JP3870629B2 - 美顔器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は吸引により顔肌より皮脂や汚れ等の残骸物を取り除く美顔器、更に詳しくは吸引力を調整することが可能な美顔用に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
実開平5−37234号公報に開示されているように、従来の美顔器は吸引力を発生する吸引ポンプと、吸引力を肌に作用させて皮脂等の残骸物を取り除くために肌に当てられるアッタチメントで構成される。肌の柔らかい部分に長い時間に亘って吸引力を作用させると、毛細血管を破る程度に肌が大きく膨らむ結果、痛みや更には紫斑等のあざを引き起こす可能性がある。
【0003】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の問題を解消するものである。従って、本発明の主な目的は、肌へ作用する吸引力を調節できる、特に使用者が美顔器の動作を停止させ用とした場合、直ぐに吸引力を最小とすることができて、顔肌からのアタッチメントの取り外しを簡単とし、痛みや紫斑を生ずる危険性を少なくした美顔器を提供することである。
【0004】
本発明に係る美顔器は、ノズル及びこのノズルを介して吸引力を発生させる吸引ポンプ有し、このノズルに管状アッタチメントが取り付けられて顔肌に吸引力を作用させて顔肌より皮脂や汚れ等の残骸物を取り除く。本発明の特徴とするところは、吸引ポンプのポンプ特性、例えば、ポンプ負荷やポンプ能力を変化させてアッタチメントを通じて肌に作用する吸引力を調整する調整器を設けた点に加えて、ハウジング10外面に設けたスイッチハンドル18Aにシャッター19を連動させて、スイッチハンドルが吸引ポンプ20Aを作動させるON位置の時にこのシャッターによって外気開放端51Aを閉じ、スイッチハンドルが吸引ポンプを停止させるOFF位置の時に外気開放端を開くように構成した点にある。これにより、スイッチハンドルをOFFにすると直ちにこの外気開放端を通して顔肌への吸引力を解放することができて、顔肌から安全にアッタチメントを外すことができる。そうでなければ、スイッチハンドルをOFFとした後でも、吸引力の肌への作用が継続することになって肌からのアタッチメントを外すことが難しくなるものである
【0005】
本発明の一実施態様では、ノズル30から外気開放端51に延出する分岐吸引路50によって調整器が構成される。外気開放端51はハウジング10を把持する使用者の手の指によってアクセス可能でこれによって選択的に開閉される。このため、ハウジングを把持する使用者の指、すなわち、親指をこの外気開放端から単に離すことで、分岐吸引路を開放させることができる。従って、使用者は吸引力を簡単に最小とすることができて、使用者の意図に即座に応答して吸引力の停止を容易に行うことができる。更に、この外気開放端は単に親指で押さえるだけで閉じることができるため、顔肌の広い範囲に亘ってアッタチメントを移動させながら吸引力を断続的に作用させることが簡単であり、美顔器の操作性が向上できる。
【0006】
ハウジング10には使用者の指でアクセス可能なフレキシブルなカバー54が設けられても良い。このカバー54が上記外気開放端51を閉塞する位置と外気開放端を開く位置との間で移動自在となるものであって、このカバーを使用することにより、外気開放端を異物による詰まりから保護できる。
【0008】
更に、本発明では上記の調節器を、ノズル30Bから外気開放端51Bに延出する収縮可能な分岐吸引路50Bと、ノズル30Bをハウジング10Bに対してフロート支持する機構とで構成することを特徴としている。この機構によってアタッチメント40Bを肌より離れさせることを可能とする伸張位置と、アタッチメントを肌に押し付けることを可能とする後退位置との間でノズル30Bが移動自在となる。ノズルは後退位置で分岐吸引路50Bを閉塞し、伸張位置で分岐吸引路を外気に開放させる。アッタチメントを顔肌に押し付ける結果としてノズルが後退位置に移行して分岐吸引路を閉じて吸引力を肌に作用させることができる。使用者が顔肌からハウジングを離せば、アッタチメントはこの時点で吸引力によって肌にくっ付いているため、ノズルが伸張位置をとることになる。ノズルが伸張位置に移行すれば直ちに、分岐吸引路が開いて吸引力を解放し、アッタッチメントを肌から容易に外すことができるものであり、アッタチメントを安全且つ速やかに肌から離すことができる。
