器特性設定部17を介して機器特性データ記憶部18にあらかじめ登録されている機器特性データ中の換算式(アドレス参照式)を用いて運転データからエネルギー消費量データが演算される。一方、仮想制御システムエネルギー消費量演算部16では、あらかじめ設定された仮想制御システムにおける同一運転条件下での単位時間あたりのエネルギー消費量が所定の周期で演算される。仮想制御システムの構成やエネルギー入出力条件を定義する情報は、機器登録データ記憶部19を有する機器登録部20を通じて機器特性データ記憶部18にあらかじめ登録される。
【0013】
エネルギー消費量演算部14にて求められた制御システム別(可変制御システムおよび仮想制御システム)のエネルギー消費量データは運転データ中の空調負荷データとともに運用評価部21に入力され、ここで時間単位あるいは日単位毎にデータの編集・加工処理や命名処理が施された後、評価データ記憶部22に結果が格納される。加えて、運用評価部21では、エネルギー消費量以外の評価尺度に基づいた制御システムの運用評価を行うことができるよう、例えば、単位エネルギー消費量あたりのエネルギー単価を利用することにより可変制御システムと仮想制御システムとの省コスト評価が、また、単位エネルギー消費量あたりの環境負荷原単位を利用することにより、可変制御システムと仮想制御システムとの省環境負荷評価も併せて行う機能が実装されている。ここで、エネルギー単価や環境負荷原単位は、評価原単位設定部23を介して評価原単位データ記憶部24にエネルギー種別毎にあらかじめ登録される。
【0014】
可変制御システムの運転データに基づいた運用評価結果に対する利用者からの処理要求は、ヒューマン・インターフェイス25を通じて運用評価装置12に入力され、処理要求に対する適切な応答画面が利用者に提示される。可変制御システムと仮想制御システムとの比較結果に関する応答画面としては、例えば、所定期間の両者のエネルギー消費量比較画面や環境負荷排出量比較画面が実装されるほか、可変制御システムのみの状態監視画面やエネルギー消費量集計画面も実装される。
【0015】
図2は、機器特性データ記憶部18に格納される機器特性データの一例およびエネルギー消費量の算出方法を示す図である。図2に示すように、機器特性データ記憶部18に実装されるデータベースには、機器レコード毎に機器名称、データ参照方式、単位時間あたりの定格エネルギー消費量W、定数m、定数a、定数b、アドレス参照式の各フィールドが定義される。これらのフィールドの値は、機器特性設定部17を介して設定される。
【0016】
データ参照方式フィールドの情報は可変制御システム11の運転データ中から対象機器のエネルギー消費量データが直接取得できるか否かを示しており、所望データが直接取得可能な場合はアドレス参照式フィールドに参照先アドレスが、また、所望データが複数のデータの演算により求められる場合はアドレス参照式フィールドにその演算式が各データの参照先アドレスによる演算の形で登録される。図2に示す例では、データ参照方式が直接参照方式(W)に設定されている機器のエネルギー消費量データは、アドレス参照式フィールドに記述されたアドレスの値を所定周期で読み出すことによって直接的に求められる。また、データ参照方式が間接参照方式(R)に設定されている機器のエネルギー消費量データは、まずアドレス参照式フィールドに記述されたアドレス参照式の形でアドレスの値の演算を所定周期で実行することによって機器制御出力を計算した後、この機器制御出力や上述の単位時間あたりの定格エネルギー消費量W、定数m、a、bの各フィールドに設定されている値を使って間接的に求められる。ここで、アドレス参照式$Dxxxxとは、アドレスxxxx番地に格納されているデータを取得することを表しており、アドレス参照式$Dxxxx*$Dyyyyとは、アドレスxxxx番地に格納されているデータとアドレスyyyy番地に格納されているデータの積を取得することを表している。このようにアドレス参照式は、データが格納されたアドレスおよび四則演算や論理演算等の演算子を組み合わせて記述した編集可能な式であり、これを利用することにより、所望のデータや演算結果を容易かつ自在に取得することが可能になる。
【0017】
