JP3861142B2 - 原子炉圧力容器の切断方法及び同切断方法に用いるピッチホールド治具 - Google Patents

原子炉圧力容器の切断方法及び同切断方法に用いるピッチホールド治具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は原子力プラントの解体等に際して、同原子力プラントの中枢機器として用いられた原子炉圧力容器を解体すべくこれを切断する方法と、その切断方法の実行に際して使用されるピッチホールド治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
原子力の平和利用の典型例として開発された原子力発電プラントは、我が国においては商業ベースとして実用に供される様になってから30年余、40年未満(日本原子力発電東海発電所殿:1966年7月商業運転開始)であり、この間運転が終了された例も少なく、かつ、解体に際しては運転終了後一定の冷却期間を要することから、実際に解体に至った例は未だ存在しない。
【0003】
しかし、この分野で我が国に先行する欧米では、解体の実例も出現し始めており、特に重量構造物に当たる圧力容器の処理として、同圧力容器内部にコンクリート等を充填した後、これを地中深く埋める方法、または同圧力容器を複数片に切断したのち前記同様に地中に埋める方法等が取られている。
【0004】
これらの方法のうち、切断処理について見ると、縦方向に延びて立設された圧力容器に対して、その底部にターンテーブルを設置すると共に、同立設された圧力容器の側方空間位置に切断装置を配置し、圧力容器をターンテーブルで回転しながら側方の周面から切断装置を作用させ、縦軸周りに回転するワークの周面からバイトで切り込む切削装置のイメージにより、前記圧力容器をその縦軸に直角な水平面に沿って輪切りにするものがある。
【0005】
また、他の切断処理方法としては、前記縦方向に延びて立設された圧力容器の内部に、アーク切断装置、又はプラズマ切断装置を取り込んで設置し、これらの切断装置を前記圧力容器の縦軸に直角な水平面で同圧力容器の内周面に沿って移動させ、前記同様に輪切りにするものがある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、欧米において先行している前記圧力容器の輪切り切断方法のうち、ターンテーブルで圧力容器を回転させながら切断する方法では、圧力容器に対して各種コンヂットを接続するために圧力容器の下方に設けられた狭い空間から部品を搬入して組み立て、同圧力容器の下面からこれを支持する様に据え付けを行うという超限定空間での難行な作業を求められるものであり、膨大な労力及び作業被ばく、コストを伴う準備作業が必要である。
【0007】
また、圧力容器の内部からアーク切断装置、又はプラズマ切断装置等の熱的切断工法により切断する方法では、切断ガスやヒューム及び溶融残渣が大量に発生することとなり、放射性物質がこれらのガスやヒュームに混入、付着して飛散、拡散しない様な配慮が求められるために、例えば粒子状物質の除去フィルターと分子状物質の除去フィルターがそれぞれ必要になる、という様に安全上特別の廃ガス処理装置等を必要とし、コストアップにならざるを得ないものである。
【0008】
本発明はこの様な状況下において、近い将来我が国においてもその必要性が一段と高まることが予想される圧力容器の解体処理に際して、前記欧米で先行する切断手法の様に、難易度が高く且つコストアップに直結する手法に代えて、容易且つ低コストで実施できる有益で実現性の高い原子炉の切断方法及びそれに用いるピッチホールド治具を提供することを課題とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した課題を解決すべくなされたもので、その第1の手段として、原子炉圧力容器の縦軸に水平方向で直交する切断面を前記縦軸方向で平行に複数箇所定め、それぞれの切断面に当たる位置で水平方向に圧力容器壁部を貫通させて複数の切り込み部を形成し、各切り込み部にピッチホールド治具をそれぞれ差し込んで設置し、同ピッチホールド治具の先端を回転することによって前記切り込み部に係止して同ピッチホールド治具をその位置から脱落しないように保持させ、前記定められた各切断面を切断刃物で順次切断して原子炉圧力容器を輪切り状にする原子炉圧力容器の切断方法を提供するものである。
【0010】
