JP3868661B2 - 球状被加工物のセンターレス研削方法、および同センターレス研削装置 - Google Patents

球状被加工物のセンターレス研削方法、および同センターレス研削装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、調整砥石とブレードと研削砥石とから成り、円柱状加工物を無心的に研削するセンターレス研削技術を飛躍的に改良進歩せしめて、球状の被加工物を高精度で真球に研削仕上げできるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来例のセンターレス研削装置については、既に種々の発明が公開されていて広く知られているが、本願発明は上記公知のセンターレス研削装置の造円作用と呼ばれる原理を利用し、かつ、その用途範囲を飛躍的に拡大して球体を無心的に研削仕上げするものである。以下に、本願発明と比較するための基礎として、公知のセンターレス研削技術について、復習再確認のために、その概要を述べることとする。
図7は、センターレス研削機の原理的な構造機能説明図であって、公知の文献にも広く掲載されている図である。ただし、本願発明を説明する際にも援用できるように、符号と部材名称とを付記してある。
1は砥石車より成る調整砥石で、円弧矢印a方向に回転駆動される。
2は砥石車より成る研削砥石で、上記調整砥石よりも格段に大きい周速となるよう、円弧矢印b方向に回転駆動される。
円柱状の被加工物3′は、ブレード4′と調整砥石1とによって支承され、調整砥石1との摩擦伝動によって円弧矢印c方向の回転を制御されつつ、前記の研削砥石2によって研削される。
図示の記号Grは研削砥石2の半径、
同じくRrは調整砥石1の半径、
同じくWrは円柱状被加工物の半径、
同じくαはブレード4′の頂角、
同じくβは研削砥石に対する心高角、
同じくγは調整砥石に対する心高角、
であって、β+γは心高角、
Hは心高である。
本図7から容易に理解されるように、円柱状の被加工物3′は、チャックして心出し調節するといった操作を受けず、抗した意味で無心的に支承されて回転しながら研削砥石(砥石車)2によって研削される。
加工前の被加工物3′の断面形状が真円でなくて、微視的な凹凸が有っても、円弧矢印c方向に回されつつ、その周方向に関して万遍なく研削砥石2の摺触を受けるので、微視的な凸部は早期に研削され、微視的な凹部は研削を受けない。このようにして、自然に、その断面形状が真円に近づいてゆく。この現象はセンターレス研削の造円作用と呼ばれている(造円作用については、要すれば公刊の文献「加工技術データファイル・センターレス研削」小島利一著、財団法人機械振興協会技術研究所発行1982年,第6巻を御参照いただきたい)。
前記の被加工物3′は、単純な円柱形でなくて、例えばフランジが有ったり、クランクアームが一体に連設されていたり、もしくは中空であったりしても良いが、いずれにせよ被加工面はほぼ円柱面であることを要し、こが高精度の円柱面に修正される。
センターレス研削は高精度が得られ、作業能率が高く、かつ重研削も可能で、その上、自動化に適している(その理由は、チャックしたり心出し調節したりしなくても良いからである)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
以上に説明したように、公知のセンターレス研削技術は、高精度,高能率,半自動ないし全自動といった長所が有るので広く賞用されているが、その加工対象物が円柱状部材に限られていた。
以前から、球形部材をセンターレス研削できないか、という希望,要望は有ったし、これに応え得ればセンターレス研削機の用途拡大を期待できたのであるが、前掲の図7にも表されているように、被加工物の回転(円弧矢印c)が紙面と平行な平面内に在る。すなわち、被加工物の回転が2次元的であるため、球という3次元的な面(つまり、いかなる3次元平面で切断しても、断面形状が円となるような立体曲面)を、2個の砥石車で削り出すことは出来なかった。
このため、高精度の円形断面を有する固形部材の製造について、円柱は主としてセンターレス研削、球は主として転造、というように、自ずから守備範囲が定まっていた。
【0004】
しかるところ、この度、本発明者らは、直径20ミリメートルないし40ミリメートルの、ゴム製の球を高精度の球に仕上げ加工することの要望を受けた。
ゴム球は、射出成形によって、ほぼ球状に成形されるが、これを更に高精度の真球に仕上げ加工しようとする場合、前段落で述べた転造工法は利用できない。
こうした技術的背景の下に本発明者らは、粗球状のゴム球を真球状に研削する技術を鋭意研究,開発に努めた。
ゴム材を砥石で磨り減らすことについても難しい問題は有るが、本発明者らは既に、円柱状のゴム材をセンターレス研削する技術について多年の研究と経験とを蓄積しているので、金属材の研削に比して砥石の目の粗さの選定や、研削熱の除去冷却(ゴムの耐熱性限界の考慮)について適正な条件を設定すれば、ゴム材の表面状態を良好に保って研削することが可能であった。このため、研究は専ら「球の無心的に支承しつつ、立体的に、万遍無く回転させて、研削砥石に対して球面の総べての箇所を均等に摺触せしめること」に向けられた。
上記の「球体の全面を均等を摺触させる技術」を開発すれば、これをゴム材以外に適用することも期待できる。
本発明は上述の事情に鑑みて為されたものであって、その目的とする所は、
センターレス研削技術を拡大的に改良して、
その高精度,高能率,省力という長所を損なうことなく、
球状の非加工物を高精度の真球形に研削仕上げすることに在る。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために創作した本発明の基本的な原理を、その1実施形態に対応する図1を参照して略述すると次のとおりである。
X−X面による断面形状が円形である被加工物を調整砥石に接触せしめて、その回転を制御しつつ、研削砥石によって上記被加工物を無心的に研削するセンターレス研削技術を拡大的に改良して、球状被加工物を高精度の真球に研削仕上げするため、
研削砥石2の外周部に、球状被加工物3に対して線接触し得る形状の断面半円形リング溝2dを形成する。調整砥石1を軸心周りに回転させることにより、上記球状被加工物3をY−Y軸周りに回転せしめつつ、上記調整砥石1を往復矢印t−t′のごとくY軸と平行に往復動せしめる。これにより、球状被加工物3はZ軸(X軸とY軸とに交わり、紙面と垂直)周りにも回転せしめられ、その全面が均一に研削砥石2の断面半円形リング溝2dに摺触せしめられる。
