JP3854104B2 - 条鋼材の圧延方法及び圧延装置 - Google Patents

条鋼材の圧延方法及び圧延装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、条鋼材の圧延方法及び圧延装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
条鋼連続圧延機における圧延材の寸法精度は、圧延材に作用する張力に影響を受け、張力が大きくなれば、偏径差が大きくなる(真円度が悪くなる)。一方、張力がなくなると、ロールスタンド間で圧延材が脈動してコブル(ミスロール:圧延材が通過中に詰まること)が発生する。
そのため、コブルを発生することなく、圧延材の寸法精度向上と、寸法変動低減を実現するためには、圧延材に作用するテンション(張力)を最小かつ一定に制御する必要がある。
【0003】
従来より、条鋼連続圧延機における張力制御技術として、線材の振動周波数から張力を検知し、その周波数に基づき線材の張力を算出して、その張力を制御する方法(特開平9−21713号公報参照)、圧延中の圧延材の寸法変動から張力を検知し、その張力を制御する方法(特開平7−32022号公報参照)、及び、上流側圧延機出側と下流側圧延機入側における各々の圧延材移動速度の差から張力を検知し、その張力を一定に制御する方法(特開昭59−118212号公報参照)等が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の張力制御技術は、圧延材の寸法精度に影響を与える張力を制御するために、操業情報を基に、張力を一旦計算し、その張力の計算値が適正範囲に収まるように圧延機のローラ回転数を制御しており、計算時間遅れや計算誤差などの課題を有するものであった。
そこで、本発明は、張力を計算などで求めることなく、即時に張力制御を行うことができるようにした条鋼材の圧延方法及び圧延装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。即ち、本発明の条鋼材の圧延方法の特徴とするところは、上流側ロールスタンドと下流側ロールスタンド間を走行する圧延材の移動速度を基にして、圧延材の張力が適正値になるよう、上流側又は下流側のロールスタンドの駆動モータを制御するものであって、前記圧延材の寸法情報と、該圧延材における適正張力のときの移動速度とを予めテーブル化しておき、実稼働に際して、前記移動速度を実測し、該実測移動速度が前記テーブル情報の移動速度になるよう、前記ロールスタンドの駆動モータを制御する点にある。
【0006】
以下、本発明の解決原理を説明する。
圧延材の寸法精度を左右する張力は、上流側と下流側のロールスタンドでのロール回転数のバランスと、上流側ロールスタンド出側の圧延材寸法と下流側ロールスタンドでの圧下量によって影響を受ける。
従って、張力制御に際しては、まず、上流側と下流側のロールスタンドでのロール回転数のバランスを制御しなければならない。
本発明においては、ロールスタンド間の圧延材の移動速度を測定する。この場合、圧延材の移動速度は、そのトップ部が上流側のロールスタンドを通過し未だ下流側ロールスタンドに噛み込んでいない状態での移動速度(以下、「トップ部移動速度V0」という)と、圧延材のトップ部が下流側ロールスタンドに噛み込んだ状態での圧延材移動速度(以下、「ミドル部移動速度V1」という)と、圧延材ボトム部が上流側ロールスタンドを抜け下流側ロールスタンドのみに噛み込んだ状態での圧延材移動速度(以下、「ボトム部移動速度V2」という)の3態様がある。
【0007】
本発明では、前記V0、V1、V2を測定すると共に、V0、V1、及びV2の関係が最適になるよう、ロールスタンドのロール回転数を制御するのである。
即ち、ロールスタンド間の圧延材に作用する張力がゼロの場合には、V0=V1=V2の関係が成立し、V0<V1<V2の場合には、圧延材に正の張力が作用していることになり、V0>V1>V2の場合には、圧延材に負の張力が作用することになる。
従って、圧延中のコブルを防止して、且つ圧延材の寸法精度を向上させるためには、V0<V1<V2を維持しつつ、V0=V1=V2の状態に近づけることが理想である。
【0008】
本発明における、上流側ロールスタンドと下流側ロールスタンド間を走行する圧延材の移動速度を基にして、圧延材の張力が最適値になるように、上流側又は下流側のロールスタンドの駆動モータを制御するとは、圧延材の移動速度が前記理想状態(V0<V1<V2を維持しつつ、V0=V1=V2の状態に近づける)になるよう、ロールスタンドの駆動モータを制御することを意味する。
