JP3876709B2 - 液状熱硬化性樹脂組成物、並びに液状熱硬化性樹脂組成物の製造方法と絶縁コイルの製造方法 - Google Patents

液状熱硬化性樹脂組成物、並びに液状熱硬化性樹脂組成物の製造方法と絶縁コイルの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気機器の絶縁に用いられる液状熱硬化性樹脂組成物、並びに液状熱硬化性樹脂組成物の製造方法と高圧回転機の絶縁コイルの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
高圧回転機の絶縁コイルは、起動停止の反復に対するヒートサイクル性、耐熱性、および運転時の振動等に耐える機械特性が必要であり、この高圧回転機の絶縁コイルの含浸に用いる液状熱硬化性樹脂組成物は、高温においても優れた接着性と機械特性とを有する硬化物が得られることが要求されている。また、上記液状熱硬化性樹脂組成物は、含浸性と可使寿命との面から、室温で、低粘度であることが必要である。
【0003】
このような要求に答えるものとして、特開平4−18448号公報には、エポキシ樹脂と脂環式酸無水物の硬化剤とのエポキシ樹脂組成物に、熱変形温度を上げて耐熱性を向上させる多官能性ビニルモノマと、可とう性や接着性を向上させるフェノキシ樹脂と、低粘度化を図り含浸性を向上させる一官能性ビニルモノマとを配合した低粘度含浸樹脂が開示されている。
近年、高圧回転機の容量の増加に伴い、絶縁コイルの耐ヒートサイクル性および機械特性の更なる向上が要求されており、上記特開平4−18448号公報に記載の低粘度含浸樹脂では、可とう性や接着性を向上させるのにフェノキシ樹脂の含有率を増やす必要がある。しかし、フェノキシ樹脂は高分子量であり、反応性が低いので、フェノキシ樹脂の含有率の増加は、含浸樹脂の粘度を増加させ、耐熱性を低下させるという問題があった。
【0004】
また、ビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂に添加して、エポキシ樹脂硬化物の接着性と靭性とを向上させるものとして、ビフェニル型エポキシ樹脂が知られている。しかも、このビフェニル型エポキシ樹脂は、フェノキシ樹脂より分子量が小さく反応性も優れており、含浸樹脂に多量に添加しても、含浸樹脂の粘度増加が少なく、硬化物の耐熱性の低下もないので、このビフェニル型エポキシ樹脂を、高圧回転機の絶縁コイルに含浸させる液状熱硬化性樹脂組成物へ、適用することが検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ビフェニル型エポキシ樹脂は、結晶性を有しており、液状の酸無水物硬化剤や一官能性ビニルモノマを含有する低粘度の液状熱硬化性樹脂組成物に用いられると、液状熱硬化性樹脂組成物中で結晶化がおこり、液状熱硬化性樹脂組成物が濁るという問題があった。この液状熱硬化性樹脂組成物が濁るということは、ビフェニル型エポキシ樹脂が凝集して析出し、液状熱硬化性樹脂組成物中で微粒子の固体となることである。
すなわち、上記濁った液状熱硬化性樹脂組成物を、絶縁コイルに含浸させると、微粒子の固体はコイルの絶縁部に含浸されず、含浸された絶縁部における液状熱硬化性樹脂組成物の配合組成が調製したものとは異なってしまい、硬化不良がおこり、絶縁コイルの耐熱性、電気特性及び機械特性等が低下するとの問題があった。
この発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、低粘度で含浸性に優れ、粘度の経時上昇を抑制することができるとともに、濁ることがない液状熱硬化性樹脂組成物と液状熱硬化性樹脂組成物の製造方法を提供する事を目的とする。また、それを含浸し硬化することにより、優れた耐熱性、電気絶縁性及び機械強度等を有する絶縁コイルの製造方法を提供する事を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる第1の液状熱硬化性樹脂組成物は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と、ビフェニル型エポキシ樹脂と、液状酸無水物と、イソシアヌレ−ト樹脂と、硬化触媒と、p−ターシャルブチルスチレンとを含有するものである。
【0007】
この発明に係わる第2の液状熱硬化性樹脂組成物は、上記第1の液状熱硬化性樹脂組成物において、ビスフェノール型エポキシ樹脂の100重量部に対するビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合が50〜200重量部であり、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂と上記ビフェニル型エポキシ樹脂との混合エポキシ樹脂に対する液状酸無水物の配合割合が、上記混合エポキシ樹脂の1.0化学当量に対し0.7〜1.3の化学当量であり、上記混合エポキシ樹脂と上記液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対し、硬化触媒を0.001〜5.0重量部、イソシアヌレ−ト樹脂を25〜100重量部およびp−ターシャルブチルスチレンを70〜200重量部の割合で配合されてなるものである。
【0008】
この発明に係わる第2の液状熱硬化性樹脂組成物は、上記第1の液状熱硬化性樹脂組成物において、ビフェニル型エポキシ樹脂が、2官能性であり、芳香族環にメチル基が結合しており、ビフェニル骨格が1分子中に2以下のものである。
【0009】
この発明に係わる第3の液状熱硬化性樹脂組成物は、上記第1または第2の液状熱硬化性樹脂組成物において、ビスフェノール型エポキシ樹脂の重量平均分子量が500以下のものである。
