JP3854245B2 - 防火シャッタ用安全装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、商業用ビル、学校、病院、工場、その他の建物や施設等で利用される防火シャッタに関し、特に、人が防火シャッタに挟まる事故を防止する防火シャッタ用安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年商業用ビル、学校等における火災への対策として、防火シャッタが普及されている。従来の防火シャッタは、解放時には上方に巻き取られてブレーキで拘束されて収納されており、火災時又は点検時に、ブレーキの拘束を解いて自重によりシャッタを降下させて閉じる構造となっている。
【0003】
しかしながら、近年、子供が、誤作動により降下した防火シャッタの下敷きとなり、その荷重で圧死するといういたましい事故が発生しており、防火シャッタの安全性の見直しが社会的な問題となっている。安全対策として、火災時あるいは点検時を除いてやたらに防火シャッタが降下しないように設計されているが、万が一に、防火シャッタの降下時に、防火シャッタの直下に人がいる場合は、それを光学的に検知して、緊急にブレーキをかける等の手段が考えられている。
【0004】
しかし、そのためには、光学的検知装置やブレーキを制御する制御装置等が必要であり、構成が複雑となり新規に防火シャッタを設置する場合でも、既存の防火シャッタに付設する場合でも、設備費用が高くなる。しかも、光学的、電気的な検知装置、制御装置を使用すると、誤動作等の危険性も皆無とは言えない。
【0005】
本発明者は、上記従来の問題点を解決することを目的とし、既存又は新設の防火シャッタに、簡単な付帯工事をするだけで取り付けることのできる、構造が簡単で低コストの防火シャッタ用安全装置に係る発明をすでに提案している(例えば、特許文献1〜3参照。)。
【0006】
本発明者によるこれらの先行発明は、防火シャッタのガイドレールに、防火シャッタが設置面との間に隙間を残して停止するストッパ杆を設けるか、あるいは、防火シャッタを隙間を残して閉鎖する寸法に形成するとともに、防火シャッタの下端に防火補助部材として防火スライド板を設け、防火シャッタが閉鎖中は防火シャッタの一部となり防火機能を発揮するが、防火シャッタの降下時に子供等が挟まれると上方にスライドして退避し、防火シャッタと設置面の間に隙間を残すようにして、事故を防止する防火シャッタ用安全装置である。
【0007】
【特許文献1】
特許第2940671号公報
【特許文献2】
特開2000−8740号公報
【特許文献3】
特開2002−8748号公報
【0008】
本発明の従来例として、上記先行発明のうち特許文献3を図10〜12で説明する。図10、11に示す従来例の防火シャッタは、複数のスラット1が上下方向に連節されて成るシャッタカーテン2を備えている。スラット1は、その両端が、図10(a)に示すように、断面凹型の一対のガイドレール3の凹溝4内に摺動可能に嵌合しており、これにより上下方向に案内されて昇降する。最下段のスラット5には、その長手方向に沿って図10(b)に示すように、座板6がネジ7により固定されている。
【0009】
火災や点検時ではない平常時においては、防火シャッタは開いており、シャッタカーテン2は、上方に配設されたシャッタボックス8内に巻き取られてブレーキにより拘束され、シャッタカーテン2が降下しないようにされている。通常の点検時においてシャッタの昇降をチェックする場合、あるいは火災が発生して、その煙を煙検知器で検知し又は熱検知器で熱を検知した場合等には、ブレーキによる拘束が解除されて、シャッタカーテン2は、その自重により降下して、防火シャッタが閉鎖される。
【0010】
この従来例では、安全装置を設けている。この安全装置は、耐火金属板から成る防火スライド板9と、シャッタカーテン2の左右両側下面に下方に伸びるように設けられたストッパ杆10とから構成される。ストッパ杆10は、シャッタカーテン2の左右両側下面から一対のガイドレール3の凹溝4内を下方に伸びるように設けられている。
【0011】
防火スライド板9は、最下段のスラットに固定された座板6の前面に配置し、長孔13を通して支持杆14が通され、防火スライド板9を座板6に取り付ける。これにより、防火スライド板9は、座板6及びシャッタカーテン2に対して上下方向にスライド可能である。ストッパ杆10は、図10(a)〜(c)で示されるように、座板6の底面に一体又は別体で設けられ、ガイドレール3の凹溝4内を下方に伸びるように設けられている。
【0012】
火災や点検時以外の平常時は、防火シャッタは、シャッタカーテン2が上方のシャッタボックス8内に巻き取られてブレーキで降下しないように拘束されて収納されている。今、点検又は火災が発生して、あるいは誤作動により、防火シャッタを閉鎖するための信号がブレーキ制御装置に入ると、ブレーキによる拘束を解いてシャッタカーテン2が、ガイドレール3に案内されて自重により降下する。
【0013】
そして、最下段のスラット5の左右両端に設けられたストッパ杆10が接地面Sに衝突して停止する。この状態では、図11(a)に示されるようにシャッタカーテン2の最下段のスラット5は、設置面より上方にあるが、防火スライド板9が設置面に当接して、防火のための閉鎖が行われる。
【0014】
ところで、例えば、誤作動で防火シャッタが作動した際に、誤って子供Pが防火シャッタの直下にいて防火シャッタに挟まれた場合は、図11(b)に示すように、シャッタカーテン2は、ストッパ杆10が接地面Sに衝突して閉鎖する前の状態で停止し、防火スライド板9は、挟まれた人によりシャッタカーテン2に対して上方にスライドして退避することにより完全に閉鎖されずに隙間を残す。これにより、子供は防火シャッタが閉鎖しても、シャッタカーテン2に完全に挟まれてその荷重がかかるようなことがなく事故を回避する事ができ、きわめて安全である。
【0015】
図12に示す別の従来例である防火シャッタ用安全装置は、図10、11に示す従来例とほぼ同じ構造であるが、最下段のスラット5の下端6’に沿って水平に固定される補強板16の左右両側端に、下方に伸びるストッパ杆10を溶接やボルト締めにより固定してなる構成を特徴とする。
