JP3859024B2 - レドックスフロー電池用隔膜 - Google Patents

レドックスフロー電池用隔膜 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は優れた耐久性を有するレドックスフロー電池用隔膜、特にバナジウム系レドックスフロー電池用隔膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
レドックスフロー電池とは、隔膜により正極と負極を分離した正極室および負極室を有する液透過型の電解槽に、正極および負極の電池活物質を流通せしめ、酸化還元反応を利用して充放電を行うものである。一般には隔膜として金属イオンの透過を防ぐ目的のためイオン機能を有する膜、例えばイオン交換膜が使用されている。電池活物質には、種々の金属種の適用が考えられているが、最近、電池活物質にバナジウムを使用するバナジウム系レドックスフロー電池(特開昭62−186473号公報)が提案されている。
【0003】
この電池は、従来検討されてきた鉄/クロム系のレドックスフロー電池と比較して、起電力、電池容量などに優れており、更に極液が一金属系であるため隔膜を介して正、負極液が相互に混合しても充電によって簡単に再生することができる等の利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
通常、イオン交換膜としては、イオン交換基は導入されずにマトリックスとして機能する樹脂(以下、単にマトリックス樹脂という)とイオン交換性樹脂との樹脂組成物が、基材に付着されたものが広く知られている。ここで、上記マトリックス樹脂としては、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体やアクリロニトリル−ブタジエン共重合体等が使用されている。
【0005】
レドックスフロー電池用隔膜として、このようなマトリックス樹脂を含むイオン交換膜を使用した場合、レドックスフロー電池は酸化還元反応を利用するために、酸化性物質、例えば5価のバナジウムイオンや3価の鉄イオンなどが、このイオン交換膜中のマトリックス樹脂に作用して、イオン交換樹脂部分が変質し、該イオン交換樹脂部分が部分的に基材から剥離する等の問題が生じた。特に、5価のバナジウムイオンは酸化力が強く、一般のイオン交換膜を隔膜に使用するには耐久性において大きな問題を生じていた。
【0006】
そこで、耐酸化性を有する隔膜としてパーフルオロ系の膜やポリスルホン系の隔膜(特開平6−188005号公報)等が提案されている。
【0007】
しかしながら、上記提案の隔膜も、その要求される全ての機能を満足させるものではなく、工業的なレドックスフロー電池用隔膜として用いた場合に、金属イオンの透過量が小さく、充放電効率が高く、特に耐久性に優れ、安価な隔膜が要望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする手段】
本発明者らは、上記した課題に鑑み鋭意研究した結果、マトリックス樹脂として、脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づく単量体単位との共重合体を用いることにより、上記した課題が解決できることを見出し、本発明を提案するに至った。
【0009】
即ち、本発明によれば、脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づく単量体単位との共重合体、及びイオン交換性樹脂からなる樹脂組成物が、基材に付着されてなるイオン交換膜よりなるレドックスフロー電池用隔膜が提供される。
【0010】
本発明のレドックスフロー電池用隔膜は、脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づく単量体単位との共重合体を、イオン交換膜のマトリックス樹脂として使用することが特徴である。このようにすることにより、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の不飽和結合を有するマトリックス樹脂を存在させた隔膜に比べて、特に耐久性に優れた隔膜が得られる。
【0011】
