JP3857151B2 - 給送装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状媒体の給送装置および画像形成装置に関し、さらに詳しくは、積層されている紙幣、切符、用紙等の複数のシート状媒体を一枚ずつ分離して給送するための分離・給送機構およびこれを用いる複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層状態にある紙幣や切符あるいは用紙などのシート状媒体を一枚ずつ分離して給送する構成を備えた装置の一つに複写機やプリンタあるいはファクシミリ装置等の画像形成装置がある。
画像形成装置には、積層されたシート状媒体の一つである用紙を収容している給紙カセットから用紙を一枚ずつ分離して画像形成処理部に向け給送する給紙装置が用いられている。
【0003】
給紙装置には、用紙群から一枚ずつ分離するための構成としてFRR(feed roller-reverse roller)方式と称される構成が採用されている場合がある。
この方式では、積層されている用紙のうちで最上位に位置する用紙に当接しながら用紙の繰り出しが可能なフィードローラと、用紙をはさんでフィードローラと対向し、フィードローラとは逆方向に回転して用紙を押し戻すことが可能なリバースローラとを備え、フィードローラと用紙との間の摩擦力(F1)とリバースローラと用紙との間の摩擦力(F2)と用紙同士の間の摩擦力(F3)との関係を、F1>F2>F3となる関係に設定されることにより、積層されている用紙が2枚以上で重送された際に最上位に位置する用紙のみを繰り出せるようになっている。
【0004】
この方式を用いた給紙装置では、上記各ローラの駆動機構として図 に示す構成が用いられる。
図10において、フィードローラ30に対向して配置されているリバースローラ31は、片持ち梁状に支持されている回転軸31Aに同軸支持されており、回転軸31Aにはリバースローラ31の回転制御を行うトルクリミッタ32が配置されている。
リバースローラ31は、回転軸31Aに取り付けられている従動ギヤ31Bがこれに噛み合う駆動ギヤ32に連動することにより回転力が伝えられて給紙カセット34内に向けて用紙Sを押し戻す方向に回転することができる。なお、図10では、1枚の用紙Sが繰り出されている状態を示しているため、リバースローラ31により給紙カセット34に向けて押し戻される用紙は示されていない。
【0005】
図10に示した給紙装置では、回転軸31Aを片持ち梁状に支持することによりこれに取り付けられている従動ギヤ31Bの位置で発生するモーメントをリバースローラ31で発生する圧力に置き換えてフィードローラ30との間に設定されるニップ圧力を設定することができる。
【0006】
上記片持ち梁状の回転軸を用いた場合のニップ圧力に関する考察結果を次に説明する。
図11に示すように、駆動ギヤ33が回転し、これに噛み合う従動ギヤ31Bを回転させることで、従動ギヤ31Bの半径に依存した従動ギヤ圧力P1が生じ、回転軸31Aの周方向に回転モーメントが働く。
リバースローラ31にはトルクリミッタ32が装備されているので、トルクリミッタ戻し力TAにより反作用力が生じ、この反作用力も回転軸31Aの周方向における回転モーメントに寄与する。
この結果、従動ギヤ31Bの半径をRZ、リバースローラ31の半径をRSとすると、リバースローラ31の回転軸31Aを中心とする回転モーメントの釣り合いから、以下の式▲1▼が導出される。
【0007】
RZ・P1=RS・TA ・・・▲1▼
但し、ここでは、回転軸31Aが回転する摩擦(軸受摩擦)はゼロとして説明する。
【0008】
図12に示すように、回転軸31Aの支点SPと従動ギヤ31B間の距離をL1、支点SPと回転軸31A等の重心(回転軸31Aやリバースローラ31等を含む全体の重心)間の距離をL2、支点SPと回転軸31Aの軸受部SS間の距離をL3、支点SPとリバースローラ31間の距離をL4、回転軸31A等の重心の自重をP2、回転軸31Aの軸受部の圧力をP3、ニップ圧力をPBとすると、支点SPを中心とする回転モーメントの釣り合いから、以下の式▲2▼が導出される。
【0009】
L1・P1−L2・P2=−L3・P3+L4・PB ・・・▲2▼
式▲1▼、▲2▼から、従動ギヤ圧力P1を消去することで、以下の式▲3▼が導出される。
【0010】
PB=(L1/L4)・(RS/RZ)・TA+(L3・P3−L2・P2)/L4 ・・・▲3▼
式▲3▼より、FRR方式の給紙装置では、ニップ圧力PBはトルクリミッタ戻し力TAと、支点SPと従動ギヤ間距離L1に比例することが判る。
【0011】
一方、用紙Sの不送りが発生しないためには、フィードローラ30と用紙S間の摩擦係数をμr、用紙S間の摩擦係数をμp、用紙1枚当たりの自重をmとすると、前記式▲3▼のニップ圧力PBが以下の式▲4▼を満足することが必要である。
【0012】
PB>TA/{μr+(μp/μr)・m} ・・・▲4▼
また、重送しないためには、前記式▲3▼のニップ圧力PBは、以下の式▲5▼を満足することが必要である。
【0013】
PB<TA/μp−3m ・・・▲5▼
よって、不送り、重送をしないためには、式▲4▼と▲5▼により、前記式▲3▼のニップ圧力PBは以下の式▲6▼を満足する必要がある。
【0014】
TA/μr+(μp/μr)・m<PB<TA/μp−3m ・・・▲6▼
しかしながら、例えば高湿環境下や静電気が発生しやすい環境などで用紙間に高い密着力が働く場合に、この密着力(剪断力方向に働くものとする)をQとすれば、式▲4▼は以下の式▲4▼’に、式▲5▼はる▲5▼’になり、結果的に式▲6▼は以下の式▲6▼’になる。従って、式▲3▼のニップ圧力PBの範囲は著しく狭くなる。但し、ここでは、終始用紙間に働く密着力は全て同じ値をとるものと仮定し、これを一律Qとしている。