【0009】
本発明の別の実施態様では、ノズル30Cから外気開放端51Cに延出して分岐吸引路50Cを形成する可撓性の管56と、この可撓性の管56の一部に接触可能でこれを押し付けて分岐吸引路を可変量で閉塞するアクチュエータ60とで調整器を構成する。これにより、肌に作用している吸引力を最大から最小に調節することができて、最適な美顔処理や顔からの安全なアッタチメントの取り外しが行える。
【0010】
これに関連して、このアクチュエータ60Cは長手方向軸を有する長尺のハウジング10Cに装備されるものであり、このアクチュエータ60Cはハウジング外面に露出してハウジングを把持する使用者の指にて操作可能な一対のボタン部61を有する。一対のボタン部は上記長手方向軸の両側に配置されていて、左利きや右利きの使用者の両方ともがアクチュエータを容易に操作できて吸引力の調整がおこなえる。
【0011】
本発明は、更に、吸引ポンプ20Dが吸引力を発生させる主ポンプ室24Dと、これに連通する副室90を備えていて、副室の容積を変化させるアクチュエータ94によって調整器が形成されることを特徴とする。副室の容積を変化させることで肌への吸引力を可変調整できて最適な美顔処理ができる。この副室はポンプ室から閉塞端に向けて延出する可撓性の管91で形成しても良い。アクチュエータ94はこの可撓性管91の一部へ接触可能に配置され、これを押し付けて副室の容積を変える。
【0012】
本発明の更に他の実施態様では、美顔器には、ノズル近傍に加湿器70を追加し、ミスト流を顔肌に当てることで美顔効果を高めるようにしている。この加湿器は吸引ポンプ20Dからの排気を有効利用する。このため、吸引ポンプの排気口28Dから外気に開口した外排気口81に延出する排気路80が設けられる。加湿器は、狭窄部72を有する噴霧ノズル71と、狭窄部へ水を供給する水タンク74と、外排気口81を選択的に開閉するスイッチ82と、外排気口と排気口との間の排気路から噴霧ノズル71に分岐する分岐排気路85とで構成される。スイッチ82によって外排気口81を閉じると、分岐排気路85が有効とされて加圧空気を噴霧ノズル71内に導入して狭窄部72を通過する空気ジェットを形成する。これにより、狭窄部での水が空気ジェットに吸引されてミスト流を発生させる。従って、本発明の更なる目的は、ミストを発生させるために吸引ポンプを有効利用し、ミストの働きによって顔肌より皮脂や汚れ等の残骸物を取り除くことを向上させることができる美顔器を提供することである。
【0013】
【発明の実施の形態】
第1の実施態様<図1〜3>
図1と図2は本発明の第1の実施態様に係る美顔器を示す。この美顔器は使用者が把持する形のハウジングすると、肌から汚れ、皮脂等の残骸物を取り除くために顔肌を吸引するために使用するアッタチメント40とを備える。ハウジング10は長手方向軸を有する長尺形状であり、ダイアフラムポンプ20、ポンプを駆動するモータ14、モータに電力を与える電池16を長手方向軸に沿って並べて内蔵する。ハウジング10の上端部には凹所12を有するヘッド11が形成され、凹所の底を通してノズル30が突出し、ノズルの上端にアッタチメント40が着脱自在となる。ノズル30は下端のベースでハウジングに固定され、ハウジングの長手方向軸に沿って延出する貫通孔31を有する。ハウジング上端にはキャップ1が設けられてアッタチメント40とノズル30をカバーする。
ポンプ20はノズル30の下端に結合されるもので、ポンプケース21と往復子22とで構成され、往復子22がダイアフラム23を介してポンプケースに結合されてこれらの間にポンプ室24を形成する。往復子22は偏心カム25を介してモータ14の出力軸15に結合され、往復子22がモータにて往復動することによって、逆止弁(図示せず)を持つ吸入口26からポンプ室24へ外気を引き込み、逆止弁(図示せず)を持つ排気口28を通して吐き出す。吸入口26はノズル30の貫通孔31に連通し、アタッチメント40を介して吸引力を顔肌に作用させることにより、図3に示すような、美顔処理を行う。アタッチメント40はその軸孔42の両端に異なる形状の環状エッジを有し、一方は単一の環状エッジで、他方は2重の環状エッジとなる。アタッチメント両端の環状エッジのいずれも美顔のために顔肌に押し付けられて使用することができる。
