JP3869471B2 - Hdlコレステロールの特異的測定方法及び測定用組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールの特異的測定方法及び測定用組成物に関する。
背景技術
血漿又は血清中の各リピドフラクション中に含有されるコレステロールは、近年アテローム性動脈硬化症や心筋梗塞の危険度を示す診断材料として重要視されている。血清のリピドフラクションはそれぞれ脂質複合体粒子としての大きさが異なり、比重の差を利用した分離法である超遠心法に従って、カイロミクロン、超低密度リポプロテイン(Very low density lipoprotein;以下VLDLとも称する)、低密度リポプロテイン(Low density lipoprotein;以下LDLとも称する)、及び高密度リポプロテイン(High density lipoprotein;以下HDLとも称する)の4種類に分別されている。各リピドフラクションは、アポリポタンパク質と脂質とに大別され、脂質は更に遊離型コレステロール、エステル型コレステロール、トリグリセリド、及びリン脂質から構成されている。このため、コレステロールの測定は遊離型とエステル型の両者について行われている。
日常的な臨床検査では、自動分析装置を使用して酵素法による総コレステロールの測定が広く行われているが、リピドフラクションについては、試料の前処理(分画・分離操作)を行うことが必要なため、酵素法による自動分析測定(自動化)の普及が遅れていた。この試料の前処理としては、種々の沈殿法が行われており、例えば、リンタングステン酸とマグネシウムイオン、デキストランサルフェートとマグネシウムイオン、ヘパリンとカルシウムイオン若しくはマンガンイオン(M.Burstein及びH.R.Scholnick,Adv.Lipid Res.,11,67,1973;並びにG.R.Warnick et al.,Clin.Chem.,25,596,1979)、又はポリエチレングリコールを添加してLDL等を沈殿させて遠心操作によって上澄み液を被検試料とする方法が繁用されている。詳細には、沈殿剤としてリンタングステン酸とマグネシウムイオンを使った場合、これらを含む溶液に試料(血清や血漿)を加え、HDL以外のリピドフラクションを不溶性の複合体とする。これを遠心分離することによって沈殿を除き、HDLを含む上清を回収する。分画されたHDLは総コレステロール測定用の酵素試薬で自動分析システムによる測定が可能となる。
また、免疫法(C−C.Heuck,Clin.Chem.,31,252,1985)においても沈殿剤としてアポリポタンパク質B(HDLには含まれない)に対する抗体を試料(血清や血漿)を加え、HDL以外のリピドフラクションを沈殿させる。以下同様に分画した後、はじめて上清中のHDL含有コレステロールの測定を行うことができる。このように、従来の方法ではいずれも多くの工程と時間とを要するという欠点があった。
最近、これらの分画操作を必要としない測定法について報告が出されている(例えば、特公平6−16720号、特公平7−34760号、又は特開昭58−165800号各公報)。すなわち、従来より用いられている総コレステロール測定のための酵素法としては、コレステロールエステラーゼによりコレステロールエステルを加水分解し、この酵素反応生成物であるコレステロールに、コレステロールオキシダーゼを作用させ、溶存酸素を使って酸化反応を行わせて生成される過酸化水素を、適当な被酸化性発色剤の存在下でペルオキシダーゼ反応により発色させて比色定量したり、あるいは、前記のコレステロールオキシダーゼによる酸化反応の際に消費される溶存酸素量を酸素電極で測定する方法が知られていた。
例えば、前記の各特許公報の記載によれば、前記の反応系において胆汁酸塩と共に非イオン系のポリエチレンオキシド基含有界面活性剤の存在がコレステロールエステラーゼの活性発現に重要であり、この界面活性剤が存在しないと活性を発現しないとされている。また、胆汁酸塩については、すでに当該酵素の精製の中で活性発現への関与が明らかとなっている(J.Hynn et al.,JBC,244,1937,1969;及びK.B.Calame et al.,Arch.Biochem.Biophys.,168,57,1975)。そして、特公平6−16720号公報には、この胆汁酸塩には、脂質が豊富で比較的わずかなタンパク質を有するリポタンパク質である乳び脂粒、VLDL、及びLDLのみを溶かし、その中に含有されるコレステロールを酵素反応に関与させる効果があるため、HDLコレステロールの測定にさきがけて、これを反応させ、次いで前記の界面活性剤を添加し、HDLフラクション中に含有されるコレステロールと酵素とを反応させることによって、HDLコレステロールを特異的に分別測定する方法が記載されている。すなわち、まずはじめにHDL以外のリピドフラクションを反応させ、次いで、HDLフラクションと反応させて両者の差を読み取っている。
また、特公平7−34760号公報には、前記と同様の系において、更に、コレステロールエステラーゼとして膵臓由来のコレステロールエステラーゼを使用する方法が記載されている。この方法では、LDLフラクション中に含有されるコレステロールの遊離がまず行われるので、測定シグナルは、はじめはLDLフラクションのコレステロール含量に比例するが、反応開始から一定時間を経過した後の或る時間内(例えば、反応開始から2分経過後〜15分経過後までの時間内)での吸光度変化量に限り、HDLコレステロール濃度に比例する特徴的な反応経過を示す。更に、抗LDL抗体を反応系へ添加しておくことにより、LDLやVLDLの主要構成タンパク質であるアポリポタンパク質Bと前記抗体との間に抗原抗体反応による複合体を形成させ、当該酵素との反応を阻害することで総合的にHDLフラクションに対する特異性を向上させる工夫を行っている。
しかし、これらの方法は試薬へ新たに抗体を添加したり、反応時間が20分以上必要であるなど、製造コストや測定操作上、日常使われている自動分析機への対応が不十分なものであった。