【0015】
PB>TA/μr+(μp/μr)・m+Q/μr ・・・▲4▼’
PB<TA/μp−3m−2Q/μp ・・・▲5▼’
TA/μr+(μp/μr)・m+Q/μr<PB<TA/μp−3m−2Q/μp ・・・▲6▼’
上記の結果から、FRR方式の給紙装置では、高い密着力に対してはニップ圧力PBの余裕度が低下し、密着力Qの大きさによっては、式▲6▼’を満足する式▲3▼で与えられるニップ圧力PBが存在しない場合がある。従って、従来の構成では、不送り又は重送を起こす場合がままあった。
【0016】
ニップ圧力PBの範囲を拡大して不送りや重送を回避する方法として、片持ち梁状の回転軸31Aに対して複数箇所に従動ギヤを配置し、これに噛み合う駆動ギヤをそれぞれ設け、従動ギヤの噛み合い状態を回転軸31Aの軸方向で選択することにより回転軸2Aの支点位置から従動ギヤに至る距離に基づくモーメントを利用してニップ圧力を変化させる方法が考えられる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、回転軸の軸方向で複数の従動ギヤを設けた場合には、平行する軸間で駆動ギヤと従動ギヤとを1カ所に設けた場合と比べて軸方向で並置されているギヤ同士のぞれぞれの噛み合いを解除することができる相対間距離、つまり噛み合いが外れる位置まで離すことができる距離が設定できないことにより噛み合い解除が難しくなる。このため、各ギヤに連動する関係となっているリバースローラはギヤの噛み合い継続により回転が拘束された状態となり、回転軸とは切り離して回転ができないことにより、ジャム(紙詰まり)発生時でのニップ部からの用紙の取り出しあるいは用紙補給が不能となる虞がある。
【0018】
本発明の目的は、FRR方式における不具合、つまり、一つの回転軸に複数の駆動側および従動側ギヤを備えた場合に発生する不具合に鑑み、各ギヤ同士の噛み合いを容易に解除できるようにしてジャムの解消あるいは用紙などのシート状媒体の補給が簡単に行える構成を備えた給送装置および画像形成装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、積載部から繰り出されるシート状媒体を給送する方向に回転可能なフィードローラと、該フィードローラに対向当接可能でかつトルクリミッタを介して正逆回転可能あって重送状態にある上記シート状媒体のうちで最上位以外のシート状媒体を上記積載部に向け押し戻すことができる正逆回転可能なリバースローラとを備え、上記フィードローラと上記シート状媒体との間の摩擦力と上記リバースローラと上記シート状媒体との間の摩擦力と上記シート状媒体同士間での摩擦力との相対関係により上記積載部に積載されているシート状媒体のうちで一枚のシート状媒体のみを繰り出し可能な給送装置において、上記リバースローラが設けられている回転軸およびこれと平行する駆動側回転軸には、互いに噛み合い可能な従動ギヤおよび駆動ギヤが軸方向に沿ってそれぞれ少なくとも2組以上設けられ、それら各組間で相互に噛み合い状態が選択されることにより上記回転軸への回転力の伝達が可能な構成と、上記従動ギヤとこれが設けられている回転軸との間にワンウェイクラッチを備え、上記従動ギヤと上記回転軸とは、上記シート状媒体を上記積載部に向けて押し戻す方向の回転が上記リバースローラに設定された場合に上記ワンウェイクラッチを介して結合状態とされる構成とを備えていることを特徴としている。
【0020】
請求項2記載の発明は、積載部から繰り出されるシート状媒体を給送する方向に回転可能なフィードローラと、該フィードローラに対向当接可能でかつトルクリミッタを介して正逆回転可能あって重送状態にある上記シート状媒体のうちで最上位以外のシート状媒体を上記積載部に向け押し戻すことができる正逆回転可能なリバースローラとを備え、上記フィードローラと上記シート状媒体との間の摩擦力と上記リバースローラと上記シート状媒体との間の摩擦力と上記シート状媒体同士間での摩擦力との相対関係により上記積載部に積載されているシート状媒体のうちで一枚のシート状媒体のみを繰り出し可能な給送装置において、上記リバースローラが設けられている回転軸およびこれと平行する駆動側回転軸には、互いに噛み合い可能な従動ギヤおよび駆動ギヤが軸方向に沿ってそれぞれ少なくとも2組以上設けられ、それら各組間で相互に噛み合い状態が選択されることにより上記回転軸への回転力の伝達が可能な構成と、上記従動ギヤとこれが設けられている回転軸との間にワンウェイクラッチを備え、上記従動ギヤと上記回転軸とは、上記シート状媒体を上記積載部に向けて押し戻す方向の回転が上記リバースローラに設定された場合に上記ワンウェイクラッチを介して結合状態とされる構成とを備え、上記フィードローラは、上記リバースローラの当接が開始されて初期圧力が作用する際に上記シート状媒体を給送する方向の回転方向が設定される構成であることを特徴としている。
【0021】
請求項3記載の発明は、積載部から繰り出されるシート状媒体を給送する方向に回転可能なフィードローラと、該フィードローラに対向当接可能でかつトルクリミッタを介して正逆回転可能あって重送状態にある上記シート状媒体のうちで最上位以外のシート状媒体を上記積載部に向け押し戻すことができる正逆回転可能なリバースローラとを備え、上記フィードローラと上記シート状媒体との間の摩擦力と上記リバースローラと上記シート状媒体との間の摩擦力と上記シート状媒体同士間での摩擦力との相対関係により上記積載部に積載されているシート状媒体のうちで一枚のシート状媒体のみを繰り出し可能な給送装置において、上記リバースローラが設けられている回転軸およびこれと平行する駆動側回転軸には、互いに噛み合い可能な従動ギヤおよび駆動ギヤが軸方向に沿ってそれぞれ少なくとも2組以上設けられ、それら各組間で相互に噛み合い状態が選択されることにより上記回転軸への回転力の伝達が可能な構成と、上記従動ギヤとこれが設けられている回転軸との間にワンウェイクラッチを備え、上記従動ギヤと上記回転軸とは、上記シート状媒体を上記積載部に向けて押し戻す方向の回転が上記リバースローラに設定された場合に上記ワンウェイクラッチを介して結合状態とされる構成とを備え、上記フィードローラは、上記リバースローラとの協働により重送状態にある上記シート状媒体を一枚分離した後若しくは給紙作業が終了して上記リバースローラからの加圧圧力を解除される画像形成終了時の少なくともいずれか一方の時期に上記シート状媒体を上記積載部に向けて押し戻す方向の回転方向が設定される構成であることを特徴としている。