JP3853870B2 - Driving force transmission mechanism - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動力伝達機構、より詳しくは、駆動源の駆動力を複数の被駆動系に伝達する駆動力伝達機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、モータと直進ソレノイドを用いた遊星ギヤー機構によって、2種の駆動系に両方向の回転を伝達するクラッチ機構が知られており、このクラッチ機構を用いたカメラも種々のものが提案されている。
【0003】
さらに、このようなクラッチ機構において、一方の駆動系により駆動を行っている最中に、他方の駆動系にロックをかける手段も知られており、例えばズーム駆動系などのように外力が加えられる可能性のある部分に利用される場合もあった。
【0004】
上述のようなクラッチ機構においては、クラッチ部の制御には、ソレノイドの力を利用して駆動される係止部材が利用されており、該クラッチ部は遊星ギヤーを用いているために、平面的に展開されていくようになっている。よって係止部材は、遊星ギヤーのスラスト方向、すなわちアーム部材を上下に係脱するような部材を用いることにより、平面スペースをさらに大きくすることなく構成することができるために、一般的に利用されてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のような従来の構成では、ソレノイドは、クラッチ部の展開方向に対して垂直方向に配設されることになるために、該ソレノイドの空間的な配置には自由度が殆どなく、例えばレンズシャッタ式カメラのようにレンズ鏡枠の外周側に比較的スペースを確保することが容易なカメラに対してのみ有効であった。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、駆動源による遊星クラッチを介した被駆動系の一方向の回転または他方向の回転を、効率的に規制することができる小型な駆動力伝達機構を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明によるカメラのための駆動力伝達機構は、カメラのための駆動力伝達機構において、駆動源と、上記駆動源からの駆動力により駆動されることが可能な被駆動系と、上記駆動源からの駆動力を上記被駆動系に伝達するため上記被駆動系と噛合した状態と、上記被駆動系から切り離された状態とに公転する遊星歯車と、上記被駆動系中のギヤーと、上記ギヤーと常時噛み合っている上記被駆動系中のもう一つのギヤーと、上記駆動力伝達機構の内部に設けられ、上記遊星歯車が上記被駆動系から切り離された状態で上記二つのギヤーの回動を規制する係止手段と、を有する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1から図27は本発明の一実施形態を示したものであり、図1はカメラの外観を示す正面図、図2はカメラの外観を示す右側面図、図3は撮影レンズが望遠側にある状態のカメラの外観を示す平面図、図4はストロボ部がポップアップした状態のカメラの外観を示す左側面図、図5はカメラの外観を示す底面図、図6はカメラの外観を示す背面図である。
【0014】
なお、この一実施形態のカメラは、近年盛んに提案されているいわゆるアドバンスドフォトシステムに対応したものであって、かつ、撮影レンズとカメラ本体とが一体化された一眼レフレックスカメラとなっている。
【0015】
また、このカメラの撮影レンズには、焦点距離を連続的に変化させることができるズームレンズが適用されており、その焦点距離の調節可能範囲は例えば25mm〜100mmとなっていて、いわゆる4倍ズームレンズである。
【0016】
そして、このカメラには閃光発光装置としてストロボ部3が内蔵されており、このストロボ部3は、例えば撮影環境が低輝度環境である等により補助光を必要とする場合に発光位置へ突出(ポップアップ)することができる、いわゆるポップアップ機構を有している。このストロボ部3の収納状態は例えば図2に、ポップアップ状態は図4にそれぞれ示している。
【0017】
図1から図6に示すように、このカメラの外装は、フロントカバー1、リアカバー4、およびストロボ部3の3つのブロックに大別される。
【0018】
上記フロントカバー1は、このカメラの前面側を覆うようになっており、その前面の略中央部において、撮影レンズ等を保持するための撮影レンズ鏡筒2が配設されるように前面側に向けて突出する円筒形状部が設けられている。また、上記リアカバー4は、上記フロントカバー1と係合することで、このカメラの背面側を覆うような形状となっている。
【0019】
なお、このカメラは、上述したように、アドバンスドフォトシステムに対応したものであるために、例えば従来の135型フィルムパトローネ等を使用するカメラに設けられていた背面側の開口部や、この開口部を開閉する後蓋等は設けられていない。
【0020】
また、上記ストロボ部3は、図4に示すように、キセノン(Xe)管やリフレクタ(反射笠)等からなるストロボ発光部10と、ストロボカバー11とを有して構成されており、軸部11aにより上記フロントカバー1の上部に回動自在に軸支されている。そして、このストロボ部3は、上記軸部11aを回動中心として、このカメラの上方に向けて約80度の角度で回動するように設定されており、かつ、該ストロボ部3の両端部に2本のストロボアーム12を配設することにより、その回動動作を規制すると共にポップアップ時の所定の位置を保持するようになっている。
【0021】
なお、上記ストロボ発光部10の照射範囲については、図4に示すストロボ部3のポップアップ状態において、その撮影レンズの可変焦点距離におけるワイド(焦点距離25mm)側の最至近距離の撮影範囲を充分に照射することができるように、その照射角が設定されている。
【0022】
また、このカメラの正面側から見て左側には、写真撮影時等にこのカメラを保持するためのグリップ部1aが設けられており、図3に示すように、このグリップ部1aの上部前側には、シャッタレリーズボタン6が、また、背面側上部にはズームレバー19等の操作部材が配置され、さらに上記グリップ部1aの上部前面側に、リモコンからの例えば赤外線による信号を受光するリモコン受光部30が設けられている。
【0023】
一方、このカメラの撮影レンズは、上述したように、焦点距離25mm〜100mmの4倍ズームレンズが適用されており、上記ズームレバー19を任意に操作することによって、その焦点距離を上記範囲内において自由に設定することができるようになっている。
【0024】
このとき上記撮影レンズ鏡筒2は、その焦点距離が短焦点(ワイド)側から長焦点(テレ)側に移動するに従って、その全長が延びるようになっている(図3参照)。
