JP3860570B2 - パルス波レーダー装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ミリ波、又は準ミリ波帯を用いたパルス波レーダー装置に関する。特に、近距離での対象物からの反射波に対して距離分解能を向上させたパルス波レーダー装置に関する。
パルス波レーダー装置は、対象物との距離が100km程度の気象探査や飛行機に搭載する位置・距離の測定装置として利用されてきた。これらの用途では、パルス送信波を放射した地点からの相対的な方位と距離が要求される。このため、レーダー送信装置を中心に放射状に表した画面にレーダー装置に対する方位と距離を点で示すPPI(Plan Position Indicator)スコープによる表示が行われてきた。
パルス波レーダー装置は、パルス送信波を放射してから対象物から反射されたパルス受信波を受信する迄の時間を測定し、対象物までの距離を算出する装置である。PPIスコープによる表示では、測定した時間に比例した信号レベルをそのまま距離として出力する。このため、測定された距離の分解能は対象物との距離にかかわらず一定であった。
一方、距離分解能を向上する方法として、パルス幅の異なるパルス送信波を一定周期で交互に送信するパルス波レーダー装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この提案では、対象物までの距離を粗設定するための幅の広いパルスと、対象物までの距離を測定する精度を向上するための幅の狭いパルスと、の2種類の送信波を放射する。しかし、この方法では、幅の狭いパルスはノイズに埋もれるので測定の精度が悪いという問題があった。また、パルス幅の異なる2種類の送信波を放射し、対象物から反射した受信波を受信するため、パルス幅に応じて、それぞれ2種類の送信回路と2種類の受信回路とが必要になる。
また従来技術では、測定した時間に比例した信号レベルに対してA/D変換回路で線形的に量子化していた。図1に対象物までの距離に対するA/D変換回路入力信号レベルの例を示す。図1は、測定距離が20cmから20mまで測定可能なパルスレーダー装置の例である。A/D変換回路の量子化ビット数は8bitとした。横軸は、対象物までの距離である。距離範囲20cmから20mまでを256等分した、0.2、0.28、0.36、0.44・・・、19.84、19.92、20.00が等間隔で配列されている。なお、横軸、縦軸とも途中を省略している。縦軸はA/D変換回路に入力される信号レベルであり、信号レベル0から255までが等間隔で配列されている。
対象物までの距離に対して線形的に量子化レベルを割り当てると、測定距離を256等分した値となる。すなわち、信号レベル1は0.2m、信号レベル2は0.28m、信号レベル3は0.36m、信号レベル4は0.44m、・・・、信号レベル253は19.84m、信号レベル254は19.92m、信号レベル255は20.00mに対応する。したがって、A/D変換回路から出力されるデジタル信号の距離分解能は0.08mである。測定距離が20mであれば、8cmの測定誤差は測定距離の1/250であり、人間の感覚ではあまり問題にならない。しかし、測定距離が20cmのとき、8cmの距離分解能は測定距離の4割に達する。また20cmの測定距離に対して8cmずつ測定距離が変動しては、人間の感覚に合致しない。図1では8bitでのA/D変換について説明したが、量子化ビット数が増えても同様のことが言える。このことから、遠距離の対象物を測定するときの分解能より近距離の対象物の距離分解能を高くするほうが、人間の感覚に合致する。
特開平5−72324号公報。
パルス波レーダー装置から対象物までの距離に応じた距離分解能を実現するパルス波レーダー装置の提供を課題とする。
