JP3875072B2 - ゴム基体/熱接着性材料の複合材及び該複合材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム基体/熱接着性材料の複合材及び該複合材の製造方法に関し、更に詳しくは、熱可塑性エラストマーを塗布した面を接着面とするゴム基体と、熱接着性材料とを熱接着することにより、両者が強固に接着されるゴム基体/熱接着性材料の複合材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ゴム基体を用いたゴム製品は、種々の用途に使用されており、特に手袋の分野では、ゴム、特にアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)やクロロプレンゴム(CR)等の合成ゴムは、手袋用の素材として耐油性、耐候性等の特性に優れるため、従来の塩化ビニル製の手袋に代わるものとして注目されている。
【0003】
また、これらのゴム基体と他の材料との複合製品も種々提案されている。しかしながら、ゴム基体自体はヒートシール性がなく、同種もしくは異種のゴム同士はもちろんのこと、ゴム基体と他の材料とを接着させることは非常に難しく、特に手袋用途に使用されるような伸び率が大きいゴムに他の材料を接着させることは極めて困難であった。
【0004】
すなわち、合成ゴムと他の材料とを接着させるには、主としてに接着剤が用いられるが、それに先だって、接着面の処理工程、例えば、サンドペーパーやワイヤーブラシでゴム表面を粗す工程、ゴムの削りかすをエアで飛ばす工程、溶剤で拭き取る工程などが必要とされる。例えば加硫ゴムとポリオレフィンを接着する方法としては、ポリオレフィンに対してはコロナ放電処理を施し、加硫ゴム表面に対しては擬ハロゲン化合物処理を施した後、エポキシ系接着剤及びNBR系接着剤から選ばれた少なくとも1つを前記各処理した面のいずれか一方または双方に塗布後、積層することを特徴とするポリオレフィンと加硫ゴムとの接着方法が提案されている(特開昭58−98234号公報)。
【0005】
しかし、接着剤による合成ゴムと他の材料との接着は、一般に合成ゴムの接着性が乏しく、特に上記したNBRは、他の材料と接着した場合に十分な接着強度を有するものではなかった。また、接着剤で接着させる場合には、合成ゴムに塗布した接着剤が乾燥する前に被接着物を接着させる必要があり、接着後も圧着及び乾燥することが必要であるため、特に伸びが大きく、かつ複雑な形状のゴム基体を使用した場合には製造上の管理が困難であった。
【0006】
一方、これ以外にも合成ゴムと他の材料とを接着する方法が提案されている。例えば、▲1▼水素添加アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム、メタクリル酸、酸化亜鉛及び有機過酸化物を含有する未硬化ゴム組成物と、原料ゴム組成としてアクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム又はイソブチレン・イソプレン共重合体ゴムを含有する未加硫ゴム組成物とを硬化加硫し、接着・一体化したゴム・ゴム接着複合体とする方法(特開平5−186609号公報)や、▲2▼特定の構造式を有するシラン化合物を標準的な市販ゴムに配合することにより通常のゴムとポリアミドとが強固に接合する複合体を製造する方法(特開平7−11013号公報)等が提案されていた。
【0007】
しかし、▲1▼の方法では、未加硫状態のもの同士を加硫、硬化して接着するものであり、成形されたもの同士を接合する方法ではないため、応用範囲が狭いものであった。また、▲2▼の方法では、接着されるものがポリアミドに限定され、また、ゴムに他の成分を配合するため、ゴム自体の性質が変化してしまうという問題点を有していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、ゴム基体と他の熱接着性材料とを簡単に、しかも十分な接着強度で熱接着できる技術の開発が望まれていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ゴムの熱接着性について鋭意研究を重ねていたところ、ゴム基体に塗布した熱可塑性エラストマーは、他の熱接着性材料と簡単に熱接着させることが可能であり、しかも当該部分での接着強度は十分なものであることを見出し、本発明を完成した。
【0010】