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のうちの一つに記載の給送装置において、上記ワンウェイクラッチは、上記回転軸の軸方向で変位可能に設けられ、該回転軸の軸方向で上記従動ギヤの設置位置を変更可能であることを特徴としている。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうちの一つに記載の給送装置を画像形成装置に用いることを特徴としている。
【0024】
請求項6記載の発明は、請求項2または3記載の給送装置を用いる画像形成装置において、上記フィードローラは、シート状媒体の給送が開始される画像形成開始時点若しくはシート状媒体の給送が終了する画像形成終了時点に回転方向を上記シート状媒体を積載部に向けて押し戻す方向に設定されることを特徴としている。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るシート状媒体の給送装置が適用される画像形成装置の一例を示す図であり、同図に示されている画像形成装置はレーザー光による書き込みが可能なレーザプリンタである。なお、本発明における画像形成装置には、図1に示すプリンタに限らず、複写機、ファクシミリ装置および印刷機なども含まれる。
【0026】
図1においてレーザプリンタ1は、画像形成処理部Aを縦方向の中央に位置させ、画像形成処理部Aを境にして上部には原稿走査部B、下部には給紙部Cがそれぞれ配置されている。
画像形成処理部Aには、円筒状の潜像担持体をなす感光体2が備えられており、感光体2の周辺には、図1において時計方向に回転する感光体2の回転方向に沿って画像形成処理を実行するための帯電装置3,書き込み装置4,現像装置5,転写装置6およびクリーニング装置7が配置されている。
【0027】
感光体2は、回転過程において帯電装置3によって一様帯電された後、書き込み装置4により画像情報に対応した静電潜像が形成され、静電潜像が現像装置5によって可視像処理されてトナー像とされると、そのトナー像が転写装置6によって給紙部Cに装備されている給紙装置57から給送されるシートに対して転写される。
転写後の感光体2は、クリーニング装置7によって残留トナーや残留電荷を除去され、帯電装置3による一様帯電が施されて次回の画像形成に備えられる。
【0028】
トナー像転写のためにシートを給送する給紙部Cは、画像形成処理部A内に配置されている一つを含む複数の給紙カセット8A、8B、8C、8Dを備えており、各給紙カセット8A〜8Dには、重送状態にあるシートを分離可能なFRR方式の給紙装置57A、57B、57C、57Dが備えられている。なお、符号8Eは、両面への画像形成対象となるシートを反転させて一旦収容可能な再給紙カセットを示し、符号8Fはシートのレジストタイミングを設定するレジストローラを示している。給紙装置57A〜57Dからは一点鎖線で示す方向にシートが繰り出され、レジストローラ8Fの位置に達するようになっている。なお、FRR方式の給紙装置の構成に関しては後で説明する。
【0029】
転写装置6は、誘電体からなるベルトが用いられ、転写バイアスの印加によるトナー像の静電転写とシートの静電吸着を行い、吸着されたシートを定着装置9に向けて搬送する機能も備えている。
【0030】
定着装置9は、定着ローラ9Aおよび加圧ローラ9Bを備えた熱ローラ方式が採用された構成を備えており、定着ローラ9Aに内蔵されている熱源を介した加熱と加圧ローラによる加圧圧力とによりシート上に担持されているトナーを融着させてシートに浸透させるようになっている。
【0031】
定着後のシートは頁順あるいは画像毎などに仕分けされたシートを収容可能な複数の排紙トレイ10Aおよびステープラ10Bをそれぞれ備えた後処理装置10に向けて排出される場合と両面画像形成のために反転搬送路(便宜上、符号RPで示す)に向けて排出される場合とが選択されるようになっている。反転搬送路RPは、再給紙カセット8Eを経由してレジストローラ8Fの位置に達しており、反転されたシートが再度感光体2の転写位置に向けて繰り出されるようになっている。
後処理装置10には、後処理を行わないシートを受容するための排紙トレイ10Cも備えている。
【0032】
原稿走査部Bには画像形成処理部Aの上面に配置されている原稿載置台B1に載置された原稿を読み取るための走査光学系B2、自動原稿給送装置B3および両面画像形成時に適用される反転搬送部材B4が開閉可能な蓋部材B5内に装備されている。自動原稿給送装置B3には、原稿載置トレイB6に積載されている原稿を原稿載置台B1上に導入するための原稿搬送ベルトB7も装備されている。
【0033】
各給紙装置57A,57B,57C,57Dのうち、代表して一番下の給紙装置57Dについて説明すると、該給紙装置57Dは、給紙トレイ8Dに積載されたシートを繰り出すピックアップローラ11と、フィードローラ12と、該フィードローラ12に圧接されたリバースローラ13と、ガイド8Gと、搬送コロ8Hが配置されている。他の給紙装置57A,57B,57Cも同様の構成を備えている。
【0034】
