JP3877130B2 - ベッド等における格納型側柵 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベッド等における格納型側柵において、柵部を折り込み可能に構成して、格納時における省スペース化を図った、ベッド等における格納型側柵に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、ベッド等（病院用ベッド、在宅用ベッド、移送用ベッド、ＩＣＵベッド等）に設けられる側柵には、差し込み柵といわれるものの他、必要時にのみ、ボトム側面側をカバーするように持ち上げ支持することができるようにした格納型側柵がある。この格納型側柵によれば、差し込み柵のように、いちいち取り外したり、装着したりする手間が省け、使い勝手がよい。
【０００３】
例えば、図７に示す格納型側柵１では、ベッド幅方向端面側に、ボトム下方から上方に突出可能に装着した、支柱としての第１のステー２と第２のステー３，３とを有し、これら第１ステー２、並びに第２ステー３，３上端側に回動可能に柵部４を支持した構成としている。これら第１ステー２と第２ステー３とは、前記柵部４を、常時、鉛直方向に指向するように支持している。なお、柵部４には、第１ステー２、および第２ステー３，３、並びに柵部４をボトム上方に突出状態で保持するようにしたロックユニット５を設けている（図８参照）。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、かかる格納型側柵１は、寝具や患者の落下防止機能からすれば、ベッドのボトムに対する柵部４の高さが高ければ高いほど、また、ボトムと柵部４との隙間が狭いほど望ましい構造であると同時に、格納しやすさという機能からすれば、柵部４の高さ方向の寸法は小さい方が望ましい。
しかしながら、前記第２ステー３，３と柵部４との取付軸は、柵部４の下端側より、点線の箇所まで中心側に寄った位置にあり、このことがボトム下方に格納した際に、床高が低い低床型ベッドであったりすると、柵部４の下端側が床面につかえてしまうことがある。
本発明は、以上のような背景から提案されたものであって、ベッド等における格納型側柵において、ボトム下方に柵部を格納する際に、柵部の一部を折り込むようにすることで、低床型ベッドでも問題なく用いることができる、ベッド等における格納型側柵を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
前記した課題を解決するために、本発明では、請求項１において、ベッド幅方向端面側に、ボトムの下方からボトム上方に突出可能に装着した支柱部と、この支柱部によって支持した柵部とを有し、
前記支柱部は、第１ステーと、この第１ステー両側面に隣接するように配置した一対の第２ステーとで構成し、第１ステーと第２ステーの基端部を、ボトム下方のベッド幅方向端面側に設けた取付枠に、上下方向に間隔を置いてベッド長手方向に対応する軸の回りに回動自在に取り付けると共に、第１ステーと第２ステーの先端部を、柵部に、上下方向に間隔を置いてベッド長手方向に対応する軸の回りに回動自在に取り付け、
この際、第１ステーと第２ステーの上下方向の取付間隔は、基端部と先端部で等間隔とし、
柵部の下端側は第１ステーを取り付けるための凹部と、第２ステーを取り付けるための凹部と凸部を有する形状とし、第２ステーの上端部は柵部の横方向端部まで突出させて前記柵部の下部側部位として構成して、上記柵部の下端側の凹部と凸部に係合する凸部と凹部を有する形状とし、
柵部の下端側と第２ステーの上端部の凹部と凸部を係合させた状態で、係合個所において取付軸によりベッド長手方向に対応する軸の回りに回動自在に取り付け、
支柱部をボトム上方に突出させて、柵部をボトムの側方に鉛直に支持している使用状態においては、第２ステーの上端部を前記柵部の下部側に鉛直に支持し、
支柱部をボトム下方に下降して格納状態とした場合には、第２ステーの上端部を内側に折り畳む構成としたベッド等における格納型側柵を提案する。
【０００６】
請求項１によれば、支柱部をボトム上方に突出させて、柵部をボトムの側方に鉛直に支持している使用状態においては、第２ステーの上端部は柵部の下部側に鉛直に支持されて側柵の一部となり、柵部１３の上端面から第２ステーの上端部の下端面までの幅が、側柵の実質的な高さ方向の幅となる。