【0010】
この発明に係わる第4の液状熱硬化性樹脂組成物は、上記第1ないし第3のいずれかの液状熱硬化性樹脂組成物において、イソシアヌレ−ト樹脂が、3官能性であり、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基またはアリル基を有するものである。
この発明に係わる第1の液状熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、ビスフェノール型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とを混合して混合エポキシ樹脂を調整し、上記混合エポキシ樹脂に、イソシアヌレ−ト樹脂を混合し、次に、p−ターシャルブチルスチレンを混合し、次に、室温において液状酸無水物と硬化触媒とを混合する工程を備え、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の100重量部に対する上記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合が50〜200重量部であり、上記混合エポキシ樹脂に対する上記液状酸無水物の配合割合が、上記混合エポキシ樹脂の1.0化学当量に対し0.7〜1.3の化学当量であり、上記混合エポキシ樹脂と上記液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対し、上記硬化触媒の配合割合が0.001〜5.0重量部、上記イソシアヌレ−ト樹脂の配合割合が25〜100重量部および上記p−ターシャルブチルスチレンの配合割合が70〜200重量部のものである。
この発明に係わる第2の液状熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、ビスフェノール型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とを混合し液状になる温度に加熱して混合エポキシ樹脂を調整し、上記液状の混合エポキシ樹脂に、液状のイソシアヌレ−ト樹脂を上記混合エポキシ樹脂が液状を維持する温度で混合し、上記混合エポキシ樹脂が液状を維持する温度以上でかつp−ターシャルブチルスチレンの沸点未満の温度で、上記混合エポキシ樹脂にp−ターシャルブチルスチレンを混合し、温度を下げて室温で液状とし、次に、室温において液状酸無水物と硬化触媒とを混合する工程を備え、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の100重量部に対する上記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合が50〜200重量部であり、上記混合エポキシ樹脂に対する上記液状酸無水物の配合割合が、上記混合エポキシ樹脂の1.0化学当量に対し0.7〜1.3の化学当量であり、上記混合エポキシ樹脂と上記液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対し、上記硬化触媒の配合割合が0.001〜5.0重量部、上記イソシアヌレ−ト樹脂の配合割合が25〜100重量部および上記p−ターシャルブチルスチレンの配合割合が70〜200重量部のものである。
この発明に係わる第1の絶縁コイルの製造方法は、ビスフェノール型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とを混合して混合エポキシ樹脂を調整し、上記混合エポキシ樹脂に、イソシアヌレ−ト樹脂を混合し、次に、p−ターシャルブチルスチレンを混合し、次に、室温において液状酸無水物と硬化触媒とを混合して液状熱硬化性樹脂組成物を調整し、この液状熱硬化性樹脂組成物を絶縁コイルに含浸して熱硬化する工程を備え、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の100重量部に対する上記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合が50〜200重量部であり、上記混合エポキシ樹脂に対する上記液状酸無水物の配合割合が、上記混合エポキシ樹脂の1.0化学当量に対し0.7〜1.3の化学当量であり、上記混合エポキシ樹脂と上記液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対し、上記硬化触媒の配合割合が0.001〜5.0重量部、上記イソシアヌレ−ト樹脂の配合割合が25〜100重量部および上記p−ターシャルブチルスチレンの配合割合が70〜200重量のものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
本発明の実施の形態1における液状熱硬化性樹脂組成物は、例えば、次のようにして調製する。
まず、所定量のビスフェノール型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とを混合容器に秤取し、ビスフェノール型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とが液状になる温度以上に加熱して攪拌混合し、混合エポキシ樹脂を調製する。次に、上記液状化した混合エポキシ樹脂に、溶融温度以上に加熱して液状化した所定量のイソシアヌレ−ト樹脂を加え、攪拌混合し均一化する。この攪拌混合は、上記樹脂混合物が液状を維持する温度以上で行う。
