JP3860388B2 - 抵抗線と外部接続端子の接続構造及びこの接続構造を有する耐サージ薄型抵抗器 - Google Patents

抵抗線と外部接続端子の接続構造及びこの接続構造を有する耐サージ薄型抵抗器 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐サージ薄型抵抗器および抵抗器における抵抗線と外部接続端子の接続構造に関し、より詳しくは、サージ電圧に対する耐久性の向上と抵抗器のコンパクト化に貢献することができる、耐サージ薄型抵抗器および抵抗器における抵抗線と外部接続端子の接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より各種電子機器において利用されている耐サージ抵抗器は、落雷や静電気あるいは電源ノイズ等に起因するサージ電流から電子機器を保護するものとして欠くことのできないものとなっている。また、電子機器業界においては、部品のコンパクト化が推し進められているため、近年、耐サージ抵抗器を薄型に構成したいわゆる耐サージ薄型抵抗器が採用されつつある。なお、耐サージ薄型抵抗器とは、その実用性から鑑みるに、抵抗器(外部接続端子を除く)の厚みと高さの比が0.7程度以下のものを指すと思われる。
従来の耐サージ薄型抵抗器について説明する。従来の耐サージ薄型抵抗器は、例えば以下のようにして構成されていた。すなわち、抵抗線を波形状に屈曲させるか、もしくは抵抗板を波形状となるようにせん断加工することによって屈曲抵抗体を形成し、この屈曲抵抗体の両端部に外部接続端子を固定した後、屈曲抵抗体をセラミックケース内に収容し、該セラミックケース内にセメント等の充填材を充填し、この充填材を加熱して固化させることにより構成されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、抵抗器の耐サージ特性は、抵抗体の長さつまり電流経路の長さが長い程良好であり、また抵抗体の断面積が大きい程良好であることが知られている。このような条件とすることにより、高サージ電圧の印加前後における抵抗値変化が少なくなり、また、サージ電圧の繰り返しによる破断が生じにくくなって耐久性が向上する。
ところで、耐サージ抵抗器は、抵抗器として或る程度の抵抗値を確保していなければならないが、上記した従来の耐サージ薄型抵抗器における屈曲抵抗体は、一平面内で波形状に形成されたものであるため、充分な長さを確保することができなかった。このため、或る程度の抵抗値を確保するには抵抗体の断面積を小さくしなければならず、これによって耐サージ特性が悪くなっていた。
【0004】
なお、抵抗体の長さを長くすれば、耐サージ特性は向上するが、従来の耐サージ抵抗器は上述の如く抵抗体を一平面内で波形状に形成したものであるため、抵抗体の長さを長くしようとすれば、抵抗器を大きくせざるをえなかった。このような理由により、従来の耐サージ薄型抵抗器は、コンパクト化とサージ特性の向上を両立させることが難しく、電子機器業界の要求を満たすことができなかった。
【0005】
本出願人は、このような実情に鑑みて鋭意研究を続けた結果、全体形状が扁平となるように抵抗線を巻回して扁平抵抗素子を構成し、この扁平抵抗素子から耐サージ薄型抵抗器を作製することにより、コンパクト化とサージ特性の向上の双方を達成できることを見い出し、本発明に係る耐サージ薄型抵抗器を完成するに至った。
【0006】
なお、抵抗器のコンパクト化とサージ特性の向上の双方の達成をより確実なものとするには、リード端子と称される外部接続端子の構造および該外部接続端子と抵抗線の接続構造の改良も必要である。つまり、抵抗線の性能が向上するとその性能アップに見合った電流・電圧の印加が見込まれるため、抵抗線の周辺構造すなわち抵抗線に接続される外部接続端子およびその接続構造にも改良を加える必要があるのである。
