JP3871470B2 - 縦型治具用ロボットハンド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機械加工等される平板状ワークを略鉛直に支持した状態で縦型治具に自動供給するロボットハンドに関する。
【0002】
【従来の技術】
略平板状の金属製ワークを略鉛直姿勢で縦型治具に位置決めする場合、縦型治具にワークを水平方向と鉛直方向でそれぞれに位置決めする水平位置決め手段と鉛直位置決め手段を設置している。これら位置決め手段は固定爪とばね内蔵の可動爪の一対で構成され、ワークの上下或いは左右両端面を可動爪と固定爪で挟持して固定爪の定位置にワークを位置決めするものが一般的である。また、縦型治具にアルミダイキャスト製品のような端面がテーパ状になったワークを位置決めする際には、位置決め手段にワークのテーパ状端面を利用したワーク落下防止機能を持たせており、このような位置決め手段を有する縦型治具の具体例を図9及び図10に示し説明する。
【0003】
図9(A)、(B)に示されるワーク1は略平板状の例えばアルミダイキャスト製品で、縦型治具2に鉛直姿勢で位置決めされた状態で固定されて、各種の加工や部品組付け等が行われる。縦型治具2は、ワーク1を水平及び鉛直方向で位置決めする水平方向位置決め手段3及び鉛直方向位置決め手段4と、位置決めされたワーク1を固定する一対のクランパー5、6を有する。
【0004】
水平方向位置決め手段3は、略鉛直なワーク1の鉛直な両側端面1a、1bに当接する一対の固定爪3aと可動爪3bを有し、可動爪3bに付勢されるばね材3cのばね力で可動爪3bをワーク1の側端面1bに押し付けて、この側端面1bと反対の側端面1aを固定爪3aに弾圧させることで、ワーク1の水平方向の位置決めが行われる。鉛直位置決め手段4は、略鉛直なワーク1の水平な上下端面1c、1dに当接する一対の固定爪4aと可動爪4bを有し、可動爪4bに付勢されるばね材4cのばね力で可動爪4bをワーク1の上端面1cに押し付けて、下端面1dを固定爪4aに弾圧させることで、ワーク1の鉛直方向の位置決めが行われる。一対のクランパー5、6は上下回転式のもので、図9(A)の実線位置から鎖線位置に回転してワーク1をその前後方向からクランプする。
【0005】
かかる縦型治具2へのワーク1の取付けは、略鉛直姿勢のワーク1を治具2に向けて水平送りすることで手動或いは自動で行われる。このワーク取付けの要領を図10(A)〜(C)で説明すると、まず、図10(A)に示すようにワーク1を水平方向に前進させて、ワーク1の上端面の外側エッジeを可動爪4bに当接させる。尚、可動爪4bは基端部が軸4dで治具2に回転可能に支持され、可動爪4bの先端部と治具2の間にばね材4cが装着された構造で、ワーク1を前進させるとその上端面の外側エッジeが可動爪4bの先端部の傾斜面mに当接する。また、ワーク1がアルミダイキャスト製品の場合、その全周縁の端面が鋳抜きテーパ面nとなっており、このテーパ面nの肉厚側の先端が外側エッジeとなる。
【0006】
図10(A)の状態で更にワーク1を前進させると、外側エッジeが傾斜面mを押し出して可動爪4bが軸4dを支点にばね材4cのばね力に抗して回転して図10(B)の実線に示すように可動爪4bの先端部がワーク1の上端のテーパ面nへと乗り上げる。更にワーク1を最終位置まで前進させると、図10(C)の実線に示すように可動爪4bの先端部がテーパ面nをばね材4cのばね力で弾圧する。このときに図9(B)に示すように、ワーク1の下端面1dが固定爪4aに弾圧接触して、ワーク1が鉛直方向で位置決めされる。また、可動爪4bの先端部がテーパ面nの鋭角側エッジeを乗り越えてテーパ面nに弾圧接触することで、治具2に位置決めされたワーク1の治具2からの落下が可動爪4bとの係合で防止される。
【0007】
図10に示すようにワーク1を縦型治具2に取付けるとき、ワーク1で両位置決め手段3、4の可動爪3b、4bをそのばね材3c、4cのばね力に抗して回転させるだけの押圧力が必要である。このようなワーク1を後述するようなロボットハンドで支持して縦型治具2に自動で取付ける場合は、ロボットハンドでワーク1を治具2に押し付ける際の押圧力よりも大きな支持力で支持しておく必要がある。