【0006】
上述の原理に基づいて、請求項1に係る発明方法の構成は、円柱状の回転砥石車である調整砥石と、ブレードとによって「球状の被加工物」を支承するとともに、上記調整砥石と被加工物との間の摩擦伝動によって該被加工物の回転を制御しつつ、
回転砥石車である研削砥石を上記被加工物に接触させて、その円形断面を高精度の真円ならしめるセンターレス研削方法において、
球状の被加工物を調整砥石とブレードとによって支承した状態で、上記球状被加工物に対して線接触する「断面半円形のリング溝」を有する研削砥石によって該球状被加工物を研削しつつ、
研削砥石の軸心方向に関して、該研削砥石と被加工物との相対的な位置を変えることなく、該被加工物に対する調整砥石の相対的位置を、調整砥石の軸心方向往復移動させることを特徴とする。
以上に説明した請求項1の発明方法によると、従来技術においては軸心周りの回転のみであった調整砥石が、軸心方向の往復動を併せて行なうようになる。
調整砥石が軸心周りに回動すると、この調整砥石から摩擦伝動を受ける被加工物は、上記調整砥石の軸心と平行な線を中心として回転せしめられる。従来技術におけるがごとく円柱面を研削する場合は、上述のように調整砥石軸と平行な仮想の固定軸を中心とする回転で足りたのであるが、これだけでは立体的に3次元的な回転面である球面を研削仕上げすることは出来ない。
そこで上述のごとく調整砥石が軸心方向に平行移動すると、前記球状被加工物は「調整砥石の軸心と交わることなく、該調整砥石の軸心と直角な仮想の線」を中心として回転せしめられる。
すなわち、従来技術におけると同様に回転しつつ、「従来技術における回転の中心線と直交する仮想の中心線」の周りに回動せしめられる。
上述の動作を分解して理解するには、本請求項1の発明方法によって新たに発生せしめられた回動を次のように考えれば良い。
すなわち、調整砥石の動きを回転運動と往復運動とに分解し、回転運動を思考から除外して往復運動のみを抽出して考える。そして、調整砥石を基準にして、該調整砥石に対する球状被加工物の相対的な運動を考察すると、
球状被加工物は、調整砥石の円柱面に接触しつつ、該調整砥石の幅方向に転動する(軸心方向に転がる)。
上述のようにして、球状被加工物が、その中心点を通る直交2軸のそれぞれを中心として回転とすることにより、該球状被加工物の全表面が、研削砥石に対して均等に接触せしめられる。
全表面が均等の機会で研削砥石に接触せしめられるので、球状の被加工物の素材に微小な凹凸が有った場合、凸部は強い研摩を被り、凹部はほとんど研摩を受けず、造円作用が働いて次第に真球に近づく。
球状被加工物の全面が均等な機会で研削砥石の摺触を受けるので、理論的考えれば研削砥石の形状の如何にかかわらず球状被加工物を真球状に研削仕上げされるのであるが、本請求項1の発明方法においては、研削砥石の外周部に、リング溝を設けて、該リング溝の内周面を断面半円形に構成して、球状被加工物に対して線接触せしめる。このように線接触状態で研削砥石による研摩を受けるので、点接触する場合に比して著しく高能率で真球面が形成される。
実際問題として、球状被加工物をリング溝に対して、立体幾何学的に厳密に線接触させることは不可能に近いほど困難である。その理由の一つとして、球状被加工物の直径寸法はセンターレス研削加工によって微小寸法ながら縮小する。これに対して、研削砥石のリング溝形状が不変であると見做せば、研削加工の開始時と終了時との両方において厳密に線接触せしめることができない。
さらに、多数の球状被加工物を研削加工するに従って、研削砥石の研削面(今の場合リング溝の内周面)は次第に摩滅してゆく。しかしながら、1個の球状被加工物を研削仕上げする毎に研削砥石を交換し、もしくはツルーイング(形状修正)することは、実際問題として非常に困難である(所要工数が増し、作業能率が低下して加工コストが増加して、経済的に採算がとれなくなっていまう)。
本請求項1の発明方法においては、先に述べたように球状被加工物が直交2軸それぞれの周りに回転して、その全面が均等な機会で研削を受けるので、厳密に線接触しなくても真球状に研削仕上げされる。
従って、本発明において「線接触する形状」とは、精密機械加工工学レベルにおける線接触を意味し、立体幾何学における理論的に厳密な線接触であることを要しない。
ここに重要なことは、「研削砥石のリング溝の内周面の半円形の形状が反転された凸形になって、球状被加工物の表面に転写されるのではない」ということである。
真球面の形成は、球状被加工物が無心的に支承されて直交2軸それぞれの周りに回転しつつ研削砥石に接触し、その全表面が機会均等に研摩を受けることによって行なわれる。研削砥石に対する線接触は、上記の作用を円滑かつ高能率で行なわせる作用を果たす。
球面の形成という意味で本発明に隣接する技術分野と比較して考察すると、
溶触したガラスを凹球面の型に流し込んで球面凸レンズを成形する例においては、型の凹球面がそっくり転写される。
また、粗凸レンズを凹球面状の砥石に押し当てて揺り動かすレンズ研摩においては、研摩された凸レンズの仕上げ面は、転写ほどではないが砥石の凹球面の影響を著しく被る。
これに比して本発明のセンターレス研削においては、センターレス研削の原理である造円作用を生かして球面を研ぎ出す方策をとり、球面を転写成形するという構成はとらない。その結果として、研削砥石のリング溝内周面の断面形状である半円形の精度が、研削仕上げされる球面の精度に対して直接的な悪影響を及ぼさない。
これにより、研削砥石のメンティナンスが容易であるとともに、メンティナンスのため
の機械装置休止による能率低下を招く虞れが無い。
【0007】
請求項2に係る発明方法の構成は、前記請求項1の発明方法の構成要件に加えて、前記研削砥石の1個に対して、複数個の「断面半円形のリング溝を設けておくとともに該複数個のリング溝の径寸法を相互に異ならしめておき、
径寸法を相互に異にする複数種類の球状被加工物を、同時に、もしくは交互に研削加工することを特徴とする。
以上に説明した請求項2の発明方法によると、径寸法を異にする複数種類の球状被加工物をセンターレスを研削して真球状に仕上げる場合、該球状被加工物の種類が変わる度にセンターレス研削機の構成部材(主として研削砥石)を交換したり調節状態を修正したりして、いわゆる段取り替えを行なう必要が無いので、総合的な作業能率を向上せしめることができる。
