JP3855103B2 - 口腔用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、口腔用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯牙の着色は、ステインと呼ばれる色素沈着物が歯牙へ沈着することにより生じ、審美上の大きな問題である。ステインは、茶などに含まれるタンニン系物質、鉄などの金属イオン、クロルヘキシジンなどのカチオン性殺菌剤などが原因で起こると考えられている。
【0003】
ステインを除去するための手段として、研磨剤が配合されている歯磨剤等の口腔用組成物を歯ブラシなどの用具を介して口に含み、刷掃するという方法が一般的に用いられている。主に研磨力によってステインが除去されるので、高い研磨力を有する研磨剤を用いるほうがより高いステイン除去効果があるといわれている。
【0004】
しかしながら、高い研磨力を有する口腔用組成物を用いることにより歯牙、特に歯牙の象牙質を必要以上に摩耗してしまう恐れが生じる。このため、適度な研磨力を有しながらステイン除去力の高い口腔用組成物、即ち、研磨力に対してステイン除去力の割合が高い口腔用組成物の開発が望まれている。
【0005】
特表平11-504918、特表平11-504919、特表平11-504920、特表平10-506629、特開2000-3555828、特開平10-316547、特表平10-511684、特表平10-50093、特表2000-505416、特開平8-165108、特許第2514157号、特開2000-119148、特開平6-239722などにより、研磨力に対するステイン除去力の割合を改良した研磨剤を配合した歯磨が提案されている。これらの文献では、主に研磨剤を改良することによって、研磨力に対するステイン除去力の割合を改良している。
【0006】
したがって、これらの文献に記載の歯磨きは、特殊な研磨剤を使用する必要があるので、研磨剤の種類が限定されてるという問題点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術の問題点を鑑みなされたものであって、研磨力に対するステイン除去力の割合が高い口腔用組成物を提供することを主な目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、課題を解決すべく鋭意研究を進めた結果、特定の平均粒径を有する結晶セルロースおよび研磨剤を口腔用組成物に配合すると、研磨力に対するステイン除去力の割合が非常に高くなることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
結晶セルロースを口腔用組成物に配合することは、公知である。例えば、特開平9−40537、特開平11−246377、特開平11−199455、特開平11−199456特開平11−246377には、平均粒径が10μm以上の結晶セルロースを配合した口腔用組成物が開示されている。
【0010】
上記のような平均粒径を有する結晶セルロースを配合した口腔組成物は、研磨力に対するステイン除去力の割合は低い。
【0011】
また、特開平5-58861号公報には、「積算体積50%の粒径が0.3〜6μmであり、かつ3μm以下の粒子の積算体積割合が25%以上の微粒化結晶セルロース素材の水性懸濁液を配合してなることを特徴とする歯磨組成物」が、開示されている。
【0012】
上記公報には、研磨剤の代表的な配合量として、40〜60重量%が記載されており、例えば、実施例1として、リン酸水素カルシウム・2水和物を40重量%配合する歯磨組成物が記載されている。上記公報に記載の組成物は、研磨力に対するステイン除去力の割合が低い。
【0013】
本発明は、以下の口腔用組成物を提供するものである。
1.研磨剤及び平均粒径10μm以下の結晶セルロースを含み、研磨剤の配合量が35重量%以下である口腔用組成物。
2.結晶セルロースの配合量が0.5重量%以上5重量%以下である上記1に記載の口腔用組成物。
3.結晶セルロースの平均粒径が、2μm以上6μm以下である上記1または2に記載の口腔用組成物。
4.フッ素化合物を配合した上記1〜3のいずれかに記載の口腔用組成物。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の口腔用組成物は、研磨剤及び平均粒径10μm以下程度の結晶セルロースを配合する。
【0015】
本発明において用いる結晶セルロースの平均粒径は、通常10μm以下程度であり、好ましくは2〜6μm程度である。このような粒径の結晶セルロースを用いることにより、本発明の効果を得ることができる。なお、本発明における平均粒径とは、粒子全体の体積に対して、積算体積が50%となるときの値である。粒径の測定は、結晶セルロースを蒸留水中に分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定する。
【0016】
