JP3855064B2 - 超音速航空機の胴体形状の決定方法および胴体前胴部形状 - Google Patents

超音速航空機の胴体形状の決定方法および胴体前胴部形状 Download PDF

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Description

本発明は、超音速航空機の造波抗力を増加することなくソニックブームを抑制する胴体形状の決定方法および胴体前胴部形状に関する。
一般に超音速航空機は経済性と環境適合性の要件を満たすために、衝撃波に起因する造波抗力を低減し、地上の人や動物あるいは建物といった構造物に及ぼす音響現象であるソニックブームを抑制することが求められる。
超音速飛行する物体で造波抗力最小の形状として図12に示すようなシアーズハーク(Sears-Haack)体と呼ばれる長さ位置に対する断面積分布が前後対称となる軸対称物体形状(非特許文献1:Sears,1947)が知られており、超音速航空機の造波抗力を低減するには航空機を飛行マッハ数で決定されるマッハ平面(法線ベクトルを機体軸に対して角度μ=sin-1(1/M)傾けた平面)で切断した断面積の機体軸方向への投影面積の周平均である相当回転体の断面積分布をこのシアーズハーク体の断面積分布と等しくすればよいとされ、そのような航空機の設計手法はエリアルール設計と呼ばれている。
ソニックブームの低減法は長年に亘って研究されており、最も有力な方法は機体形状を工夫することにより衝撃波の発生パターンを変化させ、地上でのソニックブーム強度を低減しようとするものである。通常超音速機の機体各部から発生する衝撃波は、大気中を伝播してゆく過程で圧力変動の大きな波はより速く大気中を伝播するという現象を伴い機首と機尾の2つの強い衝撃波に統合され、地上において2度の大きな圧力上昇を伴うN型の圧力波として観測される。超音速航空機によって発生伝播される衝撃波は図13の左下に示されるように円錐形態で伝播し地上に到達する。その際のN型波形は図13の左上に示すように機首部による大気圧から一気に高圧となる衝撃波と徐々に減圧され機尾部によって低圧から一気に大気圧に戻る衝撃波からなる。因みに超音速旅客機の代表であるコンコルドのソニックブームは2〜3psfの強度で、近くの落雷に相当する程の音であると言われている。
ソニックブームによる騒音問題で陸地上空での超音速飛行は制限されるため超音速旅客機実用化の課題となっている。前記のソニックブーム低減法は機体形状を修正して衝撃波の統合を抑えることにより通常のN型でない低ソニックブーム圧力波形を形成するものである。ジョージとシーバスは近傍場理論に基づき後端波も含めたブーム最小化を提案し、図13の右上に示す「最小過剰圧の波形」と図13の右下に示す「最小衝撃の波形」の2種類の圧力波形について研究し、非特許文献2において、低ソニックブーム圧力波形を形成する航空機の断面積分布と揚力分布から求められる等価断面積分布の和に着目する理論を示した。これは機体が大気に圧力変化をもたらす要因の一つは胴体の形状であり、第2の要因は翼が受ける揚力の反作用であることに着目すると共に、この揚力の反作用は下向きの方向性を有するものであるが、これを胴体と同様に全方位に及ぶものとして等価断面積というものを想定し、この航空機の断面積分布と揚力分布から求められる等価断面積分布の和が所定の分布を示すとき低ソニックブームを実現できるという理論を示した。しかし、これらの等価断面積分布を有する形状を逆算して求めると、機首形状は機体抗力の大きな鈍頭になってしまう。その後、ダーデンは非特許文献3においてジョージとシーバスの断面積分布を用いてこの機首部に起因する機体抗力を低減させる手法とプログラムを提示した。