従来の耐サージ薄型抵抗器では、抵抗体の両端部に各々、リード端子と称される外部接続端子が接続されているが、この外部接続端子は従来、板状に形成されていることが多く、このことが、抵抗器の更なる薄型化を妨げる一因となっていた。
【0007】
そこで、本出願人は、線状の外部接続端子を用いることで抵抗器を更に薄くすることを考えた。図14は、その外部接続端子と抵抗体の接続構造を示す図である。ここでは、接続構造の一例としてテレビ受像機等のディスプレイ装置用耐サージ抵抗器における接続構造を挙げている。
【0008】
この接続構造は、図15に示す如く、外部接続端子(20)の基部(21)を、例えば厚さ(t)が0.65mm、幅(w)が1.4mm(厚さ(t)と幅(w)の比(t/w)が0.46)となるように扁平加工し、この扁平加工された基部(21)を折り曲げて挟持部(23),(23)を形成し、この挟持部(23),(23)の先端側に抵抗線(22)の端部を挟み込み(図16参照)、挟持部(23),(23)を抵抗線(22)の端部に圧着溶接する(図14参照)ことにより構成されていた。
【0009】
ところが、この接続構造は、外部接続端子(20)の基部(21)の厚さ(t)と幅(w)の比(t/w)が上記したように0.46とされている(以下、比(t/w)を厚幅比と称する)。
このような厚幅比の基部(21)は、機械的強度が大き過ぎるため、抵抗線(22)に圧力を加えた際に抵抗線(22)が大きく変形することがあった。この場合、その変形部分で抵抗線(22)の強度が低下し、サージ電圧を繰り返し与えたときに比較的早い段階で抵抗線(22)が破断してしまう恐れがあった。
また、この接続構造は、抵抗線(22)を挟持部(23)の先端側すなわち屈曲点に近い所に挟み込んでいたので、抵抗線(22)に圧力を加えた際、抵抗線(22)の前記屈曲点に近い側とその反対側とで圧力に大きな違いが生じることになっていた。このため、抵抗線(22)は断面的に歪に変形することになり、抵抗線(22)の強度を更に低下させることになっていた。また、このような位置に挟み込むことにより、挟持部(23),(23)に圧力を加えても、図14に示す如く、挟持部(23),(23)同士の間に隙間ができて圧着が不充分になることがあった。
【0010】
また、上記したような厚幅比の基部(21)は、溶接を行う際に、電流が幅方向に分散し易く、抵抗線(22)に直接流れる電流が小さくなっていた。このため、基部(21)と抵抗線(22)の接合強度が不充分になる恐れがあった。
また、抵抗線(22)を挟持部(23),(23)の先端側に挟み込んでいたので、抵抗線(22)を介して挟持部(23)の先端側とその反対側とで溶接電流に不均衡が生じ、挟持部(23),(23)同士の接合強度が先端側と反対側とで異なるという問題があった。これにより、接続部の強度が低下し、抵抗器のサージ電圧に対する耐久性を悪くすることになっていた。
【0011】
本出願人は、このような実情に鑑みて鋭意研究を続けた結果、線状の外部接続端子の基部を扁平加工し、この扁平加工された基部を折り曲げて挟持部を形成し、この挟持部の軸方向中央部に抵抗線の端部を挟み込み、前記挟持部を前記端部に圧着させ及び/又は溶接することにより、抵抗器のコンパクト化と耐サージ特性の向上の両立に貢献できることを見い出し、本発明に係る抵抗線と外部接続端子の接続構造を完成するに至った。
【0012】
請求項1記載の発明は、耐サージ薄型抵抗器における抵抗線と線状の外部接続端子の接続構造であって、前記外部接続端子の基部を、扁平加工後における基部の厚さ(t)と幅(w)の比(t/w)が0.26〜0.4となるように扁平加工し、この扁平加工された基部を折り曲げて挟持部を形成し、この挟持部の軸方向中央部に抵抗線の端部を挟み込み、この端部を挟持部間の中央部で、及び相対向する前記挟持部同士を全面に亘って、それぞれ圧着し及び/又は溶接してなることを特徴とする抵抗線と外部接続端子の接続構造である。