本発明において、上記脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づく単量体単位との共重合体としては、前記各構成単位からなる公知の化合物が何等制限されることなく使用できる。脂肪族炭化水素系単量体としては、不飽和脂肪族炭化水素、好適には炭素数2〜9の不飽和脂肪族炭化水素が特に制限されることなく使用される。その場合、不飽和脂肪族炭化水素としては、具体的には、エチレン、プロピレン、ブチレン等のオレフィンやブタジエン、イソプレン等の共役ジオレフィンを用いるのが好ましい。なお、本発明において、マトリックス樹脂として使用する上記共重合体は、脂肪族炭化水素系単量体から導かれる単量体単位が、共重合体を構成した状態において、該単量体単位中に実質的に不飽和結合を有さないものである。従って、共重合体成分として、上記共役ジオレフィン等の複数の不飽和結合を有する脂肪族炭化水素系単量体を使用した場合は、共重合後、さらに水素添加処理を施して該単量体に基づく単位中に残存する不飽和結合を消失させる必要がある。なお、共重合の形態としては、いわゆるA−B型のジブロックタイプ、A−B−A型のトリブロックタイプ、またはランダムタイプなどいかなるものであっても良い。また、ジビニルベンゼン、メタクリル酸、アクリル酸等の第三単量体を微量含有するものであっても良い。
【0012】
本発明において、最も好適に使用される上記脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づく単量体単位との共重合体としては、アクリロニトリルとブタジエンを共重合し、得られた共重合体をさらに水素添加して得た樹脂が挙げられる。なお、このように不飽和結合を有する共重合体に水素添加処理を施す場合、得られる共重合体には若干の不飽和結合が残存しても良い。通常、こうした残存する不飽和結合の数は、ヨウ素価で10以下、好適には5以下であるのが好ましい。ヨウ素価は、上記共重合体100gに吸収されるヨウ素のグラム数で示される。ヨウ素価が10以上の場合、レドックスフロー電池溶液中に含まれる酸化力を有する化学種、特に5価のバナジウムによる酸化反応によって劣化される。
【0013】
上記脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づく単量体単位との共重合体において、各構成単位の含有量は、特に制限されるものではないが、アクリロニトリルに基づく単量体単位が共重合体の全重量に対して10〜60重量%、好ましくは20〜50重量%とするのが好適である。また、共重合体の分子量は、特に制限されるものではないが、通常、1,000〜1,000,000好ましくは50,000〜500,000の範囲とするのが好適である。
【0014】
本発明の膜において、樹脂組成物の成分として、こうした脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づく単量体単位との共重合体がマトリックス樹脂として使用されていることの確認は、例えば以下の方法により行うことができる。即ち、本発明の膜をアセトンやテトラヒドロフラン等の有機溶媒でソックスレー抽出等をすることにより、該樹脂を抽出し、これを赤外分光分析等により分析することにより実施できる。上記共重合体は、赤外分光分析で測定した場合、2850〜2950cm-1付近、1440〜1460cm-1付近に炭素−水素結合に由来するピークが存在し、2236cm-1付近にニトリル基に由来するピークが存在する。その一方で、1640cm-1付近、970cmー1付近にアルケンの炭素−炭素二重結合に由来するピークが実質的に存在しない等の特徴を示す。
【0015】
本発明のレドックスフロー電池用隔膜では、上記脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づく単量体単位との共重合体、及びイオン交換性樹脂からなる樹脂組成物が、基材に付着されて使用される。このような膜は、上記構成のものであれば如何なる方法により得られたものであっても良いが、通常は以下の方法により得られる。即ち、イオン交換基が導入可能な官能基またはイオン交換基を有する単量体、架橋剤、重合開始剤および脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づく単量体単位との共重合体からなる混合物を、基材に付着して成形重合せしめた後、必要に応じてイオン交換基を導入する方法である。
【0016】
ここで、イオン交換基が導入可能な官能基またはイオン交換基を有する単量体としては、従来公知であるイオン交換膜の製造において用いられる単量体が特に制限されずに使用される。具体的には、スチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン、アセナフレン、ビニルナフタレン、α−ハロゲン化スチレン等、α,β,β’−トリハロゲン化スチレン、クロロスチレン類などが挙げられる。特に陽イオン型レドックスフロー電池用隔膜の場合には、α−ハロゲン化ビニルスルホン酸、α,β,β’−ハロゲン化ビニルスルホン酸、メタクリル酸、アクリル酸、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、マレイン酸、イタコン酸、スチレンホスホニル酸、無水マレイン酸、ビニルリン酸など、それらの塩類、エステル類などが用いられる。また、陰イオン型レドックスフロー電池用隔膜の場合には、ビニルピリジン、メチルビニルピリジン、エチルビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール、ビニルイミダゾール、アミノスチレン、アルキルアミノスチレン、ジアルキルアミノスチレン、トリアルキルアミノスチレン、メチルビニルケトン、クロルメチルスチレン、アクリル酸アミド、アクリルアミド、オキシウム、スチレン、ビニルトルエン等が用いられる。