【0016】
そして、補強板16の外側に防火スライド板9を配設して、防火スライド板9の左右に形成された長孔13に支持杆14を通して、さらに支持杆14を補強板16及び最下段のスラット5の下端6’を通して、最下段のスラット5の裏面でネジ及びナット12で締着する。防火スライド板9は、長孔13及び支持杆14により案内されて上下方向に移動可能である。
【0017】
さらに、防火スライド板9の両側縁をガイドレール3の凹溝4内まで伸ばし、凹溝4内を上下動可能とすることで、防火シャッタ全体としての隙間をなくすことができ防火性能が向上させるものである。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
図10、11に示す従来例は、既設の防火シャッタの座板に防火スライド及びストッパ杆を取り付けるだけで適用できるという簡単な構造で、上下動可能な防火スライドによる防火機能及び安全機能を発揮でき、その効果はきわめて大きいが、防火スライド板の両側縁とガイドレールの間に僅かな隙間が生じるという問題がある。
【0019】
図12に示す従来例は、防火スライド板の両側縁をガイドレールの凹溝内まで伸ばし、凹溝内を上下動することで防火スライド板の両側縁とガイドレールの間の隙間をなくすことができ、防火性能を向上させることができる。しかしながら、次の理由▲1▼〜▲3▼により、防火スライド板の両側縁がガイドレールの凹溝内でスムースに移動しにくいという問題がある。
【0020】
▲1▼ガイドレール内にはストッパ杆も上下動可能に嵌合しており凹溝内で両者が干渉して移動しにくくなる。
▲2▼防火スライド板自体は厚みが十分厚いのものではないので側縁に歪みが生じた場合は、防火スライド板の両側縁がガイドレールの凹溝内でひっかかりスムースに移動しないことが生じる。
【0021】
本発明は、このような従来の発明に係る防火シャッタ用安全装置の問題点を解決することを目的とする改良発明であり、その課題は、人が挟まった場合に上方に退避する防火スライド板を設けた防火シャッタ用安全装置において、防火スライドの両側縁とガイドレールの間の隙間をなくし、しかも防火スライドをスムースに上下動可能として、火災時の防火機能を改善し、かつ人が挟まった場合の防火スライドの上方への退避安全動作についても信頼性を向上することである。
【0022】
具体的には、防火スライドの両側縁とガイドレールの間の隙間をなくし、しかも防火スライドを専用に案内するガイド部材を設けた防火シャッタ用安全装置を実現することを課題とする。そして、ガイド部材と設置面の間に物が挟まっても、それとは関係なく防火スライドは下降して、ストッパ杆で形成された設置面とシャッタの間の開口を閉鎖することができるようにすることである。
【0023】
ところで、防火シャッタの横幅大きく(間口広く)なると、防火スライド板自体の一枚の重量が大きくなるので、それが人に衝突すると安全上の問題である。そこで、防火シャッタの横幅大きく(間口広く)なった場合は、一枚の防火スライド板でなく夫々可動な複数の防火スライド板を設けることにより、人に衝突する防火スライド板1枚の重量を小さくする。
【0024】
さらに、防火シャッタが一枚でも二枚以上でも防火スライドは左右上下に傾いたり、傾動することがあるが、この場合、防火スライド板をスムースに上下動又は傾動する必要がある。本発明は、防火スライド板に形成する支持杆が挿通する長孔の形状を工夫するとともに、裏面に閉鎖板を設けて長孔を遮蔽することのできる防火シャッタ用安全装置を実現するものである。
【0025】
【課題を解決する手段】
本発明は上記課題を解決するために、互いに連節された複数のスラットの左右両側縁部を左右のガイドレールの凹溝内で移動し開閉を行う防火シャッタに設けられる安全装置であり、防火シャッタの下端部に下方に向かって伸びるように付設された防火スライド板と、上記防火シャッタの下端部に設けられ且つその左右両側に下方に伸びるストッパ杆と、該ストッパ杆に設けられたガイド部材とを備えて成る防火シャッタ用安全装置において、上記防火スライド板は、上記防火シャッタに対して上下方向に相対的にスライド可能に上記防火シャッタの下端部に取り付けられており、上記ストッパ杆は、上記ガイドレールの凹溝内を移動するものであり、上記ガイド部材は、上記防火スライド板を案内し、その一端部は上記ストッパ杆とともに凹溝内を移動するものであり、しかも、上記ガイド部材の一端部は上記ストッパ杆に上下方向に移動可能に取り付けられており、上記防火シャッタを閉鎖する際に、上記ストッパ杆が上記防火シャッタの設置面に当接することで、上記防火シャッタの下端が設置面に当接せず上記設置面との間に隙間を形成するように上記防火シャッタを停止させ、上記防火シャッタが停止した時、上記防火シャッタの直下に人がいない場合には、上記防火スライド板は、防火シャッタの下端部と設置面との間の上記隙間を、防火のために閉鎖し、人がいる場合には、上記防火スライド板は、上記人に当接することにより、上記防火シャッタに対して相対的に上方にスライドして退避し、上記人に上記防火シャッタの荷重がかからないようにしたことを特徴とする防火シャッタ用安全装置を提供する
【0026】
本発明は上記課題を解決するために、互いに連節された複数のスラットの左右両側縁部を左右のガイドレールの凹溝内で移動し開閉を行う防火シャッタに設けられる安全装置であり、防火シャッタの下端部に下方に向かって伸びるように付設された防火スライド板と、上記防火シャッタの下端部に設けられ且つその左右両側に下方に伸びるストッパ杆と、該ストッパ杆に設けられたガイド部材とを備えて成る防火シャッタ用安全装置において、上記防火スライド板は、上記防火シャッタに対して上下方向に相対的にスライド可能に上記防火シャッタの下端部に取り付けられており、 上記ストッパ杆は、上記ガイドレールの凹溝内を移動するものであり、上記ガイド部材は、上記防火スライド板を案内し、その一端部は上記ストッパ杆とともに凹溝内を移動するものであり、しかも、上記ガイド部材は、内側ガイド板と外側ガイド板とから成り、該内側ガイド板と該外側ガイド板との間には、上記スライド部材の側縁を案内する案内スペースを形成するように間隔をおいて互いに結合されており、上記内側ガイド板又は外側ガイド板は上下方向に移動可能に上記ストッパ杆に取り付けられており、上記防火シャッタを閉鎖する際に、上記ストッパ杆が上記防火シャッタの設置面に当接することで、上記防火シャッタの下端が設置面に当接せず上記設置面との間に隙間を形成するように上記防火シャッタを停止させ、上記防火シャッタが停止した時、上記防火シャッタの直下に人がいない場合には、上記防火スライド板は、防火シャッタの下端部と設置面との間の上記隙間を、防火のために閉鎖し、人がいる場合には、上記防火スライド板は、上記人に当接することにより、上記防火シャッタに対して相対的に上方にスライドして退避し、上記人に上記防火シャッタの荷重がかからないようにしたことを特徴とする防火シャッタ用安全装置を提供する。