【0025】
また、図3に示すように、カメラの上面部の一端部(カメラ正面から見た場合の右側上部)には、このカメラの主電源スイッチであるメインスイッチ5が配置されている。このメインスイッチ5は、カメラ上面部に回動自在に軸支された略円盤形状の部材からなり、カメラの電源状態をオフ状態とする「OFF」位置と、カメラの電源状態をオン状態とする「ON」位置と、上記ストロボ部3をポップアップさせてストロボ発光を可能とする「FLASH」位置とに、回動操作によって切り換えることができるようになっている。
【0026】
なお、上記ストロボ部3を、上記図4に示すポップアップ状態から、図1,図2,図3等に示す収納状態に変位させる場合には、例えば手などにより該ストロボ部3をカメラのフロントカバー1上面部側に向けて押圧すればよい。
【0027】
このカメラの背面側には、図6に示すように、各種の操作部材等が配設されている。すなわち、その略中央部の上部側には、被写体像を確認するための接眼レンズ系を有する接眼部16が、この接眼部16の図6の左側近傍には上記接眼レンズ系の視度を調節する視度調節ダイアル18が、この接眼部16の図6の右側近傍にはダイヤル形状の画面切換操作部材17がそれぞれ配設されている。
【0028】
この画面切換操作部材17は、アドバンスドフォトシステムにおいて適用されている3種類のプリントタイプ、すなわち、標準サイズである縦横比約9:16のH(H−D TV)タイプ、従来サイズの縦横比約2:3のC(Classic)タイプ、パノラマサイズである縦横比約1:3のP(Panorama)タイプのプリントタイプについて、写真撮影時に選択して切り換える操作部材である。
【0029】
より詳しくは、標準サイズである「H」位置を基準として、上記画面切換操作部材17を、例えば約45度の角度で図6の時計方向に回動させることでCタイプである「C」位置に、また、約45度の角度で図6の反時計方向に回動させることでPタイプである「P」位置にそれぞれ設定することができるようになっている。
【0030】
こうした画面切換操作部材17の操作により、上記接眼部16によるファインダ視野が各タイプに対応して切り換えられると共に、設定されたプリントタイプが、写真撮影時における撮影情報等の一部として図示しない情報記録制御回路によりフィルム面上に記録されるようになっている。
【0031】
また、上記接眼部16の下部側には、例えばフィルムカウンタや撮影モード等の各種情報を表示するための液晶ディスプレイ(LCD)等によってなる表示部20が配設されている。
【0032】
この表示部20の図6の右側近傍には撮影モード等を選択するモード選択ボタン22が配設され、また、該表示部20の図6の左側近傍には、上から下に向かって順に、ストロボ発光状態を設定するための発光モード選択ボタン23と、リモコンの使用やセルフタイマの使用等を設定するセルフ・リモコンボタン24と、逆光時における露出補正等を行なうための逆光補正ボタン25とが、それぞれ配置されている。これらの各ボタン23,24,25等については、例えば押圧することによって各種モードに設定することができるようになっている。
【0033】
上記モード選択ボタン22によって選択することができる撮影モードは、このカメラにおいては、一般的な撮影を行なうための通常モードに加えて、4種のモード(例えば、ポートレートモード、風景モード、ストップアクションモード(シャッタ優先モード)、夜景モード等)を設定することができるようになっており、それぞれの設定は、上記モード選択ボタン22を所定の4つの方向へ揺動することによって行なわれるようになっている。
【0034】
さらに、上記モード選択ボタン22の中心部には、フルオートボタン21が設けられており、このフルオートボタン21は、上記モード選択ボタン22等によって設定された撮影モードを通常モードに瞬時に復帰させる機能を有するものである。
【0035】
上記表示部20の下部には、押圧ボタンでなるデートモード切換ボタン26aとデートセットボタン26bが配設されている。上記デートモード切換ボタン26aは、写真撮影時の日付等に関する情報、例えば、「年・月・日」、「月・日・年」、「日・月・年」、「日・時・分」、「記録なし」等のデートモードを切り換えるためのボタンであり、また、デートセットボタン26bは、年月日、時分等の設定を行なうためのボタンである。
【0036】
そして、このカメラの背面側の両端部には、このカメラを携帯する際に使用するストラップ等を装着するための開口部28,29が配設されている。
【0037】
次に、このカメラの底面部は、図5に示すように、リアカバー4の上記グリップ部1aが配設されている側に、フィルム装填部でありロール状フィルムが収納されたカートリッジを挿脱するための開口部を覆うカートリッジ蓋7が配設されている。
【0038】
このカートリッジ蓋7は、上記リアカバー4に軸部材7aによって回動自在に軸支されており、該軸部材7aを中心としてカメラの外側に向けて約100度の角度の範囲内で回動するように設定されている。
【0039】
上記カートリッジ蓋7は、上記グリップ部1aの側面部に設けられたカートリッジ蓋開閉レバー13(図4参照)を摺動させることにより、そのロック状態を解除することができるようになっている。
【0040】
ここで、上記カートリッジ蓋開閉レバー13の中心部にはロックボタン14が配置されており、不用意な操作による誤開放を防止している。つまり、上記カートリッジ蓋開閉レバー13は、上記ロックボタン14を所定量だけ押圧した場合にのみ摺動させることができるようになっており、この場合に限って上記カートリッジ蓋7を開状態とすることができるようになっている。また、上記カートリッジ蓋開閉レバー13の近傍には、このカートリッジ蓋開閉レバー13を保護するためのカバーであるレバーカバー15が設けられている。
【0041】
なお、このカメラは、上記カートリッジ蓋7を開状態としてカートリッジをカメラ本体内に収納した後に、該カートリッジ蓋7を回動させて閉状態とすることのみでフィルム装填を行なうようにした、いわゆるドロップインタイプの装填方式が適用されている。
【0042】
さらにこのカメラのリアカバー4側の底面部には、図5のやや右よりに、写真撮影等の途中で撮影済みのフィルムをカートリッジ内に巻き戻すための途中巻戻しボタン27が配設されている。
【0043】
一方、このカメラの上記フロントカバー1側の底面部は、図5に示すように、上記カートリッジ蓋7の近傍の上記グリップ部1aの底面部に相当する位置に、このカメラに電源を供給する例えばリチウム電池等でなる電源電池45(図8参照)を挿脱するための開口部を覆う電池蓋8が配設されている。この電池蓋8は、上記フロントカバー1に軸部材8aによって回動自在に軸支されており、該軸部材8aを中心としてカメラの外側に向けて約100度の角度の範囲内で回動するように設定されている。
