JP3857893B2 - 回転センサ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転センサに関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、地球環境問題への関心の高まりに伴い、自動車の排出ガスを低減する対策の1つとして、車体の軽量化に関する研究が進んでいる。このような車体軽量化として、例えば、パワーステアリング装置を電動式とし、機械部品を油圧ポンプで作動させることで適度なパワーアシストを実現する際に用いられる油圧ポンプを不用とすることが検討されている。
【0003】
但し、パワーステアリング装置を電動式にすると、アシスト力をコンピュータで計算するため、回転センサ、即ち、ステアリング操作に伴う舵角を計測する舵角センサとトルクを計測するトルクセンサが必要となる。従って、電動式のパワーステアリング装置にすると、軽量化を目指しているにも拘わらず、舵角センサとトルクセンサの2つの部品が必要となり、構成部品点数が増加してしまうという問題があった。
【0004】
また、回転センサは、2つの回転軸、例えば、自動車の場合にはトーションバーを介して連結されるステアリングシャフトとコラムシャフトとに跨って配置される。自動車のステアリング装置は、ステアリングシャフトとコラムシャフトがトーションバーを介して連結されることから、ステアリングシャフトとコラムシャフトとの軸中心がずれていることがある。このため、ステアリング装置等のようにトーションバーを介して連結され、2つの回転軸がずれ易い対象で使用する回転センサにおいては、このオフセットを吸収し、回転に伴う情報を検出する際の精度の低下を抑える対策が求められている。
【0005】
更に、回転センサにおいては、ブラシと電気導体とを用いることで、トルクや回転角度を検出するものがある。しかし、金属同士が接触するブラシと電気導体は摩擦抵抗が大きいため、空気中の有機ガスによって、ブラシと電気導体との摩擦部分でメカノケミカル反応が引き起こされて絶縁皮膜が形成され、予期しない電気抵抗の増大を招来することがある。
【0006】
このような電気抵抗の増大は、予めブラシの電気導体への接触力を大きく設定しておくことによって回避することが可能である。しかし、このようにすると電気導体の耐久性が低下して出力信号が不安定となり、回転センサを長期に亘って使用することができなくなるという問題があった。
一方、回転センサは、異常信号の監視対策が施されているが、振動によって前記異常信号が変動する結果、信号の異常を適切に検出することができないという問題があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、回転角度とトルクとを1つのセンサで測定でき、軽量化を図ることが可能な回転センサを提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、前記第1の目的に加え、2つの回転軸の軸中心がずれていても、この軸ずれを吸収し、回転に伴う情報の検出精度の低下を抑えることが可能な回転センサを提供することを第2の目的とする。
【0008】
更に、本発明は、電気導体の耐久性を向上させて出力信号の安定性を図り、長期に亘って使用することが可能な回転センサを提供することを第3の目的とする。
そして、本発明は、前記異常信号を安定させることが可能な回転センサを提供することを第4の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明においては上記目的を達成するため、互いに回転自在に組み付けられる第1及び第2のロータ並びに前記第1及び第2のロータを回動自在に保持するケースを備え、前記第1及び第2のロータは、トーションバーを介して連結された第1の回転軸と第2の回転軸のそれぞれに取り付けられて一体に回転すると共に、前記第1の回転軸が前記第2の回転軸に対して相対回転するのに対応して所定角度内を相対回転する回転センサであって、前記ケースは前記第1及び第2のロータと協働して内部に環状の空間を形成し、該環状の空間には、表面に第1及び第2の電気導体がそれぞれ複数形成され、前記第1のロータと一体に回転する基板、前記第1の電気導体とそれぞれ接触し、前記第1及び第2のロータの回転に伴う情報を電圧の変化として検出する第1のブラシを保持する第1の保持部材及び前記第2の電気導体とそれぞれ接触し、電力を供給したり、前記第1及び第2のロータの回転に伴う情報を電圧の変化として検出する第2のブラシを保持する第2の保持部材、がそれぞれ配置される構成としたのである。