すなわち、本発明は、熱可塑性エラストマーを塗布した面を接着面とするゴム基体と、熱接着性材料とを熱接着してなるゴム基体/熱接着性材料の複合材及び該複合材の製造方法を提供するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明のゴム基体/熱接着性材料の複合材(以下「複合材」とする)に用いられるゴム基体としては、従来公知のゴム、例えば天然ゴム、合成ゴム等で形成されたものを使用することができる。このうち合成ゴムとしては、例えば、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、イソプレンゴム(IR)、ポリウレタン(PU)等を使用することができる。これらの合成ゴムは、そのままゴム基体の原料として用いることができるが、これら合成ゴムに加硫剤、加硫促進剤、軟化剤、充填剤等を配合したものを基体の原料としてもよい。
【0012】
また、このゴム基体の形状は、任意の形状であって良いが、後述の熱接着性材料と接着することからも、面状部を有する形状、例えばシート状、フィルム状、板状であることが好ましい。さらに、ゴムを原料とする手袋、長靴、エプロン等であって、その一部に面状部を有する製品形態のものであってもよい。
【0013】
上記ゴム基体に接着面を形成するには、必要な部分に熱可塑性エラストマーを塗布し、これを乾燥させれば良い。塗布される熱可塑性エラストマーとしては、伸縮性を有する熱可塑性エラストマーが好ましい。この伸縮性を有する熱可塑性エラストマーの例としては、例えば、ウレタン系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、エチレン−ビニルアセテート(EVA)共重合体、エチレン−アクリル酸(EAA)共重合体、エチレン−メチルメタクリレート(EMA)共重合体等のオレフィン系樹脂溶液、アイオノマー等を熱接着性材料に合わせて使用することができる。
【0014】
上記熱可塑性エラストマーをゴム基体の接着面に塗布する方法としては、特に制限はなく、従来より公知の方法、例えば刷毛等で塗布する方法、ゴム基体を熱可塑性エラストマー液に浸漬して塗布する方法、スプレー噴射により塗布する方法、印刷により塗布する方法等の手段を用いて塗布することができる。この塗布における塗布厚等は特に制約はないが、1μm〜500μm程度とすることが好ましい。また、塗布後の乾燥は、自然乾燥若しくは熱風等の強制乾燥等の手段により行うことができる。
【0015】
一方、本発明の複合材に用いられる熱接着性材料は、各種プラスチックや熱可塑性エラストマー等、熱接着性を有するものであれば特には制限はないが、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−ビニルアセテート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体等のオレフィン系樹脂を挙げることができる。また、その形状は、被着体であるゴム基体と同様、面状部を有する形状、例えばシート状、フィルム状、板状であることが好ましいが、一部に面状部を有するものであれば、その製品形態には特に制限はない。
【0016】
さらに、熱接着性材料として、基材自体または基材全体が熱接着性を有しない材料(以下「非熱接着性材料」とする)であっても、少なくてもゴム基体と接着する面が熱接着性を有しているものであれば問題はない。例えば、非熱接着性材料のゴム基体と接着する面に対して、熱接着性材料をコーティングまたはラミネート等の加工を施し、該面に熱接着性を有するようにした材料を用いることができる。これにより、ゴム基体以外の材料はもちろん、熱接着性材料としてゴム基体自体に熱可塑性エラストマーを塗布・乾燥させたものを用い、これを、熱可塑性エラストマーを塗布した面を接着面としたゴム基体と接着することもでき、ゴム基体同士等の熱接着も可能となる。
【0017】
また、これらの熱接着性材料は、接着面に対してプライマー処理を施すことにより、さらに接着強度を高めることができる。プライマー処理としては、例えば、熱接着性材料にオゾン処理またはコロナ放電を行うことにより極性基を導入する。更に好ましくはTiO2 やSiO2を混入したウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の極性樹脂を塗布する等の処理方法等を挙げることができる。
【0018】
