JP3872114B2 - Ac型ガス放電パネル - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、AC型ガス放電パネルに係り、特に、そのガス放電パネルの保護膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の装置としては、「テレビジョン学会 技術報告 IDY94−14,P1〜6」に開示されるものがあり、表示電極(サステイン電極)間の電位差により、誘電体層上の電荷を放電空間を介してやりとりすることにより、放電空間に生じたプラズマ放電による紫外線で蛍光体を励起して発光させ、カラー表示を行うものである。応用面としては、今後、大画面のHDTV用の表示デバイスの最有力候補と考えられる。
【0003】
その場合、表示電極(サステイン電極)上には誘電体層が形成され、その誘電体層と放電空間の間には保護膜が設けられるが、その保護膜は印刷法により形成することが試みられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の装置では、保護膜にMgOを使用している。したがって、このMgOが空気中の水分を吸っており、この水分を、活性化により抜くために、シール工程中で高温(通常、300℃以上)、減圧下(4×10-6Torr以下)で数時間の活性化を行わなければならない。
【0005】
この活性化は、生産性を低めるばかりでなく、活性化により特性が左右されるために、管理を厳しくしなくてはならないという問題があった。
本発明は、上記問題点を除去し、活性化時間とエージング時間を縮小し、放電開始電圧Vfと放電維持電圧Vsを、より低電圧化することができ、高効率化を図るとともに、長寿命化を図ることができるAC型ガス放電パネルを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、AC型ガス放電パネルにおいて、
(1)電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてSrGd2 4 を用いる。
(2)電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてBaGd2 4 を用いる。
【0007】
(3)電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてCaGd2 4 を用いる。
(4)電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてBax Sr1-x Gd2 4 (ただし0<x<1)を用いる。
(5)電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてSrx Ca1-x Gd2 4 (ただし0<x<1)を用いる。
【0008】
(6)電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてMgGd2 4 を用いる。
【0009】
【作用】
本発明によれば、AC型ガス放電パネルにおける保護膜を、従来のMgOからSrGd2 4 、BaGd2 4 、CaGd2 4 、Bax Sr1-x Gd2 4 (ただし、0<x<1)、Srx Ca1-x Gd2 4 (ただし、0<x<1)又はMgGd2 4 に変えるようにしたので、ほぼ同様の電圧で高効率化が達成できた。
【0010】
更に、粉末の吸湿性が低く、活性化は、従来のMgOの場合は、320℃で1時間以上必要であったのに対して、本発明の場合は、320℃で30分で十分であり、エージングも、従来のMgOの場合は、3時間必要であったが、本発明の場合は、30分で十分であった。
したがって、本発明の保護膜を形成すると、高効率化が達成されるばかりでなく、活性化時間とエージング時間を縮小することができる。
【0011】
また、バインダーとして、焼成により、前記各保護膜になる前駆体を加えることにより、バインダーが粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻密化する。
したがって、放電開始電圧Vfと放電維持電圧Vsをより低電圧化することができ、長寿命化も期待できる。
【0012】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施例に用いたAC型ガス放電パネルの部分斜視図、図2はそのパネルの製造フローチャートである。
この図に示すように、10は面放電型のAC−PDP(交流型プラズマディスプレイパネル:交流型ガス放電パネル)、12は背面板、14は前面板、16は放電空間、18は蛍光体層、20(20a,20b)は電極、22は誘電体層、24は保護膜である。
【0013】
