JP3876237B2 - レーザ加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ加工装置に関し、特に、多軸加工を行うことができるレーザ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
1つのレーザ光源から出射したレーザビームを、時分割方式で複数の光軸に振り分けて、複数軸の加工を行うレーザ加工装置が知られている。例えば、特許文献1には、レーザ光の偏向装置として音響光学変調器(Acoust−Optic Modulator,AOM)を用いて、多軸加工を行うレーザ加工装置が開示されている。音響光学変調器は、超音波発生電圧が印加されたとき、入射したレーザビームを所定の方向に偏向させた光(1次回折光)を出射する。
【0003】
特許文献1に開示されたレーザ加工装置においては、複数の音響光学変調器を、レーザビームの光路中に直列に配置し、超音波発生電圧を印加する音響光学変調器を切換えることにより、加工に使われるレーザビームの光軸を切換えている。
【0004】
ところで、レーザ光源から出射されるパルスレーザビームの、パルスごとのピーク強度(あるいはパルスエネルギ)には、ばらつきが存在する。一般に、加工対象物の素材等に応じて、加工に好適なピーク強度の範囲が存在する。ピーク強度がばらつくことにより、品質を一定にして加工が行えない問題が生じる。
【0005】
特許文献2では、プリント基板にスルーホールを形成する加工を行うレーザ加工装置に、パルスエネルギを検出するモニタを設置している。被加工部に照射されるパルスエネルギが閾値を下回ると、形成される穴がスルーホールとならない問題が生じる。閾値を下回るエネルギのパルスが検出されたときは、パルスを追加照射し、スルーホールが形成されるようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−263271号公報
【特許文献2】
特開平9−253878号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に開示されたレーザ加工装置においては、加工軸の数と同数の、多くの偏向装置が必要となる。装置の小型化や光軸の調整が容易ではなく、コスト低減も難しい。
【0008】
特許文献2に開示された、過小なエネルギのパルスが照射された場合に追加パルスを照射する方法を用いると、樹脂層に埋設された内層銅配線を露出させる穴開け加工のような場合には、以下に示すような不具合を生じ得る。
【0009】
穴を形成するための所定数のショットに、過小なパルスエネルギのショットが含まれると、内層銅配線が露出した底面の径が小さい等の不具合を有する穴が形成される。その穴に、追加ショットが照射されると、累積で過大なエネルギの照射となる可能性がある。穴の側面が抉れたり、配線層表面や配線層の下部に損傷が生じたりすること等の不具合が生じ得る。このように、被加工部に照射されるエネルギが適切とならない可能性があり、加工品質を安定させることが難しい。
【0010】
本発明の一目的は、多軸加工ができ、光軸の調整が容易なレーザ加工装置を提供することである。
【0011】
本発明の他の目的は、多軸加工ができ、安定した加工品質が得られるレーザ加工装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、パルスレーザビームを出射するレーザ光源と、1つの音響光学偏向器からなり、前記レーザ光源から出射したレーザビーム入射、外部からの制御信号に基づき、第1の時間帯には、入射したレーザビームを第1の回折角で回折させて、第1の光軸に沿って進行するレーザビームを出射し、第2の時間帯には、入射したレーザビームを、該第1の回折角とは異なる第2の回折角で回折させて、第2の光軸に沿って進行するレーザビームを出射する光偏向器と、前記光偏向器から出射して第1の光軸に沿って進行したレーザビームが加工対象物に入射する位置を、加工対象物の表面内で移動させ、前記光偏向器から出射して第2の光軸に沿って進行したレーザビームが加工対象物に入射する位置を、加工対象物の表面内で移動させるための移動機構と前記光偏向器に入射した前記パルスレーザビームの1つのパルスのパルス幅内に、前記第1の時間帯と第2の時間帯とが少なくとも1つずつ含まれるように、該光偏向器を制御する制御装置とを有るレーザ加工装置が提供される。