図1の例で示したように、測定距離が短いときには測定距離が長いときよりも距離分解能が高いことが望ましい。そこで、本発明に係るパルス波レーダー装置は、測定された距離が短いときには増幅度が大きくなるように、また測定した距離が長いときには増幅度が小さくなるように非線形増幅する。すなわち、信号レベルが低いときには増幅度が大きくなるように、また信号レベルが高いときには増幅度が小さくなるように非線形増幅する。これにより、A/D変換する際に割り当てる量子化レベルを測定距離の短い値により多く割り当てることができるため、測定距離が短いときには測定距離が長いときよりも距離分解能を高くできる。この結果、パルス波レーダー装置から対象物までの距離に応じた距離分解能を実現するパルス波レーダー装置の提供が可能になる。
具体的には、本発明によるパルス波レーダー装置は、送信パルスで変調された送信波を送出する送信回路と、該送信回路からの送信波を放射する送信アンテナと、対象物から反射した受信波を受信する受信アンテナと、該受信アンテナからの受信波を検波する受信回路と、該送信回路からの送信波を送出するタイミングと該受信回路からの受信波を検波したタイミングとから、対象物までの伝搬往復時間に対応した信号レベルを出力するレベル変換回路と、該信号レベルが低いときに増幅度が大きくなり、該信号レベルが高いときに増幅度が小さくなるような増幅度で該レベル変換回路出力を増幅する非線形増幅回路と、を備える。信号レベルが低い時には大きな増幅度で増幅し、信号レベルが高い時には小さな増幅度で増幅する。したがって、信号レベルの低いとき、すなわち測定距離が短いときに、信号レベルの増幅度を大きくできる。この結果、パルス波レーダー装置から対象物までの距離に応じた距離分解能を実現するパルス波レーダー装置の提供が可能になる。
前記非線形増幅回路は入力レベルに対して対数増幅特性を有することが望ましい。対数増幅特性を有するので、信号レベルが高くなるにつれて、増幅度は対数的に小さくなる。この結果、パルス波レーダー装置から対象物までの距離に応じた距離分解能を実現して、人間の感覚に合致した距離分解能で出力可能なパルス波レーダー装置の提供が可能になる。
本発明に係る他のパルス波レーダー装置は、入力レベルに対して線形な増幅度で前記レベル変換回路出力を増幅する線形増幅回路をさらに備え、前記非線形増幅回路又は該線形増幅回路のいずれかを選択して前記レベル変換回路出力を増幅することが望ましい。線形増幅回路を備えるので、PPIスコープで対象物の存在する方位と距離を表示したり、対象物までの距離をリニア表示したりできる。この結果、パルス波レーダー装置から対象物までの距離に応じた距離分解能と、対象物までの距離のリニア表示と、を選択できるパルス波レーダー装置の提供が可能になる。
本発明に係る他のパルス波レーダー装置は、前記受信回路の出力を、該出力のレベルが低い時に増幅度が大きくなり、該出力レベルが高い時に増幅度が小さくなるような増幅度で増幅するポスト増幅回路をさらに備えることが望ましい。対象物までの距離が長いときには対象物から反射した受信波のレベルが小さくなり、受信回路から出力されるパルス波形も小さくなる。しかし対象物との距離が短いときには受信波のレベルが大きく、パルス波形も大きい。このパルス波形の大小の違いから、測定される距離に差異が生じることがある。受信回路からの受信パルスを出力レベルが低い時に増幅度が大きくなり、出力レベルが高い時に増幅度が小さくなるような増幅度で増幅するポスト増幅回路で増幅すれば、パルス波形の大小から生じる測定距離の誤差の差異を減少させることができる。この結果、パルス波レーダー装置と短い距離にある対象物に対する距離分解能を上げ、かつ対象物までの距離によって生じる測定距離の誤差の差異を減少させることができるパルス波レーダー装置を提供することが可能になる。
前記ポスト増幅回路は、入力レベルに対して対数増幅特性を有することが望ましい。対数増幅特性を有するので、信号レベルが高くなるにつれて、増幅度は対数的に小さくなる。この結果、対象物まで距離によって生じる測定距離の誤差の差異を減少させることができるパルス波レーダー装置を提供することが可能になる。
