JP3869402B2 - Mimo無線信号伝送装置 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信システムに関し、特に、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナとを用いてMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)チャネルを構成するMIMO無線信号伝送装置に関する。
無線通信システムにおいては、受信局側の受信電力が、送信局と受信局間の距離、周辺の反射物などの影響を受ける。したがって、無線通信システムにおいては、受信局側の受信電力が、送信局並びに受信局の位置に著しく依存する。たとえば、位置固定の基地局と位置移動可の移動局とから構成される移動無線通信システムにおいては、受信局側の受信電力が、移動局の位置に依存している。
また、1送信アンテナと1受信アンテナを用いて無線信号を伝送するSISO(Single−Input Single−Output)伝送では、受信信号の信号品質が、受信電力と1受信系の雑音電力の比SNR(Signal−Noise−Ratio)に依存する。ただし、この熱雑音電力の平均値は移動局の位置によらず一定であるため、実質的には、受信信号の信号品質が受信電力に依存していると考えて良い。
このようなSISO伝送の場合、送信局側の送信電力が一定の場合、移動局が移動するごとに受信局側の受信電力が変動するため、受信信号品質を一定に保つことが困難であり、安定した無線通信サービスを提供することが難しい。
これを防ぐために、相手局側の受信電力を一定に保つよう、自局の受信電力や制御信号などにより相手局の受信電力を把握し、この相手局の受信電力に応じて自局の送信電力を制御(以下、「受信電力一定送信電力制御」という。)する方法が良く適用される(非特許文献1参照)。
この受信電力一定送信電力制御を送信局側に適用すると、送信局側の送信可能な送信電力値の範囲において、移動局の位置によらず基地局側、移動局側とともに一定の受信電力で受信できるため、安定した通信サービスを提供することが可能となる。このことを具体的に示した概念図を図5に示す。
図5では、基地局を送信局とし、移動局を受信局としている。基地局の送信電力を一定にした場合(図5におけるグラフ5−1)、移動局の位置によって移動局の受信電力が変動する(図5におけるグラフ5−2)伝搬環境においては、移動局の受信電力がある信号品質に対する所要受信電力に対して少ない分、基地局の送信電力を増加させることにより(図5におけるグラフ5−3)移動局の受信電力を所要受信電力の値に保つことが可能となる(図5におけるグラフ5−4)。これにより、移動局に対して一定の無線信号品質を保つことが可能であり、安定した無線通信サービスを提供することが可能となる。
「proposal of specification of uplink power control in HYPERLAN/2」,ETSI EP BRAN#13.5 HL13.5ERI8A
しかしながら、上記受信電力一定送信電力制御を、複数の送信アンテナと複数の受信アンテナを用いてMIMO(Multiple−Input Multiple−Output)チャネルを構成し、受信側において、各受信アンテナの受信信号から推定した各MIMOチャネルの伝達応答を用いてICI(Inter−Channel−Interference)をキャンセルするなどのMIMOチャネル復調を行うことにより各送信アンテナからの送信信号を全て復元するMIMO伝送に適用した場合、以下の問題が生じる。
送信アンテナ数をNとし(2≦N)、各送信アンテナから送信される無線信号をベクトルT(T=(t,t,・・・,tは転置ベクトル、Tのiは送信アンテナ番号)とおく。また、受信アンテナ数をMとし、各受信アンテナ受信する無線信号をR(R=(r,r,・・・,rは転置ベクトル、rのjは受信アンテナ番号)とおく。送信アンテナj番目と受信アンテナiの伝達応答をhijとおき、hijを各要素とする伝達応答行列をHとおくと、T,R,H,の間には以下の関係がある。
なお、ここで、ベクトルN(N=(n,n,・・・,n))の各要素nは、各受信アンテナiに接続される受信ブランチから発生する熱雑音信号成分を示す。
受信信号Rから、推定した伝達応答行列Hに基づき送信信号tを復元するMIMOチャネル復調処理をW(r,r,・・・,r;H)(t=W(r,r,・・・,r;H))とおくと、この復調処理後の復元信号T(T=(t ,t ,・・・,t は転置ベクトル、t は無線信号tに対す復元信号)は、下記のように表される。
したがって、各復元信号t に対するSNRは以下のように表される。
したがって、SNR、|t|、|W(n,n,・・・n;H)|のサンプル(時間)平均を(SNRAVR、|tAVR、|(W(n,n,・・・n;H))|AVRとおくと、(SNRAVRは、
となる。これから、各復元信号t に対する平均(SNRAVRは、復調処理W(r,r,・・・,r;H)の関数形と受信ブランチに発生する熱雑音信号成分N(N=(n,n,・・・,n))に依存する。
この系に前記受信電力一定送信電力制御を適用した場合の受信電力、(SNRAVRを示した図を図6に示す。各受信アンテナiの受信電力|Li|は下記のように表される。
前記受信電力一定送信電力制御を適用した場合、この受信電力|Li|を一定値|L|にするよう送信電力|tAVRの値を制御する(図6の6−1、6−2)。すなわち、
に基づき無線信号tに対する増幅度αが決定される。このとき、(SNRAVRは数4、数6より、
となる。
したがって、(SNRAVRは、|W(n,n,・・・n;H)| AVR、|W(r,r,・・・,r;H)| AVRに依存するが、増幅度αが|W(n,n,・・・n;H)| AVRとは無関係の数6に従って決定されるため、増幅度αによって(SNRAVRを一定にすることができない。