また支柱部をボトム下方に下降して格納状態とした場合には、第２ステーの上端部が内側に折り畳んだ状態となるので、側柵の実質的な高さ方向の幅は、柵部の幅のみとなって、幅を抑えることができ、低床型ベッドでも側柵の下端部が床面につかえてしまうというようなことはない。
【０００７】
【発明の実施の態様】
次に、本発明にかかるベッド等における格納型側柵について、一つの実施の形態を示し、添付の図面に基づいて以下説明する。
図１〜図４にベッド等における格納型側柵１０を示す。
この格納型側柵１０は、ベッドにおける背に対応する背ボトム１１ａ、または足に対応する足ボトム１１ｂの、ベッド幅方向端面側に、ボトム下方から上方に突出可能に設けられるもので、ベッド幅方向端面側に、ボトム下方から上方に突出可能に装着した支柱部１２を有し、この支柱部１２先端側に回動可能に柵部１３を支持した構成としている。
【０００８】
前記支柱部１２は、第１ステー１５と、この第１ステー１５両側面に隣接するように配置した一対の第２ステー１６とで構成し、第１ステー１５と第２ステー１６の基端部を、背ボトム１１ａ（足ボトム１１ｂ）のボトム下方のベッド幅方向端面側に設けた取付枠１ ４に、上下方向に間隔を置いてベッド長手方向に対応する軸Ｓ 1 、Ｓ 2 の回りに回動自在に取り付けると共に、第１ステー１５と第２ステー１６の先端部を、柵部１３に、上下方向に間隔を置いてベッド長手方向に対応する軸Ｓ 1 、Ｓ 2 の回りに回動自在に取り付け、この際、第１ステーと第２ステーの上下方向の取付間隔は、基端部と先端部で等間隔として、柵部１３を常時、鉛直方向に支持するようにしている。
なお、前記第１ステー１５の中央箇所には、周知構造のロックユニット（図示省略）が組み込まれている。
【０００９】
かかる格納型側柵１０において、前記柵部１３は、例えば合成樹脂の一体成形体から構成され、柵部１３の下端側は、中間箇所に所定幅寸法を有する凹部１７と、第２ステー１６を取り付けるための凹部１７ d と凸部１７ p を有する形状としており、かかる凹部１７に取付軸（図示省略）を介し、第１ステー１５を回動自在に支持するようにしている。
また第２ステー１６の上端部１６ t は柵部１３の横方向端部まで突出させて、柵部１３の下部側部位として構成し、上記柵部１３の下端側の凹部１７ d と凸部１７ p に係合する凸部１９ p と凹部１９ d を有する形状としている。そして、柵部１３の下端側の凹部１７ d と凸部１７ p と、第２ステー１６の上端部１６ t の凹部１９ d と凸部１９ p を係合させた状態で、係合個所において取付軸１８によりベッド長手方向に対応する軸の回りに回動自在に取り付けている。（図２、図３参照）この軸は、図２中に一点鎖線で示すように、第２のステー１６の先端部１６ t において柵部１３を回動自在に支持する軸Ｓ 2 である。
【００１０】
以上のような格納型側柵１０は、図５のように構成することもできる。この図５に示す格納型側柵２０は、格納型側柵１０と形状が異なるだけで、構造が実質的に同じである。
この場合の格納型側柵２０では、柵部２１を支持する第１、第２ステー２２、２３において、第２ステー上端部２３ｔ，２３ｔの高さ寸法をより大きく設定している。すなわち、図５中、一点鎖線が柵部２１と第２ステー２３の上端部２３ｔ，２３ｔと係合個所における取付軸、そして回動の軸Ｓ 2 を示すものである。
【００１１】
本発明にかかるベッド等における格納型側柵は以上の通りであり、支柱部１２の下降と共に柵部１３が鉛直状態のまま下降して、格納型側柵１０が背ボトム１１ａ（足ボトム１１ｂ）下方に格納状態にあるときは、図４に示すように、鉛直状態に支持されている柵部１３に対して第１ステー１５は凹部１７における取付軸、即ち軸Ｓ 1 の回りに図中右方向、即ち内側に折り畳まれた状態となり、同様に第２のステー１６と、その上端部１６ t も前記取付軸１８による軸Ｓ 2 の回りに図中右方向、即ち内側に回動して折り畳まれ、このような状態において柵部１３が支持される。
この格納状態では、側柵１０の実質的な高さ方向の幅は、柵部３の幅のみとなって、幅を上記第２ステー１６の上端部１６ t 、１６ t の幅の分だけ抑えることができる。
従って、前記第２ステー上端部１６ｔ，１６ｔの幅の分だけ、背ボトム１１ａ（足ボトム１１ｂ）の高さを低くすることができることになる（図６における左半分の図参照）。
【００１２】