従って、前記従来技術で掲げた特開昭59−118212号公報に記載の圧延材の移動速度を測定するものとは、その解決原理が全く相違するものである。
【0009】
なお、ロールスタンド間のロール回転数のバランスを見るとき、ボトム部移動速度V2を知ることは必須ではなく、最低限、V0とV1を知れば、ロールスタンド間の張力を最適値に制御することができるので、本発明は、前記解決原理で例示した具体的方法に限定されるものではない。
本発明によれば、条鋼材の移動速度を基に圧延速度を制御するように構成しているので、従来のような張力計算をする必要がなくなり、制御のための計算時間遅れや計算誤差の発生がなくなる
【0010】
また、本発明の特徴とするところは、ΔVa=V1/V0が所定範囲内になるよう、ロールスタンドの駆動モータを制御する点にある。
V0やV1の絶対値を用いるよりも、ΔVa=V1/V0という無次元化したパラーメータを用いる方が、制御が容易になる。
更に、前記圧延材のボトム部が上流側のロールスタンドを抜け下流側のロールスタンドに噛み込んだ状態での圧延材移動速度をV2とし、ΔVb=V2/V0、ΔVc=V2/V1が所定範囲内になるよう、ロールスタンドの駆動モータを制御するのが好ましい。
【0011】
前記下流側ロールスタンド出側の圧延材の寸法偏差が所定範囲内になるよう、ロールスタンドの駆動モータを制御するのが好ましい。
前記下流側ロールスタンド出側の圧延材の寸法が所定範囲内になるよう、ロールスタンドの圧下位置を制御するのが好ましい。
本発明の条鋼材の圧延装置の特徴とするところは、上流側ロールスタンドと下流側ロールスタンド間を走行する圧延材の移動速度を測定する移動速度測定装置と、該移動速度測定装置により測定された圧延材の移動速度を基にして、圧延材の張力が最適値になるよう、上流側又は下流側のロールスタンドの駆動モータを制御する主制御装置とを有し前記主制御装置は、圧延材の寸法情報と、該圧延材における適正張力のときの移動速度とを予め記憶する記憶手段と、前記移動速度測定装置により実測した実測移動速度が、前記記憶手段に記憶した移動速度になるよう、前記ロールスタンドの駆動モータを制御する速度制御装置とを備えている点にある。
【0012】
前記速度制御装置は、前記移動速度測定装置により実測された、圧延材のトップ部が上流側のロールスタンドを通過し下流側のロールスタンドに噛み込むまでの圧延材の実測移動速度をV0とし、圧延材のトップ部が下流側のロールスタンドに噛み込んだ状態での圧延材の実測移動速度をV1として、ΔVa=V1/V0を求める演算手段を有し、前記記憶手段は、圧延材の寸法情報と、該圧延材における適正張力のときの移動速度とを前記ΔVaの形式で記憶した適正値テーブルを有し、さらに前記速度制御装置は、前記実測ΔVaが、適正値テーブルΔVaになるよう、ロールスタンドの駆動モータの回転数を補正するモータ回転数補正手段を有するのが好ましい。
【0013】
前記下流側ロールスタンドの出側に、圧延材の寸法を測定する寸法測定装置が設けられ、前記主制御装置には、前記寸法測定装置により測定された圧延材の寸法が目標値より外れている場合、当該寸法が目標値になるよう前記ロールスタンドの駆動モータを制御する寸法精度補正手段が設けられているのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すものは、条鋼材圧延装置の概要であり、熱間線材圧延ラインの一部が例示されている。この条鋼材圧延装置においては、上流側ロールスタンド1と下流側ロールスタンド2とが所定距離を置いて直列に配置されている。上流側ロールスタンド1は、粗圧延機とされており、連続圧延機であるVブロック・ミルが例示されている。下流側ロールスタンド2は、仕上圧延機とされており、連続圧延機であるレジューシング・サイジング・ミルが例示されている。両ロールスタンド1,2は、約50mの間隔をおいて設置されている。
【0015】
前記上流側ロールスタンド1には、複数列のワークロールが直列状に配置されており、これらワークロールを回転駆動させるための単一の駆動モータ3が設けられている。また、各ワークロールの圧下量を設定する圧下装置4が設けられている。
下流側ロールスタンド2も、複数列のワークロールが直列状に配置されており、これらワークロールを回転駆動する単一の駆動モータ5が設けられている。また、各ワークロールの圧下量を設定する圧下装置6が設けられている。
【0016】
前記上流側ロールスタンド1及び下流側ロールスタンド2の各駆動モータ3,5や、圧下装置4,6等を制御する主制御装置7が設けられている。