こうした作用の実用的価値は、センターレス研削の基本的特性に照らして考察することによって初めて明らかになる。すなわち、
センターレス研削は、高精度が得られ、しかも省力的で高能率である。しかし、作業を開始するに先立って機械装置を調節する際に高度の知識と経験を有する作業者によって行なわれることが望ましい(高度の知識,経験が無ければ調節できない訳ではないが、高度の知識,経験が有れば有るほど優れた研削精度が得られ、製品歩留りが向上する)。
センターレス研削の工程に複数種類の球状被加工物が流されている場合、本請求項2の発明方法を適用するには、シリーズ方式をとってもパラレル方式をとっても良い。
例えば大,小2種類の球状被加工物が流されているとき、適宜の交替サイクルタイムを定めて、交互に、大径球状被加工物を流したり、小径球状被加工物を流したりするシリーズ方式は、総合的な作業能率は劣るが作業内容が単純で、工程管理が容易である。このシリーズ方式は、大径球状被加工物の個数と小径被加工物の個数との差が大きい場合に好適である。
また、大,小2種類の球状被加工物が流されているとき、1台のセンターレス研削機に対して、同時に、大径,小径両方の球状被加工物を送給するパラレル方式は、大径球状被加工物の個数と小径被加工物の個数との差が小さいときに好適である。
上記シリーズ方式,パラレル方式の何れの場合においても、大径球状被加工物と小径球状被加工物との変化に対応する段取り替えを必要としないので、作業の遂行が容易であり、マクロ的に高い作業能率が得られて、球状被加工物の1個あたり加工コストが低廉である。
【0008】
請求項3に係る発明装置の構成は、直交座標軸X,Y,Zを想定し
Y軸の周りに回転する円柱状の砥石車である調整砥石と、上記調整砥石と協働して「断面が円形をなす被加工物」を支承するブレードと、Y軸と平行な回転中心軸を有する砥石車から成る研削砥石とを具備するセンターレス研削装置において、
前記の研削砥石は、その外周面にリング溝が設けられており、
上記リング溝の、研削砥石軸中心線を含む面による断面形状は、前記被加工物の断面形状である円の半円、もしくは上記の半円に類似した形状・寸法を為していて
前記被加工物が研削砥石のリング溝に嵌合して研削を受けている状態において該被加工物は研削砥石に対するY軸方向の相対的な位置を拘束され、
かつ前記被加工物が研削砥石に対するY軸方向の相対的な位置を一定に保った状態で、前記の調整砥石が、その軸心の周りに回転駆動されるとともに、該軸心方向に往復駆動されるようになっていることを特徴とする。
以上に説明した請求項3の発明装置によると、被加工物の断面形状である円の半円(もしくは該半円に類似した形状)を為すリング溝が設けられているので、研削加工の対象を球状物体にまで拡大することができた。
従来技術に係るセンターレス研削装置は円柱面を無心研削の対象としており、該円柱面の断面形状は円である。ただし、この従来技術における研削対象物は、「上記の円を、該円が位置する平面と垂直方向に平行移動させた軌跡面である円柱」であるのに比して、本請求項3の装置における研削対象物は、「上記の円を、その直径を中心として回転させた軌跡面である球」である。このような差を生ぜしめ得たのは、研削砥石に前記のリング溝を設けたからである。
本発明に近い公知の先行技術である球面凸レンズの研摩においては、レンズの凸球面をネガティブに転写した凹球面形状の研削砥石が用いられる。
しかし、センターレス研削機における研削砥石は回転砥石車であるから、被加工物である球面をネガティブに転写した凹球面にすることはできず、本請求項3におけるがごとく「被加工物の断面形状である円の半円状のリング溝を設けることによってのみ球面の研削が可能となる。「球面を研削するための半円状断面を有するリング溝」を備えた回転砥石車形の研削砥石は、本発明によって初めて創り出されたものであり、従来技術においては極めて困難とされていた球状被加工物の無心的研削を可能ならしめた。
この新規な技術は、センターレス研削機を母体とし、「研削砥石の凹面により被加工物を凸球面に仕上げるという、凸レンズ研摩技術」を変形されて採り入れたものと見ることもできる。言うまでもなく、二つの技術を単に寄せ集めただけではなく、「リング溝」と、「調整砥石の軸心方向往復駆動」と、を創作することによって、回転砥石車による球面の無心的研削を初めて可能ならしめ得たものである。
本請求項3における調整砥石は軸心周りの回転と軸心方向の往復との複合動作を行なう。該調整砥石の軸心周りの回転は、球状被加工物に対して「調整砥石軸と平行な仮想の軸周りの回転」を与え、かつ、該調整砥石の軸心方向往復動は球状被加工物に対して「上記仮想の軸に直交する仮想の軸周りの往復回動」を与える。これらの連続回転・往復回動が複合されて、上記の球状被加工物は直交3軸周りに回動する(その理由は、直交2軸それぞれの周りの回転のベクトル和が、もう一つの直交軸周りの回転を生み出すからである)。このようにして球状被加工物は3次元空間内で複雑に、しかも各軸周り毎に均等に回転し、その全表面が研削砥石に対して均等に、万遍無く摺触せしめられ、センターレス研削特有の造円作用が働いて真球面が磨き出される。
【0009】
請求項4に係る発明装置の構成は、前記請求項3の発明装置の構成要件に加えて、前記複数個のリング溝が、相互に「その断面形状の半円形の半径寸法」を異にしていて、
径寸法を異にする複数種類の球状被加工物を同時にセンターレス研削できるようになっていることを特徴とする。
請求項4の発明装置によると、大・小のリング溝が設けられているので、大・小の球状被加工物を同時に研削することができる。
これを「装置の構造機能」として見るときは、大・小の球状被加工物を同時に研削できるようになっているのであるが、その「用途範囲」として見れば同時研削することもでき、順次研削することもでき、汎用性が大きくて研削作業工程の設計的自由度が大きい。
このような構成を生み出したものは、「大・小のリング溝を設ければ大・小の球状被加工物を研削できる」という単純な着想ではないことに留意しなければならない。
すなわち、本請求項4が従属している独立項(請求項3)の構成に係る調整砥石は、回転しつつ軸心方向に往復移動する部材である。そして、研削砥石のリング溝の中へ線接触状態に嵌合したとき、大径の球状被加工物も小径の球状被加工物も前記調整砥石に接触して摩擦伝動(回転制御)を受けなければならない。このような基本条件をクリアーし得るということを理論的にも実験的にも確認したことを踏まえて本請求項4が創作されたものである。
