JP3864451B2 - エンジンのアイドル回転数制御装置 - Google Patents

エンジンのアイドル回転数制御装置 Download PDF

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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明はエンジンのアイドル回転数制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
回転の不安定なアイドル状態で負荷変動があると回転数が大きく落ち込むので、この回転数の落ち込みを防止するためアイドル回転数のフィードバック制御条件の成立時に回転数がアイドル時の目標回転数NSETと一致するように吸入空気量制御手段や点火時期制御手段を用いてアイドル回転数のフィードバック制御を行うものが従来より知られている。
【0003】
また、吸入空気量制御手段を用いてのアイドル回転数のフィードバック制御では、吸入空気量の増加操作よりエンジントルクの上昇までに応答遅れがあり、この応答遅れにより負荷急変時の回転落ちに間に合わないことがあるので、吸入空気量制御手段を用いてのアイドル回転数のフィードバック制御に加えて、トルク上昇までの応答遅れが小さい点火時期制御手段を用いてのアイドル回転数のフィードバック制御を併せて行うようにしたものもある(特開昭57−83665号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような装置では、アイドル回転数のフィードバック制御に移行する際に、エンジン回転数と目標回転数NSETとの偏差が大きい場合は、エンジン回転数が目標回転数NSETに収束する過程で吸入空気量(または点火時期)のフィードバック量が大きくなる。特に、積分制御を行っている場合には、図22に示すように吸入空気量のフィードバック量のうちの積分分がマイナス側に大きく増加(つまり吸入空気量が大きく減少)するためエンジン回転数が目標回転数NSETに到達した後に回転数の落ち込みが生じる。
【0005】
このような回転数の落ち込み現象は、図23のようにシフトダウンによる負荷の急減でエンジン回転数が一時的に急上昇してエンジン回転数と目標回転数NSETとの偏差が大きくなった場合に顕著になるので、特開平2−70955号公報の装置では、フィードバック制御中にシフトダウンが行われたときアイドル回転数のフィードバック制御を所定時間停止してフィードバック補正の行き過ぎを防止するとともに、このフィードバック制御の停止中に点火時期を一定量進角させる(つまり積極的に出力を増加させることによって回転数をもちあげる)ことで、ハンチングを抑制するようにしている。しかしながら、この装置では、フィードバック制御の停止中に負荷変動等が起きてエンジン回転数が大きく変動したとき、フィードバック制御が働かないため点火時期を進角させていても回転数が目標回転数NSET以下に落ち込む可能性がある。かといって、この回転落ちを予防するためフィードバック制御の停止中にフィードフォワード的に過大に吸入空気量を増量したのでは、負荷変動等が生じない場合に回転数の上昇により運転性と燃費が悪化してしまう。
【0006】
そこで本発明は、フィードバック制御条件の成立時に所定の第1の回転数よりそのときの実回転数とアイドル時の目標回転数(第1の目標回転数)NSETとの間に第2の目標回転数NETARGETを設定し、その第2の目標回転数NETARGETにエンジン回転数が一致するようにアイドル回転数のフィードバック制御を行うことにより、特にフィードバック制御中の負荷の急減によりエンジン回転数が一時的に急上昇する場合でも、エンジントルクを減らす側のフィードバック量を過度に溜め込むことに伴う回転数の落ち込みを防止しつつ前記第1の目標回転数NSETに収束させることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
第1の発明では、図24に示すように、エンジンの運転条件に応じてアイドル時の目標回転数を第1の目標回転数NSETとして設定する手段31と、アイドル回転数のフィードバック制御を行う条件の成立時か否かを判定する手段32と、この判定結果よりフィードバック制御を行う条件の成立時に前記第1の目標回転数NSETに近づけるように第2の目標回転数NETARGETを設定する手段33と、エンジン回転数NEがこの第2の目標回転数NETARGETに収束するように第2の目標回転数NETARGETとの偏差に応じトルク制御手段を用いてアイドル回転数のフィードバック制御を行う手段34とを設け、所定の第1の回転数N1から前記第1の目標回転数NSETに近づけるように前記第2の目標回転数NETARGETを設定する場合に、前記所定の第1の回転数N1がフィードバック制御開始回転数であり、このフィードバック制御開始回転数に達したときの前記エンジン回転数NEを前記第2の目標回転数NETARGETの初期値とする。
さらに、第1の発明では、前記所定の第1の回転数を初期値として一次遅れまたは二次遅れで前記第1の目標回転数NSETに追従する値を前記第2の目標回転数NETARGETとして設定するとともに、前記トルク制御手段が吸入空気量制御手段である。
【0009】
の発明では、第1の発明において前記フィードバック制御が積分制御である。
【0010】
の発明では、第1または第2の発明において前記第2の目標回転数NETARGETを、アイドル状態へのエンジン回転数の降下に影響する因子に応じて前記第1の目標回転数NSETに近づけるように設定する。
【0011】
の発明では、第の発明において前記エンジン回転数の降下に影響する因子が、エンジンの慣性モーメント、駆動系の慣性モーメント、コレクタ容積、冷却水温、バッテリ電圧、エンジンと駆動系が結合している場合における車速の減速度、エンジンと駆動系が結合している場合におけるエンジン回転数の減速度またはエンジンにより駆動される補機負荷である。
【0013】
の発明では、第の発明において前記一次遅れまたは二次遅れの時定数を、エンジンの慣性モーメント、エンジンが駆動系と結合している場合における駆動系の慣性モーメント、コレクタ容積、冷却水温、バッテリ電圧、エンジンと駆動系が結合している場合における車速の減速度、エンジンと駆動系が結合している場合におけるエンジン回転数の減速度、エンジンにより駆動される補機負荷のいずれか一つに応じて設定する。
【0014】
の発明では、第の発明において前記一次遅れまたは二次遅れの時定数を前記エンジンの慣性モーメントが大きいときほど大きくする。
【0015】
の発明では、第の発明においてエンジンが駆動系と結合している場合に駆動系の慣性モーメントが大きいときほど前記一次遅れまたは二次遅れの時定数を大きくする。
【0016】
の発明では、第の発明において前記一次遅れまたは二次遅れの時定数をコレクタ容積が大きいときほど大きくする。
【0017】
の発明では、第の発明において前記一次遅れまたは二次遅れの時定数を冷却水温が低いときほど小さくする。
【0018】
10の発明では、第の発明において前記一次遅れまたは二次遅れの時定数をバッテリ電圧が低いときほど小さくする。
【0019】
11の発明では、第の発明においてエンジンと駆動系が結合している場合に車速の減速度またはエンジン回転数の減速度が大きくなるほど前記一次遅れまたは二次遅れの時定数を小さくする。
【0020】
12の発明では、第の発明において補機負荷がエンジンに作用している場合に補機負荷が大きくなるほど前記一次遅れまたは二次遅れの時定数を小さくする。
【0021】
13の発明では、第の発明において前記一次遅れまたは二次遅れの時定数が、エンジンの慣性モーメント、駆動系の慣性モーメント、コレクタ容積、冷却水温、バッテリ電圧、エンジンと駆動系が結合している場合における車速の減速度、エンジンと駆動系が結合している場合におけるエンジン回転数の減速度、エンジンにより駆動される補機負荷のうちの複数に応じて設定する場合にその設定される複数の時定数のなかで一番大きな値である。
【0022】
14の発明では、第の発明において前記一次遅れまたは二次遅れの時定数が、エンジンの慣性モーメント、エンジンが駆動系と結合している場合における駆動系の慣性モーメント、コレクタ容積、冷却水温、バッテリ電圧、エンジンと駆動系が結合している場合における車速の減速度、エンジンと駆動系が結合している場合におけるエンジン回転数の減速度、エンジンにより駆動される補機負荷のいずれか一つに応じて設定する場合にその設定される時定数より少し大きな時定数である。
【0023】
15の発明では、第1から第14までのいずれか一つの発明において前記フィードバック制御を行う条件の成立時に所定の第2の回転数(たとえばNSET+300)以上の回転域でエンジン回転数NEより低い回転数を前記第2の目標回転数NETARGETとして設定する。
【0024】
16の発明では、第15の発明において前記所定の第2の回転数(たとえばNSET+300)以上の回転域でこの第2の回転域未満の回転域よりフィードバックゲイン(比例ゲインや積分ゲイン)を小さい値に切換える。
【0025】
17の発明では、第1から第14までのいずれか一つの発明において前記フィードバック制御を行う条件の成立時に実エンジン回転数が所定の第2の回転数(たとえばNSET+300)未満の状態より第2の回転数以上となりふたたび第2の回転数未満の状態となるとき、実エンジン回転数が第2の回転数以上の回転域にあるあいだ、実エンジン回転数が第2の回転数以上となる直前の前記第2の目標回転数を前記第2の目標回転数として保持し、実エンジン回転数が前記ふたたび第2の回転数未満の状態となったとき、この保持した値を初期値として一次遅れまたは二次遅れで前記第1の目標回転数に追従する値を前記第2の目標回転数として設定する。