前記上流側ロールスタンド1と下流側ロールスタンド2の間に、圧延材8の移動速度を測定するための移動速度測定装置9が設けられている。この移動速度測定装置9は、線速計を有する。
この線速計は、レーザードップラ線速計から成り、両ロールスタンド1,2間の略中央部に配置されており、圧延材8のトップ部移動速度V0、ミドル部移動速度V1、及び、ボトム部移動速度V2を測定する。
【0017】
前記線速計9が測定する圧延材8の移動速度が、トップ部移動速度V0、ミドル部移動速度V1、又は、ボトム部移動速度V2の何れであるかを認識するために、上流側ロールスタンド1の出側に第1位置検出センサ10と、下流側ロールスタンド2の入側に第2位置検出センサ11が設けられている。これら位置検出センサ10,11は、高温の圧延材8を検知することができる熱鋼検出センサにより構成されている。第1位置検出センサ10のみが圧延材8を検出しているとき、トップ部移動速度V0と認識し、第1及び第2位置検出センサ10,11の両方が圧延材8を検出しているとき、ミドル部移動速度V1と認識し、第2位置検出センサ11のみが検出しているときはボトム部移動速度V2と認識するよう、前記主制御装置7が構成されている。
【0018】
更に、前記両ロールスタンド1,2間には、圧延材8の寸法を測定する第1寸法測定装置12と、圧延材8の張力を測定する張力測定装置13とが設けられている。また、下流側ロールスタンド2の出側には、圧延材8の寸法を測定する第2寸法測定装置14が設けられている。
前記第1及び第2寸法測定装置12,14は、圧延材8を挟んで配置された投光器と受光器を有し、この投受光器の一対が一体的に圧延材8の軸心回りに回転することにより、回転各位置での圧延材8の外径寸法を計測するものであり、この計測結果は、前記主制御装置7に送られ、該主制御装置7において、寸法偏差(=偏径差:測定各位置での外径の差)が求められるよう構成されている。
【0019】
前記張力測定装置13は、圧延材8に強制変位を与えるためのローラ15と、該ローラ15の昇降装置16と、この昇降装置16のローラ昇降量を測定するための変位センサと、昇降時のローラ反力を測定するための荷重計から構成されている。
この張力測定原理は、ロールスタンド1,2間を移動する圧延材8に強制変位を与え、その強制変位量と圧延材8の反力から張力を計算するものであり、これらの処理は前記主制御装置7において行われる。
【0020】
前記主制御装置7は、前記移動速度測定装置9により測定された圧延材8の移動速度を基にして、圧延材8の張力が最適値になるよう、下流側のロールスタンド2の駆動モータ5を制御するよう構成されている。
即ち、前記主制御装置7は、圧延材8の寸法情報と、該圧延材における適正張力のときの移動速度とを予め記憶する記憶手段17と、前記移動速度測定装置9により実測した実測移動速度が、前記記憶手段17に記憶した移動速度になるよう、前記ロールスタンド2の駆動モータ5を制御する速度制御装置18とを備えている。
【0021】
前記速度制御装置18は、前記移動速度測定装置9により実測された、トップ部移動速度V0、ミドル部移動速度V1、及び、ボトム部移動速度V2から、ΔVa=V1/V0、ΔVb=V2/V0、及び、ΔVc=V2/V1を求める演算手段19を有する。
前記記憶手段17は、圧延材8の寸法情報と、該圧延材8における適正張力のときの移動速度とを前記ΔVa、ΔVb、ΔVcの形式で記憶した適正値テーブルを有する。
【0022】
即ち、図2〜5に示すものは、仕上がり直径6.4mmの線材の圧延テストのデータである。
図2の左側の線図は、下流側ロールスタンドの回転数を100%としたとき(以下「1本目」という)、同図右側の線図は、下流側ロールスタンドの回転数を101%にしたとき(以下「2本目」という)の線速チャートである。
図3、4は、前記1本目、2本目のテストのとき、前記張力測定装置13により、圧延材8に作用する張力を求めたものであり、図3は、圧延材8の持ち上げストロークと持ち上げ荷重の関係を示し、これらの関係より、1本目及び2本目の張力が計算される。
【0023】
そして、図4は、その時のΔVaをパラメータとしたときの張力を示す。
図5は、張力と製品寸法の関係を示し、第2寸法測定装置14により測定された圧延材8の外径の短径が縦軸に示されている。1本目は、適正張力のため、製品寸法6.4mmに対して、真円であり、2本目は、張力が大きくなっているため、短径が6.38mmとなっていることがわかる。