【0013】
請求項2記載の発明は、抵抗線の径より薄い厚さを有する扁平空間を内部に設けられるように巻回されて形成される全体形状が扁平となるように抵抗線を巻回してなる扁平抵抗素子と、この扁平抵抗素子を収容する扁平孔を備えた薄形の絶縁ケースと、前記扁平孔内に充填された絶縁性充填材と、前記抵抗線の両端部に夫々接続される線状の外部接続端子を備え、前記外部接続端子の基部を、扁平加工後における基部の厚さ(t)と幅(w)の比(t/w)が0.26〜0.4となるように扁平加工し、この扁平加工された基部を折り曲げて挟持部を形成し、この挟持部の軸方向中央部に抵抗線の端部を挟み込み、この端部を挟持部間の中央部で、及び相対向する前記挟持部同士を全面に亘って、それぞれ圧着し及び/又は溶接してなることを特徴とする耐サージ薄型抵抗器である。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明に係る耐サージ薄型抵抗器について、図面を参照しつつ説明する。
図1乃至図3は、本発明に係る耐サージ薄型抵抗器の一例を示す図である。なお、これらの図においては、絶縁性充填材の図示を省略している。
この耐サージ薄型抵抗器(13)は、扁平抵抗素子(9)と、抵抗素子収容孔(7)を有する絶縁性ケース(6)と、抵抗素子収容孔(7)内に充填された絶縁性充填材(図示せず)とを備えてなるものであり、抵抗素子収容孔(7)は扁平孔とされたものである。
以下、これら構成要素について、順次、詳説する。
【0015】
扁平抵抗素子(9)は、図1および図3に示すように、全体形状が扁平となるように抵抗線(5)を巻回することにより構成される。このように、全体形状が扁平となるように抵抗線(5)を巻回することにより、径の大きな抵抗線(5)であってもその長さを充分に長くとり、これを薄くて小さいスペースに収めることができる。
【0016】
そして、抵抗線(5)の長さを長くしまた径を大きくすることにより、耐サージ特性を向上させることができる。更に、このような抵抗線(5)を薄くて小さいスペースに収容することにより、耐サージ特性の向上と抵抗器のコンパクト化の両方を達成することができる。
【0017】
扁平抵抗素子(9)は、図5に示す如く、抵抗線(5)を絶縁性芯板(11)の周囲に巻回して構成されてもよいし、図4に示すように絶縁性芯板を設けずに巻回して構成されてもよい。なお、図5に示す如く、抵抗線(5)を絶縁性芯板(11)の周りに巻き付けて構成すれば、抵抗線(5)の隣り合う部分同士(コイルの幅方向)が接触してその部分で導通状態となるのを防止することができる。また、扁平形状となるように抵抗線(5)を巻回する作業が容易となる。絶縁性芯板(11)の材質は特に限定されないが、例えば、各種セラミックス、マイカ等を採用することができる。
また、この絶縁性芯板(11)の長手方向に沿った両側縁には、抵抗線(5)の位置決めを行う切欠き係合部(図示せず)を形成することが望ましい。この切欠き係合部を形成することにより、抵抗線(5)は同係合部に引っ掛かるので、抵抗線(5)の隣り合う部分同士(コイルの軸方向)の接触を確実に防止することができる。また、抵抗線(5)の巻回作業が容易となる。
【0018】
また、扁平抵抗素子(9)の両端部には、それぞれ、線状の外部接続端子(1)が接続されている。この外部接続端子(1)と抵抗線(5)との接続構造は、特に限定されるものではないが、例えば、後述する接続構造(図9参照)を採用することができる。後述の接続構造は、耐サージ特性に優れるとともに、容易かつコンパクトに構成できる点で優れている。
【0019】
絶縁性ケース(6)の一例を図6乃至図8に示す。
