JP3870233B2 - 回転数検出装置、物体計測システムおよび回転数検出方法 - Google Patents

回転数検出装置、物体計測システムおよび回転数検出方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転数検出装置、物体計測システムおよび回転数検出方法に関する。さらに詳しくは、自転する物体の自転速度を検出するための回転数検出装置、物体計測システムおよび回転数検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から自転しながら移動する物体の自転速度を検出する場合、例えば白と黒に交互に着色した物体に光を当てて反射光の明暗周期から自転回転数を求めたり、高速度カメラによって物体を撮影して画像を解析することによって自転回転数を求めたりしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前者の方法では、計測する物体をあらかじめ着色しておかなければならず、ゴルフやテニス等の試合中において、実際に競技者が使用しているボール等の回転数は求めることができない。
また、高速度カメラの場合、カメラの撮影範囲内に物体が入ったときに撮影を開始させるトリガー信号が必要であるため、ゴルフやテニス等の試合中において、飛んでいるボールを捉えて撮影することは困難であるし、撮影された画像の解析には時間と手間がかかるし、装置が高価であるという問題がある。
【0004】
本発明はかかる事情に鑑み、一般的に使用される物体であってもその自転回転数を簡単かつ容易に検出することができる回転数検出装置および回転数検出方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の回転数検出装置は、自転する物体の自転回転数を検出する検出装置であって、該検出装置が、前記物体に向けて周波数が一定である発信信号を発信する発信手段と、前記物体で反射した反射信号を受信する受信手段と、該受信手段が受信した前記反射信号が入力され、該反射信号の周波数スペクトル関数を形成する信号処理手段とからなり、該信号処理手段が、前記周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が所定の値以上となる周波数スペクトルの幅である周波数帯を算出し、この周波数帯の大きさに基づいて回転数を算出することを特徴とする。
請求項2の回転数検出装置は、請求項1記載の発明において、前記周波数帯が、前記周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が最大となる周波数を基準周波数とする周波数帯域幅であることを特徴とする。
請求項3の回転数検出装置は、請求項1記載の発明において、前記周波数スペクトル関数が、複数の周波数において極大値を有する場合であって、前記周波数帯が、前記周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が極大値となる一の周波数と、前記反射信号の強度が極大値となる他の周波数との間の周波数領域であることを特徴とする。
請求項4の回転数検出装置は、請求項3記載の発明において、前記一の周波数が、前記周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が最大となる周波数であることを特徴とする。
請求項5の回転数検出装置は、請求項1記載の発明において、前記信号処理手段に、前記発信信号の周波数情報が入力されており、前記信号処理手段が、前記発信信号の周波数と前記周波数スペクトル関数において前記反射信号の強度が最大となる周波数との差を算出することを特徴とする。
請求項6の物体計測システムは、請求項1,2,3,4または5記載の回転数検出装置を複数台備えたシステムであって、各回転数検出装置が、前記周波数帯に対応する回転速度信号を発信する発信部を備えており、前記システムが、
各回転数検出装置の信号処理器の発信部が発信した回転速度信号が入力される移動状況解析手段を備えており、該移動状況解析手段が、各回転数検出装置から送信された回転速度信号と、前記複数の回転数検出装置同士の相対的な位置関係を示す位置情報とから前記物体の自転軸の傾きを算出することを特徴とする。
請求項7の物体計測システムは、請求項6記載の発明において、各回転数検出装置の信号処理器の発信部が発信した前記発信信号の周波数と前記周波数スペクトル関数において前記反射信号の強度が最大となる周波数との差に対応する移動速度信号が、前記移動状況解析手段に入力されており、該移動状況解析手段が、各回転数検出装置から送信された移動速度信号と、前記複数の回転数検出装置同士の相対的な位置関係を示す位置情報とから前記物体の並進速度ベクトルを算出することを特徴とする。
請求項8の回転数検出方法は、自転する物体の自転回転数を検出する検出方法であって、自転する物体に向けて発信信号を発信し、前記物体で反射した反射信号を受信し、受信した前記反射信号を用いて該反射信号の周波数スペクトル関数を形成し、該周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が所定の値以上となる周波数スペクトルの幅である周波数帯を算出し、この周波数帯の大きさに基づいて回転数を算出することを特徴とする。
請求項9の回転数検出方法は、請求項8記載の発明において、前記周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が最大となる周波数を基準周波数とする周波数帯域幅を算出することを特徴とする。