【0010】
そして、本発明の回転センサは、前記第2のロータと前記第1の保持部材とを、弾性連結部材によって弾性的に連結した構成を有する。
また好ましくは、前記弾性連結部材は、前記基板に取り付ける少なくとも2つの第1の弾性片と、前記第2のロータに取り付ける少なくとも2つの第2の弾性片とを有し、前記第1及び第2の回転軸に垂直な断面における前記第1及び第2の弾性片のそれぞれの切断面に関する慣性軸線によって四角形が形成される構成とする。
【0011】
更に好ましくは、前記四角形を長方形とする。
好ましくは、前記基板は、一方の表面に前記第1の電気導体が、他方の面に前記第2の電気導体が、それぞれ形成されている構成とする。
また好ましくは、前記第1の電気導体は、トルク信号伝送用のスリップリング及びトルク検出用のスリップリングを有し、前記第2の電気導体は、電力供給用のスリップリング、グランド電源供給用のスリップリング、舵角検出用のスリップリング及びトルク信号伝達用のスリップリングを有する。
【0012】
更に好ましくは、前記トルク信号伝送用のスリップリング、トルク検出用のスリップリング、舵角検出用のスリップリング及びトルク信号伝達用のスリップリングには、摩擦抵抗が小さく、導電性を有する合成樹脂が被覆され、前記電力供給用のスリップリング及びグランド電源供給用のスリップリングは、半径方向最も内周側に形成されている構成とする。
【0013】
好ましくは、前記第1の電気導体としてのスリップリングのそれぞれを、前記基板の所定の中心角の範囲に配置し、これらスリップリングからの出力信号の位相が互いに逆となるようにスリップリングに電圧を印加する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の回転センサに係る一実施形態として、例えば、トーションバーを介して連結される自動車のステアリングシャフトとコラムシャフトとに跨って配置され、ハンドル操作に伴う舵角及びトルクを計測する回転センサを図1乃至図16に基づいて詳細に説明する。
【0015】
回転センサ1は、本発明の第1及び第2の目的を達成するもので、図1及び図3に示すように、第1及び第2ロータ2,3、ケース4、基板5、保持板6、固定基板7及びカップリング部材8を備えている。
第1ロータ2は、図1及び図3に示すように、第2ロータ3と回転自在に組み付けられ、図示しないステアリングシャフトに取り付けられる。第2ロータ3は、下部に半径方向方へ突出させたフランジ3a(図3参照)を有し、図示しないコラムシャフトに取り付けられる。ここで、第1ロータ2と第2ロータ3は、図1及び図3に示す回転軸Artに対して一体に回転すると共に、前記ステアリングシャフトが前記コラムシャフトに対して相対回転するのに対応して所定角度内を相対回転する。
【0016】
ケース4は、図1及び図3に示すように、上ケース4aと下ケース4bを有し、第1及び第2ロータ2,3と協働して内部に環状の空間S(図3参照)を形成する。空間Sには、後述する基板5、保持板6、固定基板7及びカップリング部材8が配置される。
基板5は、第1ロータ2の下端外周に取り付けられて第1ロータ2と一体に回転する。基板5は、図3に示すように、下面に第1の電気導体となるトルク検出用のスリップリング5aとトルク信号伝達用のスリップリング5bが、それぞれ内周側から半径の異なる同心円上に形成されている。また、基板5は、上面に第2の電気導体となる電力供給用のスリップリング5c、舵角検出用のスリップリング5d、グランド電源供給用のスリップリング5e及びトルク信号伝達用のスリップリング5fが、それぞれ内周側から半径の異なる同心円上に形成されている。これらのうち、スリップリング5a,5dを構成する電気導体は、予め設定した所定の抵抗値を有している。スリップリング5a〜5fには、それぞれ目的に応じて所定値の電圧が印加される。例えば、舵角検出用のスリップリング5dは、図5に示すように、点Aに0ボルト、点BにVボルトの電圧を印加すると、ポテンショメータの原理に従って、点A,B間の電圧が周方向に沿った長さxに正比例して変化する。即ち、第1ロータ2が基板5と一体に回転すると、後述するブラシ7bが当接しているスリップリング5dの周方向に沿った長さxが変化し、長さxに対応した電圧として第1ロータ2の回転角度が検出される。
【0017】
ここで、スリップリング5a〜5fは、例えば、金属メッキによって形成することができる。