【0044】
また、この電池蓋8の近傍には、この電池蓋8の開閉を行なうための開閉レバー9が配設されており、この開閉レバー9を回動操作することで、そのロック状態を解除することができるようになっている。
【0045】
なお、図5は上記開閉レバー9がロック解除位置にある状態を示しており、この状態において上記電池蓋8のロック状態が解除されるようになっている。そして、上記開閉レバー9を、図5に示す状態から時計方向に回動させることで、上記電池蓋8を上記フロントカバー1に対してロックさせる状態とすることができる。
【0046】
さらにこのカメラのフロントカバー1側の底面部には、略中央部前面側に、カメラを三脚等に据え付けるための三脚取付用ねじ部31等が配設されている。
【0047】
次に、上記一実施形態のカメラの内部ユニットの構成について、図7,図8を参照して説明する。図7は本実施形態のカメラの内部ユニットの概略配置を正面側から示すブロック図、図8はカメラの内部ユニットの概略配置を上面側から示すブロック図である。なお、これら図7,図8においては、図面が煩雑になるのを避けるために適宜図示を省略して簡略化している。
【0048】
このカメラは、図示のように、撮影レンズを保持する撮影レンズ鏡筒2がカメラ前面側に配設され、その光軸後方となるカメラの略中央部には、一般的な一眼レフレックスカメラに適用されているクイックリターンミラー43x(図9参照)等を有するミラーボックス43が配設されており、その下側には測距を制御するオートフォーカス(AF)センサーユニット51が配設されている。
【0049】
上記ミラーボックス43の上側には、例えばフォーカシングスクリーンやダハミラー等によって構成されているファインダユニット49が配設されており、図示しない接眼レンズ系を介して、上記撮影レンズに入射された被写体光束を上記接眼部16へと導くようになっている。
【0050】
また、上記ミラーボックス43の後側には、一般的なフォーカルプレーンシャッタ43y(図9参照)等からなるシャッタユニット53が配設されており、これにより露光の制御を行うようになっている。このシャッタユニット53のさらに後側には、カメラ本体を構成する第1本体44の露光用開口部44g(図9参照)が配設されていて、被写体光束がフィルム面上へ透過するようになっている。
【0051】
また、上記第1本体44の図8の左側にはカートリッジ室57が、右側にはスプール室56が一体的に設けられていて、このスプール室56の略中央部には撮影済みのフィルムをロール状に巻き取る第1の被駆動部材でありフィルム巻上部材たるスプール軸56aが回動自在に軸支されている。また、上記第1本体44の、上記カートリッジ室57とスプール室56の間となる上記露光用開口部44gの近傍には、フィルム走行路が形成されている。
【0052】
なお、上記第1本体44のカートリッジ室57は、上記グリップ部1aの後部側の位置、つまり、上記図5に示したカートリッジ蓋7に対応する位置に配置されている。
【0053】
上記第1本体44のさらに後側には、第2本体54が配設されている。この第2本体54は、上記カートリッジ室57から上記スプール室56への遮光を行なうと共に、後述する圧板部212(図11参照)等によって露光用開口部44g近傍のフィルム走行路の寸法を確保し、必要なフィルムの平面性を得るようになっている。
【0054】
一方、上記グリップ部1a内の上記カートリッジ室57の前側部には、2本の電源電池45およびストロボ用コンデンサ46が配置されている。
【0055】
さらに、上記ミラーボックス43と上記撮影レンズ鏡筒2との間には、図8に示すように、金属板等により形成されたボディプレート41が配設されていて、上記撮影レンズ鏡筒2および上記ミラーボックス43は、このボディプレート41に対して直接固定されている。
【0056】
一方、上記フロントカバー1等の外装部材は、上記ボディプレート41に対してビス等により固定されていて、後で詳しく説明するように、外部からの力がカメラ内部に作用を及ぼすことがないように、上記第1本体44や第2本体54等が外装部材に対して直接接触しないように構成されている。
【0057】
さらに、このカメラにおける駆動源は、ミラー・シャッタモータ47と、フィルム給送モータ48と、図示しないAFモータと、やはり図示しないAVモータと、の四系統に大別される。
【0058】
上記ミラー・シャッタモータ47は、上記クイックリターンミラー43xのアップ・ダウン動作の制御を行ない、かつ上記フォーカルプレーンシャッタ43yのチャージ等の制御を行なうものであり、上記フィルム給送モータ48は、フィルム給送全般と撮影レンズの変倍(ズーミング)動作を行なうものである。また、上記AFモータは、上記撮影レンズ鏡筒2内に配置されていて合焦動作の制御を行なうものであり、上記AVモータは、絞りを制御するものである。
【0059】
これらの内の上記ミラー・シャッタモータ47およびフィルム給送モータ48は、カメラ本体側に配置されるモータであり、図7においてモータ地板にそれぞれ保持されて、モータユニット50を構成している。このモータユニット50は、カメラの底面側から装着されて上記ミラーボックス43や第1本体44等に固定され、カメラ内における所定の位置に位置決めされるようになっている。
【0060】
また、図7,図8に示すように、上記ミラー・シャッタモータ47は、上記シャッタユニット53(の駆動制御部)と、上記ストロボ用コンデンサ46および、上記ミラーボックス43等によって囲まれた空間に無駄なく配置されており、また、上記フィルム給送モータ48は、上記スプール室56内の上記スプール軸56aの内部に配置されている。
【0061】
そして、上記グリップ部1aの上部側には、図7に示すように、ワンウェイクラッチユニット52が配設されており、また、図8に示すように、このカメラの最後部側には、カメラ背面部の上記各種操作部材を制御する回路を備えた基板55が配設されている。
【0062】
次に、上記カメラの内部構造について図9を参照してより詳細に説明する。図9はボディプレート41、第1本体44、ミラーボックス43、撮影レンズ鏡筒2等のカメラ内部の主要ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【0063】
図示のように、上記ボディプレート41の略中央部には、撮影レンズからの被写体光束を通過させる開口部41kが設けられており、この開口部41kの外周部に、上記第1本体44、ミラーボックス43、撮影レンズ鏡筒2等の各ユニットを取り付けるための取付部が形成されている。
【0064】