【0008】
そこで、ロボットハンドでワークを4本或いはそれ以上のハンド爪で挟持することで、十分なワーク支持力を確保することが一般に行われているのであるが、図9に示すような4本ハンド爪による支持が難しい異形ワークや、同一のハンド爪で形状の異なる複数品種のワークを支持するような場合は、2本ハンド爪によるワーク支持にならざるを得ない場合があり、そのようなロボットハンドの具体例を図11乃至図13を参照して説明する。
【0009】
図11(A)に示されるロボットハンド11は、全方向移動可能な多関節ロボットアーム10の先端に装着される。ロボットハンド11は、ロボットアーム10の先端に固定されたハンド本体12に、図11(B)(C)のように一対のハンド爪13、13と、少なくとも1つのワーク有無検知用第1ロッド14aと、バランス用第2ロッド14bを突設し、第1ロッド14aにストロークセンサ15を装備させて主要部が構成される。なお、第1ロッド14aと第2ロッド14bはハンド爪13、13を相互に結ぶ直線の両側等距離位置に配設される。
【0010】
ロボットアーム10でハンド本体11を鉛直姿勢にしたとき、このハンド本体11の鉛直な先端部の両側部に一対のハンド爪13、13が水平方向に互いに接近離反可能に設置される。各ハンド爪13、13はハンド本体12の裏面側に設置された開閉機構18で水平な左右方向に開閉駆動される。一対のハンド爪13、13が互いに接近する閉動作時に平板状のワーク1の両側面の上下方向略中央部がハンド爪13、13の先端部内面で挟持されて、ワーク1が略鉛直に支持される。
【0011】
鉛直姿勢のハンド本体12の先端部の上部と下部の2箇所を貫通させて固定されたロッド支持筒16、16の各々に第1及び第2ロッド14a、14bが、コイル状の復帰ばね17、17を介して軸方向に摺動可能に嵌挿される。ハンド本体12の先端部から突出する第1及び第2ロッド14a、14bの先端部とロッド支持筒16、16の先端の間に復帰ばね17、17が圧縮挿入され、復帰ばね17、17のばね力で第1及び第2ロッド14a、14bの先端部がハンド本体12からの突出する方向に常時弾圧される。第1及び第2ロッド14a、14bの先端のハンド本体12からの突出長Laの最大値は同一で、常時はこの最大突出長Laの最前進位置で第1及び第2ロッド14a、14bが保持される。
【0012】
また、第1及び第2ロッド14a、14bの全長は同一で、各々の後端部がハンド本体12の裏面側に同じ突出長Lbで突出し、一方の第1ロッド14aの突出後端部に平行にストロークセンサ15が設置される。ストロークセンサ15はハンド本体12の裏面側に固定された近接センサであって、第1ロッド14aの突出後端部の軸方向の前後移動量を検知することで、一対のハンド爪13、13がワーク1を挟持したか否かを検知する。
【0013】
一対のハンド爪13、13によるワーク1の挟持は、次の順序で行われる。ロボットアーム10で略鉛直なハンド本体12を同じ略鉛直なワーク1に向けて水平方向に前進移動させ、まず、ワーク1に第1及び第2ロッド14a、14bの先端を押し当てて第1及び第2ロッド14a、14bをハンド本体12に対して定ストロークだけ後退させる。その後、一対のハンド爪13、13を互いに接近移動させてワーク1の両側面を挟持させる。ハンド爪13、13がワーク1を正常な姿勢で挟持すると、図12に示すように上下一対の第1及び第2ロッド14a、14bがワーク1で押されて同一ストロークだけ後退し、この後退ストローク量がストロークセンサ15で検知されて「ワーク有り」が検知される。この際、第1及び第2ロッド14a、14bがワーク1を押圧する力がバランスするため、ワーク1が不測に傾動するのが防止される。ハンド爪13、13がワーク1を挟持していない場合は、第1及び第2ロッド14a、14bが後退せず、ストロークセンサ15が検知動作しない。
【0014】