【0026】
18の発明では、第17の発明において前記第2の目標回転数を保持するときその保持する前よりフィードバックゲインを小さい値に切換える。
【0027】
19の発明では、第1から第14までのいずれか一つの発明において前記フィードバック制御を行う条件の成立時に負荷の急減を検出または推定したときその検出時または推定時より所定の時間T0、実エンジン回転数NEより少し低い回転数を前記第2の目標回転数NETARGETとして設定する。
【0028】
20の発明では、第1から第14までのいずれか一つの発明において前記フィードバック制御を行う条件の成立時に負荷の急減を検出または推定したときその検出時または推定時より所定の時間T0、前記負荷の急減を検出または推定する直前の前記第2の目標回転数NETARGETの値を保持する。
【0029】
21の発明では、第19または第20の発明において前記負荷の急減を検出または推定したとき、その検出時より所定の時間T0、フィードバックゲインを前記負荷の急減を検出または推定する直前より小さい値に切換える。
【0030】
22の発明では、第19から第21までのいずれか一つの発明において前記負荷の急減が自動変速機のシフトダウンによる負荷の急減である。
【0031】
23の発明では、第1から第22までのいずれか一つの発明において前記フィードバック制御を行う条件の成立時に実エンジン回転数が前記第1の目標回転数NSET未満となった後にふたたび前記第1の目標回転数に戻るとき前記第1の目標回転数NSETを前記第2の目標回転数NETARGETとして、実エンジン回転数が前記第1の目標回転数未満であるあいだ、設定する。
【0032】
24の発明では、第23の発明において前記第1の目標回転数NSET未満の回転域でこの第1の目標回転域NSET以上の回転域よりフィードバックゲインを大きな値に切換える。
【0033】
【作用】
第1の発明では、コースティング状態や減速状態よりアイドル状態への移行に際し、第1の目標回転数に近づけるように第2の目標回転数を設定し、第1の目標回転数ではなく、この第2の目標回転数にエンジン回転数が収束するように第2の目標回転数との偏差に応じトルク制御手段を用いてアイドル回転数のフィードバック制御を行うことから、第2の目標回転数との偏差に基づいてフィードバック量を演算する第1の発明のほうが、第1の目標回転数との偏差に基づいてフィードバック量を演算する従来例よりフィードバック量の値が小さくなり、これによって、フィードバック制御を行っていても、特にエンジントルクを減らす側へフィードバック量を過度に溜め込むことにならないので、エンジントルクを減らす側へのフィードバック量を過度に溜め込むことに伴う回転数の落ち込みを防止しつつ第1の目標回転数へと収束させることができる。また、自動変速機のシフトダウンなどによる負荷の急減に伴い実回転数が一時的に大きくなる場合にも、目標回転数との偏差が従来例より小さくなるので(つまりフィードバック量をエンジントルクを減らす側に過度に減らしていない)、フィードバック制御中にシフトダウンによる吹き上がりが生じた場合にも、実回転数が第1の目標回転数に到達した後に、第1の目標回転数より大きく落ち込むことなく収束する。
【0034】
第1の発明ではまた、フィードバック制御条件の成立時にそのフィードバック制御を停止することがないので、フィードバック制御中におけるシフトダウンの途中でエンジンの負荷変動等が起きてエンジン回転数を大きく変化した場合でも、第1の目標回転数より大きく落ち込ませることなく実回転数を第1の目標回転数へと収束させることができる。
吸入空気量からエンジン回転数へのダイナミクス(吸入空気量をたとえば増量側に操作してからエンジン回転数が実際に上昇するまでに応答遅れがあるということ)に二次の遅れ要素が含まれていることに対応して、第1の発明ではさらに二次遅れで第2の目標回転数が第1の目標回転数に追従するように設定するので、吸入空気量を操作したときの実際のエンジン回転数の応答に近づくことより、フィードバック制御の応答性がよくなり(エンジン回転数の第2の目標回転数への収束性が良くなる)、ひいては第1の目標回転数への収束性を向上することができる。このとき二次遅れを一次遅れで近似しても同様の効果が得られる。
【0035】
実際のエンジン回転数の低下は、アイドル状態へのエンジン回転数の降下に影響する因子に応じて変化するが、第の発明では、この因子に応じて第2の目標回転数を第1の目標回転数に近づけるように設定するので、第2の目標回転数が実際のエンジン回転数の低下に準じた回転数となり、これによりフィードバック量を演算するのに用いる目標回転数との偏差が従来より小さくなるため、特に不要なフィードバック量の溜め込みがなくなる。
【0037】
コースティング時や減速時からアイドル状態への移行時に、
〔1〕エンジンの慣性モーメントが大きいときほど、
〔2〕エンジンが駆動系と結合している場合に駆動系の慣性モーメントが大きいとき ほど、
〔3〕コレクタ容積が大きいときほど
エンジン回転数がゆっくり降下することから、第の発明ではエンジンの慣性モーメントが大きいほど、エンジンが駆動系と結合している場合に第の発明では駆動系の慣性モーメントが大きいときほど、第の発明ではコレクタ容積が大きいときほどそれぞれ第2の目標回転数がゆっくり第1の目標回転数に近づくように時定数を大きくするので、第2の目標回転数が実際のエンジン回転数の回転数の降下の仕方に近づき、これによって、第の発明ではエンジンの慣性モーメントに関係なく、第の発明では駆動系の慣性モーメントに関係なく、第の発明ではコレクタ容積に関係なく、エンジン回転数の落ち込みや不要な積分分の溜め込みを防ぐことができる。
【0038】
コースティング時や減速時からアイドル状態への移行時に、
〔4〕冷却水温が低いほど、
〔5〕バッテリ電圧が低いときほど、
〔6〕エンジンと駆動系が結合している場合に車速の減速度またはエンジン回転数の 減速度が大きくなるほど、
〔7〕補機負荷がエンジンに作用している場合に補機負荷が大きくなるほど
エンジン回転数が速く降下することから、第の発明では冷却水温が低いほど、第10の発明ではバッテリ電圧が低いときほど、エンジンと駆動系が結合している場合に第11の発明では車速の減速度またはエンジン回転数の減速度が大きくなるほど、補機負荷がエンジンに作用している場合に第12の発明では補機負荷が大きくなるほどそれぞれ第2の目標回転数が速く第1の目標回転数に近づくように時定数を小さくするので、第2の目標回転数が実際のエンジン回転数の回転数の降下の仕方に近づき、これによって、第の発明では冷却水温に関係なく、第10の発明ではバッテリ電圧に関係なく、第11の発明では車速の減速度やエンジン回転数の減速度に関係なく、第12の発明では補機負荷に関係なくエンジン回転数の落ち込みや不要な積分分の溜め込みを防ぐことができる。
【0039】
13の発明では、複数の時定数のなかで一番大きな値を一次遅れまたは二次遅れの時定数として、また第14の発明では、エンジン回転数の降下に影響する因子に応じて設定される時定数より少し大きな時定数を一次遅れまたは二次遅れの時定数として吸入空気量の減らし方を常に少なめにしておく(つまり吸入空気量をやや多めに入れる)ことになるので、アイドル回転数のフィードバック制御中に負荷が増加した場合にも、回転数の落ち込みを抑制する方向に働き、これによって、より安定してアイドル回転数が保持される。
【0040】
15の発明では、フィードバック制御中に負荷の急減によるエンジン回転数の一時的な急上昇に伴ってエンジン回転数が所定の第2の回転数以上になったときエンジン回転数が再び第2の回転数未満になるまで、エンジン回転数より少し低い回転数を第2の目標回転数として設定するので、第2の目標回転数との偏差が従来より小さくなり、フィードバック制御中に負荷の急減によるエンジン回転数の一時的な急上昇に伴ってエンジン回転数が第2の回転数以上になったとしても、吸入空気量を減量する側に積分分を減らし過ぎることがなくなる。
【0041】
16の発明では、所定の第2の回転数以上の回転域でこの第2の回転域未満の回転域よりフィードバックゲインを小さい値に切換えるので、第2の目標回転数との偏差がさらに小さくなり、エンジントルクを減量する側へのフィードバック量の減らし過ぎ防止が確実になる。
【0042】
17の発明では、フィードバック制御中に負荷の急減によるエンジン回転数の一時的な急上昇に伴ってエンジン回転数が所定の第2の回転数未満の状態より第2の回転数以上になったとき、エンジン回転数が再び第2の回転数未満になるまで第2の回転数以上となる直前の第2の目標回転数の値を保持するので、第2の目標回転数との偏差が従来より小さくなり、フィードバック制御中に負荷の急減によるエンジン回転数の一時的な急上昇に伴ってエンジン回転数が第2の回転数未満の状態より第2の回転数以上になったとしても、エンジントルクを減量する側にフィードバック量を減らし過ぎることがなくなる。
【0043】
18の発明では、第2の目標回転数を保持するときその保持する前よりフィードバックゲインを小さい値に切換えるので、第2の目標回転数との偏差がさらに小さくなり、エンジントルクを減量する側へのフィードバック量の減らし過ぎ防止が確実になる。
【0044】
負荷の急激な減少を検出(または推定)したとき所定の時間、第19の発明ではエンジン回転数より少し低い回転数を第2の目標回転数として設定し、また第20の発明では負荷の急減を検出する直前の第2の目標回転数の値を保持するので、負荷の急減でエンジン回転数が吹き上がっても、第2の目標回転数との偏差が従来より小さくなり、エンジントルクを減量する側にフィードバック量を減らし過ぎることがない。
【0045】