次にデータ参照方式が間接参照方式(R)に設定されている機器のエネルギー消費量の算出方法について詳細に説明する。
【0018】
可変制御システム11を構成する機器の特性は、機器制御出力定格比および機器エネルギー消費量定格比を用いて次のように簡略的に定義することができる。
【0019】
W/W=a(R/R+b
ここで、Wは単位時間あたりの機器のエネルギー消費量、Wは単位時間あたりの機器の定格エネルギー消費量、Rは機器の制御出力、Rは機器の定格制御出力、mは機器制御出力定格比W/Wと機器エネルギー消費量定格比R/Rとの関係を表す特性曲線の形状を支配する正の指数、a、bは定数である。m=1のとき、機器制御出力定格比と機器エネルギー消費量定格比との関係は線形になる。
【0020】
上式において、変流量制御システムを構成するポンプや変風量制御システムを構成するファンをインバータで制御する場合、機器制御出力が流量(ポンプ)または風量(ファン)ベースの数値であればm=3と定義することができる。また、機器制御出力定格比および機器エネルギー消費量定格比がともに定格運転時は1に、停止時は0になると仮定すれば、定数パラメータはそれぞれa=1、b=0とすることができる。さらに、ポンプやファンの定格性能を示す数値R、Wは機器仕様書等から得ることができるので、これらの値が既知であれば、実際の機器制御出力値Rのみから容易にエネルギー消費量Wを演算することが可能となる。
【0021】
なお、データ参照方式が直接参照方式(W)に設定されている機器のエネルギー消費量データの算出にあたっては、定数m、a、bを利用する必要はない。このため、図2に示すように、機器レコードの該当フィールドにはNULL値が設定される。
【0022】
図3は、機器登録データ記憶部19に格納される機器登録データおよび機器登録データから変換された機器特性データの一例を示す図である。図3に示すように、機器登録データ記憶部19に実装されるデータベースには、機器レコード毎に基本情報として機器名称、制御方式、データ参照方式、単位時間あたりの定格エネルギー消費量の各フィールドが定義される。制御方式フィールドには、対象機器の制御方式が定格制御方式(C)か可変制御方式(V)かを示す情報が登録される。機器名称フィールド、データ参照方式フィールド、および、単位時間あたりの定格エネルギー消費量フィールドに登録される情報は、前述の機器特性データのものと同様である。
【0023】
機器登録データは、比較対象となる制御システム毎に作成される。図3に示す例は、機器として冷温水一次ポンプ1、冷温水一次ポンプ2、冷温水二次ポンプ1、冷温水二次ポンプ2、冷却水ポンプ1、冷却水ポンプ2を備える空調熱源設備に対し、冷温水一次ポンプおよび冷却水ポンプを定格制御方式(C)、冷温水二次ポンプを可変制御方式(V)とするような制御システムが構築されていると仮定した場合の機器登録データの記述内容を示したものである。
【0024】
機器登録データの新規作成・削除や機器登録データの各フィールド値の設定は、機器登録部20を介して実行される。そして、機器登録データは、全ての機器と各機器のフィールド値が設定された後の登録処理を経て、機器登録データ記憶部19に機器の基本情報として登録されると同時に、機器登録データに対応する機器特性データに変換される。変換された機器特性データは機器特性データ記憶部18へ登録される。図3の例における変換処理では、機器登録データの機器名称、データ参照方式、単位時間あたりのエネルギー消費量の各フィールド値が機器特性データのフィールド値にそのまま引き継がれる。また、冷温水一次ポンプおよび冷却水ポンプは直接参照方式(W)によりデータを参照するため、変換処理時に機器特性データの定数フィールドは自動的にすべてNULL値が設定される。その他のフィールド、すなわち、間接参照方式(R)によりデータを参照する機器に対応する定数フィールド、および、アドレス参照フィールドは変換処理時には値が何も設定されないため、ヒューマン・インターフェイス25や機器特性設定部17を介して利用者が数値を設定する必要がある。
【0025】
図4は、空調用冷温水の変流量制御システムを対象とした場合における可変制御システムの運用評価装置を示す構成説明図である。
【0026】
