JP3870500B2 - オーダリングプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は医療又は福祉などの施設に入院又は入居している一時外泊者の帰院変更の可否判断を行うシステム技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ネットワークコンピューティング技術を利用したアプリケーション処理は益々高度化・複雑化しているが、これ等処理情報は全てコンピュータの大容量の記憶装置内に整然と記憶され、必要に応じて端末からの処理要求に応え、結果を利用者に提供出来るようにシステム設計・構築されるのが一般的である。
【0003】
然るにこれ等アプリケーション処理(業務を遂行するための処理)の結果としてコンピュータに記憶された各種情報の有効利用・活用の観点からすると、まだ不十分な現況であると言える。
【0004】
病院などの医療施設又は老人ホーム、介護などの福祉施設に於いても例にもれず、特に大病院などでは数百から数千床に及ぶ入院患者に対して、医師を情報の発生源とする診療上の詳細な各種オーダ(検査オーダ、処方オーダ、注射オーダ、給食オーダ、手術オーダなど)情報が個人毎にコンピュータ及びカルテなどに記録・管理される様な大規模なアプリケーションシステム(オーダリングシステム)も増加している。
【0005】
そしてこれ等蓄積された情報は担当医を中心とした専門部門の医療スタッフ(看護婦、検査技師、放射線技師、薬剤士など)によるオーダに対する実施行為により時々刻々更新され、計画的に遅滞無く整然と診療が行える様、システム設計・構築が行われている。
【0006】
しかし、この様な入院患者の診療スケジューリングに対しての変更要因には色々あり、例えば患者の容態変化や都合、担当医や医療スタッフの都合、或いは検査機器や手術室などの物的使用状況など、その種類、レベルもまちまちであり、一部の変更に際しても種々のオーダへの相互影響を配慮して素早く、ミスのないよう対応する必要があるが、現状ではカルテ内容やコンピュータに記憶された目的別の情報などを基に、関係者によるコミュニケーションに依存して判断・実行されているのが実情である。
【0007】
従って、一時外泊を許可された患者(外泊者)の帰院予定についても、患者の都合により変更が要請された場合、前記のような診療に直接関係する、所謂各種診療系オーダに影響を及ぼす変更については担当医の可否判断のもと関係部門で調整され、又給食(食事)オーダの内でも一般食の食事オーダのように必ずしも担当医の判断を必要としない、所謂非診療系オーダに影響を及ぼす変更については関係部門の可否判断に基づき決定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
入院患者が一時外泊を許可された後、患者の都合により帰院の予定変更が要請された場合、現状では前述の様に帰院予定の前後に於ける各種の診療系オーダ、非診療系オーダの発行状況をカルテ、看護記録などの診療記録やコンピュータなどにより検索し、帰院予定の変更が他のオーダに及ぼす影響或いは他のオーダからの制約を調査し、関係者による電話などのコミュニケーションに依存して可否判断される場合が多く、診療記録を探すなど情報の検索に費やしたり、他のオーダとの相互影響を調査したり、或いは関係者の所在を明かしたりする時間と労力には多くの無駄があり、患者からの変更要請に対してタイムリーな応答が出来ない上、院内の関係部門間の連絡ミスなどにより帰院したのに食事が無いなどの問題があった。
【0009】
本発明はこのような点にかんがみて、入院患者の一時外泊に於ける帰院予定の変更要請に対しコンピュータ内のデータベースを活用し、その可否判断をミスなくタイムリーに行い、変更要請受け入れに際しては変更オーダを自動発生する手段を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題は下記の如くに構成されたオーダリングシステムによって解決される。
【0011】
図1は、本発明のシステム構成図である。即ち、
医療又は福祉施設に於ける一時外泊者の帰院変更要請に対するコンピュータによる可否判断システムに於いて、