保持板6は、円板状に形成された第1の保持部材で、図3に示すように、上面にトルク検出用のブラシ6aとトルク信号伝達用のブラシ6bが保持されている。ブラシ6a,6bは、それぞれスリップリング5a,5bに接触して電気的に接続され、第1及び第2ロータ2,3の回転に伴う情報を電圧の変化として検出する第1のブラシである。特に、トルク検出用のブラシ6aは、第1及び第2ロータ2,3の相対回転に伴う角度差に応じた電圧を検出する。このようにして検出された角度差に応じた電圧は、ブラシ6a→スリップリング5a→スリップリング5e→ブラシ7c→後述するトルク信号出力ケーブル1dを経て、また、ブラシ6b→スリップリング5b→スリップリング5f→後述するブラシ7d→後述するトルク信号出力ケーブル1dを経て、それぞれ外部の演算処理装置11(図1参照)へ出力される。このとき、演算処理装置11は、角度信号出力ケーブル1b及びトルク信号出力ケーブル1dから出力される各信号に基づき、回転センサ1におけるロータ2,3の回転角度と相対回転に伴うトルクを演算するもので、専用の電子回路あるいはマイコンチップ等が使用される。
【0018】
固定基板7は、上ケース4aと下ケース4bとの間に支持され、第2の保持部材となる円板で、下面に電力供給用のブラシ7a、角度検出用のブラシ7b、グランド電源供給用のブラシ7c及びトルク信号伝達用のブラシ7dが、それぞれ内周側から外周側にこの順序で保持されている。ブラシ7a〜7dは、それぞれスリップリング5c〜5fと接触して電気的に接続され、第1及び第2ロータ2,3の回転に伴う情報を電圧の変化として検出する第2のブラシである。また、ブラシ7a〜7dは、それぞれ図1に示す電力ケーブル1a、角度信号出力ケーブル1b、グランド電源入力ケーブル1c及びトルク信号出力ケーブル1dが接続されている。
【0019】
カップリング部材8は、ステンレス等の金属やPBT(ポリブチレンテレフタレート)等のプラスチックから成形され、第2ロータ3と保持板6との間を弾性的に連結する弾性連結部材である。カップリング部材8は、図2乃至図4に示すように、リング状の本体8aの外周に、2つの第1弾性片8bと2つの第2弾性片8cがそれぞれ対向配置されている。第1弾性片8bと第2弾性片8cは、90度の中心角を置いて配置されている。但し、図3に示すカップリング部材8は、右半側と左半側とを90度ずらした断面とし、第1弾性片8bと第2弾性片8cの双方を示している。
【0020】
第1弾性片8bは、先端側に2つのねじ孔8dを有し、半径方向外方へ湾曲させると共に、外方へ突出させて形成され、保持板6の内周上面にねじ止めされる。第2弾性片8cは、先端側に2つのねじ孔8eを有し、半径方向内方へ湾曲させると共に、内方へ突出させて形成され、フランジ3aの下面にねじ止めされる。
【0021】
カップリング部材8は、上記のように構成することで、保持板6が回転する方向には剛性が高く、ロータ2,3の回転軸Artと垂直な板面方向の変位に対しては剛性が低い構造となる。このため、カップリング部材8は、図示しないコラムシャフトから第2ロータ3に伝達された回転を保持板6に伝達しつつ、図示しないステアリングシャフトとコラムシャフトとの間の軸ずれを吸収することができる。
【0022】
但し、カップリング部材8は、前記のように図示しないステアリングシャフトとコラムシャフトとの間の軸ずれを吸収する機能を有するから、回転センサ1に必須のものではない。
従って、以上のように構成される回転センサ1においては、前記ステアリングシャフトが所定のトルク内で回転している場合には、トーションバーを介して前記コラムシャフトにそのトルクが伝達され、前記ステアリングシャフトと前記コラムシャフト、従ってロータ2,3が一体に回転する。一方、前記ステアリングシャフトが、所定のトルクを超えて回転すると、前記コラムシャフトとの間に回転のずれが生じ、第1ロータ2と第2ロータ3とが所定角度内を相対回転する。
【0023】
上記のような各回転状況の際に、回転センサ1においては、角度信号出力ケーブル1b及びトルク信号出力ケーブル1dから角度信号及びトルク信号が出力され、演算処理装置11においてロータ2,3の回転角度と相対回転に伴うトルクが演算される。
ここで、弾性連結部材は、図6及び図7に示すカップリング部材10のように、ステンレス等の金属からなる四角形の板を打ち抜くと共に折り曲げ加工し、板面から立ち上がる2つの第1弾性片10aと2つの第2弾性片10bをそれぞれ外縁側に対向させて形成し、図6に斜線で示す部分を開口10cとする構造としてもよい。そして、カップリング部材10は、連結片10dで第2ロータ3のフランジ3a下面に、連結片10eで保持板6の内周上面に、それぞれねじ止めする。このような構造とすることにより、カップリング部材10は、カップリング部材8に比べて製作が容易で安価になる。