図12のようにワーク1がハンド爪13、13で正常な鉛直姿勢で支持された状態で縦型治具2に向けて水平送りされる。ハンド爪13、13で支持されたワーク1は図10に示す要領で位置決め手段3、4の可動爪3b、4bを同時に押圧して回転させることで、縦型治具2内の図13の実線で示す定位置まで押し込まれる。ハンド爪13、13はワーク1を縦型治具2内の定位置まで定ストロークで押し込むと開いてワーク1から離れ、そのままハンド本体12と共に後退して一連のワーク受け渡し動作が終了する。ハンド本体12の後退で第1及び第2ロッド14a、14bの先端がワーク1から離れると、第1及び第2ロッド14a、14bは復帰ばね17、17のばね力で図11の元の最大突出長Laの平常位置に自動復帰する。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
以上のロボットハンド11においては、鉛直なワーク1を挟持するハンド爪13、13の先端部内面がワーク1の両側面と面接触してワーク1を強固に挟持するようにしている。ところが、ワーク1の両側面が鋳抜きテーパ面になっていることや、ワーク側面とハンド爪先端面の双方の挟持面の仕上げ精度の誤差成分等が原因してハンド爪13、13がワーク1の側面に面接触せず点接触や線接触することがある。このように点接触や線接触をすると一対のハンド爪13、13によるワーク1の挟持力が弱くなると共に、図14(A)に示すようにワーク1の両側面におけるハンド爪13、13との接触箇所相互間を結ぶ鎖線部分が回転中心線となって鉛直姿勢のワーク1が前後方向に回転し易くなる。
【0016】
そのため、図13で説明したように一対のハンド爪13、13で挟持されたワーク1を縦型治具2内に押し込むときに、ワーク1の上端が鉛直方向位置決め手段4の可動爪4bを押圧する際に可動爪4bから反力を受け、この反力でワーク1が図13の鎖線で示すように傾くことがある。このワーク傾きは、図10の(B)、(C)の鎖線で示す過程で生じる。ワーク1が傾いた状態で縦型治具2内に位置決めされて図9のクランパー5、6でクランプされると、クランパー5、6によるクランプ状態が安定せず、クランプ後のワーク加工時等でワークのガタ付きが発生することがあり、また、このワークのガタ付き防止のための面倒な対策が必要となる。
【0017】
前記のような縦型治具内でのワークのガタ付きは、ワークを3本ハンド爪や4本ハンド爪で挟持する場合にも発生することがある。例えば、図14の(B)に示すような4本のハンド爪13、…で矩形のワーク1’の両側面を挟持する場合、4本のハンド爪13、…の各々がワーク1’に正常に同じ加圧力で面接触するとは限らず、左右1本ずつの加圧力が強くて他が弱い場合は、例えば図14(B)の鎖線部分が回転中心線となってワーク1’が回転し易くなることがある。
【0018】
以上のような略鉛直なワークを縦型治具に取り付ける際の鉛直方向での傾きを防止するワーク取付方法として、例えば図15(A)〜(C)に示す方法が考えられる。図15は図11のロボットアーム10による一対のハンド爪13、13の各動作角度を示すもので、まず、ハンド爪13、13で略鉛直に挟持されたワーク1を縦型治具2まで水平送りしてから、図15(A)のように縦型治具2の手前でハンド爪13、13とワーク1を傾ける。この状態で図15(B)に示すようにハンド爪13、13でワーク1を傾けた方向に上昇移動させて、ワーク1の上端面で可動爪4bを突き上げて回転させる。次に、図15(C)に示すようにワーク1の上端面を可動爪4bに押し当てたままワーク1の下端面が固定爪4aに乗るようにワーク1をハンド爪13、13で揺動させる。図15(C)の状態でハンド爪13、13を開くと可動爪4bがワーク1を固定爪4aに押圧してワーク1の受け渡しが終了する。
【0019】
図15のようにすると、ワークが2本ハンド爪で挟持されて回転し易くなっていても、ワークを縦型治具の垂直方向位置決め手段に押圧して取り付ける際にワークにほとんど回転モーメントが加わらず、縦型治具内でのワークの傾きが回避される。しかし、このような取付け方法ではワークとこれを挟持するハンド爪の動きが複雑となり、この動きを実行させるために行われるロボットアームのティーチング作業がかなり複雑であり、而も、正確なティーチングが困難であることから、図15の方法は必ずしも実用的とはいえない。
【0020】