次に、上記樹脂混合物の温度を、樹脂混合物が液状を維持する以上で、p−ターシャルブチルスチレンの沸点未満にし、この樹脂混合物に所定量のp−ターシャルブチルスチレンを加えて、攪拌混合し均一化する。p−ターシャルブチルスチレンは室温で液体であるので、p−ターシャルブチルスチレンの添加とともに、混合物の温度を下げ、室温で液状の混合物とする。さらに、所定量の、液状酸無水物と硬化触媒とを加え攪拌混合し、液状熱硬化性樹脂組成物を調製する。この時、必要に応じて重合禁止剤等の副資材を加えても良い。
このようにして得られた液状熱硬化性樹脂組成物は、低粘度であり、液状酸無水物と硬化触媒の添加混合を室温で行うので、可使寿命も長い。
【0012】
本発明の実施の形態に用いられるビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂が用いられ、特に、分子量が500以下である、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂またはビスフェノールAD型エポキシ樹脂が、液状熱硬化性樹脂組成物の粘度を低くでき、上記樹脂組成物の硬化物の耐熱性が高く、機械強度が優れているので好ましい。更に、上記、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂またはビスフェノールAD型エポキシ樹脂が、液状であると、液状熱硬化性樹脂組成物の粘度を低くするのに、特に効果がある。
【0013】
本実施の形態に用いられる、ビフェニル型エポキシ樹脂としては、2官能であり、ビフェニル骨格が1分子中に2以下であり、芳香族環のビフェニル結合に対してメタ位がメチル基で置換されたものである。
ビフェニル骨格が1分子中に2以下であるので、分子量が大きくなく、多量に配合しても、液状エポキシ樹脂組成物の粘度増加が小さい。また、芳香族環がメチル基で置換されており、結晶性が低下する。
【0014】
本実施の形態に用いられるイソシアヌレート樹脂としては、3官能であり、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基を有する。具体的には、トリス(2アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(2メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(グリシジル)イソシアヌレート、1−アリル(3,5−ジグリシジル)イソシアヌレート、1,3−ジアリル(5−グリシジル)イソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、モノアリルイソシアヌレート、イソシアヌル酸が挙げられ、これらが、単独または混合して用いられる。
【0015】
本実施の形態の硬化剤に用いられる液状酸無水物としては、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸または無水メチルナジック酸等が挙げられ、これらが単独または混合して用いられる。
【0016】
本実施の形態に用いられる硬化触媒としては、過酸化物、カルボン酸金属塩が単独または混合して用いられる。具体的には、オクチル酸亜鉛、オクチル酸鉄、オクチル酸錫、ナフチル酸亜鉛、ナフチル酸鉄、ナフチル酸錫、2,5−ジメチル−2,5(ジベンゾイルパーオキシ)ヘキサン等が挙げられるが、これらに限るものではない。
【0017】
本実施の形態では、必要に応じて重合禁止剤を用いても良い。重合禁止剤としては、金属塩、硫黄、ベンゾキノン誘導体、ニトロ化合物、ニトロン化合物、第2級芳香族アミン、フェノール類、イオウ、有機イオウ化合物が挙げられ、単独または混合して用いられる。具体的には、二塩化銅、三塩化鉄、2−メチル−2−ニトロソプロパン、α−フェニル−(t−ブチル)ニトロン、5,5−ジメチル−1−ピロリン−1−オキシド、1,1−ジフェニルエチレン、α−(アルキルチオ)アクリロニトリル、クロラニル、ジメチルアニリン、トリエチルアミン、ジフェニルアミン、ジフェニルピクリルヒドラジン、ヒドロキノン、t−ブチルカテコール、ジチオベンゾイルスルフィド、ジベンジルテトラスルフィドが挙げられるが、これらに限るものではない。
【0018】
本実施の形態で用いられるビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂の100重量部に対し、50〜200重量部であり、好ましくは70〜150重量部である。
ビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合が、50重量部未満であれば、液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物において高温接着強度の向上が認められず、上記液状熱硬化性樹脂組成物を含浸した絶縁コイルの耐ヒートサイクル性の改良効果が得られない。上記配合割合が200重量部を越えると、液状熱硬化性樹脂組成物の粘度が高く、含浸するには温度を高くして粘度を下げる必要があり、液状熱硬化性樹脂組成物の可使寿命が短くなる。
【0019】
本実施の形態で用いられる液状酸無水物の配合割合としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とからなる混合エポキシ樹脂のエポキシ基の合計当量1に対して、0.7〜1.3当量、より好ましくは0.8〜1.2当量である。
液状酸無水物の配合割合が、0.7当量未満では、液状熱硬化性樹脂組成物の粘度が高く、含浸するには温度を高くして粘度を下げる必要があり、液状熱硬化性樹脂組成物の可使寿命が短くなる。上記配合割合が、1.3当量を越えると、液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物としての耐熱性、機械強度等の特性が低下する。