衝撃波にはそれによる圧力上昇の大きな波ほど速く空気中を伝播する性質があるため、衝撃波の統合を抑えるためには、機首形状を鈍頭にすることにより強い衝撃波を発生させ、その後方の衝撃波を弱めることが有効である。しかしながら、このような鈍頭機首形状は造波抗力を最小するための前記のエリアルール設計を満たすことができず、造波抗力の増加が避けられない。前述したジョージとシーバスの示した低ソニックブーム圧力波形を形成する航空機の等価断面積分布も機首が鈍頭となることを示しており、ダーデンによる機首形状の鈍頭度を緩和する設計法は、ソニックブーム強度を少し増加させるだけで造波抗力を低減することができるが、図14に示すようにソニックブームと造波抗力とはトレードオフの関係にあり、機体形状を変更することによりそのどちらかあるいは両者の効果を悪化させてしまう。このように、前記エリアルール設計と低ソニックブーム設計を両立させる理想的な航空機形状は未だ見つけられていなかった。
このような状況の下で本発明者グループは、造波抗力を増加させることなくソニックブームを低減する超音速航空機の胴体形状の決定方法を開発することを目指して研究を進めてきた。ソニックブームは機体下方向へ伝わる衝撃波であるから、機体の上面形状はソニックブーム強度には影響を与えないと想定し、低ソニックブーム機体の胴体上面形状を低抗力胴体形状に置き換えることにより、造波抗力の増加を押さえる対策を試みた。図15の右に従来の低抗力胴体の機体モデルを、左上に従来の低ソニックブーム胴体の機体モデルを示し、そして、左下に本発明者グループが提案した低抗力/低ブームの胴体の機体モデルを示す。すなわち、機体前方から見た図からよく分かるように従来の低抗力機体モデルの胴体は細く、従来の低ソニックブーム機体モデルの胴体は太めに、そして本発明者グループが提案した低抗力/低ブーム機体モデルの胴体は上下面形状を全く異なる形状を組み合わせている。すなわち、上半分は従来の低抗力胴体の機体モデルを採用し、胴体の下半分には従来の低ソニックブーム胴体の機体モデルを採用して組み合わせた機体形状としている。
本発明者グループは従来の低抗力胴体の機体モデル、従来の低ソニックブーム胴体の機体モデル、そして、本発明者グループが提案した低抗力/低ブームの胴体の機体モデルの模型を製作し、風洞実験を行って種々の計測データを得た結果を非特許文献4に発表した。まず、図16に示したグラフは3つの機体の断面積分布比較であり、〇は機体断面積、□は揚力の等価断面積そして△はその和で、破線は理論最適分布である。この図から分かるように低抗力/低ブームの胴体の機体モデルは上面形状を低抗力形状に置き換えたため、断面積分布が従来の低ブーム理論の目標値からかなりずれてしまっている。
しかし、これらの機体モデルの模型による風洞実験を行って得た圧力波形計測の結果を見ると図17に示すような波形となっていた。これは風洞実験による測定値であるから遠方場における圧力測定では無く、近傍場における圧力測定に相当するものである。3つの機体の比較で見ると従来の低抗力胴体(jet80)は〇印のグラフであるが、機体先端部による圧力変化は比較的小さいが機体中央部分による大きな圧力変動があり、△印のグラフである従来の低ソニックブーム胴体の機体モデルと、◇印のグラフである本発明者グループが提案した低抗力/低ブームの胴体の機体モデルの結果は大きな差が無く、機体先端部による圧力変化は比較的大きくなっていて機体中央部分にも大きな圧力変動があるもののその大きさは従来の低抗力胴体のものに比べ遙かに小さくなっている。従来の低抗力胴体のものの機体中央部分による大きな圧力変動は波となって大気中を伝播する過程で先頭の比較的小さな圧力変動の波と合成されて大きな圧力変動を地上に及ぼすことになる。これに対し、従来の低ソニックブーム胴体の機体モデルと、本発明者グループが提案した低抗力/低ブームの胴体の機体モデルによる圧力波形では比較的大きな機体先端部による圧力変化はそれなりに速く大気中を伝播し、つづく機体中央部分による大きな圧力変動がそれに重なることがないためソニックブーム強度が大きくなることがないものである。これにより、本発明者グループが提案した低抗力/低ブームの胴体の機体モデルは低ソニックブームを実現していることが分かる。また、機体にかかる軸方向の力を計測したところ、結果は図18に示すグラフのデータが得られた。縦軸は抗力C、横軸は揚力の無次元係数Cである。●は従来の低ブームの機体モデルのデータであり、〇は従来の低抗力の機体モデルデータであり、◇が本発明者グループが提案した低抗力/低ブームの胴体の機体モデルのデータである。このグラフから明らかなように従来の低抗力の機体モデルとほぼ同じ低抗力化が実現されている。