よって、移動局の位置によって|W(n,n,・・・n;H)| AVRの値が変化した場合(図6の6−3)、受信電力一定送信電力制御では数7の(SNRAVRを一定にすることができない(図6の6−4)。すなわち、移動局の位置によって|W(n,n,・・・n;H)| AVRが変化するような環境でMIMO伝送を用いるとき、受信電力一定送信電力制御適用しても、安定した無線通信サービスを提供することが困難な問題があった。
そこで、本発明は、かかる事情に鑑み、|W(n,n,・・・n;H)| AVRの値に基づいて送信電力を制御することにより、MIMO伝送において(SNRAVRを一定とするMIMO無線信号伝送装置を提供することを目的とする。
本発明によれば、上記課題は、次の手段によって解決される。
第1の発明は、N(N≧2)個の送信アンテナを具備し、前記N個の送信アンテナから同一の周波数を用いて無線信号T(T=(t,t,・・・,t、tは転置ベクトル、tのiは送信アンテナ番号)を送信する無線信号送信装置と、M(M≧1)個の受信アンテナを具備し、前記N個の送信アンテナと前記M個の受信アンテナとの組み合わせであるN×M個の無線経路の伝達応答行列H(Hの(i,j)成分hijは送信アンテナjと受信アンテナi間との伝達応答)が推定可能であり、M個の受信信号R(R=(r,r,・・・,r、tは転置ベクトル、rのjは受信アンテナ番号)に前記推定した伝達応答行列Hを基に定まる復調処理W(r,r,・・・,r;H)(1≦j≦N)を施すことによって元の無線信号t(t=W(r,r,…r;H))を復元する無線信号受信装置と、を備えるN×MのMIMO無線信号伝送装置において、
前記無線信号受信装置は、前記推定した伝達応答行列Hを前記無線信号送信装置に定常的に通知する手段を具備し、前記無線信号送信装置は、前記無線信号受信装置における任意の伝達応答行列Hallに対する前記復調処理Wj(r,r,・・・r;Hall)と前記無線信号受信装置における各受信アンテナに接続される受信ブランチの熱雑音電力とを既知とする手段と、前記通知された伝達応答行列Hと前記既知とした復調処理W(r,r,・・・r;H)と前記既知とした熱雑音電力とを用いて前記無線信号受信装置における前記復調処理W(r,r,・・・,r;H)後の雑音電力aを算出し、前記算出した雑音電力aに比例して前記送信アンテナj番目の送信電力を制御する手段と、を具備する、ことを特徴とするMIMO無線信号伝送装置である。
第2の発明は、N(N≧2)個の送信アンテナを具備し、前記N個の送信アンテナから同一の周波数を用いて無線信号T(T=(t,t,・・・,t、tは転置ベクトル、tのiは送信アンテナ番号)を送信する無線信号送信装置と、M(M≧1)個の受信アンテナを具備し、前記N個の送信アンテナと前記M個の受信アンテナとの組み合わせであるN×M個の無線経路の伝達応答行列H(Hの(i,j)成分hijは送信アンテナjと受信アンテナi間との伝達応答)が推定可能であり、M個の受信信号R(R=(r,r,・・・,r、tは転置ベクトル、rのjは受信アンテナ番号)に前記推定した伝達応答行列Hを基に定まる復調処理W(r,r,・・・,r;H)(1≦j≦N)を施すことによって元の無線信号t(t=W(r,r,…r;H))を復元する無線信号受信装置と、を備えるN×MのMIMO無線信号伝送装置において、
前記無線信号受信装置は、前記推定した任意の伝達応答行列Hallに対する前記復調処理W(r,r,・・・r;Hall)と各受信アンテナに接続される受信ブランチの熱雑音電力とを既知とする手段と、前記推定した伝達応答行列Hと前記既知とした復調処理W(r,r,・・・r,Hall)と前記既知とした熱雑音電力とを用いて前記無線信号受信装置における前記復調処理W(r,r,・・・,r;H)後の雑音電力aを算出し、前記算出した雑音電力aを前記無線信号送信装置に定常的に通知する手段と、を具備し、前記無線信号送信装置は、前記通知された雑音電力aに比例して前記送信アンテナj番目の送信電力を制御する手段を具備する、ことを特徴とするMIMO無線信号伝送装置である。
第3の発明は、N(N≧2)個の送信アンテナを具備し、前記N個の送信アンテナから同一の周波数を用いて無線信号T(T=(t,t,・・・,t、tは転置ベクトル、tのiは送信アンテナ番号)をTDD方式で送信する無線信号送信装置と、M(M≧1)個の受信アンテナを具備し、前記N個の送信アンテナと前記M個の受信アンテナとの組み合わせであるN×M個の無線経路の伝達応答行列H(Hの(i,j)成分hijは送信アンテナjと受信アンテナi間との伝達応答)が推定可能であり、M個の受信信号R(R=(r,r,・・・,r、tは転置ベクトル、rのjは受信アンテナ番号)に前記推定した伝達応答行列Hを基に定まる復調処理W(r,r,・・・,r;H)(1≦j≦N)を施すことによって元の無線信号t(t=W(r,r,…r;H))を復元する無線信号受信装置と、を備えるN×MのMIMO無線信号伝送装置において、前記無線信号受信装置は、パイロット信号を定常的に送信する手段を具備し、前記無線信号送信装置は、前記パイロット信号を受信することによって前記伝達応答行列Hを推定し、任意の伝達応答行列Hallに対する前記無線信号受信装置の前記復調処理W(r,r,・・・r;Hall)と前記無線信号受信装置における各受信アンテナに接続される受信ブランチの熱雑音電力とを既知とする手段と、前記推定した伝達応答行列Hと前記既知とした復調処理W(r,r,・・・r;Hall)と前記既知とした熱雑音電力とを用いて前記無線信号受信装置における前記復調処理W(r,r,・・・,r;H)後の雑音電力aを算出し、前記算出した雑音電力aに比例して前記送信アンテナj番目の送信電力を制御する手段と、を具備する、ことを特徴とするMIMO無線信号伝送装置である。
以上説明したように、本発明に係るMIMO無線信号伝送装置よれば、|W(n,n,・・・n;H)| AVRの値に基づいて送信電力を制御することにより、MIMO伝送において(SNRAVRを一定とすることができる。
以下に、添付した図面を参照しつつ、本発明の好適な実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施例1を示す図である。実施例1は、第1の発明に係るMIMO無線信号伝送装置の実施例である。