本発明により、パルス波レーダー装置から対象物までの距離に応じた距離分解能を実現するパルス波レーダー装置の提供が可能になる。
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。
図2は、本発明に係るパルス波レーダー装置の実施形態の一例を説明する図であって、パルス波レーダー装置の構成を説明するブロック図である。図2において、11はパルス発生回路であって所定の周期の送信パルスを発生する。12は発振器であって、パルス波レーダー装置の使用する周波数帯の発振周波数で発振する。13は分配器である。21は混合回路であって、発振波を送信パルスで変調する。22は電力増幅回路であって、パルス波レーダー装置の放射する送信波を電力増幅する。パルス発生回路11、発振器12、分配器13、混合回路21、電力増幅回路22で送信回路を構成する。23は送信アンテナであって、送信波を放射する。送信アンテナ23は複数のアンテナから構成されるものでもよい。31は受信アンテナであって、対象物から反射した受信波を受信する。受信アンテナ31も複数のアンテナから構成されるものでもよい。32は前置増幅回路であって、微弱な受信波を増幅する。33は混合回路であって、パルス波レーダー装置の使用する周波数帯の発振波で検波して受信波から受信パルスを復調する。前置増幅回路32、混合回路33、発振器12及び分配器13で受信回路を構成する。44はS−Rフリップフロップ回路であって、セットポート71から入力されたセットパルスとリセットポート72から入力されたリセットパルスのタイミングの差のパルス幅を有するパルス信号を出力する。41は低域透過フィルタであって、パルス信号の直流成分を抽出して直流信号に変換する。S−Rフリップフロップ回路44と低域透過フィルタ41でレベル変換回路を構成する。42は非線形増幅回路であって、信号レベルが低いときには大きな増幅度で増幅し、信号レベルが高いときには小さな増幅度で増幅する。43はA/D変換回路であって、アナログ信号をデジタル信号に変換する。これによって、アナログ信号を量子化レベルに割り当てる。
図2を使用して、本発明に係るパルス波レーダー装置の送信動作を説明する。パルス発生回路11では、所定の周期で送信パルス1aを発生し、混合回路21及びS−Rフリップフロップ回路44に同時に出力する。混合回路21は分配器13からの発振波をパルス発生回路11からの送信パルス1aで変調し、送信波2aを出力する。電力増幅回路22は送信波2aを電力増幅する。送信アンテナ23は電力増幅回路22で電力増幅された送信波2aを対象物に向けて放射する。
次に、図2を使用して、本発明に係るパルス波レーダー装置の受信動作を説明する。受信アンテナ31は送信波2aが対象物から反射した受信波3aを受信し、前置増幅回路32に出力する。前置増幅回路32は受信波3aを増幅し、混合回路33に出力する。混合回路33は分配器13からの発振波で受信波3aを検波し、受信パルス4aを復調する。パルス発生回路11から出力された送信パルス1aは送信波を送出するタイミングを与えるセットパルスとしてS−Rフリップフロップ回路44のセットポート71に入力される。混合回路33で復調された受信パルス4aは受信波を検波したタイミングを与えるリセットパルスとしてS−Rフリップフロップ回路44のリセットポート72に入力される。S−Rフリップフロップ回路44は送信パルス1aでON状態になり、受信パルス4aでOFF状態になる。これによって、対象物までの伝搬往復時間に対応したパルス幅をもつパルス信号6aがS−Rフリップフロップ回路44から出力される。低域透過フィルタ41は、S−Rフリップフロップ回路44から出力されたパルス信号6aのパルス幅に対応する信号レベルを有する直流信号7aに変換する。レベル変換回路45は、直流信号7aを非線形増幅回路42に出力する。非線形増幅回路42は、直流信号7aの信号レベルが低いときには大きな増幅度で増幅し、信号レベルが高いときには小さな増幅度で増幅した信号レベルを有するアナログ信号8aに変換して出力する。A/D変換回路43は非線形増幅回路42から出力されたアナログ信号8aをデジタル信号9aに変換して出力する。