すなわち、同第1の手段によれば、原子炉圧力容器の切断面を軸方向に平行に複数定め、各切断面位置で圧力容器壁部を貫通させて切り込み部を複数形成し、ここにピッチホールド治具を差し込んで設置した後その先端を回転することによって前記切り込み部に係止して同ピッチホールド治具をその位置から脱落しないように保持させ、この状態で前記切断面を切断する様にしているので、水平方向の切断面に沿って切断作業が進行することにより、同切断を行う切断刃物が通過した後に一定間隔の切断線が順次形成されるが、前記切断面に当たる位置に形成した切り込み部にピッチホールド治具が簡単、容易に設置されて確実に保持されるので、前記切断刃物による切断線の間隔は狭まることはなく、これにより荷重が切断刃物に掛かるおそれはなくなり、簡便な手法により重量構造物の原子炉圧力容器の切断を安定、且つ適切に行い得るようにしたものである。
【0011】
また、本発明は、第2の手段として、前記第1の手段における原子炉圧力容器の切断方法に用いられ、原子炉圧力容器の予め定められた切断面で圧力容器壁部を貫通して形成された切り込み部に差し込まれる水平部と、同水平部から縦方向に突出した内方係止部と、同内方係止部と対向して前記水平部の端部に設けた外方係止部を有してピッチホールド治具を形成し、前記外方係止部は、同外方係止部を前記水平部の端部にその延長部分状に一体的に保持する保持部材と、同保持部材の保持解除により前記外方係止部を自重回動位置に移動する賦勢部材と、同外方係止部を回動自在に支持する回動支点を有して形成されたピッチホールド治具を提供するものである。
【0012】
すなわち、同第2の手段によれば、前記第1の手段において原子炉圧力容器を予め定められた切断面で切断するに際し、切断線の間隔を狭めることなく保持する様に用いられるピッチホールド治具は、切断面で圧力容器壁部を貫通して形成された切り込み部に差し込まれる水平部、同水平部から突出した内方係止部、及び同水平部の端部に設けた外方係止部で構成すると共に、この外方係止部は、保持部材、賦勢部材、回動支点等を有して形成され、同外方係止部が前記水平部の端部でその延長部分状に一体的に保持された形態と、同保持形態を解除されて自重回動状態となる形態と、自重回動することにより前記水平部に対して垂直方向となる形態とに変化し、これにより同ピッチホールド治具を確実に切り込み部に保持して切断刃物の通過により形成される切断線の間隔を狭めることなく荷重が切断刃物に掛かるおそれを無くして、重量構造物の原子炉圧力容器の切断を安定、且つ適切に実行可能にしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態について図1乃至図5に基づいて説明する。
図1は本実施の形態に係る原子炉圧力容器の切断方法の概要を概略的に説明する説明図、図2は切断に用いる切断装置の概要を概略的に説明する説明図、図3は切断に際して用いるピッチホールド治具の概要を、(a)、(b)、(c)の順に動作変化を含めて示す説明図、図4は図3のピッチホールド治具が設置される状況を(a)、(b)、(c)の順で段階的に示す説明図、図5はピッチホールド治具の動作変化を段階的に説明するもので、(a)は上面から、(b)は側面から、(c)は最終状況を正面から見た説明図である。
【0014】
商業用として実用されている原子炉は、冷却材として水(H2O)を用いた、いわゆる軽水炉が主流を占めているが、同軽水炉は更に沸騰水型と加圧水型のものに2分される。
【0015】
この沸騰水型の原子炉圧力容器と加圧水型の原子炉圧力容器とは、原子炉圧力容器が共に上下方向を長くして立設されている基本構造は共通しているものの、後者は圧力容器の外部に一次冷却材を循環させるため、その出入口が管台状に膨出し、ここに圧力容器の支持部を形成出来るが、前者はスカートを介して支持する構造となっている点で両者は支持構造を相違することになる。
【0016】
前記の様な差異は有るが、両者は共に近い将来解体の場に晒される可能性があり、共に効率的な解体の手法が求められることになるものであるが、本実施の形態においては、沸騰水型の原子炉圧力容器を直接の対象とし、加圧水型の原子炉圧力容器はその応用変形として対応し得るものとして以下説明する。
【0017】
すなわち、本実施の形態において、1は原子炉の圧力容器で、下方の鏡部1aを支持スカート5で支持され、周囲をコンクリート等の区画壁8で囲まれた据付空間4内に配置されている。
【0018】