このように、面放電型のAC−PDP10は、前面板14の内側に緑色蛍光体層18を形成している。パネル内には、He−5%Xeガスを500Torr封入し、駆動は20kHzで行った。
以下、本発明のAC型ガス放電パネルの製造工程を図2〜図4を参照しながら説明する。
【0014】
〔1〕前面板の製造工程
まず、図2に示すように、(1)隔壁の一層目の印刷を行う。つまり、蛍光体が形成される箇所をマスクして、隔壁が形成される箇所に、例えば、黒色ガラスペースト;デュポン(DuPont)9741を印刷し(ステップS1)、(2)次に、乾燥(150℃)を行い(ステップS2)、(3)次に、焼成(580℃)を行う(ステップS3)。
【0015】
次に、(4)蛍光体層の印刷を行う。つまり、隔壁の間の蛍光体層の形成位置に、蛍光体層の印刷を行う。例えば、緑色蛍光体;P1−G1(化成オプトニクス社製)を印刷し(ステップS4)、(5)次に、乾燥(150℃)を行う(ステップS5)。
次に、(6)隔壁の積層印刷を行う。つまり、前記した隔壁の一層目の印刷上に例えば、デュポン(DuPont)9741を印刷し、次に、乾燥を行い、順次、印刷−乾燥−印刷−乾燥……を繰り返す(ステップS6)。
【0016】
次に、(7)焼成(580℃)を行う(ステップS7)。
〔2〕背面板の製造工程
まず、第3図に示すように、背面板上に電極(Ag)端子の印刷を行う。例えば、銀ペースト;ESL−590(ESL社製)を印刷し(ステップS11)、次に、乾燥(150℃)を行う(ステップS12)。
【0017】
次に、電極(Au)の印刷を行う。例えば、金ペースト;A−3725(エンゲルハルド社製)を印刷し(ステップS13)、乾燥(150℃)を行う(ステップS14)。次いで、焼成(580℃)を行う(ステップS15)。
次に、誘電体層の印刷を行う。例えば、透明ガラスペースト;G3−0496(奥野製薬工業社製)を印刷し(ステップS16)、次いで、乾燥(150℃)を行う(ステップS17)。次に、焼成(580℃)を行う(ステップS18)。
【0018】
次いで、保護膜材料〔例えば、SrGd2 4 ,BaGd2 4 ,CaGd2 4 ,Bax Sr1-x Gd2 4 (ただし、0<x<1),Srx Ca1-x Gd2 4 (ただし、0<x<1),又はMgGd2 4 の各粉末〕を含むペーストを印刷する(ステップS19)、例えば、保護膜材料としてのSrGd2 4 粉末を含むペーストにより、スクリーン印刷法により形成する。次いで、乾燥(150℃)を行う(ステップS20)。次に、焼成(580℃)を行う(ステップS21)。
【0019】
前記ペーストには前記保護膜材料の粉末、樹脂(例えば、エチルセルロース)、溶媒(例えば、ブチルカルビトール)が含まれているが、前述の乾燥(ステップS20)、焼成(ステップS21)の各工程により、樹脂及び溶媒は焼失し、保護膜材料からなる保護膜が形成される。
次いで、オーバーコートの印刷を行う(ステップS22)。つまり、パネルの外部雰囲気により配線の腐蝕等を防ぐために、パネルの外部の背面板上をガラスコートする。次いで、乾燥(150℃)を行う(ステップS23)。次に、焼成(580℃)を行う(ステップS24)。
【0020】
(3)組み立て工程
まず、図4に示すように、前面板と背面板との位置合わせを行い(ステップS31)、次いで、接着部への塗りを行い(ステップS32)、シールを行い(ステップS33)、ガス封入(He−5%Xe,500Torr)を行い(ステップS34)、チップオフ、つまり、ガス封入された管を封じる(ステップS35)を順次行う。
【0021】
図1において、前面板14には蛍光体層18(ここでは、緑色)と隔壁(図示なし)を形成し、背面板12には電極20、誘電体層22、保護膜24を順次形成している。
この実施例での保護膜24は保護膜材料の粉末を含むペーストをスクリーン印刷することにより形成しており、このペースト中に含まれる粉末としては、SrGd2 4 粉末(セイミケミカル株式会社製)を用いた。このペースト中には、粉末を40wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチルカルビトールを55wt%含んでいる。
【0022】
参考のために保護膜を用いない場合(No.643)と、気相法により作製したMgO粉末(宇部興産製、1000Å径)を27wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチルカルビトールを68wt%含むペーストを用いた場合(No.753)についても示した。
これら3通りの場合について上記した図2に示す工程でパネル化し、評価した結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
Figure 0003872114
【0024】