以上の実験結果から、機体の上面形状は機体下方でのソニックブーム強度に影響を与えないとの予測にたって、造波抗力の低減を図るべく機体の上面形状をエリアルール胴体に置き換えた機体モデルがそれなりに低抗力であってかつ低ソニックブームを実現できることが実証できた。
Sears, W. R., "On Projectiles of Minimum Wave Drag."Quart. Appl. Math. Vol.14, 1947. Seebass,A.R. and George,A.R.,"Design and Operation of Aircraft to Minimize Their Sonic Boom." Journal of Aircraft, Vol.11, No.9, pp.509-517, 1974. Darden, C. M.," Sonic-Boom Minimization With Nose-Bluntness Relaxation." NASA TP-1348, 1979. Makino,Y et al.," Nonaxisymmetrical Fuselage Shape Modification for Drag Reduction of Low-Sonic-Boom Airplane." AIAA Journal, Vol. 41, No. 8, pp. 1413-1420, 2003.
本発明が解決しようとする課題は、機体の上面形状は機体下方でのソニックブーム強度に影響を与えないとの予測にたって、造波抗力の低減を図るべく機体の上面形状をエリアルール胴体に近づける機体モデルの設計指向が間違っていないとの知見に基づき、従来の低ブーム胴体の上面部分を単純に従来の低抗力胴体に置き換えただけの機体モデルではなく、胴体の上下面形状をトータルに修正して、造波抗力を増加させることなくしかもソニックブームを低減する究極の超音速航空機の胴体形状の決定方法を提示すると共に、そのような胴体前胴部形状を提供することにある。
本発明の超音速飛行する航空機の胴体形状決定方法は、胴体断面の左右対称面に垂直な方向の胴体幅が最大となる位置を境界とした胴体下面形状と胴体上面形状は異なる決め方をするものであって、前記胴体下面形状は、パネル法と波形パラメータ法を用いて推算された地上のソニックブーム圧力波形の圧力上昇量を最小化すべき目的関数として最適化により決定し、胴体上面形状は、パネル法を用いて推算された抗力を最小化すべき目的関数として最適化により決定するようにした。
また、本発明の航空機の胴体前胴部形状は、胴体断面の左右対称面に垂直な方向の胴体幅が最大となる位置を境界とした胴体下面形状は、推算された地上のソニックブーム圧力波形の圧力上昇量を最小化すべき目的関数として最適化により決定し、胴体上面形状は、造波抗力を最小化する様に決定する超音速飛行する航空機の胴体であって、前胴部、中胴部、後胴部で形成された胴体の前胴部の前半である機首部の上面形状は凹状の曲率を有し、機首部後方の前胴部形体は凸状となるようにし、胴体前胴部側面および下面形状は機首部で急激な凸部を有し、機首後方の前胴部は緩やかな凸状となるようにした。
本発明によれば、胴体の上面形状と下面形状とを異なる決定方法により設計する手法により、機首部下面で強い圧力ピークを形成することによりソニックブームを抑制する胴体下面形状と、機首後方の前胴部上面で緩やかな圧力上昇を生じるように機首の衝撃波を抑えて機体全体の造波抗力を低減する胴体上面形状を有する超音速航空機の胴体形状を決定することが可能である。