【0013】
レーザ光源から出射したレーザビームを、1つの偏向装置を用いて複数の光軸に振り分けられる。レーザ光の偏向装置の数が、最小で1つに抑えられた、多軸加工可能なレーザ加工装置が提供される。偏向装置の数を少なくできるので、光軸の調整が容易となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1(A)は、本発明の実施例によるレーザ加工装置の概略図である。レーザ光源1が、パルスレーザビームLbを出射する。レーザ光源1は、例えば、炭酸ガスレーザである。制御装置8が送出する制御信号sig1が、所望のタイミング、パルス幅でパルスレーザビームを出射するように、レーザ光源1を制御する。
【0015】
レーザ光源1を出射したレーザビームLbは、振り分け装置2aに入射する。振り分け装置2aは、入射したレーザビームLbを複数の異なる光軸に振り分けるための光偏向器2と、光偏向器2に高周波の電気信号RFを印加するための高周波信号発生器9とを含む。
【0016】
光偏向器2として、例えば、音響光学偏向器(Acoust−Optic Deflector,AOD)が用いられる。制御装置8が、制御信号sig2を送出し、所望のタイミングで所望の周波数の電気信号RFを光偏向器2に印加するように、高周波信号発生器9を制御する。
【0017】
図1(B)を参照して、音響光学偏向器の原理について説明する。音響光学偏向器に電気信号RFが印加されると、音響光学偏向器の音響光学媒体21内に電気信号RFに同期した音波が発生する。図中の平行線22は、音波の等位相面を示す。この音波が回折格子として作用し、光軸I に沿って伝搬するレーザビームLbの一部がブラッグ反射される(音響光学効果)。
【0018】
レーザビームの回折角は音波の周波数に比例する。音波の周波数を連続的に変えることで、回折角を連続的に変化させることができる。音波の周波数は、電気信号RFの周波数を変えることで制御できる。なお、音響光学偏向器に電気信号RFが印加されない場合は、レーザビームの回折は起こらない。
【0019】
図に示すように、音響光学偏向器を用いて、入射したレーザビームLbを、例えば3つの光軸に振り分けることができる。レーザビームLbは、音響光学偏向器に電気信号RFが印加されない場合は、そのまま光軸I に沿って出射する。音響光学偏向器にある周波数(周波数faとする)の電気信号RFが印加された場合は、一部がある回折角で回折して光軸Ia に沿って伝搬するレーザビームLbaが出射される。音響光学偏向器に他の周波数(周波数fbとする)の電気信号RFが印加された場合は、一部が他の回折角で回折して光軸Ibに沿って伝搬するレーザビームLbbが出射される。
【0020】
異なる回折角で音響光学偏向器から出射したレーザビームLbaとレーザビームLbbとは、等しい強度であるとは限らない。ここでは、レーザビームLbaの強度がレーザビームLbbの強度よりも高いとして以下の説明を進める。
【0021】
なお光偏向器として、電気光学効果を用いた電気光学偏向器を用いることもできる。
【0022】
図1(A)に戻って説明を続ける。ある回折角で回折されて光偏向器2から出射したレーザビームLbaは、パルスレーザビームの強度を可変の減衰率で減衰させることができるバリアブルアッテネータ10に入射する。バリアブルアッテネータ10によりレーザビームLbaの強度を減衰させて、レーザビームLbbの強度と揃える。バリアブルアッテネータ10を出射したレーザビームLbaは、折り返しミラー3aで反射され、ガルバノスキャナ4aへ入射する。
【0023】
ガルバノスキャナ4aは、レーザビームの進行方向を2次元方向に振ることができる。ガルバノスキャナ4aを出射したレーザビームLbaは、fθレンズ5aにより収束され、XYステージ7上に保持された加工対象物6の表面に照射される。