【0020】
本実施の形態で用いられるイソシアヌレート樹脂の配合割合としては、上記エポキシ樹脂と液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対して、25〜100重量部である。
イソシアヌレート樹脂の配合割合が25重量部未満であれば、液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物における耐熱性の向上効果が認められない。上記配合割合が100重量部を越えると、液状熱硬化性樹脂組成物の粘度が高く、含浸するには温度を高くして粘度を下げる必要があり、液状熱硬化性樹脂組成物の可使寿命が短くなる。
【0021】
本実施の形態で用いられるp−ターシャルブチルスチレンの配合割合としては、上記エポキシ樹脂と液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対して、70〜200重量部である。
p−ターシャルブチルスチレンの配合割合が70重量部未満であると、液状熱硬化性樹脂組成物の粘度が高く、含浸するには温度を高くして粘度を下げる必要があり、液状熱硬化性樹脂組成物の可使寿命が短くなる。それと、液状熱硬化性樹脂組成物中にビフェニル型エポキシ樹脂による濁りが発生し、この液状熱硬化性樹脂組成物を含浸した絶縁コイルの耐熱性、電気特性及び機械特性等が低下する。上記配合割合が、200重量部より多いと、液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物の耐熱性と機械強度が低下する。
【0022】
本実施の形態における硬化触媒の配合割合としては、上記エポキシ樹脂と液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対して、0.001〜5.0重量部である。
硬化触媒の配合割合が0.001重量部未満であると、液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物の耐熱性と機械強度が著しく低下する。上記配合割合が5.0重量部より多いと、液状熱硬化性樹脂組成物の可使寿命が短くなる。
【0023】
本実施の形態における重合禁止剤の配合割合としては、液状熱硬化性樹脂組成物において10重量%以下である。この配合割合が10重量%より多いと、液状熱硬化性樹脂組成物の硬化に長時間を要し、作業性が低下し実用的でない。
【0024】
本実施の形態の液状熱硬化性樹脂組成物は、低粘度で可使時間が長く含浸性が優れていると共に、p−ターシャルブチルスチレンを用いているので、含有するビフェニル型エポキシ樹脂が結晶化して析出し、液状熱硬化性樹脂組成物が濁るのを防止する。また、この液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、Tgが高く、接着強度が大きいので、耐熱性と電気特性と耐ヒートサイクル性等の機械特性とに優れた、高圧回転機のステータ等に用いる絶縁コイルを実現できる。
それと、この液状熱硬化性樹脂組成物は、ガラスクロスや有機不織布等の絶縁基材に含浸され、絶縁用の積層板、積層棒及び積層管等にも用いることができる。
【0025】
【実施例】
以下に実施例を掲げ、本発明の液状熱硬化性樹脂組成物を詳しく説明する。
【0026】
実施例1.
ビスフェノールA型エポキシ樹脂{商品名:MY−790-1、バンティコ(株)}の13重量部と、ビフェニルエポキシ樹脂{商品名:YX4000、ジャパンエポキシレジン(株)}の13重量部、イソシアヌレート樹脂であるトリス(2アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート{商品名:FA−731A、日立化成工業(株)}の17重量部、液状酸無水物であるメチルテトラヒドロ無水フタル酸{商品名:QH−200、日本ゼオン(株)}の17重量部、p−ターシャルブチルスチレン{東京化成(株)}の40重量部、硬化触媒である2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン{商品名:ルペロックス#118、東京化成(株)}の0.2重量部からなる液状熱硬化性樹脂組成物を調製する。
この液状熱硬化性樹脂組成物の初期粘度は、25℃で20mPa・sと低粘度であった。
また、得られた液状熱硬化性樹脂組成物の可使寿命を求める加速試験として、温度40℃、相対湿度70%の恒温恒湿槽に液状熱硬化性樹脂組成物を放置し、粘度の経時変化を測定し、25℃の粘度が100mPa・sに達するまでの日数を可使寿命とした。初期粘度及び可使寿命求めるための粘度測定は、B型粘度計により測定した。その結果、本実施例の液状熱硬化性樹脂組成物の可使寿命は90日以上であった。併せて、調製直後と上記可使寿命試験90日後とに、25℃における液状熱硬化性樹脂組成物の濁りの有無を目視で観察したが、濁りの発生は認められなかった。
【0027】
次に、この液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物の電気特性(誘電正接、体積抵抗率)と接着特性とを、JIS C2103に従って測定し、ガラス転移温度(Tgと記す)をTMA(熱機械分析)法により測定した。その結果を液状熱硬化性樹脂組成物の配合処方と共に表1に示した。本実施例の液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、室温及び100℃における電気特性と接着強度とが優れており、またTgも149℃であり、耐熱性にも優れている。
【0028】
実施例2〜5.