請求項10の回転数検出方法は、請求項8記載の発明において、前記周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が極大値となる一の周波数と、前記反射信号の強度が極大値となる他の周波数を算出することを特徴とする。
請求項11の回転数検出方法は、請求項10記載の発明において、前記一の周波数として、前記周波数スペクトル関数における前記反射信号の強度が最大となる周波数を算出することを特徴とする。
【0006】
請求項1の発明によれば、物体が自転している場合において、物体の自転にのみ起因して発生する物体表面の接線方向の速度ベクトルを回転速度ベクトルとする。すると、発信手段によって発信された発信信号が自転する物体の表面で反射すると、物体の表面で反射した反射信号のうち、回転速度ベクトルが発信信号の進行方向と逆向きの速度成分を有する表面で反射した反射信号の周波数は、ドップラー効果によって、発信信号の周波数よりも周波数が高くなる。逆に、回転速度ベクトルが発信信号の進行方向と同じ向きの速度成分を有する表面で反射した反射信号の周波数は、ドップラー効果によって、発信信号の周波数よりも周波数が低くなる。したがって、物体表面で反射した反射信号の周波数スペクトル関数は、その強度が所定の値以上となる周波数成分が広がりをもつことになる。よって周波数スペクトル関数において、その強度が所定の値以上となる周波数帯を算出すれば、物体の表面における接線方向の速度、つまり回転速度ベクトルの大きさを求めることができる。そして、一般的に使用される物体であっても、その物体において、その自転軸と垂直な断面の半径さえ分かっていれば、回転速度ベクトルの大きさからその物体の自転回転数を簡単かつ容易に検出することができる。また、物体が自転しながら移動している場合においても、回転速度ベクトルが発信信号の進行方向と逆向きの速度成分を有する表面で反射した反射信号の周波数は、物体の移動速度に起因する反射信号の周波数よりも周波数が高くなり、逆に、回転速度ベクトルが発信信号の進行方向と同じ向きの速度成分を有する表面で反射した反射信号の周波数は、物体の移動速度に起因する反射信号の周波数よりも周波数が低くなる。したがって、周波数スペクトル関数において、その強度が所定の値以上となる周波数帯を算出すれば、物体が移動している場合であっても、回転速度ベクトルの大きさを求めることができる。
請求項2の発明によれば、受信手段で受信された反射信号の周波数スペクトル関数は、物体の移動速度に対応する周波数(物体が停止している場合には、発信信号の周波数)を中心とする山形の波形となる。このため、周波数スペクトル関数において、物体の移動速度に対応する周波数、つまり反射信号の強度が最大となる周波数を基準周波数として、その周波数帯域幅を求めれば、物体の表面における接線方向の速度、つまり回転速度ベクトルの大きさを正確に求めることができる。よって、一般的に使用される物体であっても、その自転軸と垂直な断面の形状が円形であり、かつその物体の半径さえ分かっていれば、回転速度ベクトルの大きさからその物体の自転回転数を正確に検出することができる。
請求項3の発明によれば、周波数スペクトル関数は、物体の移動速度に対応する周波数(物体が停止している場合には、発信信号の周波数)だけでなく、物体の自転軸をはさんで左右両側の端面で反射した周波数近傍でも極大値を有する場合がある。物体の左右両側の端面の速度は、物体の移動速度(物体が停止している場合には、移動速度=0)から物体の表面の速度、つまり回転速度ベクトルの大きさを引いた速度または物体の移動速度(物体が停止している場合には、移動速度=0)に回転速度ベクトルの大きさを加えた速度とほぼ同じ値となる。このため、周波数スペクトル関数において極大値となる複数の周波数のうち、いずれか2つの周波数の差を求めれば、回転速度ベクトルの大きさをより正確に求めることができる。よって、一般的に使用される物体であっても、その物体の半径さえ分かっていれば、回転速度ベクトルの大きさからその物体の自転回転数を正確に検出することができる。そして、左右両側の端面近傍から反射される反射信号にノイズが多く含まれる場合でも、そのノイズの影響を抑えることができる。
請求項4の発明によれば、一の周波数を基準周波数とすれば、周波数帯域幅を正確に求めることができるので、物体の表面の速度、つまり回転速度ベクトルの大きさを正確に求めることができる。
請求項5の発明によれば、物体が移動している場合、物体の自転回転数だけでなく、物体の移動速度も計測することができる。
請求項6の発明によれば、移動状況解析手段によって複数の回転数検出装置から入力された回転数信号と各測定装置の相対的な位置から物体の表面の速度ベクトル、つまり回転速度ベクトルを算出することができるので、物体の自転軸の傾きを求めることができる。
請求項7の発明によれば、物体が移動している場合、移動状況解析手段によって複数の回転数検出装置から入力された移動速度信号と各測定装置の相対的な位置から物体の並進速度ベクトルを算出することができる。このため、物体の自転が物体の移動方向に与える影響を把握することができる。