【0027】
上記ストッパ杆と、上記防火シャッタの最下段のスラットに固定される補強板部とが一体となり又は別体で、門型ストッパを構成するようにしてもよい。
【0028】
上記ストッパ杆は、防火シャッタの最下段のスラットの下端に固定された座板と別体又は一体に形成されている構成としてもよい。
【0029】
上記防火スライド板は、1枚の防火スライド板又は防火シャッタの横幅方向に連続して並べられ互いに可動な複数枚の防火スライド板から構成されるようにしてもよい。
【0030】
上記防火スライド板には長孔が形成されているとともに、該長孔を遮蔽する閉鎖板が防火スライドに枢着され、該閉鎖板にはカム孔が形成されており、上記長孔及びカム孔を通して上記門型ストッパに固定された支持杆が挿通されている構成としてもよい。
【0032】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を実施例に基づいて図面を参照して以下説明する。
【0033】
(実施例1)
図1〜4は、本発明に係る防火シャッタ用安全装置の実施例1を説明する図である。図1(a)は、本発明に係る防火シャッタ用安全装置を付設した防火シャッタが少し開いている状態を示しており、そのA−A及びB−B断面を図1(b)及び(c)(ガイドレール3は図示は省略した。)は夫々示している。
【0034】
この防火シャッタ21は、複数のスラット1が上下方向に連節されて成るシャッタカーテン2を備えている。左右一対のガイドレール3は、図2(c)に示すような断面が凹型の溝(以下、「凹溝」という。)4を有している。互いに連節された複数のスラット1は、その左右両側縁の部分22が、図1(a)に示すように、左右のガイドレール3の凹溝4内に移動可能(摺動可能)に嵌合されており、これにより、スラット1は、上下方向に案内されて昇降可能である。
【0035】
火災や点検時ではない平常時においては、防火シャッタ21は開いており、シャッタカーテン2は、上方に配設されたシャッタボックス8内に巻き取られて図示しないブレーキにより拘束され、シャッタカーテン2が降下しないようにされている。通常の点検時においてシャッタカーテンの昇降動作をチェックするような場合、あるいは火災が発生して、その煙を煙検知器で検知し又は熱検知器で熱を検知した場合等には、ブレーキによる拘束が解除されて、シャッタカーテン2は、その自重により降下して、防火シャッタ21が閉鎖される。
【0036】
このような構成は、防火シャッタ21の従来から知られた構造であるが、本発明は、このような防火シャッタ21に取り付けることの可能な防火シャッタ用安全装置を特徴とする。この防火シャッタ用安全装置をさらに図1〜図4で説明を続ける。
【0037】
この防火シャッタ用安全装置23は、シャッタカーテン2の最下段のスラット5に固定される門型ストッパ24と、この門型ストッパ24に上下動可能に取り付けられる防火補助部材である防火スライド板25と、門型ストッパ24に上下動可能に取り付けられ、防火スライド板25を案内するガイド部材26とから構成される。
【0038】
門型ストッパ24は、図2(a)に示すように、最下段のスラット5と左右方向の幅が同じ補強板部27と、この補強板部27の左右両側縁の部分28から下方に伸びるストッパ杆29とから一体に構成されている。門型ストッパ24の補強板部27が最下段のスラット5にネジ30で固定されて取り付けられている。補強板部の左右両側縁の部分28及びストッパ杆29は、左右のガイドレール3の夫々の凹溝4内に上下方向に移動(摺動)可能に嵌合されている。
【0039】
防火スライド板25は、一枚の長方形の耐火金属板から成り、その長手水平方向の横幅(図1(a)中の左右方向の横幅)は、左右一対のガイドレール3の互いの間の間隔より若干小さく形成される。要するに、防火スライド板25の左右両側縁の部分32は、夫々左右のガイドレール3内に嵌合されていない状態であり、左右のガイドレール3の内端との間に隙間33が存在する。
【0040】
一方、防火スライド板25の上下方向の幅(縦幅)は、防火スライド板25がボックス8内に巻き込まれて収納されることが必要であるので、なるべく小さい方が良いが、安全防止機能を考慮するとある程度の幅が必要である。即ち、後述するように、門型ストッパ24により設置面Sと補強板部27の下縁34との間に隙間35(隙間35の長さは後述するが「ストッパ杆29の高さ」に相当する。)が形成される(図2(a)、図4(a)参照。)が、この隙間35を閉じることのできる程度の幅が必要である。
【0041】
これにより、設置面Sと門型ストッパ24の補強板部27の下縁34の間の隙間35は、シャッタカーテン2が閉じると防火スライド板25で閉じているが、シャッタカーテン2と設置面Sの間に人が挟まれると、防火スライド板が上方に移動して退避し、安全が確保できる。この隙間は、例えば、人(子供等)が挟まれても支障のない程度の幅(例えば30cm)である。
【0042】
防火スライド板25の左右には、長孔36が上下方向に形成されている。図1(a)〜(c)及び図2(b)、(c)に示すように、防火スライド板25を、門型ストッパ24の前面に配置し、長孔36を通して支持杆37が通され、防火スライド板25が座金38を介して門型ストッパ24及び最下段のスラット5に取り付けられている。支持杆14の一端には抜け止めヘッド39が固着されており、他端は門型ストッパ24の補強板部27及び最下段のスラット5とともにナット40で螺着されている。
【0043】