絶縁性ケース(6)は、扁平抵抗素子(9)を収容保護するものである。この絶縁性ケース(6)の材質は、絶縁性で且つある程度の機械的強度と耐熱性を有するものであれば特に限定されないが、例えば、各種セラミックスを採用することができる。
また、絶縁性ケース(6)は、扁平抵抗素子(9)を収容するための抵抗素子収容孔(7)を有している。この抵抗素子収容孔(7)は扁平孔とされており、扁平抵抗素子(9)より若干大きい程度に形成されている。
【0020】
絶縁性充填材(図示せず)は、絶縁性ケース(6)の抵抗線収容孔(7)内に充填されるものである。この絶縁性充填材の種類は特に限定されないが、例えば、セメント、シリコン系の熱硬化性樹脂を採用することができる。この絶縁性充填材は、抵抗線(5)が発するジュール熱を効率よく吸収し、ジュール熱が外部接続端子(1)を介して基板(図示せず)へ伝わるのを防止することができる。
【0021】
次に、本発明に係る抵抗線と外部接続端子の接続構造について説明する。
図9は、本発明に係る抵抗線と外部接続端子の接続構造を示す図である。図10および図11は、この接続構造を構成する際の工程を示す図である。
【0022】
本発明に係る抵抗線と外部接続端子の接続構造は、各種抵抗器において採用することができるが、特に、大きな電圧変化に対する耐久性が要求される耐サージ抵抗器において好適に採用することができ、中でも薄型化が要求される耐サージ薄型抵抗器において最も好適に採用できるものである。
この接続構造は、外部接続端子(1)(図10参照)の基部(2)を扁平加工し、この扁平加工された基部(2)を折り曲げて挟持部(3),(3)を形成し、この挟持部(3),(3)の軸方向中央部(4),(4)に抵抗線(5)の端部を挟み込み(図11参照)、挟持部(3),(3)を同端部に圧着させ及び/又は溶接する(図9参照)ことにより構成されるものである。
以下、この接続構造およびこれを構成する手順について詳説する。
【0023】
外部接続端子(1)は、リード端子であって線状に形成されている。端子を線状に形成することによって、該端子を薄形でコンパクトな絶縁性ケース(6)(図1乃至3参照)内に確実に引き込むことができる。
【0024】
外部接続端子(1)の基部(2)は、図9に示すように、抵抗線(5)に固定される部分である。この基部(2)は、上記したようにあらかじめ扁平加工される。
扁平加工後における基部(2)の厚さ(t)と幅(w)の比(t/w)を厚幅比と称することにすると、厚幅比(t/w)は、抵抗器の容量すなわち抵抗器の定格負荷または最大負荷にもよるが、0.26〜0.4程度に設定されることが好ましい。このような厚幅比(t/w)に加工すると、抵抗線(5)に対して加圧溶接を行う際に、抵抗線(5)に大きな変形を与えることなく、抵抗線(5)との接合を強固に行うことができる。
これに対し、基部(2)の厚幅比(t/w)が0.4より大きいと、機械的強度が必要以上に大きくなり、抵抗線(5)へ必要以上に大きな加圧力を与えてこれを大きく変形させてしまうことがある。また、溶接を行う際に、溶接電流が基部(2)内で幅方向へ分散し易くなり、基部(2)と抵抗線(5)の溶接が不充分になる可能性がある。
【0025】
一方、基部(2)の厚幅比(t/w)が0.26より小さいと、機械的強度が小さくなり過ぎ、折り曲げて挟持部(3),(3)を形成した際に屈曲部の強度が弱くなり、サージ電圧に対する耐久性を低下させてしまう。
【0026】
基部(2)をこのような厚幅比に扁平加工したら、図10に示す如く、基部(2)を2つに折り曲げる。これにより、挟持部(3),(3)が形成される。この挟持部(3),(3)は、抵抗線(5)の端部を挟持する部分である。挟持部(3)の軸方向長さ(L2)は、抵抗線(5)と確実に圧着または溶接できる程度の長さとされる。
【0027】