【0024】
他の回折角で回折されて光偏向器2から出射したレーザビームLbbは、折り返しミラー3bで反射され、ガルバノスキャナ4bで進行方向を2次元方向に振られ、fθレンズ5bにより収束され、XYステージ7上に保持された加工対象物6の表面に照射される。なお、レーザビームLbbの光路上にも、バリアブルアッテネータを設けても構わない。
【0025】
加工対象物6は、例えば、樹脂層に内層配線層が埋設されたプリント基板である。レーザビームを照射して、加工対象物6の表面に穴や溝等を形成することができる。XYステージ7が、加工対象物6を、加工対象物6の表面に平行な面内で移動させる。レーザビームが照射される加工対象物表面の位置は、ガルバノスキャナ4a、4b、またはXYステージ7、あるいはその両方を適宜動作させて移動できる。
【0026】
なお、レーザビームLba、Lbbが1つの加工対象物6に照射される例を説明するが、レーザビームLba、Lbbが各々別の加工対象物に照射されるようにしてもよい。XYステージは、各々の加工対象物を保持するように、2つ用いても構わない。
【0027】
回折されずに光偏向器2から出射したレーザビームLb0は、部分反射鏡11に入射し、一部(例えば1%)が反射してレーザビームLb1となりモニタ12に入射し、残り(例えば99%)が透過してビームダンパ13に入射する。ビームダンパ13は、入射したレーザビームを吸収して熱に変換し、レーザビームLb0の光路の終端となる。
【0028】
モニタ12が、レーザビームLb1の強度を測定する。モニタ12は、後に図4を参照しながら説明するように、加工に適したピーク強度を有するパルスを選んで加工対象物に照射するために用いられる。モニタ12として、パワーメータと呼ばれるものを用いることができる。パワーメータは、例えば、レーザビームの光量を測定するフォトダイオードを含んで構成される。モニタ12が測定した強度のデータは、制御装置8に送信される。
【0029】
次に、図2を参照して、光偏向器の制御方法について説明する。図2は、レーザ光源に入力される制御信号sig1、高周波信号発生器に入力される制御信号sig2、光偏向器に印加される電気信号RFの周波数f、レーザビームLb、Lba、Lbbのタイミングチャートの一例を示す。レーザビームのタイミングチャートの縦軸は、レーザ光の強度を示す。
【0030】
時刻t10に、制御信号sig1が立ち上がると、レーザビームLbの第1のパルスの出射が開始する。レーザビームLbの強度は、時刻t10から時刻t11までの間にゼロからピーク値Wまで増加し、時刻t11から制御信号sig1が立ち下がる時刻t14までの間はWで一定となり、時刻t14から時刻t15までの間にWからゼロまで減少する。
【0031】
その後、時刻t20に、再び制御信号sig1が立ち上がって、レーザビームLbの第2のパルスの出射が開始する。レーザビームLbの強度は、時刻t20から時刻までt21の間にゼロからピーク値Wまで増加し、時刻t21から制御信号sig1が立ち下がる時刻t24までの間はWで一定であり、時刻t24から時刻までt25の間にWからゼロまで減少する。
【0032】
レーザビームLbの各パルスのパルス幅(時刻t10から時刻t15までの長さ、時刻t20から時刻t25までの長さ)は、例えば100μs程度であり、立ち上がり時間(時刻t10から時刻t11までの長さ、時刻t20から時刻t21までの長さ)と立ち下がり時間(時刻t14から時刻t15までの長さ、時刻t24から時刻t25までの長さ)とはともに、例えば20〜30μs程である。
【0033】
第1のパルスの強度が一定となる時刻t11から時刻t14までの期間に含まれる、時刻t12から時刻t13までの期間に、制御信号sig2が出力された状態になり、高周波信号発生器から光偏向器に周波数faの電気信号が印加される。周波数faの電気信号が印加されている間は、光偏向器からレーザビームLbaが出射する。
【0034】