このような構造により、防火スライド板25は、門型ストッパ24及びシャッタカーテン2に対して上下方向にスライド可能である。防火スライド板25の下端部における、後述する左右のガイド部材26より内側の部分には、図1(c)に示すように、断面がほぼ凹状の底部材31が固定されている。この底部材31の外側及び内側における折返し部48には掌を挿入できる程度の掌挿入孔49が形成されている。
【0044】
火災等の際に、シャッタカーテン2が閉じて防火スライド板25が隙間35を閉じている際でも、この掌挿入孔49内に人が掌を挿入し防火スライド板25を簡単に持ち上げることができる。なお、掌挿入孔49が貫通して形成されていても防火スライド板25は完全に隙間35を閉じているので、防火上は問題はない。
【0045】
防火スライド板25の材料は、スラット1と同じ材料を利用してもよいし、さらに上述のとおり耐火金属板等の耐火性に富んだ材料を利用してもよい。あるいは、防火スライド板25に耐火材料を塗布したり貼り付けたりしてもよい。
【0046】
図2(a)において、ストッパ杆29の下端から補強板部27の下縁34までの長さ(「ストッパ杆29の高さ」とも言う。)hについては、後述するように、人が防火シャッタ21で挟まれても防火スライド板が上昇して安全な隙間35(例.30cm程度)が形成される程度の寸法にする必要がある。
【0047】
即ち、シャッタカーテン2が上方から降下してくると、門型ストッパ24の左右両端に設けられたストッパ杆29が設置面S(ガイドレール3を設置する基礎となる面、例えば、建屋床面等。)に衝突して停止される。この時、ストッパ杆29の高さhに相当する設置面Sとから門型ストッパ24の補強板部27の下縁34までの隙間35は、防火スライド板25が上方に移動して退避し、人が挟まれても安全な隙間となる。
【0048】
さらに、ストッパ杆29は、シャッタボックス8内にシャッタカーテン2が巻き上げられる際に、シャッタボックス8内につっかえない程度の長さに形成する必要がある。又、ストッパ杆29は、シャッタカーテン2の全荷重を受けるので剛性を有する仕様(幅、肉厚、形状等)で設計する必要がある
【0049】
なお、本実施例では、門型ストッパ24は、補強板部27と左右のストッパ杆29とを一体としたものとして形成したが、別体に夫々形成し、ネジや溶接等で互いに固定する構造としてもよい。
【0050】
或いは、上記特許文献3に示したように、最下段のスラット5に座板6を取付け、この座板6の底面にストッパ杆10を一体又は別体で設け、ガイドレール3の凹溝4内を下方に伸びるように設ける構造としてもよい。この場合は、ストッパ杆10は、座板6の左右両側下面に、ネジや溶接等の固定手段により固着される。
【0051】
ガイド部材26は、防火スライド板25の左右両側縁の部分32の夫々を案内するように、門型ストッパ24のストッパ杆29左右両端に上下動可能に取り付けられている。このガイド部材26は、内側ガイド板41と外側ガイド板42とから構成される。
【0052】
内側ガイド板41には、図2(b)に示すようにガイドレール3の凹溝4内に嵌合される一端側の部分43おいて、その上下2箇所に上下方向の長孔44が形成されている。この長孔44に支持杆45が挿通され、両端に抜け止めヘッド46が装着されて、門型ストッパ24に取り付けられている。これにより、内側ガイド板41が門型ストッパ24に対して上下方向に移動可能である。
【0053】
外側ガイド板42は図2(c)に示すように、内側ガイド板41と平行に配置されその外端が内側に断面クランク状に折り曲げられており、そのクランク状の折り曲げ端部46が内側ガイド板41に溶着又はネジ止めされて固定されている。
【0054】
これにより、内側ガイド板41と外側ガイド板42の間に、防火スライド板25の側縁の部分32を嵌合させて移動可能に案内するガイド用スペース47が形成される。外側ガイド板42は、内側ガイド板41とともに、門型ストッパ24に対して上下方向に移動可能である、要するに、ガイド部材26は門型ストッパ24に対して上下方向に移動可能である。そして、ガイドレール3の内端と防火スライド板25の両側縁の部分32の夫々との間の隙間33を閉じることができる。
【0055】
図5は、実施例1の変形例であり、特に防火スライド板25の変形例を示す図である。この変形例では、防火スライド板25の左右の長孔51は、図5に示すように、上端52の幅が若干広く、その下方の幅が狭くなっている屈曲部53を介して下方に向かって序々に防火スライド板25の横幅方向の中央部側に向けてテーパ状に幅が広く形成されている。これにより、支持杆37に対して防火スライド板25が左右上下方向に若干傾いても(後述する図7等参照。)、つっかかることなく滑らかに上下方向に移動可能である構造となっている。
【0056】
そして、この防火スライド板25の長孔51を裏面側から閉じて遮蔽(目隠し)する閉鎖板54が、ピン55で防火スライド板25の下部に枢着されている。この閉鎖板54には、湾曲状のカム溝56が形成されており、このカム溝56内に支持杆37が摺動可能に挿入されている。そして、支持杆37には円盤57がクリップで抜け止めされて取り付けられており、防火スライド板25の長孔51とカム溝56との重なり部分を目隠しできるように構成されている。
【0057】
このような閉鎖板54は、防火スライド板25の移動や傾動に応じて、しかも防火スライド板25の裏面に沿って、ピン55を中心にして回転するようにスライドする。このような構成により、防火スライド板25の長孔51は、閉鎖板54で閉鎖されることができる。
【0058】
なお、この変形例では、左右の長孔51に加えて、防火スライド板25の横幅方向中央部寄りに長孔58が形成されているが、この長孔58のように中央部近くに長孔58を形成する場合は、その上下の中間付近に、防火スライド板25の両端方向に向かって膨らむような太幅部59が形成される。
【0059】
実施例1の作用:
以上のような構成より成る防火シャッタ21の防火シャッタ用安全装置23の作用について説明する。火災や点検時以外の平常時は、防火シャッタ21は、シャッタカーテン2が上方のシャッタボックス8内に巻き取られて図示しないブレーキで降下しないように拘束されて収納されている。
【0060】