上記ボディプレート41は、上述したように、例えば、約1mm厚のステンレス鋼板等の金属板等によって形成されて、他のユニットに対して極めて高い強度を保持するとともに、かつ高度な平面精度を得るために、曲げや絞り等の加工は一切なされていない。
【0065】
上記ミラーボックス43は、その内部に一般的なクイックリターンミラー43xが配設されており、このクイックリターンミラー43xは、上記ミラー・シャッタモータ47等により構成される駆動系によって、アップ・ダウン動作の制御がなされるようになっている。
【0066】
上述したように、上記ボディプレート41には上記ミラーボックス43が直接固定されるが、このとき、上記ミラーボックス43の前面側から突設された位置決めボス43i,43jが上記ボディプレート41に穿設された嵌合孔41c,41dに嵌合されることで、上記ミラーボックス43の上記ボディプレート41に対する位置決めがなされるようになっている。
【0067】
そして、上記ボディプレート41と上記ミラーボックス43は、セルフタップビス43a,43b,43c,43dを用いて4ヶ所で強固に固定されている。これらセルフタップビス43a,43b,43c,43dの取付位置は、上記ミラーボックス43側においてはボックス構造部の外周部、すなわち、光軸方向にボックスの構造部材が連続した部分に位置するようになっており、特に光軸方向については充分な強度を有する部分に配置されている。
【0068】
一方、上記ミラーボックス43の背面側には上記フォーカルプレーンシャッタ43yが配設されているが、このフォーカルプレーンシャッタ43yも該ミラーボックス43の背面側から図示しないビス等によって固定されている。
【0069】
また、上記ミラーボックス43のさらに後部側には上記第1本体44が配設されていて、これらの取付固定は、上述したミラーボックス43とボディプレート41の取付固定と同様になされる。
【0070】
すなわち、上記ミラーボックス43から後側に突設された図示しない2つの位置決めボスを、上記第1本体44に穿設された2つの嵌合孔44h(図9には1ヶ所のみを示す。)に嵌合することで、上記第1本体44の上記ボディプレート41に対する位置決めがなされ、さらにセルフタップビス43e,43f,43g,43hを用いて、第1本体44と上記ミラーボックス43を4ヶ所で強固に固定している。
【0071】
なお、上記各ユニットは、極力小型化を図って形成されているために、単体のユニットとしては変形を生じる可能性がある。例えば上記第1本体44の場合には、中央部に位置する上記露光用開口部44g近傍に比して、周縁部に位置するカートリッジ室57やスプール室56には変形が生じやすくなっている可能性が考えられる。そこで、こうした変形を防止するために、上記第1本体44には3ヶ所のボスが設けられている。
【0072】
すなわち、上記スプール室56の前部側にはボス44d,44eが突設されており、これらのボス44d,44eが、上記ボディプレート41側に穿設された嵌合孔41f,41gに嵌合するようになっている。これにより、上記スプール室56に対して若干のねじれ等の外力等が加わったとしても、所定の位置に矯正されてその変形を防止するようになっている。
【0073】
また、上記カートリッジ室57の前部側にはボス44cが突設されており、このボス44cが、上記ボディプレート41側に穿設された嵌合孔41eに嵌合することにより、同様に変形を防止するようになっている。このとき上記ボス44cは、上記ボス44d,44eに対して約2mm程長くなるように形成されており、上記ボディプレート41の嵌合孔41eに嵌合したときに、その先端部が上記ボディプレート41の前面側に突出するようになっている。
【0074】
なお、上記ボス44dとボス44eの間のやや横側となる位置には、他の係合用のボス44fが突設されている。
【0075】
そして、上記ボディプレート41に、上記ミラーボックス43および上記第1本体44とがそれぞれ直接固定された状態において、上記ミラーボックス43の上側には上記ファインダユニット49(図7参照)が、また、上記第1本体44の下側には上記モータユニット50(図7参照)が、それぞれ配置される構成となっている。
【0076】
一方、上記撮影レンズ鏡筒2は、上記ボディプレート41の前面側から取り付けて固定されるようになっている。すなわち、上記ボディプレート41には、上記撮影レンズ鏡筒2の2つの位置決め用嵌合孔41e,41mが穿設されており、これらの位置決め用嵌合孔41e,41mが、上記撮影レンズ鏡筒2の後側に設けられている図示しない位置決め用ボスと嵌合して、上記ボディプレート41に対して上記撮影レンズ鏡筒2の位置決めがなされるようになっている。
【0077】
そして、上記撮影レンズ鏡筒2の後端部側には、3ヶ所のフランジ部2a,2b等(図9においては2ヶ所のみを示す。)が形成されており、この各フランジ部2a,2b等には貫通孔がそれぞれ穿設されている。そして、これらの貫通孔と対向する上記ボディプレート41側の位置には、ビス締め部41h,41i,41jが設けられている。このビス締め部41h,41i,41jにはタップ加工が施されており、3本のビス2c,2d,2eにより上記撮影レンズ鏡筒2がボディプレート41の前面側に強固に固定されるようになっている。
【0078】
このようにして、上記撮影レンズ鏡筒2、ミラーボックス43、第1本体44等の主要ユニットは、強度上最も優れた部材である上記ボディプレート41に対して強固に保持されるようになっている。そして、これら一体化された主要ユニットは、カメラの上記外装部材に対して、上記ボディプレート41のみを介して固定されている。
【0079】
つまり、上記ボディプレート41の上側角部に設けられた係合部41a,41b等は、カメラの外装部材の内側に設けられた係合部と係合して、上記ボディプレート41をカメラの外装部材に対して固定するようになっている。
【0080】
このように一体化された主要ユニット等は、カメラの外装部材に対して上記ボディプレート41のみを介して固定されていて、上記第1本体44や第2本体54等は外装部材に直接接触することがないように構成されている。
【0081】
これにより、例えばカメラの外装部材に外部から衝撃力や外力等が加わった場合や、あるいは外装部材どうしの組み合わせにより応力が加わった場合にも、これらの力がカメラ内部に作用を及ぼすことがなく、カメラ内部の主要ユニット等が影響を受けることがないように構成されている。なお、上記外装部材は、カメラ自体の小型化を図るために極力薄肉化して形成されている。
【0082】
図10は、上記モータユニット50がカメラ内部の主要ユニット、すなわち、上記ボディプレート41に保持された上記ミラーボックス43、第1本体44等が一体化されたユニットに対して装着される際の状態を示す分解斜視図である。なお、この図10においては、上記主要ユニットを構成する上記撮影レンズ鏡筒2については図示を省略している。