【0017】
また、架橋剤も、従来公知であるイオン交換膜の製造において用いられる単量体が特に制限されずに使用される。具体的には、例えば、m−、p−、o−ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、ブタジエン、クロロプレン、イソプレン、ジビニルナフタレン、ジアリルアミン、トリアリルアミン、ジビニルピリジン類などのジビニル化合物等やトリビニルベンゼン類等のトリビニル化合物が挙げられる。
【0018】
さらに、重合開始剤も、従来公知の重合開始剤が特に制限されずに使用され、用いる基材、成形条件にあわせて適宜選択すれば良い。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ラウリルパーオキサイド、ステアリルパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサンパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシ−フェノキシアセテート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、ジ−tert−ブチルパーオキシ−ヘキサハイドロテレフタレート、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス−tert−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン等が用いられる。
【0019】
なお、本発明において、上記したイオン交換基が導入可能な官能基またはイオン交換基を有する単量体、架橋剤、重合開始剤および前記マトリックス樹脂の混合物には、必要に応じて上記イオン交換基が導入可能な官能基を有する単量体および架橋剤と共重合可能な単量体として、例えば、スチレン、アクリロニトリル、エチルスチレン、ビニルクロライド、アクロレイン、メチルビニルケトン、無水マレイン酸、その塩またはエステル類、イタコン酸、その塩またはエステル類などを適宜混合しても良い。また、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、リン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチルあるいは脂肪族酸、芳香族酸のアルコールエステル等の可塑剤、されには単量体を希釈するための溶媒等を適宜添加しても良い。
【0020】
本発明において、上記した各成分の配合割合は、特に制限されるものではないが、一般には、イオン交換基が導入可能な官能基またはイオン交換基を有する単量体100重量部に対して、架橋剤を1〜100重量部、前記脂肪族炭化水素系単量体から導かれる実質的に不飽和結合を有さない単量体単位とアクリロニトリルに基づく単量体単位との共重合体を2〜200重量部の範囲で、また、重合開始剤を全単量体量100重量%に対して0.1〜30重量部の範囲で配合するのが好ましい。
【0021】
以上により得られる単量体混合物は、基材に付着され重合される。ここで、該基材としては、従来イオン交換膜の基材として用いられているポリ塩化ビニル、ポリオレフィン等を素材樹脂とするものが何等制限されることなく使用される。形状としては、織布、不織布、網、あるいはそれらの多孔性シート等も制限なく用いられる。
【0022】
これらの基材の厚さは、特に制限されるものではないが10〜200μmの範囲、特に50〜120μmのものが好適である。
【0023】
単量体混合物を上記したような基材に付着した後、重合する際には、一般に常温から加圧下で昇温されるが、その昇温速度は特に制限されるものではなく適宜選択すれば良い。こうした重合条件は、関与する重合開始剤の種類、単量体混合液の組成、基材の種類によっても左右されるものであり、一概に決めることはできないが最適なレドックスフロー電池用隔膜の性能を考慮して適宜選択すれば良い。なお、このペースト状物を基材に付着する方法は、例えば塗布または含浸、浸漬等の公知の方法を適宜採択すれば良い。
【0024】