21の発明では、負荷の急減を検出(または推定)したとき、所定の時間、フィードバックゲインを小さい値に切換えるので、第2の目標回転数との偏差がさらに小さくなり、エンジントルクを減量する側へのフィードバック量の減らし過ぎ防止が確実になる。
【0046】
エンジン回転数が第1の目標回転数に収束しているときに、アクセルを一瞬踏み込む動作(以下チョイ踏みという)を行うと、燃料の遅れ等によりエンジン回転数が一時的に落ち込む場合がある。このときにまで、チョイ踏み終了時点の実回転数を初期値として第2の目標回転数を設定したのでは、第1の目標回転数未満になっている時間が長くなり、エンストする可能性が高くなるが、第23の発明では、チョイ踏み終了時点での実回転数が第1の目標回転数未満の回転域にあれば第1の目標回転数を第2の目標回転数として設定するので、フィードバック制御に用いる回転数偏差が、チョイ踏み終了時点の実回転数を初期値として第2の目標回転数を設定する場合の回転数偏差より大きくなり、そのぶんエンジントルクを増やす側に制御される。これによって、エンジン回転数が第1の目標回転数未満になっている時間が短くなり、チョイ踏み動作による回転数の落ち込みに伴うエンストを防止することができる。
【0047】
【実施例】
図1において1はエンジン本体である。吸入空気はエアクリーナ2から流入するが、その流量はアクセルペダルと連動するスロットル弁3により調整され、この調整された吸入空気がコレクタ4にいったん蓄えられたあと分岐管5を経て各気筒のシリンダに供給される。燃料はECU11からの噴射信号に基づき燃料噴射弁6から吸気ポートに向けて噴射される。
【0048】
また、ECU11からの点火信号を受けるパワートランジスタ、点火コイル、ディストリビュータ12、点火プラグ13からなる点火装置により、シリンダ内のガスに点火が行われ、シリンダ内で燃焼したガスは排気通路8へ排出され、排気中のHC、CO、NOxが三元触媒9により浄化される。
【0049】
ECU11にはディストリビュータ12に内蔵されるクランク角センサ15からのRef信号と1°信号、エアフローメータ16からの吸入空気量信号、スロットルセンサ17からのスロットル開度信号、水温センサ18からの冷却水温信号等が入力され、これらに基づいて運転状態を判断しながら燃料噴射量(空燃比)と点火時期を制御する。
【0050】
上記のスロットル弁3をバイパスする補助空気通路19には、ECU11からの出力信号により直接作動するロータリーソレノイド式の補助空気弁20が設けられる。補助空気弁20は一定の周波数によりON−OFF駆動され、ON時間割合が大きくなるほど補助空気量が増加する。
【0051】
ECU11では、冷却水温、始動後の経過時間、バッテリ電圧、パワステ油圧スイッチ、エアコンスイッチ、自動変速機のセレクタ位置などによりアイドル時の目標回転数を定めており、アイドル回転数のフィードバック制御条件の成立時になると実際の回転数がアイドル時の目標回転数と一致するように、上記のON時間割合(つまりONデューティ)のフィードバック量を求め、このフィードバック量によって、補助空気弁に与えるONデューティの基本値を補正する。なお、補助空気弁20と一体でFICDソレノイド(図示しない)が構成されており、エアコンの作動時には補助空気弁20とこのFICDソレノイドにより目標回転数に制御されるようになっている。
【0052】
さて、アイドル回転数のフィードバック制御に移行する際に、エンジン回転数とアイドル時の目標回転数NSETとの偏差が大きい場合は、エンジン回転数が目標回転数NSETに収束する過程で吸入空気量(または点火時期)のフィードバック量が大きくなり、特に、積分制御を行っている場合にはONデューティのフィードバック量(吸入空気量のフィードバック量)がマイナス側に大きく増加(補助空気弁を通過する流量が大きく減少)するため、エンジン回転数が目標回転数NSETに到達した後に回転数の落ち込みが生じる。
【0053】
このような回転数の落ち込み現象は、フィードバック制御中のシフトダウンによる負荷の急減でエンジン回転数が一時的に急上昇してエンジン回転数と目標回転数NSETとの偏差が大きくなった場合に顕著になるので、フィードバック制御中にシフトダウンが行われたときアイドル回転数のフィードバック制御を所定時間停止してフィードバック補正の行き過ぎを防止するとともに、このフィードバック制御の停止中に点火時期を一定量進角させることで、ハンチングを抑制するようにした装置(特開平2−70955号公報)があるが、この装置では、フィードバック制御の停止中に負荷変動等が起きてエンジン回転数が大きく変動したときフィードバック制御が働かないため、点火時期を進角させていても回転数が目標回転数NSET以下に落ち込む可能性がある。
【0054】
これに対処するため第1実施形態では、フィードバック制御条件の成立時に所定の第1の回転数よりそのときの実回転数とアイドル時の目標回転数(第1の目標回転数)NSETとの間に第2の目標回転数NETARGETを設定し、その第2の目標回転数NETARGETにエンジン回転数が一致するように補助空気弁20を用いてのアイドル回転数のフィードバック制御を行う。
【0055】
ECU11で実行されるこの制御の内容を、以下のフローチャートにしたがって説明する。
【0056】
図2のフローチャートは、運転状態量の検出を行うためのもので、Ref信号の立上がりをトリガとする割込みジョブ(以下簡単に「Ref信号割込みジョブ」という)で実行する。
【0057】
まず、ステップ1、2では一燃焼毎(4気筒エンジンの場合はクランク角で180°毎、6気筒エンジンの場合は120°毎)に立ち上がるRef信号の間隔TREF[s]をECU11の内蔵タイマにより計測し、
NE[rpm]=30/TREF[s] …(1)
の式によりエンジン回転数NE[rpm]を算出する。
【0058】
ステップ3では水温センサ18の出力電圧より所定のテーブルTABLE TWを検索して冷却水温TWを、またステップ4ではスロットルセンサ17の出力電圧より所定のテーブルTABLE TVOを検索してスロットル開度TVOを求める。ここで、テーブルTABLE TWはセンサ出力電圧を冷却水温に、またテーブルTABLE TVOはセンサ出力電圧をスロットル開度にそれぞれ変換するためのもので、ROMデータとして予めECU内に記憶されている。
【0059】
なお、後述するテーブルもすべてROMデータであるため、この点の説明は省略する。
【0060】
図3のフローチャートは第2の目標回転数NETARGETを設定するためのもので、これもRef信号割込みジョブで実行する。点火時期の設定をRef割込みジョブで行っているため、点火時期制御手段を用いてのフィードバック制御のルーチンもRef信号割込みジョブであり、そのために必要となる第2の目標回転数NETARGETも、Ref信号割込みジョブにより演算するのである。
【0061】
ステップ11ではフィードバックフラグFISCFB(始動時に“0”に初期設定)をみる。ここで、フィードバックフラグFISCFBは、別の10msジョブ(図示しない)により車速、エンジン回転数NE、スロットル開度TVOに基づいて設定している。たとえば、次の条件〈1〉かつ条件〈2〉のときにフラグFISCFBを“1”にセットし、どちらか一つの条件でも解除されるとフラグFISCFBを“0”にリセットする。
【0062】
条件〈1〉:スロットル開度TVOが全閉状態であるとき
条件〈2〉:ニュートラル状態であるかまたはエンジン回転数が第1の回転数(一定回転数)N1以下であるとき
なお、ニュートラル状態のときはスロットル開度が全閉状態となったときの回転数がフィードバック制御開始回転数である。また、非ニュートラル状態のときは、必ずしも第1の回転数N1がフィードバック開始回転数であるとはかぎらない。スロットル開度が全閉状態になる前に、エンジン回転数が第1の回転数N1以下になった場合はスロットル開度が全閉になった時点での回転数がフィードバック制御開始回転数となる。
【0063】
フィードバックフラグFISCFBをみた結果、FISCFB=1のとき(つまりアイドル回転数のフィードバック制御条件の成立時)にはステップ12、13に進んでエンジン回転数NEが
回転域〈i〉:NSET[rpm]+300[rpm]≦NE
回転域〈ii〉:NSET≦NE<NSET+300
回転域〈iii〉:NE<NSET
の3つのいずれの回転域にあるかを判定する。
【0064】
ここで、第1の目標回転数NSETは従来のアイドル時の目標回転数のことで、冷却水温TW、始動後の経過時間、バッテリ電圧、パワステ油圧スイッチ、エアコンスイッチ、自動変速機のセレクタ位置などにより予め定めている。たとえば図4に示したように、セレクタ位置が走行レンジにある場合にエアコンが非作動状態より作動状態に切換えられるとNSETが所定値だけアップされる。また、ほぼ40℃以下の低温状態でセレクタ位置が非走行レンジにあるときには、クリープ現象が大きくなることもないので、アイドル回転を安定させるためNSETが高められる。
【0065】
判定結果よりエンジン回転数NEが上記の回転域〈i〉にあるときはステップ12よりステップ14に進んで
Figure 0003864451
の式により、また上記の回転域〈ii〉にあるときはステップ12、13よりステップ15に進んで
Figure 0003864451
の式により第2の目標回転数NETARGETをそれぞれ演算する。上記の回転域〈iii〉のときはステップ12、13よりステップ16に進んで第1の目標回転数NSETをそのまま第2の目標回転数NETARGETとする。
【0066】
(2)式の加重平均係数CNQは0<CNQ≦1なる値であり、(2)式によれば実際のエンジン回転数NEと第1の目標回転数NSETとの間をCNQ対(1−CNQ)の割合で内分した値を第2の目標回転数NETARGETとするわけである。
【0067】