この表1において、保護膜については、保護膜なし(パネル643)、1層形成MgO膜(パネル753)、1層形成SrGd2 4 膜(パネル3412)、2層形成SrGd2 4 膜(パネル3413)が上げられており、印刷回数(膜厚/μm)、放電開始電圧Vf/V、放電維持電圧Vs/V、輝度/cd・m-2、放電電流/μA・セル-1、発光効率/lm・W-1の値を各パネル毎に示している。
【0025】
このように、本発明のSrGd2 4 膜を用いた保護膜においては、1層形成したものも2層形成したものにおいても、保護膜なしの場合に比して、放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsともに低く、かつ高効率であることが分かる。
更に、MgO膜を用いた場合と比較しても、放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsは同程度であるが、輝度は2倍以上の値を示しており、発光効率も高いことがわかる。
【0026】
したがって、SrGd2 4 粉末を含むペーストにより、AC−PDPの保護膜をスクリーン印刷法により形成すると高効率化できる。
また、SrGd2 4 粉末の方がMgO粉末よりも吸湿性が低いので、活性化やエージングの時間を短くすることができる。
更に、焼成により、SrGd2 4 になる前駆体をバインダーとしてペーストに加えても良い。この前駆体としては、一例として、Sr−ジーイソプロポキシド、Gd−トリ−n−ブトキシドを1:2の割合で含むイソプロピルアルコール溶液を加える。このバインダーはSrGd2 4 粒子同士をつなぎとめて固定する働きを有する。
【0027】
次に、本発明の第2実施例について説明する。
本発明の第2実施例のパネルの構造及びパネルの製造工程は、第1実施例と同様であり、保護膜の構成を除き、その説明は省略する。
この実施例での保護膜は、保護膜材料の粉末を含むペーストをスクリーン印刷することにより形成しており、このペースト中に含まれる粉末としては、BaGd2 4 粉末(セイミケミカル株式会社製)を用いた。前記ペースト中には、この粉末を40wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチルカルビトールを55wt%含んでいる。参考のために保護膜を用いない場合(No.643)と、気相法により作製したMgO粉末(宇部興産製、1000Å径)を27wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチルカルビトールを68wt%含むペーストを用いた場合(No.753)についても示した。
これら3通りの場合について図2に示す工程でパネル化し、評価した結果を表2に示す。
【0028】
【表2】
Figure 0003872114
【0029】
この表2において、保護膜については、保護膜なし(パネル643)、1層形成MgO膜(パネル753)、1層形成BaGd2 4 膜(パネル3414)、2層形成BaGd2 4 膜(パネル3415)が上げられており、印刷回数(膜厚/μm)、放電開始電圧Vf/V、放電維持電圧Vs/V、輝度/cd・m-2、放電電流/μA・セル-1、発光効率/lm・W-1の値を各パネル毎に示している。
【0030】
このように、本発明のBaGd2 4 を用いた保護膜においては、1層形成したものも2層形成したものにおいても、保護膜なしの場合に比して、放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsともに低く、かつ高効率であることが分かる。
更に、MgOを用いた場合と比較しても、放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsは同程度であるが、発光効率は高い。
【0031】
輝度においても、放電電流が3倍以上多い保護膜なしの場合よりは低いものの、MgOよりはかなり高い値を示している。
したがって、BaGd2 4 粉末を含むペーストにより、AC−PDPの保護膜をスクリーン印刷法により形成すると、低電圧、高効率という特性が(MgO微粉末を用いた場合に比しても)得られた。
【0032】
また、BaGd2 4 粉末の方が、MgO粉末よりも吸湿性が低いので、活性化やエージングの間隔を短くすることができる。
更に、焼成により、BaGd2 4 になる前駆体をバインダーとしてペーストに加えても良い。この前駆体としては、一例としてBa−ジーイソプロポキシド、Gd−トリ−n−ブトキシドを1:2の割合で含むイソプロピルアルコール溶液を加える。このバインダーはBaGd2 4 粒子同士をつなぎとめて固定する働きをする。
【0033】
次に、本発明の第3実施例について説明する。
本発明の第3実施例のパネルの構造及びパネルの製造工程は、第1実施例と同様であり、保護膜の構成を除き、その説明は省略する。