レーザビームLbaのパルス幅(時刻t12から時刻t13までの長さ)は、例えば20μs程度である。光偏向器の立ち上がり、立ち下がり時間は1μs程度であるので、レーザビームLbaのパルスは、レーザビームLbのパルスと比較して急峻な立ち上がり、立ち下がりにできる。
【0035】
第2のパルスの強度が一定となる時刻t21から時刻t24までの期間に含まれる、時刻t22から時刻t23までの期間に、制御信号sig2が出力された状態になり、高周波信号発生器から光偏向器に周波数fbの電気信号が印加される。周波数fbの電気信号が印加されている間は、光偏向器からレーザビームLbbが出射する。
【0036】
レーザビームLbbのパルス幅(時刻t22から時刻までt23の長さ)は、例えば20μs程度である。なお、レーザビームLba、Lbbのパルス幅は、相互に異なる長さに設定しても構わない。
【0037】
このように、レーザ光源から出射したレーザビームを、1つの光偏向器に入射させ、異なる2つの回折角で回折させて2軸に振り分け、2軸加工を行うことができる。加工軸の数よりも、レーザ光の偏向装置の数を少なくできる。
【0038】
なお、1つの光偏向器を用い、3つ以上の異なる回折角でレーザビームを振り分けて、3軸以上のレーザ加工を行うこともできる。偏向装置の数が少ないので、光軸の調整が容易となり、装置の小型化、コスト低減が図れる。
【0039】
光偏向器で振り分けられたレーザビームLba、Lbbのパルスは立ち上がり、立ち下がりが急峻であるので、加工対象物へのエネルギ照射量の制御が容易となり、良質な加工を行うことができる。
【0040】
レーザビームLbの1つのパルスを、レーザビームLba、Lbbのどちらかに振り分ける方法を説明したが、レーザビームLbの1つのパルスのある部分をレーザビームLbaに振り分け、他のある部分をレーザビームLbbに振り分けることもできる。
【0041】
図3のタイミングチャートを参照して、このような場合の光偏向器の制御方法について説明する。
【0042】
時刻t30に、レーザビームLbのあるパルスの出射が開始する。レーザビームLbの強度は、時刻t30から時刻t31までの間にゼロからピーク値Wまで増加し、時刻t31から時刻t36までの間はWで一定であり、時刻t36から時刻t37までの間にWからゼロまで減少する。
【0043】
パルスの強度が一定となる時刻t31から時刻t36までの期間に含まれる、時刻t32から時刻t33までの期間に、制御信号sig2が出力された状態になり、高周波信号発生器から光偏向器に周波数faの電気信号が印加される。周波数faの電気信号が印加されている間は、光偏向器からレーザビームLbaが出射する。
【0044】
そして、時刻t33から時刻t36までの期間に含まれる、時刻t34から時刻t35までの期間に、制御信号sig2が出力された状態になり、高周波信号発生器から光偏向器に周波数fbの電気信号が印加される。周波数fbの電気信号が印加されている間は、光偏向器からレーザビームLbbが出射する。
【0045】
レーザビームLba、Lbbのパルス幅(時刻t32から時刻t33までの長さ、時刻t34から時刻t35までの長さ)は、例えば、それぞれ10μs程度である。なお、レーザビームLba、Lbbのパルス幅は、相互に異ならせて設定しても構わない。
【0046】
このようにして、レーザビームの1つのパルスのある部分をある加工軸に、他のある部分を他の加工軸に振り分けて、2軸加工を行うことができる。なお、1つのパルスを、3つ以上の加工軸に振り分けてもよい。
【0047】
被加工部にある量のエネルギを照射するとき、1ショットで照射すると、蓄熱の影響により、良好な形状に加工されない場合がある。複数ショットに分割し時間をおいて照射した方が、蓄熱の影響を抑制するために好ましい。図3を参照して説明した方法では、図2を参照して説明した方法と比べ、以下に説明するように、時間効率を損ねることなく、蓄熱の影響を抑制してレーザ照射を行える。
【0048】
例えば、レーザビームLbの2つのパルスが出射される間に、レーザビームLba、Lbbをそれぞれ20μsずつ加工対象物に照射することを考える。
【0049】