本発明の目的とするところは、簡単なロボットアームの動きでもってワークを縦型治具に鉛直方向に傾かせることなく確実に取り付けることのできるロボットハンドを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため本発明の縦型治具用ロボットハンドは、固定爪とばね内蔵の可動爪とを備え、平板状ワークの上下或いは左右両端面を前記可動爪と固定爪で挟持して固定爪の定位置に平板状ワークを位置決めする縦型治具に平板状ワークを略鉛直に設置する縦型治具用ロボットハンドにおいて、
前記平板状ワークをその両側縁で把持するためにロボットアームの先端に取り付けたハンド本体と、
前記ハンド本体に配設した、少なくとも一対の接近離反可能なワーク把持用ハンド爪と、
前記ハンド本体の、一対のハンド爪を結ぶ直線の両側ほぼ等距離位置に、それぞれ先端部を平板状ワーク側に向けて前後動可能に配設した第1ロッドと第2ロッドと、
前記ハンド爪が平板状ワークを把持しているときに、治具内における平板状ワークの姿勢をほとんど変更させない程度の弱い弾圧力で第1ロッドと第2ロッドの先端を平板状ワークに接触させるように、前記第1ロッドと第2ロッドを前方に附勢する復帰ばねと、
前記第1ロッドと第2ロッドに隣接させて、これらのロッドの最大後退ストローク量を同一に規制するように配設したストッパとを備え、
前記ハンド爪で平板状ワークを略鉛直に支持した状態で、前記ロボットアームで前記ハンド本体を水平に前進させて、前記平板状ワークを縦型治具に対して鉛直姿勢のまま水平送りして縦型治具に押し込み、前記平板状ワークの縦型治具への押し込みの直前にハンド爪を開きロボットアームで定ピッチだけ前進させる制御において、平板状ワークが傾斜姿勢になっても、最終の定ピッチ前進でストッパに当接した第1ロッド又は第2ロッドのいずれかの先端で平板状ワークを縦型治具内で最終的に位置決めすることを特徴とする。
【0022】
ここで、ハンド本体に設置されるハンド爪、第1ロッド及び第2ロッドなどは既存設備にあるものをそのまま使用可能であり、本発明は第1ロッドと第2ロッドの最大後退ストローク量を同一に規制するストッパを追加設置するだけでよい。そしてこのストッパを利用して第1及び第2ロッドの先端でワークを押して縦型治具の定位置に位置決めするのである。前記最大後退ストローク量は、第1ロッドがワーク検知用である場合は「ワーク有り」の検知に必要な最低ストローク量を満足する大きさでなければならない。ただし、「ワーク有り」の検知を別の検知手段で代替する場合は第1ロッドの最低ストローク量は必要ない。従って、第1ロッドは「ワーク検知用」である必要性は必ずしもない。第1及び第2ロッドがストッパに当接するのは、ハンド爪で挟持されたワークをハンド本体を前進させることで縦型治具内の最終的に位置決めされる定位置に押し込んだ時点であり、この定位置に押し込む直前にハンド爪を開いてワークから離しておき、ストッパに当接した第1ロッドの先端でワークを押して縦型治具内で最終的に位置決めする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図11のロボットハンド11に適用した一実施形態を、図1乃至図8を参照して説明する。尚、全図を通じて同一、又は、相当部分には同一符号を付して説明の重複を避ける。
【0024】
図1(A)、(B)に示されるロボットハンド11が既存設備と相違するところは、略鉛直なハンド本体12の上下2箇所に設置された一対の第1及び第2ロッド14a、14bの各々にストッパ21a、21bを追加設置したことである。一対のストッパ21a、21bは同一寸法形状のもので、対応する第1及び第2ロッド14a、14bのハンド本体12に対する後退ストローク量の最大値を一定に規制する。
【0025】
一方のストッパ21aは上部の第1ロッド14aの最大後退ストローク量を規制するもので、例えばハンド本体12の上部裏面に固定されて、ストッパ21aのL形後端部が平常位置の第1ロッド14aの後端と所定の最大後退ストローク量の間隙Gを開けて対向する。他方のストッパ21bは下部の第2ロッド14bの最大後退ストローク量を規制するもので、これもハンド本体12の裏面に固定されて、ストッパ21bのL形後端部が平常位置の第2ロッド14bの後端と所定の最大後退ストローク量の間隙Gを開けて対向する。間隙Gは、ハンド爪13、13がワーク1を挟持するときにワーク1で押されて後退する第1ロッド14a、14bのワーク有無検知のための後退ストローク量とほぼ同じか少し大きめに設定される。