(2)式のNETARGETはフィードバック制御開始時の第1回目の目標値である。これに対して、(3)式によりサイクリックに演算されるNETARGETは、第2回目の目標値である。したがって、(2)式のNETARGETから(3)式のNETARGETに切換わるときにNETARGETに段差が生じないように同じ値のCNQを用いている。この結果、(3)式のNETARGETは、NEがNSET+300(第2の回転数N2)に達する直前に(2)式により得られるNETARGETの値を初期値として、一次遅れで第1の目標回転数NSETに近づくことになる。
【0068】
なお、第2回目の目標値をNSETの一次遅れで与えるようにしたのは、次の理由からである。吸入空気量からエンジン回転数へのダイナミクスに二次の遅れ要素が含まれていることに対応して、二次遅れで第2の目標回転数が第1の目標回転数に追従するように設定すればよいのであるが、この二次遅れを一次遅れで近似しても同様の効果が得られることから、計算の簡単な一次遅れを採用したものである。
【0069】
ここで、第2の目標回転数NETARGETが
〔1〕コースティング(惰行)状態や減速状態でフィードバック制御条件が成立しアイドル状態へ移行するとき(図8の左側参照)、
〔2〕実回転数がほぼNSETに落ち着いている状態より、シフトダウンによる負荷の急減に伴って実回転数NEがNSET+300(=N2)以上に一時的に大きくなった場合(図8の中央参照)、
〔3〕負荷変動等により実回転数NEが第1の目標回転数NSETより落ち込んだ場合(図8の右側参照)
の各場合にどのように設定されるかを図8を用いて説明する。ただし、NSETは簡単のため一定とする。
【0070】
まず上記〔1〕の場合については、A点よりアイドル回転数のフィードバック制御に入り、そのあと実回転数NE(実線で示す)がほぼ直線的に降下してC点で第1の目標回転数NSETに達するものとすると、図示のように第2の目標回転数NETARGET(破線で示す)は、A−B間でNEとNSETとをCNQ対(1−CNQ)の割合で内分した値をたどり、B点からはNSETに対して一次遅れで追従する値となる。〔2〕の場合については、D−E間でNSETを保持し、E−F間でNEとNSETとをCNQ対(1−CNQ)の割合で内分した値をたどり、F点よりNSETに対して一次遅れで追従する。このようにして〔1〕、〔2〕の場合ともNETARGETはNEとNSETの間に設定される。一方、〔3〕の場合についてはH−I間でNETARGETはNSETに一致する。
【0071】
上記(3)式の加重平均係数CNQは、応答の時定数に相当する値(たとえばCNQが大きくなるほどNETARGETがゆっくりとNSETに近づき、この逆にCNQが小さくなるほどNETARGETがNSETに速く近づく)であるため、アイドル状態へのエンジン回転数の降下に影響する因子(たとえばエンジンの慣性モーメント、駆動系の慣性モーメント、コレクタ容積、冷却水温、バッテリ電圧、エンジン回転数の減速度、車速の減速度、エンジンと駆動系との結合の有無あるいはエンジンに対する補機負荷の結合の有無など)に基づいて設定する。たとえば、
▲1▼エンジンの慣性モーメントが大きいとき、
▲2▼エンジンが駆動系と結合している場合に駆動系の慣性モーメントが大きいとき、
▲3▼コレクタ容積が大きいとき
は、アイドル状態への移行時にエンジン回転数がゆっくりと降下するため、そのゆっくりとした応答に合わせてCNQを大きく設定する(時定数が大きくなる)ことにより、第2の目標回転数NETARGETをゆっくりと第1の目標回転数NSETに近づける。
【0072】
同様にして、
▲4▼冷却水温が低いとき(エンジン等のフリクションが大きくなる)、
▲5▼バッテリ電圧が低いとき(オルタネータ発電量が多くなり、エンジンにかかる負荷が増大する)、
▲6▼エンジンと駆動系とが結合している場合に車速の減速度やエンジン回転数の減速度が大きいとき、
▲7▼補機負荷がエンジンにより駆動されているとき
はアイドル状態への移行時にエンジン回転数が速く降下するので、その応答に合わせてCNQを小さく設定する(時定数が小さくなる)ことで、第2の目標回転数NETARGETを素早く第1の目標回転数NSETに近づける。
【0073】
こうしたCNQの設定により、いずれの場合もNETARGETの変化がエンジン回転数NEの実際の降下に近づくわけである。
【0074】
なお、▲1▼〜▲7▼の各場合に対応してCNQの値が別々に定まるわけであるが、▲1▼〜▲7▼のすべての場合を考慮するときは、その中で一番大きい値のCNQを採用する。吸入空気量の減らし方を常に少なめにしておく(つまり吸入空気量をやや多めに入れる)ことで、アイドル回転数のフィードバック制御中に負荷が増加した場合にも、回転数の落ち込みを抑制する方向に働かせ、これによって、より安定したアイドル回転数が保持されるのである。同様にして、▲1▼〜▲7▼の場合のうちの1つだけを考慮する場合に、その考慮する1つだけの場合に最適な値より少し大きな値をCNQとして採用することで、フィードバック制御中に負荷が増加した場合においてもアイドル回転数を安定して保持することができる。
【0075】
図5のフローチャートは、補助空気弁20を用いてアイドル回転数のフィードバック制御を行うためのもので、図3のジョブに続けてRef信号割込みジョブで実行する。たとえば1つのRef信号の入力により図3のジョブを起動して今回のNETARGETを演算した後にそのNETARGETを用いて図5のジョブにより補助空気弁20を動かし、次のRef信号が入力すると、再び図3のジョブによりNETARGETを演算し、その演算したNETARGETを用いて図5のジョブを実行するわけである。ただし、フィードバック制御は簡単のため積分制御で説明する。
【0076】
ステップ21ではフィードバックフラグFISCFBをみてFISCFB=1のとき(アイドル回転数のフィードバック制御条件の成立時)はステップ22に進み、補助空気弁20に与えるONデューティの基本値BISC[%]を求める。
【0077】
ステップ23では第2の目標回転数NETARGET(図3のジョブにより既に得ている)と実回転数NEとの差ΔN[rpm]を計算し、ステップ24において
I=I(old)+GQFBI×ΔN …(4)
ただし、I(old):前回のI
GQFBI:積分ゲイン
の式により積分分(ONデューティのフィードバック量)I[%]を求め、ステップ25においては
ISCON=BISC+I …(5)
の式によりONデューティISCON[%]を計算し、このISCONをステップ26において補助空気弁制御用の出力レジスタに転送する。なお、(4)式の積分ゲインGQFBIは上記3つの回転域〈i〉、〈ii〉、〈iii〉とも一定値GQFBNである。Iは始動時に0に初期設定している。
【0078】
積分制御では、第2の目標回転数NETARGETより実回転数NEが低いとき、積分分Iを大きく(補助空気弁20を通過する流量を増加)してエンジントルクを増し、この逆に第2の目標回転数NETARGETより実回転数NEが高いとき積分分Iを小さくさせてエンジントルクを減らすことで、アイドル回転数を第2の目標回転数NETARGETへと収束させるのである。
【0079】
図6のフローチャートは、点火時期制御手段を用いてのフィードバック制御において点火装置に与える点火進角値ADVを演算するためのもので、図5のジョブに続けてRef信号割込みジョブで実行する。ただし、点火時期制御手段を用いてのフィードバック制御は比例制御である。補助空気弁を用いてのフィードバック制御に加えて点火時期制御を用いてのフィードバック制御を行うのは、補助空気弁を用いてのフィードバック制御には吸入空気量の増加よりエンジントルクの上昇までに応答遅れがあるので、これを補償するためである。
【0080】
ステップ31ではフィードバックフラグFISCFBをみてFISCFB=1のとき(アイドル回転数のフィードバック制御条件の成立時)はステップ32に進み、エンジン回転数NEから図7を内容とするテーブルTABLE PGOVを検索してアイドル時の基本点火進角値PGOV[°BTDC]を求める。
【0081】
ステップ33では第2の目標回転数NETARGET(図3により得ている)と実回転数NEとの差ΔNを計算し、ステップ34において
P=ΔN×GADVFBP …(6)
ただし、GADVFBP:比例ゲイン
の式により比例分(点火時期のフィードバック量)P[°]を求め、ステップ35においては
ADV=PGOV+P …(7)
の式により点火進角値ADV[°BTDC]を計算する。
【0082】
ここで、ADVは圧縮上死点から進角側に図ったクランク角であり、このADVは点火時期制御用の出力レジスタに移され、圧縮上死点前のクランク角がADVと一致したとき点火コイルの一次電流が遮断される。
【0083】
(7)式は比例分Pが正のとき点火時期を進角補正し、この逆に比例分Pが負のとき点火時期を遅角補正することを意味する。第2の目標回転数NETARGETより実回転数NEが低いときは、点火時期を進角補正してエンジントルクを増やし、この逆に第2の目標回転数NETARGETより実回転数NEが高いときは点火時期を遅角補正してエンジントルクを減らすことで、アイドル回転数を第2の目標回転数NETARGETへと収束させるのである。
【0084】
ここで、本実施形態の作用を説明する。
【0085】