従って、単に大小のリング溝に大小のボールが嵌合するという構成のみを抽出して眺めると、例えば特殊ボールベアリングにも見られる構造に類似しているが、該大・小のボールを「往復動する調整砥石に接触せしめて回転制御する構成」と切り離して「構成の類似性」を論じることはできない。
本請求項4のような、従来例のセンターレス研削では予想し得なかった作用効果が得られたのは、その加工対象である「球面」の特性を解析研究した結果である。
すなわち、従来技術におけるセンターレス研削の加工対象物である「円柱」は、そのバリエーションとして「段付き円柱」や、「フランジ付き円柱」や、「クランクアーム付き円柱」や、「テーパ付き円柱(円錐)」や、「端面(の研削)」が付随し得たし、また先行技術はこうした多様性に対応してきた。しかし、本発明が研削しようとする「球面」は、それ自体が一つの閉曲面であって、フランジも、テーパも、端面も付随し得ない。このように、直径によって一義的に決定される、窮極的に単純な立体形状である球面を研削加工の対象とするところから本請求項4が創作されたものである。
従来例のセンターレス研削技術において、大径部と小径部とが同心状に形成された段付円柱を加工対象として、大径円柱面と小径円柱面とを同時に研削し得るセンターレス研削機は開発されているが、この種のセンターレス研削機においては、調整砥石を軸心方向に動かすことは不可能である。このような条件下において大径円柱面・小径円柱面を同時に無心的に研削する従来技術に基づいては、本請求項4に係る大径球面・小径球面の同時無心研削を創作することが容易ではない。
【0016】
【発明の実施の形態】
図2は、本発明に係る球状被加工物のセンターレス研削方法を実施するために構成した、本発明装置の1実施形態を備えたセンターレス研削装置を示し、部分的に破断して描いた正面図である。
先ず、本図2を参照しつつ、本発明装置に特有の構成部分を中心として略述すると、
1は調整砥石であって、調整砥石支持機構9によって回転自在に支持されるとともに、調整砥石駆動モータ10、および調整砥石ドレッサ12を備えている。
本図2について説明した上記2行の構成部分が、軸心方向案内手段19によって、前記調整砥石1の軸心方向(紙面と垂直)に案内され、支持されている。これらの構成部分の詳細については図3を参照して後に説明する。
上記の軸心方向案内手段19は、従来例におけると同様ないし類似の上部摺動部(別名・上部スライド)16搭載されている。この上部摺動部16は、従来例におけると同様ないし類似の下部摺動部13に搭載され、サーボモータ17により、台形ネジ18を介して切込み送り方向(図において左右方向)に往復駆動される。
前記の下部摺動部13は、ベッド8に搭載されていて、サーボモータ14により、台形ネジ15を介して切込み送り方向に往復駆動される。
符号3を付して示したのは球状被加工物であって、前記の調整砥石1と球状被加工物支持部材4とによって支承され、調整砥石1の図の左回り(反時計方向・円弧矢印a)回転により摩擦伝動を受けて(詳しくは、回転を制御されて)図の右回りに回転せしめられる。
前記の球状被加工物支持部材4は、従来例のセンターレス研削機におけるブレード(前掲の図7における符号4′)に相当する構成部材であって、従来例のブレードと類似の部材を用いることもできる。ただし、外観的にブレード(刃物)状であることを要しない。
また、前記の調整砥石1の役目は、球状被加工物を支持して回転せしめることであり、調整砥石という名称は慣習によるものであって、必ずしも砥石としての研削機能を有する材料で構成することを要しない(例えばゴムローラであっても良い)。
【0017】
図2に示した符号2の部材は研削砥石である。本発明に係る研削砥石は、図1を参照して後に詳しく述べるように特殊な形状に構成されている。この特殊形状の研削砥石2をツルーイングし、および/またはドレッシングするために、図6を参照して後に詳述するロータリードレッサ5、および、その駆動モータ6を備えている。
符号7を付して示したのは研削砥石の駆動手段であって、従来例におけると同様ないし類似の構成から成り、駆動プーリ7aを備えた電気モータ7bと、被動プーリ7cと、伝動ベルト7dとを有していて、研削砥石2を円弧矢印b方向に回転させる。
図2について略述したところから理解されるように、本実施形態のセンターレス研削機は、従来例のセンターレス研削機との間における構成部材の互換性が大きい。このため、既製のセンターレス研削機を改造して本発明を適用することが経済的にも可能であり、また、製造工場において在来機と改造機とを2本立てで生産する場合、工程管理が容易で製造コストが低い(互換部品についての量産効果を期待し得る)。
【0018】
図1は、本発明の1実施形態における調整砥石と、球状被加工物と、調整砥石とを抽出して模式的に描いた平面図であって、上記の球状被加工物を支持する専用の部材(いわゆるブレード)の図示を省略してある。
【0019】
本例の研削砥石2は、2枚の円板状砥石2A,2Bに分割されており、スペーサ2aを介して同心状に重ね合わせ、フランジ状部2b,同2cを有する研削砥石軸に取り付けられ、上記2個のフランジ状部2b,2cに挟みつけられて連結固定されている。
上記2枚の円板状砥石2A,2Bのそれぞれには、球状被加工物3に対して円弧に沿って線接触し得る形状の断面を有する、断面半円形リング溝2dが設けられている。
上記の断面とは、研削砥石2の回転軸中心線(図に現れていないが、Y軸と平行)を含む面である。半円形とは、必ずしも幾何学的に厳密な半円であることを要せず、その円弧状部分が円周の1/2よりも若干短くても良く、通常の一般公差よりも大きい偏差が許容される。その理由は、研削砥石の研削面は稼働に伴って経時的に変形(摩耗)するので、極度に高精度の円弧とすることに実効が無いこと、および、リング溝2dの凹円弧が球状被加工物3に転写されて凸球面になるのではなく、センターレス研削特有の造円作用が働くので、前記断面半円形リング溝2dに誤差が有っても、研削仕上げされた球状被加工物3の誤差は格段に小さくなるからである。
前記の研削砥石2、および調整砥石1は、図7に示した従来例におけると同様に、それぞれ軸心周りに回転駆動される。しかし、これだけでは球状被加工物3は、図7に示した円弧矢印c方向に回転するだけである。この回転を図1について見ると、「球状被加工物3の中心点を通り、調整砥石1の軸心に直交する仮想の軸Y−Yを中心とする回転をするだけである。
【0020】