さらに本発明によれば、胴体の上面形状と下面形状とを異なる決定方法により設計する手法により効率的なエリアルール設計が可能となり、従来の軸対称胴体によるエリアルール胴体よりも造波抗力を低減することが可能である。
本発明によれば、上面形状と下面形状が異なる決定方法により設計された超音速機の胴体前胴部において、胴体下面の機首部で強い圧力ピークを形成することでソニックブームを抑制し、胴体上面機首部の衝撃波を抑えて機首後方前胴部で緩やかな圧力上昇とすることで造波抗力の増加を抑えることが可能である。
本発明は、機体の上面形状は機体下方でのソニックブーム強度に影響を与えないとの予測にたって、造波抗力の低減を図るべく機体の上面形状をエリアルール胴体に近づける機体モデルの設計手法を採用したものであって、ソニックブーム抑制に伴う造波抗力の増加を抑え、超音速航空機の経済性と環境適合性を両立させるものである。以下の記載は、当該分野の専門家が本発明を実施し利用できるようにするために説明するものであって、発明者が最良と考える本発明の実施形態を説明するものである。
図1、図2、図3に示す機体は、本発明に基づいて設計された超音速航空機の胴体を示したもので、図1はその斜視図、図2はその平面図と側面図と前方から見た図、そして、図3は軸方向位置に対応した断面形状を示したもので、マッハ1.8で巡航する超音速航空機を想定して設計された本発明の適用例である。ある主翼形状が与えられた時、胴体下面形状は地上でのソニックブーム強度を抑えるため機首部で強い圧力上昇が生じる様に決定する。具体的には、主翼と初期胴体形状で構成される機体形状に対してパネル法を適用し、飛行マッハ数における設計揚力時の全機抗力と、同条件下での機体直下における近傍場圧力波形を求め、機体近傍場圧力波形は波形パラメータ法を用いて大気の鉛直方向分布(温度、密度、大気圧)を考慮して地上に外挿し、地上圧力波形を推算する。得られた全機抗力と地上圧力波形の初期圧力上昇量とを最小化すべき目的関数として、それぞれ胴体上面形状と下面形状を最適化する。胴体上面形状に対して設計変数に微小変動を与えることにより形状を微かに修正してパネル法を適用し、全機抗力の変動を調べ、全機抗力が減少する様に形状修正を行う。同様に胴体下面形状に対して設計変数に微小変動を与えることにより形状を微かに修正してパネル法と波形パラメータ法を適用し、地上圧力波形の初期圧力上昇量の変動を調べ、初期圧力上昇量が減少する様に形状修正を行う。これらの過程を繰り返すことによりそれぞれの目的関数に対して最適な胴体上面形状及び下面形状を同時に決定する。結果として胴体下面形状は機首部が急激な凸状、機首後方の前胴部は緩やかな凸状となり、機首部の上面形状は凹状の曲率を有し、機首後方の前胴部が凸状の組み合わせとなる。本発明の適用例である翼胴結合体に対して、パネル法により機体近傍場圧力波形を求め、それを入力とした波形パラメータ法による地上圧力波形推算は、図4(斜視図)および図5(平面図と側面図と前方から見た図)の示すエリアルール設計された軸対称胴体の翼胴結合体と比べて、初期圧力上昇量が約30%低減されることを確認できた。また、同時に実施したパネル法による本発明適用例である翼胴結合体の抗力推算は、エリアルール設計された軸対称胴体の翼胴結合体と比べて、設計揚力での抗力が約4%低減されることを確認できた。本形態例では主翼形状はクランクアロー型の平面形状であり、また、エンジンナセルおよび尾翼が含まれていないが、本発明の効果は主翼形状の変更や、エンジンナセルや尾翼の追加があっても変わらない。
本発明の実施例を示す。本実施例は胴体断面の左右対称面に垂直な方向の胴体幅が最大となる位置を境界とした胴体下面形状と胴体上面形状は異なる決め方をするものであって、胴体先端から翼付け根までの胴体前胴部の上断面形状を半楕円とすると共に、下断面形状を前記上断面形状の側方半径と等しい半径の半円とするものである。図6に示すように胴体の軸方向長さをLとし、胴体先端から翼付け根まで(X=0〜L1)の胴体形状を次のようにして決める。但し、以下ではこの軸方向座標Xを無次元座標(x=X/L1)で表示し、図7に示すようにX=L1、すなわちx=1の位置における上面半楕円の長径をRu、短径をRslとし、下面半円の半径をRslとした。そして、その軸方向形状分布は5次のベジエ曲線で定義する。一般にn次のベジエ曲線はn+1個の制御点列P,…,Pから