図1に示すように、実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置は、無線信号送信装置1と無線信号受信装置2とを備えている。
無線信号送信装置1においては、まず、N個の独立な無線信号T=(t,t,・・・,tが入力される。なお、この無線信号Tは、PCなどの外部から独立なN個のデータ信号列が供給され、それを各々独立に無線変調するような形態でもよいし、また、同じくPCなどの外部から1個のデータ信号列が供給され、このデータ信号系列をこの無線装置がシリアル−パラレル変換によりN個のデータ信号系列に分解した後、各々を独立に無線変調するような形態でもよいし、また、この無線装置自体がN個の独立なデータ信号を発生し、これらを無線変調するような形態でもよい。
無線信号送信装置1は、この無線信号Tに対して、
・ 無線信号受信装置2が伝達応答行列Hを推定するための経路伝達応答行列H推定用パイロット信号を生成する経路伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段1−1、
・ 無線信号Tに経路伝達応答行列H推定用パイロット信号を付加するN個の信号多重手段1−2−1〜1−2−N、
・ N個の信号多重手段1−2−1〜1−2−Nの出力信号を無線周波数へ変換するN個の周波数変換手段1−3−1〜1−3−N、
・ N個の周波数変換手段の出力信号に対して増幅する増幅度可変の可変アンプ1−4−1〜1−4−N、
・ N個の可変アンプ1−4−1〜1−4−Nが増幅したN個の信号を各々無線送信するN個の送信アンテナ1−5−1〜1−5−N、
・ 後述する無線信号受信装置2が推定した経路伝達応答行列Hの情報を取得するための受信アンテナ1−6、
・ 受信アンテナで受信した信号を復調する復調手段1−7、
・ 後述する無線信号受信装置2における任意の伝達応答行列Hallに対する復調処理W(r,r,・・・r;Hall)、並びに無線信号受信装置における各受信アンテナに接続される受信ブランチの熱雑音電力を既知として、復調手段が復調した伝達応答行列Hと復調処理W(r,r,・・・r;Hall)と熱雑音電力を用いて無線信号受信装置における復調処理W(r,r,・・・,r;H)後の雑音電力aを算出し、この算出した雑音電力aに比例して、可変アンプ1−4−jの増幅度を制御する送信電力制御手段1−8、から構成される。
また、無線信号受信装置2は、
・ M個の受信アンテナ2−1−1〜2−1−M
・ 受信アンテナ2−1−1〜2−1−Mが受信した信号に対してベースバンド帯へ周波数変換する周波数変換手段2−2−1〜2−2−N、
・ 前記M個の受信アンテナで受信した経路伝達応答行列H推定用パイロット信号から経路伝達応答行列Hを推定する伝達応答行列H推定手段2−3、
・ 伝達応答行列H推定手段2−3が推定した伝達応答行列Hに基づいて、M個の受信アンテナ2−1−1〜2−1−Mが受信したM個の受信信号R=(r,r,・・・,rについて、元のN個の無線信号Tを復元するための復調処理W(r,r,・・・,r;H)(t=W(r,r,・・・,r;H)、(1≦j≦N))を行うMIMOチャネル復調手段2−4、
・ 伝達応答行列H推定手段2−3が推定した伝達応答行列Hを前記無線信号送信装置1に通知するために、推定した伝達応答行列Hの情報を無線信号に変調する変調手段2−5、
・ 変調手段が変調した無線信号を無線送信する送信アンテナ2−6、
から構成される。
まず、無線信号送信装置1は、送信したいN個の無線信号T=(t,t,・・・,tに先立ち、無線信号受信装置2が経路伝達応答行列Hを推定するための無線信号受信装置2が既知の信号パターンである前記伝達応答行列H推定用パイロット信号を前記伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段1−1により生成し、N個の信号多重手段1−2−1〜1−2−NによってN個の無線信号T=(t,t,・・・,tの前に伝達応答行列H推定用パイロット信号を付加する。
なお、伝達応答行列H推定用パイロット信号は、無線信号受信装置2が伝達応答行列Hを推定できればどんなパイロット信号パターンでも良い。たとえば、各送信アンテナから同じパイロット信号パターンを時分割に送信するような形態が考えられる。この信号パターンを図3に示す。
図3では、例えば送信アンテナ1から順に同じパイロット信号パターンを送信しており、ある送信アンテナからパイロット信号を送信している間は、他の送信アンテナは送信していない。この場合、たとえば、送信アンテナjからパイロット信号が送信された場合、無線信号受信装置2の受信アンテナiでは、送信アンテナjから受信アンテナiを経由したパイロット信号のみが受信されるため、無線信号受信装置2がパイロット信号パターンを既知であれば、送信アンテナjと受信アンテナi間の伝達応答hijが推定可能である。
以下、同様な動作を各送信アンテナから順番に送信されるパイロット信号について、各受信アンテナで行えば、N個の送信アンテナとM個の受信アンテナの全ての組み合わせの伝達応答hij、すなわち伝達応答行列Hが推定可能である。なお、無線信号受信装置において自動利得制御(AGC)が装備されている場合、自動利得制御(AGC)後は、各受信電力|Lがhijによらず一定のレベルを保つよう調整される。本伝達応答hijは、この自動利得制御(AGC)による電力増幅を含まない送信アンテナjから受信アンテナiまでの空間上の純粋な伝達応答とする。このような伝達応答hijを推定する方法としては、上記の方法で推定したhijを、さらに自動利得制御(AGC)の電力増幅度で割るような方法が考えられる。
以上の無線信号受信装置2における伝達応答行列Hの推定動作は、図1において、伝達応答行列H手段2−2で行われる。
N個の多重手段1−2−1〜1−2−NがN個の無線信号T=(t,t,・・・,tに伝達応答行列H推定用パイロット信号を付加したN個の信号はN個の周波数変換手段1−3−1〜1−3−Nによって無線周波数帯へ周波数変換される。