複写機は手差しトレイ81を有しており、これに対応してFRR方式の給紙装置57Eが設けられている。該給紙装置57Eも給紙装置57Dと同様の構成を有している。
【0035】
図2はFRR方式の給送装置57Dの詳細を示す図であり、同図によりFRR方式とこれを実施するための構成および作用について説明すると次の通りである。
図2において、シート状媒体としての用紙(以下、便宜上、シート状媒体として用紙を対象として説明する)Sは図示しない支持部材によって整列されており、且つ、給紙により用紙が減少しても、補給により用紙が加えられても、積載された用紙の最上面高さが一定の位置を維持するように設けられている。
符号Xは給紙(給送)方向を示しており、この給紙方向Xと直交する用紙の幅方向の中央部において給紙方向Xの下流側の用紙上面にはピックアップローラ11が自重で接している。
【0036】
給紙方向Xにおけるピックアップローラ11の下流側近傍には、フィードローラ12とリバースローラ13が圧接状態で対向配置されている。
フィードローラ12とリバースローラ13とのニップ部の位置は、積載されたうちで最上面の用紙と同等の高さレベルに設定されている。
【0037】
フィードローラ12は、本体フレームH(図3参照)に片持ち状態で支持された図示しないフィードローラ駆動軸に設けられており、該フィードローラ駆動軸上に一体的に設けられたギヤ12Gと同期回転する。
ギヤ11Gはアイドルギヤ14を介してピックアップローラ11の回転軸11Aに一体的に設けられたギヤ11Gと噛み合っている。従って、ピックアップローラ11とフィードローラ12とは給紙方向Xに用紙を送り出す向きに回転される。
【0038】
図3に示すように、リバースローラ13は本体フレームHに対して本体フレームHを支点として片持ち式に支持された回転軸13Aの自由端側にトルクリミッタ15を介して正逆回転可能に設けられている。
回転軸13Aは、本体フレームHの一部である補助側板H1に形成された上下方向に延びる長穴H1A(図2参照)を貫通しており、該貫通する部分には鍔付きの軸受16が上下変位可能に設けられている。
【0039】
図2に示すように、軸受16の下面には、補助側板H1に対して支軸17により回動可能に支持されたレバー18のアーム18Aが弾性力により当接している。この弾性力は、レバー18の一端部18Bに係止されたバネ19の弾性によるモーメントによって与えられている。
バネ19の付勢力により、リバースローラ13はフィードローラ12に圧接されている。
【0040】
図3に示すように、回転軸13Aには、支点としての本体フレームHから距離(以下、支点−支点側従動ギヤ間距離という)Laの位置に支点側従動ギヤ20が設けられ、支点から距離(以下、支点−リバースローラ側従動ギヤ間距離という)Lbの位置にリバースローラ側従動ギヤ21が設けられて、2組のギヤが装備されている。
【0041】
本体フレームHと補助側板H1との間には、回転軸13Aに略平行に駆動軸22が支持されており、該駆動軸22には、支点側従動ギヤ20に対向する支点側駆動ギヤ23と、リバースローラ側従動ギヤ21に対向するリバースローラ側駆動ギヤ24が設けられている。
本実施形態では、駆動側のギヤである支点側駆動ギヤ23とリバースローラ側ギヤ24とが一体化されて駆動軸22に取り付けられており、本体フレームHに固定されたモータ25により駆動軸22が駆動される方向に対応して回転するようになっている。
【0042】
支点側従動ギヤ20とリバースローラ側従動ギヤ21とは、全周に歯部分が形成された構成を有している。これに対し、支点側駆動ギヤ23とリバースローラ側駆動ギヤ24とは、周方向で部分的な領域に全く歯が無く、すなわち、一歯以上のスペースを有する欠歯部分を有している。
支点側駆動ギヤ23とリバースローラ側駆動ギヤ24とは、給紙駆動時において互いに対向する支点側従動ギヤ20とリバースローラ側従動ギヤ21に対し、それぞれ歯部分のみで噛み合うことにより回転駆動力を伝えることができるようになっている。
なお、支点側従動ギヤ20とリバースローラ側従動ギヤ21とが欠歯部分を有する構成としてもよい。この場合には、支点側駆動ギヤ23とリバースローラ側駆動ギヤ24は全周が歯部分となる。
【0043】
支点側駆動ギヤ23とリバースローラ側駆動ギヤ24との欠歯部分と歯部分の角度に関する位相関係は互い違いに構成されている。これを図4に基づいて詳細に説明する。
図4(A)に示すように、支点側駆動ギヤ23は、1周32歯の構成において、一部の歯を切削して欠歯させることで、反時計回り方向に順に、4歯有りの歯部分23A、3歯無しの欠歯部分23B、3歯有りの歯部分23C、3歯無しの欠歯部分23D、3歯有りの歯部分23E、3歯無しの欠歯部分23F、3歯有りの歯部分23G、3歯無しの欠歯部分23H、3歯有りの歯部分23I、4歯無しの欠歯部分23Jを有している。もちろん、一体成形により形成してもよい。
【0044】
一方、リバースローラ側駆動ギヤ24は、図3(B)に示すように、反時計回り方向に順に、4歯無しの欠歯部分24A、3歯有りの歯部分24B、3歯無しの欠歯部分24C、3歯有りの歯部分24D、3歯無しの欠歯部分24E、3歯有りの歯部分24F、3歯無しの欠歯部分24G、3歯有りの歯部分24H、3歯無しの欠歯部分24I、4歯有りの歯部分24Jを有している。
【0045】
支点側駆動ギヤ23の4歯有りの歯部分23Aの象限には、リバースローラ側駆動ギヤ24の4歯無しの欠歯部分24Aが対応し、反対に、例えば支点側駆動ギヤ23の4歯無しの欠歯部分23Jの象限には、リバースローラ側駆動ギヤ24の4歯有りの歯部分24Jが対応している。
このような歯の形成部分に関する位相関係を設定することにより、給紙駆動時には、リバースローラ側駆動ギヤ24及び支点側駆動ギヤ23が同時に回転駆動する際、リバースローラ側従動ギヤ21及び支点側従動ギヤ20に対して交互に噛み合い、いわゆる、各ギヤ組間での相互の噛み合い状態が設定されることになり、支点から異なった距離であるLa、Lbをもって回転軸13Aに回転駆動力を伝える。