結晶セルロース自身は、単独で研磨力やステイン除去力をほとんど有していない。水などの液体に分散された結晶セルロースは、3次元の複雑な網目構造をとると考えられている。この3次元構造の網目に研磨剤が入り込むことによって、研磨剤と歯牙との接触効率が高まり、本発明の効果が発揮されると考えられる。
【0017】
結晶セルロースの配合量は、本発明の効果を奏する限り特に制限されないが、組成物全体に対して、通常0.5重量%以上5重量%以下程度であり、好ましくは1.5重量%以上4.5重量%以下程度である。上記範囲とすることによって、より確実に本発明の効果が得られる。
【0018】
本発明の組成物を製造する際には、結晶セルロースは、粉体として配合しても、水、低級アルコール、高級アルコールなどの液体に分散させた分散液として配合してもよい。低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノールなどを例示することができ、高級アルコールとしては、グリセリン、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどを例示することができる。製造する際には、水、低級アルコール、高級アルコールなどの液体に分散させた分散液を用いるのが好ましい。分散液中の結晶セルロースの量は、特に制限されないが、通常5〜15重量%程度である。本発明の組成物を製造する際には、結晶セルロースが5〜15重量程度含まれ、クリーム状である分散液を用いるのが好ましい。
【0019】
本発明において用いる研磨剤は、特に制限されず、口腔用組成物に一般的に使われるものを使用することが可能である。研磨剤としては、例えば、研磨性沈降シリカ、研磨性ゲルシリカなどの研磨性シリカ、リン酸水素カルシウム・2水和物および無水和物、リン酸カルシウム、第3リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、軽石(パミス)、不溶性メタリン酸ナトリウム、第3リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、ポリメタクリル酸メチル、ベントナイト、ケイ酸ジルコニウム、ハイドロキシアパタイト、合成樹脂などを例示することができる。研磨剤としては、研磨性シリカ、リン酸水素カルシウム・2水和物および無水和物、炭酸カルシウム、ピロリン酸カルシウム、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、ハイドロキシアパタイトが好ましく、研磨性シリカ、リン酸水素カルシウム・2水和物および無水和物、酸化アルミニウムがより好ましく、研磨性シリカが最も好ましい。研磨剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0020】
研磨剤の配合量は、組成物全体に対して、通常35重量%以下程度であり、10重量%以上25重量%以下程度が好ましい。本発明の組成物には、研磨性シリカを10重量%以上25重量%以下程度配合することが特に好ましい。
【0021】
本発明の組成物における結晶セルロースに対する研磨剤の重量比は、特に制限されないが、通常1:1〜8程度、好ましくは1:2〜8程度である。
【0022】
本発明の組成物には、更にフッ素化合物を配合させるのが好ましい。フッ素化合物としては、例えば、モノフルオロリン酸ナトリウム、モノフルオロリン酸カリウムなどのアルカリ金属モノフルオロホスフェート;フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化アンモニウム、フッ化第一スズなどのフッ化物などを例示することができる。フッ素化合物としては、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化ナトリウム、フッ化第一スズが好ましい。フッ素化合物は、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。フッ素化合物の配合量は、組成物全体に対して、フッ素として50ppm〜10000ppm程度、100ppm〜5000ppm程度がより好ましい。フッ素化合物を配合することによって、象牙の耐酸性を向上することができ、歯質を強化することができる。
【0023】
本発明の組成物は、高分子粘結剤を配合するのが好ましい。高分子粘結剤として、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどのカルボキシメチルセルロース塩;カルボキシエチルセルロースナトリウムなどのカルボキシエチルセルロース塩;ヒドロキシエチルセルロース、塩化0-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;アルギン酸ナトリウムなどのアルカリ金属アルギネート;アルギン酸プロピレングリコールエステル、キサンタンガム、トラガカントガム、カラヤガム、アラビアガム、カラギーナンなどのガム類;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドンなどの合成粘結剤などを例示することができる。これらの中では、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、塩化0-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、カラギーナン、ポリアクリル酸ナトリウムが好ましい。粘結剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。粘結剤の配合量は、組成物全体に対して、通常0.1〜3重量%程度、好ましくは0.2〜1.5重量%程度であり、より好ましくは0.3〜1重量%程度である。高分子粘結剤を配合することによって、長期保存安定性をより向上することができる。