このため、本実施形態の調整砥石1は、その軸心周りに回転しつつ、これと併せて軸心方向に、往復矢印t−t′方向に往復駆動される。この往復動の案内・駆動機構の詳細は、図3を参照して後に説明する。
図1について、図示した軸X,Yを含む直交3軸X,Y,Zを想定する。本図においてZ軸は、X軸とY軸との交点を通って紙面に直交している。研削砥石の回転軸や調整砥石の回転軸はY軸に平行である。
調整砥石1が往復矢印t−t′のごとく往復駆動されると、球状被加工物3は上記の軸Z周りに往復回動せしめられる。前掲の図7を援用して上記の往復回動を考察すると、Z軸周りの往復円弧矢印θのごとく球状被加工物3が往復回動せしめられる。
上述の構造機能から明らかなごとく、被加工物をZ軸周りに回転させるための構成要件は「調整砥石を被加工物に対して相対的に変位させること」である(調整砥石をY軸方向に往復移動させても、被加工物が該調整砥石と一緒にY軸方向へ移動したのでは、該被加工物に回転を生じない)。
図3は、前掲の図2に示した実施形態におけるセンターレス研削機の模式的な側面図である。
先に図2について述べた上部摺動部16の上に、調整砥石の軸心1bと平行に軸心方向案内手段19が設けられて、調整砥石支持機構9を支持するとともに案内している。
上記調整砥石支持機構9は、軸心方向往復駆動サーボモータ21により、ボールネジ22を介して調整砥石軸心1bと平行に往復駆動される。
本実施形態における主要諸元は次のとおりである。
調整砥石直径寸法 230mm
調整砥石回転速度 200rpm
調整砥石Y軸方向寸法 150mm
調整砥石往復動振幅 50mm
研削砥石直径寸法 455mm
研削砥石回転速度 1399rpm
球状被加工物直径寸法 20mm〜40mm
調整砥石往復動周期 4秒
本発明を実施する際、これらの数値に拘束されるものではなく、適宜に設定することができる。
【0021】
図4は、同時に複数個の球状被加工物をセンターレス研削している状態を模式的に描いた平面図であって、(A)は複数個の同径の球状被加工物を同時に研削している状態を表し、(B)は大径の球状被加工物と小径の球状被加工物とを同時に研削している状態を表している。
いずれの場合においても、研削砥石の回転軸の中心線からリング溝2dの底までの距離Rと、球状被加工物3の直径寸法Dとの合計を、1個の研削砥石2′もしくは1個の研削砥石2″について一定値ならしめることによって良好な接触状態が得られる。
上記の距離Rと直径寸法Dとの合計は、厳密にはベクトル和であるが、代数和で設計しても実用上は許容される。
【0022】
本図4(A)のように、同時に複数個の球状被加工物3を研削すると作業能率を向上せしめ得る。
また、本図4(B)の実施形態によると、同時に大径球状被加工物3Aと小径球状被加工物3Bとを研削することもでき、または、段取り替えせずに大径球状被加工物3Aと小径球状被加工物3Bとを順次に(交互に)研削することもできる。
【0023】
図5は、前掲の図4の模式図に示した実施形態に係る研削砥石を分割構造に構成した2例を示す断面図であって、(A)は同一種類の円板状砥石を同心状に結合した研削砥石を描き、(B)は2種類の円板状砥石を同心状に結合した研削砥石を描いてある。
図5(A)の例では、それぞれ1個の断面半円形リング溝2dを設けた複数枚の円板状砥石2Aを相互に同心状に結合して研削砥石を構成してある。このような構成によると、断面半円形リング溝2dのツルーイング(形成加工)やドレッシング(表面状態整備)を容易に行なうことができる。
本図5(A)の実施形態の変形例として、1個の円板状砥石に複数個の断面半円形リング溝を設けても良い。
本図5(B)の例では、大径球状被加工物3Aに適合する断面半円形リング溝2d′を設けた円板状砥石2Cの複数枚と、小径球状被加工物3Bに適合する断面半円形リング溝2d″を設けた円板状砥石2Dの複数枚とを同心状に結合して研削砥石を構成してある。
研削砥石は重量物であり、しかも段取り替えの際にはセンターレス研削機に対して脱着交換しなければならないので、メンティナンスに多大の労力を要し、事故発生の虞れも絶無とは言えないが、図5(A),(B)の例のようにして円板状砥石に分割すると、その取扱いが容易になる。
図5(B)に示した例は、大径球状被加工物の研削処理個数と、小径球状被加工物の研削処理個数との比が3対2の場合に好適であるが、この研削処理個数の比率が変更された場合、本例のような分割構造の円板状砥石の必要枚数を予め準備しておけば、迅速かつ容易に対応することができる。
【0024】
図6は、本発明に係る断面半円形リング溝をツルーイングし、および/またはドレッシングするために構成したロータリードレッサの1実施形態を示し、前掲の図1に例示した研削砥石をツルーイング/ドレッシングしている状態を描いた模式図である。
本発明に係る研削砥石2は、従来技術においては構成されたことの無い断面半円形リング溝2dを備えているので、従来技術を適用してツルーイングしたりドレッシングしたりすることは非常に難しい。NC制御機構を備えたツルーイング/ドレッシング装置を用いることも考えられるが、高価な設備を要する上に、その運転操作やメンティナンスに高度の知識や熟練を必要とする。
そこで本実施形態(図6)においては、研削加工対象とされる球状被加工物の半径と等しい半円形を、軸心5aの周りに回転せしめて得られる回転面に相当する形状の断面半円形膨出部5dを外周に形成したロータリドレッサ5を構成し、その回転軸の片方の端を軸受部5cによって支承するとともに、その他方の端を駆動手段を備えた軸受機構5bによって支承して、回転駆動できるようにした。本例によれば、研削砥石2の断面半円形リング溝2dを迅速,容易かつ正確にツルーイングおよび/またはドレッシングすることができる。
【0025】
先に述べたように、研削砥石2の断面半円形リング溝2dの内周面は、球状被加工物に対して文字どおり半円周を線接触させる必要が無い。
むしろ、球状被加工物の素材には取代が付されていて大径になっていること、および、球状被加工物の素材をワーキングエリアに送り込む作業の都合、並びにツルーイング/ドレッシングを容易ならしめるため、断面半円形リング溝2dは、その入口がテーパ状に拡開していた方が好都合である。
本図6に示した実施形態における断面半円形リング溝2dの詳細は次のとおりである。すなわち、
球状被加工物の直径Dは38mmであり、
これに合わせて、断面半円形リング溝2dの底部付近の角ψ範囲は、その断面形状を、D=38mm(半径19mm)の円弧に仕上げられる。本例において角ψは131度である。