他方、H.Sugiuchiら(Clin.Chem.,41,717,1995)は自動分析機へ適応した新しい方法について報告している。すなわち、使用する当該酵素(コレステロールエステラーゼ、及びコレステロールオキシダーゼ)にポリエチレングリコールを結合させ、化学修飾して高分子化した酵素を用いるものである。更に、前記の高分子化酵素に加えて、種々のリピドフラクションと親和性があるとされるシクロデキストリン誘導体(具体的には、硫酸化α−シクロデキストリン)を共存させることで、HDL以外のリピドフラクションに対して複合体を形成させることができることが記載されている。この複合体は、前記高分子化酵素による反応を受けにくいため、HDLフラクションを特異的に測定することができる。しかし、このような手段を採用した場合、酵素の修飾は新たな工程の増加と、酵素標品の精製度の管理や化学修飾の程度差による酵素活性変動の抑制と管理、更には修飾酵素の安定性の維持等、新たな問題点を付随することになる。
本発明者等は、現在の臨床検査試験では、迅速で簡便な手段である自動分析装置による測定が主流である点に鑑み、HDLコレステロールの測定方法において、試料(血清又は血漿)の遠心操作を行うことなく、簡便な操作で、且つ高精度の測定結果が得られる方法の開発を目的として、鋭意研究を重ねた結果、HDLコレステロールの測定方法において利用する酵素(コレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼ)とリピドフラクション含有コレステロールとの反応に関して、HDLフラクションのコレステロールとの反応には影響しないが、LDL及びVLDLフラクションのコレステロールとの反応を阻害する化合物が存在することを見出し、これらの化合物を用いることにより、試料(血清又は血漿)の遠心操作を行うことなく簡便な操作で、HDLコレステロールを高精度に測定することができることを見出した。本発明は、こうした知見に基づくものである。
発明の開示
従って、本発明は、生体試料と、膵臓由来のコレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼと、胆汁酸又はその塩とを、アルブミンが存在する条件下で接触させ、前記生体試料中の高密度リポタンパク質コレステロールと前記各酵素との酵素反応により消費される化合物又は生成される化合物を測定することを特徴とする、高密度リポタンパク質コレステロールの測定方法に関する。
また、本発明は、生体試料中の高密度リポタンパク質コレステロールと、コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼとを接触させ、前記コレステロールと前記各酵素との酵素反応により消費される化合物又は生成される化合物を測定して、高密度リポタンパク質コレステロールを特異的に定量するための試薬組成物であって、アルブミンと、胆汁酸又はその塩と、前記コレステロールエステラーゼとして膵臓由来のコレステロールエステラーゼとを含有することを特徴とする試薬組成物にも関する。
【図面の簡単な説明】
図1は、被検試料としてLDLフラクションを使用した場合の、コール酸ナトリウム又はアルブミン添加効果を、酵素とLDLとの反応経時変化で示すグラフである。
図2は、本発明による、HDL、LDL、VLDL、及び正常プール血清の吸光度の経時変化を示すグラフである。
図3は、本発明の試薬組成物とプール血清とを5分間反応させた後の反応混合物のクロマトグラムである。
図4は、本発明の試薬組成物とプール血清とを10分間反応させた後の反応混合物のクロマトグラムである。
図5は、本発明と従来法(沈殿法)とのHDLコレステロール測定値の相関を示すグラフである。
図6は、被検試料としてLDLフラクションを使用した場合の、アルブミン添加効果を、酵素とLDLとの反応経時変化で示すグラフである。
図7は、被検試料として血清を使用した場合における、アルブミン添加効果を、吸光度の経時変化で示すグラフである。
図8は、本発明による補助ブロッカー含有試薬組成物とプール血清とを5分間反応させた後の反応混合物のクロマトグラムである。
図9は、アルブミンを含まない補助ブロッカー含有試薬組成物とプール血清とを5分間反応させた後の反応混合物のクロマトグラムである。
図10は、本発明(補助ブロッカー存在下)と従来法(沈殿法)とのHDLコレステロール測定値の相関を示すグラフである。
図11は、本発明(乾式測定系)と従来法(沈殿法)とのHDLコレステロール測定値の相関を示すグラフである。
発明を実施するための最良の形態
本発明においては、生体試料として、特に哺乳動物(特にヒト)の血清又は血漿をそのまま用いることができる。すなわち、血清又は血漿を、遠心操作などにより分画処理したり、抗体で処理する必要がない。
本発明においては、前記の生体試料をコレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼと接触させる際に、それらの酵素とHDLコレステロールとの反応には影響しないが、LDLコレステロール及びVLDLコレステロールとの反応を阻害する化合物、すなわちブロッカーとして、アルブミンを用いる。
本発明において、被検試料が血液(血清又は血漿)由来の場合には、被検試料内に既にアルブミンが含まれている。しかしながら、試料由来のアルブミン濃度が、測定系、すなわち、試薬と試料とを混合させて測定を実施する系において、0.01重量%以下の場合には、本発明による効果を十分に得ることができない。一方、試料由来のアルブミン濃度が十分に高い場合には、特に人為的に添加する必要はないが、更にアルブミンを添加しても何ら問題はない。
また、被検試料として、アルブミンを含まない精製リピドフラクションや他の生体液試料(例えば、ずい液又は組織抽出液)を用いる場合には、アルブミンを添加して共存させることが必要である。このようにアルブミンを添加する場合のアルブミン濃度は、好ましくは0.01〜20重量%、より好ましくは0.03〜10重量%である。添加するアルブミンの由来は特に限定されず、例えば、ウシ、ヒト、ヒツジ、ウマ等の哺乳動物由来の他、遺伝子工学的に産生されたものも使用することができる。