請求項8の発明によれば、物体が自転している場合において、物体の自転にのみ起因して発生する物体表面の接線方向の速度ベクトルを回転速度ベクトルとする。すると、自転する物体に向けて発信された発信信号が物体の表面で反射すると、物体の表面で反射した反射信号のうち、回転速度ベクトルが発信信号の進行方向と逆向きの速度成分を有する表面で反射した反射信号の周波数は、ドップラー効果によって、発信信号の周波数よりも周波数が高くなる。逆に、回転速度ベクトルが発信信号の進行方向と同じ向きの速度成分を有する表面で反射した反射信号の周波数は、ドップラー効果によって、発信信号の周波数よりも周波数が低くなる。したがって、物体表面で反射した反射信号の周波数スペクトル関数は、その強度が所定の値以上となる周波数成分が広がりをもつことになる。よって周波数スペクトル関数において、その強度が所定の値以上となる周波数帯を算出すれば、物体の表面における接線方向の速度、つまり回転速度ベクトルの大きさを求めることができる。そして、一般的に使用される物体であっても、その物体において、その自転軸と垂直な断面の半径さえ分かっていれば、回転速度ベクトルの大きさからその物体の自転回転数を簡単かつ容易に検出することができる。また、物体が自転しながら移動している場合においても、回転速度ベクトルが発信信号の進行方向と逆向きの速度成分を有する表面で反射した反射信号の周波数は、物体の移動速度に起因する反射信号の周波数よりも周波数が高くなり、逆に、回転速度ベクトルが発信信号の進行方向と同じ向きの速度成分を有する表面で反射した反射信号の周波数は、物体の移動速度に起因する反射信号の周波数よりも周波数が低くなる。したがって、周波数スペクトル関数において、その強度が所定の値以上となる周波数帯を算出すれば、物体が移動している場合であっても、回転速度ベクトルの大きさを求めることができる。
請求項9の発明によれば、受信された反射信号の周波数スペクトル関数は、物体の移動速度に対応する周波数(物体が停止している場合には、発信信号の周波数)を中心とする山形の波形となる。このため、周波数スペクトル関数において、物体の移動速度に対応する周波数、つまり反射信号の強度が最大となる周波数を基準周波数として、その周波数帯域幅を求めれば、物体の表面における接線方向の速度、つまり回転速度ベクトルの大きさを正確に求めることができる。よって、一般的に使用される物体であっても、その物体の半径さえ分かっていれば、回転速度ベクトルの大きさからその物体の自転回転数を正確に検出することができる。
請求項10の発明によれば、周波数スペクトル関数は、物体の移動速度に対応する周波数(物体が停止している場合には、発信信号の周波数)だけでなく、物体の自転軸をはさんで左右両側の端面で反射した周波数近傍でも極大値を有する場合がある。物体の左右両側の端面の速度は、物体の移動速度(物体が停止している場合には、移動速度=0)から物体の表面の速度、つまり回転速度ベクトルの大きさを引いた速度または物体の移動速度(物体が停止している場合には、移動速度=0)に回転速度ベクトルの大きさを加えた速度とほぼ同じ値となる。このため、周波数スペクトル関数において極大値となる複数の周波数のうち、いずれか2つの周波数の差を求めれば、回転ベクトルの大きさをより正確に求めることができる。よって、一般的に使用される物体であっても、その物体の半径さえ分かっていれば、回転速度ベクトルの大きさからその物体の自転回転数を正確に検出することができる。
請求項11の発明によれば、一の周波数を基準周波数とすれば、周波数帯域幅を正確に求めることができるので、物体の表面の速度、つまり回転速度ベクトルの大きさを正確に求めることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
本発明の回転数検出装置は、自転する物体の表面の接線方向の速度を検出し、その接線方向の速度から物体の自転回転数を算出するものであり、停止した物体だけでなく、移動しながら自転する物体の自転回転数を算出することができるものである。
なお、本発明の回転数検出装置によって自転回転数を計測することができる物体の形状は、自転軸に垂直な断面が円形である球や円柱等に限られず、自転軸に垂直な断面が四角形や長方形等の多角形状等でもよく、その形状に特に限定はない。
以下には、理解を容易にするために、代表として自転軸と垂直な断面が円形の物体について説明する。
【0008】
まず、装置の構成を説明する前に、本発明の回転数検出装置の測定原理を説明する。
なお、以下の説明では、測定原理を分かりやすく説明するために、発信信号Fwの進行方向と逆向きに移動する物体(以下、移動物体Mという)の場合を説明する。そして、静止している物体の場合には、以下に示す移動物体Mの移動速度|V0|を0とすればよい。
【0009】
図2は本発明の回転数検出装置1の測定原理を示した概略説明図であって、(A)は移動物体Mが自転していない場合であり、(B)は移動物体Mが自転している場合である。図3は(A)は移動物体Mが自転している場合において、中心面方向ベクトルVCと位相角θとの関係を示した図であり、(B)は反射信号Rwの周波数スペクトル関数を示した図である。
【0010】
図2において、符号B1は移動物体Mに向けて周波数が一定の発信信号Fwを発信する発信手段を示している。この発信手段B1が発信する発信信号Fwは、例えば電波などの電磁波や超音波であるが、周波数が一定の信号であれば、特に限定はない。
図2(A)に示すように、移動物体Mに向けて発信された発信信号Fwは、移動物体Mの表面で反射して反射信号Rwとなる。この反射信号Rwは、ドップラー効果により移動物体Mの並進速度ベクトルVhのうち、移動物体Mから発信手段B1に向かう方向の速度成分の大きさ|V0|(以下、単に移動速度|V0|という)に対応した周波数だけ発信信号Fwに対して周波数がシフトし、その周波数はFR0となる。したがって、発信信号Fwの周波数F0と反射信号Rwの周波数FR0の差、つまり周波数シフト量Sから、移動速度|V0|を求めることができる(図3(B)参照)。
【0011】