上記角度範囲よりも外側(図において上下)は、テーパ状に拡開されていて、断面半円形リング溝2dの全幅寸法Wは42mmである(比較して考察すると、球状被加工物の仕上寸法(直径)38mmに比して、溝幅寸法W=42mmは、10%ほど大きく設定されている。
本例のように溝の入口を拡開することなく、純粋に直径38mmの半円弧状の断面を有するようにリング溝2dを形成したならば、「取代を有していて直径が38mmよりも大きい球状被加工物素材」を加工位置に送り込もうとしても、溝の入口が干渉を生じ、該球状被加工物素材は断面半円形リング溝2dの溝底付近に接触することができない状態になってしまう。
【0026】
本例のように、研削砥石2の断面半円形リング溝2dの溝底付近を球状被加工物に対して線接触せしめ、溝の全幅寸法Wを球状被加工物の直径仕上寸法Dよりも明確に大きく設定することによって、球状被加工物を高精度,高能率、かつ円滑にセンターレス研削することができる。
【0027】
研削砥石2の断面半円形リング溝2dを上述のような形状にツルーイング/ドレッシングするため、本例のロータリードレッサ5の外周部に形成した断面半円形膨出部5dの形状は、前記断面半円形リング溝2dに対応する形状に構成される。
以上に述べたところから容易に理解されるごとく、本発明の構成において「球状被加工物に対してほぼ線接触する形状」とは「球状被加工物に対して、少なくとも部分的に線接触し得る形状」の意である。
本発明において球状被加工物は、無心的に支持されて、X軸周りにも、Y軸周りにも、Z軸周りにも均等に回転しつつ研削砥石の接触を受けるので、部分的に線接触することによって真球状に研削仕上げされる。研削加工に伴って研削砥石の断面半円形リング溝2dの内周面が摩耗して、半円形の半径寸法が変化しても、球状被加工物のセンターレス仕上寸法に対して別段の悪影響を及ぼす虞れは無い。
【0028】
【発明の効果】
以上に本発明の実施形態を挙げてその構成・機能を明らかならしめたように、請求項1の発明方法によると、従来技術においては軸心周りの回転のみであった調整砥石が、軸心方向の往復動を併せて行なうようになる。
調整砥石が軸心周りに回動すると、この調整砥石から摩擦伝動を受ける被加工物は、上記調整砥石の軸心と平行な線を中心として回転せしめられる。従来技術におけるがごとく円柱面を研削する場合は、上述のように調整砥石軸と平行な仮想の固定軸を中心とする回転で足りたのであるが、これだけでは立体的に3次元的な回転面である球面を研削仕上げすることは出来ない。
そこで上述のごとく調整砥石が軸心方向に平行移動すると、前記球状被加工物は「調整砥石の軸心と交わることなく、該調整砥石の軸心と直角な仮想の線」を中心として回転せしめられる。
すなわち、従来技術におけると同様に回転しつつ、「従来技術における回転の中心線と直交する仮想の中心線」の周りに回動せしめられる。
上述の動作を分解して理解するには、本請求項1の発明方法によって新たに発生せしめられた回動を次のように考えれば良い。
すなわち、調整砥石の動きを回転運動と往復運動とに分解し、回転運動を思考から除外して往復運動のみを抽出して考える。そして、調整砥石を基準にして、該調整砥石に対する球状被加工物の相対的な運動を考察すると、
球状被加工物は、調整砥石の円柱面に接触しつつ、該調整砥石の幅方向に転動する(軸心方向に転がる)。
上述のようにして、球状被加工物が、その中心点を通る直交2軸のそれぞれを中心として回転することにより、該球状被加工物の全表面が、研削砥石に対して均等に接触せしめられる。
【0029】
全表面が均等の機会で研削砥石に接触せしめられるので、球状の被加工物の素材に微小な凹凸が有った場合、凸部に強い研摩を被り、凹部はほとんど研摩を受けず、造円作用が働いて次第に真球に近づく。
球状被加工物の全面が均等な機会で研削砥石の摺触を受けるので、理論的に考えれば研削砥石の球状の如何にかかわらず球状被加工物は真球状に研削仕上げされるのであるが、本請求項1の発明方法においては、研削砥石の外周部に、リング溝を設けて、該リング溝の内周面を断面半円形に構成して、球状被加工物に対して線接触せしめる。このように線接触状態で研削砥石による研摩を受けるので、点接触する場合に比して著しく高能率で真球面が形成される。
実際問題として、球状被加工物をリング溝に対して、立体幾何学的に厳密に線接触させることは不可能に近いほど困難である。その理由の一つとして、球状被加工物の直径寸法はセンターレス研削加工によって微小寸法ながら縮小する。これに対して、研削砥石のリング溝形状が不変であると見做せば、研削加工の開始時と終了時との両方において厳密に線接触せしめることはできない。
さらに、多数の球状被加工物を研削加工するに従って、研削砥石の研削面(今の場合リング溝の内周面)は次第に摩減してゆく。しかしながら、1個の球状被加工物を研削仕上げする毎に研削砥石を交換し、もしくはツルーイング(形状修正)することは、実際問題として非常に困難である(所要工数が増し、作業能率が低下して加工コストが増加して、経済的に採算がとれなくなってしまう)。
本請求項1の発明方法においては、先に述べたように球状被加工物が直交2軸それぞれの周りに回転して、その全面が均等な機会で研削を受けるので、厳密に線接触しなくても真球状に研削仕上げされる。
従って、本発明において「線接触する形状」とは、「ほぼ線接触する形状」で足りる。
ここに重要なことは、「研削砥石のリング溝の内周面の半円形の形状が反転された凸形になって、球状被加工物の表面に転写されるのではない」ということである。
真球面の形成は、球状被加工物が無心的に支承されて直交2軸それぞれの周りに回転しつつ研削砥石に接触し、その全表面が機会均等に研摩を受けることによって行なわれる。研削砥石に対する線接触は、上記の作用を円滑かつ高能率で行なわせる作用を果たす。
球面を作り出すという意味で本発明に隣接する技術分野に比較して考察すると、
溶融したガラスを凹球面の型に流し込んで球面凸レンズを成形する例においては、型の凹球面がそっくり転写される。
また、粗凸レンズを凹球面状の砥石に押し当てて揺り動かすレンズ研摩においては、研摩された凸レンズの仕上げ面は、転写ほどではないが砥石の凹球面精度の影響を著しく被る。
これに比して本発明のセンターレス研削においては、センターレス研削の原理である造円作用を生かして球面を研ぎ出す方策をとり、球面を転写成形するという構成はとらない(造円作用については、前述の段落番号0002参照)。