以上が、パルス発生回路11から送信パルス1aが送出されたときの本実施形態のパルス波レーダー装置の基本動作である。パルス発生回路11からは、周期的に1a、1b、1c、・・・と送信パルスが送出され、デジタル信号9aと同様にA/D変換回路43からデジタル信号9b、9c、・・・が出力される。デジタル信号9a、9b、9c、・・・は、デジタル信号処理をすることができる。例えば、伝搬往復時間から対象物までの距離を算出したり、対象物までの距離の変化から対象物との相対速度を算出したりすることができる。
図3にレベル変換回路45の動作の詳細について説明する。図3(1)は、送信パルス1aがS−Rフリップフロップ回路44のセットポート71に入力されたタイミングと、受信パルス4aがリセットポート72に入力されたタイミングを示す。横軸は時間を示し、縦軸は信号電圧を示す。送信パルス1aが信号電圧Aに至ったタイミングt1から受信パルス4aが信号電圧Aに至ったタイミングt4までの時間τがS−Rフリップフロップ回路44から出力されるパルス信号6aの有するパルス幅となる。
図3(2)にS−Rフリップフロップ回路44から出力されるパルス信号6aを示す。S−Rフリップフロップ回路44から出力されるパルス信号6aは、信号電圧が一定で、パルス幅のみが対象物までの伝搬往復時間によって変化する。S−Rフリップフロップ回路44のON状態とOFF状態を決める閾値の信号電圧Aは、混合回路33から出力される受信パルスの振幅が最小になるときの振幅に相当する信号電圧よりも小さければよい。また、送信パルスに対する閾値と受信パルスに対する閾値を変えてもよい。低域透過フィルタ41は、図3(3)に示すように、S−Rフリップフロップ回路44から出力された電圧一定でパルス幅が異なるパルス信号の直流成分を抽出する。これにより、パルス信号6aのパルス幅に対応した信号レベルを有する直流信号に変換する。この直流信号の信号電圧は対象物までの伝搬往復時間に対応した信号レベルとなる。
非線形増幅回路42について図4を用いて説明する。図4は非線形増幅回路42に入力された信号レベルに対して出力される信号レベルをグラフで表したものである。横軸に入力された信号レベルを表し、縦軸に出力される信号レベルを表す。46は、線形な増幅特性を有する場合を示す。48は対数増幅特性を有する場合を示す。47は線形な増幅特性と対数増幅特性の中間の増幅特性を有する場合を示す。49は非線形性を大きくした増幅特性を有する場合を示す。
非線形増幅回路42の増幅特性は、入力された信号レベルが低いときに増幅度が大きくなり、入力された信号レベルが高いときに増幅度が小さくなる。非線形増幅回路42に入力される信号レベルは対象物までの伝搬往復時間と比例関係にある。したがって信号レベルをこのような非線形増幅を行うことによって対象物までの伝搬往復時間が短い部分に対応する信号レベルをきめ細かく、対象物までの伝搬往復時間が長い部分に対応する信号レベルを粗くすることができる。この結果、パルス波レーダー装置からの距離が短い対象物に対して距離分解能を上げることができる。したがって、A/D変換する際に割り当てる量子化ビット数を、距離の短い範囲に多く割り当てることが可能になる。
非線形増幅の増幅度は限定しない。図4に示すように、信号レベルが低い時に増幅度が大きく、信号レベルが高い時に増幅度が小さければよい。非線形増幅回路42から出力されたアナログ信号はA/D変換回路を経ずにアナログ信号のまま出力してもよい。アナログ信号で出力して、距離によって表示目盛りの間隔が異なるメータで表示することもできる。さらにA/D変換回路43の出力に基づいて対象物までの距離を数値化して表示したり、その数値化された距離に基づいてブレーキシステムやオートクルーズシステムを制御したりする場合には、非線形増幅のため1量子化ステップが示す距離が異なるので、それを考慮して数値化すればよい。