挟持部(3),(3)を形成したら、抵抗線(5)の端部を挟持部(3),(3)の軸方向中央部(4),(4)に挟み込む。抵抗線(5)を軸方向中央部(4),(4)に挟み込むことにより、挟持部(3),(3)と抵抗線(5)を圧着する際に、抵抗線(5)の表面に略均等に圧力が加わる。従って、抵抗線(5)はその断面において部分的に偏って変形することがなく、変形したとしても左右対称に変形することになり、抵抗線(5)の強度を加圧前の状態に維持することができる。また、圧着した際に、基部(2)の屈曲部内側と抵抗線(5)の間に隙間が形成されないので、強固に接合することができる。
【0028】
また、抵抗線(5)を挟持部(3),(3)の軸方向中央部(4),(4)に挟み込むことにより、抵抗線(5)を介して挟持部(3)の先端側とその反対側とで均等に溶接電流が流れ、均等に溶接を行うことができる。従って、相対向する挟持部(3),(3)(図9参照)同士の接合強度が挟持部(3)の先端側とその反対側とで等しくなる。これにより、抵抗線(5)と挟持部(3)を強固に接合することができ、抵抗器のサージ電圧に対する耐久性を向上させることができる。
【0029】
挟持部(3),(3)に抵抗線(5)の端部を挟み込んだら、挟持部(3),(3)の外側から圧力を加え、挟持部(3),(3)に抵抗線(5)を圧着させ、さらに挟持部(3),(3)同士を圧着させる。
なお、この圧着作業に代えて溶接作業を行い、挟持部(3)と抵抗線(5)を接合することも可能である。また、これら圧着作業と溶接作業の両方を行って、接合強度を一層確実なものとすることもできる。
この接続構造においては、基部(2)の厚幅比や抵抗線(5)の挟み込み位置が上記したように設定されているので、基部(2)と抵抗線(5)の接合強度を確実に高めることができるとともに、抵抗線(5)の機械的強度を接合前の状態に維持して、耐サージ特性を良好なものとすることができる。
【0030】
【実施例】
次に、本発明に係る耐サージ薄型抵抗器の実施例を紹介することにより、同抵抗器の効果をより明確にする。なお、本発明に係る耐サージ薄型抵抗器は、以下の例に何ら限定されるものではない。
〔実施例の構成〕
<実施例1>
抵抗線としてニクロム線を用い、その径をφ0.38mmとした。この抵抗線を、長辺の長さ17mm、短辺の長さ13mm、厚さ0.2mmのセラミック製絶縁性芯板の周囲に巻回して、扁平抵抗素子を形成した。扁平抵抗素子の長さ(図4及び図5で言えばL1に相当)は22mmであり、抵抗線の抵抗値は0.68Ωであった。
この扁平抵抗素子の両端部にそれぞれ、線状の外部接続端子を取付けた。
【0031】
この扁平抵抗素子を、図6乃至図8に示す形状の絶縁性ケース内に収容した。絶縁性ケースは、厚み(奥行き)5.0mm、高さ18mm、長さ26mmであった。外部接続端子は、その中途部から先端側を絶縁性ケースから突出させた状態とした。
その後、絶縁性ケースの扁平孔内にセメントを充填し、このセメントを加熱固化することにより、実施例1の耐サージ薄型抵抗器を作製した。
【0032】
<実施例2>
抵抗線の径をφ0.55mm(長さは抵抗値が0.68Ωとなるように調整)とした以外は、上記実施例1と同様とし、これにより実施例2の耐サージ薄型抵抗器を作製した。
【0033】
<比較例1>
抵抗線の径をφ0.35mm(長さは抵抗値が0.68Ωとなるように調整)とした以外は、上記実施例1と同様とし、これにより比較例1の耐サージ薄型抵抗器を作製した。
【0034】
<比較例2>
抵抗板を波形状となるようにせん断加工することによって屈曲抵抗体を形成した。屈曲抵抗体は、厚み0.14mm、帯幅0.69mmであった。また、屈曲抵抗体の両端部間の距離は22mmであり、その抵抗値は0.18Ωであった。
この屈曲抵抗体の両端部に線状の外部接続端子を固定した後、該屈曲抵抗体を実施例1と同じ形状・大きさの絶縁性ケース内に収容した。その後、絶縁性ケースの扁平孔内にセメントを充填し、このセメントを加熱固化することにより、比較例2の耐サージ薄型抵抗器を作製した。