本発明において用いることのできるコレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼは、特に限定されず、微生物由来あるいは哺乳動物由来の酵素等を用いることができ、ポリエチレングリコール(PEG)等を結合させて化学修飾した酵素、又は化学修飾していない酵素のいずれも用いることができる。なお、本発明者の見出したところでは、本発明において化学修飾していない酵素を用いる場合、特に化学修飾していないコレステロールエステラーゼを用いる場合には、その酵素の由来によって反応性が異なる。好ましくは、コレステロールエステラーゼとしては、ウシ又はブタ等の哺乳動物の膵臓由来のものを選択する方が効果的である。また、コレステロールオキシダーゼとしては、例えば、ストレプトマイセス属又はノカルディヤ属の微生物由来のコレステロールオキシダーゼを用いることができる。それらの酵素の添加量も特に限定されないが、測定系において、例えば、好ましくは0.05u/ml〜90u/ml、より好ましくは0.1u/ml〜20u/mlである。
膵臓由来のコレステロールエステラーゼを用いる場合には、胆汁酸又はその塩を同時に用いるのが好ましい。その濃度は、測定系において、好ましくは0.05〜4mM、より好ましくは0.15〜1.5mMである。前記胆汁酸又はその塩の種類は、特に限定されることはないが、胆汁酸としては、例えば、コール酸、タウロコール酸、グリココール酸、ケノデオキシコール酸、デオキシコール酸、又はリトコール酸などを挙げることができ、その塩としては、例えば、ナトリウム塩などを挙げることができる。水溶性が高い点で、胆汁酸塩、例えば、コール酸ナトリウム、グリココール酸ナトリウム、又はデオキシコール酸ナトリウムを使用することが好ましい。
また、本発明においては、補助ブロッカーとして、好ましくは、一般式(I):
A−(CH2)n−CH3 (I)
(式中、Aはグルコシド基、チオグルコシド基、シュークロースオキシカルボニル基、又はN−メチルグルカミドカルボニル基であり、nは4〜10の整数である)で表される化合物、又は一般式(II):
B−CH2−CH(R1)−CH2−SO3 - (II)
〔式中、Bは3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ基であり、R1は水素原子又はヒドロキシ基である〕で表される化合物の少なくとも1種を共存させることができる。
前記一般式(I)で表される化合物において、Aがグルコシド基又はチオグルコシド基である場合には、nは好ましくは4〜9、より好ましくは5〜8である。グルコシド基は、好ましくはグルコピラノシド基、より好ましくはβ−D−グルコピラノシド基である。チオグルコシド基も、好ましくはチオグルコピラノシド基、より好ましくはβ−D−チオグルコピラノシド基である。Aがグルコシド基である場合の化合物としては、具体的には、n−オクチル−β−D−グルコシド(以下、n−ODGとも称する)及びn−ヘプチル−β−D−グルコシド(以下、n−HDGとも称する)を挙げることができる。また、Aがチオグルコシド基である場合の化合物としては、具体的には、n−オクチル−β−D−チオグルコシド(以下、n−OTGとも称する)及びn−ヘプチル−β−D−チオグルコシド(以下、n−HTGとも称する)を挙げることができる。
前記一般式(I)で表される化合物において、Aがシュークロースオキシカルボニル基である場合には、nは好ましくは6〜10、より好ましくは7〜9であり、この場合の化合物としては、具体的には、シュークロースモノカプレート(以下、SM−1000とも称する)を挙げることができる。
前記一般式(I)で表される化合物において、AがN−メチルグルカミドカルボニル基である場合には、nは好ましくは5〜9である。AがN−メチルグルカミドカルボニル基である場合の化合物としては、具体的には、オクタノイル−N−メチルグルカミド(以下、MEGA−8とも称する)、ノナノイル−N−メチルグルカミド(以下、MEGA−9とも称する)、及びデカノイル−N−メチルグルカミド(以下、MEGA−10とも称する)を挙げることができる。
前記一般式(II)で表される化合物としては、具体的には、3−〔(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−1−プロパンスルホネート(以下、CHAPSとも称する)及び3−〔(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホネート(以下、CHAPSOとも称する)を挙げることができる。
本発明においては、補助ブロッカー、すなわち、前記一般式(I)で表される化合物又は前記一般式(II)で表される化合物を単独で、又は2種以上を任意に組み合わせて用いることができる。
本発明において、補助ブロッカーは、水溶液として用いるのが好ましい。水溶液中の補助ブロッカーの濃度は、測定系において、好ましくは0.01〜2.0重量%、好ましくは0.02〜1.0重量%、より好ましくは0.03〜0.5重量%である。補助ブロッカーの濃度が0.01重量%より少ないと、LDL及びVLDLフラクションのコレステロールとの酵素反応に対する阻害効果が見られず、正確な測定を行うことができない。逆に、2.0重量%を越える濃度では、フラクションのコレステロールとの酵素反応に対する特異性が全く見られなくなり、また補助ブロッカーの溶解性の点においても不都合である。
本発明によれば、被検試料(例えば、血清又は血漿)について測定前に予め遠心分離等の分画操作を行わなくても、アルブミン(ブロッカー)の存在下で、被検試料(例えば、血清又は血漿)と酵素とを接触(共存)させることによって、被検試料中のLDLコレステロール及びVLDLコレステロールと酵素との反応を阻害するとともに、HDLコレステロールと酵素との反応を阻害せずに進行させ、コレステロールと前記各酵素との酵素反応により消費される化合物(例えば、酸素)又は生成される化合物(例えば、過酸化水素)を、公知の手段により検出し、HDLコレステロールを定量することができる。例えば、過酸化水素を検出する場合には、適当な被酸化性発色剤及びペルオキシダーゼの存在下に生成するH2O2を発色させて、分光学的に比色測定することができる。