【0046】
従って、ニップ圧力PBを決める上記式▲3▼において、リバースローラ側従動ギヤ11とリバースローラ側駆動ギヤ13が噛み合う際は、距離L1は支点−リバースローラ側従動ギヤ間距離Lbになり、ニップ圧力PBは以下の式▲7▼になる。
PB=(Lb/L4)・(RS/RZ)・TA+(L3・P3−L2・P2)/L4 ・・・▲7▼
また、支点側従動ギヤ10と支点側駆動ギヤ12が噛み合う際は、支点−従動ギヤ間距離L1は、支点−支点側従動ギヤ間距離Laになり、ニップ圧力PBは以下の式▲8▼になる。
【0047】
PB=(La/L4)・(RS/RZ)・TA+(L3・P3−L2・P2)/L4 ・・・▲8▼
給紙時は、式▲7▼及び式▲8▼で示されるニップ圧力PBが連続的に繰り返され、また、La<Lbであることで、ニップ圧力PBは式▲7▼よりも式▲8▼の方が小さいため、結果としてニップ圧力PBは高低両方に変動する圧力値を示す。
【0048】
この圧力変動を、図4に示した構成と図5に示すタイミングチャートに基づいて説明する。図4に示すように、支点側駆動ギヤ23とリバースローラ側駆動ギヤ24とが共に反時計回り方向に回転した際、リバースローラ側駆動ギヤ24における4歯を有する歯部分24Jが対向するリバースローラ側従動ギヤ21に噛み合うと、支点側駆動ギヤ23は対向する支点側従動ギヤ20とは噛み合わないようになっている。すなわち、図5に示すように、リバースローラ側駆動ギヤ24の噛み合いタイミングT13はONになり、同時に支点側駆動ギヤ23の噛み合いタイミングT12はOFFになる。
このとき、ニップ圧力PBは、リバースローラ側駆動ギヤ24の方が支点側駆動ローラ23よりも支点からの距離が長いために、圧変動(ニップ圧力PBの最高値と最低値)のタイミングTVに示すように、最高値PBmaxを示す。
【0049】
ニップ圧力PBの最高値PBmaxは、歯部分24Jがリバースローラ側従動ギヤ21に接触している間、すなわち回転時間24jtの間で生じる。
【0050】
回転時間24jtの経過後には、支点側駆動ギヤ23における4歯を有する歯部分23Aが支点側従動ギヤ20に噛み合い、且つ、リバースローラ側駆動ギヤ24とリバースローラ側従動ギヤ21とは噛み合わないようになっている。この場合、支点側駆動ギヤ23の噛み合いタイミングT23はONになり、同時にリバースローラ側駆動ギヤ24の噛み合いタイミングT24はOFFになる。
このとき、ニップ圧力PBは、支点側駆動ギヤ23の方がリバースローラ側駆動ギヤ24よりも支点からの距離が短いために、圧変動のタイミングTVに示すように、最低値PBminを示す。このニップ圧力PBの最低値PBminは、歯部分23Aが支点側従動ギヤ20に接触している間、すなわち回転時間23atの間で生じる。
【0051】
回転時間23atの経過後には、リバースローラ側駆動ギヤ24における3歯を有する歯部分24Bがリバースローラ側従動ギヤ21に噛み合い、且つ、支点側駆動ギヤ23と支点側従動ギヤ20とは噛み合わない。この場合、リバースローラ側駆動ギヤ24の噛み合いタイミングT24はONになり、同時に支点側駆動ギヤ23の噛み合いタイミングT23はOFFになる。この時点でのニップ圧力PBは、圧変動のタイミングTVに示すように、最高値PBmaxを示す。このニップ圧力PBの最高値PBmaxは、歯部分24bがリバースローラ側従動ギヤ21に接触している間、すなわち回転時間24btの間で生じる。
【0052】
回転時間24btの経過後には、支点側駆動ギヤ23における3歯を有する歯部分23Cが支点側従動ギヤ20に噛み合い、且つ、リバースローラ側駆動ギヤ24とリバースローラ側従動ギヤ21とは噛み合わない。この場合、支点側駆動ギヤ23の噛み合いタイミングT23はONになり、同時にリバースローラ側駆動ギヤ24の噛み合いタイミングT24はOFFになる。
このとき、ニップ圧力PBは、圧変動のタイミングTVに示すように、最低値PBminを示す。このニップ圧力PBの最低値PBminは、歯部分23Cが支点側従動ギヤ20に接触している間、すなわち回転時間23ctの間で生じる。
【0053】
以降同様に、支点側駆動ギヤ23及びリバースローラ側駆動ギヤ24が有する歯部分の回転範囲に応じた時間の間で、2組のギヤ同士で相互の噛み合い状態が選択されることに応じてニップ圧力PBは最高値PBmaxと最低値PBminを繰り返すこととなり、不送りの防止と重送の解消を行うことになる。
また、本実施形態における支点側駆動ギヤ23とリバースローラ側駆動ギヤ24とは、欠歯部分に隣接する歯部分の周方向末端の歯の寸法、つまり、この場合には、周方向での幅が他の歯の幅より狭く設定されている構成を有している。支点側駆動ギヤ23の4歯を有する歯部分23Aを例にとって説明すると、図6に示すように、周方向末端の歯である23A−1と23A−4は、内方の歯である23A−2と23A−3よりも周方向での歯の幅が狭く形成されている。この構成により、欠歯部分を経て噛み合いが始まる瞬間、あるいは噛み合い状態から欠歯部分へ移行する瞬間において、支点側従動ギヤ20及びリバースローラ側従動ギヤ21との噛み合い率が向上し、騒音が低減する。
【0054】
本実施形態では、上記したような支点側およびリバースローラ側の駆動ギヤ23,24と支点側およびリバースローラ側の従動ギヤ20,21との組み合わせを複数組の一つである2組とした場合、特に図3に示したように支点側従動ギヤ20およびリバースローラ側従動ギヤ21にそれぞれ噛み合い可能な支点側駆動ギヤ23とリバースローラ側駆動ギヤ24とが一体化されて駆動軸22に対して複数組設けられている場合にリバースローラ13の回転が拘束されてしまうのを防止できる構成とされている。以下この構成について説明する。
【0055】