【0024】
一方、本発明の第3の目的を達成する回転センサ1は、基板5に代えて、図8に示す基板15を用いる。
基板15は、下面に第1の電気導体となるトルク検出用のスリップリング15aとトルク信号伝達用のスリップリング15bが、それぞれ外周側から2本ずつ半径の異なる同心円上に形成されている。また、基板15は、上面に第2の電気導体となるグランド電源供給用のスリップリング15c、電力供給用のスリップリング15d、舵角検出用のスリップリング15e及びトルク信号伝達用の2本のスリップリング15fが、それぞれ内周側から半径の異なる同心円上に形成されている。従って、第2の電気導体について見ると、グランド電源供給用のスリップリング15c及び電力供給用のスリップリング15dは、半径方向最も内周側に形成されている。そして、スリップリング15a〜15fのうち、トルク検出用のスリップリング15a、トルク信号伝達用のスリップリング15b、舵角検出用のスリップリング15e及びトルク信号伝達用の2本のスリップリング15fには、摩擦抵抗が小さく、導電性を有するカーボンが混入されたエポキシ系の樹脂等の合成樹脂16が被覆されている。ここで、グランド電源供給用のスリップリング15c及び電力供給用のスリップリング15dは、電圧降下を避けるため合成樹脂16は被覆しない。
【0025】
従って、基板15を用いた回転センサ1は、ブラシが合成樹脂16を介して対応するスリップリングと接触するため、メカノケミカル反応の発生が防止されるうえ、ブラシの接触力を大きく設定する必要もない。このため、基板15を用いた回転センサ1は、スリップリング15a,15b,15e,15fの耐久性が向上して出力信号が安定し、長期に亘って使用することができる。
【0026】
更に、本発明の第4の目的を達成する回転センサ1は、図8に示す基板15を変更した図9及び図10に示す基板17を用いる。即ち、基板17は、基板15における第1の電気導体であるスリップリング15a,15bを、図9及び図10に示すトルク検出用のスリップリング17a及びトルク信号伝達用のスリップリング17bのように、基板17の所定の中心角の範囲に配置する。そして、半径方向中央に隣接配置されるスリップリング17a,17bは、それぞれトルク検出用のブラシ6aとトルク信号伝達用のブラシ6bと電気的に接続され、グランド(0V)の基準位置P0が図示のように、周方向に異なる位置に設定され、位相が逆となるように電圧が印加される。
【0027】
ここで、基板17は、上面に第2の電気導体となるグランド電源供給用のスリップリング17c、電力供給用のスリップリング17d、舵角検出用のスリップリング17e及びトルク信号伝達用の2本のスリップリング17fが、それぞれ内周側から半径の異なる同心円上に形成されている。また、基板17は、舵角検出用のスリップリング17e及びトルク信号伝達用の2本のスリップリング17fに、摩擦抵抗が小さく、導電性を有するカーボンが混入されたフェノール系の樹脂等からなる合成樹脂18が被覆されている。
【0028】
基板17は、スリップリング17a,17bをこのように配置し、グランド(0V)の基準位置P0を上記のように設定することによって、異常信号を安定させることができる。
即ち、図8に示す基板15では、図5において説明したように、トルク検出用のブラシ6aとトルク信号伝達用のブラシ6bによって検出される電気信号の電圧は、第1及び第2ロータ2,3の相対回転によって、各ブラシ6a,6bが接触しているスリップリング15a,15bの基準位置P0から周方向に沿った長さに対応して図11に示すように増減する。
【0029】
ここで、図11において、横軸は相対回転角度、縦軸はブラシ6a,6bによって検出される電気信号の電圧(V)で、横軸の0は、回転センサ1の第1及び第2ロータ2,3の相対回転における中立位置で、図13乃至図16においても同じである。
このとき、異常信号を検出するため、例えば、図12に示す基板19のように、スリップリング19a,19bを回転中心Cを挟んで対向配置し、出力信号の位相が逆になるように、グランド(0V)の基準位置P0を設定したとする。基板19においては、第1及び第2ロータ2,3が相対回転すると、スリップリング19aに当接したブラシ(図示せず)が検出する電気信号は、電圧が図13のT1のように変化し、スリップリング19bに当接したブラシ(図示せず)が検出する電気信号は、電圧が図13のT2のように変化する。このため、2つの電気信号T1,T2を加算した信号T3をモニタすると、異常信号を監視することができる。