表1に示した配合処方で液状熱硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様にして、25℃における初期粘度と、可使寿命と、濁り発生の有無と、調製した液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物の電気特性(誘電正接、体積抵抗率)と接着特性とTgとを測定した。測定結果は、配合処方と共に、表1に示した。
実施例2〜5の配合処方の液状熱硬化性樹脂組成物は、濁りを発生することなく、絶縁コイルを含浸処理できる低い粘度と、90日以上の可使寿命とを有している。それと、実施例2〜5の液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、優れた電気特性(誘電正接、体積抵抗率)と接着特性とを有し、Tgが高く優れた耐熱性も有している。
【0029】
p−ターシャルブチルスチレンの含有率が少ない実施例2と、ビフェニル型エポキシ樹脂の含有率が多い実施例5との液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、特に、接着性が優れている。
また、p−ターシャルブチルスチレンの含有率が多い実施例3と、ビフェニル型エポキシ樹脂の含有率が少ない実施例4との液状熱硬化性樹脂組成物とは、特に、粘度が低い。
【0030】
実施例6〜8.
実施例1の液状熱硬化性樹脂組成物に用いられているイソシアヌレート樹脂のトリス(2アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレートに替え、トリス(2メタクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリス(グリシジル)イソシアヌレートまたはジアリルイソシアヌレートを用いて、液状熱硬化性樹脂組成物を調製する。
実施例1と同様にして、調製した液状熱硬化性樹脂組成物の初期粘度と、可使寿命とを測定し、濁り発生の有無を観察した。また、調製した液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物の電気特性(誘電正接、体積抵抗率)と接着特性とTgとを測定した。測定結果は、配合処方と共に、表1に示した。
実施例6〜8の配合処方の液状熱硬化性樹脂組成物は、濁りを発生することなく、絶縁コイルを含浸処理できる低い粘度と、90日以上の可使寿命とを有している。それと、実施例6〜8の液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、優れた電気特性(誘電正接、体積抵抗率)と接着特性とを有し、Tgが高く優れた耐熱性も有している。
【0031】
実施例9.
実施例1の液状熱硬化性樹脂組成物に用いられている液状酸無水物であるメチルテトラヒドロ無水フタル酸に替え、無水メチルナジック酸{商品名:カヤハードMCD、日立化成工業(株)}を用いて、液状熱硬化性樹脂組成物を調製する。
実施例1と同様にして、調製した液状熱硬化性樹脂組成物の初期粘度と、可使寿命とを測定し、濁り発生の有無を観察した。また、調製した液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物の電気特性(誘電正接、体積抵抗率)と接着特性とTgとを測定した。測定結果は、配合処方と共に、表1に示した。
実施例9の配合処方の液状熱硬化性樹脂組成物は、濁りを発生することなく、絶縁コイルを含浸処理できる低い粘度と、90日以上の可使時間とを有している。それと、実施例9の液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、優れた電気特性(誘電正接、体積抵抗率)と接着特性とを有し、また、イソシアヌレート樹脂を多くしなくても、Tgがさらに高くなり、耐熱性が優れている。すなわち、かなり低粘度で耐熱性の高い液状熱硬化性樹脂組成物である。
【0032】
比較例1.