図4において、31は冷温水発生機、32は冷温水一次ポンプ、33は空調機、34は冷温水二次ポンプである。冷温水発生機31は複数台が並列して設けられ、それぞれに冷温水一次ポンプ32が対応して設けられる。35、36はそれぞれ冷温水発生機31からの冷水または温水を混合させる往一次ヘッダ、往二次ヘッダであり、37は冷温水発生機31へ戻る冷水または温水を混合させる還ヘッダである。バイパス管38は、往一次ヘッダ35および還水管46、または、往一次ヘッダ35および還ヘッダ37を連結するように設けられる。配管系はこのバイパス管38を境として、冷温水発生機31等の熱源機器が配置される一次側と空調機33等の負荷機器が配置される二次側に区分される。39はポンプ流量を可変制御するインバータであり、冷温水一次ポンプ32および冷温水二次ポンプ34に対応して設けられる。40は空調機33への送水温度を測定する送水温度センサー、41は空調機33からの還水温度を測定する還水温度センサー、42、43はそれぞれ負荷流量、バイパス流量を測定する流量計である。
【0027】
冷温水発生機31および冷温水一次ポンプ32を運転させる場合の変流量制御システムの動作は次のようになる。すなわち、冷温水発生機31によって作られた冷水または温水は、冷温水一次ポンプ32により往一次ヘッダ35へ圧送され、さらに、冷温水二次ポンプ34により往二次ヘッダ36および送水管44を経由して空調機33へ圧送される。空調機33に送られた冷水または温水は、空調機33と熱交換をした後、還水管46および還ヘッダ37を経由して再び冷温水発生機31に戻ってくる。冷温水発生機31に搬送された空調負荷は冷房時には冷却水回路の冷却水ポンプおよび冷却塔(図示せず)を介して外界へ排出される。このとき、冷温水一次ポンプ32によって搬送される冷水または温水の流量と、冷温水二次ポンプ34によって搬送される冷水または温水の流量が平衡すると、バイパス管38の流量は0となるが、前者が後者よりも大きい場合は、バイパス管38には往一次ヘッダ35から還水管46へ向かう流れが形成され、反対に後者が前者よりも大きい場合は、バイパス管38には還水管46から往一次ヘッダ35へ向かう流れが形成される。
【0028】
45は空調機33の負荷状態の変動に応じて冷温水一次ポンプ32、冷温水二次ポンプ34の最適な制御を行う変流量制御装置である。変流量制御装置45は、送水温度センサー40、還水温度センサー41および負荷流量計42の計測値から算出される負荷熱量と、バイパス流量計43の計測値から算出されるバイパス流量に基づいて負荷状態を検知した後、負荷要求を満足させるように冷温水一次ポンプ32や冷温水二次ポンプ34の最適制御出力を演算し出力する。なお、変流量制御装置45に台数制御機能を付加し、負荷状態に応じた冷温水発生機31やポンプの発停制御を行えるようにすることも可能である。
【0029】
12は変流量制御装置45が保持する変流量制御システムの運転データを蓄積・評価する運用評価装置である。運用評価装置12は通信線を介して変流量制御装置45と接続され、変流量制御装置45が保持する最新の運転データを定期的に収集して内部に蓄積するとともに、その蓄積データに基づいて可変制御システムの運用状況に関する種々の評価を行う。
【0030】
図5は、図4の変流量制御システムの省エネルギー効果を所定周期で比較評価する画面例を示す図であり、図6はこの変流量制御システムと仮想制御システムのエネルギー消費量を比較するために使用した機器登録データの例を示す図である。仮想制御システムは、一次側定流量・二次側定流量制御システムAおよび一次側定流量・二次側変流量制御システムBの2つであり、これらの仮想制御システムのエネルギー消費量と、実際の可変制御システムである一次側変流量・二次側変流量制御システムCのエネルギー消費量を比較評価する。すなわち、機器登録データから変換された機器特性データに基づいてエネルギー消費量演算部14にて可変制御システムと仮装制御システムのエネルギー消費量を演算し、運用評価部21にて可変制御システムの省エネルギー効果を所定周期で比較・評価する。また、評価原単位データ記憶部24に格納された種々の評価用原単位(エネルギー単価、二酸化炭素排出量など)を利用して、可変制御システムの省コスト評価や省環境負荷評価を行う。
【0031】