この実施例での保護膜は、保護膜材料の粉末を含むペーストをスクリーン印刷することにより形成しており、このペースト中に含まれる粉末としては、CaGd2 4 粉末(セイミケミカル株式会社製)を用いた。前記ペースト中にはこの粉末を40wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチルカルビトールを55%含んでいる。
【0034】
参考のために保護膜を用いない場合(No.643)と、気相法により作製したMgO粉末(宇部興産製、1000Å径)を27wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチルカルビトールを68wt%含むペーストを用いた場合(No.753)についても示した。
これら3通りの場合について図2に示す工程でパネル化し、評価した結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
Figure 0003872114
【0036】
この表3において、保護膜については、保護膜なし(パネル643)、1層形成MgO膜(パネル753)、1層形成CaGd2 4 膜(パネル3408)、2層形成CaGd2 4 膜(パネル3409)が上げられており、印刷回数(膜厚/μm)、放電開始電圧Vf/V、放電維持電圧Vs/V、輝度/cd・m-2、放電電流/μA・セル-1、発光効率/lm・W-1の値を各パネル毎に示している。
【0037】
この実施例のCaGd2 4 膜を用いた保護膜においては、1層形成したものも2層形成したものにおいても、保護膜なしの場合に比して、放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsともに低く、かつ高効率である。
更に、MgO微粉末を用いた場合と比較しても放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsは高いが、輝度は2倍以上の値を示しており、したがって効率も高い。
【0038】
以上より、CaGd2 4 粉末を含むペーストにより、AC−PDPの保護膜をスクリーン印刷法により形成すると高効率化が達成できる。
CaGd2 4 粉末の方がMgO粉末よりも吸湿性が低いので、活性化やエージングの間隔を短くすることが期待できる。
更に、焼成によりCaGd2 4 になる前駆体をバインダーとしてペーストに加えても良い。この前駆体としては、一例としてCa−ジーイソプロポキシド、Gd−トリ−n−ブトキシドを1:2の割合で含むイソプロピルアルコール溶液を加える。このバインダーはCaGd2 4 粒子同士をつなぎとめて固定する働きを有する。
【0039】
次に、本発明の第4実施例について説明する。
本発明の第4実施例のパネルの構造及びパネルの製造工程は、第1実施例と同様であり、保護膜の構成を除き、その説明は省略する。
本実施例での保護膜は保護膜材料の粉末を含むペーストをスクリーン印刷することにより形成しており、このペースト中に含まれる粉末としては、Ba0.6 Sr0.4 Gd2 4 粉末(セイミケミカル株式会社製)を用いた。前記ペースト中には、この粉末を40wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチルカルビトールを55wt%含んでいる。参考のために保護膜を用いない場合(No.643)と、気相法により作製したMgO粉末(宇部興産製、1000Å径)を27wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒として、ブチルカルビトールを68wt%含むペーストを用いた場合(No.753)についても示した。
【0040】
これら3通りの場合について図2に示す工程でパネル化し、評価した結果を表4に示す。
【0041】
【表4】
Figure 0003872114
【0042】
この表4において、保護膜については、保護膜なし(パネル643)、1層形成MgO膜(パネル753)、1層形成Ba0.6 Sr0.4 Gd2 4 膜(パネル3404)、2層形成Ba0.6 Sr0.4 Gd2 4 膜(パネル3405)が上げられており、印刷回数(膜厚/μm)、放電開始電圧Vf/V、放電維持電圧Vs/V、輝度/cd・m-2、放電電流/μA・セル-1、発光効率/lm・W-1の値を各パネル毎に示している。
【0043】
この実施例のBa0.6 Sr0.4 Gd2 4 を用いた保護膜においては、1層形成したものも2層形成したものにおいても、保護膜なしの場合に比して放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsともに低く、かつ高効率であることが分かる。更に、MgO微粉末を用いた場合と比較しても、放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsは同程度であるが、輝度はかなり高く、したがって効率も高い値を示している。
【0044】