【0024】
本発明の組成物には、更に、化学的にステインを除去できる成分(以下「ステイン除去成分」ということがある)を配合するのが好ましい。このような成分を配合することによって、本発明の効果をより高くすることができる。ステイン除去成分として、例えば一般式(1)または(2)で示される水溶性縮合リン酸塩;一般式(3)で示されるスルホコハク酸系界面活性剤;パパイン等のタンパク質分解酵素;過酸化尿素、過酸化カルシウムなどの過酸化物などがあげられる。ステイン除去成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ステイン除去成分の配合量は、特に制限されないが、組成物全体に対して、通常0.1〜10重量%程度、好ましくは0.2〜8重量%程度である。
一般式(1):
Mn+2PnO3n+1
[式中、Mは、NaまたはKを示し、nは2以上の整数である。]
一般式(2):
(MPO3)m
[式中、Mは、NaまたはKを示し、mは3以上の整数である。]
【0025】
【化1】
【0026】
[式中、R1は炭素数8〜22程度のアルキル基またはアルケニル基、AOは炭素数2〜3程度のオキシアルキレン基、平均付加モル数lは0〜20程度、M1およびM2は、それぞれ同一または異なり、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたはアルカノールアミンを表す。]
nは、通常2以上の整数であり、好ましくは2〜6程度の整数である。mは、通常3以上の整数であり、好ましくは3〜6程度の整数である。
【0027】
式(1)で示される化合物の具体例として、例えばピロリン酸ナトリウムなどを例示することができる。
【0028】
式(3)で示される化合物の具体例として、例えば、ポリオキシエチレン(2モル)アルキル(12〜14)スルホコハク酸・2ナトリウムなどを例示することができる。
【0029】
R1は、通常天然由来または合成した炭素数8〜22程度の直鎖または分枝状アルキル基または炭素数8〜22程度の直鎖または分枝状アルケニル基である。R1で示されるアルキル基およびアルケニル基の炭素数は、通常8〜22程度であり、好ましくは10〜16程度であり、より好ましくは12〜14程度であり、R1がラウリル基である化合物とミリスチル基である化合物との混合物が特に好ましい。
【0030】
AOは、炭素数2〜3程度のオキシアルキレン基であり、オキシエチレン基が好ましい。AOの平均付加モル数lは、0〜20程度であり、好ましくは0〜7程度である。なお、lが0場合、式(3)は、オキシアルキレン基を付加していないスルホコハク酸モノエステルを示す。
【0031】
M1およびM2は、それぞれ同一または相異なり、水素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムまたはアルカノールアミンを示す。アルカリ金属としては、Na, Kなどが好ましい。アルカリ土類金属としては、Mgが好ましい。アルカノールアミンとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを例示できる。M1およびM2としては、ナトリウムおよびマグネシウムが最も好ましい。
【0032】
本発明の組成物は、特定の平均粒子系を有する結晶セルロースおよび研磨剤を必須とする点以外は、常法に従って製造することができる。
【0033】
本発明の口腔用組成物は、常法に従って、練歯磨、プロフィーペースト、ジェル、パスタ、チューイングガム、タブレットなどの剤形とすることができる。使用性の点から歯磨剤およびプロフィーペーストが、特に好ましい。
【0034】
本発明の組成物は、上記研磨剤、結晶セルロース、必要に応じて、フッ化水素化合物、高分子粘結剤およびステイン除去成分を含んでおり、更に、水、低級アルコール、高級アルコール、当該分野において通常使用される添加剤を剤形などに応じて適宜配合することができる。このような添加剤としては、例えば、附形剤、pH調整剤、発泡剤、界面活性剤、湿潤剤、甘味剤、香料、防腐剤、着色剤、各種の有効成分などを例示できる。添加剤の配合量は、発明の効果を損なわない範囲であれば、特に制限されず適宜設定することができる。
【0035】