実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置は、無線信号送信装置1側で無線信号受信装置2における復調処理W(r,r,・・・,r;H)を用いるため、無線信号送信装置1から無線信号受信装置2方向の伝達応答行列Hを取得する必要がある。
実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置では、FDD伝送のような無線信号送信装置側で伝達応答行列Hを推定することができない状況を想定し、無線信号受信装置2が推定した伝達応答行列Hを無線信号送信装置1に通知する。そのために、無線信号受信装置2は、伝達応答行列H推定手段2−2で推定した伝達応答行列Hの情報を変調手段2−4、送信アンテナ2−5により、無線信号送信装置1へ無線送信する。無線信号送信装置1は、受信アンテナ1−6、復調手段1−7により、伝達応答行列Hの情報を取得する。その後、取得した伝達応答行列Hは前記送信電力制御手段1−7に伝えられる。
送信電力制御手段1−8は、予め任意の伝達応答行列Hallに対する復調処理W(r,r,・・・r;Hall)、並びに無線信号受信装置における各受信アンテナに接続される受信ブランチの熱雑音電力(n AVR,(n AVR,・・・(n AVRを既知とする。
なお、送信電力制御手段1−8が復調処理W(r,r,・・・r;Hall)を既知とする方法は、あらかじめ送信電力制御手段1−8に復調処理W(r,r,・・・r;Hall)の伝達応答行列Hに対する関数形を登録するような方法が考えられる。
また、送信電力制御手段1−8が前記雑音信号の平均電力(n AVR,(n AVR,・・・(n AVRを既知とする方法は、(NF×所要帯域B×温度T×ボルツマン定数k)の値を送信電力制御手段1−8にあらかじめ登録するような方法がある。ここで、NFは、無線信号受信装置2が備える受信ブランチiのNoise Figure(NF)である。
なお、各受信ブランチの回路構成が同じ構成であれば、無線信号受信装置の各受信ブランチのNF(=NF)を等しいものとし、各受信ブランチの雑音信号の平均電力(n AVR,(n AVR,・・・(n AVRを(NF×所要帯域B×温度T×ボルツマン定数k)として登録する方法もある。
また、無線信号送信装置のNFと無線信号受信装置のNFが等しいと仮定して、送信電力制御手段1−8に自無線信号送信装置1のNFを予め登録するような方法がある。
送信電力制御手段1−8は、通知された伝達応答行列Hに基づき、無線信号受信装置2の復調処理W(r,r,・・・,r;H)を定める。そして、互いに独立であり分散が熱雑音電力(n AVR,(n AVR,・・・(n AVRに各々等しいガウス雑音変数n,n,・・・,nを復調処理W(r,r,・・・,r;H)に代入し、その絶対値の2乗のサンプル平均値|W(n,n,・・・n;H)| AVRを計算する。
サンプル平均値|W(n,n,・・・n;H)| AVRは、数7から分かる通り、無線信号受信装置2における復調処理W(r,r,・・・,r;H)後の無線信号tに対する雑音電力を反映したものとなる。送信電力制御手段1−8は算出したサンプル平均値|W(n,n,・・・n;H)| AVRに比例して、無線信号Tに対する可変アンプ1−4−jの増幅度βを定める。すなわち、
ここで、kは比例定数であり、送信アンテナ番号jに依存しない量である。
N個の周波数変換手段3−3−1〜3−3−NからのN個の出力信号は、可変アンプ1−4−1〜1−4−Nにより、数8に従った増幅度β〜βで増幅された後、送信アンテナ1−5−1〜1−5−Nから送信される。
以上のように、可変アンプ1−4−1〜1−4−Nの増幅度β〜βを制御した場合の送信アンテナ1−5−1〜1−5−Nから送信される無線信号をT=(t ,t ,・・・t とおくと、
となる。
このとき、無線信号受信装置2で受信する受信信号R=(r,r,・・・,rは、下記のように表される。
無線信号受信装置2は、MIMOチャネル復調手段2−3にて、受信信号Rに対して伝達応答行列H手段2−2で推定した伝達応答行列Hに基づき定まる復調処理W(r,r,・・・,r;H)を行い、元の無線信号Tを復元する。その復元信号をTt〜=(t t〜,t t〜,・・・,t t〜とおくと、数2と同様に、
となる。数9、数10、数11より、
各復元信号t に対するSNRの平均値(SNRAVRは、
となる。
したがって、以上の可変アンプ1−4−1〜1−4−Nの増幅度β〜βを制御する送信電力制御により、送信アンテナ番号j、伝達応答行列Hによらず、復元信号T=(t ,t ,・・・t の各成分の平均SNRを一定値k|t AVRにすることが可能である。よって、たとえば所要の無線信号品質に対する所要SNRとこのk|t AVR以上に設定すれば、伝達応答行列Hによらず平均値(SNRAVRを所要SNR以上に保つことが可能である。以上の概念、並びに定性的なグラフを示した図4に示す。
図4では、図5,6と同様、無線信号送信装置1を基地局、無線信号受信装置2を移動局としている。基地局の送信電力を一定にした場合(図4におけるグラフ4−1)、移動局の位置によって移動局の|W(n,n,・・・n;H)| AVRが変動する(図4におけるグラフ4−2)。
このとき、移動局のチャネル間干渉キャンセラ後の平均SNRは数4のようになるため、移動局の位置により平均SNRは変動する(図4におけるグラフ4−3)。しかしながら、本発明の送信電力制御を用いると移動局の|W(n,n,・・・n;H)| AVRに基づいて、基地局の送信電力を数8のように制御するため、移動局の前記復調処理後の平均SNRは数12のように移動局に位置によらずに一定に保つことが可能となる。
したがって、実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置によれば、MIMO伝送において、安定して無線通信サービスを提供することが可能となる。
なお、|W(n,n,・・・n;H)| AVRの具体的な値は、たとえば送信アンテナ数Nと受信アンテナ数Mが等しく、復調処理W(r,r,・・・,r;H)が受信信号Rに対する伝達応答行列Hの逆行列H−1の乗算、すなわち、逆行列H−1の(i,j)成分をh ijとおくと