【0014】
2重の環状エッジ45、46を顔肌に接触させた時の美顔器の動作を説明する。肌に長い間吸引力が作用して痛みやあざを起こすことの無いように、アッタチメントを肌に対してタッピングさせて環状エッジを断続的に肌に接触させるようにすることが望ましい。更に、このタッピング時は、環状エッジがその周縁の一部が先ず肌から離れた後に残りの部分が肌から離れるようにすることが望ましい。このことは、肌からアタッチメントを離す際にハウジング10を持つ手首をひねることで容易に行える。図3に示すように、状エッジ45,46が肌に接触している間は、エッジで囲まれた肌の部分Sがアタッチメント40内に吸引されて膨出部となり、膨出部のふもとが内側の環状エッジ46に押し当てられる。従って、肌の部分Sは、別々の2箇所で急激な変位がもたらされる。一所は外側の環状エッジ45の近傍で、もう一方は内側の環状エッジ46の近傍である。これらの箇所は、皮脂や同様の残骸物が毛穴から最も良く搾り出される箇所である。真空により肌から引き出された残骸物は環状エッジ近傍のアッタチメントの内壁に付着する。ノズル30の前端はフィルター32で覆われて残骸物がポンプ20へ侵入するのが防止される。
【0015】
他方の比較的小さな開口の環状エッジ47はタッピングなしで使用されることができ、小鼻で肌に沿ってエッジをすべらせる用にして使用される。環状エッジ47が楕円形状であるため、アタッチメント40は楕円の長軸に沿って滑らすよりも短軸に沿って滑らすほうが容易である。即ち、短軸に沿って滑らせる場合は膨出肌部が長軸に沿って滑らすよりも小さな抵抗を示すことになる。環状エッジ47を肌に沿って滑らす結果、毛穴から搾り出された残骸物はエッジによってうまく掻き集められてここに捕捉される。このように、楕円形状の後端環状エッジ47はすべり動作を容易としながらも、効果的に残骸物を除去するために大きな処理領域を確保するものである。アタッチメント40は、中央の外方に突出するリング44を掴んでノズルへの着脱が行える。
【0016】
図2に示すように、ノズル30の根元部からは、ノズルとアッタチメントを通って使用者の顔肌に至る主吸引路と並列に、外気開放端51に至る分岐吸引路50が半径方向に沿って延出する。分岐吸引路50の大部分はハウジングに固定したインサート53にて形成される。外気開放端51はハウジング10の外面に開口して、ハウジング10を把持する使用者の指、すなわち、親指によって容易にアクセスできる。また、この外気開放端51はハウジングの外面に行く程直径が大きくなる丸孔として形成されて使用者の指で閉じることができるものである。更に、外気開放端51は突縁52に囲まれていて使用者が突縁を手探りすることで、容易に外気開放端51が探し出される。
【0017】
美顔処理を行う場合、使用者は外気開放端51を指で塞いでノズル30とアタッチメント40を介して吸引力を作用させる。美顔処理中に使用者が痛みや不快感を感じた場合は、単に、指を外気開放端51から外してノズルを外気に連通させることで、肌に作用している吸引力を直ちに開放することができる。この結果、アタッチメント内に吸引されている肌の一部への吸引力が無くなってアッタッチメント40を容易に外すことができるものであり、アタッチメントを肌から安全に離すことができる。このように、単に外気開放端51を開閉することで吸引力が顔肌に作用するのを有効・無効にすることができるため、ポンプを頻繁にオンオフすることなしに、広い範囲に亘って吸引力を断続的に作用させて肌の処理を行うことができる。更に、外気開放端51への指の押圧力を変える、すなわち、外気開放端を通して逃げる負圧の量を変化させることで、吸引力を最適な値に調節できる。
【0018】