以上説明したように、非線形増幅回路で信号レベルが低い時には大きな増幅度で増幅し、信号レベルが高い時には小さな増幅度で増幅することにより、パルス波レーダー装置から対象物までの距離に応じた距離分解能を実現するパルス波レーダー装置の提供が可能になる。
非線形増幅回路42は入力レベルに対して対数増幅特性を有することが好ましい。非線形増幅回路42が対数増幅特性を有するときの増幅例を図5に示す。図5は非線形増幅回路42に入力された信号レベルに対する出力される信号レベルを表したグラフである。即ち、対象物までの伝搬往復時間に対応した信号を対数増幅するものである。図5では、対象物までの伝搬往復時間を対象物までの距離に換算して表示した。また量子化レベルに対応する信号レベルを表示するため、対象物までの距離が最も短い距離の一部と、対象物までの距離が最も長い距離の一部を拡大した。横軸は、レベル変換回路45から出力される直流信号7aの信号レベルである。対象物までの距離は図1と同様、20cmから20mまでとする。横軸の目盛りは、短い距離については1cm、長い距離については50cmとした。縦軸は、入力された信号レベルに対して非線形増幅回路42で増幅された信号レベルを示す。図1と同様に、8bitのA/D変換回路に入力するとして、信号レベルを1、2、3、4、・・・253、254、255と等間隔に配列した。
非線形増幅回路42の増幅特性は、入力された信号レベルが低いときに増幅度が大きくなり、入力された信号レベルが高いときに増幅度が小さくなる。これにより、低い信号レベルに対応する距離は、信号レベル1が20.3cm、信号レベル2が20.7cm、信号レベル3が21.1cm、信号レベル4が21.5cmとなる。また、高い信号レベルに対応する距離は、信号レベル253が19.3m、信号レベル254が19.6m、信号レベル255が20.0mとなる。すなわち出力される信号レベルは、短い測定距離に対応する信号レベルはきめ細かく、長い測定距離に対応する信号レベルは粗くなる。この結果、A/D変換する際に割り当てる量子化レベルを、測定距離の短い値に多く割り当てることが可能になる。したがって、パルス波レーダー装置からの距離が短い対象物に対して距離分解能を上げることができる。
以上説明したように、対数増幅特性を有することにより、信号レベルが高くなるにつれて、増幅度は対数的に小さくなる。これにより、パルス波レーダー装置から対象物までの距離に応じた距離分解能を実現し、かつ人間の感覚に合致した測定距離が出力可能なパルス波レーダー装置の提供が可能になる。
本発明に係るパルス波レーダー装置の他の実施形態を図6に示す。図6は、パルス波レーダー装置の構成を説明するブロック図である。図2に示すパルス波レーダー装置との違いは、線形回路51と選択回路53の設置である。線形増幅回路51は、信号レベルを一定の増幅度で線形的に増幅する。図2に示すパルス波レーダー装置ではレベル変換回路45の後段に非線形回路42のみを配置しているが、レベル変換回路45の後段に非線形回路42と並列に線形回路51を配置している。基本動作は図1に示すパルス波レーダー装置と同様であるが、図6に示すパルス波レーダー装置では、レベル変換回路45から出力された信号レベルを非線形回路42または線形増幅回路51で増幅し、いずれかの出力信号を選択することができる。選択回路53によって線形増幅回路51を選択すれば、PPIスコープで対象物の存在する方位と距離を表示したり、対象物までの距離をリニア表示したりできる。選択回路53は低域透過フィルタ41の後段に配置して、非線形回路42または線形増幅回路51の入力段で選択する構成でもよい。
レベル変換回路45から出力された直流信号の信号レベルの増幅度をパルス波ごと又は一定時間ごとに切り替えて、対象物の位置をPPIスコープのような地図形式で表示し、かつ対象物との距離を数値で表示してもよい。
