JP3875290B2 - 蛍光灯の輝度安定化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は印刷物の検査時等において、検査物を照明するための蛍光灯の輝度安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えばオフセット輪転機等におけるように、高速走行している印刷物の検査は、これを直管状の蛍光灯で印刷物幅方向のライン状に照明し、その反射光をラインセンサカメラによりとらえて行うようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような検査光源としての蛍光灯は、防塵、防爆、破損を防止するためにカバーでそのほとんどが覆われているので、蛍光管の発熱によりカバー内温度が上昇して、該蛍光管の輝度がばらつくことが多い。又、高速走行している印刷物等により発生する風が光源に影響し、蛍光灯の輝度がばらつき、検査に悪影響が生じるという問題点があった。
【0004】
更に、一般的に蛍光管の管端では、他の部分よりも管面温度が高いので、図5の中段に破線で示されるように、その部分における輝度が他の部分よりも低くなり、検査物に対して蛍光管長手方向に均一に照明することができず、検査精度が低下してしまうという問題点があった。
【0005】
又蛍光管全体でも、雰囲気温度によって、図5の下段に破線で示されるように、輝度の絶対値にふらつきを生じ、安定した検査ができない場合があるという問題点があった。
【0006】
この発明は上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、蛍光管の輝度を全体として、且つその軸方向分布を一定にした蛍光灯の輝度安定化方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、直管状の蛍光管を、照明光出射面及び空気出口を備えたカバーにより覆うと共に、該カバー内で、複数の空気吹出口から前記蛍光管表面に向けて空気流を形成して蛍光管温度を一定値近傍に保つように冷却する方法であって、前記蛍光管近傍位置に、該蛍光管の管面輝度を検出するセンサを配置し、前記空気吹出口を、前記蛍光管の長手方向に沿って1列に複数個所設けると共に、前記蛍光管における、前記複数の空気吹出口からの空気流により冷却される複数の対応個所の管面輝度を、前記センサにより検出し、該検出値に基づいて、対応個所毎に前記複数の空気吹出口からの空気流量を、これらの空気吹出口に、それぞれ設けられた個別流量コントローラにより個別に制御することを特徴とする蛍光灯の輝度安定化方法により、上記目的を達成するものである。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記空気吹出口を、前記蛍光管の軸方向に沿って複数個所設け、且つ、前記蛍光管の軸端近傍の空気吹出口からの空気流量を最大、蛍光管軸方向中央位置近傍の空気吹出口からの空気流量を最小としたものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記空気吹出口を、圧縮空気供給源に対して、蛍光管の軸方向両端近傍で連通された同一のエアー管に、形成したものである。
【0012】
請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記同一のエアー管に形成された前記複数の空気吹出口を同一径の孔としたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の形態の例について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
図1及び図2に示されるように、本発明の実施の形態の第1の例に係る照明装置10は、平行に且つ離間して配置された1対の直管状の蛍光管12、12を、照明光出射面14及び空気出口16を備えたカバー18により覆うと共に、該カバー18内の、前記1対の蛍光管12、12の外側位置に、これらと平行に1対のエアー管20、20を設け、このエアー管20、20から、対応する蛍光管12、12に冷却空気を吹付けて該蛍光管12、12の管面を一定温度に冷却し、その輝度を安定化させるものである。
【0015】
前記エアー管20は、その軸方向両端位置で空気供給管22、元流量コントローラ24、レギュレータ26、フィルタ28を経てコンプレッサからなる圧縮空気源30に接続されている。
【0016】