而して、前記記憶手段17に格納されている適正値テーブルとは、鋼種、温度、線径など毎に、適正張力におけるΔVa、ΔVb、ΔVcの値が予め記憶されているものである。
【0024】
前記速度制御装置18は、前記実測ΔVa、ΔVb、ΔVcが、適正値テーブルΔVa、ΔVb、ΔVcになるよう、下流側ロールスタンド2の駆動モータ5の回転数を補正するモータ回転数補正手段20を有する。
前記主制御装置7には、前記第2寸法測定装置14により測定された圧延材8の外径寸法偏差が目標値より外れている場合、当該寸法が目標値になるよう前記ロールスタンド2の駆動モータ5を制御する寸法精度補正手段21が設けられている。
【0025】
前記圧延装置を用いて線条材を圧延するとき、主制御装置7に、設定線速、ロール径、リード率クラッチパターンなどの初期値が設定される。これら設定値に基づき、上流側ロールスタンド1の駆動モータ3や圧下装置4、及び、下流側ロールスタンド2の駆動モータ5や圧下装置6が制御される。記憶手段17には、所定のデータが記憶されている。
圧延材8が両ロールスタンド1,2間を通過するとき、移動速度測定装置9により圧延材8の移動速度が測定されると共に、第2寸法測定器14により圧延材8の寸法が測定される。
【0026】
実測ΔVa、ΔVb及びΔVcが、記憶手段17の適正ΔVa、ΔVb及びΔVcに対して所定範囲内にあるか否かが判断され、所定範囲外のとき、適正値になるよう、モータ回転数補正手段20により駆動モータ5の回転数が補正される。
また、圧延材8の寸法偏差が目標値よりも大きい場合には、圧延材8に過大な張力が作用しているものと判断し、ΔVa、ΔVb及びΔVcが小さくなるように、下流側ロールスタンド2のワークロール回転数が低下するよう、寸法精度補正手段21により、駆動モータ5の回転数が制御される。
【0027】
この場合、コブルを発生させないために、ΔVa、ΔVb及びΔVcが1以下にならないようにしなければならない。
また、圧延中に(未だボトム部移動速度V2が検出されていない状態)、圧延材8の寸法偏差を調整する必要がある場合、圧延時の移動速度データとしては、V0、V1及びΔVaしかないため、圧延材8の寸法偏差が目標値に収まるようΔVaを1に近づけるように下流側ロールスタンド2のロール回転数を低下させていく。この場合においても、コブルを発生させないために、ΔVaが1以下にならないようにしなければならない。
【0028】
なお、前記主制御装置7は、前記第2寸法測定装置14により測定された圧延材8の外径寸法が仕上目標値より外れている場合、当該寸法が目標値になるよう下流側ロールスタンド2の圧下装置6を制御するように構成されている。
従来の圧延機駆動モータの回転数制御方式では、圧延材移動速度、ロール径、リード率などの設定値から、上流側及び下流側のロールスタンドの駆動モータの回転数を制御するものであり、圧延材寸法精度改善のためには、下流側ロールスタンド出側での圧延材寸法データを観察しながら、駆動モータ回転数の微調整を手動で行う必要があった。
【0029】
しかし、本発明の圧延材張力制御方法を適用すれば、圧延材8の移動速度変化量情報(ΔVaなど)と圧延材寸法情報(寸法偏差)をリアルタイムに判定することができ、圧延材寸法精度が目標値から外れている場合には、圧延材8の移動速度変化量情報と圧延材寸法情報に基づいて、モータ回転数補正を行うことで、圧延中にコブルを発生させることなく、圧延材寸法の偏径量の最小化を容易に行うことができる。
また、圧延材8の移動速度調整を行う際の張力変化によるコブル発生を防止する方策として、ロールスタンド1,2間に張力測定装置13を配置して、圧延材に作用する張力を定量化して監視することも可能である。
【0030】
本張力測定装置13を併用すれば、圧延材移動速度調整時に圧延材8に作用する張力の変動を検知することができるため、ロール回転数調整時の急激な張力変動によるコブルの発生を防止することができる。
尚、本発明は、前記実施の形態に示すものに限定されるものではなく、例えば、張力調整のために下流側ロールスタンドに代えて、上流側ロールスタンドの駆動モータを制御するようにしてもよい。また、上流側と下流側の両方の駆動モータを制御するようにしてもよい。
【0031】
さらに、実施の態様では、ΔVa、ΔVb、ΔVcの三つのパラメータを用いたが、少なくとも、ΔVaを用いた制御であればよい。また、無次元化した線速変化量ΔVaを用いることなく、絶対値のV0、V1等を用いてもよい。