以上説明したように、線形増幅回路をさらに備えることで、パルス波レーダー装置から対象物までの距離に応じた距離分解能と、対象物までの距離のリニア表示と、を選択できるパルス波レーダー装置の提供が可能になる。
本発明に係るパルス波レーダー装置の他の実施形態を図7に示す。図7は、パルス波レーダー装置の構成を説明するブロック図である。図2に示すパルス波レーダー装置との違いは、ポスト増幅回路52の設置である。ポスト増幅回路52は混合回路33の後段に配置される。ポスト増幅回路52は、復調した受信パルス4aを増幅する。基本動作は図2に示すパルス波レーダー装置と同様であるが、図7に示すパルス波レーダー装置では、混合回路33で復調された受信パルス4aの信号レベルを、信号レベルが低いときに大きな増幅度で、信号レベルが高いときに小さな増幅度で増幅することができる。
図8、図9を用いてポスト増幅回路52の詳細な動作を説明する。図8、図9の各図は、ポスト増幅回路52に入力された受信パルスと、ポスト増幅回路52から出力される受信パルスを説明する図である。横軸は時間を表し、縦軸は信号電圧を表す。図8(1)はパルス波レーダー装置から短い距離にある対象物に反射したときの受信パルス4aのパルス波形である。受信パルスが信号電圧Aに達したタイミングをt8、パルス波形の中心でのタイミングをT8とする。
図8(2)はパルス波レーダー装置から長い距離にある対象物に反射したときの受信パルス4aのパルス波形である。受信パルスが信号電圧Aに達したタイミングをt9、パルス波形の中心でのタイミングをT9とする。受信パルスのピーク値の半分に達するレベルでタイミングを規定すると測定誤差は少なくなるが、通常は閾値となる信号電圧Aは一定とせざるを得ないため、パルス高によって異なるタイミング測定誤差が発生してしまう。
図8(3)は、図8(1)に示した受信パルス4aをポスト増幅回路52で増幅した後のパルス波形である。受信パルスが信号電圧Aに達したタイミングをt18、パルス波形の中心でのタイミングをT18とする。図8(4)は、図8(2)に示した受信パルス4aをポスト増幅回路52で増幅した後のパルス波形である。受信パルスが信号電圧Aに達したタイミングをt19、パルス波形の中心でのタイミングをT19とする。
図9(1)は、図8(1)で示したパルス波形の中心でのタイミングT1と、図8(2)で示したパルス波形の中心でのタイミングT4と、が同時であるときに、図8(1)と図8(2)の各パルス波形を重ねあわせたパルス波形である。図3に示したように、測定される距離は、送信パルス1aがS−Rフリップフロップ回路44に入力されたタイミングt1と、受信パルス4aがS−Rフリップフロップ回路44に入力されたタイミングt4との時間差τから算出される。受信パルス4aは対象物との距離が短いときに大きく、レーダー装置と対象物との距離が長いときに小さくなる。このため、図9(1)に示したように、パルス波形の中心でのタイミングT1とT4とが同時であっても、パルス波形の振幅により、信号電圧Aに達するタイミングt1とt4に差が生じる。
このタイミングの差によって測定誤差に差異が生じることがある。
図9(2)はポスト増幅回路で受信パルスを増幅した後のパルス波形である。受信パルス4aは、ポスト増幅回路52によって、信号レベルが低いときに大きな増幅度で、信号レベルが高いときに小さな増幅度で増幅されている。これにより、受信パルス4aのパルス波形の信号レベルを所定の範囲内とすることができる。この結果、受信パルス4aのパルス波形の大小から生じる測定誤差の差異を減少させることができる。
以上説明したように、受信回路の出力が低いときに増幅度が大きくなり、受信回路の出力が高いときに増幅度が小さくなるポスト増幅回路をさらに備えることで、パルス波形から生じる測定距離の差異を減少させることができる。したがって、パルス波レーダー装置と短い距離にある対象物に対する距離分解能を向上し、かつ受信パルスのパルス波形の大小から発生する測定誤差の差異を減少させることができるパルス波レーダー装置を提供することが可能になる。