今、点検又は火災が発生して、あるいは誤作動により、防火シャッタ21を閉鎖するための信号が図示しないブレーキ制御装置に入ると、ブレーキによる拘束を解いてシャッタカーテン2の互いに連節された複数のスラット1が、ガイドレール3に案内されて自重により降下する。そして、門型ストッパ24の左右両端に設けられたストッパ杆29が接地面Sに衝突して停止する。
【0061】
この状態では、図3(a)〜(c)((b)、(c)ではガイドレール3は図示は省略した。)に示されるようにシャッタカーテン2の最下段のスラット5は、設置面Sより上方にあり、設置面Sと門型ストッパ24の補強板部25の下縁34との隙間35を防火スライド板25により閉鎖し防火することができる。この状態では、防火スライド板25の底部材31の折返し部48の掌挿入孔49に掌を入れて、防火スライド25を手により持ち上げることができる。
【0062】
今、火災や誤作動等で防火シャッタ21が閉鎖した際に、誤って人(子供等)Pが防火シャッタ21の直下にいて防火シャッタ21に挟まれた場合は、図4(a)〜(c)((b)、(c)ではガイドレール3の図示は省略した。)に示すように、防火スライド板25は、挟まれた人Pによりシャッタカーテン2に対して上方にスライドして退避し、最大限で門型ストッパ24のストッパ杆29の高さhに相当する隙間35が残される。従って、この隙間35内に人Pがいる限り、シャッタカーテン2の荷重が直にかかるようなことがなく、シャッタカーテン2の荷重が人Pにかかる事により生じる事故を回避する事ができ、きわめて安全である。
【0063】
特に本発明の特徴は次の点にある。即ち、本発明に係る防火シャッタ用安全装置23では、門型ストッパ24のストッパ杆29とともに移動するガイド部材26を設け、このガイド部材26の内側ガイド板41と外側ガイド板42との間のガイド用スペース47で、防火スライド板25を案内するような構成としたので、図4(a)に示す状態で防火シャッターに人が挟まれた場合でも、防火スライド板25は、ガイド部材26で案内されて滑らかに上方に移動し退避可能となり安全動作の信頼性がきわめて大きい。
【0064】
このように防火スライド板25をガイド部材26で案内するとともに、さらに内外から支えるために、熱風や強風(屋外に面して設置する場合)で吹き付けられても、防火スライド板25がめくれたり、ぶらぶらしたり、あるいは破損したりすることがない。又、防火スライド板25とガイドレール3の間の隙間33はガイド部材26で閉じられるから、火災に際してもこの隙間からシャッタカーテンを通して火炎や煙が移動したり漏れ出たりすることが防止される。
【0065】
ガイド部材26が門型ストッパ24に固定され門型ストッパ24に対して上下動できないと、ガイド部材26と設置面Sとの間に人の手足等が挟まった場合はシャッタカーテン2の荷重が門型ストッパ24及びガイド部材26を介して人Pの手足にかかってしまうので安全性上、問題である。
【0066】
そして、ガイド部材26が門型ストッパ24に固定され門型ストッパ24に対して上下動できないと、ガイド部材26と設置面Sとの間に何か物が挟まった場合は、ストッパ杆29が設置面Sまで到達しないので、防火スライド板25の横幅方向全縁にわたって設置面Sとの間に大きく隙間が形成されてしまい防火上問題である。
【0067】
この発明に係る防火シャッタ用安全装置23によれば、ガイド部材26と設置面Sとの間に物が挟まった場合は、ガイド部材26は門型ストッパ24に対して上下動可能な構成としたので、ガイド部材26のみ上方に退避することができ、ガイド部材26に手足が挟まった場合でも安全である。又、門型ストッパ24のストッパ杆29は設置面Sに当接することができ、従って、門型ストッパ24の下縁34と設置面Sとの間の隙間34は、防火スライド板25で閉じることができる。
【0068】
本発明に係る防火シャッタ用安全装置23はきわめて簡単な構造であり、防火シャッタ21の最下段のスラット5に門型ストッパ24を取付、この門型ストッパ24のストッパ杆29にガイド部材26を設けるという簡単な構造であるから、新設の防火シャッタ21は当然適用可能であるが、既設の防火シャッタ21でも簡単な作業をするだけで適用可能である。これにより、防火シャッタ21による事故を防止でき、きわめて効果的に安全機能を発揮させることができる。
【0069】
(実施例2)
図6、7は本発明の実施例2を説明する図である。この実施例2に係る防火シャッタ用安全装置60は、防火シャッタの横幅が大きく(間口が広く)なった場合に安全上有効な構造である。
【0070】
即ち、実施例1の構成の防火シャッタ用安全装置において、防火シャッタの横幅が大きくなると、防火スライド板25の縦幅は同じでも重量は大きくなり、火災時等にシャッタカーテン2が閉じた際に、防火スライド板25が人に当たると、その大きな重量が人にかかるので安全上問題となる。
【0071】
そこで、実施例2に係る防火シャッタ用安全装置60は、横幅の大きくなった防火スライド板による安全上の問題を解決するために、防火スライド板を、2枚の左右側の防火スライド板61、62に分けて構成し、夫々が互いに対して可動(上下動及び傾動可能な)な構成とするものである。これにより、実施例1のように防火スライド板25を一枚板とする場合に較べて、防火スライド板61、62の人に対する衝突荷重を軽減するようにした。
【0072】
図6(a)において、実施例2に係る防火シャッタ用安全装置60は、防火スライド板が、長孔51を夫々有する左側防火スライド板61と右側防火スライド板62とから成るが、それ以外の構成は、実施例1に係る防火シャッタ用安全装置21とほぼ同じである。なお、長孔51、閉鎖板54に係る構成は実施例1の変形例と同じ構造を採用した。
【0073】
即ち、この実施例2に係る防火シャッタ用安全装置60も、図6(a)に示すように、シャッタカーテン2の最下段のスラット5に固定される門型ストッパ24と、この門型ストッパ24に上下動可能に取り付けられる左右側防火スライド板61、62を案内するガイド部材26とを備えている。
【0074】