図2を参照して説明した方法では、例えば、レーザビームLbの1パルス目に、レーザビームLbaの20μsのパルスを1ショット照射し、レーザビームLbの2パルス目に、レーザビームLbbの20μsのパルスを1ショット照射する。
【0050】
一方、図3を参照して説明した方法では、例えば、レーザビームLbの1パルス目に、レーザビームLbaとLbbの10μsのパルスを1ショットずつ照射し、レーザビームLbの2パルス目に、レーザビームLbaとLbbの10μsのパルスを1ショットずつ照射できる。図2の方法と等しい加工時間で、蓄熱の影響を低減させてレーザを照射できる。
【0051】
次に、図4を参照して、加工に適したピーク強度を有するパルスのみを、加工対象物に照射することができるレーザ加工方法について説明する。
【0052】
図4は、レーザ光源に入力される制御信号sig1、高周波信号発生器に入力される制御信号sig2、光偏向器に印加される電気信号RFの周波数f、レーザビームLb、Lba、Lbb、Lb1のタイミングチャートの一例を示す。
【0053】
図に示すように、レーザビームLbのパルスp1、p3、p5のピーク強度はWであり、パルスp2のピーク強度はWlを下回る値であり、パルスp4のピーク強度はWhを上回る値である(Wl<W<Wh)。複数のパルスのピーク強度には、ばらつきが存在する。
【0054】
これに対応して、図1(A)のモニタ12に強度を測定されるレーザビームLb1においては、パルスp1、p3、p5のピーク強度はwであり、パルスp2のピーク強度はwlを下回る値であり、パルスp4のピーク強度はwhを上回る値となる(wl<w<wh)。
【0055】
一般に、加工対象物の素材等に応じて、加工に好適なピーク強度の範囲が存在する。ここでは、レーザビームLb1のあるパルスのピーク強度が、wlからwhまでの範囲内に存在すれば、そのパルスは加工に好適である(光偏向器で加工軸に振り分けられた後、加工に好適な強度で被加工面に照射される)として説明を続ける。
【0056】
時刻t40に、レーザビームLbのパルスp1の出射が開始する。上記で説明したように、パルスp1の強度は、出射開始後から増加してピーク値に達し、ピーク値のまま所定の期間一定となる。
【0057】
時刻t41は、パルスp1の強度が一定に達して少し時間が経過したある時点を示す。パルスp1の立ち上がり時間が例えば25μsとすると、時刻t41は、例えば時刻t40から30μs後の時点に設定される。
【0058】
時刻t41において、モニタ12が、レーザビームLb1の強度を測定し、測定値wを図1(A)に示す制御装置8に送信する。制御装置8は、モニタ12から受信したパルスの強度の測定値が、wlからwhまでの範囲内にあれば加工に適していると認定し、wlからwhまでの範囲外にあれば加工に適さないと認定する。
【0059】
測定値wがwlからwhまでの範囲内にあるので、パルスp1は加工に適していると認定される。加工に適していると認定されたパルスp1は、図3を参照して説明したように、レーザビームLbaとLbbとに振り分けられて加工対象物に照射される。
【0060】
時刻t50に、パルスp2の出射が開始する。時刻t51は、パルスp2の強度が一定に達して少し時間が経過したある時点を示す。時刻t51において、モニタ12が、レーザビームLb1の強度を測定し、制御装置8に送信する。パルスp2のピーク強度はwlを下回り、wlからwhまでの範囲外にあるので、制御装置8により、パルスp2は加工に適さないと認定される。
【0061】
パルスが加工に適さないと認定されたとき、制御装置8は、高周波信号発生器を起動する制御信号sig2を送出しない。パルスp2が出射している間、光偏向器は、レーザビームLbをレーザビームLba、Lbbに振り分けず、加工対象物にはレーザが照射されない。
【0062】
以後同様にして、時刻t60、t70、t80に出射を開始するパルスp3、p4、p5について、パルスの強度が一定に達して少し時間が経過したある時刻t61、t71、t81に、モニタ12がレーザビームLb1の強度を測定し、制御装置8が各パルスの強度が所定範囲に含まれるかどうか判定する。