H2O2は、公知の方法で、例えば、適用な被酸化性発色剤の存在下にペルオキシダーゼの反応により発色させることができる。被酸化性発色剤としては、3−ハイドロキシ−2,4,6−トリヨード安息香酸(HTIBA)やN−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイジン(ESPT)と4−アミノアンチピリン(4−AP)が好適であり、例えば、HTIBAやESPTは0.1mM〜5mMの濃度範囲で、そして4−APは0.05mM〜2mMの濃度範囲で適宜含有させることができる。自動分析装置による測定では、波長510nm(HTIBAを使用する場合)、又は546nm(ESPTを使用する場合)における吸光度を測定すればよい。
本発明によるHDLコレステロール測定用試薬組成物は、膵臓由来のコレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼと、アルブミンと、胆汁酸又はその塩とを含有する。本発明による測定用試薬組成物は、場合により、更に、補助ブロッカーとして前記一般式(I)又は前記一般式(II)で表される化合物の1種又はそれ以上を含有することもできる。
本発明による測定用試薬組成物は、好ましくは、膵臓由来のコレステロールエステラーゼ0.05〜90u/ml、より好ましくは0.05〜10u/mlと、コレステロールオキシダーゼ0.05〜90u/ml、より好ましくは0.1〜20u/mlと、アルブミン0.01〜20重量%、より好ましくは0.02〜10重量%と、胆汁酸又はその塩0.05〜4mM、より好ましくは0.15〜1.5mMと、場合により前記補助ブロッカー0.01〜2.0重量%、より好ましくは0.03〜0.5重量%を含有することができる。
本発明の測定用試薬組成物は、単一試薬として構成・使用することもできるし、現在汎用されている自動分析装置に合わせて、2試薬系にもすることができる。2試薬系の場合、例えば、アルブミン、あるいはアルブミン及び補助ブロッカー1種又はそれ以上の化合物を、それぞれ単独又は共存して第一試薬あるいは第二試薬のどちらにも含ませることができ、第二試薬にコレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼ(及び場合により胆汁酸又はその塩)を含有させることができる。単一試薬、並びに第一試薬及び第二試薬の緩衝剤としては、例えば、グッド緩衝液(例えば、BES、HEPES、PIPES、又はBis−Trisなど)、リン酸緩衝液、酢酸緩衝液、トリス緩衝液、又はイミダゾール緩衝液等を使用することができる。緩衝液の濃度は、好ましくは5〜1000mM、より好ましくは5〜500mM、最も好ましくは10〜200mMである。また、それらの緩衝液のpHは、好ましくは4.5〜8.0、より好ましくはLDLのコレステロール及びVLDLのコレステロールと酵素との阻害が良好なpH5.5〜7.5の範囲内で適宜選択することができる。
本発明による試薬組成物を用いて、HDLコレステロールを測定する場合の反応系を模式的に示せば以下のとおりである。
〔特異性の規定〕
〔酵素反応及び発色反応)
自動分析装置による測定では、本発明による液状の試薬組成物を用いて、主に前記反応式(2)で生成するH2O2を比色法によって測定し、多検体処理を行うことができる。本発明は、これら溶液中での反応だけでなく、例えば、濾紙試験片などによる乾式測定系(ドライケミストリー)でも同様に用いることができる。すなわち、自動分析機による多検体処理とは別に、簡易測定法として個別の検査要求に対して、本発明を利用することができる。本発明を、ポリスチレン等の透明試験片による乾式測定系に適用し、反射式デンシトメトリ法による測定を行う場合には、適当な緩衝液中に調製した本発明による液状単一試薬組成物を、通常の透明試験片に含浸させ、乾燥させる常法によって製造することができる。また、展開層、試薬層及び反射層を含む乾式分析用要素は、試薬層に本発明による単一試薬組成物を含有させる常法によって製造することができる。更に、血液中の血球成分の分離膜あるいは分離層を別に設けた乾式分析用要素を用いると、血清用分離機器や血漿用分離機器を備えていない施設でも、血液をそのまま試料として直接に測定することができる。
本発明を実施する場合には、生成するH2O2は、直接に白金電極を用いるか、フェロセンなどの適当なメディエーターとペルオキシダーゼの存在下に反応させることにより、あるいは直接コレステロールオキシダーゼ反応時にフェロシアン化カリウムなどの適当なメディエーターを介して、生成する酸化電流の変化量を電気化学的に測定することもできる。他方、酵素反応により消費される化合物、例えば、前記反応式(2)で消費される酸素(溶存酸素)を、従来公知の方法、例えば、酸素電極で測定することもできる。また、酵素反応により生成される化合物としては、前記の過酸化水素以外にも、例えば、前記反応式(2)の生成物であるΔ4−コレステン−3−オンを適当な方法で測定してもよい。
以下の説明に限定されるものではないが、本発明においては、HDLコレステロールの測定方法において利用する酵素(コレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼ)とリピドフラクション含有コレステロールとの反応に際して、アルブミン、及び胆汁酸又はその塩の1種以上並びに場合により共存することのできる前記補助ブロッカーが、直接にリピドフラクションのアポリポタンパク質に親和性を示すか、あるいは間接的にリピドフラクションのコレステロールと酵素との反応時に酵素と相互作用するものと考えられる。
すなわち、各リピドフラクションは、脂質とアポリポタンパク質とからなる脂質複合体となっているが、その脂質構成比の違いとアポリポタンパク質のタイプ(A−1、A−1、B−100、B−48、C、又はEなど)の差による物理化学的性質及び量的(各フラクション中に含まれる量)な違いによって識別される。HDLフラクションとLDL及びVLDLフラクションとの間で最も大きく異なるアポリポタンパク質のタイプ(前者がA−1又はA−2であり、後者がB−100、C又はEである)の違いが明らかなため、従来、アポリポタンパク質に対する抗体を用いる方法も開発されてきた。この従来法はアポリポタンパク質B及びCに対する抗体を試料に混和し、免疫複合体を形成させることが特徴である。この免疫複合体は酵素反応阻害を惹起するため、次に酵素を加えるとHDLコレステロールのみが酵素と反応するので、HDLコレステロールのみを測定することができる。しかし、免疫複合体を形成することができる抗体の反応性を一定に維持することは難しく、また免疫複合体自体の濁りが著しいため、コレステロール測定のための比色定量に際して誤差が大きくなるという欠点があった。