本実施形態では、図8でも前述したように、コースティング状態や減速状態よりアイドル状態への移行に際し(図8の左側参照)、実回転数NE(実線参照)がフィードバック制御の制御開始回転数N1より第2の回転数N2(=NSET+300)に達するまでは、NEとNSETをCNQ対(1−CNQ)の割合で内分した値が、続いてNEがN2に達っしたあとNSETに達するまではNEを一次遅れで追従する値が第2の目標回転数NETARGET(破線参照)として設定され、第1の目標回転数NSETではなく、この第2の目標回転数NETARGETに実回転数NEが一致するように補助空気弁20を用いての積分制御が行われることから、第2の目標回転数NETARGETとの偏差ΔN(=NETARGET−NE)に基づいて積分分Iを演算する本実施形態のほうが、第1の目標回転数NSETとの偏差に基づいて積分分Iを演算する従来例より積分分Iの値が小さくなり、これによって、積分制御を行っていても、エンジントルクを減らす側へ積分分を過度に溜め込むことにならないので、エンジントルクを減らす側への積分分を過度に溜め込むことに伴う回転数の落ち込みを防止しつつ第1の目標回転数NSETへと収束させることができる。
【0086】
また、実回転数がほぼNSETに落ち着いている状態において、自動変速機のシフトダウンなどによる負荷の急減に伴い実回転数NEが第2の回転数N2以上に一時的に大きくなる場合については、積分ゲイン等の条件を図23に示した従来例(車速が40km/hより減速を行ってアイドル状態へ移行させるとき)と同じにして実験を行ったときの結果を図9に示す。この場合に、本実施形態では、実回転数NEが急上昇して第2の回転数N2に達するまではNSETをNETARGET(破線参照)として、またNEがN2以上となっているあいだNEとNSETをCNQ対(1−CNQ)の割合で内分した値をNETARGETとして、さらにN2よりNSETに到達するまでは一次遅れでNSETを追従する値をNETARGETとして、それぞれ補助空気弁20を用いての積分制御が行われることから、積分制御に用いる目標回転数との偏差が従来例より小さくなり(つまりフィードバック量を過度に減らしていない)、これにより積分制御中にシフトダウンによる吹き上がりが生じた場合にも、図9に示したように、エンジン回転数NEが第1の目標回転数NSETに到達した後に、第1の目標回転数NSETより大きく落ち込むことなく収束している。
【0087】
また、本実施形態では積分制御中にフィードバック制御を停止することがないので、積分制御中におけるシフトダウンの途中でエンジンの負荷変動等が起きてエンジン回転数大きく変化した場合でも、第1の目標回転数NSETより大きく落ち込ませることなくエンジン回転数を第1の目標回転数NSETへと収束させることができる。
【0088】
一方、積分制御中にアクセルペダルを一瞬踏み込む動作(チョイ踏み動作といわれる)を行ったときは燃料の供給遅れ等により、図10に示したように、実回転数NEが一時的に落ち込むことがある。このときにまで、チョイ踏み終了時点の実回転数を初期値として上記の(3)式により第2の目標回転数NETARGET(破線参照)を設定したのでは、第1の目標回転数NSET未満になっている時間が長くなり、エンストする可能性が高くなる。
【0089】
これに対して、本実施形態では、チョイ踏み終了時点での実回転数が第1の目標回転数NSET未満の回転域にあるため第2の目標回転数NETARGET(二点鎖線参照)は第1の目標回転数NSETに等しいことから、積分制御に用いる偏差ΔN(図で二点鎖線と実線の間)が、チョイ踏み終了時点の実回転数を初期値として上記の(3)式により第2の目標回転数NETARGETを設定する場合の偏差(破線と実線の間)より大きくなり、そのぶん補助空気弁流量が増える(エンジントルクを増やす側に制御される)ので、エンジン回転数が第1の目標回転数NSET未満になっている時間が短くなり、チョイ踏み動作による回転数の落ち込みに伴うエンストを防止することができる。
【0090】
図11のフローチャートは第2実施形態、図12、図13のフローチャートは第3実施形態で、これらは図3に対応する。図3と同一の部分には同一のステップ番号をつけ、その説明は省略する。
【0091】
第1実施形態では補助空気弁20を用いての積分制御における積分ゲインGQFBIが上記3つの回転域〈i〉、〈ii〉、〈iii〉とも一定値GQFBNであったのに対して、これら2つの実施形態は、補助空気弁20を用いての積分制御における積分ゲインGQFBIを上記3つの回転域毎に切換え、NSET+300≦NEの回転域(回転域〈i〉)で前記GQFBNよりも小さな値の所定値GQFBLを、NESET≦NE<NSET+300の回転域(回転域〈ii〉)で前記のGQFBNを、NE<NSETの回転域(回転域〈iii〉)で前記GQFBNよりも大きな値の所定値GQFBHを積分ゲインGQFBIに入れるようにしたものである(ステップ41、42、43)。
【0092】
第2、第3の各実施形態では、第1実施形態に加えて、第2の回転数N2(=NESET+300)以上の回転域で積分ゲインGQFBIがGQFBNよりGQFBLへと小さな値に切換えられるので、第1の目標回転数NSETへの収束の途中に第1実施形態よりもさらに吸入空気量を減量する側への積分分Iを減らしすぎることがなくなる。また、NESET未満の回転域で積分ゲインGQFBIがGQFBNよりGQFBHへと大きな値に切換えられるので、第1実施形態よりも積分分Iが補助空気弁流量を増やす側に制御され、これによってエンジン回転数が第1の目標回転数NSET未満になっている時間が短くなる。
【0093】
第3実施形態は、第2実施形態に加えて、ステップ51、52、53、54、55、56を追加したもので、エンジン回転数NEがNETARGET+300未満の回転域になったあとに、自動変速機のシフトダウン等による負荷の急減に伴いNSET+300以上に上昇したとき、NSET+300以上となる直前に上記(3)式により演算されているNETARGETの値を、NEがNSET+300以上であるあいだ保持するようにしている。
【0094】
具体的には、図12のステップ12でNE≧NSET+300のとき図13のステップ51で保持フラグFHOJIをみる。このフラグFHOJIはFHOJI=1のときNETARGETの値を保持させるためのフラグである。フラグFHOJIは始動時に“0”に初期設定しているので、当初はステップ51より52に進み、前回はNE<NSET+300であったかどうかをみる。前回はNE<NSET+300であった(つまり負荷の急減により回転数の上昇があった)ときは、ステップ53に進んでフラグFHOJIを“1”にセットした後、ステップ54において
NETARGET=NETARGET(old) …(8)
の式によりNETARGETを演算する。(8)式により前回のNETARGETを今回のNETARGETとするのであるから、NETARGETを一定値に保持するわけである。ここで、保持する値((8)式のNETARGET(old))は、NEがNSET+300に達する直前に図12のステップ15により演算されているNETARGETの値である。
【0095】
フラグFHOJIの“1”へのセットにより、次の制御時からはステップ51よりステップ55に流れ、NE<NSET+300であるかどうかをみて、NE<NSET+300となる前はステップ54、41の操作を繰り返し、NE<NSET+300となったときステップ56に進んでフラグFHOJIを“0”にリセットしたあと図12のステップ15、42の操作を実行する。
【0096】
このようにして、NEがNSET+300未満の状態からNSET+300を超えたときその超えているあいだフラグFHOJIが“1”にセットされ、かつNEがNSET+300を超える直前に上記(3)式により演算されているNETARGETの値が保持されるのである。
【0097】
ここで、上記(3)式により第2の目標回転数NETARGETを演算中に負荷の急減に伴うエンジン回転数NEの一時的な急上昇があった場合にNETARGETがその後どのように設定されるかを図14を用いてモデル的に説明すると、同図において、負荷の急減によりJ点からNEが上昇しても、第2の目標回転数NETARGET(一点鎖線で示す)はN点よりO点へと第1の目標回転数NSETに近づいていくためNETARGETとNEの偏差ΔNが大きくなるが、K点よりNEがNSET+300以上に上昇しL点で再びNSET+300未満になるまでO点の値にNETARGETが保持される。比較のため同図に第2実施形態の場合を破線で示すと、ΔN(=NETARGET−NE)は第2実施形態ほど小さくならないにせよ(このため図15のように積分分Iが図9の場合よりマイナス側に若干大きくなっている)、この第3実施形態でも、従来例よりΔNが小さくなるので、上記(3)式により第2の目標回転数NETARGETを演算中に負荷の急減に伴うエンジン回転数NEの一時的な急上昇があった場合でも、吸入空気量を減らす側への積分分Iを減らしすぎることがなくなる。
【0098】
図16、図17のフローチャートはそれぞれ第4、第5の各実施形態で、図16は第1実施形態の図3に、図17は第3実施形態の図12、図13に対応する。これらの実施形態でも図3、図12、図13と同一の部分には同一のステップ番号をつけている。
【0099】
第4と第5の各実施形態ではアイドル回転数のフィードバック制御条件の成立時にその制御開始時の回転数をNETARGETの初期値として上記(3)式により一次遅れでNETARGETを演算し、フィードバック制御中における負荷の急減時にその負荷急減判定タイミングより所定の時間だけ、第4実施形態では上記(2)式によりNETARGETを演算し、また第5実施形態では負荷急減判定タイミングの直前に上記(3)式により演算されているNETARGETの値を保持させるようにしたものである。
【0100】
図16から説明すると、フィードバック制御条件の成立時にはステップ11よりステップ61に進んでタイムフラグ(始動時に“0”に初期設定)FTMをみる。このフラグFTMは後述するように負荷急減フラグFLSDの“0”より“1”への切換タイミングを起点として所定時間T0のあいだだけ“1”にセットされるフラグであるため、当初はステップ62に進み、負荷急減フラグ(始動時に“0”に初期設定)FLSDの“0”より“1”への切換タイミングであるかどうかをみる。