左右側の防火スライド板61、62の互いの対向端部間には隙間63が形成されるが、この隙間63を遮蔽する遮蔽部材64が隙間63をカバーするように設けられている。この遮蔽部材64は、図6(c)、(d)(図6(a)のA−A、B−B断面図)に示すように、隙間を形成する二枚の垂直板65を少なくとも有し、必要であれば、二枚の垂直板65の上端を橋絡する細長い頂板66を固定してもよい。
【0075】
この遮蔽部材64の左側の隙間には左側防火スライド板61の右端が挿入され図示しないネジ、リベット、溶接等の適宜固着手段で固定されている。又、この遮蔽部材64の右側の隙間には右側防火スライド板62の左端が可動な状態で挿入されている。
【0076】
左側防火スライド板61についてはその右端及び右側防火スライド板62の左端の夫々の下部に、互いに離れて両者の隙間63が拡大する方向に、テーパ面61’、62’が形成されている。又、左側防火スライド板61の左端及び右側防火スライド板62の右端は、左右夫々の案内ガイド部材26内に可動に装入されている。そして、左側防火スライド板61の左端及び右側防火スライド板62の右端の下部にも、図6(b)に示すように、夫々ガイドレール3から離れる方向にテーパ面61’、62’が形成されている。
【0077】
実施例2の作用:
以上の構成から成る実施例2に係る防火シャッタ用安全装置60の作用を図7(a)、(b)で説明する。図7(a)は、火災等の際に人Pが、
▲1▼左側防火スライド板61の右端付近(人Pを実線で示す)、
▲2▼右側防火スライド板62の左端付近(人Pを二点鎖線で示す)、
▲3▼両者の対向部付近(人Pは省略)、
のいずれかに挟まった場合の左右側防火スライド板61、62の動作を示している。
【0078】
▲1▼左側防火スライド板61の右端付近に人Pが挟まった場合は、左側防火スライド板61は左端を中心に反時計針方向に回動退避する。この場合、左側防火スライド板61のテーパ面61’が右側防火スライド板62のテーパ面62’と当接して右側防火スライド板62をその右端を中心にして時計針方向に回動させる。
【0079】
▲2▼右側防火スライド板62の左端付近に人Pが挟まった場合は、右側防火スライド板62は右端を中心に時計針方向に回動退避する。この場合、右側防火スライド板62のテーパ面62’が左側防火スライド板61のテーパ面61’と当接して左側防火スライド板61をその左端を中心にして反時計針方向に回動させる。
【0080】
▲3▼左右側防火スライド板61、62の対向部付近に人Pが挟まった場合は、左右側防火スライド板61、62は、夫々上記▲1▼、▲2▼と同様に回動退避する。
【0081】
図7(b)は、火災等の際に人Pが、
▲1▼’左側防火スライド板61の左端付近(人Pを実線で示す)、
▲2▼’右側防火スライド板62の右端付近(人Pを二点鎖線で示す)、
のいずれかに人Pが挟まった場合の左右側防火スライド板61、62の動作を示している。
【0082】
▲1▼’左側防火スライド板61の左端付近に人Pが挟まった場合は、左側防火スライド板61は、その右端を中心に時計針方向に回動退避する。
▲2▼’右側防火スライド板62の左端付近に人Pが挟まった場合は、右側防火スライド板62は、その左端を中心に反時計針方向に回動退避する。
【0083】
このように、実施例2に係る防火シャッタ用安全装置60は、防火スライド板を、左右側の2枚の防火スライド板61、62で構成し、夫々が上下動かつ傾動可能な構成としたので、実施例1のように防火スライド板を一枚板とする場合に較べて、防火スライド板の人Pに対する衝突荷重を軽減することができる。
【0084】
なお、図7では、左右側防火スライド板61、62が傾動する場合について説明したが、左側防火スライド板61は、それのみで直線的に上下動できることは言うまでもない。頂板66を設けなければ、左側防火スライド板61だけでなく、右側防火スライド板62も、直線的に上下動できることは言うまでもない(後述する実施例3の図9の直線的に上下動する図を参照)。
【0085】
(実施例3)
図8、9は、本発明の実施例3を説明する図である。この実施例3に係る防火シャッタ用安全装置67は、実施例2の防火シャッタよりさらに横幅の大きく(間口が広く)なった場合に安全上有効な構造である。
【0086】
即ち、実施例2の構成の防火シャッタ用安全装置60において、防火シャッタの横幅がさらに大きくなると、左右側の防火スライド板61、62は、夫々がさらに重量は大きくなり、火災時等にシャッタカーテン2が閉じた際に、防火スライド板25が人Pに当たると、その大きな重量が人Pにかかるので安全上問題である。
【0087】
そこで、実施例3に係る防火シャッタ用安全装置67は、横幅の大きくなった防火スライド板による安全上の問題を解決するために、防火スライド板を、3枚の防火スライド板で構成し、夫々が可動な構成とするものである。これにより、防火スライド板を2枚板とする場合に較べて、防火スライド板の人Pに対する重量を軽減するようにした。
【0088】
図8(a)において、実施例3に係る防火シャッタ用安全装置67は、防火スライド板が、左側防火スライド板68、中央防火スライド69及び右側防火スライド板70とから成るが、それ以外の構成は、実施例1、2に係る防火シャッタ用安全装置60とほぼ同じである。なお、長孔51、閉鎖板54に係る構成は実施例1の変形例と同じ構造を採用した。
【0089】
即ち、この実施例3に係る防火シャッタ用安全装置67も、図示はしないが、実施例2の図6(a)に示すように、シャッタカーテン2の最下段のスラット5に固定される門型ストッパ24と、この門型ストッパ24に上下動可能に取り付けられる防火補助部材である防火スライド板と、門型ストッパ24に上下動可能に取り付けられ、防火スライド板25を案内するガイド部材26とを備えている。
【0090】
左側防火スライド板68、中央防火スライド板69及び右側防火スライド板70の互いに対向する対向端部間には隙間が形成されるが、これらの隙間を遮蔽す実施例2と同様の遮蔽部材71が、これら対向部に設けられている。この遮蔽部材71は左側防火スライド板68の右端及び中央防火スライド板69の右端に夫々固定されている。これらの遮蔽部材71の隙間内に、中央防火スライド板69の左端及び右側防火スライド板70の左端が夫々挿入されている。
【0091】