前記の特公平7−34760号公報では、抗LDL抗体や抗アポリポタンパク質B抗体を使用し、胆汁酸群の界面活性剤と非イオン系界面活性剤及びコレステロールオキシダーゼの存在下に、膵臓由来のコレステロールエステラーゼによる反応の特異性を向上させる方法が開示されている。これらの抗体の使用は付加的とされているが、免疫複合体を形成する限り同様の不都合が生じる。抗体を使わない場合の反応条件の設定内容は、本発明の一部と類似しているが、アルブミン及び場合により胆汁酸又はその塩が共存することによる酵素反応特性の違いは、本質的なものであり、両発明が異なる反応機構によるものであることは、以下の説明により明らかである。
特公平6−16720号公報によれば、まずはじめにLDLコレステロール及びVLDLコレステロールと、コレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼとの反応が、胆汁酸塩の存在下で進む。次いで非イオン系のポリエチレンオキシド基含有界面活性剤の添加によってHDLコレステロールとの反応がはじまるため、これら2相の反応で得られる吸光度変化の差を求めることにより、HDLコレステロール量を測定することができるものとされている。
また、特公平7−34760号公報の開示内容によれば、胆汁酸群の界面活性剤と非イオン系界面活性剤の共存下に、前記特公平6−16720号公報と同様に酵素反応は2相で経過することが示されている。まずはじめにLDLコレステロールとの反応が進み、HDLコレステロールとの反応は、時間的に遅れて開始する。このため、好適に選択した、例えば、反応開始後2〜15分の範囲内で、所定の時間域での吸光度変化はHDLコレステロール濃度に比例するものとされている。
これに対して、本発明においては、アルブミン、及び胆汁酸又はその塩、更に場合により1種以上の補助ブロッカーを共存させることにより、LDLコレステロール及びVLDLコレステロールと、コレステロールエステラーゼ及びコレステロールオキシダーゼとが反応しない条件が存在し、したがって、反応開始から任意の時間における変化量は、全てHDLコレステロール濃度に依存するということが判明した。本発明では、特にアルブミンと胆汁酸又はその塩と膵臓由来のコレステロールエステラーゼとの共存によって目的を達成することができる。膵臓由来のコレステロールエステラーゼは、その活性発現に胆汁酸又はその塩が必須であることはすでに述べたとおりである。この反応特異性は、例えば、血清から分離精製された各リピドフラクションとの反応性を比較することで簡単に調べることができる。また、より正確には、予め各リピドフラクションを分離することなく血清との反応を調べるために、反応液体クロマトグラフィー法を用いることにより、直接に検証することができる。酵素とLDLコレステロール及びVLDLコレステロールとの反応は、胆汁酸又はその塩の濃度に依存して変化し、濃度が高いほど反応が早い。
他方、一定濃度の胆汁酸又はその塩の存在下にアルブミンを添加すると、アルブミン濃度依存的に酵素反応は抑制を受けるが、酵素とHDLコレステロールとの反応では抑制されないことがわかった。このように酵素反応に特異性を付与することができるアルブミンの効果は、他のタンパク質などでは認められない非常に特異的な性質であって、この性質は種を越えて維持されている。これら胆汁酸又はその塩による濃度依存的な酵素の活性化反応と、アルブミン濃度依存的なLDLコレステロール及びVLDLコレステロールに対する酵素活性抑制効果とは、相反する類似の挙動を示すことから、この現象は、酵素とLDLコレステロール及びVLDLコレステロールとの反応において、両者が競合的に働く相互作用部位の存在を示唆している。
本発明においては、酵素反応は、HDLコレステロール特異的に進行するため、1相で経過し、最も反応速度が大きい反応開始直後からHDLコレステロール濃度依存的な反応変化量が得られる。従って、この点で、本発明は、前記公報記載の従来法における反応特性には見られない優れた性質を有することが理解される。また、好適には更に1種以上の補助ブロッカーが共存させることにより、例えば、使用可能なpH条件を弱アルカリ側へ拡大させたり、使用アルブミン量を減少させることができる。当然のことながら、好適な条件からはずれる場合には、特異性も減少し、HDLコレステロールに次いでLDLコレステロールとVLDLコレステロールとの反応が遅れて進行を始めることが、明らかであった。特に測定の迅速性が問われるドライケミストリーによる簡易検査では、1分以内数秒単位での計測が望まれるため、1液仕様で反応開始と同時に特異性が発揮できることは、本発明と従来法との間に本質的差異を認めるに十分な原理の違いが明らかである。
実施例
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。以下の実施例においては、特に断わらない限り、コレステロールエステラーゼとして膵臓由来のコレステロールエステラーゼを用いた。
実施例1:超遠心法によるリピドフラクションの分画
超遠心法による脂質フラクションの分画は、工藤明生等(動脈硬化,6,39,1978)の方法に準じて行った。具体的には、プール血清16mlへ、EDTAナトリウム塩16mg、ショ糖4g、臭化カリウム3.2g、及び塩化ナトリウム0.8gを加え溶解した。これとは別に3種類の比重液を作成した。すなわち、比重1.21の比重液は、ショ糖20g、臭化カリウム15g、及び塩化ナトリウム5gを精製水100mlに溶解して調製した。比重1.063の比重液は、比重1.21の前記比重液30mlと精製水70mlを混和して調製した。また比重1.006の比重液は、ショ糖2.5gを精製水97.5mlに溶解して調製した。
10ml容量の遠心管に上記の処理血清1.9mlを入れ、この上層に比重1.21の比重液0.8mlを注射器で静かに重層し、遠心管を10℃で50000rpmにて20時間遠心した。遠心処理終了後、最上層部には比重1.21以下の全てのリピドフラクションが集まるが、この最上層部の上に更に比重1.063の比重液1.6mlと比重1.006の比重液2mlとを重層した。
この遠心管を50000rpmで4時間更に遠心し、各リピドフラクションを回収した。