したがって、Ba0.6 Sr0.4 Gd2 4 粉末を含むペーストにより、AC−PDPの保護膜をスクリーン印刷法により形成すると高効率化が達成できる。 また、Ba0.6 Sr0.4 Gd2 4 粉末の方が、MgO粉末よりも吸湿性が低いので、活性化やエージングの間隔を短くすることが期待できる。
更に、焼成により、Ba0.6 Sr0.4 Gd2 4 になる前駆体をバインダーとしてペーストに加えても良い。この前駆体としては、一例としてBa−ジーイソプロポキシド、Sr−ジーイソプロポキシド、Gd−トリ−n−ブトキシドを0.6:0.4:2の割合で含むイソプロピルアルコール溶液を加える。このバインダーはBa0.6 Sr0.4 Gd2 4 粒子同士をつなぎとめて固定する働きを有する。
【0045】
次に、本発明の第5実施例について説明する。
本発明の第5実施例のパネルの構造及びパネルの製造工程は、第1実施例と同様であり、保護膜の構成を除き、その説明は省略する。
本実施例での保護膜は保護膜材料の粉末を含むペーストをスクリーン印刷することにより形成しており、このペースト中に含まれる粉末としては、Sr0.6 Ca0.4 Gd2 4 粉末(セイミケミカル株式会社製)を用いた。前記ペースト中にはこの粉末を40wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチルカルビトールを55wt%含んでいる。参考のために保護膜を用いない場合(No.643)と、気相法により作製したMgO粉末(宇部興産製、1000Å径)を27wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチルカルビトールを68wt%含むペーストを用いた場合(No.753)についても示した。
【0046】
これら3通りの場合について図2に示す工程でパネル化し、評価した結果を表5に示す。
【0047】
【表5】
Figure 0003872114
【0048】
この表5において、保護膜については、保護膜なし(パネル643)、1層形成MgO膜(パネル753)、1層形成Sr0.6 Ca0.4 Gd2 4 膜(パネル3406)、2層形成Sr0.6 Ca0.4 Gd2 4 膜(パネル3407)が上げられており、印刷回数(膜厚/μm)、放電開始電圧Vf/V、放電維持電圧Vs/V、輝度/cd・m-2、放電電流/μA・セル-1、発光効率/lm・W-1の値を各パネル毎に示している。
【0049】
この実施例のSr0.6 Ca0.4 Gd2 4 を用いた保護膜においては、1層形成したものも2層形成したものにおいても、保護膜なしの場合に比して放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsともに低く、かつ高効率であることが分かる。 更に、MgO微粉末を用いた場合と比較しても、放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsは同程度であるが、輝度は2倍程度を示し、効率も高い値を示している。
【0050】
したがって、Sr0.6 Ca0.4 Gd2 4 粉末を含むペーストにより、AC−PDPの保護膜をスクリーン印刷法により形成すると高効率化が達成できる。 また、Sr0.6 Ca0.4 Gd2 4 粉末の方が、MgO粉末よりも吸湿性が低いので、活性化やエージングの間隔を短くすることが期待できる。
更に、焼成によりSr0.6 Ca0.4 Gd2 4 になる前駆体をバインダーとしてペースト中に加えてもよい。この前駆体としては、一例としてSr−ジーイソプロポキシド、Ca−ジーイソプロポキシド、Gd−トリ−n−ブトキシドを0.6:0.4:2の割合で含むイソプロピルアルコール溶液を加える。このバインダーはSr0.6 Ca0.4 Gd2 4 粒子同士をつなぎとめて固定する働きを有する。
【0051】
次に、本発明の第6実施例について説明する。
本発明の第6実施例のパネルの構造及びパネルの製造工程は、第1実施例と同様であり、保護膜の構成を除き、その説明は省略する。
本実施例での保護膜は保護膜材料の粉末を含むペーストをスクリーン印刷することにより形成しており、このペースト中に含まれる粉末としては、MgGd2 4 粉末(セイミケミカル株式会社製)を用いた。前記ペースト中にはこの粉末を40wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチルカルビトールを55wt%含んでいる。参考のために保護膜を用いない場合(No.643)と、気相法により作製したMgO粉末(宇部興産製、1000Å径)を27wt%、エチルセルロースを5wt%、溶媒としてブチルカルビトールを68wt%含むペーストを用いた場合(No.753)についても示した。
【0052】
これら3通りの場合について図2に示す工程でパネル化し、評価した結果を表6に示す。
【0053】