その結果として、研削砥石のリング溝内周面の断面形状である半円形の精度が、研削仕上げされる球面の精度に対して直接的な悪影響を及ぼさない。
これにより、研削砥石のメンティナンスが容易であるとともに、メンティナンスのための機械装置休止による能率低下を招く虞れが無い。
【0031】
請求項2に係る発明方法を前記請求項1の発明方法に併せて適用すると、径寸法を異にする複数種類の球状被加工物をセンターレスを研削して真球状に仕上げる場合、該球状被加工物の種類が変わる度にセンターレス研削機の構成部材(主として研削砥石)を交換したり調節状態を修正したりして、いわゆる段取り替えを行なう必要が無いので、総合的な作業能率を向上せしめることができる。
こうした作用の実用的価値は、センターレス研削の基本的特性に照らして考察することによって初めて明らかになる。すなわち、
センターレス研削は、高精度が得られ、しかも省力的で高能率である。しかし、作業を開始するに先立って機械装置を調節する際に高度の知識と経験を有する作業者によって行なわれることが望ましい(高度の知識,経験が無ければ調節できない訳ではないが、高度の知識,経験が有れば有るほど優れた研削精度が得られ、製品歩留りが向上する)。
センターレス研削の工程に複数種類の球状被加工物が流されている場合、本請求項の発明方法を適用するには、シリーズ方式をとってもパラレル方式をとっても良い。
例えば大,小2種類の球状被加工物が流されているとき、適宜の交替サイクルタイムを定めて、交互に、大径球状被加工物を流したり、小径球状被加工物を流したりするシリーズ方式は、総合的な作業能率は劣るが作業内容が単純で、工程管理が容易である。このシリーズ方式は、大径球状被加工物の個数と小径被加工物の個数との差が大きい場合に好適である。
また、大,小2種類の球状被加工物が流されているとき、1台のセンターレス研削機に対して、同時に、大径,小径両方の球状被加工物を送給するパラレル方式は、大径球状被加工物の個数と小径被加工物の個数との差が小さいときに好適である。
上記シリーズ方式,パラレル方式の何れの場合においても、大径球状被加工物と小径球状被加工物との変化に対応する段取り替えを必要としないので、作業の遂行が容易であり、マクロ的に高い作業能率が得られて、球状被加工物の1個あたりの加工コストが低廉である。
【0034】
請求項の発明装置によると、被加工物の断面形状である円の半円(もしくは該半円に類似した形状)を為すリング溝が設けられているので、研削加工の対象を球状物体にまで拡大することができた。
従来技術に係るセンターレス研削装置は円柱面を無心研削の対象としており、該円柱面の断面形状は円である。ただし、この従来技術における研削対象物は、「上記の円を、該円が位置する平面と垂直方向に平行移動させた軌跡面である円柱」であるのに比して、本請求項の装置における研削対象物は、「上記の円を、その直径を中心として回転させた軌跡面である球」である。このような差を生ぜしめ得たのは、研削砥石に前記のリング溝を設けたからである。
本発明に近い公知の先行技術である球面凸レンズの研摩においては、レンズの凸球面をネガティブに転写した凹球面形状の研削砥石が用いられる。
しかし、センターレス研削機における研削砥石は回転砥石車であるから、被加工物である球面をネガティブに転写した凹球面にすることはできず、本請求項3におけるがごとく「被加工物の断面形状である円の半円状のリング溝を設けることによってのみ球面の研削が可能となる。創作された結果としての本請求項3の構成(リング溝)を見れば、これによって球状被加工物が研削成形されることが当たり前のように感じられるかも知れないが、「球面を研削するための半円状断面を有するリング溝」を備えた回転砥石車形の研削砥石は、本発明によって初めて創り出されたものであり、従来技術においては予想し得なかった球状被加工物の無心的研削を可能ならしめた。
この新規な技術は、センターレス研削機を母体とし、「研削砥石の凹面により被加工物を凸球面に仕上げるという、凸レンズ研摩技術」を変形されて採り入れたものと見ることもできる。言うまでもなく、二つの技術を単に寄せ集めただけではなく、「リング溝」と、「調整砥石の軸心方向往復駆動」と、を創作することによって、回転砥石車による球面の無心的研削を初めて可能ならしめ得たものである。
本請求項における調整砥石は軸心周りの回転と軸心方向の往復との複合動作を行なう。該調整砥石の軸心周りの回転は、球状被加工物に対して「調整砥石軸と平行な仮想の軸周りの回転」を与え、かつ、該調整砥石の軸心方向往復動は球状被加工物に対して「上記仮想の軸に直交する仮想の軸周りの往復回動」を与える。これらの連続回転・往復回動が複合されて、上記の球状被加工物は直交3軸周りに回動する(その理由は、直交2軸それぞれの周りの回転のベクトル和が、もう一つの直交軸周りの回転を生み出すからである)。このようにして球状被加工物は3次元空間内で複雑に、しかも各軸周り毎に均等に回転し、その全表面が研削砥石に対して均等に、万遍無く摺触せしめられ、センターレス研削特有の造円作用が働いて真球面が磨き出される。
【0037】
請求項4に係る発明装置を前記請求項3の発明装置に併せて適用すると、大・小のリング溝が設けられているので、大・小の球状被加工物を同時に研削することができる。
これを「装置の構造機能」として見るときは、大・小の球状被加工物を同時に研削できるようになっているのであるが、その「用途範囲」として見れば同時研削することもでき、順次研削することもでき、汎用性が大きくて研削作業工程の設計的自由度が大きい。
このような構成を生み出したものは、「大・小のリング溝を設ければ大・小の球状被加工物を研削できる」という単純な着想ではないことに留意しなければならない。
すなわち、本請求項が従属している独立項(請求項)の構成に係る調整砥石は、回転しつつ軸心方向に往復移動する部材である。そして、研削砥石のリング溝の中へ線接触状態に嵌合したとき、大径の球状被加工物も小径の球状被加工物も前記調整砥石に接触して摩擦伝動(回転制御)を受けなければならない。このような基本条件をクリアーし得るということを理論的にも実験的にも確認したことを踏まえて本請求項が創作されたものである。
従って、単に大小のリング溝に大小のボールが嵌合するという構成のみを抽出して眺めると、例えば特殊ボールベアリングにも見られる構造に類似しているが、該大・小のボールを「往復動する調整砥石に接触せしめて回転制御する構成」と切り離して「構成の類似性」を論じることはできない。
