JP3858946B2 - 車両用緩衝部材の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝突時の乗員にかかる衝撃を緩衝する車両用緩衝部材、例えば自動車のドア内に装着され側面衝突において乗員にかかる衝撃を緩衝するドアダメージャの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両には、安全対策の一貫として、衝突時の衝撃から乗員を保護する各種の緩衝部材が装着されているが、近時、自動車用の緩衝部材として、側面衝突の衝撃から乗員を保護するため、ドア内部にドアビームが装着されるようになってきた。ドアビームは、衝突した物体が内部へ侵入(一次衝突)するのを阻止する目的をもち、曲げ剛性の高い構造の部材が用いられるが、これでは物体が車両に衝突したとき乗員に伝搬する衝撃(二次衝突)を緩衝するには十分でない。そこで、二次衝突を緩衝し、自動車の側面衝突においてより積極的に乗員を保護するためのドアダメージャが、例えば米国では94年度モデルから順次投入されるようになっている。
【0003】
物体が車両に衝突したとき乗員に伝搬する衝撃(二次衝突)を一定値以下に抑えるためには、衝突時の負荷物体侵入量−抵抗荷重関係において急激な加速度変化を起こさないようにすることが望ましい。このようなドアダメージャの作用は、実車に組み込まれた状態での緩衝効果に関わるものであるため、ドアダメージャ単品としてどのような性能がよいかは車種(車体の剛性、ドアの剛性、ドアダメージャの組込み位置等)によって変わるものと考えられるが、一般的には、静的圧壊試験における圧壊荷重(P)−変位(x)関係が、図1のような矩形型又は図2のような単調増加型であるドアダメージャが望ましいとされている。
【0004】
ドアダメージャとしてアルミ押出材を用いた好適なものが、例えば特願平6ー225234号に記載されている。これは、図3に示すような円筒又は楕円筒の形状を有するアルミ又はアルミ合金押出材(JIS:H0001のF材)か、これを焼きなまし処理したもの(JIS:H0001のO材)であり、肉厚tが2mm未満、かつ肉厚tと外径D(楕円筒の場合は短径)との比t/Dが0.03〜0.08と規定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記ドアダメージャは第一に非常に薄肉であるため、押出素材管に当該部材の所定の性能に対して悪影響を及ぼす程度の肉厚寸法のばらつきが生じやすい。すなわち、肉厚寸法のばらつきにより、各ドアダメージャ毎に圧壊荷重が大きくばらつくことになる。
【0006】
また、当該部材は非常に低強度であるため、熱間加工現場において押出素材管(F材)又は焼きなまし材(O材)のままで切断しようとしても、図4に示すように切断断面が変形しやすく、その断面形状を保ったまま短尺切断することは非常に難しい。切断面が元の断面形状を保たなければドアダメージャとして所定の性能を満足せず、さらに部材に疵が生じやすくそれも性能に悪影響を与えることになる。なお、砥石切断機を使用して切断断面の変形が生じないほどのゆっくりした速度で切断することで、断面形状を保ったまま短尺切断することは可能であるが、その場合、砥石交換に要するロスタイム及び砥石の消耗費が余分に発生するという難点がある。また、低強度の押出素材管を時効硬化させいったん適当な強度とした後短尺切断を行い、しかる後再度焼き鈍し処理を行うことも考えられるが、これは非常にコストアップにつながる。
【0007】