【0063】
ピーク強度がwであるパルスp3、p5は、加工に適していると認定されて加工対象物に照射され、ピーク強度がwhを上回るパルスp4は、加工に適さないと認定されて加工対象物に照射されない。
【0064】
このように、各パルスについて、パルスの出射開始後から所定の時間後にモニタが測定したパルスの強度が、所定の範囲内にあるかどうか検査し、範囲内に存在していれば加工対象物に照射し、範囲内に存在していなければ加工対象物に照射しないようにする。不良な強度のパルスの照射を回避し、適切に加工がされないことを防止できる。安定した加工品質が得られる。
【0065】
各パルスについて、1時点について強度を測定する例を説明したが、2時点以上について強度を測定し、強度の積算値が、所定の範囲内にあるかどうか検査してもよい。
【0066】
なお、強度の測定は、各パルスの立ち上がり近傍に行い、さらに、パルスを各加工軸に振り分ける間の時間に行ってもよい。つまり、パルスを第1の加工軸に振り分けてから、再び強度を検査して、好適な範囲にあれば第2の加工軸への振り分けを行ってもよい。可能性は低いが、制御信号sig1が継続的に入力されているにもかかわらず、途中でパルスの強度が低下するという異常が生じたときに、検知することができる。
【0067】
加工対象物をXYステージに載置する時間等、加工に使えない時間を利用して、1つのパルス全体(立ち上がりから立ち下がりまで)について、強度を検査してもよい。
【0068】
図1に示した構成以外にも、種々の仕方でモニタを設置することができる。図5(A)、5(B)、図6に、変形例による構成を示す。
【0069】
図5(A)に示すように、光偏向器2から出射したレーザビームを、部分反射鏡11が、一部透過させてモニタ12に入射させ、残りを反射させてビームダンパ13に入射させるようにしてもよい。
【0070】
図5(B)に示すように、光偏向器2から出射したレーザビームを、バリアブルアッテネータ14に入射させ適当に強度を弱め、モニタ12に入射させて、強度を測定するようにしてもよい。
【0071】
また、図6に示すように、レーザ光源1と光偏向器2との間の光路中に、部分反射鏡11を設け、部分反射鏡11で反射したレーザ光をモニタ12に入射させて強度を測定するようにしてもよい。
【0072】
さらに、加工対象物6に照射されるレーザビームLba、Lbbの光路中に、それぞれ、部分反射鏡15a、15bとモニタ16a、16bとを設置し、加工軸におけるレーザビームの強度を測定してもよい。
【0073】
このように、加工軸の光路中にモニタを設置すれば、光偏向器2が、レーザビームを正常に加工軸へ振り分けているかどうか、検査することができる。ただし、正常な強度のレーザビームを選択して加工軸に振り分けるようにするためには、光偏向器2の振り分け動作の前にレーザの強度を測定できるモニタ12が必要である。
【0074】
モニタ16a、16bが測定した強度のデータを制御装置8に送出し、加工軸における強度に異常が検出された場合は、レーザの出射を止め、不良な加工が継続されないようにしてもよい。
【0075】
パルスレーザビームを出射するレーザ光源として、炭酸ガスレーザ以外にも、高調波固体レーザ等を用いることができる。
【0076】
半導体レーザ等の連続波レーザビームを出射するレーザ光源を用いることもできる。連続波レーザビームに対しても、光偏向器で光軸を振り分けることや、ビームの強度が所定の範囲内にあるときに加工軸に振り分けることは、パルスレーザビームと同様に行うことができる。
【0077】
以上実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに制限されるものではない。例えば、種々の変更、改良、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。
【0078】
【発明の効果】
レーザ光源から出射したレーザビームを、1つの偏向装置を用いて複数の光軸に振り分けられる。レーザ光の偏向装置の数が、最小で1つに抑えられた、多軸加工可能なレーザ加工装置が提供される。偏向装置の数を少なくできるので、光軸の調整が容易となる。