【0026】
図1のロボットハンド11による縦型治具2へのワーク取付けの過程を図2乃至図6に示し説明する。図2は図12と同一の状態で、一対のハンド爪13、13で鉛直のワーク1の両側面中央部を挟持して縦型治具2に水平送りする。このとき、ハンド爪13、13がワーク1を挟持する直前にワーク1が一対の第1及び第2ロッド14a、14bを押圧してハンド本体12に対して後退させる。一方の第1ロッド14aの後退ストローク量がストロークセンサ15で検知されて、ハンド爪13、13がワーク1を正常な鉛直姿勢に挟持したことが検知される。尚、他方の第2ロッド14bにもストロークセンサ(図示せず)を設置して、上下一対のストロークセンサの出力信号の有無検知や比較処理することでワークの鉛直方向の傾き角度を検知するようにしてもよい。
【0027】
図2のワーク1をロボットアーム10で水平に前進させて縦型治具2に押し込んだ状態が図3である。ハンド爪13、13にワーク1が鉛直姿勢に挟持され、そのまま前進して鉛直方向位置決め手段4の固定爪4aと可動爪4bの間に押し込まれるときに、ワーク1の上端が可動爪4bをばね材4cのばね力に抗して押し上げる。このとき、ハンド爪13、13で挟持されたワーク1が鉛直姿勢のまま治具2内に正常に押し込まれる場合と、図3で示すように例えばワーク1の上端が可動爪4bを押圧するときに反力を受けて、ワーク1がハンド爪13、13で挟持される中央を支点として傾く場合がある。
【0028】
図3の状態でワーク1が正常な鉛直姿勢、或いは、傾いた姿勢のいずれであっても、ロボットハンド11は次の段階で図4のハンド爪開成動作と図5の定ピッチ前進動作をして、ワーク受け渡しの一連の動作を終了する。詳しくは、図3の状態で一対のハンド爪13、13が開いて図4(B)で示すようにワーク1の両側面から離れる。このときのワーク1は縦型治具2に仮止め的に支持され、このワーク1の裏面に上下一対の第1及び第2ロッド14a、14bの先端がばね材17、17の復帰力で弾圧接触している。このときの第1及び第2ロッド14a、14bの弱い弾圧力では、治具2内におけるワーク1の姿勢はほとんど変更されることはない。
【0029】
一対のハンド爪13、13の開成動作直後にロボットアーム10が最終的に定ピッチだけ前進し、この前進でワーク1に先端が当接している第1及び第2ロッド14a、14bを除くロボットハンド全体が前進して、第1及び第2ロッド14a、14bの後端にストッパ21a、21bが同時に、或いは、僅かな時間差をおいて順に当接する。両第1及び第2ロッド14a、14bの後端にストッパ21a、21bが当接した時の状態は図5に示す通りであって、両第1及び第2ロッド14a、14bはハンド本体12に対して最大後退ストローク量で後退した状態にあり、第1及び第2ロッド14a、14bの先端はハンド本体12から等距離で突出してワーク1を押圧し、ワーク1を縦型治具2に鉛直に位置決めする。つまり、図4の状態からのロボットアーム10の定ピッチ前進によってストッパ21a、21bが第1及び第2ロッド14a、14bの相対的後退を阻止した段階で、第1及び第2ロッド14a、14bがワーク1を鉛直姿勢に規制し始めて縦型治具2内の定位置に押し込む動作をし、また、このような動作をするように図4の状態からのロボットアーム10の最終前進ピッチが設定される。
【0030】
図5の状態でワーク1は鉛直方向位置決め手段4と図示しない水平方向位置決め手段3で安定に位置決めされる。この後、図6に示すようにロボットアーム10が後退してワーク1から離れて次のワーク挟持へと向かう。このようなロボットアーム10の前進と後退の動作はほとんど従来同様に行われ、また、前記した前進最終時の定ピッチ前進は、後述するようにワーク1の傾きの有無に関係なく行え、更に、この定ピッチ前進はロボットアーム10の前進プログラムを一部改変するだけの簡単な処置で実行されて、ロボットアーム10に対して複雑な動作を行なわせるためのティーチング作業が必要ない。
【0031】