なお、ここで圧力容器1は、例えば30年間というように定められた一定の期間の商業運転終了後に、放射能の減衰期間を考慮して更に5〜10年の一定の冷却期間を経た後、燃料棒や制御棒を除去して、同圧力容器1自体の解体作業に入る状況をイメージしたものとして示している。
【0019】
そしてこの圧力容器1は、その軸線に直交する水平面に沿って複数に切断されることを予定された状態であり、同切断を予定された切断面の位置に、複数の切断線2(切断線は切断面に含まれる。なお本明細書において、切断面は切断予定の面と切断された面の両方を総称する。)を平行に示している。
【0020】
また、図1においては、前記切断線2のそれぞれに対して、同切断線2を包含する位置に長方形状に区画して切り込み部7を示しているが、同切り込み部7については後に詳述する。
【0021】
図2には前記圧力容器1を切断線2に沿って切断する切断装置の概略を示しており、10はこの切断作業のために圧力容器1の上部に設置された上部架台、11は上部架台10に載置したホイストで、同ホイスト11はカバー12で覆われた索条により圧力容器1内に配置された支持台13に連結され、同支持台13を上下方向に移動可能にしている。
【0022】
支持台13は、回転して圧力容器1の壁面を切断する切断刃15と、同切断刃15を回転駆動する主駆動モータ19と、圧力容器1の周面に沿って切断刃15を移動させる旋回モータ16と、同切断刃15を上下に移動可能とした昇降モータ17と、更に同切断刃15を圧力容器1の壁面に向けて送り、同壁面に対する切り込み、切断を行う径送りモータ18等を支持している。
【0023】
なお、支持台13は、圧力容器1の軸線を中心とした円盤状又は放射腕状の部材で形成され、外周円上に3ヵ所以上の位置、好ましくは90°間隔に4ヵ所にクランプ14を備えており、圧力容器1に対して支持台13の位置を固定可能とし、切断面の水平度が保たれるように配慮されている。
【0024】
図3には、切り込み部7に設置するピッチホールド治具3を示している。
すなわち、ピッチホールド治具3は、水平部31と、これが切り込み部7に設置されたとき圧力容器1の内部側となる水平部31の端部で同水平部31から垂直方向に向けて突出状に固定された内方係止部32と、同内方係止部32の対向側で水平部31に接続した外方係止部33を設けている。
【0025】
そして外方係止部33は、水平部31と当接する端面に、同水平部31の端面に設けた凹溝31aと嵌合する凸条33aを設けるとともに、中心から偏倚した位置にピン36を設け、前記凹溝31aと凸条33aの嵌合が外れたとき、同ピン36を支点にして水平部31に対し回動可能になっている。
【0026】
また、前記水平部31側の前記ピン36の支持位置には、ピン36と同心状にばね35が配置され、ピン36を介して外方係止部33を圧力容器1の外方に向けて賦勢し、凹溝31aと凸条33aが嵌合を離脱するように作用している。
【0027】
他方、水平部31、外方係止部33には、その肉圧部にワイヤー34を案内するワイヤー通路が設けられ、同ワイヤー通路にワイヤー34を通して圧力容器1の内方に向く張力をかけ、その状態を維持するとき、前記ばね35の賦勢力に抗して凹溝31aと凸条33aの嵌合が維持され、外方係止部33は水平部31の延長部分状に同水平部31と一体的に接続した状態を保持することが出来る様にになっている。
【0028】
この形態は図3(a)〜(c)として動作段階毎に区分して示しており、図3(a)が初期設定の状態を示し、ピッチホールド治具3は凹溝31aと凸条33aを嵌合させ、かつワイヤー34に張力をかけてばね35の賦勢力に抗して外方係止部33と水平部31を一体化した状態である。
【0029】
次にワイヤー34を除去すると、図3(b)に示す様に、ばね35の賦勢力に抗する力がなくなり、ばね35によりピン36を介して外方係止部33が圧力容器1の外方に押動され、凹溝31aと凸条33aの嵌合が離脱される。
【0030】
そして次の瞬間には図3(c)に示す様に、外方係止部33は中央から偏倚した位置のピン36を支点として自重を利用して90°回動し、ピッチホールド治具3は、内方係止部32、水平部31、そして外方係止部33により、断面略コ字型の形状を形成することになる。
【0031】
次に本実施の形態において、原子炉解体の一環として圧力容器1を切断する手順を交えて説明する。
【0032】
図1に基づいて前記に説明した様に、圧力容器1の軸線方向に所定間隔離して、同軸線に直交する複数の切断線2を定め、各切断線2を包含する位置で周方向に複数箇所、例えば90°間隔に4ヵ所、切り込み部7を形成する。