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の13重量部とビフェニル型エポキシ樹脂の13量部との混合エポキシ樹脂に替えて、ビスフェノールA型エポキシ樹脂{商品名:MY−790-1、バンティコ(株)}の26重量部を用いた以外、実施例1と同様にして液状熱硬化性樹脂組成物を調製する。
実施例1と同様にして、調製した液状熱硬化性樹脂組成物の初期粘度と、可使寿命とを測定し、濁り発生の有無を観察した。また、調製した液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物の電気特性(誘電正接、体積抵抗率)と接着特性とTgとを測定した。測定結果は、配合処方と共に、表1に示した。
この液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物は、接着強度が大きく低下し、この液状熱硬化性樹脂組成物を絶縁コイルに用いた場合、耐ヒートサイクル性が低下する。
【0033】
比較例2.
p−ターシャルブチルスチレンの配合量を28重量部とした以外実施例1と同様にして液状熱硬化性樹脂組成物を調製する。
実施例1と同様にして、調製した液状熱硬化性樹脂組成物の初期粘度と、可使寿命とを測定し、濁り発生の有無を観察した。また、調製した液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物の電気特性(誘電正接、体積抵抗率)と接着特性とTgとを測定した。測定結果は、配合処方と共に、表1に示した。
本比較例の液状熱硬化性樹脂組成物は、硬化物の特性は実施例1のものとほとんど同じであるが、p−ターシャルブチルスチレンの配合割合が少ないので、濁りを発生し、それと粘度も高く、可使寿命が短く、この液状熱硬化性樹脂組成物を絶縁コイルに用いた場合、硬化反応が不均一になり、絶縁コイルの耐熱性、機械特性及び電気特性が低下する。
【0034】
比較例3.
p−ターシャルブチルスチレンの配合量を90重量部とした以外、実施例1と同様にした液状熱硬化性樹脂組成物を調製する。
実施例1と同様にして、調製した液状熱硬化性樹脂組成物の初期粘度と、可使寿命とを測定し、濁り発生の有無を観察した。また、調製した液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物の電気特性(誘電正接、体積抵抗率)と接着特性とTgとを測定した。測定結果は、配合処方と共に、表1に示した。
本比較例の液状熱硬化性樹脂組成物の粘度はかなり低いが、硬化物のTgが低く耐熱性が低下し、接着強度も低下した。また、硬化物が脆いので、この液状熱硬化性樹脂組成物を絶縁コイルに用いた場合、耐ヒートサイクル性が低下する。
【0035】
比較例4.
イソシアヌレート樹脂を配合しない以外、実施例1と同様にした液状熱硬化性樹脂組成物を調製する。
実施例1と同様にして、調製した液状熱硬化性樹脂組成物の初期粘度と、可使寿命とを測定し、濁り発生の有無を観察した。また、調製した液状熱硬化性樹脂組成物の硬化物の電気特性(誘電正接、体積抵抗率)と接着特性とTgとを測定した。測定結果は、配合処方と共に、表1に示した。
本比較例の液状熱硬化性樹脂組成物の粘度はかなり低いが、その硬化物は、Tgが低く、それと100℃における接着強度が小さく、耐熱性が低下した。
【0036】
【表1】
Figure 0003876709
【0037】
【発明の効果】
この発明に係わる第1の液状熱硬化性樹脂組成物は、ビスフェノール型エポキシ樹脂と、ビフェニル型エポキシ樹脂と、液状酸無水物と、イソシアヌレ−ト樹脂と、硬化触媒と、p−ターシャルブチルスチレンとを含有するものであり、低粘度であり、可使時間も長く、ビフェニル型エポキシ樹脂による濁りの発生もなく、その硬化物は、電気特性と接着性とに優れ、耐熱性も高い。
【0038】
この発明に係わる第2の液状熱硬化性樹脂組成物は、上記第1の液状熱硬化性樹脂組成物において、ビスフェノール型エポキシ樹脂の100重量部に対するビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合が50〜200重量部であり、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂と上記ビフェニル型エポキシ樹脂との混合エポキシ樹脂に対する液状酸無水物の配合割合が、上記混合エポキシ樹脂の1.0化学当量に対し0.7〜1.3の化学当量であり、上記混合エポキシ樹脂と上記液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対し、硬化触媒を0.001〜5.0重量部、イソシアヌレ−ト樹脂を25〜100重量部およびp−ターシャルブチルスチレンを70〜200重量部の割合で配合されてなるものであり、低粘度であり、可使寿命も長く、ビフェニル型エポキシ樹脂による濁りの発生もなく、その硬化物は、電気特性と接着性とに優れ、耐熱性も高く、絶縁コイルに含浸して用いた場合、耐ヒートサイクル性に優れた絶縁コイルを実現できる。
【0039】
この発明に係わる第2の液状熱硬化性樹脂組成物は、上記第1の液状熱硬化性樹脂組成物において、ビフェニル型エポキシ樹脂が、2官能性であり、芳香族環にメチル基が結合しており、ビフェニル骨格が1分子中に2以下のものであり、液状熱硬化性樹脂組成物中での濁りの発生を、耐熱性を低下させない量のp−ターシャルブチルスチレンの配合により防止できる。
【0040】
この発明に係わる第3の液状熱硬化性樹脂組成物は、上記第1または第2の液状熱硬化性樹脂組成物において、ビスフェノール型エポキシ樹脂の重量平均分子量が500以下のものであり、室温においても低粘度の液状熱硬化性樹脂組成物を実現でき、室温での絶縁コイルへの含浸性が優れている。