【0035】
〔試験方法1〕
実施例1及び2、比較例1及び2のそれぞれについて、両外部接続端子間にサージ電圧を抵抗線が破断するまで繰り返し印加した。その1回当たりの印加時間は約2(s)であり、これを10(s)おきに繰り返した。なお、サージ電流の瞬間最大値は60(A)であり、その立ち上がり時間は40(ms)以上であった。
この試験を、温度25(°C)、湿度90(%)の雰囲気中で行った。
【0036】
〔試験結果1〕
試験方法1による試験結果は、以下の通りであった。
実施例1:約50,000回で破断、実施例2:約57,000回で破断
比較例1:約33,000回で破断、比較例2:約1,800回で破断
【0037】
〔考察1〕
試験結果1からわかるように、断面積が大きい程、サージ電圧に対する耐久性に優れていることがわかる。また、抵抗線を巻回してなる扁平抵抗素子は、抵抗板を波形状にせん断加工してなる屈曲抵抗体よりも、格段に耐久性に優れていることがわかる。
近年、テレビ受像機等のディスプレイ装置は、待機電流の停止・起動をリモコン操作で行うことが多い。このため、その停止・起動時に発生する初期UP電圧に対する耐久性が、最近の耐サージ抵抗器の課題とされている。テレビ受像機等のディスプレイ装置は、その耐用年数からみて50,000回程度のサージ電圧の繰り返し負荷が見込まれているが、上記したように、比較例1及び2ではその繰り返し負荷に耐えることができない。
一方、実施例1及び2は、双方ともその繰り返し負荷に耐えることができ、耐サージ特性が非常に良好であると言える。しかも、実施例1及び2は、上記したように非常にコンパクトに作製することができるから、耐サージ薄型抵抗器のコンパクト化と耐サージ特性の向上の双方を達成することができる。
【0038】
〔試験方法2〕
上記実施例2及び比較例1の耐サージ薄型抵抗器をそれぞれ図12に示す如く、回路基板(30)に実装した。次いで、各耐サージ薄型抵抗器ついて、両外部接続端子間に定格電力5Wの50%、100%、150%の電力をそれぞれ一定時間印加し、絶縁性ケースの底板部表面(点A)の温度、同ケースの側板部表面(点B)の温度、外部接続端子の先端部(点C)の温度を測定した。その測定結果を図13に示す。
【0039】
〔考察2〕
図13に基づいて考察する。各測定点において、実施例2は比較例1よりも温度が20%程度低くなることがわかる。これは、抵抗線の断面積が大きい程、ジュール熱の発生を抑えて、他の実装部品に与える熱の影響を小さくし、また熱によるはんだの融解を防止できることを意味する。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の抵抗線と外部接続端子の接続構造は、線状外部接続端子の基部を扁平加工し、この扁平加工された基部を折り曲げて挟持部を形成し、この挟持部の軸方向中央部に抵抗線を挟み込むことにより構成されるので、線状外部接続端子と抵抗線の接合強度を確実に高めることができるとともに、抵抗線の機械的強度を接合前の状態に維持して、耐サージ特性を良好なものとすることができる。また、線状の外部接続端子によって抵抗器のコンパクト化に大いに貢献することができる。
【0041】
請求項2記載の耐サージ抵抗器は、全体形状が扁平となるように抵抗線を巻回してなる扁平抵抗素子と、この扁平抵抗素子を収容する扁平孔を備えた薄形の絶縁性ケースと、前記扁平孔内に充填された絶縁性充填材と、前記抵抗線の両端部に夫々接続される線状の外部接続端子を備え、前記外部接続端子の基部を扁平加工し、この扁平加工された基部を折り曲げて挟持部を形成し、この挟持部の軸方向中央部に前記抵抗線の端部を挟み込み、前記挟持部を前記端部に圧着させ及び/又は溶接してなるので、線状外部接続端子と抵抗線の接合強度を確実に高めることができるとともに、抵抗線の機械的強度を接合前の状態に維持して、耐サージ特性を良好なものとすることができる。