【0101】
ここで、負荷急減フラグFLSDは、別の10msジョブ(図示しない)において車速/NEの変化率が所定の範囲内(たとえば±10%以内)に収まっていない(つまり負荷が急激に減少している)とき“1”にセットし、所定の範囲内に収まっているとき“0”にリセットしている。したがって、負荷急減フラグFLSDはFLSD=1のとき負荷急減時を、FLSD=0のときそうでないことを表す。
【0102】
負荷急減フラグFLSDの“0”より“1”への切換タイミング(負荷急減判定タイミング)になければ、ステップ62よりステップ15に進んで上記(3)式により第2目標回転数NETARGETを演算する。このときのNETARGETの初期値はフィードバック制御開始時の回転数(たとえばN1)である。
【0103】
一方、負荷急減フラグFLSDの“0”より“1”への切換タイミングになると、ステップ62よりステップ63、64に進んでタイムフラグFTMを“1”にセットするとともにタイマTMを0にセットし、ステップ14において上記の(2)式により第2の目標回転数NETARGETを演算する。
【0104】
ステップ63でのタイムフラグFTMの“1”へのセットにより、フィードバック制御条件が成立している限り、次の制御時からはステップ61よりステップ65に流れ、ここでタイマTMをインクリメントしてからインクリメント後のタイマTMをステップ66において所定時間T0と比較する。
【0105】
ここで、所定時間T0はシフトダウンによって回転数が一時的に上昇し、再びシフトダウン開始時点の回転数になるまでの時間を目安にして定める。この時間T0は実際には実験等によって求めることになる。
【0106】
比較の結果TM<T0であるかぎりステップ14の操作を繰り返し、TM≧T0になると、ステップ67でタイマフラグFTMを“0”にリセットしたあとステップ15に進んでNETARGETを演算する。このときのNETARGETの初期値は、タイマTMがT0に達する直前に上記(2)式により演算されているNETARGETの値である。
【0107】
次に第5実施形態の図17は、図16においてステップ14をステップ54に置き換えたもので、負荷急減判定タイミングよりT0のあいだ、第4実施形態が上記(2)式によりNETARGETを演算するのに対し(ステップ14)、第5実施形態は負荷の急減判定タイミングの直前にステップ15で演算されている値にNETARGETを保持している(ステップ54)。また、図17では第2実施形態と同様にステップ41、42を追加している。
【0108】
第4、第5の各実施形態でもNETARGETがどのように変化するかを、第1実施形態の図8に対応させてモデル的に図18に示すと、コースティング状態や減速状態よりアイドル状態への移行時(R−S間)には、フィードバック制御開始回転数を初期値としてNSETを一次遅れでNETARGET(第4実施形態は破線で、第5実施形態は二点鎖線で示す)が追従する。NEがNSETに落ち着いている状態からシフトダウンによる負荷の急減に伴って実回転数NEが一時的に急上昇するときには、第4実施形態によればT−U間でNEとNSETをCNQ対(1−CNQ)の割合で内分した値をたどり、U点からはNSETを一次遅れで追従するのに対し、第5実施形態によればT−V間でNSETに一致する。
【0109】
また、図19に示したように、NEがNSETへと収束する途中でシフトダウンによる負荷の急減に伴って実回転数NEが一時的に急上昇するときには、第4実施形態によればW−X間でNEとNSETをCNQ対(1−CNQ)の割合で内分した値をたどり、X点以降はNSETを一次遅れで追従するのに対し、第5実施形態によればW−X間でY点の値を保持し、Z点よりNSETを一次遅れで追従する。
【0110】
これら2つの実施形態でも、図9、図15と同じ条件で行ったときのエンジン回転数NEと吸入空気量のフィードバック量(積分分Iにより定まる)の変化を図20、図21に示すように、第4実施形態では図9の第1実施形態と、また第5実施形態では図15の第3実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0111】
実施形態では、吸入空気量制御手段を用いてのアイドル回転数のフィードバック制御が積分制御である場合で説明したが、積分制御はこの場合に限られない。たとえば、▲1▼点火時期制御手段を用いてのアイドル回転数のフィードバック制御が積分制御である場合、▲2▼空燃比制御手段を用いてのアイドル回転数のフィードバック制御が積分制御である場合でもかまわない。
【0112】
また、本発明は積分制御に限定されるものでなく、それ以外のフィードバック制御(比例制御や微分制御)に対しても適用することができる。たとえば、比例制御を行っている場合でも、フィードバック制御開始時に目標回転数と実回転数の偏差が大きいときはフィードバック量が大きくなり、ハンチングの原因となるからである。
【0113】
実施形態では空気量制御手段を用いてのフィードバック制御と点火時期制御手段を用いてのフィードバック制御とを重複して行っているように、本発明は同一の目標回転数NETARGETに対して複数の手段を用いてフィードバック制御を重複して行う場合にも適用することができる。
【0114】
ただし、複数の手段に応答性の差があるときは、応答性の最も悪い手段に合わせて目標回転数NETARGETを設定しなければならない。たとえば、空気量制御手段と点火時期制御手段(あるいは空燃比制御手段)との組み合わせでフィードバック制御を行う場合は、空気量制御手段のほうが応答が遅い(つまり空気量をトルク増量側に操作してから実際にトルクが上昇するまでの時間が、点火時期をトルク増量側に操作してから実際にトルクが上昇するまでの時間より長いということ)ため、空気量から回転数へのダイナミクスを考慮に入れて二次遅れあるいは一次遅れで目標回転数NETARGETを演算するのである。
【0115】
実施形態では、コースティング状態や減速状態よりアイドル状態への移行に際して、フィードバック制御開始時のエンジン回転数から第1の目標回転数NSETに近づくように第2の目標回転数NETARGETを演算しているが、所定の第1の回転数から第2の目標回転数NETARGETの演算を始めても第1の目標回転数NSETに到達した後に回転数を大きく落ち込ませることなく第1の目標回転数へと収束させることができる。
【0116】
実施形態では、エンジン回転数の降下に影響する因子(エンジンの慣性モーメント、駆動系の慣性モーメント、コレクタ容積、冷却水温、バッテリ電圧、エンジンと駆動系との結合の有無、補機負荷等)に応じて加重平均係数CNQを設定しているが、簡単にはこれら因子にかかわらず同じにすることもできる。
【0117】
実施形態では、(3)式で示したように、第2の目標回転数NETARGETを一次遅れで第1の目標回転数NSETに近づけているが、回転数の落ち込みを生じない特性の二次遅れで第2の目標回転数NETARGETを第1の目標回転数NSETに近づけても、同様の効果を得ることができる。
【0118】
実施形態では、NSETへの一次遅れや二次遅れで第2の目標回転数NETARGETを演算しているが、これに限定されるものでない。たとえば、フィードバック制御開始回転数からNSETに向かって所定の減少割合で直線的に近づく値やNSETに向かって階段状に徐々に近づく値をNETARGETとして演算することもできる。
【0119】
第2、第5の各実施形態では、フィードバック制御が積分制御の場合であるため積分ゲインを切換える場合で説明したが、これに限定されるものでない。たとえば、フィードバック制御が比例制御の場合であれば、比例ゲインを切換えることになる。なお、積分ゲインや比例ゲインの総称はフィードバックゲインである。
【0120】
第4と第5の各実施形態では、車速/NEの変化率に基づいて負荷の急減時を推定しているが、負荷の急減時を直接に検出してもかまわない。たとえば、従来例と同様に、自動変速機のギア位置が2速から1速にシフトダウンしたことより、あるいは負荷に対するリレーがONからOFFになったことより負荷の急減時を検出する。
【0121】
【発明の効果】
第1の発明では、コースティング状態や減速状態よりアイドル状態への移行に際し、第1の目標回転数に近づけるように第2の目標回転数を設定し、第1の目標回転数ではなく、この第2の目標回転数にエンジン回転数が収束するように第2の目標回転数との偏差に応じトルク制御手段を用いてアイドル回転数のフィードバック制御を行うことから、第2の目標回転数との偏差に基づいてフィードバック量を演算する第1の発明のほうが、第1の目標回転数との偏差に基づいてフィードバック量を演算する従来例よりフィードバック量の値が小さくなり、これによって、フィードバック制御を行っていても、特にエンジントルクを減らす側へフィードバック量を過度に溜め込むことにならないので、エンジントルクを減らす側へのフィードバック量を過度に溜め込むことに伴う回転数の落ち込みを防止しつつ第1の目標回転数へと収束させることができる。また、自動変速機のシフトダウンなどによる負荷の急減に伴い実回転数が一時的に大きくなる場合にも、目標回転数との偏差が従来例より小さくなるので(つまりフィードバック量をエンジントルクを減らす側に過度に減らしていない)、フィードバック制御中にシフトダウンによる吹き上がりが生じた場合にも、実回転数が第1の目標回転数に到達した後に、第1の目標回転数より大きく落ち込むことなく収束する。第1の発明ではまた、フィードバック制御条件の成立時にそのフィードバック制御を停止することがないので、フィードバック制御中におけるシフトダウンの途中でエンジンの負荷変動等が起きてエンジン回転数大きく変化した場合でも、第1の目標回転数より大きく落ち込ませることなく実回転数を第1の目標回転数へと収束させることができる。