左側防火スライド板68、中央防火スライド板69及び右側防火スライド板70板は、夫々その両端の下部に実施例2と同様にテーパ面が形成されている。そして、左側防火スライド板68、中央防火スライド板69及び右側防火スライド板70は、実施例2と同様に、夫々防火スライド板の長孔51が形成されており、支持杆が挿通されている。そして、夫々の防火スライド板68〜69の夫々の裏面には遮蔽用に、カム溝56を有する閉鎖板54が形成され、これに支持杆が挿通されている。
【0092】
なお、防火スライド板は、実施例2では2枚、実施例3では3枚から成る構成としたが、このような枚数に限定されることなくさらに多くの数を設けてもよい。又、複数の防火スライド板の横幅は画一的でなくても長短ばらつきがあってもよい。
【0093】
実施例3の作用:
以上の構成から成る実施例3に係る防火シャッタ用安全装置67の作用を図8(a)、図9(a)、(b)に示す。実施例3の作用は、基本的には実施例2と同様である。図8(b)には、防火スライド板に人Pが挟まった場合の夫々の防火スライド板の退避動作が示されている。この動作は実施例2と基本的には同じである。
【0094】
又、図9(a)には、左側防火スライド板68が反時計針方向に回動退避する動作と、右側防火スライド板70が上方に直線的に移動する動作が夫々示されている。又、図9(b)には、中央スライド板69が上方に直線的に移動する動作が示されている。
【0095】
以上、本発明に係る防火シャッタ用安全装置の実施の形態を実施例に基づいて説明したが、上記実施例に限定されることなく、本発明の技術思想の範囲内であるならば、さらにその他の実施例も含むものである。
【0096】
【発明の効果】
本発明の防火シャッタ用安全装置は以上の構成であるから次のような効果が生じる。
(1)防火シャッタが閉鎖中は防火シャッタとともに防火機能を発揮するが、点検、火災又は誤作動による防火シャッタの降下時に人(子供等)が挟まれると、上方にスライドして退避し、防火シャッタと設置面の間に隙間を残すようにしたので、きわめて簡単な構造により、人が挟まれるという事故を防止することができ、既設又は新設を問わず、防火シャッタに、簡単な付帯工事をするだけで、低コストで取り付けることができる。
【0097】
(2)人が挟まった場合に上方に退避する防火スライド板を設けた防火シャッタ用安全装置において、ストッパ杆に取り付けたガイド部材を設けたので、防火スライド板の両側縁とガイドレールの間の隙間をなくし、しかも防火スライド板をスムースな上下動が可能となり、火災時の防火機能を向上させることがで、かつ人が挟まった場合の防火スライド板の上方への退避安全動作についても信頼性が向上する。
【0098】
(3)防火スライド板は、その両側縁がガイド部材で案内され両面から支持されるので、熱風、強風、その他外力等に対して防火シャッタがしっかりと支持され、防火性能が向上するだけでなく、破損等が生じることが防止される。
【0099】
(4) ガイド部材と設置面の間に物が挟まっても、それとは関係なくストッパ杆は設置面に当接し、防火スライド板は下降できるから、門型ストッパの下縁と設置面の間の隙間を防火スライド板で閉鎖することができる。
【0100】
(5)本発明の防火シャッタ用安全装置は簡単な構造であるから、既設又は新設を問わず、防火シャッタに、簡単な付帯工事をするだけで、低コストで取り付けることのできる。
【0101】
(6)防火シャッタの横幅大きく(間口広く)なった場合は、一枚の防火スライド板でなく夫々可動な複数の防火スライド板を設けることにより、人に衝突する防火スライド板1枚の重量を小さくすることができるから、防火スライド板が人に衝突しても安全性を確保できる。
【0102】
(7)防火スライド板に形成する支持杆が挿通する長孔の形状を工夫するとともに、裏面に閉鎖板を設けて長孔を遮蔽する構造としたので、防火シャッタが一枚でも二枚以上でも防火スライドは左右上下に傾いたり、傾動しても防火スライド板をスムースに上下動及び傾動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る発明の防火シャッタ用安全装置の実施例1の構造を説明する図であり、(a)は全体構成の正面図であり、(b)は(a)のA−A断面図であり、(c)は(a)のB−B断面図である。
【図2】本発明に係る発明の防火シャッタ用安全装置の実施例1の要部を説明する図であり、(a)は門型ストッパを示す図であり、(b)は図1(a)の一部拡大図であり、(c)は(b)のA−A断面図である。
【図3】本発明に係る発明の防火シャッタ用安全装置の実施例1の作用を説明する図であり、(a)は防火シャッタが通常に閉じた状態を示し、(b)は(a)のA−A断面図であり、(c)は(a)のB−B断面図である。
【図4】本発明に係る発明の防火シャッタ用安全装置の実施例1の作用を説明する図であり、(a)は防火シャッタに人が挟まり、防火スライド板が上方に退避した状態を示し、(b)は(a)のA−A断面図であり、(c)は(a)のB−B断面図である。
【図5】本発明に係る発明の防火シャッタ用安全装置の実施例1の変形例を説明する図である。
【図6】本発明に係る発明の防火シャッタ用安全装置の実施例2の構造を説明する図であり、(a)は全体構成の正面図であり、(b)は要部を示す図であり、(c)、(d)は(a)のA−A、B−B断面図である。
【図7】(a)、(b)とも本発明の防火シャッタ用安全装置の実施例2の作用を説明する図である。
【図8】(a)は本発明に係る発明の防火シャッタ用安全装置の実施例3を説明する図であり、(b)はその作用を説明する図である。
【図9】(a)、(b)とも本発明に係る防火シャッタ用安全装置の実施例3の作用を説明する図である。
【図10】従来例に係る防火用シャッタ安全装置を説明する図である。
【図11】図5の従来例に係る防火用シャッタ安全装置の作用を説明する図である。
【図12】別の従来例に係る防火用シャッタ安全装置を説明する図である。
【符号の説明】
1 スラット
2 シャッタカーテン
3 ガイドレール
4 凹溝
5 最下段のスラット
6 座板
7 ネジ
8 シャッタボックス
9 防火スライド板(防火補助部材)
10 ストッパ杆
11 防火スライド板の底部
12 ナット
13 長孔
14 支持杆
16 補強板
21 防火シャッタ