【表6】
Figure 0003872114
【0054】
この表6において、保護膜については、保護膜なし(パネル643)、1層形成MgO膜(パネル753)、1層形成MgGd2 4 膜(パネル3410)、2層形成MgGd2 4 膜(パネル3411)が上げられており、印刷回数(膜厚/μm)、放電開始電圧Vf/V、放電維持電圧Vs/V、輝度/cd・m-2、放電電流/μA・セル-1、発光効率/lm・W-1の値を各パネル毎に示している。
【0055】
この実施例のMgGd2 4 を用いた保護膜においては、1層形成したものも2層形成したものにおいても、保護膜なしの場合に比して、放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsともに低く、かつ高効率であることが分かる。更に、MgO微粉末を用いた場合と比較しても、放電開始電圧Vf、放電維持電圧Vsは同程度であるが、輝度は2倍以上高い。したがって、効率もかなり高い値を示している。
【0056】
したがって、MgGd2 4 粉末を含むペーストにより、AC−PDPの保護膜をスクリーン印刷法により形成すると高効率化できる。
MgGd2 4 粉末の方がMgO粉末よりも吸湿性が低いので、活性化やエージングの間隔を短くすることが期待できる。
更に、焼成によりMgGd2 4 になる前駆体をバインダーとしてペースト中に加えても良い。この前駆体としては、一例として、Mg−ジエトキシド、Gd−トリ−n−ブトキシドを1:2の割合で含むイソプロピルアルコール溶液を加える。このバインダーはMgGd2 4 粒子同士をつなぎとめて固定する働きを有する。
【0057】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0058】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
(1)請求項1記載の発明によれば、AC−PDPの保護膜を、MgOからSrGd2 4 に変えたので、ほぼ同様の電圧で高効率化が達成できた。
【0059】
更に、粉末の吸湿性が低く、活性化は320℃で30分(MgOは320℃で1時間以上必要)で十分であり、エージングも30分(MgO粉末では3時間必要)で十分であった。したがって、SrGd2 4 粉末を含むペーストを用いて保護膜を形成すると、高効率化が達成されるばかりでなく、活性化時間とエージング時間も縮小される。
【0060】
また、バインダーとして、焼成によりSrGd2 4 になる前駆体を加ることにより、バインダーが粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻密化する。
更に、放電開始電圧Vfと放電維持電圧Vsをより低電圧化することができ、長寿命化も期待できる。
(2)請求項2記載の発明によれば、AC−PDPの保護膜を、MgOからBaGd2 4 に変えたので、低電圧化、高輝度化、高効率化が達成できた。
【0061】
更に、粉末の吸湿性が低く、活性化は320℃で30分(MgOは320℃で1時間以上必要)で十分であり、エージングも30分(MgO粉末では3時間必要)で十分であった。
したがって、BaGd2 4 粉末を含むペーストを用いて保護膜を形成すると、特性が向上するばかりでなく、活性化時間とエージング時間も短縮される。
【0062】
また、バインダーとして、焼成によりBaGd2 4 になる前駆体を加えることにより、このバインダーが粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻密化する。
したがって、放電開始電圧Vfと放電維持電圧Vsを、より低電圧化することができ、長寿命化も期待できる。
(3)請求項3記載の発明によれば、AC−PDPの保護膜をMgOからCaGd2 4 に変えたので、2倍以上の輝度が得られ、高い効率が達成できた。
【0063】
更に、粉末の吸湿性が低く、活性化は320℃で30分(MgOは320℃で1時間以上必要)で十分であり、エージングも30分(MgO粉末では3時間必要)で十分であった。
したがって、CaGd2 4 粉末を含むペーストを用いて保護膜を形成すると、特性が向上するばかりでなく、活性化時間とエージング時間も短縮される。
【0064】
また、バインダーとして、焼成によりCaGd2 4 になる前駆体を加えることにより、バインダーが粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻密化する。
したがって、放電開始電圧Vfと放電維持電圧Vsをより低電圧化することができ、長寿命化も期待できる。
(4)請求項4記載の発明によれば、AC−PDPの保護膜をMgOからBa0.6 Sr0.4 Gd2 4 に変えたので、ほぼ同様の電圧で高輝度、高効率化が達成できた。
【0065】