そして、図2(A)に示すように、移動物体Mが自転していない場合には、移動物体Mの表面のどの位置でも、移動物体Mの速度成分は、その値が全て同じになる。したがって、その表面で反射される反射信号Rwは、移動物体Mの表面において、発信手段B1と移動物体Mの中心とを含む面(以下、単に中心面という)が交わる部分で反射した反射信号Rwの周波数と、中心面からずれた位置で反射した反射信号Rw1 の周波数が同じ値になる。
このため、図3(B)に示すように、移動物体Mが自転していない場合における反射信号Fwの周波数スペクトル関数Fsa は、その中心周波数CFに対して、ほとんど広がりを有しないものとなる。
【0012】
ところが、図2(B)に示すように、移動物体Mが紙面と垂直な自転軸を中心として反時計回りに自転している場合、前記中心面(図2では紙面に垂直な面)と交わる部分以外の移動物体Mの表面の速度は、移動物体Mの自転にのみ起因して発生する移動物体M表面の接線方向の速度ベクトル、つまり移動物体Mの並進速度ベクトルVhの影響を含まない移動物体M表面の速度ベクトル(以下、回転速度ベクトルVという)の影響を受ける。
このため、移動物体Mの表面において、並進速度ベクトルVhと回転速度ベクトルVの両方の影響を受けた表面の速度ベクトルにおける、その中心面と平行な方向、つまり発信信号Fwの進行方向と平行な方向の速度成分VC(以下、単に中心面方向成分VCという)の大きさは、位置によって移動物体Mの移動速度|V0|に対して変化する。つまり移動物体Mの表面のある点Pと移動物体Mの自転軸を結ぶ線Aが、前記中心面と成す角がθ(以下、位相角θという)の場合、点Pにおける中心面方向成分VCは、以下の式で表わされ、図3(A)に示すような関数となる。
VC=|V0|−|V| cos(π/2−θ)
=|V0|−Rω cos(π/2−θ)
(なお、R=移動物体の半径、ω=移動物体の回転角速度であり、θは反時計回りを正としている。)
このため、図3(B)に示すように、移動物体Mが自転している場合における反射信号Fwの周波数スペクトルFsb は、移動物体Mの移動速度|V0|に対応する反射信号RW0 の周波数FR0 を中心周波数CFとして広がりを有することになる。
【0013】
そして、図3(A)に示すように、中心面方向成分VCは、図2(B)における点P1、つまり前記位相角θが−90°となる点で最大速度V1となり、点P2、つまり前記位相角θが90°となる点で最小速度V2となる。したがって、反射信号Fwの周波数スペクトルFsb の幅(以下、周波数帯BFという)は、最大速度V1のときの周波数FR1と最小速度V2のときの周波数FR2の差によって決定される。つまり、周波数帯BFは、回転速度ベクトルVの大きさ|V|と一定の関係を有し、移動物体Mにおいて、自転軸に対して垂直な断面の形状が円形であれば、周波数帯BFと回転速度ベクトルVの大きさ|V|の関係は、以下の式で表される。
|V|=(BF/2F)VS(VSは音速)
つまり、回転速度ベクトルVの大きさ|V|と周波数帯BFは比例関係にあるから、周波数帯BFを検出することができれば、回転速度ベクトルVの大きさ|V|を算出することがでる。そして、自転軸に対して垂直な断面の半径が分かっていれば、自転の回転角速度ωが算出できるから、移動物体Mの自転回転数も求めることができるのである。
【0014】
なお、周波数帯BFは、移動物体Mの移動速度|V0|に対応する周波数FR0を基準周波数とする周波数帯域幅、つまり周波数FR0における信号強度に対して、信号強度の値が一定の範囲内にある周波数の範囲(以下、周波数帯域幅Swという)としてもよい。周波数FR1の近傍および周波数FR2の近傍では、その反射信号の強度が弱いためノイズの影響を受けやすく、このノイズの影響は測定精度に影響を与える。このような場合に、周波数帯BFとして周波数帯域幅Swを用い、この周波数帯域幅Swから移動物体Mの表面の速度を算出すれば、ノイズの影響をすくなくすることができる。
【0015】
また、移動物体Mにおいて、自転軸に対して垂直な断面の形状が円形であれば、図3(B)に示すように、周波数スペクトル関数Fsbは、移動物体Mの移動速度|V0|に対応する周波数FR0だけでなく、最大速度V1のときの周波数FR1の近傍(図3ではFR3)および最小速度V2のときの周波数FR2の近傍(図3ではFR4)において極大値を有する場合がある。
これは、図3(A)に示すように中心面方向成分VCのうち、最大速度V1の近傍および最小速度V2の近傍の速度となる位相角θの範囲がその他の速度となる位相角θの範囲に比べて広いからである。
【0016】
このため、周波数スペクトル関数Fsbにおいて極大値となる複数の周波数のうち、いずれか2つの周波数の差を求めれば、移動物体Mの表面の回転速度ベクトルVの大きさ|V|をより正確に求めることができる。そして、この場合には、移動物体Mの左右両側の端面近傍から反射される反射信号にノイズが多く含まれていても、そのノイズの影響を小さくできるから移動物体Mの自転回転数を正確に検出することができる。
とくに、一の周波数を中心周波数CF、つまり移動物体Mの移動速度|V0|に対応する周波数FR0とすれば、中心周波数CFとなる周波数FR0は他の極大値となる周波数よりも正確に求められるので、例えば、FR0 とFR4 の差を周波数帯BFとして正確に求めることができ、回転速度ベクトルVの大きさ|V|を正確に求めることができる。
【0017】
さて、本実施形態の回転数検出装置1を説明する。
図1は(A)は本実施形態の回転数検出装置1の概略ブロック図であり、(B)は本実施形態の移動物体計測システム50の概略ブロック図である。同図(A)に示すように、本実施形態の回転数検出装置1は、発信手段10と、受信手段20と、信号処理手段30とから基本構成されている。
【0018】