【0030】
即ち、もし、2つの電気信号T1,T2の一方の電気信号T1に、図14に示す異常信号Tir1が発生すると、電気信号T1,T2を加算した信号T3にも同じ異常信号Tir3が発生する。このとき、基板19が振動によってガタつくと、図15に示すように、前記ブラシ(図示せず)が検出する電気信号T1,T2にはこのガタつきに伴う歪みTd1,Td2が発生する。この結果、電気信号T1,T2の歪みTd1,Td2が正常範囲内のものであっても、信号T3は、図示のように2倍に加算された歪みTd3がモニタされ、異常信号とみなされてしまう。
【0031】
そこで、本発明の第4の目的を達成する回転センサ1は、図9及び図10に示す基板17を用いることにしたのである。即ち、基板17は、スリップリング17a,17bを所定の中心角の範囲に配置し、半径方向中央に隣接配置されるスリップリング17a,17bは、出力信号の位相が逆になるように、グランド(0V)の基準位置P0を周方向に異なる位置に設定されている。
【0032】
このため、基板17を用いることにより、回転センサ1は、電気信号T1と電気信号T2の位相が逆となるため、電気信号T1,T2の歪みTd1,Td2も位相が逆となる。この結果、電気信号T1,T2を加算した信号T3は、図16に示すように、電気信号T1の歪みTd1と電気信号T2の歪みTd2とが相殺されて安定し、異常信号が変動しても、信号の異常を適切に検出することができる。
【0033】
尚、上記実施形態の回転センサは、自動車のステアリングシャフトとコラムシャフトとに跨って配置され、ハンドル操作に伴う舵角及びトルクを計測するものについて説明した。しかし、本発明の回転センサは、例えば、ロボットアームのように、互いに回転する2つの回転軸間の回転角度やトルクを求めるものであれば、どのようなものにも使用できる。
【0034】
【発明の効果】
請求項1乃至の発明によれば、回転角度とトルクとを1つのセンサで測定でき、軽量化を図ることが可能なうえ、取り付ける2つの回転軸の軸中心がずれていても、この軸ずれを吸収し、回転に伴う情報の検出精度の低下を抑えることが可能な本発明の第1及び第2の目的を達成する回転センサを提供することができる。
【0035】
また、請求項4,5の発明によれば、第1及び第2の電気導体をそれぞれ異なる面に形成するので、基板を1枚とすることができ、回転センサにおける構造の単純化と軽量化という本発明の第1の目的を達成することができる。
更に、請求項の発明によれば、電気導体の耐久性を向上させて出力信号の安定性を図り、長期に亘って使用することが可能な本発明の第3の目的を達成する回転センサを提供することができる。
【0036】
請求項の発明によれば、異常信号を安定させることが可能な本発明の第4の目的を達成する回転センサを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1及び第2の目的を達成する回転センサの外観を示す斜視図である。
【図2】図1の回転センサで使用する弾性部材の斜視図である。
【図3】図1の回転センサを直径に沿って切断した断面正面図である。
【図4】図3の回転センサをA−A線に沿って切断した断面図である。
【図5】スリップリングの長さに基づいて第1のロータの回転角度を検出する原理を説明する説明図である。
【図6】弾性部材の他の形態を示す斜視図である。
【図7】図6の弾性部材を用いた回転センサの図4に対応する断面図である。
【図8】本発明の第3の目的を達成する回転センサで用いる基板の断面図である。
【図9】本発明の第4の目的を達成する回転センサで用いる基板の断面図である。
【図10】図9の基板を反転して第1の電気導体を示した斜視図である。
【図11】回転センサの相対回転に伴う相対回転角度とブラシによって検出される電気信号の電圧との関係を示す電圧特性図である。
【図12】スリップリングを回転中心を挟んで対向配置し、出力信号の位相を逆に設定した基板を反転して第1の電気導体を示した斜視図である。
【図13】図12の基板を用いた回転センサにおける、相対回転角度とブラシによって検出される電気信号の電圧との関係を示す電圧特性図である。
【図14】異常信号が発生した場合における図13に対応した電圧特性図である。
【図15】図12の基板が振動によってガタついたときに発生する歪みを有する相対回転角度と電気信号の電圧との関係を示す電圧特性図である。
【図16】図9の基板を用いた場合の、相対回転角度と電気信号の電圧との関係を示す電圧特性図である。