さらに、吸入空気量からエンジン回転数へのダイナミクスに二次の遅れ要素が含まれていることに対応して、第1の発明では二次遅れで第2の目標回転数が第1の目標回転数に追従するように設定するので、フィードバック制御の応答性がよくなり(エンジン回転数の第2の目標回転数への収束性が良くなる)、ひいては第1の目標回転数への収束性を向上することができる。
【0122】
実際のエンジン回転数の低下は、アイドル状態へのエンジン回転数の降下に影響する因子に応じて変化するが、第の発明では、この因子に応じて第2の目標回転数を第1の目標回転数に近づけるように設定するので、第2の目標回転数が実際のエンジン回転数の低下に準じた回転数となり、これによりフィードバック量を演算するのに用いる目標回転数との偏差が従来より小さくなるため、特に不要なフィードバック量の溜め込みがなくなる。
【0124】
コースティング時や減速時からアイドル状態への移行時に、
〔1〕エンジンの慣性モーメントが大きいときほど、
〔2〕エンジンが駆動系と結合している場合に駆動系の慣性モーメントが大きいとき ほど、
〔3〕コレクタ容積が大きいときほど
エンジン回転数がゆっくり降下することから、第の発明ではエンジンの慣性モーメントが大きいほど、エンジンが駆動系と結合している場合に第の発明では駆動系の慣性モーメントが大きいときほど、第の発明ではコレクタ容積が大きいときほどそれぞれ第2の目標回転数がゆっくり第1の目標回転数に近づくように時定数を大きくするので、第2の目標回転数が実際のエンジン回転数の回転数の降下の仕方に近づき、これによって、第の発明ではエンジンの慣性モーメントに関係なく、第の発明では駆動系の慣性モーメントに関係なく、第の発明ではコレクタ容積に関係なく、エンジン回転数の落ち込みや不要な積分分の溜め込みを防ぐことができる。
【0125】
コースティング時や減速時からアイドル状態への移行時に、
〔4〕冷却水温が低いほど、
〔5〕バッテリ電圧が低いときほど、
〔6〕エンジンと駆動系が結合している場合に車速の減速度またはエンジン回転数の 減速度が大きくなるほど、
〔7〕補機負荷がエンジンに作用している場合に補機負荷が大きくなるほど
エンジン回転数が速く降下することから、第の発明では冷却水温が低いほど、第10の発明ではバッテリ電圧が低いときほど、エンジンと駆動系が結合している場合に第11の発明では車速の減速度またはエンジン回転数の減速度が大きくなるほど、補機負荷がエンジンに作用している場合に第12の発明では補機負荷が大きくなるほどそれぞれ第2の目標回転数が速く第1の目標回転数に近づくように時定数を小さくするので、第2の目標回転数が実際のエンジン回転数の回転数の降下の仕方に近づき、これによって、第の発明では冷却水温に関係なく、第10の発明ではバッテリ電圧に関係なく、第11の発明では車速の減速度やエンジン回転数の減速度に関係なく、第12の発明では補機負荷に関係なくエンジン回転数の落ち込みや不要な積分分の溜め込みを防ぐことができる。
【0126】
13の発明では、複数の時定数のなかで一番大きな値を一次遅れまたは二次遅れの時定数として、また第14の発明では、エンジン回転数の降下に影響する因子に応じて設定される時定数より少し大きな時定数を一次遅れまたは二次遅れの時定数として吸入空気量の減らし方を常に少なめにしておく(つまり吸入空気量をやや多めに入れる)ことになるので、アイドル回転数のフィードバック制御中に負荷が増加した場合にも、回転数の落ち込みを抑制する方向に働き、これによって、より安定してアイドル回転数が保持される。
【0127】
15の発明では、フィードバック制御中に負荷の急減によるエンジン回転数の一時的急上昇に伴ってエンジン回転数が所定の第2の回転数以上になったときエンジン回転数が再び第2の回転数未満になるまで、エンジン回転数より少し低い回転数を第2の目標回転数として設定するので、第2の目標回転数との偏差が従来より小さくなり、フィードバック制御中に負荷の急減によるエンジン回転数の一時的急上昇に伴ってエンジン回転数が第2の回転数以上になったとしても、吸入空気量を減量する側に積分分を減らし過ぎることがなくなる。
【0128】
16の発明では、所定の第2の回転数以上の回転域でこの第2の回転域未満の回転域よりフィードバックゲインを小さい値に切換えるので、第2の目標回転数との偏差がさらに小さくなり、エンジントルクを減量する側へのフィードバック量の減らし過ぎ防止が確実になる。
【0129】
17の発明では、フィードバック制御中に負荷の急減によるエンジン回転数の一時的急上昇に伴ってエンジン回転数が所定の第2の回転数未満の状態より第2の回転数以上になったとき、エンジン回転数が再び第2の回転数未満になるまで第2の回転数以上となる直前の第2の目標回転数の値を保持するので、第2の目標回転数との偏差が従来より小さくなり、フィードバック制御中に負荷の急減によるエンジン回転数の一時的急上昇に伴ってエンジン回転数が第2の回転数未満の状態より第2の回転数以上になったとしても、エンジントルクを減量する側にフィードバック量を減らし過ぎることがなくなる。
【0130】
18の発明では、第2の目標回転数を保持するときその保持する前よりフィードバックゲインを小さい値に切換えるので、第2の目標回転数との偏差がさらに小さくなり、エンジントルクを減量する側へのフィードバック量の減らし過ぎ防止が確実になる。
【0131】
負荷の急激な減少を検出(または推定)したときには所定の時間、第19の発明では実エンジン回転数より少し低い回転数を第2の目標回転数として設定し、また第20の発明では負荷の急減を検出する直前の第2の目標回転数の値を保持するので、負荷の急減でエンジン回転数が吹き上がっても、第2の目標回転数との偏差が従来より小さくなり、エンジントルクを減量する側にフィードバック量を減らし過ぎることがない。
【0132】
21の発明では、負荷の急減を検出(または推定)したときには、所定の時間、フィードバックゲインを小さい値に切換えるので、第2の目標回転数との偏差がさらに小さくなり、エンジントルクを減量する側へのフィードバック量の減らし過ぎ防止が確実になる。
【0133】
エンジン回転数が第1の目標回転数に収束しているときに、チョイ踏みを行うと、燃料の遅れ等によりエンジン回転数が一時的に落ち込む場合があり、このときにまで、チョイ踏み終了時点の実回転数を初期値として第2の目標回転数を設定したのでは、第1の目標回転数未満になっている時間が長くなり、エンストする可能性が高くなるが、第23の発明では、チョイ踏み終了時点での実回転数が第1の目標回転数未満の回転域にあれば第1の目標回転数を第2の目標回転数として設定するので、フィードバック制御に用いる回転数偏差が、チョイ踏み終了時点の実回転数を初期値として第2の目標回転数を設定する場合の回転数偏差より大きくなり、そのぶんエンジントルクを増やす側に制御される。これによって、エンジン回転数が第1の目標回転数未満になっている時間が短くなり、チョイ踏み動作による回転数の落ち込みに伴うエンストを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の制御システム図である。
【図2】各種状態量の検出を説明するためのフローチャートである。
【図3】第2の目標回転数NETARGETの演算を説明するためのフローチャートである。
【図4】第1の目標回転数NSETの特性図である。
【図5】吸入空気量制御手段を用いてのアイドル回転数のフィードバック制御を説明するためのフローチャートである。
【図6】点火時期制御手段を用いてのアイドル回転数のフィードバック制御における点火進角値ADVの演算を説明するためのフローチャートである。
【図7】アイドル時の基本点火進角値PGOVの特性図である。
【図8】第1実施形態の作用をモデル的に説明するための波形図である。
【図9】第1実施形態のエンジン回転数と吸入空気量のフィードバック量の変化を示す波形図である。
【図10】第1実施形態のチョイ踏み動作時の作用をモデル的に説明するための波形図である。
【図11】第2実施形態の第2の目標回転数NETARGETの演算を説明するためのフローチャートである。
【図12】第3実施形態の第2の目標回転数NETARGETの演算を説明するためのフローチャートである。
【図13】第3実施形態の第2の目標回転数NETARGETの演算を説明するためのフローチャートである。
【図14】第3実施形態の作用をモデル的に説明するための波形図である。
【図15】第3実施形態のエンジン回転数と吸入空気量のフィードバック量の変化を示す波形図である。
【図16】第4実施形態の第2の目標回転数NETARGETの演算を説明するためのフローチャートである。
【図17】第5実施形態の第2の目標回転数NETARGETの演算を説明するためのフローチャートである。
【図18】第4、第5の各実施形態の作用をモデル的に説明するための波形図である。
【図19】第4、第5の各実施形態の作用をモデル的に説明するための波形図である。
【図20】第4実施形態のエンジン回転数と吸入空気量のフィードバック量の変化を示す波形図である。
【図21】第5実施形態のエンジン回転数と吸入空気量のフィードバック量の変化を示す波形図である。
【図22】従来例の作用を説明するための波形図である。
【図23】従来例の作用を説明するための波形図である。
【図24】第1の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
6 燃料噴射弁
11 ECU
15 クランク角センサ
16 エアフローメータ
20 補助空気弁(吸入空気量制御手段)

Claims (24)