フィードローラ12は、図示しない駆動源により正逆回転可能に設けられている。フィードローラ12の逆転方法、つまり正規の回転方向である用紙の繰り出しが可能な回転方向に対する反対方向への回転方法としては、パルスモータを駆動源とした場合、パルスの印加制御が用いられ、また、サーボモータを駆動源とした場合、電流印加の極性を反転させる手法が用いられる。
一方、支点側およびリバースローラ側の従動ギヤ20,21とともにリバースローラ13が取り付けられている回転軸13Aには、図7に示すように、各従動ギヤ20,21(図7では、便宜上、リバースローラ側従動ギヤ21およびこれに噛み合い可能なリバースローラ側駆動ギヤ24のみが示されている)との間にワンウェイクラッチ26が設けられている。
ワンウェイクラッチ26は、図7に示すように、ラチェット機構を備えた構成あるいは各従動ギヤと回転軸13Aとに端部が係止されて双方の回転方向に対応して捲き締めあるいは弛み作用が得られるコイルバネ等が用いられ、支点側従動ギヤ20,リバースローラ側従動ギヤ21から回転軸13Aへの回転駆動力の伝達が可能な構成とされている。従って、支点側駆動ギヤ23、リバースローラ側駆動ギヤ24に噛み合うことで支点側およびリバースローラ側の従動ギヤ20,21が回転した際に限ってリバースローラ13への回転駆動力が回転軸13A唐伝えられることになる。換言すれば、従動ギヤ側ではなくリバースローラ13側が駆動力伝達の駆動側とされた場合には、その駆動側からの回転駆動力は支点側およびリバースローラ側の従動ギヤ23,24には伝達されないことになり、従動ギヤ20,21がリバースローラ13の回転とは関係なく回転軸13Aを支点として自由に周方向で遊動することができる。
【0056】
本実施形態では、ワンウェイクラッチ26の回転伝達機能として、リバースローラ13に対してシートを積載部である給紙カセットに向けて押し戻す向きの回転方向が設定されたとき、つまり、支点側およびリバースローラ側の従動ギヤ20,21側から回転軸13Aに対してリバースローラ13がシートを押し戻す方向の回転を設定されたときに従動ギヤ20,21と回転軸13Aとが結合状態になる機能が設定されている。
【0057】
本実施形態は以上のような構成であるから、リバースローラ13に対してモータ25からの回転駆動力を伝達する場合には、ワンウェイクラッチ26を介して支点側およびリバースローラ側の従動ギヤ20,21と回転軸13Aとが結合状態に設定される。このため、フィードローラ12がシートを繰り出せる方向に回転すると、これに当接しているリバースローラ13とにより給紙状態が設定され、駆動側と従動側とのギヤの噛み合い位置の違いにより従来のFRR方式の給紙装置と異なり、密着力を伴う重送回避を決める式▲5▼’の左辺値のニップ圧力PBを最低値にし、且つ、不送り回避を決める式▲4▼’の左辺値であるニップ圧力PBを該最低値よりも高く維持することができる。よって、密着力を伴う不送り回避を可能とし、且つ、密着力を伴う重送回避を決める式▲5▼’の密着力Qを大きくとることが可能となり、用紙間に密着力が働く場合の給紙分離性能を向上させることができる。
【0058】
一方、図8において、フィードローラ12に対してニップ圧力が作用し始める画像形成開始時あるいは重送状態にある用紙のうちの最上位のもののみを繰り出す一枚分離が終了した時点を含む給紙作業が終了して上記ニップ圧力を解除される画像形成終了時においてフィードローラ12がシートの繰り出し方向(図8中、符号Xで示す方向)と逆方向(図8中、符号Rで示す方向)となるように回転方向が設定されると、フィードローラ12に当接するリバースローラ13も連動し、ニップ部において同じ方向に移動する方向(図8中、符号R1で示す方向)に回転する。このため、リバースローラ13の回転軸13Aは、図7に示したように、ワンウェイクラッチ26の回転伝達機能により、支点側およびリバースローラ側の従動ギヤ20,21への回転駆動力が伝達されない状態となり、従動ギヤ20,21自身が回転軸13Aの回転方向(図7中、符号R2で示す方向)と逆方向への遊動が可能となる。回転軸13Aの回転速度に対して多少遅くなる速度であればワンウェイクラッチ26の係合部が後追い状態となることで支点側およびリバースローラ側の従動ギヤ20,21を回転軸13Aの回転方向と同じ方向に遊動させることもでき、図7において符号R3で示すように、相対方向への遊動ができることになる。
【0059】
支点側およびリバースローラ側の従動ギヤ20,21は自身が遊動できることにより支点側およびリバースローラ側の駆動ギヤ23,24との噛み合い状態を解除することができ、この時点にリバースローラ13の付勢、つまりフィードローラ12に対する押圧付勢を解除することによりフィードローラ12との間の加圧状態が解除される。この結果、従動ギヤ20,21と駆動ギヤ23,24との噛み合いに起因して拘束されていた回転軸13Aがその拘束、特に、従動ギヤ20,21に予め設定されている方向(シートの押し戻しが可能な方向)の回転拘束を解消され、しかも、図2に示したレバー18によるフィードローラ12との間の加圧関係が低減されることによりリバースローラ13を独自に回転させることが可能となる。この場合の多少の回転とは、最小限、ニップ部に位置していたリバースローラ13の周面部分がニップ部から外れる程度の回転量を意味する。このように、フィードローラ12の逆転時にリバースローラ13が独自に回転できることでニップ部にジャムを生じていたシートの取り出しあるいは加圧解除されているローラ間のニップ部に向けた用紙の補給が行えることになる。
【0060】
次に本発明の実施形態に係る別例について説明する。
図9は、本発明の実施形態に係る別例を示す模式図であり、同図には回転軸13Aにおける従動ギヤ20,21の取付部の構成が示されている。