熱可塑性エラストマーを塗布したゴム基体と他の熱接着性材料を接着する方法としては、例えば、ゴム基体の接着面と熱接着性材料の接着面を合わせ、ヒートシール機等を用いて熱接着する方法が挙げられる。両者を熱接着するための温度、圧力及び時間等の条件は、ゴム基体の種類や厚さ、また熱接着性材料の種類や厚さ及び熱可塑性エラストマーの種類により、適宜最適な条件を選択して行うことができる。
【0019】
以上説明した方法により調製された本発明の複合材は、ゴム基体、特に合成ゴムのゴム基体と他の熱接着性材料とを確実に接着することができるものである。特に、従来から接着が困難とされていた、伸び率の大きいゴム基体、例えば、伸び率が50〜1200%程度のゴム基体と熱接着性材料を熱接着して複合体とした場合であっても、十分にその接着効果を発揮することができる。
【0020】
すなわち、伸び率の大きいゴム基体の代表例として、ゴム手袋が挙げられるが、本発明の複合材は、このようなゴム基体に対して高い接着効果を与えることができるため、従来塩化ビニル手袋でしか実現できなかった種々の付加機能を与えることができる。
【0021】
例えば、塩化ビニル製手袋においては、特開昭57−157715号公報の図に開示されるような、塩化ビニル製手袋の裾部に筒状の袖(腕カバーと同意。以下同)をつけた袖つき袋や、特開昭55−128002号公報に開示されるような、塩化ビニル製の手袋の裾部に面ファスナー(いわゆるマジックテープ(登録商標))をつけた手袋など、種々の付加機能を有するものが提案されてきたが、これは、塩化ビニルがヒートシール性を有するため可能となったものであった。
【0022】
従来、このような腕カバー付き手袋や面ファスナー付き手袋を、塩化ビニルに代え、ゴムを用いて製造することは、前述したようにゴムがヒートシール性を有しないため、縫製によりゴム手袋に腕カバーや面ファスナーを取り付けるしか手段がなく、非常に手間の掛かるものであった。加えて、縫製により取り付けた場合には、水を取り扱った際に、縫製部から手袋内部に水等が入ってしまうという問題点を有していた。
【0023】
これに対し本発明の複合材は、伸び率の大きいゴム基体と熱接着性材料とを、高い接着強度で熱接着することが可能であるので、ゴムを基体とする手袋に対しても、塩化ビニル製手袋と同様な付加機能を与えることができるのである。
【0024】
より具体的に、本発明の複合材を用いて、腕カバー付き手袋を製造する方法の一例を示せば次の通りである。すなわち、まず常法により製造したゴム手袋の裾部周縁に熱可塑性エラストマーを塗布して、これを十分乾燥させる。次に、熱接着性材料で構成されるシートの片面にプライマー処理を施した後、この処理面とゴム手袋の裾部周縁(熱可塑性エラストマー塗布部)と合わせ、圧着ずれしないように固定した後、熱接着させる。最後に、シートのプライマー処理を施していない面の端部を熱接着して、筒状の腕カバーを形成することにより、腕カバー付きゴム製手袋を製造することができる。なお、予め熱接着性材料で腕カバーを形成したあと、該腕カバーの開口部の一端の周縁部に、ゴム手袋の裾部周縁(エラストマー塗布部)とを合わせ、熱接着させてもよい。手袋と袖部とのヒートシールの方法は、加熱したバーを用いて複数回押すことにより行ってもよく、また、特開昭57−157715号公報記載の方法により行ってもよい。
【0025】
また、手袋の裾部に面ファスナーを付けたゴム手袋を製造する方法の一例としては、常法に従って製造したゴム手袋に熱可塑性エラストマーを塗布、乾燥させて接着面を調製し、これと、熱接着性材料で構成される面ファスナーの裏面(面ファスナーにおける雌雄部を有しない面。以下同)に必要により熱可塑性エラストマーを塗布、乾燥したものとを圧着した後熱接着する方法が挙げられる。この場合、面ファスナーの裏面は、凹凸がある場合が多いので、特にプライマー処理を施さなくても容易に接着することができる。また、面ファスナーの裏面に熱接着性樹脂である発泡シートや弾性シートを接着し、これをゴム手袋に熱可塑性エラストマーを塗布、乾燥させたものとを熱接着することもできる。
【0026】
なお、本発明の複合材は、伸び率が大きいゴム基体と熱接着性材料とを接着すること可能としたものであるが、熱接着性材料にも伸び率の大きいものを用いても、ゴム基体と熱接着性材料を接着して複合材を得ることもできる。これは、熱可塑性エラストマーが、ゴム基体と熱接着性材料の伸びに追従して伸びることができるため、両者を熱接着したときに剥がれにくい複合材を得ることができる。
【0027】