【0079】
レーザビームの強度を測定し、強度が所定の範囲内であれば、そのレーザビームを複数の加工軸に振り分ける。加工に適した強度のレーザビームを選択して被加工面に照射できる。多軸加工ができ、安定した加工品質が得られるレーザ加工装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は、実施例によるレーザ加工装置の概略図であり、(B)は、音響光学偏向器の動作原理を説明するための図である
【図2】 実施例によるレーザ加工装置を用いて、レーザビームの第1、第2のパルスをそれぞれ第1、第2の加工軸に振り分けるレーザ加工を行うときのタイミングチャートの一例である。
【図3】 実施例によるレーザ加工装置を用いて、レーザビームの1つのパルスを第1及び第2の加工軸に振り分けるレーザ加工を行うときのタイミングチャートの一例である。
【図4】 実施例によるレーザ加工装置を用いて、モニタを用いたレーザ加工を行うときのタイミングチャートの一例である。
【図5】 (A)は、実施例の一変形例によるレーザ加工装置の一部を示す概略図であり、(B)は、実施例の他の変形例によるレーザ加工装置の一部を示す概略図である。
【図6】 実施例のさらに他の変形例によるレーザ加工装置の概略図である。
【符号の説明】
1 レーザ光源
2a 振り分け装置
2 光偏向器
3a、3b 折り返しミラー
4a、4b ガルバノスキャナ
5a、5b fθレンズ
6 加工対象物
7 XYステージ
8 制御装置
9 高周波信号発生器
10 バリアブルアッテネータ
11 部分反射鏡
12 モニタ
13 ビームダンパ

Claims (3)

  1. パルスレーザビームを出射するレーザ光源と、
    1つの音響光学偏向器からなり、前記レーザ光源から出射したレーザビーム入射、外部からの制御信号に基づき、第1の時間帯には、入射したレーザビームを第1の回折角で回折させて、第1の光軸に沿って進行するレーザビームを出射し、第2の時間帯には、入射したレーザビームを、該第1の回折角とは異なる第2の回折角で回折させて、第2の光軸に沿って進行するレーザビームを出射する光偏向器と、
    前記光偏向器から出射して第1の光軸に沿って進行したレーザビームが加工対象物に入射する位置を、加工対象物の表面内で移動させ、前記光偏向器から出射して第2の光軸に沿って進行したレーザビームが加工対象物に入射する位置を、加工対象物の表面内で移動させるための移動機構と
    前記光偏向器に入射した前記パルスレーザビームの1つのパルスのパルス幅内に、前記第1の時間帯と第2の時間帯とが少なくとも1つずつ含まれるように、該光偏向器を制御する制御装置と
    を有るレーザ加工装置。
  2. さらに、前記第1の光軸に沿って進行するレーザビームと前記第2の光軸に沿って進行するレーザビームの強度が高い方のレーザビームの光路中に設置され、レーザビームのパワーを可変な減衰率で減衰させることができる減衰器を有する請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. さらに、前記レーザ光源から出射したパルスレーザビームの強度を測定するためのモニタを有し、
    前記制御装置は、前記レーザ光源がレーザビームの1つのパルスの出射を開始してから該パルスの出射が継続しているある時点までの少なくとも一時点について前記モニタが測定した該パルスの強度と基準強度範囲とを比較し、測定された強度が前記基準強度範囲内である場合は、該パルスが出射を継続している時間幅内に、前記第1の時間帯と第2の時間帯とが、少なくとも1つずつ含まれるように、前記光偏光器を制御し、測定された強度が前記基準強度範囲外である場合は、該パルス前記第1及び第2の光軸に振り分けられないように、前記光偏光器を制御する請求項1または2に記載のレーザ加工装置。
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