図9において、回転軸13Aに取り付けられる支点側およびリバースローラ側の従動ギヤ20,21(便宜上、図9には支点側従動ギヤ20が対象として示されている)は、回転軸13Aに対して回転軸13Aの軸方向に沿った両側をストッパ27により挟持されている。
ストッパ27は、回転軸13Aに対して締結部材の圧接力を利用して摩擦係合可能な部材であり、締結状態を緩められることにより回転軸13Aの軸方向に移動することができる。これにより、回転軸13Aの新たな位置にストッパ27を位置決めして締結すると、従動ギヤ20が回転軸13Aの軸方向の位置を変更されることになる。
【0061】
本例は以上のような構成であるから、回転軸13Aの軸方向で従動ギヤ20の位置を変更することができる。この結果、片持ち梁状の回転軸13Aにおける支点位置からの距離を変更することができ、この距離に対応した位置でのフィードローラ12とリバースローラ13との間での加圧圧力、いわゆるニップ圧力を設定することができる。本例によれば、ニップ圧力を適正化することにより、シートの不送り防止と重送解消のために必要なニップ圧力を確保することができる。なお、上記実施形態ではカラープリンタに用いられる用紙をシート状媒体として説明したが、本発明ではこのような画像形成装置を対象とするだけでなく、紙幣や切符などの柔軟性を有するシート状媒体の給送装置を対象とすることも可能である。
【0062】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、リバースローラが設けられている回転軸およびこれと平行する駆動側回転軸において互いに噛み合い可能な従動ギヤおよび駆動ギヤが少なくとも2組以上設けられて各組間で相互に噛み合い状態が選択される構成を対象とした場合に従動ギヤと回転軸とがワンウェイクラッチを介してリバースローラがシート状媒体を押し戻す方向に回転した際に結合状態を設定されるので、リバースローラと一体の回転軸側がシート状媒体を押し戻す方向に回転した場合には従動ギヤが回転軸と非結合状態とされる。これにより、従動ギヤと駆動ギヤとの噛み合いが解除できることになり、従動ギヤによるリバースローラ側の回転拘束状態が解除されて、リバースローラ自身による回転が行え、ニップ部からのシート状媒体の取り出しあるいは補給の際にリバースローラをその要求に沿った方向に回転させることが可能となる。
【0063】
請求項2記載の発明によれば、リバースローラの当接が開始されてリバースローラからの初期圧力が作用する際にフィードローラがシート状媒体を押し戻す方向に回転するので、シート状媒体の繰り出しが行われる時点にワンウェイクラッチを介した回転軸と従動ギヤとの結合状態が解除され、請求項1記載の発明による作用と同様に、リバースローラ自身による回転が行え、ニップ部に向けた用紙の補給が可能となる。しかも、フィードローラはシート状媒体を繰り出す部材であるので、一旦シート状媒体を押し戻す方向に回転した後、そのシート状媒体を繰り出す方向に回転することになり、リバースローラの当接と相俟ってシート状媒体の重送および不送りを防止することが可能となる。
【0064】
請求項3記載の発明によれば、フィードローラが重送状態にあるシート状媒体を分離して一枚分離した後若しくは給紙作業が終了して上記リバースローラからの加圧圧力を解除される画像形成終了時の少なくともいずれか一方の時期にシート状媒体を押し戻す方向に回転することができるので、シート状媒体の分離後にリバースローラ自身による回転を可能にすることができ、これにより、ジャムを生じた場合のシート状媒体の取り出しが可能となる。
【0065】
請求項4記載の発明によれば、ワンウェイクラッチが回転軸の軸方向の位置を変更可能であるので、ワンウェイクラッチと共に従動ギヤの位置も変更することができ、これにより、片持ち梁状に支持されている回転軸上で発生するモーメントを変化させて従動ギヤからフィードローラへの加圧圧力、換言すれば、ニップ圧力を変化させてシート状媒体の分離機能を向上させることが可能となる。
【0066】
請求項5記載の発明によれば、シート状媒体の繰り出し位置で重送状態および不送り状態を解消するフィードローラとリバースローラとの間の加圧圧力、換言すればニップ圧力を変化させることによりシート状媒体の分離機能を向上できると共にリバースローラの回転を拘束しないようにできることによりニップ部にジャムが発生した場合のシート状媒体の取り出しあるいは補給を容易に行うことが可能となる。
【0067】
請求項6記載の発明によれば、画像形成開始時あるいは画像形成終了時にフィードローラがシート状媒体を押し戻す方向に回転できるようになっているので、請求項1記載の発明における作用と同様に、リバースローラ自身による回転が可能となり、ジャムを生じているシート状媒体の取り出しや補給が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による給送装置を適用する画像形成装置の一例を示す模式図である。
【図2】本発明の実施形態におけるシート状媒体の給送装置の要部正面図である。
【図3】駆動ギヤと従動ギヤの組数と位置関係を示す概要平面図である。
【図4】駆動ギヤの歯形状を示す図であり、(A)は支点側駆動ギヤを、(B)はリバースローラ側駆動ギヤを示している。
【図5】駆動ギヤのON・OFF状態を説明するためのタイミングチャートである。
【図6】駆動ギヤの歯部分の形状を示す要部正面図ある。
【図7】従動ギヤとこれが設けられている回転軸との設置関係を説明するために回転軸の軸方向と直角な方向から見た模式図である。
【図8】図7に示した回転軸に有するリバースローラに対するフィードローラの回転方向での連動関係を示す模式図である。
【図9】本発明の実施形態における別例による回転軸と従動ギヤとの設置構造を説明するための模式図である。
【図10】FRR方式の給紙装置の要部正面図である。
【図11】FRR方式の給紙装置におけるリバースローラ回転軸を中心とした力関係図である。