なお、図5に例示したグラフの横軸は時間(日)、縦軸は搬送動力(kWh)であるが、横軸の項目やスケールは、月単位あるいは時間単位など利用者の要求に応じて変更自在に表示することができ、縦軸の項目やスケールは、利用者が選択した運用評価項目(エネルギーコストや二酸化炭素排出量など)に応じて自動的に変更表示される。また、グラフの表現形式は、例示した棒グラフや面グラフを始めとして種々の形式が選択でき、グラフ以外の表現形式、例えば所定期間の運用評価値の積算値・平均値・最大値を比較する表として結果表示を行うことも可能である。
【0032】
図7は、空調機の変風量システムを対象とした場合における可変制御システム11の運用評価装置を示す構成説明図である。
【0033】
図7において、51は空調機本体、52は冷水コイル、53は温水コイル、54は加湿器、55は給気ファン、56は空調対象室、57は給気ダクト、58は還気ダクト、59は還気ファンである。60はファン風量を可変制御するインバータであり、給気ファン55および還気ファン59に対応して設けられる。61は空調対象室56への送風温度を測定する温度センサー、62は空調対象室56の湿度を測定する湿度センサー、63は空調対象室56の温度に基づいて給気量を制御するVAVユニット、64は冷水弁、65は温水弁、66は加湿弁、67は排気ダンパ、68は還気ダンパ、69は外気ダンパである。
【0034】
給気ファン55および還気ファン59を運転させる場合の変風量制御システムの動作は次のようになる。すなわち、空調機本体51に入った空気は、冷温水発生機などの熱源機からの冷温水が供給されるコイル52、53、および、加湿器54ならびに弁64,65,66によって温湿度調整が行われた後、空調機本体51内の給気ファン55により給気ダクト57を介して空調対象室56へ供給される。VAVユニット63を経て空調対象室56へ供給された空調空気は、還気ファン59により還気ダクト58を介して一部は外界に排気されるとともに、残りの還気および新たに取り入れられる外気が空調機本体51に搬送される。
【0035】
70は空調対象室56の温熱状態やVAVユニット63から通信バスを経由して送信される給気状態の変動に応じて、冷水弁64、温水弁65、加湿弁66、給気ファン55、還気ファン59、排気ダンパ67、還気ダンパ68、外気ダンパ69の最適な制御を行う変風量制御装置である。
【0036】
71は変風量制御装置70が保持する変風量制御システムの運転データを蓄積・評価する運用評価装置でる。運用評価装置71は通信線を介して変風量制御装置70と接続され、変風量制御装置70が保持する最新の運転データを定期的に収集して内部に蓄積するとともに、その蓄積データに基づいて可変制御システムの運用状況に関する種々の評価を行う。
【0037】
なお、この変風量システムについても、前述の変流量システムと同様、ファンに関する機器登録データや機器特性データを利用することにより、実際の変風量システムおよび仮想制御システムのエネルギー消費量を比較評価することが可能である。
【0038】
このように、設備運転データ、搬送機器等の性能特性、変流量(変風量)制御システムの比較対象となる制御システム種別に基づいて、変流量(変風量)制御システムのエネルギー消費量および比較対象制御システムの仮想エネルギー消費量を演算する手段を設け、これらのエネルギー消費量を相互比較することにより、変流量(変風量)制御システムの省エネルギー効果をリアルタイムかつ定量的に評価することができる。
【0039】
なお、本実施形態例においては、運用評価値としてエネルギー消費量を用いているが、エネルギーコストや環境負荷排出量など、定量化可能な種々の評価尺度を運用評価値として算出することが可能である。また、変流量制御装置45と運用評価装置12、あるいは、変風量制御装置62と運用評価装置63とは別々の装置として構成されているが、運用評価装置12の機能を変流量制御装置45の中に組み込んで、あるいは運用評価装置63の機能を変風量制御装置62の中に組み込んで、両者を一体化させた装置として構成することも可能である。
【0040】