本発明は、ドアダメージャ等の車両用緩衝部材の上記問題点に鑑みてなされたものであって、押出素材から部品長への短尺切断を容易に、かつ安価に行うとともに、圧壊荷重のバラツキが小さく安定した性能を備えた車両用緩衝部材を製造することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、アルミ押出パイプからなる車両用緩衝部材の製造方法において、熱間押出加工後に抽伸加工して寸法精度を向上させかつ加工硬化させることを特徴とする。また、請求項2の発明は、アルミ押出パイプからなる車両用緩衝部材の製造方法において、熱間押出加工後に抽伸加工して寸法精度を向上させかつ加工硬化させ、これを部材長へ短尺切断した後に当該部材を焼きなまし処理(JIS:H0001のO材処理)することを特徴とする。本発明は、ドアダメージャのほか、例えばバンパーステイ等の他の車両用緩衝部材一般に適用することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明において抽伸加工とは、芯棒又はプラグを素材パイプに挿入し、当該素材パイプをより小径のダイスに通して引き抜き、パイプの内外径及び肉厚を減少させる引き抜き加工を意味する。本発明では、アルミ押出素材管に抽伸加工を施す過程を設けることで、当該部材の肉厚及び内外径寸法の精度がかなり向上し、圧壊荷重のバラツキが縮小される。加えて、アルミ押出素材管は、抽伸加工により加工硬化し、短尺切断時に必要な強度を保持し、断面の変形が抑制されるので、安定した性能を備えたドアダメージャ等の車両用緩衝部材を得ることができるようになる。
短尺切断後の焼きなまし処理は、抽伸加工により上がりすぎた抗張力を、改めて車両用緩衝部材に要求される抗張力に戻す作用を持つ。
【0010】
押出後の抽伸工程において、抽伸後のパイプに対しオンライン(同一加工ライン上)で短尺切断を行うことで生産効率を挙げることができる。
また、例えばドアダメージャの場合比較的小形で(高々外径30mm、長さ300mm程度)スペースを取らないため、図5に例示するように、ドアダメージャ1を専用の箱2等の中に垂直に立てて整列させ、炉3内に置いて他の様々な部材4と同一チャンスでO材処理を行えば低コスト化につながる。なお、ドアダメージャは薄肉であるため熱容量が小さく炉温ベースで温度管理できるので、実物ベースで温度モニターするなどの特別な温度管理の必要がなく、他の部材と一緒に炉内に入れておくだけでO材処理ができる。ここで、ドアダメージャ1を垂直に立てるのは、O材処理時の自重による変形防止を考慮したものである。
【0011】
【実施例】
ここでは異なるいくつかの製造手順(試験番号1〜6)にてドアダメージャの供試材を作製し、作製した供試材に対し圧壊試験を行い、各製造手順毎の評価を行った。作製した供試材の形状は、いずれも外径20mm、厚み0.75mm、長さ150mmで、材質はJIS6063である。
試験番号1〜6の製造手順は次の通りである。
【0012】
試験番号1・・熱間押出後の長尺の押出パイプを、丸鋸で所定長に短尺切断する方法である。この方法では、部材が極端に低強度であるため切断時に断面をゆがんだ形に切ってしまい、この部分では所定の性能を発揮できなくなるという問題がある。
試験番号2・・熱間押出後の長尺の押出パイプを、焼入れ→時効処理を行って部材をいったん硬化させた後短尺切断し、その後改めてO材処理を行う方法である。この方法では、断面切断時の変形の問題は解決できるが、寸法精度が押出素材管と同等のままか又は焼入れ時のひずみにより同等以下となるという問題がある。
試験番号3・・熱間押出後の長尺の押出パイプを、砥石切断機を用い断面形状を元に保ちうる程に切断スピードを調節して短尺切断を行う方法である。この方法では、試験番号1のような断面切断に関する問題点及び試験番号2のようにあらためてO材処理をする問題点はないが、砥石交換に要する切断のロスタイム及び砥石の消耗費が余分に発生する。また、肉厚、外径の寸法公差の向上は望めない。
試験番号4・・熱間押出後の長尺の押出パイプに対し抽伸加工を行い、その後オフラインで短尺に切断後O材処理を行う方法である。これは本発明例に相当する。
試験番号5・・熱間押出後の押出パイプに対し抽伸加工を行う際、オンライン(同一加工ライン上)で短尺切断を行い、その後O材処理を行う方法である。これは本発明例に相当する。