とすると、数11、数13から|W(n,n,・・・n;H)| AVRは下記のようになる。
無線信号受信装置2の各受信ブランチの熱雑音信号n,n,・・・,nの平均電力が等しい(=σ)と仮定すると、
したがって、復調処理W(r,r,・・・,r;H)が伝達応答行列Hの逆行列H−1乗算の場合、無線信号送信装置1が伝達応答行列Hと無線信号受信装置2の各受信ブランチの平均熱雑音電力σが把握できれば、容易に|W(n,n,・・・n;H)| AVRが算出できる。
また、実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置は、MIMO伝送にマルチキャリアシステムのOFDM(Othrogical Frequency Division Multiplexing)信号伝送方式を適用するMIMO−OFDM方式にも適用可能である。
OFDM信号伝送方式においては、マルチパス波の遅延時間がガードインターバル以内に入っていれば各サブキャリアを独立に復調することができる。すなわち、各サブキャリアの伝送を独立に扱うことが可能である。このような場合、各サブキャリア内で上記と全く同様の数8〜数12が成立する。
したがって、MIMO−OFDM方式に実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置を適用すれば、あるサブキャリア成分においては、全送信アンテナに対するサブキャリア成分の平均SNRを一定にすることが可能である。
また、数12における|W(n,n,・・・n;H)| AVRの値に対する可変アンプの増幅度を決定する比例定数kを全サブキャリアにおいて一定とすると、全送信アンテナに対する全サブキャリア成分、すなわち全変調シンボルに対して、平均SNRを一定にすることが可能である。
したがって、MIMO−OFDM方式に、実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置を適用することにより、安定して無線通信サービスを提供することが可能となる。
実施例2は、第2の発明に係るMIMO無線信号伝送装置の実施例である。
実施例2に係るMIMO無線信号伝送装置は、実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置において、無線信号送信装置1が行っていた|W(n,n,・・・n;H)| AVRの算出を、無線信号受信装置2が行い、算出した|W(n,n,・・・n;H)| AVRを無線信号送信装置1に通知することによって、無線信号送信装置1は通知してもらった|W(n,n,・・・n;H)| AVRに基づき送信電力制御を行うことを特徴としている。
実施例2に係るMIMO無線信号伝送装置が備える無線信号送信装置と無線信号受信装置のブロック構成は、実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置が備える無線信号送信装置と無線信号受信装置のブロック構成と全く同一である。|W (n,n,・・・n;H)| AVRの算出機能は、無線信号受信装置2における伝達応答行列H推定手段2−3が担う。
伝達応答行列H推定手段2−3は、あらかじめ任意の伝達応答行列Hallに対する復調処理W(r,r,・・・r;Hall)、並びに無線信号受信装置における各受信アンテナに接続される受信ブランチの熱雑音電力(n AVR,(n AVR,・・・(n AVRを既知とする。
なお、伝達応答行列H推定手段2−3が復調処理W(r,r,・・・r;Hall)を既知とする方法はあらかじめ伝達応答行列H推定手段2−3に復調処理W(r,r,・・・r;Hall)の伝達応答行列Hに対する関数形を登録するような方法が考えられる。
また、伝達応答行列H推定手段2−3が雑音信号の平均電力(n AVR,(n AVR,・・・(n AVRを既知とする方法は、実施例1の場合と同様である。
伝達応答行列H推定手段2−3は、実施例1の場合と同様に伝達応答行列Hを推定する。その後、推定した伝達応答行列H、復調処理W(r,r,・・・r;Hall)、雑音信号の平均電力(n AVR,(n AVR,・・・(n AVRを用いて、実施例1の無線信号送信装置1の送信電力制御手段1−7が|W(n,n,・・・n;H)| AVRを算出した方法と全く同様の方法により、|W(n,n,・・・n;H)| AVRを算出する。その後、|W(n,n,・・・n;H)| AVRの情報を変調手段2−5と送信アンテナにより、無線信号送信装置1に通知する。
無線信号送信装置1は、通知された|W(n,n,・・・n;H)| AVRの情報を受信アンテナ1−6と復調手段1−7により取得する。復調手段1−7は取得した該|W(n,n,・・・n;H)| AVRの情報を送信電力制御手段1−8はの情報を伝える。
送信電力制御手段1−8は、取得した|W(n,n,・・・n;H)| AVRの値に基づいて、実施例1の場合と全く同様に、可変アンプ1−4−1〜1−4−Nの増幅度β〜βを数8のように設定する。
その他のブロック、無線信号送信装置1における伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段1−1、信号多重手段1−2−1〜1−2−N、周波数変換手段1−3−1〜1−3−N、可変アンプ1−4−1〜1−4−N、送信アンテナ1−5−1〜1−5−N、並びに無線信号受信装置2における受信アンテナ2−1−1〜2−1−M、周波数変換手段2−2−1〜2−2−M、MIMOチャネル復調手段2−4は、実施例1の場合と全く同様の動作をする。
実施例2に係るMIMO無線信号伝送装置では、|W(n,n,・・・n;H)| AVRを算出する機能を無線信号受信信号2が行うため、|W(n,n,・・・n;H)| AVRの算出を無線信号送信信号1が行う実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置よりも無線信号送信装置のハードウェア構成を軽減することができる。