  1. エンジンの運転条件に応じてアイドル時の目標回転数を第1の目標回転数として設定する手段と、
    アイドル回転数のフィードバック制御を行う条件の成立時か否かを判定する手段と、
    この判定結果よりフィードバック制御を行う条件の成立時に前記第1の目標回転数に近づけるように第2の目標回転数を設定する手段と、
    エンジン回転数がこの第2の目標回転数に収束するように第2の目標回転数との偏差に応じトルク制御手段を用いてアイドル回転数のフィードバック制御を行う手段と
    を設け、
    所定の第1の回転数から前記第1の目標回転数に近づけるように前記第2の目標回転数を設定する場合に、前記所定の第1の回転数はフィードバック制御開始回転数であり、
    このフィードバック制御開始回転数に達したときの前記エンジン回転数を前記第2の目標回転数の初期値とし、
    さらに前記所定の第1の回転数を初期値として一次遅れまたは二次遅れで前記第1の目標回転数に追従する値を前記第2の目標回転数として設定するとともに、前記トルク制御手段が吸入空気量制御手段である
    ことを特徴とするエンジンのアイドル回転数制御装置。
  2. 前記フィードバック制御は積分制御であることを特徴とする請求項1に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  3. 前記第2の目標回転数を、アイドル状態へのエンジン回転数の降下に影響する因子に応じて前記第1の目標回転数に近づけるように設定することを特徴とする請求項1または2に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  4. 前記エンジン回転数の降下に影響する因子は、エンジンの慣性モーメント、駆動系の慣性モーメント、コレクタ容積、冷却水温、バッテリ電圧、エンジンと駆動系が結合している場合における車速の減速度、エンジンと駆動系が結合している場合におけるエンジン回転数の減速度またはエンジンにより駆動される補機負荷であることを特徴とする請求項3に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  5. 前記一次遅れまたは二次遅れの時定数を、エンジンの慣性モーメント、エンジンが駆動系と結合している場合における駆動系の慣性モーメント、コレクタ容積、冷却水温、バッテリ電圧、エンジンと駆動系が結合している場合における車速の減速度、エンジンと駆動系が結合している場合におけるエンジン回転数の減速度、エンジンにより駆動される補機負荷のいずれか一つに応じて設定することを特徴とする請求項に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  6. 前記一次遅れまたは二次遅れの時定数を前記エンジンの慣性モーメントが大きいときほど大きくすることを特徴とする請求項に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  7. エンジンが駆動系と結合している場合に駆動系の慣性モーメントが大きいときほど前記一次遅れまたは二次遅れの時定数を大きくすることを特徴とする請求項に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  8. 前記一次遅れまたは二次遅れの時定数をコレクタ容積が大きいときほど大きくすることを特徴とする請求項に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  9. 前記一次遅れまたは二次遅れの時定数を冷却水温が低いときほど小さくすることを特徴とする請求項に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  10. 前記一次遅れまたは二次遅れの時定数をバッテリ電圧が低いときほど小さくすることを特徴とする請求項に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  11. エンジンと駆動系が結合している場合に車速の減速度またはエンジン回転数の減速度が大きくなるほど前記一次遅れまたは二次遅れの時定数を小さくすることを特徴とする請求項に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  12. 補機負荷がエンジンに作用している場合に補機負荷が大きくなるほど前記一次遅れまたは二次遅れの時定数を小さくすることを特徴とする請求項に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  13. 前記一次遅れまたは二次遅れの時定数は、エンジンの慣性モーメント、駆動系の慣性モーメント、コレクタ容積、冷却水温、バッテリ電圧、エンジンと駆動系が結合している場合における車速の減速度、エンジンと駆動系が結合している場合におけるエンジン回転数の減速度、エンジンにより駆動される補機負荷のうちの複数に応じて設定する場合にその設定される複数の時定数のなかで一番大きな値であることを特徴とする請求項に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  14. 前記一次遅れまたは二次遅れの時定数は、エンジンの慣性モーメント、エンジンが駆動系と結合している場合における駆動系の慣性モーメント、コレクタ容積、冷却水温、バッテリ電圧、エンジンと駆動系が結合している場合における車速の減速度、エンジンと駆動系が結合している場合におけるエンジン回転数の減速度、エンジンにより駆動される補機負荷のいずれか一つに応じて設定する場合にその設定される時定数より少し大きな時定数であることを特徴とする請求項に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  15. 前記フィードバック制御を行う条件の成立時に所定の第2の回転数以上の回転域でエンジン回転数より低い回転数を前記第2の目標回転数として設定することを特徴とする請求項1から14までのいずれか一つに記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  16. 前記所定の第2の回転数以上の回転域でこの第2の回転域未満の回転域よりフィードバックゲインを小さい値に切換えることを特徴とする請求項15に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  17. 前記フィードバック制御を行う条件の成立時に実エンジン回転数が所定の第2の回転数未満の状態より第2の回転数以上となりふたたび第2の回転数未満の状態となるとき、実エンジン回転数が第2の回転数以上の回転域にあるあいだ、実エンジン回転数が第2の回転数以上となる直前の前記第2の目標回転数を前記第2の目標回転数として保持し、実エンジン回転数が前記ふたたび第2の回転数未満の状態となったとき、この保持した値を初期値として一次遅れまたは二次遅れで前記第1の目標回転数に追従する値を前記第2の目標回転数として設定することを特徴とする請求項から14までのいずれか一つに記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  18. 前記第2の目標回転数を保持するときその保持する前よりフィードバックゲインを小さい値に切換えることを特徴とする請求項17に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  19. 前記フィードバック制御を行う条件の成立時に負荷の急減を検出または推定したときその検出時または推定時より所定の時間、実エンジン回転数より少し低い回転数を前記第2の目標回転数として設定することを特徴とする請求項1から14までのいずれか一つに記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  20. 前記フィードバック制御を行う条件の成立時に負荷の急減を検出または推定したときその検出時または推定時より所定の時間、前記負荷の急減を検出または推定する直前の前記第2の目標回転数の値を保持することを特徴とする請求項1から14までのいずれか一つに記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  21. 前記負荷の急減を検出または推定したとき、その検出時より所定の時間、フィードバックゲインを前記負荷の急減を検出または推定する直前より小さい値に切換えることを特徴とする請求項19または20に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  22. 前記負荷の急減は自動変速機のシフトダウンによる負荷の急減であることを特徴とする請求項19から21までのいずれか一つに記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  23. 前記フィードバック制御を行う条件の成立時に実エンジン回転数が前記第1の目標回転数未満となった後にふたたび前記第1の目標回転数に戻るとき前記第1の目標回転数を前記第2の目標回転数として、実エンジン回転数が前記第1の目標回転数未満であるあいだ、設定することを特徴とする請求項1から22までのいずれか一つに記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
  24. 前記第1の目標回転数未満の回転域でこの第1の目標回転域以上の回転域よりフィードバックゲインを大きな値に切換えることを特徴とする請求項23に記載のエンジンのアイドル回転数制御装置。
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