上記の腕カバー付手袋の場合でも、ゴム基体であるゴム製手袋と熱接着性材料である腕カバーは、通常両者とも伸び率が大きいものであるが、本発明の手段により、両者を熱接着した複合材(腕カバー付手袋)を簡便に得ることができる。
【0028】
【実施例】
次に、実施例および比較例をあげ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらになんら制約されるものではない。
【0029】
実 施 例 1
ゴム基体/熱接着性材料複合材の剥離強度の測定:
表1に示すゴム基体及び熱接着性材料を、それぞれ10cm×1cmの大きさに切り取った。ゴム基体の接着面に、これも表1に示す熱可塑性エラストマーを塗布し、約15分間自然放置して乾燥した。これをヒートシール機(富士インパルスシーラー:(株)富士包装社製)を用いて温度170℃、圧力1MPaの条件で熱接着し、本発明品1〜7及び比較品1〜3のゴム基体/熱接着性材料複合材を得た。なお、比較品3は、ゴムの接着面に熱可塑性エラストマーを塗布し、乾燥前に熱接着性材料を圧着させただけであり、熱接着を行っていないものである。材料構成を表1に示す。
【0030】
( 材 料 構 成 )
【表1】
熱可塑性エラストマー:
ウレタン系エラストマー;ボンドG350(コニシ(株)製)
EVA系エラストマー;デンカEVAテックス(電気化学工業(株)製)
【0031】
上記で作成した本発明品1〜7及び比較品1〜3を、引張試験機(ジョッパー式抗張力試験機:上島製作所社製)を用いて、引張速度200mm/minの条件で剥離強度を測定した。結果を表2に示す。
【0032】
( 結 果 )
【表2】
【0033】
表2の結果のように、本発明品の複合材は、剥離強度が大きく、両者が強固に接着されていることが確認できた。一方、比較品の複合材は、両者が接着しなかったり、接着しても剥離強度は小さかった。
【0034】
実 施 例 2
面ファスナー付きNBR製手袋の製造:
常法で製造したNBR製手袋の裾部に、ウレタン系熱可塑性エラストマー(ボンドG350:コニシ(株)製)を塗布し、乾燥した。一方、2cm×4cmの大きさに切ったナイロン製面ファスナーの雌部及び2cm×2cmのナイロン製面ファスナーの雄部のそれぞれの裏面(接着面)にも同様に、ウレタン系熱可塑性エラストマー(ボンドG350:コニシ(株)製)を塗布して、上記と同様の条件で乾燥させた。
【0035】
このNBR製手袋の塗布面と面ファスナーの接着面を合わせ、ヒートシール機(富士インパルスシーラー:(株)富士包装社製)を用いて、温度170℃、圧力1MPaの条件で約1秒間熱接着して、袖部に面ファスナーを付けたNBR製手袋を得た。
【0036】
このNBR製手袋の、手袋と面ファスナーの接着面の剥離強度を引張試験機(ジョッパー式抗張力試験器:上島製作所社製)を用いて測定したところ15N/cmであった。また、本手袋に対して、約1000回の面ファスナーの付けはずしを実施したが、NBR製手袋と面ファスナーの接着面に剥がれは生じなかった。
【0037】
一方、対照として、常法により製造したNBR製手袋の裾部に2cm×4cmの大きさに切った面ファスナーの雌部及び2cm×2cmの面ファスナーの雄部の裏面を合わせ、温度170℃、圧力約1MPaの条件で約1秒間熱接着したものを調製したが、面ファスナーとNBR製手袋は熱接着されなかった。
【0038】
実 施 例 3
腕カバー付きNBR製手袋の製造:
常法で製造したNBR製手袋の裾部周縁表面にウレタン系熱可塑性エラストマー(ボンドG350(コニシ(株)製))を塗布し、乾燥した。
【0039】
一方、袖部材として、EVAフィルム(厚さ0.2mm)の片面にコロナ放電を行った後、二液硬化タイプのウレタン系樹脂(Bayflex:バイエル社製)を塗布し、プライマー処理を施した。このフィルムの非プライマー処理面同士を向かい合わせて熱接着し、これを裏返して筒状の腕カバーを形成した。
【0040】
この腕カバーの開口部一端の周縁の裏面(内側)を、NBR手袋のウレタン系熱可塑性エラストマー塗布面と合わせ、ヒートシール機(富士インパルスシーラー:(株)富士包装社製)で、温度170℃、圧力1MPaの条件で約1秒間熱接着して、腕カバー付きNBR製手袋を得た。
【0041】
この腕カバー付きNBR製手袋の、接着部の剥離強度を引張試験機(ジョッパー式抗張力試験機:上島製作所社製)で測定したところ、15N/cmであった。また、本手袋を自家用車の洗車に使用したところ、手袋本体と袖部の接着は剥がれるものではなかった。