かかる格納状態から、前記柵部１３を持ち上げていくと、図６のように動作軌跡を描いて、柵部１３を最高位置までもたらすことができる。
柵部１３を最高位置に持っていく際、第２ステー上端部１６ｔ，１６ｔは、第２ステー１６，１６と共に展開していき、柵部１３を最高位置にもたらした際に、柵部１３の下部所定部位を担うように、第２ステー上端部１６ｔ，１６ｔは、下方に向かって展開保持される。
これによって、側柵１０の実質的な高さ方向の幅は、柵部１３の幅に、第２ステー１６の上端部１６ｔの幅を加えた、広い幅となり、第２ステー上端部１６ｔ，１６ｔの下端面と背ボトム１１ａ（足ボトム１１ｂ）との隙間が６０ｍｍ未満となり、ＩＥＣ規格をも満たすことができる。
【００１３】
ここで、図６に、現行の格納型側柵１との違いを参考までに示す。図６中、右半分は現行の格納型側柵１を使用した際でのベッドＢの背ボトム１１ａ（足ボトム１１ｂ）の許容最低床高を示している。
一方、左半分は本発明における格納型側柵１０を用いた際での、背ボトム１１ａ（足ボトム１１ｂ）の許容床高を示している。
かかる図６からも容易に諒解されるように、格納型側柵１０の格納状態においては、柵部１３の下部所定部位を担う、第２ステー上端部１６ｔ，１６ｔが、第２ステー１６，１６と共に内側に折れ曲がっているため、この第２ステー上端部１６ｔ，１６ｔの幅の分だけ（図６中、第２ステー１６における斜線部分）、背ボトム１１ａ（足ボトム１１ｂ）の高さを低くすることをできることがわかる。
【００１４】
【発明の効果】
以上の通り、本発明によれば、低床型ベッドに適合し、しかも、ＩＥＣ規格に適合した格納型側柵であるということができる。
【００１５】
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明にかかる格納型側柵の一例を示す側面説明図である。
【図２】 図１に示す格納型側柵の正面図である。
【図３】 図２に示す格納型側柵の分解斜視図である。
【図４】 図１に示す格納型側柵の格納状態を示した、側面説明図である。
【図５】 本発明にかかる格納型側柵の別例を示す正面図である。
【図６】 本発明にかかる格納型側柵と、現行における格納型側柵との比較説明に供する動作軌跡図である。
【図７】 現行における格納型側柵の一例を示す、正面図である。
【図８】 図７に示す格納型側柵の分解斜視図である。
【符号の説明】
１ 格納型側柵
２ 第１ステー
３ 第２ステー
４ 柵部
５ ロックユニット
１０、２０ 格納型側柵
１１ａ 背ボトム
１１ｂ 足ボトム
１２ 支柱部
１３、２１ 柵部
１４ 取付枠
１５、２２ 第１ステー
１６、２３ 第２ステー
１６ｔ 第２ステー上端部
１７ 凹部
１７ｐ 凸部
１７ｄ 凹部
１８ 取付軸
１９ｐ 凸部
１９ｄ 凹部
Ｓ1、Ｓ2 軸

Claims (1)

1. ベッド幅方向端面側に、ボトムの下方からボトム上方に突出可能に装着した支柱部と、この支柱部によって支持した柵部とを有し、
   前記支柱部は、第１ステーと、この第１ステー両側面に隣接するように配置した一対の第２ステーとで構成し、第１ステーと第２ステーの基端部を、ボトム下方のベッド幅方向端面側に設けた取付枠に、上下方向に間隔を置いてベッド長手方向に対応する軸の回りに回動自在に取り付けると共に、第１ステーと第２ステーの先端部を、柵部に、上下方向に間隔を置いてベッド長手方向に対応する軸の回りに回動自在に取り付け、
   この際、第１ステーと第２ステーの上下方向の取付間隔は、基端部と先端部で等間隔とし、
   柵部の下端側は第１ステーを取り付けるための凹部と、第２ステーを取り付けるための凹部と凸部を有する形状とし、第２ステーの上端部は柵部の横方向端部まで突出させて前記柵部の下部側部位として構成して、上記柵部の下端側の凹部と凸部に係合する凸部と凹部を有する形状とし、
   柵部の下端側と第２ステーの上端部の凹部と凸部を係合させた状態で、係合個所において取付軸によりベッド長手方向に対応する軸の回りに回動自在に取り付け、
   支柱部をボトム上方に突出させて、柵部をボトムの側方に鉛直に支持している使用状態においては、第２ステーの上端部を前記柵部の下部側に鉛直に支持し、
   支柱部をボトム下方に下降して格納状態とした場合には、第２ステーの上端部を内側に折り畳む構成としたことを特徴とするベッド等における格納型側柵。

Images