したがって、たとえば、無線信号送信装置1が移動局、無線信号受信装置2が基地局のような無線通信システムでは、実施例2により移動局側のハードウェア負担を軽減することが可能となる。
実施例3に係るMIMO無線信号伝送装置は、実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置において、TDD伝送を前提とし、無線信号送信装置1が無線信号受信装置2から通知してもらっていた伝達応答行列Hを、無線信号受信装置2から各受信アンテナ2−1−1〜2−1−Mから伝達応答行列H推定用パイロット信号を送信してもらうことによって、無線信号送信装置1自身が伝達応答行列Hを推定することを特徴としている。
無線信号送信装置が行う送信電力制御方法において必要な伝達応答行列Hは、無線信号送信装置1から無線信号受信装置2方向の伝達応答行列Hであるが、無線信号送信装置1−1が推定できる伝達応答行列Hは、無線信号受信装置2から無線信号送信装置1方向の伝達応答行列Hである。
しかしながら、TDD伝送であれば、無線信号送信装置1から無線信号受信装置1方向、無線信号受信装置2から無線信号送信装置1方向とも同じ周波数を用いるため、無線信号受信装置2から無線信号送信装置1方向の伝達応答行列Hと無線信号送信装置1から無線信号受信装置2方向の伝達応答行列Hが等しくなる。
したがって、無線信号送信装置1でも、無線信号送信装置が行う送信電力制御方法において必要な無線信号送信装置1から無線信号受信装置2方向の伝達応答行列Hを推定することが可能となる。
実施例3に係るMIMO無線信号伝送装置が備える無線信号送信装置3、無線信号受信装置4を図2に示す。
無線信号送信装置3は、
図1における無線信号送信装置1における経路伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段1−1、信号多重手段1−2−1〜1−2−N、周波数変換手段1−3−1〜1−3−N、可変アンプ1−3−1〜1−3−N、送信電力制御手段1−7と全く同一の、
・ 伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段3−1、
・ N個の信号多重手段3−2−1〜3−2−N、
・ N個の周波数変換手段3−3−1〜3−3−N、
・ N個の可変アンプ3−4−1〜3−4−N、
・ 送信電力制御手段3−7、
を具備する。
さらに、前記伝達応答行列Hを推定するために、
・ 後述する無線信号受信装置4から送信される伝達応答行列H推定用パイロット信号を受信し、また、前記無線信号Tを送信するためのN個の送受信アンテナ3−6−1〜3−6−N、・ 受信した伝達応答行列H推定用パイロット信号から伝達応答行列Hを推定する伝達応答行列H推定手段3−7、
・ 送受信アンテナ3−6−1〜3−6−Nの接続先を可変アンプ3−4−1〜3−4−Nと伝達応答行列H推定手段3−7に時分割に切り替えるN個のTDDスイッチ3−5−1〜3−5−N、
を具備する。
一方、無線信号受信装置4は、図1における無線信号受信装置2における周波数変換手段2−2−1〜2−2−M、伝達応答行列H推定手段2−3、MIMOチャネル復調手段2−4と全く同じ同一の、
・ 周波数変換手段4−3−1〜4−3−N
・ 伝達応答行列H推定手段4−4
・ MIMOチャネル復調手段4−5
を具備する。
また、無線信号送信装置3が伝達応答行列Hを推定できるよう、
・ 伝達応答行列H推定用パイロット信号を生成する伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段4−6、
・ 伝達応答行列H推定用パイロット信号を送信し、また前記無線信号Tを受信するためのM個の送受信アンテナ4−1−1〜4−1−M、
・ 送受信アンテナ4−1−1〜4−1−Mの接続先をMIMOチャネル復調手段4−5と伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段4−6に時分割に切り替えるM個のTDDスイッチ4−2−1〜4−2−M、
を具備する。
なお、無線信号送信装置3における伝達応答行列H推定手段3−7、無線信号受信装置4における伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段4−6は、無線信号受信装置4における伝達応答行列H推定手段4−4、無線信号送信装置3における経路伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段3−1と各々全く同じ機能を有する。
無線信号受信装置4において、伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段4−6において伝達応答行列H推定用パイロット信号を生成し、生成された伝達応答行列H推定用パイロット信号を前記送受信アンテナ4−2−1〜4−2−Mから送信する。なお、伝達応答行列H推定用パイロット信号の信号パターンは実施例1で言及したパターンと全く同一のパターンを用いればよい。
無線信号送信装置3は、送受信アンテナ3−6−1〜3−6−Nから伝達応答行列H推定用パイロット信号を受信することにより、伝達応答行列H推定手段3−7で伝達応答行列Hが推定できる。伝達応答行列H推定手段3−7は推定した伝達応答行列Hを前記送信電力制御手段3−8に伝える。
送信電力制御手段3−8は、伝達応答行列Hが伝えられた後は、実施例1の場合と全く同様にして、可変アンプ1−4−1〜1−4−Nの増幅度β〜βを制御する。
無線信号送信装置3におけるTDDスイッチ3−5−1〜3−5−Nは、無線信号送信装置4が無線信号Tと伝達応答行列H推定用パイロット信号を送信する場合は、送受信アンテナ3−6−1〜3−6−Nと可変アンプ3−4−1〜3−4−Nを接続し、無線信号受信装置2から送信される伝達応答行列H推定用パイロット信号を受信する時は送受信アンテナ3−6−1〜3−6−Nと伝達応答行列H推定手段3−7を接続する。