【0033】
この切り込み部7の形成は、図2に基づいて説明した切断装置を用いて行うが、要すれば切断刃15は圧力容器1の壁の厚み方向に切り込み部7を貫通させるに好適な工具を適宜選定して用いることができる。
【0034】
この様にして切り込み部7を形成した圧力容器1の一つの切断面(切断線2の一つに対応)は図4(a)に示す形態をなしており、この切り込み部7のそれぞれにピッチホールド治具3を圧力容器1の内部から外部へ向けて挿入し設置すると図4(b)に示す形態となり、更にその位置にピッチホールド治具3を保持すると図4(c)に示す形態となる。
【0035】
この切り込み部7に対するピッチホールド治具3の設置、保持の経過は、図3、又は図5からより明確に理解できる。
すなわち、図4(a)の様に形成された切り込み部7に、図3(a)の様に水平部31と外方係止部33をワイヤー34の張力で一体状にしたピッチホールド治具3を設置すると、図4(b)に示す形態となる。
【0036】
この状態はまた、図5(a)、(b)のそれぞれにおいて、ピッチホールド治具3の動きと変化を最初(図中、左側)の白抜き矢印で示す部位と、中央の白抜き矢印で示す部位に相当しており、ピッチホールド治具3は必要に応じ図示省略のマニピュレータ等のハンドリング機器を用いてこの位置に設置される。
【0037】
次いで図示省略した他のマニピュレータ等によりピッチホールド治具3のワイヤー34を除去すると、図4(b)の状況は図4(c)に進展するが、これは図3(b)〜(c)、図5(a)、(b)のそれぞれにおいて、最後の右側の白抜き矢印で示す部位に相当し、図3(c)、図5(c)に示す様に、外方係止部33がピン36を回動支点として90°回転し、同外方係止部33と内方係止部32が相俟ってピッチホールド治具3を切り込み部7の設置位置から脱落しない様に保持した形態となる。
【0038】
このようにして切断線2を含む位置にピッチホールド治具3が保持されると、切断線2に沿って切断が進行しても、同切断線2に沿った切断刃15の切断跡に相当する『ピッチ』は、所定間隔を保って『ホールド』され、切断刃15が圧迫されて切断の続行が不可能になるおそれは全くなく、また、従来の熱的切断工法とは全く異なるので、アーク切断やプラズマ切断のようにヒュームや生成ガスで汚染物が飛散、拡散するおそれもなく、簡便な手順と簡易な装置で、重量構造物の圧力容器1を適切に切断することが出来るものである。
【0039】
なお、圧力容器1は100〜250mm程度の厚みを有し、実用に供される切断刃15の厚み方向の切り込み能力は、1ストローク当たり約10〜20mmとすれば、同圧力容器1の切断に際して切断線2に沿った切断は十数回の繰り返しが必要となることから、前記切り込み部7を形成するタイミングは、切断線2に沿った切断刃15による周方向での切断と、種々の組合せを選択出来る。
【0040】
例えば、切り込み部7の形成は最初に行っておくか、周方向切断の途中でよいか、それとも周方向で最終的な切り離し切断を行う前でよいか等々のタイミングが考えられるが、少なくとも最終の切り離し切断が行われる以前であれば、適宜のタイミングを選んで切り込み部7を形成し、そこにピッチホールド治具3を設置、保持させるようにすればよい。
【0041】
なおまた、本実施の形態では沸騰水型の原子炉圧力容器を直接の対象として説明したが、前記したように加圧水型の原子炉圧力容器に対しても同様に適用できるものであり、その場合には圧力容器の側方に膨出状に設けられた一次冷却材の循環口部の支持部の他に、沸騰水型の様に鏡部の下方に配置する支持スカートが必要である。
【0042】
以上、本発明を図示の実施の形態について説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【0043】
【発明の効果】
以上、本出願の請求項1に記載の発明によれば、原子炉圧力容器の縦軸に水平方向で直交する切断面を前記縦軸方向で平行に複数箇所定め、それぞれの切断面に当たる位置で水平方向に圧力容器壁部を貫通させて複数の切り込み部を形成し、各切り込み部にピッチホールド治具をそれぞれ差し込んで設置し、同ピッチホールド治具の先端を回転することによって前記切り込み部に係止して同ピッチホールド治具をその位置から脱落しないように保持させ、前記定められた各切断面を切断刃物で順次切断して原子炉圧力容器を輪切り状にするようにした原子炉圧力容器の切断方法を構成しているので、前記切り込み部にピッチホールド治具を差し込んで設置した後その先端を回転するという簡便な操作で同ピッチホールド治具を前記切り込み部に係止してその位置から脱落しないように確実に保持させ、この状態で前記切断面を切断することにより、同切断を行う切断刃物が通過した後に一定間隔の切断線が順次形成されるが、ピッチホールド治具の介在で切断刃物による切断線の間隔は狭まることはなく、これにより荷重が切断刃物に掛かるおそれはなくなり、簡便な手法で重量構造物の原子炉圧力容器の切断を安定、且つ適切に行い得る有益で実現性の高い原子炉圧力容器の切断方法を得ることが出来たものである。