【0041】
この発明に係わる第4の液状熱硬化性樹脂組成物は、上記第1ないし第3のいずれかの液状熱硬化性樹脂組成物において、イソシアヌレ−ト樹脂が、3官能性であり、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基またはアリル基を有するものであり、液状熱硬化性樹脂組成物の耐熱性向上効果が優れている。
この発明に係わる第1の液状熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、ビスフェノール型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とを混合して混合エポキシ樹脂を調整し、上記混合エポキシ樹脂に、イソシアヌレ−ト樹脂を混合し、次に、p−ターシャルブチルスチレンを混合し、次に、室温において液状酸無水物と硬化触媒とを混合する工程を備え、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の100重量部に対する上記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合が50〜200重量部であり、上記混合エポキシ樹脂に対する上記液状酸無水物の配合割合が、上記混合エポキシ樹脂の1.0化学当量に対し0.7〜1.3の化学当量であり、上記混合エポキシ樹脂と上記液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対し、上記硬化触媒の配合割合が0.001〜5.0重量部、上記イソシアヌレ−ト樹脂の配合割合が25〜100重量部および上記p−ターシャルブチルスチレンの配合割合が70〜200重量部のものであり、低粘度であり、可使時間も長く、ビフェニル型エポキシ樹脂による濁りの発生もなく、その硬化物は、電気特性と接着性とに優れ、耐熱性も高く、絶縁コイルに含浸して用いた場合、耐ヒートサイクル性に優れた絶縁コイルを実現できる。
この発明に係わる第2の液状熱硬化性樹脂組成物の製造方法は、ビスフェノール型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とを混合し液状になる温度に加熱して混合エポキシ樹脂を調整し、上記液状の混合エポキシ樹脂に、液状のイソシアヌレ−ト樹脂を上記混合エポキシ樹脂が液状を維持する温度で混合し、上記混合エポキシ樹脂が液状を維持する温度以上でかつp−ターシャルブチルスチレンの沸点未満の温度で、上記混合エポキシ樹脂にp−ターシャルブチルスチレンを混合し、温度を下げて室温で液状とし、次に、室温において液状酸無水物と硬化触媒とを混合する工程を備え、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の100重量部に対する上記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合が50〜200重量部であり、上記混合エポキシ樹脂に対する上記液状酸無水物の配合割合が、上記混合エポキシ樹脂の1.0化学当量に対し0.7〜1.3の化学当量であり、上記混合エポキシ樹脂と上記液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対し、上記硬化触媒の配合割合が0.001〜5.0重量部、上記イソシアヌレ−ト樹脂の配合割合が25〜100重量部および上記p−ターシャルブチルスチレンの配合割合が70〜200重量部のものであり、低粘度であり、可使時間も長く、ビフェニル型エポキシ樹脂による濁りの発生もなく、その硬化物は、電気特性と接着性とに優れ、耐熱性も高く、絶縁コイルに含浸して用いた場合、耐ヒートサイクル性に優れた絶縁コイルを実現できる。
この発明に係わる第1の絶縁コイルの製造方法は、ビスフェノール型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とを混合して混合エポキシ樹脂を調整し、上記混合エポキシ樹脂に、イソシアヌレ−ト樹脂を混合し、次に、p−ターシャルブチルスチレンを混合し、次に、室温において液状酸無水物と硬化触媒とを混合して液状熱硬化性樹脂組成物を調整し、この液状熱硬化性樹脂組成物を絶縁コイルに含浸して熱硬化する工程を備え、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の100重量部に対する上記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合が50〜200重量部であり、上記混合エポキシ樹脂に対する上記液状酸無水物の配合割合が、上記混合エポキシ樹脂の1.0化学当量に対し0.7〜1.3の化学当量であり、上記混合エポキシ樹脂と上記液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対し、上記硬化触媒の配合割合が0.001〜5.0重量部、上記イソシアヌレ−ト樹脂の配合割合が25〜100重量部および上記p−ターシャルブチルスチレンの配合割合が70〜200重量部のものであり、耐熱性と電気特性と耐ヒートサイクル性とに優れる。

Claims (7)