発信手段10は、例えば圧電セラミックを使用した超音波発信機や電磁波発信機等であるが、周波数が一定の発信信号Fwを移動物体Mに向けて発信することができるものであればよい。
この発信手段10には、周波数調整器11が接続されており、この周波数調整器11によって発信手段10から発信する発信信号Fwの周波数F0を調整することができる。また、この周波数調整器11は、発信信号Fwの周波数情報、つまり発信信号Fwの周波数F0に対応する信号(以下、単に発信周波数信号という)を出力することができるものである。
【0019】
受信手段20は、例えば圧電セラミックを使用した超音波受信機や電磁波受信機等、移動物体Mで反射した反射信号Rwを受信するものであり、この反射信号Rwの各周波数FRの強度に対応した信号(以下、単に受信強度信号という)を出力することができるものである。
なお、受信手段20は、上記の機能を有するものであれば、特に限定はない。
【0020】
前記周波数調整器11および前記受信手段20は、信号処理手段30に接続されている。この信号処理手段30は、各手段が出力した発信周波数信号および受信強度信号が入力されている。
この信号処理手段30は、受信強度信号から図3(B)に示したような周波数スペクトル関数Fsを作成することができるものであり、作成した周波数スペクトル関数Fsを用い、前述した原理に基づき、回転速度ベクトルVの大きさ|V|を算出することができるものである。
【0021】
また、この信号処理手段30には、図示しない入力部が設けられており、この入力部から、例えば測定する移動物体Mの半径や反射係数、材質等の情報を入力することができる。
このため、入力された移動物体Mの半径と、前記発信信号に基づいて算出される回転速度ベクトルVの大きさ|V|から、移動物体Mの自転回転数算出することができる。そして、回転速度ベクトルVの大きさ|V|を算出するときに、移動物体Mの反射係数や材質等を、誤差を補正する係数の決定に使用すれば、移動物体Mの回転速度ベクトルVの大きさ|V|等の測定精度を高くすることができる。
【0022】
上記のごとく、本実施形態の回転数検出装置1によれば、発信手段10によって一定周波数の発信信号Fwを移動物体Mに向けて発信し、受信手段20によって移動物体Mの表面で反射した反射信号Rwを受信すれば、信号処理手段30によって、反射信号Rwの周波数スペクトル関数Fsを作成することができる。そして、信号処理手段30によって作成した周波数スペクトル関数Fsからその周波数帯BFを算出すれば、回転速度ベクトルVの大きさ|V|を求めることができる。
【0023】
よって、自転回転数測定のための特別な加工等がされていない移動物体Mであっても、回転速度ベクトルVの大きさ|V|の大きさを測定することができるし、その移動物体Mの自転軸と垂直な断面の半径が分かっていれば、移動物体Mの半径を用いて移動物体Mの自転回転数を簡単かつ容易に検出することができる。つまり、球体であればその半径がわかっていればよく、円筒状の部材であってその中心軸まわりに回転するものであれば、その中心軸と垂直な断面の半径がわかっていればよい。
【0024】
また、信号処理手段30には、発信周波数信号も入力されているから、この発信周波数信号と周波数スペクトル関数が最大となる周波数(図3ではFR0)との差から、移動物体Mの移動速度|V0|も計測することができる。
【0025】
なお、周波数調整器11を設けずに、信号処理手段30によって直接発信手段10が発信する発信信号Rwを調整するようにしてもよい。
【0026】
つぎに、本実施形態の移動物体計測システム50を説明する。
図1(B)に示すように、本実施形態の移動物体計測システム50は、複数の前記回転数検出装置1と、移動状況解析手段51を備えたシステムである。
なお、図1には回転数検出装置1は2つしか示していないが、回転数検出装置1の数は、4つ以上設けられている。
【0027】
図1(B)において、符号52は同期器を示している。この同期器52は、複数の回転数検出装置1の発信手段10が発信信号を発信するタイミングを調整するためのものであり、回転数検出装置1A,1Bおよび図示しない回転数検出装置1C,1D(以下、単に回転数検出装置1A〜1Dで示す)の各発信手段10から、常に同時に発信信号が発信されるように調整されている。
なお、同調器52として、任意波形発生装置(例えば、ファンクション・ゼネレータ(ソニー・テクトロニクス社製:AFG310型))を用い、この同調器52を全ての回転数検出装置1A〜1Dの周波数調整器11として使用してもよい。
【0028】
回転数検出装置1A〜1Dには移動状況解析手段51が接続されており、回転数検出装置1A〜1Dの信号処理器30から回転速度信号が入力されている。この回転速度信号とは、各回転数検出装置1A〜1Dが計測した回転速度ベクトルVの大きさ|V|や自転回転数の情報を含むものである。
そして、この移動状況解析手段51には、予めある任意の点BPに対する回転数検出装置1A〜1Dの相対的な位置に関する位置情報が入力されている。
【0029】
このため、4つの回転数検出装置1A〜1Dのうち、3つの回転数検出装置1A ,1B ,1Cが計測した回転速度ベクトルVの大きさ|VA|,|VB|,|VC|と3つの回転数検出装置1A ,1B ,1Cの相対位置から、図7(A)の式に基づいてベクトルVs1を求めることができる。また、3つの回転数検出装置1A ,1B ,1Dが計測した回転速度ベクトルVの大きさ|VA|,|VB|,|VD|と3つの回転数検出装置1A ,1B ,1Dの相対位置から、図7(A)の式に基づいてベクトルVs2を求めることができる。そして、Vs1を法線とする点BPを通る面と、Vs2を法線とする点BPを通る面の交線が、移動体Mの自転軸となるので、BPを原点とするXYZ直交座標系の各座標軸に対する移動体Mの自転軸の傾きをθ=(θ,θ,θ)とし、自転軸方向の単位ベクトルを(a,b,c)とするれば、以下の関係が成り立つ。
