JP3876103B2 - Nmr試料管の操作方法及び操作用具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、NMR装置において、NMR試料管をNMR検出器に導入したり、NMR検出器から取り出したりするときに用いられるNMR試料管の操作方法に関し、特に、NMR試料管が破損するリスクを大幅に低減することのできるNMR試料管の操作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図1は、従来のNMR装置の主要部分の構造を示したものである。強い静磁界を発生させる超電導磁石1の縦穴部には、NMR検出器2がセットされている。また、NMR検出器2内には、液体試料の入ったNMR試料管3がセットされている。更に、NMR試料管3には、NMR信号の線形を先鋭化させる目的で、NMR測定時にNMR試料管3を回転させるために用いられるスピンナーローター4が装着されている。
【0003】
図1から明らかなように、NMR検出器2は、超電導磁石1の縦穴の奥深くに挿入されており、NMR試料管3は、そのNMR検出器2の頭部に挿入されるので、通常、外部から手で出し入れすることはできない。このため、NMR試料管3の出し入れの通路として、超電導磁石1の縦穴に沿ってハウジング5が設けられており、NMR検出器2の頭部へと接続されている。
【0004】
NMR試料管3をNMR検出器2に導入するときには、予めハウジング5の内部に下方の給気口6から図示しないコンプレッサーで空気を送り込み、その空気圧でNMR試料管3をハウジング5の上端の開口部付近に浮上させておき、その後、空気圧を低下させることによってNMR試料管3をNMR検出器2の位置までハウジング5に沿って降下させる。また、NMR試料管3をNMR検出器2から取り出すときには、NMR検出器2の下方の給気口6から図示しないコンプレッサーで空気を送り込み、その空気圧によりNMR試料管3をハウジング5に沿って浮上させ、ハウジング5の上端の開口部まで移動させる。
【0005】
これらの動作のとき、空気圧による浮力は、主にNMR試料管3に装着されたスピンナーローター4の部分で受け止められているため、良好な降下・浮上動作を得るためには、ハウジング5の内周部とスピンナーローター4の外周部との間のすきまが適切に設けられていることが重要である。
【0006】
しかしながら、このすきまの存在が、逆に、降下・浮上動作のときにNMR試料管3の軸ぶれを引き起こすこともある。そして、軸のふれにより、しばしばNMR試料管3の底部がNMR検出器2の入口に接触し、ときにNMR試料管3を破損するに至る場合がある。これは、空気圧による試料導入機構を用いている限り、避けがたい難点であり、多くの場合、NMR試料管3の降下・浮上動作を緩慢なものにすることにより、この破損の確率を下げるようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような構成において、通常のNMR測定では、上記のようなNMR試料管3の破損の確率は、十分小さくなるように作られている。しかしながら、近年、以下のような新しい状況が生じてきている。
【0008】
(1)収量の低い微量な貴重試料を測定する際に、検出感度を確保するため、極めて細いNMR試料管とその試料管の外径にマッチした細いNMR検出器を使用する場合がある。
【0009】
(2)微弱なNMR信号を観測する際に、検出感度を向上させるため、極めて肉薄のNMR試料管を使用する場合がある。
【0010】
(3)放射性物質のような環境に飛散させることが許されない試料を測定対象とする場合がある。
【0011】
このうち、(1)と(2)の場合には、NMR試料管の破損の確率は大幅に悪化してしまう。また、(1)と(3)の場合には、たとえ小さな確率であっても、NMR試料管の破損の確率を無視して考えることはできない。
【0012】
本発明の目的は、上述した点に鑑み、NMR試料管をNMR検出器に導入したりNMR検出器から取り出したりする際に、NMR試料管が破損するリスクを大幅に低減することのできるNMR試料管の設定方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明にかかるNMR試料管の操作方法は、スピンナーローターが装着されたNMR試料管を、超電導磁石の内部に設置されたNMR検出器と超電導磁石の外部との間で出し入れするためのNMR試料管の操作方法であって、