前記エアー管22には、対応する蛍光管12の軸方向適宜間隔で複数の空気吹出口20A〜20Iが形成されている。
【0017】
これら空気吹出口20A〜20Iは、その孔径が、図3に示されるように、蛍光管12の管端ほど大きく、又軸方向中央位置が最小となるようにされ、これによって蛍光管12の管端側ほど吹付けられる空気流量が大きくなるようにされている。
【0018】
前記照明光出射面14は、例えば透明ガラス板からなり、その内側には、前記蛍光管12の近傍であって、且つ、該蛍光管12からの光が照明光出射面14から出射することを妨げない位置に、各蛍光管12、12に対応して輝度センサ32が設けられている。
【0019】
又、前記蛍光管12の、前記照明光出射面14と反対側の表面には、熱電対からなる温度センサ34が配置されている。
【0020】
前記輝度センサ32及び温度センサ34は、各々対応する蛍光管12の長手方向の1個所、特に該蛍光管12の平均輝度あるいは平均管面温度を代表するような個所に取り付けられている。
【0021】
前記輝度センサ32及び温度センサ34の出力信号は図1に示されるプログラマブルコントローラ36に入力されるようになっている。このプログラマブルコントローラ36は、コンピュータ38により制御されると共に、前記輝度センサ32、温度センサ34からの検出信号に基づいて、前記元流量コントローラ24を制御して、エアー管20に供給される空気流量を調整するようにされている。
【0022】
この照明装置10においては、図4に示されるように、輝度センサ32及び/又は温度センサ34からの検出値が、コンピュータ38により設定された最適値か否かを、プログラマブルコントローラ36にて判断し、検出値が設定値になるように、元流量コントローラ24を制御して、空気吹出口20A〜20Iからの空気流量を調整する。空気流量の管軸方向の分布については、エアー管20に形成されている空気吹出口20A〜20Iの孔径が、蛍光管12の管端側ほど大きく、軸方向中央側ほど小さく設定されているので、図5に破線で示される空気冷却がなされない場合の蛍光管の管面温度及び輝度の蛍光管軸方向の分布のばらつきを補正するように、冷却空気の流量分布が形成される。
【0023】
従って、図5に実線で示されるように、空気吹出口20A〜20Iからの空気吹付けにより、蛍光管12の表面温度及び輝度の蛍光管軸方向のばらつきが、従来と比較して大幅に低減される。又、管面温度の絶対値も空気冷却無しの場合と比較して低くなり、蛍光管12全体の輝度が増大し、輝度のふらつきも低減されることになり、安定して高い輝度(照度)が得られる。
【0024】
又、上記照明装置10において、空気吹出口20A〜20Iからの空気吹出量は、その長手方向の分布は該空気吹出口20A〜20Iの孔径によって決定されるが、空気流量の絶対量は元流量コントローラ24によって制御される。従って、空気吹出口20A〜20Iからの空気吹出量は、各空気吹出口において一定の比率を保ったまま、元流量コントローラ24によってその絶対値が制御されることになる。
【0025】
更に、図2に示されるように、エアー管20の両端に空気源30を接続したとき、空気圧、流量が適正であれば、エアー管20の管端側ほど空気圧が高くなるので、図6に示されるように、空気吹出口20A〜20Iの孔径を同一としても、管端側の空気吹出流量を中央側よりも大きくすることができる。
【0026】
なお、上記照明装置10において、空気吹出口20A〜20Iからの空気流量は輝度センサ32及び温度センサ34の両方のセンサ出力に基づいてなされるが、本発明はこれに限定されるものでなく、輝度センサ32と温度センサ34のどちらか一方に基づいて空気流量を制御するようにしてもよい。
【0027】
又、温度センサ34は蛍光管12に接触させるのが最適であるが、蛍光管12の交換等を考慮して、該蛍光管12から僅かに離間した位置に設けるようにしてもよい。
【0028】
更に、輝度センサ32及び温度センサ34は、上記照明装置10では蛍光管軸方向の1個所にのみ設けられているが、これは例えば、図7に示される例の照明装置40のように、蛍光管12の軸方向の数個所に輝度センサ33A〜33D及び又は温度センサ35A〜35Dを配置して、プログラマブルコントローラ10により、各センサの出力値の平均値を算出し、この平均値に基づいて空気吹出口20A〜20Iの吹出空気流量を制御するようにしてもよい(図8参照)。
【0029】
この場合は、前記図1の照明装置10と比較して、検査対象物への照度分布をより安定化させることができる。
【0030】