【0083】
図10に示すように、上記モータユニット50は、上記主要ユニットの下側から装着されて位置決めがなされるようになっており、このモータユニット50は、上述したように、上記ミラー・シャッタモータ47、フィルム給送モータ48等を有して構成されている。
【0084】
すなわち、上記モータユニット50の筐体部は、第1モータ地板120と第2モータ地板121とを例えばビス等によって結合することで構成されており、上側の第1モータ地板120上には、上記ミラー・シャッタモータ47とフィルム給送モータ48とを各回転軸が略平行となるように直立させて固定している。また、これらミラー・シャッタモータ47とフィルム給送モータ48の下部となる上記モータユニット50の筐体部内には、後で詳しく説明するように、これらの駆動力が伝達される減速駆動系が配設されている。
【0085】
上記フィルム給送モータ48は、撮影レンズの変倍(ズーミング)動作用の駆動系としても使用されるために、その減速駆動系を構成するギヤー列中にはクラッチ機構が設けられており、フィルム給送動作に係る駆動系と撮影レンズのズーミング動作に係る駆動系とに切り換えることができるようになっている。
【0086】
上記クラッチ機構部は、2ヶ所の停止位置において上記フィルム給送モータ48の正逆方向の回転駆動力が伝達可能な構成となっていて、切り換えのために直進ソレノイドプランジャ58が用いられている。この直進ソレノイドプランジャ58は、第1モータ地板120の上面側に配設されており、後述するレバー部材を駆動することにより切換動作を行なうようになっている。
【0087】
なお、ズーミング動作に係るギヤー列については、上記フィルム給送モータ48の駆動力を上記撮影レンズ鏡筒2の内部へと伝達する必要があるために、例えば傘歯車等によって、その回転方向が変換されるようになっている。そして、上記フィルム給送モータ48の駆動力はズーム駆動系のギヤー列59等を介して上記撮影レンズ鏡筒2内に配設されるズーム駆動系のギヤー列に伝達されるようになっている。
【0088】
次に、カメラの駆動系について図11から図16を参照して説明する。なお、ここでは、ミラー・シャッター駆動系、ズーム駆動系等についての説明は省略して、フィルム給送動作に係る駆動系(以下、フィルム駆動系という。)についてのみ説明する。
【0089】
図11は、上記カメラのフィルム駆動系のギヤー列の、フィルムの巻き上げ(および初期送り出し)状態における配置を示す平面図である。なお、この図11においては、フィルム駆動系のギヤー列以外には、外装部材であるフロントカバー1、リアカバー4等の外形線、および上記ボディプレート41のみについてその位置関係を図示し、他のカメラの内部構成部材等については煩雑になるのを避けるために図示を省略している。
【0090】
また、図12はフィルム巻上駆動系のギヤー列の噛合状態を展開して示す縦断面図、図13はフィルム巻戻駆動系のギヤー列の噛合状態を展開して示す縦断面図である。
【0091】
なお、図12において、上記スプール軸56aが2ヶ所に図示されているが、これはギヤー列を展開して示しているためであって、このカメラにおいて上記スプール軸56aが2個存在することを示すものではない。
【0092】
そして、図14は上記カメラのワンウェイクラッチユニットとカートリッジを示す分解斜視図、図15は上記カメラのスプール室近傍の概略を示す平断面図、図16は上記図11と同様に上記カメラのフィルム駆動系のギヤー列のフィルム巻き戻し状態における配置を示す平面図である。
【0093】
まず、図11、図12を参照して初期減速部について説明する。
図12に示すように、上記フィルム給送モータ48は、上記モータユニット50における上側の構成地板である第1モータ地板120に対して、2本のモータビス104によって固定されている。上記フィルム給送モータ48には、ピニオンギヤー103がその回転軸に一体的に配設されている。
【0094】
上記ピニオンギヤー103には、3つの遊星ギヤー106が噛合しており、その位置は、第1減速ギヤー105に突出した3本の3等分軸によって保持されている。上記遊星ギヤー106は、その外周側においては、上記第1モータ地板120に一体的に形成されている内歯ギヤー107に噛合している。この内歯ギヤー107は不動であるために、上記フィルム給送モータ48の回転によって、上記遊星ギヤー106が公転し、上記第1減速ギヤー105が差動するようになっている。
【0095】
また、上記ピニオンギヤー103と同軸上には、遊星クラッチを構成する太陽歯車である第2減速ギヤー109が配置されている。この第2減速ギヤー109は、上記モータユニット50における下側の構成地板である第2モータ地板121に固定されたアーム軸110により、その回動中心が位置決めされている。この第2減速ギヤー109にも、上記第1減速ギヤー105と同様に3つの遊星ギヤー106が配置され、この遊星ギヤー106は、上記内歯ギヤー107と噛合している。そして、上記フィルム給送モータ48の回転によって、上記遊星ギヤー106が公転し、上記第2減速ギヤー109も差動するようになっている。
【0096】
ここで、上記2段の差動減速機構(差動減速部、減速機構)によって、上記フィルム給送モータ48に直接配設されている上記ピニオンギヤー103に対して、上記第2減速ギヤー109は、
((12+66)/12)^2=6.5^2
の減速比で回動するように設定されている。ここに、記号「^」はべき乗を表している。
【0097】
なお、図11に示すように、上記第2減速ギヤー109は、このカメラのグリップ部1a側とは反対側の一端部、つまり上記スプール室56が配設されている側の端部に設けられている。
【0098】
図12に示すように、上記第2減速ギヤー109は、上記フィルム給送モータ48と同軸に設けられており、このフィルム給送モータ48は、上述したように上記スプール軸56a内に配置されているために、上記第2減速ギヤー109は、該スプール軸56aに一体的に配設されているスプールギヤー117とも同軸に配設されている。
【0099】
図11に示すように、遊星クラッチを構成する太陽歯車である上記第2減速ギヤー109の出力は、遊星クラッチを構成する遊星歯車である第1Wギヤー111を介して被駆動系の被駆動歯車たる第2Wギヤー112に伝達され、この第2Wギヤー112によって、巻上駆動系側の第3Wギヤー113と、巻戻駆動系側の第1RWギヤー122との二方向へ分岐されるようになっている。
【0100】