【図12】FRR方式の給紙装置における支点を中心とした力関係図である。
【符号の説明】
1 画像形成装置の一つであるプリンタ
12 フィードローラ
13 リバースローラ
13A 回転軸
20 従動ギヤの一つである支点側従動ギヤ
21 従動ギヤの他の一つであるリバースローラ側ギヤ
23 駆動ギヤの一つである支点側駆動ギヤ
24 駆動ギヤの他の一つであるリバースローラ側駆動ギヤ
26 ワンウェイクラッチ
27 ストッパ

Claims (6)

  1. 積載部から繰り出されるシート状媒体を給送する方向に回転可能なフィードローラと、該フィードローラに対向当接可能でかつトルクリミッタを介して正逆回転可能あって重送状態にある上記シート状媒体のうちで最上位以外のシート状媒体を上記積載部に向け押し戻すことができる正逆回転可能なリバースローラとを備え、上記フィードローラと上記シート状媒体との間の摩擦力と上記リバースローラと上記シート状媒体との間の摩擦力と上記シート状媒体同士間での摩擦力との相対関係により上記積載部に積載されているシート状媒体のうちで一枚のシート状媒体のみを繰り出し可能な給送装置において、
    上記リバースローラが設けられている回転軸およびこれと平行する駆動側回転軸には、互いに噛み合い可能な従動ギヤおよび駆動ギヤが軸方向に沿ってそれぞれ少なくとも2組以上設けられ、それら各組間で相互に噛み合い状態が選択されることにより上記回転軸への回転力の伝達が可能な構成と、
    上記従動ギヤとこれが設けられている回転軸との間にワンウェイクラッチを備え、上記従動ギヤと上記回転軸とは、上記シート状媒体を上記積載部に向けて押し戻す方向の回転が上記リバースローラに設定された場合に上記ワンウェイクラッチを介して結合状態とされる構成とを備えていることを特徴とする給送装置。
  2. 積載部から繰り出されるシート状媒体を給送する方向に回転可能なフィードローラと、該フィードローラに対向当接可能でかつトルクリミッタを介して正逆回転可能あって重送状態にある上記シート状媒体のうちで最上位以外のシート状媒体を上記積載部に向け押し戻すことができる正逆回転可能なリバースローラとを備え、上記フィードローラと上記シート状媒体との間の摩擦力と上記リバースローラと上記シート状媒体との間の摩擦力と上記シート状媒体同士間での摩擦力との相対関係により上記積載部に積載されているシート状媒体のうちで一枚のシート状媒体のみを繰り出し可能な給送装置において、
    上記リバースローラが設けられている回転軸およびこれと平行する駆動側回転軸には、互いに噛み合い可能な従動ギヤおよび駆動ギヤが軸方向に沿ってそれぞれ少なくとも2組以上設けられ、それら各組間で相互に噛み合い状態が選択されることにより上記回転軸への回転力の伝達が可能な構成と、
    上記従動ギヤとこれが設けられている回転軸との間にワンウェイクラッチを備え、上記従動ギヤと上記回転軸とは、上記シート状媒体を上記積載部に向けて押し戻す方向の回転が上記リバースローラに設定された場合に上記ワンウェイクラッチを介して結合状態とされる構成とを備え、
    上記フィードローラに対して加圧圧力が作用し始める画像形成開始時おいて上記フィードローラは、上記シート状媒体を積載部に押し戻すことができる方向の回転方向が設定される構成であることを特徴とする給送装置。
  3. 積載部から繰り出されるシート状媒体を給送する方向に回転可能なフィードローラと、該フィードローラに対向当接可能でかつトルクリミッタを介して正逆回転可能あって重送状態にある上記シート状媒体のうちで最上位以外のシート状媒体を上記積載部に向け押し戻すことができる正逆回転可能なリバースローラとを備え、上記フィードローラと上記シート状媒体との間の摩擦力と上記リバースローラと上記シート状媒体との間の摩擦力と上記シート状媒体同士間での摩擦力との相対関係により上記積載部に積載されているシート状媒体のうちで一枚のシート状媒体のみを繰り出し可能な給送装置において、
    上記リバースローラが設けられている回転軸およびこれと平行する駆動側回転軸には、互いに噛み合い可能な従動ギヤおよび駆動ギヤが軸方向に沿ってそれぞれ少なくとも2組以上設けられ、それら各組間で相互に噛み合い状態が選択されることにより上記回転軸への回転力の伝達が可能な構成と、
    上記従動ギヤとこれが設けられている回転軸との間にワンウェイクラッチを備え、上記従動ギヤと上記回転軸とは、上記シート状媒体を上記積載部に向けて押し戻す方向の回転が上記リバースローラに設定された場合に上記ワンウェイクラッチを介して結合状態とされる構成とを備え、
    上記フィードローラは、上記リバースローラとの協働により重送状態にある上記シート状媒体を一枚分離した後若しくは給紙作業が終了して上記リバースローラからの加圧圧力を解除される画像形成終了時の少なくともいずれか一方の時期に上記シート状媒体を上記積載部に向けて押し戻す方向の回転方向が設定される構成であることを特徴とする給送装置。
  4. 請求項1乃至3のうちの一つに記載の給送装置において、
    上記ワンウェイクラッチは、上記回転軸の軸方向で変位可能に設けられ、該回転軸の軸方向で上記従動ギヤの設置位置を変更可能であることを特徴とする給送装置。
  5. 請求項1乃至4のうちの一つに記載の給送装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項2または3記載の給送装置を用いる画像形成装置において、
    上記フィードローラは、シート状媒体の給送が開始される画像形成開始時点若しくはシート状媒体の給送が終了する画像形成終了時点に回転方向を上記シート状媒体を積載部に向けて押し戻す方向に設定されることを特徴とする画像形成装置。
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