前記スピンナーローターのNMR試料管と接する部分の上部に上方に開口した孔部を設け、該孔部のスピンナーローター側内周に被嵌合部を設け、該被嵌合部に操作棒を嵌合させて前記NMR試料管の出し入れを行なうようにしたことを特徴としている。
【0014】
また、スピンナーローターが装着されたNMR試料管を、超電導磁石の内部に設置されたNMR検出器と超電導磁石の外部との間で出し入れするための操作棒を用いたNMR試料管の操作方法であって、
前記操作棒は、内筒と外筒から成る二重筒構造を持ち、内筒に設けられた突起部を外筒に設けられた窓部から突出させて、スピンナーローターに設けられた溝部に嵌合させるようにしたことを特徴としている。
【0015】
また、スピンナーローターが装着されたNMR試料管を、超電導磁石の内部に設置されたNMR検出器と超電導磁石の外部との間で出し入れするためのNMR試料管の操作用具であって、
前記スピンナーローター側に設けられた被嵌合部と嵌合可能な嵌合部を備えた操作棒であり、該操作棒は、内筒と、外筒と、内筒に設けられた折り畳み可能な突起部と、該突起部を突出させるために外筒に設けられた窓部とを備えて成ることを特徴としている。
【0016】
また、前記操作棒は、磁力によって吸引されない非磁性な材料で作られていることを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。図2は、本発明に用いられるNMR試料管の操作棒の一実施例を示したものである。図中(a)は、本発明に用いられる操作棒の断面図、(b)は本発明に用いられる操作棒を構成する部品の外観図、(c)は本発明に用いられるスピンナーローターの断面図である。
【0020】
本実施例では、図2(a)および(b)に示すように、内筒7と、内筒7の外径よりもやや大きな内径を持つ外筒8から成る二重管構造の操作棒を用いる。内筒7の先端部には数個の突起(凸部)9が筒の外周に沿って等間隔に設けられている。また、外筒8の先端部には、内筒7の先端部に設けられた突起9の位置に対応する位置に、突起9の数と同じ数だけの窓10が設けられていて、内筒7の突起9がこの窓10を貫通して外筒8の外側に向けて突出するように作られている。これらは、強力な磁場の中で使用するため、磁力によって吸引されない非磁性な材料で作られている。
【0021】
外筒8の窓10から外側に向けて突出している内筒7の突起9は、外筒8の中で内筒7を周方向に回転させると、内筒7の内側に折り畳まれて、外筒8の窓10から内側に向けて引っ込むように構成されている。また、内筒7を更に回転させて、一旦引っ込んだ突起9の位置を外筒8の窓10の位置に合わせると、突起9は再び外筒8の窓10から外側に向けて突出するように構成されている。
【0022】
また、図2(c)は、NMR試料管3に装着された状態のスピンナーローター4を示している。本実施例で使用されるスピンナーローター4は、図2(c)に示すように、前記操作棒の先端部を差し込める程度の孔部11と、該孔部11の内壁に彫られた溝部(凹部)12とを有している。この溝部12は、前記操作棒の先端部に突出した突起9が嵌合できる大きさに作られている。本スピンナーローター4は、孔部11の内壁に溝部12を有する点以外は、従来のスピンナーローターと何ら変わるところはない。
【0023】
NMR試料管の設定操作は、次のようにして行なわれる。先ず最初に、スピンナーローター4をNMR試料管3に装着させる。次に、操作棒の内筒7の突起9が外筒8の窓10から内側に向けて折り畳まれた状態で、操作棒の先端部をスピンナーローター4の孔部11に差し込む。次に、内筒7を周方向に回転させて突起9を外筒8の窓10から外側に向けて突出させ、スピンナーローター4の溝部12に嵌合させる。その結果、NMR試料管3とスピンナーローター4は、操作棒の先端部に固着・保持されるので、ハウジング5の上端の開口部からNMR検出器2に向けて操作棒を挿入し、NMR検出器2の頭部にNMR試料管3とスピンナーローター4を設定する。最後に、内筒7を周方向に回転させて突起9を外筒8の窓10から内側に向けて折り畳み、NMR試料管3とスピンナーローター4を操作棒から切り離して、操作棒を引き抜く。