【0042】
一方、常法で製造したNBR製手袋の裾部に、EVA系熱可塑性エラストマー(ボンドG350(コニシ(株)製))を塗布した。上記方法と同様にしてEVAフィルム製筒状腕カバーを製造し、その裏面をウレタン系熱可塑性エラストマー塗布直後のNBR手袋の塗布面と合わせて押圧し、接着した後、乾燥させて腕カバー付きNBR製手袋を比較品として得た。
【0043】
得られた腕カバー付きNBR製手袋の接着部の剥離強度は2N/cmであり、手袋を手に装着するときに、簡単に手袋と袖部が剥がれてしまうものであった。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、従来接着が困難とされていたゴム基体と熱接着性材料の複合材を得ることができる。特に、伸び率の大きいゴム基体であっても高い接着性能を有するため、種々のゴムを基体とする製品に応用することができる。
【0045】
具体的には、本発明により、ゴム基体であるゴム製手袋に面ファスナーや腕カバー等を接着することを可能とし、ゴム製手袋に種々の新たな付加機能を与えることができる。
以 上
Claims (12)
- ウレタン系熱可塑性エラストマーを塗布した面を接着面とするアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)基体と、オレフィン系樹脂のフィルムないしシートとを熱接着してなるアクリロニトリル−ブタジエンゴム基体/オレフィン系樹脂のフィルムないしシートの複合材。
- アクリロニトリル−ブタジエンゴム基体の伸び率が50〜1200%である請求項第1項記載の複合材。
- オレフィン系樹脂のフィルムないしシートがプライマー処理を施されたものである請求項第1項または第2項記載の複合材。
- オレフィン系樹脂がエチレン−ビニルアセテート(EVA)共重合体である請求項1ないし3のいずれかの項記載の複合材。
- アクリロニトリル−ブタジエンゴム基体が手袋で、オレフィン系樹脂のフィルムないしシートが筒状の腕カバーであり、該腕カバーの開口部一端の周縁を接着面として手袋の裾部周縁に接着したものである請求項第1項ないし第4項のいずれかの項記載の複合材。
- 少なくとも腕カバーの接着面がプライマー処理を施されたものである請求項第5項記載の複合材。
- アクリロニトリル−ブタジエンゴム基体が手袋で、オレフィン系樹脂のフィルムないしシートが面ファスナーであり、該面ファスナーを手袋の裾部周縁に接着したものである請求項1項ないし第4項のいずれかの項記載の複合材。
- ウレタン系熱可塑性エラストマーを塗布した面を接着面とするアクリロニトリル−ブタジエンゴム基体と、オレフィン系樹脂のフィルムないしシートを熱接着することを特徴とするアクリロニトリル−ブタジエンゴム基体/オレフィン系樹脂のフィルムないしシートの複合材の製造方法。
- アクリロニトリル−ブタジエンゴム基体であるゴム手袋の裾部周縁にウレタン系熱可塑性エラストマーを塗布した後乾燥して接着面を構成し、オレフィン系樹脂のフィルムないしシートで構成された筒状の腕カバーの開口部一端の周縁と、上記接着面を熱接着したことを特徴とする腕カバー付き手袋の製造方法。
- アクリロニトリル−ブタジエンゴム基体であるゴム手袋にウレタン系熱可塑性エラストマーを塗布した後乾燥して接着面を構成し、オレフィン系樹脂のフィルムないしシートで構成された面ファスナーを上記接着面と熱接着したことを特徴とする面ファスナー付き手袋の製造方法。
- アクリロニトリル−ブタジエンゴム基体であるゴム手袋の裾部周縁にウレタン系熱可塑性エラストマーを塗布厚1〜500μmで塗布した後乾燥して構成した接着面と、片面にプライマー処理を施したオレフィン系樹脂のフィルムないしシートの非プライマー処理面同士を向かい合わせて熱接着し裏返して形成された筒状の腕カバーの開口部一端の周縁の内側とを熱接着することを特徴とする腕カバー付き手袋の製造方法。
- アクリロニトリル−ブタジエンゴム基体であるゴム手袋の裾部周縁にウレタン系熱可塑性エラストマーを塗布厚1〜500μmで塗布した後乾燥して構成した接着面と、片面に プライマー処理を施したオレフィン系樹脂のフィルムないしシートのプライマー処理面とを固定・熱接着し、次いで前記オレフィン系樹脂のフィルムないしシートの非プライマー処理面の端部を熱接着することを特徴とする腕カバー付き手袋の製造方法。
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