ここで、巻上駆動系は、上記スプール軸56aを回動して、上記カートリッジ内のフィルムを上記スプール軸56a側に巻き上げるギヤー列からなり、また、巻戻駆動系は、上記カートリッジ内のフィルムを巻き戻し、また、カートリッジ外部へフィルムを送り出す方向へカートリッジ軸を回動させるための、初期送り出し機構を構成するギヤー列からなるものである。なお、このフィルムの初期送り出し機構については、アドバンスドフォトシステムのフィルムカートリッジを適用するカメラ等に特有の機構である。
【0101】
また、上記第1Wギヤー111は、図12に示すように、遊星クラッチを構成する連結アームたるWギヤーアーム118に支持されている。このWギヤーアーム118は、いわゆる遊星アームであって、上記第1Wギヤー111には、図示しないウェーブワッシャ等によってフリクションが付与されるようになっている。これは、上記Wギヤーアーム118が公転することにより、上記第1Wギヤー111と第2Wギヤー112との噛合を解除するためのものであって、この一実施の形態のカメラにおいては、ズーム駆動系側に上記フィルム給送モータ48の駆動力を伝達する場合に、上記Wギヤーアーム118が公転することになる。
【0102】
そして、上記第1Wギヤー111は、フィルム給送中においては、上記フィルム給送モータ48の回転方向に関りなく図11に示す位置に保持され、上記第1Wギヤー111と第2Wギヤー112とは常に噛合するようになっている。
【0103】
一方、巻上駆動系を構成するギヤー列、つまり、第2Wギヤー112、第3Wギヤー113、第4Wギヤー114、第5Wギヤー115、第6Wギヤー116は、上記スプール室56の近傍において、これを囲むように配置されており、上記第6Wギヤー116が、上記スプールギヤー117と噛合するようになっている。
【0104】
このときフィルム巻き上げを行なう場合には、上記第2減速ギヤー109を図11の反時計方向に回動させることによって、上記スプールギヤー117は、図11の時計方向に回動し、上記スプール軸56aをフィルム巻き上げ方向に回動させるようになっている。
【0105】
なお、上記第3Wギヤー113と上記第4Wギヤー114は、それぞれ第1クラッチアーム119の両端部に回動自在に軸支されて第1の遊星ギヤーを構成しており、それぞれ図示しないウェーブワッシャ等によってフリクションが付与されて、第1の遊星クラッチ機構を構成している。
【0106】
他方、巻戻駆動系(および送出駆動系)を構成するギヤー列において、上記第2Wギヤー112は、上記第1RWギヤー122と常に噛合しているために、この第1RWギヤー122から第2RWギヤー123、第3RWギヤー124、第4RWギヤー125、第5RWギヤー126までのアイドルギヤー列は、上記フィルム給送モータ48の回転方向に関らず常に回動されることになる。
【0107】
上記第5RWギヤー126は、2段ギヤーである第6RWギヤー127の大ギヤーと噛合しており、この第6RWギヤー127の小ギヤーは、第7RWギヤー128と噛合している。なお、上記第2Wギヤー112から上記第6RWギヤー127までのギヤー列を構成する各ギヤーは、上記モータユニット50内に配設されている。
【0108】
上記第7RWギヤー128と第8RWギヤー130は、軸部材であるRW軸129の両端部にそれぞれ配設されており、これによって、上記モータユニット50内のギヤー列からの駆動力をカートリッジ室57の上部側へと伝達するようになっている(図13,図14参照)。このとき、上記第7RWギヤー128の配設されている側の上記RW軸129の一端部は、上記第1本体44に回動自在に軸支されている。
【0109】
また、上記巻戻駆動系(および送出駆動系)を構成するギヤー列の内、上記第1RWギヤー122〜上記第6RWギヤー127までの各ギヤーは、上述したように上記モータユニット50内に配設されており、各ギヤーは上記第1モータ地板120から突出して配置されている軸部によって、それぞれの位置決めがなされると共に、そのスラスト方向への規制は上記第2モータ地板121によって行なわれるようになっている。
【0110】
上記第8RWギヤー130は、略L字形状からなる第2クラッチアーム138の2つの腕部に保持されている2つのギヤーである第2の遊星ギヤー、つまり、第9RWギヤー131、第10RWギヤー132の太陽ギヤーとして作用するようになっている。
【0111】
すなわち、上記第2の遊星ギヤーである第9,第10RWギヤー131,132は、上記第2クラッチアーム138の各腕部に一体的に形成された軸部によって回動自在に軸支されており、さらに図示しないウェーブワッシャ等によってフリクションが付与されている。これにより、上記第2クラッチアーム138は、上記第8RWギヤー130の回転方向によって公転するように構成され、第2の遊星クラッチ機構を構成している。
【0112】
なお、図11に示す状態は、上記第2クラッチアーム138が、上記第8RWギヤー130による図11の時計方向への回転を受けて同方向へ公転し、上記第2クラッチアーム138の一腕部に軸支されている上記第9RWギヤー131が、第11RWギヤー133と噛合している状態を示している。また、この状態は、図13において上記第8RWギヤー130より左側に示す展開図に相当する状態である。
【0113】
また、図13において上記第8RWギヤー130より右側に示す展開図は、上記第2クラッチアーム138の他腕部に軸支されている上記第10RWギヤー132と第12RWギヤー134とが噛合している状態について示しており、この状態は、上記第2クラッチアーム138が、上記第8RWギヤー130の図11における反時計方向への回転を受けて同方向へ公転した場合の状態を示している。従って、上記第9RWギヤー131と上記第11RWギヤー133とが噛合している状態(図13の左側展開図)と、上記第10RWギヤー132と上記第12RWギヤー134とが噛合している状態(図13の右側展開図)とが同時に生じるものではない。
【0114】
上記第11,第12RWギヤー133,134は、ワンウェイクラッチ機構(上記ワンウェイクラッチユニット52)を構成するものであって、その軸中心はこのカメラの上記カートリッジ室57内に装填されるカートリッジ405の中心軸(カートリッジ軸)と一致するように配置されている(図14参照)。
【0115】
ここで図14を参照して、ワンウェイクラッチ機構について説明する。
上記第12RWギヤー134は、RW爪137をRWばね136によってばね付勢した状態で保持し、上記RW爪137は軸方向へ摺動自在に配設されている。このときのRW爪137の回転方向は、上記第12RWギヤー134と一体的に回動する方向となっている。そして、上記RW爪137は、カメラに装填されたカートリッジ405内のカートリッジ軸の一端部に設けられた係合部139に係合するようになっており、これによって、上記フィルム給送モータ48からの駆動力が上記カートリッジ405のカートリッジ軸に伝達されるようになっている。
【0116】