外泊者の外泊情報を記憶する外泊情報記憶手段10と、
外泊者の担当医から発行された検査などの診療オーダを記憶する診療系オーダ記憶手段11と、
一般食オーダなどの非診療オーダを記憶する非診療系オーダ記憶手段12と、
前記外泊情報記憶手段、診療系オーダ記憶手段、非診療系オーダ記憶手段の情報から外泊者の帰院変更要請許可を判定する判定手段13と、
を備え、オーダリングシステム実施の結果蓄積された各種オーダ情報を活用することにより、より一層効率的な施設運営が可能となると同時に外泊者サービスの一層の向上につながる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のシステム構成図は、前述の図1に示した通りであるが、図中に於ける外泊情報記憶手段としての外泊情報記憶DB(DB1)、診療系オーダ記憶手段としての診療系オーダ記憶DB(DB2)、及び非診療系オーダ記憶手段としての非診療系オーダ記憶DB(DB3)について、そのレイアウト例を図2に示している。即ち、
図2(1)は外泊情報記憶DB(DB1)のレイアウト例であり、患者IDなどの患者属性をキーとして、外泊オーダの開始日時及び帰院オーダ日時が記憶装置にファイルとして記憶されている。例えば患者Aさんは、1997年7 月21日の16時00分から1997年7 月22日の14時00分までの外泊オーダが発行されていることを示している。
【0013】
図2(2)は診療系オーダ記憶DB(DB2)のレイアウト例であり、患者IDなどの患者属性をキーとして、オーダの種別及びオーダ日が記憶装置にファイルとして記憶されている。例えば患者Aさんには、二つのオーダが発行されており、一つは1997年7 月23日、8 時00分からの検査前の欠食オーダであり、他方は1997年7 月24日、10時00分からの検査オーダであることを示している。
【0014】
図2(3)は非診療系オーダ記憶DB(DB3)のレイアウト例であり、概ね前記DB2と同様に、患者IDなどの患者属性をキーとして、オーダの種別及びオーダ日が記憶装置にファイルとして記憶されている。例えば患者Aさんには、1997年7 月21日からの食事として一般食オーダが発行され、又1997年7 月24日には寝具取替えの寝具オーダが発行されていることを示している。
【0015】
本発明は、オーダリングシステム実施の結果蓄積されたこれ等各種オーダ情報を活用することにより短時間で帰院変更に対する判断情報を得るものであるが、図3は外泊者が当初予定していた帰院日時を変更したい旨要請された場合に、当該患者に発行されている各種オーダへの影響を参酌し、その可否判断を行う処理フローを示したものである。
【0016】
先ずステップ30に於いて、外泊者からの電話などにより連絡される、希望する帰院日時変更情報などを入出力する端末の画面上で、帰院変更メニューが選択された後、ステップ31に於いて、当該外泊者の患者IDが入力される。
【0017】
この入力された患者IDをキーにして、ステップ32に於いて前述の外泊情報記憶DB(DB1)、診療系オーダ記憶DB(DB2)、及び非診療系オーダ記憶DB(DB3)の各情報がメモリ上に読み込まれ、ステップ33に於いて前記読み込まれた当該患者のオーダ情報をカレンダー形式に展開・編集して画面上に一覧表示する。
【0018】
次にステップ34に於いて当該患者の希望する帰院変更日時が入力されるが、ステップ35に於いて、この変更が検査などの診療系オーダに影響するか否かを判断し、影響がない場合には、次にステップ36に於いて同様に一般食の食事などの様な非診療系オーダに影響するか否かを判断し、影響がない場合には、ステップ37に於いて、当該患者の希望通り帰院日時変更が可能と判断し、当該患者に確認の上、帰院日時の変更オーダを自動発行して処理を終了する。
【0019】