以上により重合されて得られる膜状高分子体は、必要に応じてこれを、公知の例えばスルホン化、クロロスルホン化、クロロメチル化およびアミノ化、第4級アンモニウム塩基化、第4級ピリジニウム塩基化、ホスホニウム化、スルホニウム化、加水分解、プロトネーション等の処理により所望のイオン交換基を導入して、レドックスフロー電池用隔膜とすることができる。これらのイオン交換基の導入量は特に制限されないが、通常、イオン交換容量が1〜20mmol/g−乾燥膜、好ましくは2〜6mmol/g−乾燥膜の範囲であるのが好適である。また、イオン交換膜の厚さは、所望の充放電効率、電気抵抗、機械的強度、耐久性等にも関係するが、一般には10〜200μm好ましくは50〜120μmの範囲であるのが好適である。
【0025】
本発明において、上記により得られるイオン交換膜は、レドックスフロー電池用隔膜として使用される。ここで言うレドックスフロー電池とは、隔膜により正極と負極を分離した正極室および負極室を有する液透過型の電解槽に、正極および負極の電池活物質を流通せしめ、酸化還元反応を利用して充放電を行うものである。電池活物質の組み合わせとしては、鉄/クロム系、バナジウム/バナジウム系、クロム/臭素系、バナジウム/チタン系、バナジウム/鉄、亜鉛/鉄系などが考えられている。特に本発明のレドックスフロー電池用隔膜は、バナジウムを含む電池系で耐久性に優れている。
【0026】
【発明の効果】
本発明のレドックスフロー電池用隔膜は、膜を構成するマトリックス樹脂として、アクリロニトリルに基づく単量体単位と特定の脂肪族炭化水素系単位との共重合体を用いることにより、従来の充放電効率を落とすことなく極めて優れた耐久性を付与することができる。
【0027】
【実施例】
以下、本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0028】
実施例1
4ビニルピリジン100重量部、架橋剤として純度約57%のジビニルベンゼン5重量部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2重量部、マトリックス樹脂としてヨウ素価が4である水素添加したアクリロニトリル−ブタジエン共重合体20重量部を混合して得たペースト状混合物をポリ塩化ビニルの織布に塗布し、ポリエステルフィルムを剥離材として被覆した後、75℃で6時間加熱重合を行った。
【0029】
次いで、得られた膜状高分子体を40重量%ヨウ化メチルのヘキサン溶液を用いて、30℃、24時間のメチル化を行い、厚さ100μm、交換容量3.5mmol/g−乾燥膜の陰イオン型レドックスフロー電池用隔膜を得た。このレドックスフロー用隔膜を、テトラヒドロフランを溶剤として、40℃、3日間ソックスレー抽出を行い、得られた抽出物を赤外分光法を用いて分析を行った。その結果、2850〜2950cm-1付近、1440〜1460cm-1付近に炭素−水素結合に由来するピークが存在し、2236cm-1付近にニトリル基に由来するピークが存在し、一方で、1640cm-1付近、970cmー1付近には、アルケンの炭素−炭素二重結合に由来するピークが実質的に認められなかった。
【0030】
次に、得られたレドックスフロー電池用隔膜を、正極液として2mol/lのVOSO4+2mol/l硫酸混合溶液を、負極液として2mol/lのV2(SO43+2mol/l硫酸混合溶液を用いて、電流密度60mA/cm2で充放電を行い、充放電効率を求めた。その結果を表1に示した。更に、耐久性を調べるために加速試験として60℃の1mol/lの5価バナジウム硫酸溶液に3ヶ月浸漬した。浸漬膜はブランク膜と比較して形状をに変化はなかった。そして該浸漬膜の充放電効率を測定した結果も表1に示した。
【0031】
比較例1
マトリックス樹脂としてヨウ素価が250である水素添加していないアクリロニトリル−ブタジエン共重合体を使用する以外は実施例1と同じ条件で、イオン交換容量3.5mmol/g−乾燥膜、膜厚100μmの陰イオン型レドックスフロー電池用隔膜を得た。
【0032】
実施例1と同様な条件でソックスレー抽出を行い、抽出物の赤外分光分析を行ったところ、2850〜2950cm-1付近、1440〜1460cm-1付近に炭素−水素結合に由来するピークが存在し、2236cm-1付近にニトリル基に由来するピークが存在し、さらに、1640cm-1付近、970cmー1付近には、アルケンの炭素−炭素二重結合に由来するピークが存在していた。
【0033】
この膜も実施例1と同じ条件で充放電効率を測定した。その結果を表1に示した。また、耐久性を調べるために、実施例1と同じ条件で浸漬した結果、樹脂成分が一部剥離していた。該浸漬膜の充放電効率も表1に示した。
【0034】
実施例2