22 スラットの左右両側縁の部分
23 防火シャッタ用安全装置
24 門型ストッパ
25 防火スライド板
26 ガイド部材
27 門型ストッパの補強板部
28 補強板部の左右両側縁の部分
29 ストッパ杆
30 ネジ
31 防火スライド板の底部材
32 防火スライド板の左右両側縁の部分
33 防火スライド板とガイドレールとの隙間
34 補強板部の下縁
35 設置面と補強板部の下縁との隙間
36 防火スライド板の長孔
37 支持杆
38 座金
39 抜け止めヘッド
40 ナット
41 内側ガイド板
42 外側ガイド板
43 ガイドレール凹溝内に嵌合される内側ガイド板の一端側の部分
44 内側ガイド板の長孔
45 支持杆
46 内側ガイド板のクランク状の折り曲げ端部
47 ガイド用スペース
48 防火スライド板の底部材の折返し部
49 掌挿入孔
51 防火スライド板の長孔
52 長孔の上端
53 長孔の屈曲部
54 閉鎖板
55 ピン
56 カム溝
57 円盤
58 防火スライド板の長孔
59 長孔の太幅部
60 防火シャッタ用安全装置
61 左側防火スライド板
62 右側防火スライド板
63 左右側防火スライド板の間の隙間
64 遮蔽部材
65 遮蔽部材の垂直板
66 頂板
67 防火シャッタ用安全装置
68 左側防火スライド板
69 中央防火スライド板
70 右側防火スライド板
71 遮蔽部材
P 人
S 防火シャッタの設置面
d 防火スライド板の底部と設置面との隙間の寸法

Claims (6)

  1. 互いに連節された複数のスラットの左右両側縁部を左右のガイドレールの凹溝内で移動し開閉を行う防火シャッタに設けられる安全装置であり、防火シャッタの下端部に下方に向かって伸びるように付設された防火スライド板と、上記防火シャッタの下端部に設けられ且つその左右両側に下方に伸びるストッパ杆と、該ストッパ杆に設けられたガイド部材とを備えて成る防火シャッタ用安全装置において、
    上記防火スライド板は、上記防火シャッタに対して上下方向に相対的にスライド可能に上記防火シャッタの下端部に取り付けられており、
    上記ストッパ杆は、上記ガイドレールの凹溝内を移動するものであり、
    上記ガイド部材は、上記防火スライド板を案内し、その一端部は上記ストッパ杆とともに凹溝内を移動するものであり、しかも、上記ガイド部材の一端部は上記ストッパ杆に上下方向に移動可能に取り付けられており、
    上記防火シャッタを閉鎖する際に、上記ストッパ杆が上記防火シャッタの設置面に当接することで、上記防火シャッタの下端が設置面に当接せず上記設置面との間に隙間を形成するように上記防火シャッタを停止させ、
    上記防火シャッタが停止した時、上記防火シャッタの直下に人がいない場合には、上記防火スライド板は、防火シャッタの下端部と設置面との間の上記隙間を、防火のために閉鎖し、人がいる場合には、上記防火スライド板は、上記人に当接することにより、上記防火シャッタに対して相対的に上方にスライドして退避し、上記人に上記防火シャッタの荷重がかからないようにしたことを特徴とする防火シャッタ用安全装置。
  2. 互いに連節された複数のスラットの左右両側縁部を左右のガイドレールの凹溝内で移動し開閉を行う防火シャッタに設けられる安全装置であり、防火シャッタの下端部に下方に向かって伸びるように付設された防火スライド板と、上記防火シャッタの下端部に設けられ且つその左右両側に下方に伸びるストッパ杆と、該ストッパ杆に設けられたガイド部材とを備えて成る防火シャッタ用安全装置において、
    上記防火スライド板は、上記防火シャッタに対して上下方向に相対的にスライド可能に上記防火シャッタの下端部に取り付けられており、
    上記ストッパ杆は、上記ガイドレールの凹溝内を移動するものであり、
    上記ガイド部材は、上記防火スライド板を案内し、その一端部は上記ストッパ杆とともに凹溝内を移動するものであり、しかも、上記ガイド部材は、内側ガイド板と外側ガイド板とから成り、該内側ガイド板と該外側ガイド板との間には、上記スライド部材の側縁を案内する案内スペースを形成するように間隔をおいて互いに結合されており、上記内側ガイド板又は外側ガイド板は上下方向に移動可能に上記ストッパ杆に取り付けられており、
    上記防火シャッタを閉鎖する際に、上記ストッパ杆が上記防火シャッタの設置面に当接することで、上記防火シャッタの下端が設置面に当接せず上記設置面との間に隙間を形成するように上記防火シャッタを停止させ、
    上記防火シャッタが停止した時、上記防火シャッタの直下に人がいない場合には、上記防火スライド板は、防火シャッタの下端部と設置面との間の上記隙間を、防火のために閉鎖し、人がいる場合には、上記防火スライド板は、上記人に当接することにより、上記防火シャッタに対して相対的に上方にスライドして退避し、上記人に上記防火シャッタの荷重がかからないようにしたことを特徴とする防火シャッタ用安全装置。
  3. 上記ストッパ杆と、上記防火シャッタの最下段のスラットに固定される補強板部とが一体となり又は別体で、門型ストッパを構成していることを特徴とする請求項1又は2記載の防火シャッタ用安全装置。
  4. 上記ストッパ杆は、防火シャッタの最下段のスラットの下端に固定された座板と別体又は一体に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の防火シャッタ用安全装置。
  5. 上記防火スライド板は、1枚の防火スライド板又は防火シャッタの横幅方向に連続して並べられ互いに可動な複数枚の防火スライド板から構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の防火シャッタ用安全装置。
  6. 上記防火スライド板には長孔が形成されているとともに、該長孔を遮蔽する閉鎖板が防火スライドに枢着され、該閉鎖板にはカム孔が形成されており、上記長孔及びカム孔を通して上記門型ストッパに固定された支持杆が挿通されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の防火シャッタ用安全装置。
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