さらに、前出の実施形態例では、可変制御システム構成機器としてインバータ駆動の搬送機器を備えた変流量制御システムおよび変風量制御システムを挙げ、これらの可変制御システムを評価対象とする運用評価装置の構成や機能について詳述したが、本発明の運用評価装置が対象とする可変制御システムは、上述の可変制御システムに限定されるものではない。可変制御システム構成機器の実際および仮想の運用評価値(エネルギー消費量・エネルギーコスト・環境負荷排出量など)が、運用評価に先立ってあらじめ定義される機器登録データや機器特性データに基づいて、実際の運用データから直接的または間接的に定量化することができるものであれば、どの可変制御システムも本発明の適用範囲となり得る。例えば、可変制御システム構成機器として、ダンパや制御弁などのインバータ以外の熱媒搬送量可変制御手段を用いる可変制御システムや、可変制御システム構成機器として、インバータ制御による照明機器を備えた調光制御システムについても、前出の変流量制御システムや変風量制御システムと同様に、本発明の運用評価装置を利用することにより、省コスト効果や省エネルギー効果をリアルタイムかつ定量的に評価することができる。
【0041】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、可変制御システム導入後の省コスト効果および省エネルギー効果を、従来型制御システムと対比させながらリアルタイムかつ定量的に評価することができる可変制御システムの運用評価装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る可変制御システムの運用評価装置を示す構成説明図である。
【図2】本発明の実施形態例に係る機器特性データ記憶部に格納される機器特性データの一例およびエネルギー消費量の算出方法を示す説明図である。
【図3】本発明の実施形態例に係る機器登録データ記憶部に格納される機器登録データおよび機器登録データから変換された機器特性データの一例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施形態例に係る空調用冷温水の変流量制御システムを対象とした場合における可変制御システムの運用評価装置を示す構成説明図である。
【図5】本発明の実施形態例に係る変流量制御システムの省エネルギー効果を所定周期で比較評価する画面例を示す特性図である。
【図6】本発明の実施形態例に係る変流量制御システムと仮想制御システムのエネルギー消費量を比較するために使用した機器登録データの例を示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態例に係る空調機の変風量制御システムを対象とした場合における可変制御システムの運用評価装置を示す構成説明図である。
【符号の説明】
11 可変制御システム
12 運転データは運用評価装置
13 運転データ入力部
14 エネルギー消費量演算部
15 可変制御システムエネルギー消費量演算部
16 仮想制御システムエネルギー消費量演算部
17 機器特性設定部
18 機器特性データ記憶部
19 機器登録データ記憶部
20 機器登録部
21 運用評価部
22 評価データ記憶部
23 評価原単位設定部
24 評価原単位データ記憶部
25 ヒューマン・インターフェイス

Claims (1)

  1. 空調負荷に応じて回転数を可変制御するポンプおよびファン等の搬送機器を備えた可変制御システムの運用評価を行う可変制御システムの運用評価装置であって、
    可変制御システムを構成する搬送機器の基本情報を登録する機器登録手段と、
    前記機器登録手段によって登録された搬送機器の基本情報を用いて搬送機器の実際または定格運転時の制御特性を設定する機器特性設定手段と、
    実際の制御特性および実際の運転データに基づいて可変制御システムのエネルギー消費量またはエネルギーコストまたは環境負荷排出量を演算する実際運用評価値演算手段と、
    定格運転時の制御特性および実際の運転データに基づいて可変制御システムのエネルギー消費量またはエネルギーコストまたは環境負荷排出量を演算する仮想運用評価値演算手段と、
    実際運用評価値演算手段および仮想運用評価値演算手段による演算結果を所定周期で蓄積し比較評価する運用評価手段と
    を備えることを特徴とする可変制御システムの運用評価装置。
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