図4で示す美顔器の変更例は、外気開放端51用にフレキシブルなカバー54を設けたこと以外は、第1の実施態様と同一である。こカバー54は、ハウジング外面に露出して使用者の指にて触れることができるもので、通常は外気開放端51を開いたままの位置に保たれ、指で押されると弾性的に変形して外気開放端51を閉じる。通常位置では、外気開放端51がハウジング10内部の大容積部分に連通しており、ポンプで発生する負圧を逃がすようになっている。このカバー54を設けたことにより、外気開放端51が異物で塞がれることが防止でき、信頼性の高い安全な美顔器の動作が得られる。その他の構成は第1の実施態様と同一であることから、同一の部材は同一の符号で示す。
【0019】
第2の実施態様<図5a、5b>
図5aと5bは、本発明の第2の実施態様に係る美顔器を示す。この美顔器は第1の実施態様と基本的に同一であるが、スイッチハンドル18Aの上端にシャッター部19を設けて分岐吸引路50Aの外気開放端51Aを選択的に開閉するようにした点が異なる。同様の部材は同様の番号に「A」を付して示す。スイッチハンドル18Aは、モータ14Aを非通電としてポンプ20Aを停止させるOFF位置(図5a)と、モータ14Aに通電してポンプ20Aを作動させるON位置(図5b)との間でスライド自在である。シャッター部19はスイッチハンドル18Aと一体物として形成されて、スイッチハンドル18AがON位置のときに外気開放端51Aを閉じ、OFF位置のときに外気開放端51Aを開く。このため、スイッチハンドル18AをOFF位置に操作すると直ぐに、肌の一部にアッタチメントを介して作用している負圧を解放することができて、アタッチメント40Aを肌から簡単に離すことができる。
【0020】
第3の実施態様<図6a、6b>
図6aと6bは、本発明の第3の実施態様に係る美顔器を示す。この美顔器は第1の実施態様と基本的に同一であるが、ノズル30Bがハウジング10Bにフロート支持されてノズル30Bとベース34との間に収縮可能な分岐吸引路50Bを形成している点が異なる。同様の部材は同様の番号に「B」を付して示す。ベース34はポンプ20Bの上でハウジング10Bに固定され、可撓性を有するベローズ35によってノズル30Bと結合することで、ノズルが図6bの後退位置と図6aの伸張位置との間で軸方向に沿って移動自在となる。外力を受けない場合、ノズル30はベローズ35が有する可撓性によって伸張位置に保持され、この位置ではノズル30Aの下端がベース34から離間して両者の間に収縮可能な分岐吸引路50Bを形成し、この分岐路がノズルの貫通孔31Aを外気に連通させる。
【0021】
美顔処理を行う場合、図6bに示すように、アッタチメント40Bを肌Sに押し付ける結果、ノズル30Aが後退位置に移動させられ、ノズル30Bの下端がベース34に当接して分岐吸引路50Bを閉じ、吸引力を肌にのみ作用させて肌から汚れを取り除く。使用者が美顔処理を停止したい場合は、ハウジング10Bを肌Sから遠ざけるように引くだけでよく、これによってノズル30Bが図6aに示す伸張位置となる。これによって、分岐吸引路50Bが再び形成されて肌にこれまで作用していた負圧を解放し、アタッチメント40Bを簡単に肌から離すことができる。また、ノズル30Bとベース34との距離を変化させる、すなわち、分岐吸引路50Bの流れ抵抗を変えることで、肌への吸引力を調節することもできる。このことは、顔肌に向けてのハウジングの押し当て加減を調整することで達成できる。ノズル30Bとハウジング10Bとを軸方向に整列させるために、ベース34に設けたガイド突起36をノズル30Bの下端に設けた溝37へスライド自在に嵌合させている。ベース34にはポンプ20Bの吸入口26Bをノズル30Bの貫通孔31Bに連通させる穴38が設けられている。
【0022】
第4の実施態様<図7〜12>
図7、8には、本発明の第4の実施態様に係る美顔器を示す。この美顔器は第1の実施態様と同様で同一のアッタチメント40Cを使用する。同様の部材は同様の番号に「C」を付して示す。この美顔器は、使用者によって把持されるように形成された長尺のハウジング10Cを有し、ハウジングにダイアフラムポンプ20C、モータ14C、電池16Cを内蔵する。ハウジング10Cの上端に形成した凹所12Cの底面からアタッチメント40Cを着脱自在とするノズル30Cが突出する。ノズル30Cは貫通孔31Cを有する筒状で、ポンプ20Cの近傍でハウジング10Cに固定される。
【0023】