各画分は生理的食塩水に一夜透析した後(冷蔵下)、冷蔵保存した。
実施例2:コール酸ナトリウムによる活性化反応とアルブミンによる抑制効果
1mM−ESPT、0.5mM−4−AP、5μg/mlペルオキシダーゼ、1u/mlコレステロールオキシダーゼ、及び0.25u/mlコレステロールエステラーゼを含む40mM−Bis−Tris緩衝液(pH6.2)(以下、緩衝液Xと称する)1.0mlを37℃で5分間加温した。この緩衝液Xに実施例1で調製したLDLフラクション10μlを添加し、発色の経時変化を波長546nmで記録した。結果を図1に示す(図1の曲線a)。吸光度の変化はほとんど観察されなかった。
次に、前記緩衝液Xの代わりに、前記緩衝液Xに更に0.75mMコール酸ナトリウムを含む緩衝液(以下、緩衝液Yと称する)を用いて同様の測定を実施した。結果を図1の曲線bで示す。吸光度の変化が観察され、酵素とLDLフラクション中のコレステロールとの反応は、コール酸ナトリウムで活性化されることがわかった。
続いて、前記緩衝液Xの代わりに、前記緩衝液Yに更に0.8%牛アルブミンを含む緩衝液(以下、緩衝液Zと称する)を用いて同様の測定を実施した。結果を図1の曲線cで示す。吸光度の変化はほとんどなく、酵素とLDLフラクション中のコレステロールとの反応は、アルブミンの添加によって抑制されることがわかった。
実施例3:反応経時変化
緩衝液Z1.0mlを37℃で5分間加温した。この緩衝液Zに、試料として、実施例1で調製したHDLフラクション20μl、LDLフラクション10μl、VLDLフラクション10μl、又は正常プール血清10μlをそれぞれ加え、波長546nmでの吸光度変化を記録した。
結果を図2に示す。図2において、「HDL」は試料としてHDLフラクションを使用した場合の結果を示し、「LDL」は試料としてLDLフラクションを使用した場合の結果、「VLDL」は試料としてVLDLフラクションを使用した場合の結果、そして「血清」は試料として正常プール血清を使用した場合の結果をそれぞれ示す。HDLフラクションに比べ、LDLフラクション及びVLDLフラクションのコレステロールに対する反応阻害が明らかであった。
実施例4:反応液体クロマトグラフィー法による血清リピドフラクションとの反応特異性
(1)酵素反応液の調製
1.3mM−ESPTを含む40mM−Bis−Tris緩衝液(pH6.2)0.75ml(以下、A溶液と称する)に、試料としてプール血清10μlを加え、37℃で5分間加温した。この溶液に、2mM−4−AP、20μg/mlペルオキシダーゼ、1.6%牛アルブミン、3mMコール酸ナトリウム、4u/mlコレステロールオキシダーゼ、及び1u/mlコレステロールエステラーゼを含む40mM−Bis−Tris緩衝液(pH6.2)0.25ml(以下、B溶液と称する)を添加した。B溶液を添加してから37℃で5分間加温した後に、又は10分間加温した後に、更に1Mトリスヒドロキシメタン水溶液70μlを添加して酵素反応を終了させることにより、反応混合液M1(すなわち、B溶液を添加してから5分間加温したもの)及び反応混合液M2(すなわち、B溶液を添加してから10分間加温したもの)を得た。これとは別に、酵素反応前のコントロールとして、B溶液0.25mlに1Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液70μlを先に加え、反応停止させてから、A溶液0.75mlを添加したもの(反応混合液Mc)を調製した。これらの反応混合液を、以下に示す反応液体クロマトグラフィーにより分析した。各分析には前記反応混合液100μlを用いた。
(2)反応液体クロマトグラフィーによる分析
W.Marzら(Clin.Chem.,39/11,2276−2281,1993)の方法に従い、酵素反応前後の血清中リピドフラクションの挙動を調べた。すなわち、ゲル濾過用カラム(Superose6カラム:ファルマシア)を用いて、0.2M−NaClを含む0.1M−リン酸緩衝液(pH7.4)を溶出液として0.3ml/分の流速で試料を分離した。次に、分離したリピドフラクションを、70μl/分の流速で流れている総コレステロール測定用酵素試薬(ヤトロン製)と合流させ、37℃の恒温槽中で5分間加温した後、波長580nmで吸光度変化を記録した。図3に、反応混合液M1のクロマトグラム〔曲線(a)〕及び酵素反応前のコントロールである反応混合液Mcのクロマトグラム〔曲線(c)〕を、図4に、反応混合液M2のクロマトグラム〔曲線(b)〕及び酵素反応前のコントロールである反応混合液Mcのクロマトグラム〔曲線(c)〕を示す。なお、図4には、試料プール血清を精製水に換えて、反応混合液M1と同様に操作し調製した試薬盲検例のクロマトグラム〔曲線(d)〕も併せて示す。
各フラクションの溶出位置は、予め、実施例1で調製した各リピドフラクションを前記溶出液で100倍希釈したものを、試料として注入し、その結果から決定した。各リピドフラクションは、脂質複合体としての大きさにしたがい、高分子量のVLDLから溶出され、続いてLDL、HDLの順序でピークが出現した。
こうして得られたピークは、各リピドフラクション中に含有されている総コレステロール量を示しているため、被検試料での酵素反応の結果、認められた各ピークの変化は、各リピドフラクションに対する特異性と反応量とを直接示している。図3に示すように、5分間の酵素反応では、HDLのピークだけが消失したのに対し、図4に示すように、10分間の反応では、更にVLDL及びLDLのピークも減少を始めることが判明した。従って、本発明においては、HDLコレステロールが特異的に反応した後、LDLコレステロールやVLDLコレステロールが反応を始めることが明らかであった。
実施例5:実検体の測定
本発明の試薬組成物として、1.3mM−ESPTを含む40mM−Bis−Tris緩衝液(pH6.2)〔=試薬1〕225μlと、2mM−4−AP、20μg/mlペルオキシダーゼ、1.6%牛アルブミン、3mMコール酸ナトリウム、4u/mlコレステロールオキシダーゼ、及び1u/mlコレステロールエステラーゼを含む40mM−Bis−Tris緩衝液(pH6.2)75μl〔=試薬2〕との2試薬系の構成をとる試薬組成物を使用し、試料3μlを用いる条件で、自動分析装置を使って測定した。試薬1との反応時間は5分間で、続く試薬2との反応時間も5分間とし、主波長546nm及び副波長700nmで測定を行った。血清検体10例は、予め沈殿法(第一化学製)による測定を実施し、比較対照した。また、両測定法での標準物質としては、脂質測定用標準血清(福祉・医療技術振興会製)を用いた。