又、ステップ35或いはステップ36に於いて、帰院変更が診療系オーダ又は非診療系オーダに影響すると判断した場合には、ステップ38に於いてその影響度合いの詳細情報と判断情報を、前記カレンダー形式の一覧表示と共に同一画面上に表示し、これにオペレータの判断(院内のやりとり含む)をも含め、結果情報を当該患者に伝言する。これに対し当該患者から希望条件の変更依頼が要請された場合にはステップ39に於いて、再度ステップ34の希望変更日時の入力に戻り前記の動作を繰り返す。ステップ39で希望条件の変更がなければ、先の結果情報に対する当該患者の意向により、ステップ40に於いて希望変更日時を希望通り実行するか、或いは変更を取消すかを選択し、希望通り実行の場合にはステップ41に於いて、帰院オーダの変更はもとより、関係するオーダについても変更オーダを自動発行して、ステップ40の変更取消しの場合を含め処理を終了するものである。
【0020】
図4〜図7は、本発明の実施例に於ける画面例であり、本例では図2に於けるA患者のデータを取り上げて説明したものである。
各図の上段に記載された(A−0)はA患者のオーダ情報に対して、前述図3のステップ33で説明したカレンダー形式で表示した画面例であり、7 月21日〜7 月24日までのA患者のオーダ情報、即ち外泊オーダ、欠食オーダ、検査オーダ、一般食の食事オーダについて一覧表示したものである。
【0021】
又、各図の下段に記載された(A−n)はA患者のオーダ情報に対して、前述図3のステップ35又はステップ36で説明した、患者の帰院変更が診療系オーダ又は非診療系オーダに影響すると判断した場合にその影響度合いを示す詳細情報と判断情報の表示画面例であり、これ等カレンダー形式の画面と、他オーダへの影響度合いを示す詳細情報と判断情報の画面は、見易さを考慮して同一画面としている。尚、以降の説明に於いて、患者からの帰院変更希望の連絡は、7 月22日の12時00分にあったものと想定する。
【0022】
図4の画面例−1は、A患者のオーダ情報(A−0)に対して、帰院変更希望が7 月23日の14時00分である場合の例であり、(A−1)はその時の他オーダへの影響度合いを示す詳細情報と判断情報を表示したものである。
【0023】
(A−1)の表示内容は、大別して<帰院予定前後のオーダ状況>、<判断情報>、<患者の選択>の各欄から成っており、<帰院予定前後のオーダ状況>欄では、患者に発行された各オーダに対して、担当医の判断要否、及び変更の可否を〇(オーダの変更なし)、△(オーダの変更必要)、×(オーダの変更不可)の3段階で、その影響の度合いを表現する様に成っている。本ケースの変更希望に対しては、7/22日の夕食オーダは一般食のため担当医の判断は不要で、夕食オーダの変更は可能(△)であるが、7/23日の検査前欠食オーダと7/24日の検査オーダは担当医の判断が必要で、両オーダとも変更が不可(×)であることを意味している。
【0024】
従って、総合判断としての<判断情報>欄では(×)で「検査オーダ予定のため、帰院の変更は基本的には不可で、担当医の判断が必要」となっている。
これ等情報をA患者に伝言し、患者の意向を加味して次の<患者の選択>欄で「条件変更」、「実行」、「変更取消」のいずれかをマウスなどで選択することになるが、ここで「実行」を選択した場合に、前記変更可否欄の△印と×印のオーダが関係オーダとして自動変更の対象となる。
【0025】
図5の画面例−2は、A患者のオーダ情報(A−0)に対して、帰院変更希望が7 月22日の18時00分である場合の例であり、(A−2)はその時の他オーダへの影響度合いを示す詳細情報と判断情報を表示したものである。
【0026】
本ケースに於いては、担当医の判断が必要な7/23日の検査前欠食オーダと7/24日の検査オーダの変更は必要ないが、7/22日の夕食オーダを取り消す必要がある。従って、患者には7/22日の夕食を済ませて帰院することを伝言する。
【0027】
図6の画面例−3は、A患者のオーダ情報(A−0)に対して、帰院変更希望が7 月22日の16時00分である場合の例であり、(A−3)はその時の他オーダへの影響度合いを示す詳細情報と判断情報を表示したものである。
【0028】
本ケースに於いては、7/22日の夕食オーダ、7/23日の検査前欠食オーダ、及び7/24日の検査オーダの全てのオーダについて変更の必要がなく、帰院変更を希望通り「実行」可能なケースである。
【0029】