無線信号受信装置4におけるTDDスイッチ4−2−1〜4−2−Mは、無線信号送信装置3が送信する無線信号Tと伝達応答行列H推定用パイロット信号を受信する場合は、送受信アンテナ4−1−1〜4−1−MとMIMOチャネル復調手段4−5を接続し、伝達応答行列H推定用パイロット信号を送信する場合は、送受信アンテナ4−1−1〜4−1−Mと伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段を接続する。
その他のブロック、無線信号送信装置3における伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段3−1、信号多重手段3−2−1〜3−2−N、周波数変換手段3−3−1〜3−3−N、可変アンプ3−4−1〜3−4−N、送信電力制御手段3−8、並びに無線信号受信装置4における周波数変換手段4−2−1〜4−2−M、MIMOチャネル復調手段4−5は、実施例1の無線信号送信装置1における伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段1−1、信号多重手段1−2−1〜1−2−N、周波数変換手段1−3−1〜1−3−N、可変アンプ1−4−1〜1−4−N、送信電力制御手段1−7、並びに無線信号受信装置2における周波数変換手段2−2−1〜2−2−M、MIMOチャネル復調手段2−5と全く同様の動作をする。
実施例3に係るMIMO無線信号伝送装置は、無線信号送信装置自身が伝達応答行列Hを推定するため、無線信号受信装置から推定した伝達応答行列Hを通知してもらう実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置と比較して、無線信号送信装置はより瞬時に実際の伝搬の伝達応答行列Hを取得することができる。
したがって、実施例3に係るMIMO無線信号伝送装置では、送信電力をより最近の伝達応答行列Hを用いて制御できるため、伝達応答行列Hの変動に対して平均値(SNRAVRを一定にする制御がより高精度に行うことが可能となる。
以上説明したように、実施例1〜実施例3に係るMIMO無線信号伝送装置によれば、MIMO伝送において、無線信号送信装置が無線信号受信装置側の復調処理後の雑音電力|W(n,n,・・・n;H)| AVRを取得し、雑音電力|W (n,n,・・・n;H)| AVRに比例して送信アンテナjの無線信号tの電力を増幅するため、伝達応答行列Hによらず、無線信号受信装置側の復調処理後の平均SNRを一定に保つことが可能である。したがって、実施例1〜実施例3に係るMIMO無線信号伝送装置によれば、受信電力に基づいて送信電力値を制御する従来の送信電力制御では受信SNRを一定に保つことができないような、移動無線通信でのMIMO伝送においても、安定した無線通信サービスを提供することが可能となる。
また、実施例1、実施例2、実施例3の違いは、無線信号送信装置による無線信号受信装置側の復調処理後の雑音電力|W(n,n,・・・n;H)| AVRの取得の方法にある。
実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置は、無線信号受信装置から推定した伝達応答行列Hを通知してもらうことにより、通知してもらった伝達応答行列Hを基に雑音電力|W(n,n,・・・n;H)| AVRを算出する。
一方、実施例2に係るMIMO無線信号伝送装置は、無線信号受信装置側が雑音電力|W(n,n,・・・n;H)| AVRを算出し、算出した雑音電力|W(n,n,・・・n;H)| AVRを無線信号装置装置に通知する。したがって、雑音電力|W(n,n,・・・n;H)| AVRを算出する機能を無線信号送信装置から削除できるため、実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置よりも無線信号送信装置のハードウェア構成を軽減することが可能となる。よって、実施例2に係るMIMO無線信号伝送装置によれば、無線信号送信装置が移動局、無線信号受信装置が基地局となるような無線通信システムで移動局側のハードウェア構成を軽減できる。
一方、実施例3に係るMIMO無線信号伝送装置は、TDD伝送を前提として、無線信号送信装置自身が伝達応答行列Hを推定し、推定した伝達応答行列Hに基づいて雑音電力|W(n,n,・・・n;H)| AVRを算出している。したがって、実施例1に係るMIMO無線信号伝送装置と比較すると、無線信号送信装置が実際の伝搬環境の伝達応答行列Hをより瞬時に取得できるため、伝達応答行列Hの変動に対して平均値(SNRAVRを一定にする制御をより高精度に行うことが可能となる。
実施例1および実施例2に係るMIMO無線信号伝送装置が備える無線信号送信装置1と無線信号受信装置2のブロック構成図である。 実施例3に係るMIMO無線信号伝送装置が備える無線信号送信装置1と無線信号受信装置2のブロック構成図である。 本発明の実施例において、伝達応答行列Hの推定を実現するパイロット信号の構成法の一例を示した図である。 実施例に係るMIMO無線信号伝送装置が行う送信電力制御方法の概念、並びに実施例に係るMIMO無線信号伝送装置が行う送信電力制御方法をMIMO伝送に適用した場合の移動局のSNRを定性的に示したグラフである。 従来の送信電力制御方法の概念を示した図である。 従来の送信電力制御方法をMIMO伝送に適用した場合の移動局のSNRを定性的に示したグラフである。
符号の説明
1 無線信号送信装置
1−1 伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段
1−2−1〜1−2−N 信号多重手段
1−3−1〜1−3−N 周波数変換手段
1−4−1〜1−4−N 可変アンプ
1−5−1〜1−5−N 送信アンテナ
1−6 受信アンテナ
1−7 受信信号復調手段
1−8 送信電力制御手段
2 無線信号受信装置
2−1−1〜2−1−M 受信アンテナ
2−2−1〜2−2−M 周波数変換手段
2−3 伝達応答行列H推定手段
2−4 MIMOチャネル復調手段
2−5 変調手段
2−6 送信アンテナ
3 無線信号送信装置