Figure 0003855064
で定義される。(2)式はtの位置におけるi番形の基本関数形による基準半径分布を示し、式(1)はそのn+1個の和である。本発明では5次のベジエ曲線を用いて定義し、6つの係数の制御位置は、軸方向位置xを先端位置0乃至翼付け根位置1とする無次元座標で表現してx=0,x=0.2,x=0.4,x=0.6,x=0.8,x=1とし、
Figure 0003855064
ここで上記(3)式は0から1の範囲の任意のtに対応する位置xを示し、
Figure 0003855064
上記(4)式は0から1の範囲の任意のtに対して上記(3)で決まる位置xに対応する半径分布を示す。r〜rがベジエ曲線の係数であり、本実施例では上面のベジエ係数を0.0,0.035×Ru,0.39×Ru,0.93×Ru,1.0×Ru,1.0×Ru(図8A参照)とし、下面のベジエ係数を0.0,0.99×Rsl,0.45×Rsl,0.89×Rsl,0.89×Rsl,1.0×Rsl(図8B参照)として形状形成した。但し、本実施例では機体の軸方向長さをLとして Ru=0.0435×L,Rsl=0.0263×Lとする。
上記のベジエ係数は最適値として得たものであるが、±5%の幅をもたせて形状形成しても実際上低抗力、低ブームとしての要件を満たすものとなるので、設計値として採用できる。パラメータの範囲決めであるが、係数±5%とすると、形状誤差は図9,図10に示したようになる。上面形状について、係数×0.95のときベジエ曲線制御点の値は(0.O,O.033,0.371,0.884,0.950,0.950)となり、係数×1.05のときベジエ曲線制御点の値は(0.O,O.037,0.410,0.977,1.050,1.050)となる。また、側面および下面形状について、係数×1.05のときベジエ曲線制御点の値は(O.0,0.941,0.428,0.846,0.846,0.950)となり、係数×1.05のときベジエ曲線制御点の値は(0.O,1.040,0.473,0.935,0.935,1.050)となる。
この実施例の効果を確認するものとして図11に従来の低抗力型機体との比較データを示す。この結果は本発明においてパネル法と波形パラメータ法を用いて得たものである。まず上段に示すグラフは揚力の無次元係数Cに対する抗力Cのデータについて従来の低抗力型の機体と本発明の低抗力/低ブーム機体との比較データである。揚力の無次元係数Cとは揚力/(翼面積×動圧)であり、動圧は密度×(速度)/2である。このグラフは文献4で提示した機体について示した図18の力計測結果と同種のものであるが、縦軸と横軸が反転している違いがある。先の低抗力/低ブーム機体の値が従来の低抗力型の機体とほぼ同じであったのに対し、本発明の低抗力/低ブーム機体の値はCが0.1の位置において、より低抗力となっている点に注目される。
また、図11の下段に示したグラフは時間経過に対応する地上における圧力変動のデータについて従来の低抗力型の機体と本発明の低抗力/低ブーム機体との比較データである。この特性から見て先端ブームの値が従来の低抗力型の機体に比べて2/3程度低くなっている点と、それに続く鋸歯状の山がほぼ同じ高さに分割されている点で遠方場においても重畳現象が生じることはなく低ブームが実現されていることを示していると推定される。