θ=(θ,θ,θ)=(cos−1a,cos−1b,cos−1c)
(ただし、a,b,cと│VA│,│VB│,│VC│,│VD│の関係は図7(B)に示す。)
このため、移動状況解析手段51によって点BPを通るときの移動物体Mの自転軸の傾きを求めることができる。
【0030】
なお、各回転数検出装置1A〜1Dが移動物体Mまでの距離を同時に測定できるようにすれば、任意の場所を通過する移動物体Mの自転軸の傾きを求めることも可能である。
【0031】
また、移動状況解析手段51には、各回転数検出装置1A〜1Dによって測定された移動物体Mの移動速度|V0|の情報を含む移動速度信号が入力されている。この4つの回転数検出装置1A〜1Dのうち、3つの回転数検出装置1A ,1B ,1Cが検出した移動物体Mの移動速度を用いれば、図6の式に基づいてベクトルを求めることができる。そして、この交線のベクトルは、移動物体Mの並進速度ベクトルVhと平行であるから、移動状況解析手段51によって移動物体Mの移動方向を求めることができる。
【0032】
例えば、移動物体Mが点BPを通るときにおける移動物体Mの並進速度ベクトルVhは、点BPを原点とし、回転数検出装置1A,1B,1Cが計測した移動物体Mの移動速度|V0|をそれぞれ│VA│,│VB│,│VC│、移動物体Mの並進速度ベクトルVh=(V,V,V)とすると、以下の式から求めることができる。
Vh=A−1F(F=(│VA│,│VB│,│VC│)行列Aは図6に示す。)
【0033】
そして、移動状況解析手段51には、各回転数検出装置1A,1B,1Cの点BPに対する相対的な位置情報が入力されているから、移動物体Mが点BPを通過するときの並進速度ベクトルVhを求めることができる。
なお、各回転数検出装置1A,1B,1Cが移動物体Mまでの距離を同時に測定できるようにすれば、任意の場所を通過する移動物体Mの並進速度ベクトルVhを求めることも可能である。
【0034】
【実施例】
つぎに、本発明の実施例として、静止した状態で自転している物体の自転回転数を本発明の回転数検出装置を用いて測定した結果を示す。
図4は実験装置の概略説明図である。同図に示すように、測定対象である回転体MをモータMTの主軸に固定し、このモータMTによって回転体Mを自転させたときの自転回転数を、本発明の回転数検出装置と市販されているタコメータTMによって同時に測定し、得られた回転体Mの自転回転数を比較した。
【0035】
発信手段10および受信手段20には、圧電セラミックを使用した超音波センサ(日本セラミックス株式会社製:T/R40−16)を使用し、発信手段10から発信される周波数は、任意波形発生装置であるファンクション・ゼネレータ(ソニー・テクトロニクス社製:AFG310型)によって制御した。そして、発信手段10および受信手段20から回転体Mまでの距離を2.0m、発信手段10から発信される発信信号の周波数は40kHz に固定して計測した。
また、比較に使用した市販タコメータTMには、ハンディデジタル非接触回転計(アテックス株式会社製:RM1000)を使用した。
なお、タコメータTMは、赤外線を物体に出射し、物体表面で反射した反射信号を受信し、その信号強度変化の周波数から回転数を求めるものであるから、赤外線を反射させるための反射テープPを物体Mの表面に貼付ている。
【0036】
回転体Mには、ディンプルのないゴルフボール(実施例1)、ディンプル付ゴルフボール(実施例2)、テニスボール大のゴムボール(実施例3)を使用した。
【0037】
まず、各実施例における計測結果を説明する前に、本発明の回転数検出装置によって計測された周波数スペクトル関数の一例を図8(A)に示す。同図に示すように、本実施例で計測された反射信号から形成される周波数スペクトル関数は、回転体Mが移動していないため、発信周波数と同じ周波数である40kHz を中心として、対称な波形となる。しかも、相対強度が非常に強い中心スペクトルCSと、この中心スペクトルCSよりも高周波数側、低周波数側の両方に、山形のスペクトルLS、HSが形成されている。
この3つのスペクトルCS、LS、HSは、図8(B)に示す理論上得られる周波数スペクトル関数のうち、相対強度がLとUの間の値となる周波数でのスペクトルであると考えられる。つまり、反射信号を受信する受信器の感度の範囲が狭く、しかもその感度がFRやFRのごく近傍の反射信号を測定するのに十分な感度を有していないため、Lより小さい信号強度の周波数およびUより大きい強度の周波数は計測できず、このような周波数スペクトルとなっていると考えられる。
しかし、図8(A)より、本発明の回転数検出装置を用いれば、中心周波数CF近傍だけでなく、回転体Mの両端近傍で反射した反射信号の周波数の近傍においても、極大値を有する反射信号の周波数スペクトル関数を形成することができることが確認できる。
【0038】
また、図8に示すように、今回の実施例では、回転体Mの両端近傍で反射した反射信号の周波数であるFRおよびFRは計測できないので、回転数検出装置により計測した回転数は、図8(A)における(FR‐FR)の値を用いて算出している。そして、算出した結果には補正等を加えていない。
【実施例1】
図5は(A)ディンプルのないゴルフボールの回転数を測定した結果を比較した図、(B)ディンプルのないゴルフボールの回転数とディンプルのあるゴルフボールの回転数を測定した結果を比較した図、(C)ゴムボールの回転数を測定した結果を示した図である。