試験番号6・・試験番号5の方法に従って短尺切断した部材を箱の中に垂直方向に立てて整列させ、他の部材と同一チャンスでO材処理(図5参照)を行う方法である。これは本発明例に相当する。
【0013】
各試験番号毎に50本の供試材を作製し、図6に示すように、供試材1に対し負荷治具5により一方向から圧縮する圧壊試験を行い、荷重(P)−変位(x)関係を測定した。
次いで、図7に示すように、各試験番号の供試材の荷重(P)−変位(x)関係図において、50本の供試材のなかでx=10mmにおける荷重の最小値(Pa)を示すものと最大値(Pb)を示すものを各試験番号毎に求め、(Pa〜Pb)を各試験番号毎の圧壊荷重のバラツキとした。
【0014】
各試験番号毎に、圧壊荷重のバラツキ(Pa〜Pb)と、そのバラツキの評価、切断部断面形状の評価、及びそれらを総合したときの評価(部材性能評価)を下記表1に示す。
表1において、試験番号3の圧壊荷重のバラツキ(Pa〜Pb)は中心値から±15%で、ぎりぎり許容範囲に入るといってよいが、試験番号1及び2はバラツキが大きい。一方、本発明例に入る試験番号4〜6は±7%であり、圧壊荷重のバラツキが小さくなっている。また、切断部断面形状は試験番号1では変形が生じていた。トータルとしての部材性能でみても、本発明例である試験番号4〜6の評価は高い。
【0015】
【表1】
Figure 0003858946
【0016】
下記表2に、各試験番号毎の部材性能(表1に記載したもの)、ドアダメージャを量産ベースで製造する場合の見積コスト、及び総合評価を示す。ここで、コストは試験番号3を1.0としたときの比であり、総合評価は、部材性能が○以上でかつコストが1.0未満のものを○とした。
表2に示すように、本発明例である試験番号4〜6はいずれもコストが低く、総合評価も高い。なお、試験番号1では、切断部断面の変形による不良割合を見込むため、試験番号3よりコストが高くなっている。
【0017】
【表2】
Figure 0003858946
【0018】
なお、これまでの説明は主としてドアダメージャを例に挙げて説明したが、本発明の方法は、バンパーとサイドメンバーを接続するバンパーステイ等、他の車両用緩衝部材にも適用できる。
【0019】
【発明の効果】
本発明によれば、ドアダメージャ等の車両用緩衝部材の寸法精度が改善され、圧壊荷重のバラツキが小さく安定した性能を備え、押出素材から部品長への短尺切断も容易であり、製造コストも安価な車両用緩衝部材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ドアダメージャの望ましいとされる荷重(P)−変位(x)関係の模式図である。
【図2】ドアダメージャの望ましいとされる荷重(P)−変位(x)関係の模式図である。
【図3】ドアダメージャの断面(a)、(b)及び全体(c)を示す図である。
【図4】ドアダメージャの切断時の断面変形を説明する図である。
【図5】ドアダメージャのO材処理の例を説明する模式図である。
【図6】実施例のドアダメージャの圧壊試験を説明する模式図である。
【図7】実施例のドアダメージャの性能評価方法を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 ドアダメージャ
2 O材処理の専用箱
3 熱処理炉
4 他の部材(ビレット等の大型材)
5 負荷治具

Claims (2)

  1. アルミ押出パイプからなる車両用緩衝部材の製造方法において、熱間押出加工後に抽伸加工して寸法精度を向上させかつ加工硬化させることを特徴とする車両用緩衝部材の製造方法。
  2. アルミ押出パイプからなる車両用緩衝部材の製造方法において、熱間押出加工後に抽伸加工して寸法精度を向上させかつ加工硬化させ、これを部材長へ短尺切断した後に当該部材を焼きなまし処理(JIS:H0001のO材処理)することを特徴とする車両用緩衝部材の製造方法
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