また、移動速度の外に、寸法偏差にも基づき張力を制御するようにしているが、寸法偏差に基づく制御は必須でない。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば、張力を計算などで求めることなく、即時に張力制御を行うことができるようにしたので、計算時間遅れや計算誤差などの問題がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の実施の形態を示す条鋼材の圧延装置の概要図である。
【図2】 図2は、線速チャート図である。
【図3】 図3は、線材持ち上げ荷重データのグラフである。
【図4】 図4は、線速変化量ΔVaと張力の関係を示すグラフである。
【図5】 図5は、張力と製品寸法精度(短径)の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 上流側ロールスタンド
2 下流側ロールスタンド
5 駆動モータ
7 主制御装置
8 圧延材
9 移動速度測定装置
14 寸法測定装置
17 記憶手段
18 速度制御装置
19 演算手段
20 モータ回転数補正手段
21 寸法精度補正手段

Claims (8)

  1. 上流側ロールスタンドと下流側ロールスタンド間を走行する圧延材の移動速度を基にして、圧延材の張力が適正値になるよう、上流側又は下流側のロールスタンドの駆動モータを制御するものであって、
    前記圧延材の寸法情報と、該圧延材における適正張力のときの移動速度とを予めテーブル化しておき、実稼働に際して、前記移動速度を実測し、該実測移動速度が前記テーブル情報の移動速度になるよう、前記ロールスタンドの駆動モータを制御することを特徴とする条鋼材の圧延方法。
  2. 圧延材のトップ部が上流側のロールスタンドを通過し下流側のロールスタンドに噛み込むまでの圧延材移動速度をV0とし、圧延材のトップ部が下流側のロールスタンドに噛み込んだ状態での圧延材の移動速度をV1とし、ΔVa=V1/V0が所定範囲内になるよう、ロールスタンドの駆動モータを制御することを特徴とする条鋼材の圧延方法。
  3. 前記圧延材のボトム部が上流側のロールスタンドを抜け下流側のロールスタンドに噛み込んだ状態での圧延材移動速度をV2とし、ΔVb=V2/V0、ΔVc=V2/V1が所定範囲内になるよう、ロールスタンドの駆動モータを制御することを特徴とする請求項2記載の条鋼材の圧延方法。
  4. 前記下流側ロールスタンド出側の圧延材の寸法偏差が所定範囲内になるよう、ロールスタンドの駆動モータを制御することを特徴とする請求項2又は3記載の条鋼材の圧延方法。
  5. 前記下流側ロールスタンド出側の圧延材の寸法が所定範囲内になるよう、ロールスタンドの圧下位置を制御することを特徴とする請求項2〜4の何れか一つに記載の条鋼材の圧延方法。
  6. 上流側ロールスタンドと下流側ロールスタンド間を走行する圧延材の移動速度を測定する移動速度測定装置と、該移動速度測定装置により測定された圧延材の移動速度を基にして、圧延材の張力が最適値になるよう、上流側又は下流側のロールスタンドの駆動モータを制御する主制御装置とを有し、
    前記主制御装置は、圧延材の寸法情報と、該圧延材における適正張力のときの移動速度とを予め記憶する記憶手段と、前記移動速度測定装置により実測した実測移動速度が、前記記憶手段に記憶した移動速度になるよう、前記ロールスタンドの駆動モータを制御する速度制御装置とを備えていることを特徴とする条鋼材の圧延装置。
  7. 前記速度制御装置は、前記移動速度測定装置により実測された、圧延材のトップ部が上流側のロールスタンドを通過し下流側のロールスタンドに噛み込むまでの圧延材の実測移動速度をV0とし、圧延材のトップ部が下流側のロールスタンドに噛み込んだ状態での圧延材の実測移動速度をV1として、ΔVa=V1/V0を求める演算手段を有し、
    前記記憶手段は、圧延材の寸法情報と、該圧延材における適正張力のときの移動速度とを前記ΔVaの形式で記憶した適正値テーブルを有し、
    前記速度制御装置は、前記実測ΔVaが、適正値テーブルΔVaになるよう、ロールスタンドの駆動モータの回転数を補正するモータ回転数補正手段を有することを特徴とする請求項6記載の条鋼材の圧延装置。
  8. 前記下流側ロールスタンドの出側に、圧延材の寸法を測定する寸法測定装置が設けられ、
    前記主制御装置には、前記寸法測定装置により測定された圧延材の寸法が目標値より外れている場合、当該寸法が目標値になるよう前記ロールスタンドの駆動モータを制御する寸法精度補正手段が設けられていることを特徴とする請求項6又は7に記載の条鋼材の圧延装置。
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