次に、図7の画面例−4は、A患者のオーダ情報(A−0)に対して、帰院変更希望が7 月22日の12時00分である場合の例であり、(A−4)はその時の他オーダへの影響度合いを示す詳細情報と判断情報を表示したものである。
【0030】
本ケースに於いては、7/22日の夕食オーダ、7/23日の検査前欠食オーダ、及び7/24日の検査オーダの全てのオーダについて変更の必要がなく、帰院変更を希望通り「実行」可能なケースであるが、7/22日の昼食オーダはもともと予定されておらず、患者には7/22日の昼食を済ませて帰院することを伝言する必要がある。
【0031】
以上、本実施例では、患者が帰院変更希望を電話などにより、院内のオペレータに連絡し、院内に置かれた端末から各種情報を入出力する形態で記述したが、これを院内のコンピュータに回線経由で患者側の端末を接続して、患者側のオペレーションにより直接、帰院オーダの変更を行う様にしても良い。
【0032】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明によれば、医療又は福祉などの施設に入院又は入居している一時外泊者の帰院変更要請に対し、その可否判断を表示画面上で見易くタイムリーに行え、時間と労力の軽減を図ることが出来ると同時に、変更要請受け入れに際してのオーダ変更を自動化することにより変更上のミスも防止でき、外泊者に対するサービスの向上に寄与するという著しい工業的効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシステム構成図
【図2】 DB1/DB2/DB3のレイアウト例
【図3】 帰院変更要請の可否判断処理フロー
【図4】 本発明による実施例の画面例−1
【図5】 本発明による実施例の画面例−2
【図6】 本発明による実施例の画面例−3
【図7】 本発明による実施例の画面例−4
【符号の説明】
10 外泊情報記憶DB
11 診療系オーダ記憶DB
12 非診療系オーダ記憶DB
13 判定手段
Claims (2)
- 医療又は福祉施設における一時外泊者の帰院変更要請に対するオーダリングプログラムを記録した記録媒体であって、
コンピュータを、
前記外泊者の情報と帰院日時情報とを記憶した外泊情報記憶手段、
前記外泊者の情報と診療の実施をする日時情報とを関連付けて、診療に関する診療に関するオーダ情報として記憶した診療オーダ記憶手段、
前記外泊者の情報と非診療の実施をする日時情報とを関連付けて、非診療に関するオーダ情報として記憶した非診療オーダ記憶手段、
前記外泊者の情報と変更帰院日時情報とからなる帰院変更要請があった場合に、オーダ情報の変更処理を行う前に、前記外泊者の情報に対応する前記診療オーダ記憶手段、及び、前記非診療オーダ記憶手段から該外泊者の情報に該当する前記診療に関するオーダ情報及び前記非診療に関するオーダ情報を抽出する抽出手段、
前記変更帰院日時情報に変更した場合に、当該変更帰院日時情報と前記抽出手段により抽出した前記診療に関するオーダ情報及び前記非診療に関するオーダ情報が有する前記日時情報とを比較して、前記診療に関するオーダ情報が有する日時情報において帰院しているか否か及び前記非診療に関するオーダ情報が有する日時情報において帰院しているか否かを判断する判断手段、
前記判断手段に基づき前記非診療に関するオーダ情報が有する日時情報において帰院していない場合にはオーダ情報の変更が発生する旨を表示し、前記診療に関するオーダ情報が有する日時情報において帰院していない場合にはオーダ情報の変更が不可能である旨を表示すると共に、担当医の判断が必要な旨を表示する表示手段、
として機能させることを特徴とするオーダリングプログラムを記録した記録媒体。 - 前記判断手段が、前記非診療に関するオーダ情報が有する日時情報において帰院していないと判断した場合に、前記変更帰院日時情報を前記外泊情報記憶手段に登録すると共に前記変更の対象となる非診療に関するオーダ情報について当該非診療オーダ記憶手段を更新し登録する登録手段、
として更に機能させることを特徴とする請求項1記載のオーダリングプログラムを記録した記録媒体。
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