ポスト増幅回路52は入力レベルに対して対数増幅特性を有することが好ましい。対数増幅特性を有する増幅回路は安定して動作させることができ、また、入手も容易である。対数増幅特性を有するので、信号レベルが高くなるにつれて、増幅度は対数的に小さくなる。したがって、パルス波レーダー装置と短い距離にある対象物に対する距離分解能を向上し、かつ受信パルスのパルス波形の大小から発生する測定誤差の差異を減少させることができるパルス波レーダー装置を提供することが可能になる。
本発明のパルス波レーダー装置は、車両の衝突防止やオートクルーズを目的とした車載用装置に適用することができるほか、固定のパルス波レーダー装置としても使用することができる。
従来のパルスレーダー装置で対象物までの距離に対するA/D変換回路入力信号レベルの例を説明するグラフである。 本発明に係るパルス波レーダー装置の実施形態の構成を説明するブロック図である。 レベル変換回路の動作を説明する図である。 非線形増幅回路の増幅特性の例である。 非線形増幅回路での信号レベルの増幅特性を説明する図である。 本発明に係る線形増幅回路を付加したパルス波レーダー装置の他の実施形態の構成を説明するブロック図である。 本発明に係るポスト増幅回路を付加したパルス波レーダー装置の他の実施形態の構成を説明するブロック図である。 ポスト増幅回路での受信パルスの増幅特性を説明する図である。 ポスト増幅回路での受信パルスの増幅特性を説明する図である。
符号の説明
11 パルス発生回路
12 発振器
13 分配器
21、33 混合回路
22 電力増幅回路
23 送信アンテナ
31 受信アンテナ
32 前置増幅回路
34 増幅回路
41 低域透過フィルタ
42 非線形増幅回路
43 A/D変換回路
44 S−Rフリップフロップ回路
46、47、48、49 増幅特性
45 レベル変換回路
51 線形増幅回路
52 ポスト増幅回路
53 選択回路
t1、t4、t8、t9、t18、t19、T8、T9、T18、T19 タイミング
τ 時間幅
A 信号電圧
1a、2a、3a、4a、5a、6a、7a、8a、9a、1b、1c、9b、9c 信号

Claims (5)

  1. 送信パルスで変調された送信波を送出する送信回路と、
    該送信回路からの送信波を放射する送信アンテナと、
    対象物から反射した受信波を受信する受信アンテナと、
    該受信アンテナからの受信波を検波する受信回路と、
    該送信回路からの送信波を送出するタイミングと該受信回路からの受信波を検波したタイミングとから、対象物までの伝搬往復時間に対応した信号レベルを出力するレベル変換回路と、
    該信号レベルが低いときに増幅度が大きくなり、該信号レベルが高いときに増幅度が小さくなるような増幅度で該レベル変換回路出力を増幅する非線形増幅回路と、
    を備えるパルス波レーダー装置。
  2. 前記非線形増幅回路が入力レベルに対して対数増幅特性を有することを特徴とする請求項1に記載のパルス波レーダー装置。
  3. 前記パルス波レーダー装置は、入力レベルに対して線形な増幅度で前記レベル変換回路出力を増幅する線形増幅回路をさらに備え、前記非線形増幅回路又は該線形増幅回路のいずれかを選択して前記レベル変換回路出力を増幅することを特徴とする請求項1又は2に記載のパルス波レーダー装置。
  4. 前記受信回路の出力を、該出力のレベルが低い時に増幅度が大きくなり、該出力のレベルが高い時に増幅度が小さくなるような増幅度で増幅するポスト増幅回路をさらに備えることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のパルス波レーダー装置。
  5. 前記ポスト増幅回路が入力レベルに対して対数増幅特性を有することを特徴とする請求項4に記載のパルス波レーダー装置。

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