両測定法の相関関係を図5に示した。本発明方法は、従来から常用されている沈殿法と良好な相関性を示し、本発明方法によるHDLコレステロールの測定が正確であることが確認された。
実施例6:補助ブロッカーの相対反応性
1mM−ESPTを含む40mM−Bis−Tris緩衝液(pH7.0)0.75mlに、実施例1で分画した各リピドフラクション(各10μl)をそれぞれ加え、37℃で5分間加温した。これに2mM−4−APと以下の表1に示す各補助ブロッカーの0.2%水溶液、20μg/mlペルオキシダーゼ、0.09%牛アルブミン、1.7u/mlコレステロールエステラーゼ、及び4u/mlコレステロールオキシダーゼを含む40mM−Bis−Tris緩衝液(pH7.0)0.25mlを添加し、波長546nmにおける吸光度を測定した。
各リピドフラクションに対するn−OTGの反応性を100%として、各化合物の相対反応性を求めた。結果を表1に示す。なお、VLDLとLDLに対する表示値は反応阻害率である。表1に示すとおり、本実施例による条件下では、他の化合物もVLDL及びLDLに対してはn−OTGと同程度の阻害率を有することがわかった。他方、HDLに対する反応特異性が認められることから、本発明方法において適応可能であることが確認された。
実施例7:アルブミン添加効果
(1)LDLフラクションとの反応の場合
1.3mM−ESPTを含む40mM−BES緩衝液(pH7.0)0.75mlに、試料として実施例1で調製したリピドフラクションLDL10μlを加え、37℃で5分間加温した。これに3mMコール酸ナトリウム、2mM−4−AP、0.3%アルブミン、20μg/mlペルオキシダーゼ、0.2%n−OTG、1.7u/mlコレステロールエステラーゼ、及び4u/mlコレステロールオキシダーゼを含む40mM−BES緩衝液(pH7.0)0.25mlを添加し、波長546nmでの吸光度変化を記録した。また、対照試験として、アルブミンを添加しないこと以外は、前記と同様の操作を実施し、その吸光度(波長546nm)変化も記録した。それらの結果を図6に示す。図6において、「添加」はアルブミンを添加した場合を示し、「無添加」はアルブミンを添加しなかった場合を示す。酵素とLDLフラクションのコレステロールとの反応が、アルブミンの添加により、効率よく阻害されていることが確認された。
(2)血清との反応の場合
0.08%牛アルブミン、0.05%n−OTG、1mM−ESPT、0.5mM−4−AP、5μg/mlペルオキシダーゼ、0.75mMコール酸ナトリウム、0.13u/mlコレステロールエステラーゼ、及び1u/mlのコレステロールオキシダーゼを含む40mM−Bis−Tris緩衝液(pH6.8)1.0mlを37℃で5分間加温した。これに予め、総コレステロール値(ヤトロン製,酵素法)とHDLコレステロール値(第一化学製,沈殿法)とを測定した血清3例(血清A〜血清C)について、それぞれ10μlを加え、波長546nmでの吸光度変化を記録した。また、同じ血清について、前記緩衝液の代わりに、前記緩衝液から牛アルブミンを除いた溶液を用いて、同様に記録した。また、血清を精製水に代えて、試薬盲検例も記録した。
結果を図7に示す。予め測定した血清の総コレステロール値及びHDLコレステロール値は、それぞれ、血清Aが200mg/dl及び66mg/dl;血清Bが198mg/dl及び93mg/dl;そして血清Cが109mg/dl及び38mg/dlであった。図7において、曲線(1)〜(3)はアルブミン無添加の場合であり、曲線(4)〜(7)はアルブミン添加の場合である。曲線(1)及び(5)は、血清Aの結果であり、曲線(2)及び(4)は、血清Bの結果である。また、曲線(3)及び(6)は、血清Cの結果である。曲線(7)は、試薬盲検例である。アルブミンを添加した条件では、反応開始からHDLコレステロール値にしたがって吸光度変化を示すことが明らかであった。
実施例8:補助ブロッカーを使用した条件での、反応液体クロマトグラフィー法による血清リピドフラクションとの反応特異性
1.3mM−ESPTを含む40mM−Bis−Tris緩衝液(pH6.8)(以下、D溶液と称する)0.75mlに、試料としてプール血清10μlを加え、37℃で5分間加温した。これに2mM−4−AP、20μg/mlペルオキシダーゼ、0.2%n−OTG、0.36%牛アルブミン、3mMコール酸ナトリウム、4u/mlコレステロールオキシダーゼ、及び0.5u/mlコレステロールエステラーゼを含む40mM−Bis−Tris緩衝液(pH6.8)(以下、E溶液と称する)0.25mlを添加し、5分間加温した。これに1Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液70μlを添加して反応を止め、反応混合液M3を得た。また、前記E溶液の代わりに、E溶液から牛アルブミンを除いた溶液を使用して同様の操作を実施し、反応混合液M4を得た。更に、酵素反応前のコントロールとして、E溶液0.25mlへ1Mトリスヒドロキシメチルアミノメタン水溶液70μlを先に加え、反応停止させてから、D溶液0.75mlを添加したもの(反応混合液Mo)を調製した。
各反応混合液は、実施例4に示した反応液体クロマトグラフィー法により分析した。図8に、反応混合液M3のクロマトグラム〔曲線(a)〕及び酵素反応前のコントロールである反応混合液Moのクロマトグラム〔曲線(c)〕を、反応混合液M4のクロマトグラム〔曲線(b)〕及び酵素反応前のコントロールである反応混合液Moのクロマトグラム〔曲線(c)〕を図9に示す。なお、図8には、試料としてプール血清を精製水に換えて反応混合液M3と同様に操作し調製した試薬盲検例のクロマトグラム〔曲線(d)〕も併せて示す。
アルブミンを添加した時の反応では、HDLのピークだけが消失したのに対し、アルブミン無添加の反応では、更にVLDL及びLDLのピークも減少を始めることが判明した。従って、補助ブロッカー存在下においても、アルブミンの添加は、LDLコレステロールやVLDLコレステロールと酵素との反応を抑制し、HDLコレステロールとのみ特異的に反応させていることが明らかであった。