スチレン100重量部、ジビニルベンゼン3重量部、アクリロニトリル20重量部、ジブチルフタレート20重量部、ベンゾイルパーオキサイド2重量部、そしてマトリックス樹脂としてヨウ素価が4である水素添加したアクリロニトリルーブタジエン共重合体15重量部を混合して得たペースト状混合物をポリ塩化ビニルの布に塗布し、ポリエステルフィルムを剥離材として被覆した後、100℃で5時間加熱重合を行った。
【0035】
次いで、得られた膜状高分子体を98%濃硫酸と純度90%以上のクロルスルホン酸の1:1の混合物中に60分間、40℃で浸漬して、厚さ100μm、交換容量3.1mmol/g−乾燥膜の陽イオン型レドックスフロー電池用隔膜を得た。このレドックスフロー電池用隔膜を、テトラヒドロフランを溶剤として、40℃、3日間ソックスレー抽出を行い、得られた抽出物を赤外分光法を用いて分析を行った。その結果、2850〜2950cm-1付近、1440〜1460cm-1付近に炭素−水素結合に由来するピークが存在し、2236cm-1付近にニトリル基に由来するピークが存在し、一方で、1640cm-1付近、970cmー1付近には、アルケンの炭素−炭素二重結合に由来するピークが実質的に認められなかった。
【0036】
次に、得られたレドックスフロー電池用隔膜の充放電効率を実施例1と同じ条件で測定し、その結果を表1に示した。更に、耐久性を調べるために60℃の0.2mol/lの5価バナジウム硫酸溶液に1ヶ月間浸漬を行った。1ヶ月後においても、浸漬膜自体に何等変化は認められなかった。該浸漬膜の充放電効率も表1に示した。
【0037】
比較例2
マトリックス樹脂としてヨウ素価が250である水素添加していないアクリロニトリル−ブタジエン共重合体である以外は実施例2と同じ条件で、厚さ100μm,交換容量3.1mmol/g−乾燥膜のレドックスフロー電池用隔膜を得た。この膜も実施例1と同じ条件で充放電効率を測定した。その結果を表1に示した。また、耐久性を調べるために、実施例2と同じ条件で浸漬した結果、樹脂成分が一部剥離していた。該浸漬膜の充放電効率も表1に示した。
【0038】
実施例3
2ビニルピリジン50重量部、4ビニルピリジン50重量部、架橋剤として純度約57%のジビニルベンゼン10重量部、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド2重量部、マトリックス樹脂としてヨウ素価が4である水素添加したアクリロニトリル−ブタジエン共重合体20重量部を混合して得たペースト状混合物をポリ塩化ビニルの織布に塗布し、ポリエステルフィルムを剥離材として被覆した後、75℃で6時間加熱重合を行った。
【0039】
次いで、得られた膜状高分子体をヨウ化メチル40重量%のヘキサン溶液を用いて、30℃、24時間のメチル化を行い、厚さ100μm、交換容量3.0mmol/g−乾燥膜の陰イオン型レドックスフロー電池用隔膜を得た。このレドックスフロー電池用隔膜を、テトラヒドロフランを溶剤として、40℃、3日間ソックスレー抽出を行い、得られた抽出物を赤外分光法を用いて分析を行った。その結果、2850〜2950cm-1付近、1440〜1460cm-1付近に炭素−水素結合に由来するピークが存在し、2236cm-1付近にニトリル基に由来するピークが存在し、一方で、1640cm-1付近、970cmー1付近には、アルケンの炭素−炭素二重結合に由来するピークが実質的に認められなかった。
【0040】
このレドックスフロー電池用隔膜を、実施例1と同じ条件で充放電を行い、充放電効率を求めた。結果を表1に示した。更に、耐久性を調べるために実施例1と同じ条件で3ヶ月浸漬した。浸漬膜はブランク膜と比較して形状をに変化はなかった。そして充放電効率を測定した結果も表1に示した。
【0041】
比較例3
マトリックス樹脂としてヨウ素価が250である水素添加していないアクリロニトリル−ブタジエン共重合体である以外は実施例3と同じ条件で、厚さ100μm、交換容量3.0mmol/g−乾燥膜のレドックスフロー電池用隔膜を得た。この膜も実施例1と同じ条件で充放電効率を測定した。その結果を、表1に示した。また耐久性を調べるために、実施例1と同じ条件で浸漬した結果、樹脂成分が一部剥離していた。該浸漬膜の充放電効率も表1に示した。
【0042】
【表1】
Figure 0003859024

Claims (2)

  1. 脂肪族炭化水素系単量体から導かれる単量体単位とアクリロニトリルに基づく単量体単位とからなり、ヨウ素価が5以下である共重合体、及びイオン交換性樹脂からなる樹脂組成物が、基材に付着されてなるイオン交換膜よりなるレドックスフロー電池用隔膜。
  2. レドックスフロー電池がバナジウム系レドックスフロー電池であることを特徴とする請求項1に記載のレドックスフロー電池用隔膜。
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