3−1 伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段
3−2−1〜3−2−N 信号多重手段
3−3−1〜3−3−N 周波数変換手段
3−4−1〜3−4−N 可変アンプ
3−5−1〜3−5−N TDDスイッチ
3−6−1〜3−6−N 送受信アンテナ
3−7 伝達応答行列H推定手段
3−8 送信電力制御手段
4 無線信号受信装置4−1−1〜4−1−M 送受信アンテナ
4−2−1〜4−2−M TDDスイッチ
4−3−1〜4−3−M 周波数変換手段
4−4 伝達応答行列H推定手段
4−5 MIMOチャネル復調手段
4−6 伝達応答行列H推定用パイロット信号生成手段

Claims (3)

  1. N(N≧2)個の送信アンテナを具備し、前記N個の送信アンテナから同一の周波数を用いて無線信号T(T=(t,t,・・・,t、tは転置ベクトル、tのiは送信アンテナ番号)を送信する無線信号送信装置と、
    M(M≧1)個の受信アンテナを具備し、前記N個の送信アンテナと前記M個の受信アンテナとの組み合わせであるN×M個の無線経路の伝達応答行列H(Hの(i,j)成分hijは送信アンテナjと受信アンテナi間との伝達応答)が推定可能であり、M個の受信信号R(R=(r,r,・・・,r、tは転置ベクトル、rのjは受信アンテナ番号)に前記推定した伝達応答行列Hを基に定まる復調処理W(r,r,・・・,r;H)(1≦j≦N)を施すことによって元の無線信号t(t=W(r,r,…r;H))を復元する無線信号受信装置と、
    を備えるN×MのMIMO無線信号伝送装置において、
    前記無線信号受信装置は、前記推定した伝達応答行列Hを前記無線信号送信装置に定常的に通知する手段を具備し、
    前記無線信号送信装置は、
    前記無線信号受信装置における任意の伝達応答行列Hallに対する前記復調処理Wj(r,r,・・・r;Hall)と前記無線信号受信装置における各受信アンテナに接続される受信ブランチの熱雑音電力とを既知とする手段と、
    前記通知された伝達応答行列Hと前記既知とした復調処理W(r,r,・・・r;H)と前記既知とした熱雑音電力とを用いて前記無線信号受信装置における前記復調処理W(r,r,・・・,r;H)後の雑音電力aを算出し、前記算出した雑音電力aに比例して前記送信アンテナj番目の送信電力を制御する手段と、
    を具備する、
    ことを特徴とするMIMO無線信号伝送装置。
  2. N(N≧2)個の送信アンテナを具備し、前記N個の送信アンテナから同一の周波数を用いて無線信号T(T=(t,t,・・・,t、tは転置ベクトル、tのiは送信アンテナ番号)を送信する無線信号送信装置と、
    M(M≧1)個の受信アンテナを具備し、前記N個の送信アンテナと前記M個の受信アンテナとの組み合わせであるN×M個の無線経路の伝達応答行列H(Hの(i,j)成分hijは送信アンテナjと受信アンテナi間との伝達応答)が推定可能であり、M個の受信信号R(R=(r,r,・・・,r、tは転置ベクトル、rのjは受信アンテナ番号)に前記推定した伝達応答行列Hを基に定まる復調処理W(r,r,・・・,r;H)(1≦j≦N)を施すことによって元の無線信号t(t=W(r,r,…r;H))を復元する無線信号受信装置と、
    を備えるN×MのMIMO無線信号伝送装置において、
    前記無線信号受信装置は、
    前記推定した任意の伝達応答行列Hallに対する前記復調処理W(r,r,・・・r;Hall)と各受信アンテナに接続される受信ブランチの熱雑音電力とを既知とする手段と、
    前記推定した伝達応答行列Hと前記既知とした復調処理W(r,r,・・・r,Hall)と前記既知とした熱雑音電力とを用いて前記無線信号受信装置における前記復調処理W(r,r,・・・,r;H)後の雑音電力aを算出し、前記算出した雑音電力aを前記無線信号送信装置に定常的に通知する手段と、
    を具備し、
    前記無線信号送信装置は、前記通知された雑音電力aに比例して前記送信アンテナj番目の送信電力を制御する手段を具備する、
    ことを特徴とするMIMO無線信号伝送装置。
  3. N(N≧2)個の送信アンテナを具備し、前記N個の送信アンテナから同一の周波数を用いて無線信号T(T=(t,t,・・・,t、tは転置ベクトル、tのiは送信アンテナ番号)をTDD方式で送信する無線信号送信装置と、
    M(M≧1)個の受信アンテナを具備し、前記N個の送信アンテナと前記M個の受信アンテナとの組み合わせであるN×M個の無線経路の伝達応答行列H(Hの(i,j)成分hijは送信アンテナjと受信アンテナi間との伝達応答)が推定可能であり、M個の受信信号R(R=(r,r,・・・,r、tは転置ベクトル、rのjは受信アンテナ番号)に前記推定した伝達応答行列Hを基に定まる復調処理W(r,r,・・・,r;H)(1≦j≦N)を施すことによって元の無線信号t(t=W(r,r,…r;H))を復元する無線信号受信装置と、
    を備えるN×MのMIMO無線信号伝送装置において、
    前記無線信号受信装置は、パイロット信号を定常的に送信する手段を具備し、
    前記無線信号送信装置は、
    前記パイロット信号を受信することによって前記伝達応答行列Hを推定し、任意の伝達応答行列Hallに対する前記無線信号受信装置の前記復調処理W(r,r,・・・r;Hall)と前記無線信号受信装置における各受信アンテナに接続される受信ブランチの熱雑音電力とを既知とする手段と、
    前記推定した伝達応答行列Hと前記既知とした復調処理W(r,r,・・・r;Hall)と前記既知とした熱雑音電力とを用いて前記無線信号受信装置における前記復調処理W(r,r,・・・,r;H)後の雑音電力aを算出し、前記算出した雑音電力aに比例して前記送信アンテナj番目の送信電力を制御する手段と、
    を具備する、
    ことを特徴とするMIMO無線信号伝送装置。
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