また、線状の外部接続端子によって抵抗器のコンパクト化に大いに貢献することができる。又更に、全体形状が扁平となるように抵抗線を巻回してなる扁平抵抗素子と、この扁平抵抗素子を収容する扁平孔を備えた薄形の絶縁性ケースと、前記扁平孔内に充填された絶縁性充填材とを備えてなるので、抵抗器のコンパクト化と耐サージ特性の向上の双方を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る耐サージ薄型抵抗器の一例を示す平面図である。
【図2】図1に示す耐サージ薄型抵抗器の部分断面正面図である。
【図3】図1に示す耐サージ薄型抵抗器の部分断面側面図である。
【図4】本発明に係る耐サージ薄型抵抗器の扁平抵抗素子と外部接続端子の接続状態を示す図であり、絶縁性芯板を設けない場合を示す正面図である。
【図5】本発明に係る耐サージ薄型抵抗器の扁平抵抗素子と外部接続端子の接続状態を示す図であり、絶縁性芯板を設けた場合を示す正面図である。
【図6】本発明における抵抗器用絶縁性ケースの一例を示す平面図である。
【図7】図6に示す抵抗器用絶縁性ケースの正面図である。
【図8】図6に示す抵抗器用絶縁性ケースの側面図である。
【図9】本発明に係る抵抗線と外部接続端子の接続構造の一例を示す側面図である。
【図10】図9に示す接続構造の構成過程を示す図であり、(a)はその側面図、(b)はその平面図である。
【図11】図9に示す接続構造の構成過程を示す側面図である。
【図12】耐サージ薄型抵抗器の試験(試験方法2)状況を示す図である。
【図13】耐サージ薄型抵抗器の試験(試験方法2)結果を示すグラフである。
【図14】従来の抵抗線と外部接続端子の接続構造の一例を示す側面図である。
【図15】図14に示す接続構造の構成過程を示す図であり、(a)はその側面図、(b)はその平面図である。
【図16】図14に示す接続構造の構成過程を示す側面図である。
【符号の説明】
1・・・・・外部接続端子
2・・・・・基部
3・・・・・挟持部
4・・・・・軸方向中央部
5・・・・・抵抗線
6・・・・・絶縁性ケース
7・・・・・抵抗線収容孔(扁平孔)
8・・・・・端子保持部
9・・・・・扁平抵抗素子
11・・・・・絶縁性芯板
13・・・・・耐サージ薄型抵抗器

Claims (2)

  1. 耐サージ薄型抵抗器における抵抗線と線状の外部接続端子の接続構造であって、前記外部接続端子の基部を、扁平加工後における基部の厚さ(t)と幅(w)の比(t/w)が0.26〜0.4となるように扁平加工し、この扁平加工された基部を折り曲げて挟持部を形成し、この挟持部の軸方向中央部に抵抗線の端部を挟み込み、この端部を挟持部間の中央部で、及び相対向する前記挟持部同士を全面に亘って、それぞれ圧着し及び/又は溶接してなることを特徴とする抵抗線と外部接続端子の接続構造。
  2. 抵抗線の径より薄い厚さを有する扁平空間を内部に設けられるように巻回されて形成される全体形状が扁平となるように抵抗線を巻回してなる扁平抵抗素子と、この扁平抵抗素子を収容する扁平孔を備えた薄形の絶縁ケースと、前記扁平孔内に充填された絶縁性充填材と、前記抵抗線の両端部に夫々接続される線状の外部接続端子を備え、前記外部接続端子の基部を、扁平加工後における基部の厚さ(t)と幅(w)の比(t/w)が0.26〜0.4となるように扁平加工し、この扁平加工された基部を折り曲げて挟持部を形成し、この挟持部の軸方向中央部に抵抗線の端部を挟み込み、この端部を挟持部間の中央部で、及び相対向する前記挟持部同士を全面に亘って、それぞれ圧着し及び/又は溶接してなることを特徴とする耐サージ薄型抵抗器。
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