【0044】
また、請求項2に記載の発明によれば、原子炉圧力容器の予め定められた切断面で圧力容器壁部を貫通して形成された切り込み部に差し込まれる水平部と、同水平部から縦方向に突出した内方係止部と、同内方係止部と対向して前記水平部の端部に設けた外方係止部を有してピッチホールド治具を形成し、前記外方係止部は、同外方係止部を前記水平部の端部にその延長部分状に一体的に保持する保持部材と、同保持部材の保持解除により前記外方係止部を自重回動位置に移動する賦勢部材と、同外方係止部を回動自在に支持する回動支点を有して形成され、請求項1に記載の原子炉圧力容器の切断方法に用いられるピッチホールド治具を構成しているので、前記請求項1に記載の原子炉圧力容器の切断方法により原子炉圧力容器を予め定められた切断面で切断するに際し、切り込み部に差し込まれる水平部、同水平部から突出した内方係止部、及び同水平部の端部に設けた外方係止部で構成したピッチホールド治具が、同外方係止部の詳細構造に当たる保持部材、賦勢部材、回動支点等の共働で、同ピッチホールド治具を容易かつ確実に切り込み部に保持し、切断刃物の通過により形成される切断線の間隔を狭めることなく荷重が切断刃物に掛かるおそれを無くして、重量構造物の原子炉圧力容器の切断を安定、且つ適切に実行可能にした有益なピッチホールド治具を得ることが出来たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る原子炉圧力容器の切断方法の概要を概略的に説明する説明図である。
【図2】本実施の形態において、切断に用いる切断装置の概要を概略的に説明する説明図である。
【図3】切断に際して用いるピッチホールド治具の概要を、(a)、(b)、(c)の順に動作変化を含めて示す説明図である。
【図4】図3のピッチホールド治具が設置される状況を(a)、(b)、(c)の順で段階的に示す説明図である。
【図5】ピッチホールド治具の動作変化を段階的に説明するもので、(a)は上面から、(b)は側面から、(c)は最終状況を正面から見た説明図である。
【符号の説明】
1 圧力容器
1a 鏡部
2 切断線
3 ピッチホールド治具
4 据付空間
5 支持スカート
6 下部空間
7 切り込み部
8 区画壁
10 上部架台
11 ホイスト
12 カバー
13 支持台
14 クランプ
15 切断刃
16 旋回モータ
17 昇降モータ
18 径送りモータ
31 水平部
31a 凹溝
32 内方係止部
33 外方係止部
33a 凸条
34 ワイヤー
35 ばね
36 ピン

Claims (2)

  1. 原子炉圧力容器の縦軸に水平方向で直交する切断面を前記縦軸方向で平行に複数箇所定め、それぞれの切断面に当たる位置で水平方向に圧力容器壁部を貫通させて複数の切り込み部を形成し、各切り込み部にピッチホールド治具をそれぞれ差し込んで設置し、同ピッチホールド治具の先端を回転することによって前記切り込み部に係止して同ピッチホールド治具をその位置から脱落しないように保持させ、前記定められた各切断面を切断刃物で順次切断して原子炉圧力容器を輪切り状にすることを特徴とする原子炉圧力容器の切断方法。
  2. 原子炉圧力容器の予め定められた切断面で圧力容器壁部を貫通して形成された切り込み部に差し込まれる水平部と、同水平部から縦方向に突出した内方係止部と、同内方係止部と対向して前記水平部の端部に設けた外方係止部を有してピッチホールド治具を形成し、前記外方係止部は、同外方係止部を前記水平部の端部にその延長部分状に一体的に保持する保持部材と、同保持部材の保持解除により前記外方係止部を自重回動位置に移動する賦勢部材と、同外方係止部を回動自在に支持する回動支点を有して形成され、請求項1に記載の原子炉圧力容器の切断方法に用いられることを特徴とするピッチホールド治具。
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