ロボットアーム10の前進でワーク1を縦型治具2に押し込んだときのワーク1の姿勢は図7(A)の正常な鉛直姿勢と、図8(A)の傾斜姿勢のいずれかであり、このいずれの姿勢においてもロボットアーム10の同じ最終の定ピッチ前進でワーク1の受け渡し動作が終了する。図7(A)の場合、第1及び第2ロッド14a、14bは鉛直なワーク1で押圧されて同じ後退ストローク量で後退し、対応するストッパ21a、21bとの間に同一の間隙Ghができる。図7(A)の状態でハンド爪13、13を開き、ハンド本体12を間隙Ghと同程度の定ピッチで前進させた状態が図7(B)で、この前進でストッパ21a、21bが前進して第1及び第2ロッド14a、14bの後端に当接して、第1及び第2ロッド14a、14bが鉛直なワーク1を縦型治具2に最終的に位置決めする。
【0032】
また図8(A)のようにワーク1の上端部が可動爪4bで押圧されてワーク1が傾斜している場合、上下の第1及び第2ロッド14a、14bがワーク1で押圧されて各々異なる後退ストローク量で後退する。ここで、ワーク1がハンド爪13、13で挟持される両側面中央を支点にしてワーク上部がハンド本体12側に接近するように回転して傾斜し、この回転中心線から上下等距離の2箇所に第1及び第2ロッド14a、14bの先端が当接しているとすると、上部の第1ロッド14aとストッパ21aの間隙Giは、下部の第2ロッド14bとストッパ21bの間隙Gjより小さく、両方の間隙の和(Gi+Gj)は図7(A)の間隙Ghの2倍に相当する。図8(A)の状態でハンド爪13、13を開き、ハンド本体12を間隙Ghと同程度の定ピッチで前進させると、まず、上部のストッパ21aが上部第1ロッド14aに当接して第1ロッド14aを前進させ、この前進で治具2に傾いて保持されたワーク1の上部が押圧されてワーク1が鉛直姿勢に修正され、この姿勢修正の最終段階で下部のストッパ21bが下部第2ロッド14bに当接して、ワーク1の受け渡しが終了する。
【0033】
したがって、図7と図8のいずれのワーク姿勢であっても、そのワーク姿勢を特に検知することなくロボットアーム10を単に最終的に定ピッチ前進させるだけで縦型治具2にワーク1を正常な鉛直姿勢で位置決めすることができるので、ロボットアーム10に複雑な動作を行なわせるためのティーチング作業が必要がなく、ほぼ従来と同様な動きをする既存のロボットアーム10がそのまま使用可能である。
【0034】
以上、本発明の一実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態以外にも種々の変形が可能であって、例えば前記実施形態では2本ハンド爪のロボットハンドで説明したが、3本ハンド爪や4本ハンド爪のロボットハンドにおいても同様に適用可能である。また、前記実施形態では左右2本のハンド爪13でワーク1を把持するようにしたが、例えば上下2本のハンド爪でワーク1を把持する場合にも本発明を適用可能である。さらに、前記第1ロッド14aと第2ロッド14bは一対のハンド爪13、13を相互に結ぶ直線から厳密に等距離位置に配設する必要性は必ずしもなく、配設スペース等の関係で前記直線から相対的に少し遠い位置に一方のロッドを配設し、近い位置に他方のロッドを配設することも可能である。ただし、その場合はロッドの配設位置の対称性が失われるので、第1ロッド14aと第2ロッド14bに取付けられた復帰ばね17によってワーク1を把持する際にワーク1が大きく傾動しないようにばね設定圧などを調整するのが望ましい。
【0035】
【発明の効果】
本発明は前述の如く、ハンド本体の第1ロッドと第2ロッドに隣接させて、これらロッドの最大後退ストローク量を同一に規制するストッパを配設したので、ハンド爪で挟持された略鉛直なワークを水平に前進送りして縦型治具に押し込むとき、ワークが鉛直姿勢から治具側の反力で傾斜しても、ハンド爪を開いてハンド本体を前進させることにより、傾斜したワークを第1及び第2ロッドを介してストッパで押圧してその傾斜を修正しつつ縦型治具内の最終位置まで押し込むことができる。従って、縦型治具に受け渡したワークが不測に脱落するなどの不都合を防止することができる。また、ロボットアームの制御はワークを縦型治具に対して従来とほぼ同様に鉛直姿勢のまま単に水平送りするような単純な制御でよいから、従来のロボット用制御プログラムを利用できて特別なティーチング作業などは一切不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の実施形態を示すロボットハンドの側面図、(B)はその平面図。