更に、上記実施の形態の例は、いずれもエアー管20に圧縮空気を供給する空気供給管22に設けられた1つの元流量コントローラ24によって、全空気吹出口からの吹出空気流量を制御するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、図9に示される照明装置50のように、複数の空気吹出口42A〜42Iのそれぞれに個別流量コントローラ44A〜44Iを設け、個別に吹出空気流量を制御するようにしてもよい。
【0031】
この場合、各空気吹出口42A〜42Iにより冷却される蛍光管12の各部位に対応して、該部位における輝度及び/又は温度を検出する輝度センサ46A〜46I及び/又は温度センサ48A〜48Iを設け、各空気吹出口42A〜42Iにおける吹出空気流量を個別に制御する(図10参照)。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上記のように構成したので、カバーにより覆われた蛍光管の輝度を最大に維持すると共に、蛍光管軸線方向の輝度分布のばらつきをより均一化して、安定した高い光量を得ることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1の例に係る照明装置を示す一部ブロック図を含む略示断面図
【図2】図1のII−II線視図
【図3】同照明装置における空気吹出口を示す拡大正面図
【図4】同照明装置における空気吹出口からの吹出空気流量制御過程を示すフローチャート
【図5】本発明方法により冷却した蛍光管の管面温度と輝度との関係を、従来と比較して示す線図
【図6】空気吹出口の他の例を示す図3と同様の正面図
【図7】本発明の実施の形態の第2の例に係る照明装置の要部を示す一部ブロック図を含む略示正面図
【図8】同照明装置における吹出空気流量制御過程を示すフローチャート
【図9】本発明の実施の形態の第3の例に係る照明装置の要部を示す図2と同様の一部ブロック図を含む略示正面図
【図10】同照明装置における空気吹出口からの吹出空気流量の制御過程を示すフローチャート
【符号の説明】
10、40、50…照明装置
12…蛍光管
14…照明光出射面
16…空気出口
18…カバー
20…エアー管
20A〜20I、42A〜42I…空気吹出口
22…空気供給管
24…元流量コントローラ
30…圧縮空気源
32、33A〜33D、46A〜46I…輝度センサ
34、35A〜35D、48A〜48I…温度センサ
36…プログラマブルコントローラ
38…コンピュータ
44A〜44I…個別流量コントローラ
Claims (4)
- 直管状の蛍光管を、照明光出射面及び空気出口を備えたカバーにより覆うと共に、該カバー内で、複数の空気吹出口から前記蛍光管表面に向けて空気流を形成して蛍光管温度を一定値近傍に保つように冷却する方法であって、前記蛍光管近傍位置に、該蛍光管の管面輝度を検出するセンサを配置し、前記空気吹出口を、前記蛍光管の長手方向に沿って1列に複数個所設けると共に、前記蛍光管における、前記複数の空気吹出口からの空気流により冷却される複数の対応個所の管面輝度を、前記センサにより検出し、該検出値に基づいて、対応個所毎に前記複数の空気吹出口からの空気流量を、これらの空気吹出口に、それぞれ設けられた個別流量コントローラにより個別に制御することを特徴とする蛍光灯の輝度安定化方法。
- 請求項1において、前記蛍光管の軸端近傍の空気吹出口からの空気流量を最大、蛍光管軸方向中央位置近傍の空気吹出口からの空気流量を最小としたことを特徴とする蛍光灯の輝度安定化方法。
- 請求項2において、前記空気吹出口は、圧縮空気供給源に対して、蛍光管の軸方向両端近傍で連通された同一のエアー管に1列に形成されたことを特徴とする蛍光灯の輝度安定化方法。
- 請求項3において、前記同一のエアー管に形成された前記複数の空気吹出口は同一径の孔であることを特徴とする蛍光灯の輝度安定化方法。
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---|---|---|---|
JP22779495A JP3875290B2 (ja) | 1995-09-05 | 1995-09-05 | 蛍光灯の輝度安定化方法 |
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1995
- 1995-09-05 JP JP22779495A patent/JP3875290B2/ja not_active Expired - Lifetime
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