水の配合量は、剤形などに応じて適宜設定することができるが、組成物全体に対して、通常0〜60重量%程度、好ましくは10〜50%程度である。低級アルコールの配合量は、組成物全体に対して、通常0〜10重量%程度、好ましくは0〜5%程度である。高級アルコールの配合量は、組成物全体に対して、通常0〜50重量%程度、好ましくは0〜30%程度である。
【0036】
発泡剤としては、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ミリスチル硫酸ナトリウム等のアルキル基の炭素数が8〜18程度の高級アルキル硫酸エステル塩;N−長鎖アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホネート塩、高級脂肪酸ナトリウムモノグリセライドモノサルフェート、N−メチル−N−パルミトイルタウライド塩、N−アシルサルコシンナトリウム、N−アシルグルタミン酸塩、N−メチル−N−アシルタウリンナトリウム、N−メチル−N−アシルアラニンナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン界面活性剤などを例示することができる。これらの発泡剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。発泡剤の配合量は、組成物全体に対して、通常0.001〜5重量%程度であり、好ましくは0.01〜2重量%程度である。
【0037】
また、前記アニオン界面活性剤以外にも一般的に口腔用組成物に用いられる界面活性剤を用いることができる。この様な界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート等のポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル等のポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ラウリン酸モノエタノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、ポリオキシエチレン高級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪酸エステルアルキルグリコシド(例えばアルキル鎖:C8〜C16程度)、ポリグリセリン脂肪酸エステル(例えば脂肪酸部分のアルキル鎖:C8〜C16程度)、ショ糖脂肪酸エステル(例えば脂肪酸部分のアルキル鎖:C8〜C16程度)等の非イオン性界面活性剤;N−アルキルジアミノエチルグリシン、アルキルベタイン、脂肪酸アミドプロピルベタイン(例えば脂肪酸部分のアルキル鎖:C8〜C16程度)、アルキルスルホベタイン、アルキルベタインイミダゾニウムベタインなどの両性界面活性剤;塩化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルジメチルアンモニウムなどのカチオン界面活性剤などを例示することができる。これらの中では、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、アルキルグリコシドが好ましい。
【0038】
一般式(3)で示されるスルホコハク酸系界面活性剤とアニオン界面活性剤を除いた界面活性剤の配合量は、組成物全体に対して、通常0.001〜5重量%程度であり、好ましくは0.01〜2重量%程度である。
【0039】
附形剤として、例えば、火成性シリカ、増粘性シリカ、上記以外の粒径の結晶セルロースを含む粉体状セルロースなどを例示することができる。これらの中では、火成性シリカ、増粘性シリカが好ましい。附形剤の配合量は、組成物全体に対して、通常0.1〜30重量%程度であり、好ましくは0.5〜10重量%程度である。本発明の組成物は、附形剤として、平均粒径10μm以下以外の粒径の結晶セルロースを含む粉体状セルロースを用いることもできるが、勿論、このような粉体状セルロースを含まない態様でもよい。
【0040】
香料として、例えば、メントール、カルボン、アネトール、バニリン、ベンジルサクシネート、オイゲノール、サリチル酸メチル、リモネン、オシメン、n−デシルアルコール、シトロネロール、α−テルピネオール、メチルアセテート、シトロネリルアセテート、メチルオイゲノール、シオネール、リナロール、エチルリナロール、ワニリン、チモール、タイム、ナツメグ、スペアミント油、ペパーミント油、スターアニス油、フェンネル油、レモン油、オレンジ油、セージ油、ローズマリー油、桂皮油、ピメント油、珪藻油、シソ油、冬緑油、丁子油、ユーカリ油、バジル油、ティーツリー油、タバナ油などが挙げられる。これら香料は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。香料の配合量は、組成物全体に対して、通常0.05〜10重量%程度、好ましくは0.1〜5重量%程度である。
【0041】