【図2】図1のロボットハンドのワーク挟持時の側面図。
【図3】図1のロボットハンドの縦型治具へのワーク押し込み時の側面図。
【図4】(A)は図3のロボットハンドのワーク挟持開放時の側面図、(B)は(A)のワークの部分正面図。
【図5】図4のロボットハンドでワークを縦型治具の最終位置に位置決めしたときの側面図。
【図6】図5のロボットハンドを縦型治具から後退させたときの側面図。
【図7】(A)は図3のロボットハンドの正常な状況の概要を示す側面図、(B)は(A)の後のワーク位置決め時の側面図。
【図8】(A)は図3のロボットハンドの非正常な状況の概要を示す側面図、(B)は(A)の後のワーク位置決め時の側面図。
【図9】(A)は縦型治具の要部の正面図、(B)はその要部の側面図。
【図10】図9の縦型治具の鉛直方向位置決め手段の可動爪とワークの動作関係を示す側面図で、(A)はワーク押し込み始め、(B)はワーク押し込み途中、(C)はワーク押し込み後の側面図。
【図11】(A)は従来のロボットハンドの側面図、(B)は同正面図、(C)は同平面図。
【図12】図11のロボットハンドのワーク挟持時の側面図。
【図13】図11のロボットハンドの縦型治具へのワーク押し込み時の側面図。
【図14】(A)は2本ハンド爪によるワークの挟持関係を示す正面図、(B)は4本ハンド爪によるワークの挟持関係を示す正面図。
【図15】図10のワーク押し込み方法を変更したときの側面図で、(A)はワーク押し込み始め、(B)はワーク押し込み途中、(C)はワーク押し込み終了時の側面図。
【符号の説明】
1 ワーク
2 縦型治具
3 位置決め手段
4 位置決め手段
10 ロボットアーム
11 ロボットハンド
12 ハンド本体
13 ハンド爪
14a 第1ロッド
14b 第2ロッド
15 ストロークセンサ
17 復帰ばね
21a ストッパ
21b ストッパ
G 間隙、最大後退ストローク量

Claims (2)

  1. 固定爪とばね内蔵の可動爪とを備え、平板状ワークの上下或いは左右両端面を前記可動爪と固定爪で挟持して固定爪の定位置に平板状ワークを位置決めする縦型治具に平板状ワークを略鉛直に設置する縦型治具用ロボットハンドにおいて、
    前記平板状ワークをその両側縁で把持するためにロボットアームの先端に取り付けたハンド本体と、
    前記ハンド本体に配設した、少なくとも一対の接近離反可能なワーク把持用ハンド爪と、
    前記ハンド本体の、一対のハンド爪を結ぶ直線の両側ほぼ等距離位置に、それぞれ先端部を平板状ワーク側に向けて前後動可能に配設した第1ロッドと第2ロッドと、
    前記ハンド爪が平板状ワークを把持しているときに、治具内における平板状ワークの姿勢をほとんど変更させない程度の弱い弾圧力で第1ロッドと第2ロッドの先端を平板状ワークに接触させるように、前記第1ロッドと第2ロッドを前方に附勢する復帰ばねと、
    前記第1ロッドと第2ロッドに隣接させて、これらのロッドの最大後退ストローク量を同一に規制するように配設したストッパとを備え、
    前記ハンド爪で平板状ワークを略鉛直に支持した状態で、前記ロボットアームで前記ハンド本体を水平に前進させて、前記平板状ワークを縦型治具に対して鉛直姿勢のまま水平送りして縦型治具に押し込み、前記平板状ワークの縦型治具への押し込みの直前にハンド爪を開きロボットアームで定ピッチだけ前進させる制御において、平板状ワークが傾斜姿勢になっても、最終の定ピッチ前進でストッパに当接した第1ロッド又は第2ロッドのいずれかの先端で平板状ワークを縦型治具内で最終的に位置決めすることを特徴とする縦型治具用ロボットハンド。
  2. 前記第1ロッドにワーク検知用のストロークセンサを付設したことを特徴とする請求項1に記載の縦型治具用ロボットハンド。
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