  1. ビスフェノール型エポキシ樹脂と、ビフェニル型エポキシ樹脂と、液状酸無水物と、イソシアヌレ−ト樹脂と、硬化触媒と、p−ターシャルブチルスチレンとを含有し、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の100重量部に対する上記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合が50〜200重量部であり、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂と上記ビフェニル型エポキシ樹脂との混合エポキシ樹脂に対する液状酸無水物の配合割合が、上記混合エポキシ樹脂の1.0化学当量に対し0.7〜1.3の化学当量であり、上記混合エポキシ樹脂と上記液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対し、硬化触媒を0.001〜5.0重量部、イソシアヌレ−ト樹脂を25〜100重量部およびp−ターシャルブチルスチレンを70〜200重量部の割合で配合されてなることを特徴とする液状熱硬化性樹脂組成物。
  2. ビフェニル型エポキシ樹脂が、2官能性であり、芳香族環にメチル基が結合しており、ビフェニル骨格が1分子中に2以下であることを特徴とする請求項1に記載の液状熱硬化性樹脂組成物。
  3. ビスフェノール型エポキシ樹脂の重量平均分子量が500以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の液状熱硬化性樹脂組成物。
  4. イソシアヌレ−ト樹脂が、3官能性であり、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基またはアリル基を有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の液状熱硬化性樹脂組成物。
  5. ビスフェノール型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とを混合して混合エポキシ樹脂を調整し、上記混合エポキシ樹脂に、イソシアヌレ−ト樹脂を混合し、次に、p−ターシャルブチルスチレンを混合し、次に、室温において液状酸無水物と硬化触媒とを混合する工程を備え、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の100重量部に対する上記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合が50〜200重量部であり、上記混合エポキシ樹脂に対する上記液状酸無水物の配合割合が、上記混合エポキシ樹脂の1.0化学当量に対し0.7〜1.3の化学当量であり、上記混合エポキシ樹脂と上記液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対し、上記硬化触媒の配合割合が0.001〜5.0重量部、上記イソシアヌレ−ト樹脂の配合割合が25〜100重量部および上記p−ターシャルブチルスチレンの配合割合が70〜200重量部であることを特徴とする液状熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  6. ビスフェノール型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とを混合し液状になる温度に加熱して混合エポキシ樹脂を調整し、上記液状の混合エポキシ樹脂に、液状のイソシアヌレ−ト樹脂を上記混合エポキシ樹脂が液状を維持する温度で混合し、上記混合エポキシ樹脂が液状を維持する温度以上でかつp−ターシャルブチルスチレンの沸点未満の温度で、上記混合エポキシ樹脂にp−ターシャルブチルスチレンを混合し、温度を下げて室温で液状とし、次に、室温において液状酸無水物と硬化触媒とを混合する工程を備え、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の100重量部に対する上記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合が50〜200重量部であり、上記混合エポキシ樹脂に対する上記液状酸無水物の配合割合が、上記混合エポキシ樹脂の1.0化学当量に対し0.7〜1.3の化学当量であり、上記混合エポキシ樹脂と上記液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対し、上記硬化触媒の配合割合が0.001〜5.0重量部、上記イソシアヌレ−ト樹脂の配合割合が25〜100重量部および上記p−ターシャルブチルスチレンの配合割合が70〜200重量部であることを特徴とする液状熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
  7. ビスフェノール型エポキシ樹脂とビフェニル型エポキシ樹脂とを混合して混合エポキシ樹脂を調整し、上記混合エポキシ樹脂に、イソシアヌレ−ト樹脂を混合し、次に、p−ターシャルブチルスチレンを混合し、次に、室温において液状酸無水物と硬化触媒とを混合して液状熱硬化性樹脂組成物を調整し、この液状熱硬化性樹脂組成物を絶縁コイルに含浸して熱硬化する工程を備え、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の100重量部に対する上記ビフェニル型エポキシ樹脂の配合割合が50〜200重量部であり 、上記混合エポキシ樹脂に対する上記液状酸無水物の配合割合が、上記混合エポキシ樹脂の1.0化学当量に対し0.7〜1.3の化学当量であり、上記混合エポキシ樹脂と上記液状酸無水物とからなるエポキシ樹脂組成物100重量部に対し、上記硬化触媒の配合割合が0.001〜5.0重量部、上記イソシアヌレ−ト樹脂の配合割合が25〜100重量部および上記p−ターシャルブチルスチレンの配合割合が70〜200重量部であることを特徴とする絶縁コイルの製造方法。
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