ダイアフラムポンプ20Cはポンプケース21Cとダイアフラム23Cとを有し、両者の間にポンプ室24Cを形成する。ダイアフラム23Cは外部往復子22Cを備え、この往復子が偏心カム25Cを介してモータ14Cの出力軸15Cに結合され、出力軸の回転運動がダイアフラム23Cの往復運動に変換されて、逆止弁27を有する吸入口26Cから外気を導入しては逆止弁29を備えた排気口28Cから排出する。吸入口26Cはノズル30Cの貫通孔31Cに連通して吸引力をアタッチメント40Cを介して顔肌に作用させる。ハウジング10C外面のスイッチハンドル18Cは、モータのオンオフのために電池16Cとモータ14Cとを接続するスイッチ17Cに連動する。
【0024】
図9〜11に示すように、ノズル30Cの根元部分から外気開放端51Cに至る分岐吸引路50Cが、ノズル30Cとアッタチメント40Cを通る主吸引路と並列に延出する。この分岐吸引路50Cはノズル30Cのベース34Cを通る半径方向路55とここから外気開放端51Cに延出する可撓性の管56とで構成される。管56はノズル30Cのベース34Cの一側面から延出してスイッチハンドル18Cの上方部分までに引き回され、ここで水平方向に曲げられてモータケース13に接触する形で延出して適宜の取り付け具でモーターケースに支持される。管56の水平部分に対向する部分のハウジング10Cに棒状のアクチュエータ60が配置される。図7及び図11a〜11cに示されるように、アクチュエータ60の両端にはボタン部61が設けられると共にその間に凹所62が形成され、一対の突起63がアクチュエータの裏面に突出する。アクチュエータ60は、中央の凹所62をハウジング10Cの支点部64に係合させてハウジングにスウィング自在に支持されて、突起63を管56に接触させた状態で支点部の周りでスウィングする。
【0025】
図11aは中立位置を示し、ここでは管56の弾性力によってアクチュエータ60が真っ直ぐに維持されて、管56を変形させるすなわち押しつぶす力を実質的に与えることがなくて、管56を開いた状態に維持する。この状態では、負圧、すなわち、ポンプにて発生する吸引力が分岐吸引路50Cを通して解放されて、アッタッチメントを通じて顔肌へ吸引力を作用させることが無い。ボタン部61のいずれかが押し込まれると、アクチュエータ60が管56の弾性に抗して図11bや図11cの位置に向けてスウィングする。この位置では、突起63の一方が対応する管の一部を完全に押し潰して分岐吸引路50Cを閉じる。このようにして、ポンプでの吸引力が全てアッタッチメントを介して顔肌に作用して美顔処理を行うことができる。これに関連して、図12a〜12cに示すように、管の外気開放端を通して逃す負圧の度合いは、ボタン部を押す力、すなわち突起63から管56への力を加減することによって調節できる。従って、美顔処理中に、肌への吸引力を簡単に調整できて最適な性能を得ることができる。いずれにしろ、肌に作用する吸引力を調節したり無くしたりすることは、ハウジングを掴む手の指を単に押したり離したりすることで簡単に行うことができるものである。更に、図7に示すように、ボタン部61はハウジング10Cの長手方向軸に対して両側に設けられているため、左利きや右利きの使用者のどちらでも吸引力の調整のためにボタン部の一つを容易に利用できる。
【0026】
第5の実施態様<図13〜19>
図13と図14は、本発明の第4の実施態様に係る美顔器を示すもので、吸引力による美顔処理の間またはこれと独立して使用者の顔肌にミスト流を付与する加湿器70が加えられている。他の構成及び作用は第3の実施態様と同様である。同様の部材は同様の番号に「D」を付して示す。
【0027】
加湿器70はアッタチメント40Dを用いて美顔処理を行うための吸引力を発生するために使用するダイアフラムポンプ20Dからの排気を有効利用するものである。先ず、加湿器に排気を供給するための機能が追加されたポンプの構造について説明する。ポンプ20Dは、ポンプケース21Dとダイアフラム23Dとを有し、両者の間にポンプ室24Dを形成する。ダイアフラム23Dは往復子22Dを支持し、往復子は偏心カム25Dを介してモータ14Dの出力軸15Dに結合され、出力軸の回転運動がダイアフラム23Dの往復運動に変換されて、逆止弁27Dを有する吸入口26Dから外気を導入しては逆止弁29Dを備えた排気口28Dから排出する。ポンプケース21Dは吸引ノズル30Dのベース34Dと共にハウジング10Dに固定される。吸引ノズル30Dはベース34Dと一体に形成され、ポンプの吸入口26Dに連通する貫通孔31Dを有する。