図5(A)に示すように、本発明の回転数検出装置によって計測されたゴルフボールの回転数の計測値は、タコメータTMの計測値に比べて低い回転数となっている。そして、前述したように、受信手段の検出感度の制約から、回転数を図8(B)に示すFR1およびFR2よりも中心周波数CFに近い値となるFR3およびFR4を用いて算出しているので、得られる周波数帯BFの値が、(FR1−FR2)から得られる周波数帯BF0の値よりも小さくなり、回転数もタコメータTMの値よりも低い値となっている。しかし、両者が比例関係にあること、および本発明の回転数検出装置の計測値には全く補正等を行っていないことを考慮すると、本発明の回転数検出装置の計測値に最適な補正を行うことにより、タコメータTMの検測値と一致させることができると推測できる。つまり、本発明の回転数検出装置を用いれば、回転体Mの回転数を市販のタコメータTMと同等のレベルで計測可能であることが確認できるし、受信手段の感度が向上すれば、さらに精度良く回転数を計測することができる。
【実施例2】
図5(B)に示すように、実施例1と実施例2の計測結果を比較すると、タコメータTMによって計測された物体Mの自転回転数が同じ場合には、本発明の回転数検出装置による実施例1および実施例2の自転回転数は、ほぼ一致することが確認できる。この実施例1と実施例2は、回転体Mの表面にディンプルがあるかないかの違いだけであることから、同一の半径かつ同一の素材の回転体Mの場合には、本発明の回転数検出装置は、物体Mの表面の形状の影響を受けることなく、自転回転数を計測できると考えられる。
【実施例3】
図5(C)に示すように、実施例1においてタコメータTMの計測値が同じ場合、実施例1の回転体Mの自転回転数に比べて、実施例3の回転体Mの自転回転数は、その回転数が小さく計測されている。しかし、実施例3の場合も、本発明の回転数検出装置によって計測された自転回転数とタコメータTMの計測値とが比例関係にあり、その傾きも実施例1の傾きとほぼ同じ傾きとなっている。よって、物体Mの大きさ、材質が変っても、最適な補正を行えば、本発明の回転数検出装置を用いて市販のタコメータと同等レベルの計測が可能であると推測できる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、反射信号の周波数スペクトル関数の周波数帯を算出すれば、物体の表面における接線方向の速度を求めることができる。よって、一般的に使用される物体であっても、その物体において、その自転軸と垂直な断面の半径さえ分かっていれば、その自転回転数を簡単かつ容易に検出することができる。
請求項2の発明によれば、反射信号の強度が最大となる周波数を基準周波数として、その周波数帯域幅を求めれば、物体の表面における接線方向の速度を正確に求めることができるので、一般的に使用される物体であっても、その物体の半径さえ分かっていれば、その自転回転数を正確に検出することができる。
請求項3の発明によれば、周波数スペクトル関数において極大値となる複数の周波数のうち、いずれか2つの周波数の差を求めれば、物体の表面の速度をより正確に求めることができるので、一般的に使用される物体であっても、その物体の半径さえ分かっていれば、その自転回転数を正確に検出することができる。
請求項4の発明によれば、物体の表面の速度を正確に求めることができる。
請求項5の発明によれば、物体の自転回転数だけでなく、物体の移動速度も計測することができる。
請求項6の発明によれば、移動状況解析手段によって複数の回転数検出装置から入力された回転数信号と各測定装置の相対的な位置から物体の表面の速度ベクトルを算出することができるので、物体の自転軸の傾きを求めることができる。
請求項7の発明によれば、移動状況解析手段によって複数の回転数検出装置から入力された移動速度信号と各測定装置の相対的な位置から物体の並進速度ベクトルを算出することができる。このため、物体の自転が物体の移動方向に与える影響を把握することができる。
請求項8の発明によれば、反射信号の周波数スペクトル関数の周波数帯を算出すれば、物体の表面における接線方向の速度を求めることができる。よって、一般的に使用される物体であっても、その物体において、その自転軸と垂直な断面の半径さえ分かっていれば、その自転回転数を簡単かつ容易に検出することができる。
請求項9の発明によれば、反射信号の強度が最大となる周波数を基準周波数として、その周波数帯域幅を求めれば、物体の表面における接線方向の速度を正確に求めることができるので、一般的に使用される物体であっても、その物体の半径さえ分かっていれば、その自転回転数を正確に検出することができる。
請求項10の発明によれば、周波数スペクトル関数において極大値となる複数の周波数のうち、いずれか2つの周波数の差を求めれば、物体の表面の速度をより正確に求めることができるので、一般的に使用される物体であっても、その物体の半径さえ分かっていれば、その自転回転数を正確に検出することができる。
請求項11の発明によれば、物体の表面の速度を正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (A)は本実施形態の回転数検出装置1の概略ブロック図であり、(B)は本実施形態の物体計測システム50の概略ブロック図である。
【図2】 本発明の回転数検出装置の測定原理を示した概略説明図であって、(A)は移動物体Mが自転していない場合であり、(B)は移動物体Mが自転している場合である。
【図3】 (A)は移動物体Mが自転している場合において、中心面方向ベクトルVCと位相角θとの関係を示した図であり、(B)は反射信号Rwの周波数スペクトル関数を示した図である。
【図4】 実験装置の概略説明図である。