更に、粉末の吸湿性が低く、活性化は320℃で30分(MgOは320℃で1時間以上必要)で十分であり、エージングも30分(MgO粉末では3時間必要)で十分であった。したがって、Ba0.6 Sr0.4 Gd2 4 粉末を含むペーストを用いて保護膜を形成すると、高効率化が達成されるばかりでなく、活性化時間とエージング時間も短縮される。
【0066】
また、バインダーとして、焼成によりBa0.6 Sr0.4 Gd2 4 になる前駆体を加えることにより、バインダーが粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻密化する。したがって、放電開始電圧Vfと放電維持電圧Vsをより低電圧化することができ、長寿命化も期待できる。
(5)請求項5記載の発明によれば、AC−PDPの保護膜をMgO粉末からSr0.6 Ca0.4 Gd2 4 に変えたので、ほぼ同様の電圧で高輝度、高効率化が達成できた。
【0067】
更に、粉末の吸湿性が低く、活性化は320℃で30分(MgOは320℃で1時間以上必要)で十分であり、エージングも30分(MgO粉末では3時間必要)で十分であった。したがって、Sr0.6 Ca0.4 Gd2 4 粉末を含むペーストを用いて保護膜を形成すると、高効率化が達成されるばかりでなく、活性化時間とエージング時間も短縮される。
【0068】
また、バインダーとして、焼成によりSr0.6 Ca0.4 Gd2 4 になる前駆体を加えることにより、バインダーが粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻密化する。
したがって、放電開始電圧Vfと放電維持電圧Vsをより低電圧化することができ、長寿命化も期待できる。
【0069】
(6)請求項6記載の発明によれば、AC−PDPの保護膜をMgOからMgGd2 4 に変えたので、2倍以上の輝度が得られた。したがって、効率もかなり高くなった。
更に、粉末の吸湿性が低く、活性化は320℃で30分(MgOは320℃で1時間以上必要)で十分であり、エージングも30分(MgO粉末ではは3時間必要)で十分であった。したがって、MgGd2 4 粉末を含むペーストを用いて保護膜を形成すると、高効率化が達成されるばかりでなく、活性化時間とエージング時間も縮小される。
【0070】
また、バインダーとして、焼成によりMgGd2 4 になる前駆体を加えることにより、バインダーが粒子同士をつなぎとめるので、膜が緻密化する。したがって、VfとVsをより低電圧化することでき、長寿命化も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いたAC型ガス放電パネルの部分斜視図である。
【図2】本発明の実施例に用いたAC型ガス放電パネルの前面板の製造工程図である。
【図3】本発明の実施例に用いたAC型ガス放電パネルの背面板の製造工程図である。
【図4】本発明の実施例に用いたAC型ガス放電パネルの組み立て工程図である。
【符号の説明】
10 面放電型のAC−PDP
12 背面板
14 前面板
16 放電空間
18 蛍光体層
20(20a,20b) 電極
22 誘電体層
24 保護膜

Claims (6)

  1. AC型ガス放電パネルにおいて、
    電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてSrGd2 4 を用いることを特徴とするAC型ガス放電パネル。
  2. AC型ガス放電パネルにおいて、
    電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてBaGd2 4 を用いることを特徴とするAC型ガス放電パネル。
  3. AC型ガス放電パネルにおいて、
    電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてCaGd2 4 を用いることを特徴とするAC型ガス放電パネル。
  4. AC型ガス放電パネルにおいて、
    電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてBax Sr1-x Gd2 4 (ただし0<x<1)を用いることを特徴とするAC型ガス放電パネル。
  5. AC型ガス放電パネルにおいて、
    電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてSrx Ca1-x Gd2 4 (ただし0<x<1)を用いることを特徴とするAC型ガス放電パネル。
  6. AC型ガス放電パネルにおいて、
    電極が形成された基板上に誘電体層が形成され、該誘電体層上に形成される保護膜としてMgGd2 4 を用いることを特徴とするAC型ガス放電パネル。
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