【0028】
ポンプケース21Dとベース34Dとの間には、排気口28Dから外排気口81に至る排気路80が形成され、外排気口81は外気に開口して、押しボタンスイッチ82によって開閉自在となる。スイッチ82はスイッチハンドル18Dの上方に配置され、外排気口81を開く通常位置にばね83によって付勢されている。顔肌に吸引力を作用させる通常のポンプ動作では、図18aに示すように、外排気口81が開かれていて、ポンプ室からの排気は排気口28D、排気路80、外排気口81を通して排出される。外排気口81と排気口28Dとの間の排気路80からは、分岐排気路85が分岐して、図18bに示すように、外排気口81をスイッチ82で閉じた時に、排気、すなわち、加圧空気を加湿器に供給してミスト流を発生させる。
【0029】
加湿器70は、吸引ノズル30Dの上方でこれに平行に設けた噴霧ノズル71と水タンク74とを備え、水タンク74には蓋76を備えた後供給口から水が供給される。噴霧ノズル71は狭窄部72を有し、狭窄部は水タンク74にホース84を介して接続されて水の供給を受ける。図14〜17に示すように、分岐排気路85は吸引ノズルのベース34に形成した経路85−1と、ベース34Dから噴霧ノズル71の後端に延出するフレキシブルなホース85−2とで構成されて、外排気口81をスイッチ82で閉じた時に、噴霧のズルに排気を供給する。このようにして噴霧ノズル71に導入された排気は狭窄部72を通る空気ジェットを作り出し、水が狭窄部から空気ジェットに吸い上げられて噴霧ノズル71の前端からのミスト流を発生させる。従って、使用者はこのミスト流を単独でまたは吸引力に基づく美顔処理と一緒に利用できる。
【0030】
この実施態様においては、肌に作用する吸引力は、前述の実施例と幾分異なる調節器を用いて調節される。図19aと19bに示すように、この調節器はポンプ室24Dと連通する副室90と、副室90の容積を変化させるアクチュエータ94とで構成される。副室90は、図16、17に示すように、ポンプケース21Dの側面から延出してポンプケース21Dの直下に至る可撓性の管91で形成される。アクチュエータ94はレバースイッチとして設けられて、図16に示すように、その一端をハウジング10Dに枢支して、他端を可撓性管91の一部に係合させる。アクチュエータ94はハウジングの頭部の一側面で、ハウジングを把持する使用者の指が届く範囲に、配置される。外力を加えない状態では、アクチュエータ94は管91を変形乃至押しつぶすような実質的な力を加えることがない通常の位置に保たれる。アクチュエータ94を次第に押し込めば、管91がそれに伴って変形して副室90の容積、すなわち、ポンプ動作に有効なポンプ室の全容積を減少させ、これによってポンプにて発生して肌に作用する吸引力を調節する。これにより、最適で安全な美顔処理を行うことができる。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、本発明の美顔器では、肌に作用する吸引力を調節できて、アッタッチメントを肌から容易に離すことができて、痛みや紫斑を防いだ安全な使用が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施態様に係る美顔器を示す縦断面図。
【図2】同上の美顔器の正面図。
【図3】同上の美顔器の動作説明図。
【図4】第1の実施態様の変更例に係る美顔器の縦断面図。
【図5】(a)と(b)は本発明の第2の実施態様に係る美顔器の主要部を示す縦断面図。
【図6】(a)と(b)は本発明の第3の実施態様に係る美顔器の縦断面図。
【図7】本発明の第4の実施態様に係る美顔器の正面図。
【図8】同上の美顔器の縦断面図。
【図9】同上の美顔器の頭部の内部構造を示す正面図。
【図10】同上の頭部の断面図。
【図11】(a)と(b)と(c)は吸引力の調節動作を示す断面図。