甘味剤として、例えば、サッカリン、サッカリンナトリウム、ステビアエキス、ステビオサイド、アセスルファームK、グリチルリチン、ペリラルチン、タウマチン、アスパルチルフェニルアラニンメチルエステル、キシリトール、パラチノース、パラチニット、エリスリトール、マルチトール、ネオヘスペリジルジヒドロカルコン、メトキシシンナミックアルデヒド、キシレットなどを例示することができる。甘味剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。甘味剤の配合量は、組成物全体に対して、通常0.01〜15重量%程度である。
【0042】
湿潤剤として、例えば、ソルビット、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ラクチット等を例示することができる。湿潤剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。湿潤剤の配合量は、組成物全体に対して、通常5〜70重量%程度である。
【0043】
pH調整剤としては、例えば、リン酸およびその塩(リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウムなど)、クエン酸およびその塩(ナトリウム等)、クエン酸およびその塩、リン酸およびその塩、リンゴ酸およびその塩、グルコン酸およびその塩、マレイン酸およびその塩、アスパラギン酸およびその塩、グルコン酸およびその塩、コハク酸およびその塩、グルクロン酸およびその塩、フマル酸およびその塩、グルタミン酸およびその塩、アジピン酸およびその塩、塩酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ケイ酸ナトリウムなどを例示することができる。pH調整剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。pH調整剤の配合量は、所望のpHとなる限り特に制限されないが、組成物全体に対して、通常0.01〜5重量%程度、好ましくは0.1〜3重量%程度である。本発明の組成物のpHは、本発明の効果が奏される限り特に制限されないが、通常4〜10程度であり、好ましくは5.5〜9程度である。
【0044】
防腐剤としては、安息香酸ナトリウムなどの安息香酸塩;メチルパラベン、ブチルパラベンなどのパラベン類を例示することができる。防腐剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。防腐剤の配合量は、組成物全体に対して、通常0.01〜3重量%程度である。
【0045】
着色剤としては、例えば、青色1号、黄色4号、赤色202号、緑3号などの法定色素;群青、強化群青、紺青などの鉱物系色素;酸化チタンなどを例示することができる。着色剤は、単独で用いても2種以上を併用してもよい。着色剤の配合量は、組成物全体に対して、通常0.0001〜1重量%程度である。
【0046】
有効成分としては、例えば、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルピリジニウム等の第四級アンモニウム塩、塩酸クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジン、グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸アレキシジン、酢酸アレキシジン、グルコン酸アレキシジン等のビグアニド系殺菌剤等のカチオン性殺菌剤;n−ラウロイルサルコンシンナトリウムなどのアニオン性殺菌剤;トリクロサン、イソプロピルメチルフェノール等の非イオン性殺菌剤;デキストラナーゼ、アミラ−ゼ、ムタナーゼ、リゾチーム、溶菌酵素(リテックエンザイム)などのプロテアーゼ以外の酵素;酸化亜鉛、塩化亜鉛などの亜鉛化合物;酢酸トコフェノールなどのビタミンE誘導体;トラネキサム酸、イプシロンアミノカプロン酸、アルミニウムクロルヒドロキシルアラントイン、ジヒドロコレステロール、グリチルリチン塩類、グリチルレチン酸、グリセロホスフェート、クロロフィル、硝酸カリウム、塩化ナトリウム、カロペプタイドなどを例示することができる。これらの有効成分は、単独で用いても併用してもよい。
【0047】
有効成分の配合量は、所望の効果が得られる範囲内であれば特に制限されず、有効成分の種類などに応じて適宜設定することができる。有効成分の配合量は、組成物全体に対して、通常0.001〜30重量%程度、好ましくは0.01〜20重量%程度である。
【0048】
カチオン界面活性剤およびクロルヘキシジンなどのカチオン性殺菌剤は、一般にステインの原因となることが知られている。本発明の組成物は、ステイン除去能力が高いので、カチオン性界面活性剤、カチオン性殺菌剤などを配合しても、実質的にステインは生じない。
【0049】
【実施例】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。また、特に断らない限り、「%」は「重量%」を示す。
【0050】
以下の実施例または比較例では、以下に示す研磨性シリカを用いた。
研磨性シリカA:RDA値100の研磨性沈降シリカ
研磨性シリカB:RDA値50の研磨性沈降シリカ
研磨性シリカC:RDA値120の研磨性ゲルシリカ