【符号の説明】
1 回転センサ
2 第1ロータ
3 第2ロータ
4 ケース
5 基板
5a トルク検出用のスリップリング(第1の電気導体)
5b トルク信号伝達用のスリップリング(第1の電気導体)
5c 電力供給用のスリップリング(第2の電気導体)
5d 舵角検出用のスリップリング(第2の電気導体)
5e グランド電源供給用のスリップリング(第2の電気導体)
5f トルク信号伝達用のスリップリング(第2の電気導体)
6 保持板(第1の保持部材)
6a トルク検出用のブラシ(第1のブラシ)
6b トルク信号伝達用のブラシ(第1のブラシ)
7 固定基板(第2の保持部材)
7a 電力供給用のブラシ(第2のブラシ)
7b 角度検出用のブラシ(第2のブラシ)
7c グランド電源供給用のブラシ(第2のブラシ)
7d トルク信号伝達用のブラシ(第2のブラシ)
8 カップリング部材(弾性連結部材)
8b 第1弾性片
8c 第2弾性片
10 カップリング部材(弾性連結部材)
10a 第1弾性片
10b 第2弾性片
11 演算処理装置
15 基板
15a トルク検出用のスリップリング(第1の電気導体)
15b トルク信号伝達用のスリップリング(第1の電気導体)
15c グランド電源供給用のスリップリング(第2の電気導体)
15d 電力供給用のスリップリング(第2の電気導体)
15e 舵角検出用のスリップリング(第2の電気導体)
15f トルク信号伝達用のスリップリング(第2の電気導体)
17 基板
17a トルク検出用のスリップリング(第1の電気導体)
17b トルク信号伝達用のスリップリング(第1の電気導体)
19 基板
19a,19b スリップリング
C 回転中心
P0 基準位置
S 環状の空間

Claims (7)

  1. 互いに回転自在に組み付けられる第1及び第2のロータ並びに前記第1及び第2のロータを回動自在に保持するケースを備え、前記第1及び第2のロータは、トーションバーを介して連結された第1の回転軸と第2の回転軸のそれぞれに取り付けられて一体に回転すると共に、前記第1の回転軸が前記第2の回転軸に対して相対回転するのに対応して所定角度内を相対回転する回転センサであって、
    前記ケースは前記第1及び第2のロータと協働して内部に環状の空間を形成し、該環状の空間には、表面に第1及び第2の電気導体がそれぞれ複数形成され、前記第1のロータと一体に回転する基板、前記第1の電気導体とそれぞれ接触し、前記第1及び第2のロータの回転に伴う情報を電圧の変化として検出する第1のブラシを保持する第1の保持部材及び前記第2の電気導体とそれぞれ接触し、電力を供給したり、前記第1及び第2のロータの回転に伴う情報を電圧の変化として検出する第2のブラシを保持する第2の保持部材、がそれぞれ配置され
    前記第2のロータと前記第1の保持部材とが、弾性連結部材によって弾性的に連結されている、ことを特徴とする回転センサ。
  2. 前記弾性連結部材は、前記基板に取り付ける少なくとも2つの第1の弾性片と、前記第2のロータに取り付ける少なくとも2つの第2の弾性片とを有し、前記第1及び第2の回転軸に垂直な断面における前記第1及び第2の弾性片のそれぞれの切断面に関する慣性軸線によって四角形が形成される、請求項の回転センサ。
  3. 前記四角形が長方形である、請求項の回転センサ。
  4. 前記基板は、一方の表面に前記第1の電気導体が、他方の面に前記第2の電気導体が、それぞれ形成されている、請求項1乃至いずれかに記載の回転センサ。
  5. 前記第1の電気導体が、トルク信号伝送用のスリップリング及びトルク検出用のスリップリングを有し、前記第2の電気導体が、電力供給用のスリップリング、グランド電源供給用のスリップリング、舵角検出用のスリップリング及びトルク信号伝達用のスリップリングを有する、請求項の回転センサ。
  6. 前記トルク信号伝送用のスリップリング、トルク検出用のスリップリング、舵角検出用のスリップリング及びトルク信号伝達用のスリップリングには、摩擦抵抗が小さく、導電性を有する合成樹脂が被覆され、前記電力供給用のスリップリング及びグランド電源供給用のスリップリングは、半径方向最も内周側に形成されている、請求項の回転センサ。
  7. 前記第1の電気導体における前記スリップリングのそれぞれは、前記基板の所定の中心角の範囲に配置され、これらスリップリングからの出力信号の位相が互いに逆となるように前記スリップリングに電圧が印加される、請求項の回転センサ。
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