【0024】
NMR試料管3とスピンナーローター4をNMR検出器2から取り出す場合には、その逆の手順で操作を行なう。すなわち、先ず最初に、操作棒の内筒7の突起9が外筒8の窓10から内側に向けて折り畳まれた状態で、ハウジング5の上端の開口部からNMR検出器2に向けて操作棒を挿入し、その先端部をNMR検出器2の頭部に設定されているスピンナーローター4の孔部11に差し込む。次に、内筒7を周方向に回転させて突起9を外筒8の窓10から外側に向けて突出させ、スピンナーローター4の溝部12に嵌合させる。その結果、NMR試料管3とスピンナーローター4は、操作棒の先端部に固着・保持されるので、NMR検出器2からハウジング5の上端の開口部に向けて操作棒を引き抜いて、NMR検出器2の頭部からNMR試料管3とスピンナーローター4を取り出す。最後に、内筒7を周方向に回転させて突起9を外筒8の窓10から内側に向けて折り畳み、NMR試料管3とスピンナーローター4を操作棒から切り離す。
【0025】
尚、本発明には、さまざまな変形が可能である。例えば、本実施例では、操作棒側に凸部、スピンナーローター側に凹部を設けたが、これを逆にしても良い。また、本実施例では、操作棒を二重筒構造にして凸部の出し入れを行なわせるように構成したが、この操作は必ずしも二重筒構造でなければ行なえないものではなく、この操作を一重筒構造で行なわせても良い。例えば、出し入れ可能な突起を筒の先端部に等間隔に設け、普段は突起を筒の内側に収納しておく。そして、必要なときに、筒の内側から棒で押すことにより、筒の外側に向けて突起を突出させるようにする。
【0026】
【発明の効果】
以上述べたごとく、本発明のNMR試料管の操作方法によれば、従来の空気圧を利用した方法に代えて、操作棒を用いてNMR試料管のNMR検出器への導入およびNMR検出器からの取り出しを行なうようにしたので、NMR試料管をNMR検出器に導入したりNMR検出器から取り出したりする際に、NMR試料管が破損するリスクを大幅に低減することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のNMR装置の構成を示す図である。
【図2】本発明にかかるNMR試料管の設定方法の一実施例を示す図である。
【符号の説明】
1・・・超電導磁石、2・・・NMR検出器、3・・・NMR試料管、4・・・スピンナーローター、5・・・ハウジング、6・・・給気口、7・・・内筒、8・・・外筒、9・・・突起、10・・・窓、11・・・孔部、12・・・溝部。
Claims (4)
- スピンナーローターが装着されたNMR試料管を、超電導磁石の内部に設置されたNMR検出器と超電導磁石の外部との間で出し入れするためのNMR試料管の操作方法であって、
前記スピンナーローターのNMR試料管と接する部分の上部に上方に開口した孔部を設け、該孔部のスピンナーローター側内周に被嵌合部を設け、該被嵌合部に操作棒を嵌合させて前記NMR試料管の出し入れを行なうようにしたことを特徴とするのNMR試料管の操作方法。 - スピンナーローターが装着されたNMR試料管を、超電導磁石の内部に設置されたNMR検出器と超電導磁石の外部との間で出し入れするための操作棒を用いたNMR試料管の操作方法であって、
前記操作棒は、内筒と外筒から成る二重筒構造を持ち、内筒に設けられた突起部を外筒に設けられた窓部から突出させて、スピンナーローターに設けられた溝部に嵌合させるようにしたことを特徴とするNMR試料管の操作方法。 - スピンナーローターが装着されたNMR試料管を、超電導磁石の内部に設置されたNMR検出器と超電導磁石の外部との間で出し入れするためのNMR試料管の操作用具であって、
前記スピンナーローター側に設けられた被嵌合部と嵌合可能な嵌合部を備えた操作棒であり、該操作棒は、内筒と、外筒と、内筒に設けられた折り畳み可能な突起部と、該突起部を突出させるために外筒に設けられた窓部とを備えて成ることを特徴とするNMR試料管の操作用具。 - 前記操作棒は、磁力によって吸引されない非磁性な材料で作られていることを特徴とする請求項1、2、または3記載のNMR試料管の操作方法または操作用具。
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