さらに詳しく説明すると、図14に示すように、上記RWばね136は、例えばコイル状をなし、上記第12RWギヤー134の下面側に設けられた図示しない凸部と上記RW爪137の上面側に設けられた凹部にそれぞれその両端部が係合されて位置決めされている。また、上記RW爪137は、上記第12RWギヤー134に対して、スナップフィットによって組み付けられている。
【0117】
上記第12RWギヤー134の上面部には、円筒形状からなる部分が設けられており、その外周部にはワンウェイばね135が配置されるようになっている。このワンウェイばね135は、例えばコイル形状からなるものであるが、巻き締まることによって上記第12RWギヤー134にロックされるように構成された、いわゆるスプリングクラッチを形成するものである。つまり、その上部側の上記第11RWギヤー133には、この第11RWギヤー133と上記ワンウェイばね135が係合する係合部133aが設けられており、上記第11RWギヤー133が正逆方向に回動することによって、上記ワンウェイばね135の巻き締まり、巻き緩みがなされるようになっている。
【0118】
つまり、上記ワンウェイばね135には、フック部135aとエンド部135bが設けられ、上記フック部135aは、上記第11RWギヤー133の係合部133aに係合するようになっている。この状態において、上記第11RWギヤー133が図14の時計方向に回動した場合には、上記係合部133aと上記フック部135aが係合しているために、上記ワンウェイばね135は巻き締まる方向に付勢されることになる。そして、上記エンド部135bは、上記第12RWギヤー134に対して滑ることなく、上記第11RWギヤー133の回動に伴って上記第12RWギヤー134を同方向へと回動させる。
【0119】
また、上記第11RWギヤー133が図14の反時計方向に回動した場合には、上記フック部135aは、上記ワンウェイばね135を緩める方向に作用するために、上記エンド部135bは、上記第12ギヤー134に対してロックすることなく滑り、上記第12RWギヤー134は回動しないことになる。
【0120】
このようにワンウェイクラッチ機構は構成されているが、上記第9,第10RWギヤー131,132が、上記第11,第12RWギヤー133,134のどちら側に噛合するは、上記第8ギヤー130の回動方向によって決定されるために、カメラ内にカートリッジ405が装填されてフィルムが給送されていない状態では、上記ワンウェイクラッチ機構のワンウェイばね135が滑る状態が生じることはない。つまり、このワンウェイクラッチ機構は、カートリッジ405が装填されたカメラ内において、フィルムが初期送り出し動作からフィルム巻き上げ動作が行なわれる場合においてのみ必要となる機構である。
【0121】
なお、上記ワンウェイクラッチ機構は、そのスラスト方向への規制を上記第1本体44およびワンウェイクラッチ地板52aによって行なわれるようになっている。つまり、上記ワンウェイクラッチユニット52は、上述の図7において説明したように、このカメラのグリップ部1aの上部側に配置されており、上記第1本体44およびワンウェイクラッチ地板52aによって所定の位置に位置決めされるようになっているために、上記第2クラッチアーム138、第8RWギヤー130のスラスト方向への規制も合わせて行なわれることになる。
【0122】
図11に示す状態は、このカメラのオートローディング(自動給送)機構、すなわち、フィルムの初期送り出し動作および巻き上げ動作を行なう場合の状態を示している。
【0123】
つまり、上記スプールギヤー117が図11の時計方向に回動することにより、上記巻戻駆動系(および送出駆動系)のギヤー列を介して上記第11RWギヤー133が図11の時計方向に回動するために、上記RW爪137が、上記カートリッジ軸をフィルムの送出方向へと回動させて、上記カートリッジ内からフィルムをカメラ内の上記フィルム走行路へと導き出して、上記スプール室56内のスプール軸56aへ送り出す、フィルムの初期送り出し動作を行うことになる。そして、上記スプール軸56aは、この間、上記スプールギヤー117と共に、図11の時計方向への回動を続けており、上記スプール軸56aに上記カートリッジ内から送り出されたフィルムの先端部が当接した時点を境にして、フィルム初期送出し動作から巻き上げ動作へと移行することになる。
【0124】
ここで、上記スプール軸56aの近傍におけるフィルム巻き上げ機構についての構成を、図15を参照して以下に簡単に説明する。なお、このカメラのフィルム巻上機構は、例えば135型フィルムパトローネを使用するカメラにおいて従来より一般的に用いられている、摩擦力等を利用した摩擦巻上機構が適用されているものである。
【0125】
すなわち、図15に示すように、上記フィルム給送モータ48は、上記第1本体44の一端部に設けられた上記スプール室56の中心部に回動自在に軸支されている上記スプール軸56aの内部に配設されている。このとき、上記フィルム給送モータ48の外周部と上記スプール軸56aの内壁面との間には若干の隙間が生じるように配置されている。
【0126】
上記スプール軸56aの外周面上には、例えば薄肉のシリコンゴム等からなるスプールゴム56bが圧入等によって配設されている。このスプールゴム56bには、2つのローラ部材がばね力によって当接されている。つまり、一方のローラ部材である第1ガイドローラ140は、上記第2本体54側の図示しない固定部材にその支持部を有する、例えば板ばね等からなる付勢部材によって、図15において矢印A方向に付勢されるようになっている。これにより、上記カートリッジ405内から送り出されたフィルム404を上記スプール軸56aの外周面上に当接させると共に、押圧するようになっている。
【0127】
また、他方のローラ部材である第2ガイドローラ141は、上記第1本体44側の図示しない固定部材に支持された例えば板ばね等からなる付勢部材によって、図15の矢印B方向に付勢されるようになっている。これにより、上記カートリッジ405内から送り出された上記フィルム404の先端部が、上記スプール軸56aの外周面上を略一周した部分において、上記フィルム404を上記スプール軸56aの外周面上に当接させると共に、押圧するようになっている。
【0128】
そして、上記スプール室56の内壁面上には、上記カートリッジ405内から上記スプール室56内に送り出された上記フィルム404の先端部が、上記スプール軸56aの外周面上に導かれるように、ガイドシート143が配設されている。このガイドシート143は、その支点を上記第1本体44側の図示しない固定部材に固定されており、上記スプール室56内において、その内壁面に沿うと共に、上記スプール軸56aの外周面に沿うように配置されている。
【0129】