【図12】(a)と(b)と(c)は吸引力を変化させる動作を説明する概略図。
【図13】本発明の第5の実施態様に係る美顔器の正面図。
【図14】同上の美顔器の主要部を示す縦断面図。
【図15】同上の美顔器の主要部を示す平断面図。
【図16】同上の美顔器の頭部内部構造を示す正面図。
【図17】同上の美顔器の主要部を示す斜視図。
【図18】(a)と(b)は同上の美顔器でのミスト発生を説明する概略図。
【図19】(a)と(b)は同上の美顔器のポンプ動作を示す概略図。
【符号の説明】
10 ハウジング
14 モータ
18 スイッチハンドル
19 シャッター部
20 ダイアフラムポンプ
24 ポンプ室
26 吸入口
28 排気口
30 ノズル
40 アタッチメント
50 分岐吸引路
51 外気開放端
55 経路
56 管
60 アクチュエータ
61 ボタン部
70 加湿器
71 噴霧ノズル
72 狭窄部
74 水タンク
80 排気路
81 外排気口
82 押しボタンスイッチ
85 分岐排気路
90 副室
94 可撓性チューブ
94 アクチュエータ

Claims (4)

  1. ノズル及びこのノズルを通して吸引力を発生する吸引ポンプを備えたハウジングと、上記ノズルに結合されて上記吸引力を肌に作用させて肌から皮脂や汚れを取り除くアタッチメントとで構成され、上記吸引ポンプのポンプ特性を変化させてアッタチメントを通じて肌に作用する吸引力を調節する調節器が設けられ
    上記調節手段は、上記ノズルから外気開放端に延出する分岐吸引路と、ハウジング外面に設けられて上記吸引ポンプの作動・停止を行うスイッチハンドルとで構成され、上記スイッチハンドルがシャッターと連動し、スイッチハンドルが吸引ポンプを作動させるON位置の時にシャッターが上記外気開放端を閉じ、スイッチハンドルが吸引ポンプを停止させるOFF位置の時にシャッターが外気開放端を開くようになったことを特徴とする美顔器。
  2. ノズル及びこのノズルを通して吸引力を発生する吸引ポンプを備えたハウジングと、上記ノズルに結合されて上記吸引力を肌に作用させて肌から皮脂や汚れを取り除くアタッチメントとで構成され、上記吸引ポンプのポンプ特性を変化させてアッタチメントを通じて肌に作用する吸引力を調節する調節器が設けられ、上記調節手段は、上記ノズルから外気開放端に延出する収縮可能な分岐吸引路と、上記ノズルをハウジングに対してフロート支持する機構とで構成され、この機構によってアタッチメントを肌より離れさせることを可能とする伸張位置と、アタッチメントを肌に押し付けることを可能とする後退位置との間でノズルが移動自在となり、後退位置でのノズルが上記収縮可能な分岐吸引路を閉塞し、伸張位置でのノズルが収縮可能な分岐吸引路を外気に開放することを特徴とする美顔器
  3. ノズル及びこのノズルを通して吸引力を発生する吸引ポンプを備えたハウジングと、上記ノズルに結合されて上記吸引力を肌に作用させて肌から皮脂や汚れを取り除くアタッチメントとで構成され、上記吸引ポンプのポンプ特性を変化させてアッタチメントを通じて肌に作用する吸引力を調節する調節器が設けられ、
    上記吸引ポンプは吸引力を発生させる主ポンプ室を有し、上記調節手段は、主ポンプ室と連通する副室と、この副室の容積を変化させるアクチュエータとで構成され、
    上記の副室は上記吸引ポンプから閉塞端に延出する可撓性の管で構成され、上記のアクチュエータがこの可撓性の管の一部に接触してこれを押し付けて副室の体積を変化させることを特徴とする美顔器
  4. 請求項3に記載の美顔器において、上記ノズルに近接して肌に向けてミスト流を与える加湿器が設けられ、この加湿器は、狭窄部を有するスプレーノズルと、狭窄部へ水を供給するための水タンクと、吸引ポンプの排気口に排気路を介して連通する外排気口を選択的に開閉するスイッチと、排気口と外排気口との間の排気路から分岐してスプレーノズルに至る分岐排気路とで構成され、上記分岐排気路はスイッチによる外排気口の閉塞に応答して、スプレーノズルに加圧空気を導入して狭窄部を通る空気ジェットを与え、これにより水を空気ジェットに吸い上げてミスト流を発生させることを特徴とする美顔器。
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