本請求項のように「従来例のセンターレス研削では予想し得なかった作用効果が得られたのは、その加工対象である「球面」の特性を解析研究した結果である。
すなわち、従来技術におけるセンターレス研削の加工対象物である「円柱」は、そのバリエーションとして「段付き円柱」や、「フランジ付き円柱」や、「クランクアーム付き円柱」や、「テーパ付き円柱(円錐)」や、「端面(の研削)」が付随し得たし、また先行技術はこうした多様性に対応してきた。しかし、本発明が研削しようとする「球面」は、それ自体が一つの閉曲面であって、フランジも、テーパも、端面も付随し得ない。このように、直径によって1義的に決定される、窮極的に単純な立体形状である球面を研削加工の対象とするところから本請求項が創作されたものである。
従来例のセンターレス研削技術において、大径部と小径部とが同心状に形成された段付円柱を加工対象として、大径円柱面と小径円柱面とを同時に研削し得るセンターレス研削機は開発されているが、この種のセンターレス研削機においては、調整砥石を軸心方向に動かすことは不可能である。このような条件下において大径円柱面・小径円柱面を同時に無心的に研削する従来技術に基づいては、本請求項に係る大径球面・小径球面の同時無心研削を創作することが容易ではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態における調整砥石と、球状被加工物と、調整砥石とを抽出して模式的に描いた平面図であって、上記の球状被加工物を支持する部材の図示を省略してある。
【図2】本発明に係る球状被加工物のセンターレス研削方法を実施するために構成した、本発明装置の1実施形態を備えたセンターレス研削装置を示し、部分的に破断して描いた正面図である。
【図3】前掲の図2に示した実施形態におけるセンターレス研削機の模式的な側面図である。
【図4】同時に複数個の球状被加工物をセンターレス研削している状態を模式的に描いた平面図であって、(A)は複数個の同径の球状被加工物を同時に研削している状態を表し、(B)は大径の球状被加工物と小径の球状被加工物とを同時に研削している状態を表している。
【図5】前掲の図4の模式図に示した実施形態に係る研削砥石を分割構造に構成した2例を示す断面図であって、(A)は同一種類の円板状砥石を同心状に結合した研削砥石を描き、(B)は2種類の円板状砥石を同心状に結合した研削砥石を描いてある。
【図6】本発明に係る断面半円形リング溝をツルーイングし、および/またはドレッシングするために構成したロータリードレッサの1実施形態を示し、前掲の図1に例示した研削砥石をツルーイング/ドレッシングしている状態を描いた模式図である。
【図7】センターレス研削機の原理的な構造機能説明図であって、公知の文献にも広く掲載されている図である。ただし、本発明を説明する場合にも援用できるように、符号と部材名称とを付記してある。
【符号の説明】
1…調整砥石、1a…調整砥石軸フランジ状部、1b…調整砥石の軸心、2,2′,2″…研削砥石、2a…スペーサ、2b,2c…研削砥石軸フランジ状部、2d…断面が半円形をなすリング溝、3…球状被加工物、3A…大径の球状被加工物、3B…小径の球状被加工物、3′…円柱状被加工物、4…球状被加工物支持部材、5…ロータリードレッサ、5a…軸心、5b…軸受・駆動部、5c…軸受部、5d…断面が半円形をなす膨出部、6…ロータリードレッサ駆動モータ、7…研削砥石駆動手段、7a…駆動プーリ、7b…電気モータ、7c…被動プーリ、7d…伝動ベルト、8…ベッド、9…調整砥石支持機構、10…調整砥石駆動モータ、11…調整砥石駆動部、12…調整砥石ドレッサ、13…下部摺動部、14…サーポモータ、15…台形ネジ、19…軸心方向案内手段、20…水平旋回部、21…軸心方向往復駆動サーボモータ、22…ボールネジ、23…ボールネジサポート部。

Claims (4)

  1. 円柱状の回転砥石車である調整砥石と、ブレードとによって「断面が円形をなす被加工物」を支承するとともに、上記調整砥石と被加工物との間の摩擦伝動によって該被加工物の回転を制御しつつ、
    回転砥石車である研削砥石を上記被加工物に接触させて、その円形断面を高精度の真円ならしめるセンターレス研削方法において、
    球状の被加工物を調整砥石とブレードとによって支承した状態で、上記球状被加工物に対して線接触する「断面半円形のリング溝」を有する研削砥石によって該球状被加工物を研削しつつ、
    研削砥石の軸心方向に関して、該研削砥石と被加工物との相対的な位置を変えることなく、該被加工物に対する調整砥石の相対的位置を、調整砥石の軸心方向往復移動させることを特徴とする、球状被加工物のセンターレス研削方法。
  2. 前記研削砥石の1個に対して、複数個の「断面半円形のリング溝を設けておくとともに該複数個のリング溝の径寸法を相互に異ならしめておき、
    径寸法を相互に異にする複数種類の球状被加工物を、同時に、もしくは交互に研削加工することを特徴とする、請求項1に記載した球状被加工物のセンターレス研削方法。
  3. 直交座標軸X,Y,Zを想定し
    Y軸の周りに回転する円柱状の砥石車である調整砥石と、上記調整砥石と協働して「断面が円形をなす被加工物」を支承するブレードと、Y軸と平行な回転中心軸を有する砥石車から成る研削砥石とを具備するセンターレス研削装置において、
    前記の研削砥石は、その外周面にリング溝が設けられており、
    上記リング溝の、研削砥石軸中心線を含む面による断面形状は、前記被加工物の断面形状である円の半円、もしくは上記の半円に類似した形状・寸法を為していて
    前記被加工物が研削砥石のリング溝に嵌合して研削を受けている状態において該被加工物は研削砥石に対するY軸方向の相対的な位置を拘束され、
    かつ前記被加工物が研削砥石に対するY軸方向の相対的な位置を一定に保った状態で、前記の調整砥石が、その軸心の周りに回転駆動されるとともに、該軸心方向に往復駆動されるようになっていることを特徴とする、球状被加工物のセンターレス研削装置。
  4. 前記複数個のリング溝が、相互に「その断面形状の半円形の半径寸法」を異にしていて、
    径寸法を異にする複数種類の球状被加工物を同時にセンターレス研削できるようになっていることを特徴とする、請求項に記載した球状被加工物のセンターレス研削装置。
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