【図5】 (A)ディンプルのないゴルフボールの回転数を測定した結果を比較した図、(B)ディンプルのないゴルフボールの回転数とディンプルのあるゴルフボールの回転数を測定した結果を比較した図、(C)ゴムボールの回転数を測定した結果を示した図である。
【図6】 行列Aを示した図である。
【図7】 (A)は交線のベクトルVs1および交線のベクトルVs2を示した図であり、(B)は、a,b,cと│VA│,│VB│,│VC│,│VD│の関係を示した図である。
【図8】 反射信号の周波数スペクトル関数を示した図であって、(A)は実測された反射信号に基づく周波数スペクトル関数であり、(B)は理論上の周波数スペクトル関数である。
【符号の説明】
1 回転数検出装置
10 発信手段
20 受信手段
30 信号処理手段
50 移動物体計測システム
51 移動物体解析手段
M 移動物体
Fw 発信信号
F0 発信信号の周波数
Rw 反射信号
FR 反射信号の周波数

Claims (11)

  1. 自転する物体の自転回転数を検出する検出装置であって、
    該検出装置が、
    前記物体に向けて周波数が一定である発信信号を発信する発信手段と、
    前記物体で反射した反射信号を受信する受信手段と、
    該受信手段が受信した前記反射信号が入力され、該反射信号の周波数スペクトル関数を形成する信号処理手段とからなり、
    該信号処理手段が、
    前記周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が所定の値以上となる周波数スペクトルの幅である周波数帯を算出し、この周波数帯の大きさに基づいて回転数を算出する
    ことを特徴とする回転数検出装置。
  2. 前記周波数帯が、
    前記周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が最大となる周波数を基準周波数とする周波数帯域幅である
    ことを特徴とする請求項1記載の回転数検出装置。
  3. 前記周波数スペクトル関数が、複数の周波数において極大値を有する場合であって、
    前記周波数帯が、
    前記周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が極大値となる一の周波数と、前記反射信号の強度が極大値となる他の周波数との間の周波数領域である
    ことを特徴とする請求項1記載の回転数検出装置。
  4. 前記一の周波数が、前記周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が最大となる周波数である
    ことを特徴とする請求項3記載の回転数検出装置。
  5. 前記信号処理手段に、前記発信信号の周波数情報が入力されており、
    前記信号処理手段が、前記発信信号の周波数と前記周波数スペクトル関数において前記反射信号の強度が最大となる周波数との差を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の回転数検出装置。
  6. 請求項1,2,3,4または5記載の回転数検出装置を複数台備えたシステムであって、
    各回転数検出装置が、前記周波数帯に対応する回転速度信号を発信する発信部を備えており、
    前記システムが、
    各回転数検出装置の信号処理器の発信部が発信した回転速度信号が入力される移動状況解析手段を備えており、
    該移動状況解析手段が、
    各回転数検出装置から送信された回転速度信号と、前記複数の回転数検出装置同士の相対的な位置関係を示す位置情報とから前記物体の自転軸の傾きを算出する
    ことを特徴とする物体計測システム。
  7. 各回転数検出装置の信号処理器の発信部が発信した前記発信信号の周波数と前記周波数スペクトル関数において前記反射信号の強度が最大となる周波数との差に対応する移動速度信号が、前記移動状況解析手段に入力されており、
    該移動状況解析手段が、各回転数検出装置から送信された移動速度信号と、前記複数の回転数検出装置同士の相対的な位置関係を示す位置情報とから前記物体の並進速度ベクトルを算出する
    ことを特徴とする請求項6記載の物体計測システム。
  8. 自転する物体の自転回転数を検出する検出方法であって、
    自転する物体に向けて発信信号を発信し、
    前記物体で反射した反射信号を受信し、
    受信した前記反射信号を用いて該反射信号の周波数スペクトル関数を形成し、
    該周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が所定の値以上となる周波数スペクトルの幅である周波数帯を算出し、この周波数帯の大きさに基づいて回転数を算出する
    ことを特徴とする回転数検出方法。
  9. 前記周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が最大となる周波数を基準周波数とする周波数帯域幅を算出する
    ことを特徴とする請求項8記載の回転数検出方法。
  10. 前記周波数スペクトル関数において、前記反射信号の強度が極大値となる一の周波数と、前記反射信号の強度が極大値となる他の周波数を算出する
    ことを特徴とする請求項8記載の回転数検出方法。
  11. 前記一の周波数として、前記周波数スペクトル関数における前記反射信号の強度が最大となる周波数を算出する
    ことを特徴とする請求項10記載の回転数検出方法。
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