実施例9:補助ブロッカーを使った場合の実検体の測定
本発明の試薬組成物として、1.3mM−ESPTを含む40mM−Bis−Tris緩衝液(pH7.0)〔=試薬1〕225μlと、2mM−4−AP、20μg/mlペルオキシダーゼ、0.2%n−OTG、0.09%牛アルブミン、3mMコール酸ナトリウム、4u/mlコレステロールオキシダーゼ、及び1u/mlコレステロールエステラーゼを含む40mM−Bis−Tris緩衝液(pH7.0)〔=試薬2〕75μlとの2試薬系の構成をとる試薬組成物を用い、試料3μlを用いる条件で、自動分析装置を使って測定した。試薬1との反応時間は5分間で、続く試薬2との反応時間も5分間とし、主波長546nm及び副波長700nmで測定を行った。血清検体76例は、予め沈殿法(第一化学製)による測定を実施し、比較対照した。また、両測定法での標準物質としては、脂質測定用標準血清(福祉・医療技術振興会製)を用いた。両測定法の相関関係を図10に示す。本発明方法は、従来から常用されている沈殿法と良好な相関性を示し、本発明方法によるHDLコレステロールの測定が正確であることが確認された。
実施例10:乾式測定系での実検体の測定
本発明の試薬組成物として、5mM ESPT,2mM 4−AP,1mg/mlペルオキシダーゼ,4%牛アルブミン,3mMコール酸ナトリウム,1.4u/mlコレステロールオキシダーゼ、及び0.76u/mlコレステロールエステラーゼを含む40mM Bis−Tris緩衝液(pH6.2)を使用し、透明基材(ポリスチレン製)上に前記試薬組成物20μlをスポットし、乾燥させた。試料5μlを乾燥試薬組成物上にのせて、8分間アルミニウムブロック上で37℃に加温した。発色物は、反射式デンシトメーター分析により測定した。血清検体19例は、予め沈殿法(第一化学製)による測定を行い、比較対照した。また、両測定法での標準物質としては、脂質測定用標準血清(福祉・医療技術振興会製)を用いた。両測定法の相関関係を図11に示した。本発明法は、従来から常用されている沈殿法と傾き=0.97及び切片=−6.1mg/dl,相関係数=0.902と良好な相関性を示し、本発明方法によるHDLコレステロールの測定が正確であることが確認された。
産業上の利用可能性
試料(血清又は血漿)の遠心操作を行うことなく、簡便な操作で、HDLコレステロールの高精度の測定を行うことができる。
以上、本発明を特定の態様に関して説明したが、当業者に自明の変形は本発明に含まれる。
Claims (11)
- 生体試料と、膵臓由来のコレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼと、胆汁酸又はその塩とを、アルブミンが存在する条件下で接触させ、前記生体試料中の高密度リポタンパク質コレステロールと前記各酵素との酵素反応により消費される化合物又は生成される化合物を測定することを特徴とする、高密度リポタンパク質コレステロールの測定方法。
- アルブミンが測定系全体の0.01重量%以上存在する条件下で実施する請求項1に記載の方法。
- アルブミンを試薬として添加する、請求項2に記載の方法。
- 更に、一般式(I):
A−(CH2)n−CH3 (I)
(式中、Aはグルコシド基、チオグルコシド基、シュークロースオキシカルボニル基、又はN−メチルグルカミドカルボニル基であり、nは4〜10の整数である)で表される化合物、又は一般式(II):
B−CH2−CH(R1)−CH2−SO3 - (II)
〔式中、Bは3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ基であり、R1は水素原子又はヒドロキシ基である〕で表される化合物の少なくとも1種を共存させる請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。 - 生体試料が、血清又は血漿である請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- 生体試料中の高密度リポタンパク質コレステロールと、コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼとを接触させ、前記コレステロールと前記各酵素との酵素反応により消費される化合物又は生成される化合物を測定して、高密度リポタンパク質コレステロールを特異的に定量するための試薬組成物であって、アルブミンと、胆汁酸又はその塩と、前記コレステロールエステラーゼとして膵臓由来のコレステロールエステラーゼとを含有することを特徴とする試薬組成物。
- 膵臓由来コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼと、アルブミンと、胆汁酸又はその塩と、緩衝液とを含有する液状の請求項6記載の組成物。
- アルブミン及び緩衝液を含む液状第一試薬と、膵臓由来コレステロールエステラーゼ、コレステロールオキシダーゼ及び緩衝液を含む液状第二試薬とからなる請求項6記載の組成物。
- 更に、一般式(I):
A−(CH2)n−CH3 (I)
(式中、Aはグルコシド基、チオグルコシド基、シュークロースオキシカルボニル基、又はN−メチルグルカミドカルボニル基であり、nは4〜10の整数である)で表される化合物、又は一般式(II):
B−CH2−CH(R1)−CH2−SO3 - (II)
〔式中、Bは3−(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ基であり、R1は水素原子又はヒドロキシ基である〕で表される化合物の少なくとも1種を含有する請求項6又は7記載の組成物 - 前記一般式(I)で表される化合物、又は一般式(II)で表される化合物の少なくとも1種を第一試薬及び/又は第二試薬に含有する請求項8に記載の組成物。
- 膵臓由来コレステロールエステラーゼと、コレステロールオキシダーゼと、アルブミンと、胆汁酸又はその塩と、緩衝液とを含有する組成物を含浸して乾燥した試薬領域を含有する、乾式分析要素。
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