本発明の低抗力/低ブーム型機体の斜視図である。 本発明の低抗力/低ブーム型機体の平面図、側面図そして前方から見た図である。 本発明の低抗力/低ブーム型機体の前胴部の断面を示す斜視図である。 エリアルール設計による従来機体の斜視図である。 エリアルール設計による従来機体の平面図、側面図そして前方から見た図である。 本発明の機体における軸方向機体長さと前胴部の長さを示す図である。 本発明の機体における胴体上面部と下面部の断面形状を示す図である。 本発明に係る1実施機体例の上面半径と下面半径の分布を決めるベジエ曲線とその際のベジエ曲線制御点を示すグラフである。 上面半径の分布の適正幅を示すベジエ曲線とその際のベジエ曲線制御点を示すグラフである。 側面および下面半径の分布の適正幅を示すベジエ曲線とその際のベジエ曲線制御点を示すグラフである。 抗力の無次元係数C/揚力の無次元係数C特性と圧力波形について本発明に係る1実施機体例と従来の低抗力型機体との比較を示すグラフである。 造波抗力が最小となるシアーズハーク体とその断面分布を示す図である。 ソニックブームの現象と低ブーム化を説明する図である。 低ソニックブームとエリアルール設計とのパラドックスを示す図である。 従来の低抗力型機体と従来の低ソニックブーム型機体と本発明者らが先に提示した低抗力/低ブーム型機体とを比較説明する図である。 図15に示す機体の等価断面積分布を示すグラフである。 図15に示す機体の圧力波形風洞計測比較データを示すグラフである。 図15に示す機体について風洞試験で得た抗力C/揚力の無次元係数C特性データの比較を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 胴体断面の左右対称面に垂直な方向の胴体幅が最大となる位置を境界とし胴体下面形状と胴体上面形状は異なる決め方をするものであって、前記胴体下面形状は、パネル法と波形パラメータ法を用いて推算された地上のソニックブーム圧力波形の圧力上昇量を最小化すべき目的関数として最適化し、胴体上面形状は、パネル法を用いて推算された造波抗力を最小化すべき目的関数として最適化するものとし、その最適化決定法は、胴体上面形状に対して設計変数に微小変動を与えることにより形状を微かに修正してパネル法を適用し、全機抗力の変動を調べ、全機抗力が減少する様に形状修正を行い、同様に胴体下面形状に対して設計変数に微小変動を与えることにより形状を微かに修正してパネル法と波形パラメータ法を適用し、地上圧力波形の初期圧力上昇量の変動を調べ、初期圧力上昇量が減少する様に形状修正を行い、これらの計算を繰り返し行うことを特徴とする超音速飛行する航空機の胴体形状決定方法。
  2. 胴体断面の左右対称面に垂直な方向の胴体幅が最大となる位置を境界とした胴体下面形状は、推算された地上のソニックブーム圧力波形の圧力上昇量を最小化すべき目的関数として最適化により決定し、胴体上面形状は、造波抗力を最小化する様に決定する超音速飛行する航空機の胴体であって、上面下面形状の繰り返し計算の結果、前胴部、中胴部、後胴部で形成された胴体の前胴部の前半である機首部の上面形状は先端から凹状の曲率を有し、機首部後方の前胴部形体は凸状となっており、胴体前胴部側面および下面形状は機首部で急激な凸部を有し、機首後方の前胴部は緩やかな凸状となっていることを特徴とする航空機の胴体前胴部形状。
  3. 胴体先端から翼付け根までの胴体前胴部の上断面形状を半楕円とすると共に、下断面形状を前記半楕円の短径と等しい半径の半円とし、軸方向分布を5次のベジエ曲線で定義し、5次のベジエ曲線を定義する6つの係数の制御位置は、軸方向位置xを先端位置0乃至翼付け根位置1とする無次元座標で表現してx=0,x=0.2,x=0.4,x=0.6,x=0.8,x=1とし、上面のベジエ係数を±5%の幅をもたせて0.0,0.035×Ru,0.39×Ru,0.93×Ru,1.0×Ru,1.0×Ruとし、下面のベジエ係数を±5%の幅をもたせて0.0,0.99×Rsl,0.45×Rsl,0.89×Rsl,0.89×Rsl,1.0×Rslとして形状形成した請求項2に記載の航空機の胴体前胴部形状。
    但し、Ruはx=1における長径、Rslはx=1における短径であって、機体の軸方向長さをLとしたとき Ru=0.0435×L,Rsl=0.0263×Lとする。
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