なお、RDAとは、Radioactive Dentin Abrasionの略称であり、後述する方法を用いて、測定した値である。
【0051】
実施例1〜2および比較例1〜5
下記に示す成分を配合し、常法に従って練歯磨を調製し評価に用いた。
【0052】
【表1】
【0053】
評価法
▲1▼研磨力
Hefferenらの方法(J. Dent. Res., Vol. 55, No.4,563−573,1976年)によりRDA値を測定した。試験間のぶれを補正するために、比較例1の歯磨剤(研磨性シリカA20%配合、結晶セルロース無配合)のRDA値を1としたときの各歯磨剤の相対研磨力値を算出した。
▲2▼ステイン除去力
ステイン除去力は、Stookyらの方法(J. Dent. Res., Vol.61, No.11, 1236−1239,1982)を改変した方法で測定した。この値は、米国のIndiana University−Purdue UniversityのDr. Kleberの研究室に依頼することにより、測定することができる。試験間のぶれを補正するために、比較例1の歯磨剤(研磨性シリカA20%配合、結晶セルロース無配合)のステイン除去力を1としたときの、各歯磨剤の相対ステイン除去力値を算出した。
【0054】
相対ステイン除去力/相対研磨力の値が1.05以上であるものを合格とした。
【0055】
同様に、比較例として以下の歯磨剤について測定した結果を表Bに示す。比較例6〜9において用いた歯磨剤は、いずれも結晶セルロースが配合されていない。
【0056】
比較例6:市販タバコ歯磨剤(無水リン酸カルシウム配合)
比較例7:市販美白歯磨剤(無水リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト配合)
比較例8:市販歯垢除去歯磨剤(研磨性シリカ配合)
比較例9:市販歯周病予防歯磨剤(リン酸水素カルシウム2水和物配合)
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】
表Aおよび表Bに示すように、研磨剤及び平均粒径10μm以下の結晶セルロースを配合した歯磨剤は、研磨力に対するステイン清掃力の割合が高い歯磨剤であることが示された。
【0060】
実施例3
次の処方により、常法に従って練歯磨を調製した。結晶セルロースAは、該当結晶セルロースが10%配合された水分散液を必要量配合した。
【0061】
【表4】
【0062】
実施例4
次の処方により、常法に従って練歯磨を調製した。結晶セルロースAは、該当結晶セルロースが10%配合された水分散液を必要量配合した。
【0063】
【表5】
【0064】
実施例5
次の処方により、常法に従って練歯磨を調製した。結晶セルロースAは、該当結晶セルロースが10%配合された水分散液を必要量配合した。
【0065】
【表6】
【0066】
実施例6
次の処方により、常法に従って練歯磨を調製した。結晶セルロースAは、該当結晶セルロースが10%配合された水分散液を必要量配合した。
【0067】
【表7】
【0068】
実施例7
次の処方により、常法に従って練歯磨を調製した。結晶セルロースEは、該当結晶セルロースが7%配合された水分散液を必要量配合した。
【0069】
【表8】
【0070】
実施例8
次の処方により、常法に従って歯科用プロフィーペーストを調製した。結晶セルロースAは、該当結晶セルロースが10%配合された水分散液を必要量配合した。
【0071】
【表9】
【0072】
実施例3〜8において製造した口腔用組成物も、研磨力に対するステイン除去力の割合が高かった。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、研磨力に対するステイン除去力の割合が高い口腔用組成物が提供できる。
【0074】
本発明の口腔用組成物は、長期間安定に保存することができる。
Claims (6)
- 研磨剤及び平均粒径10μm未満の結晶セルロースを含み、研磨剤の配合量が10〜35重量%である口腔用組成物(ただし、第二リン酸カルシウムを20.0重量%含有する口腔用組成物を除く)。
- 研磨剤、フッ素化合物及び平均粒径10μm未満の結晶セルロースを含み、研磨剤の配合量が10〜35重量%であり、フッ素化合物の配合量がフッ素として5000ppm以下である口腔用組成物。
- 研磨剤及び平均粒径10μm未満の結晶セルロースを含み、研磨剤の配合量が10〜35重量%である口腔用組成物(ただし、ペルーレジノイドを0.08重量%含有する口腔用組成物を除く)。
- 結晶セルロースの配合量が0.5重量%以上5重量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の口腔用組成物。
- 結晶セルロースの平均粒径が、8μm以下である請求項1〜4のいずれかに記載の口腔用組成物。
- 更に、フッ素化合物を配合した請求項1,3,4又は5に記載の口腔用組成物。
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