このように構成された上記スプール軸近傍におけるフィルム巻き上げ機構おいては、上記第1ガイドローラ140とスプール軸56aとの間を上記フィルム404が通過すると、上記スプールゴム56bの摩擦力によって該フィルム404が上記スプール軸56aに巻き付くようになっている。
【0130】
そして、この一実施の形態のカメラは、上述したようにアドバンスドフォトシステムに対応するものであるために、上記フィルム404が上記第1ガイドローラ140に到達するまでの動作、すなわち、フィルムの初期送り出し動作が行なわれることになる。つまり、この図15に示す状態となるまでの間は、上記第11RWギヤー133が回動することで、上記カートリッジ室57内に装填された上記カートリッジ405のカートリッジ軸を回動させることによるフィルムの初期送り出し動作が行なわれるようになっている。
【0131】
また、上記第1本体44と第2本体54との間には、上記フィルム404を露光用開口部において最適な平面性を確保するための間隔が確保されており、その終端部、すなわち、フィルム走行路と上記スプール室56との間には、本体ローラ142が上記第1本体44側の図示しない固定部材に回動自在に配設されている。この本体ローラ142は、上記フィルム404が上記スプール室56内へ送り出される際に例えば摩擦によって生じる損失を低減するものである。
【0132】
また、この本体ローラ142には図示しない検出部が連動して設けられていて、この検出部によって該本体ローラ142の回転速度を検出し、その検出結果を例えば磁気情報記録を行なう際のタイミング等を制御する制御回路等にフィードバックするようになっている。
【0133】
このようにして、上記第11RWギヤー133が図11の時計方向へと回動することにより、上記図14に示したRW爪137を回動させ、上記カートリッジ405内のカートリッジ軸をフィルムの初期送り出し方向に回動させて、フィルムの初期送出し動作がなされるようになっている。
【0134】
なお、本実施形態のカメラにおいては、上記送出駆動系の総減速比iALは、iAL=263.1となるように設定されている。また、上記フィルム給送モータ48は、φ12(mm)、L=30(mm)のDCコアードモータが適用されており、これによって、上記減速駆動系を介して上記カートリッジ軸の駆動に必要かつ充分なトルクを得ることができるようになっている。
【0135】
そして、図11に示す上記巻上駆動系の総減速比iW は、iW =135.2に設定されている。また、図15に示すように、上記スプール室56内において、上記スプールゴム56bの外周部の半径Rsは、Rs=7.6mmに設定されている。
【0136】
上述したように、上記巻上駆動系の総減速比iW に比べて、上記送出駆動系の総減速比iALを充分に大きく設定することによって、上記カートリッジ405内から送り出された上記フィルム404が、上記スプール軸56a上のスプールゴム56bに巻回された場合に、上記フィルム404は、送出駆動系によって移行してきた速度よりも速い速度でスプール軸56aに巻き上げられるようになっている。従って、上記フィルム404は上記スプール室56内において巻き太ることなく、上記スプール軸56a上のスプールゴム56b上に密着して巻き上げられるようになっている。
【0137】
そして、図11に示す状態において、上記フィルム404が上記スプール軸56aに巻回され、上記送出駆動系よりも速い速度で巻き上げられ始めると、上記第11,第12RWギヤー133,134等によって構成される上記ワンウェイクラッチ機構が動作することになる。つまり、上記送出駆動系よりも速い速度でフィルム404が巻き上げられるということは、図14においては、上記係合部139が上記第11RWギヤー133よりも速く回動する状態となるということであるために、上記第11,第12RWギヤー133,134の相対関係としては、上述した上記第11RWギヤー133が図11の反時計方向に回動した場合と同様である。このときは、上記ワンウェイばね135は緩み方向となるために、上記第11,第12RWギヤー133,134の相対関係において、そのロック状態は解除されることになる。
【0138】
これにより、上記スプール軸56aにフィルム404が巻き付いた後においては、上記各ギヤー列の状態は図11に示すようになるが、上記第11RWギヤー133は、フィルムの送り出し動作には関与せず、空転状態で巻き上げ動作が行なわれることになる。
【0139】
次に、このカメラにおけるフィルムの巻き戻し動作が行なわれる際の巻戻駆動系について、図16を参照して説明する。
【0140】
図16に示すように、フィルムの巻き戻し動作が行なわれる場合には、上記第1Wギヤー111の位置は巻き上げ動作時と同一であり、上記フィルム給送モータ48の回転方向、すなわち、上記第2減速ギヤー109の回動方向が異なるものである。つまり、上記第2減速ギヤー109が、図16の時計方向に回動することにより、上記巻戻駆動系を構成する各ギヤーは、図16に示す矢印方向に回転することになる。
【0141】
上述したように、上記第4Wギヤー114は、上記第1クラッチアーム119の一腕部に回動自在に軸支されており、図示しないウェーブワッシャ等によってフリクションが付与されている。また、上記第1クラッチアーム119の他腕部には上記第3Wギヤー113が回動自在に軸支されていると共に、この第3Wギヤー113および上記第1クラッチアーム119は、上記第1モータ地板120内において同軸上で回動自在に軸支され、その位置決めがなされている。
【0142】
ここで、フィルムの巻き上げ動作が行なわれる場合には、上記フィルム給送モータ48(上記第2減速ギヤー109)は、図11の反時計方向(第2方向の回転とする。)に回転することにより、上記第1クラッチアーム119が図11に示す状態で図示しないストッパ部材等によって所定の位置に固定され、この位置において上記第4Wギヤー114と上記第5Wギヤー115との噛合を確保するようになっている。
【0143】
一方、フィルムの巻き戻し動作が行なわれる場合には、図16に示すように、上記フィルム給送モータ48(上記第2減速ギヤー109)が、図16の時計方向(第1方向の回転とする。)に回転することにより、上記第1クラッチアーム119は、その支軸を中心として図16の反時計方向に角度θ1 だけ公転して、この所定の位置で図示しないストッパ部材によって固定される。
【0144】
そして、この位置においては上記第4Wギヤー114と上記第5Wギヤー115の噛合が解除されるために、上記巻上駆動系のギヤー列を構成する各ギヤーの内の上記第5Wギヤー115から上記スプールギヤー117までの各ギヤーは、上記フィルム給送モータ48によっては駆動されない状態となる。
【0145】
また、フィルムの巻き戻し動作が行なわれる場合には、上記巻戻駆動系における上記第8RWギヤー130の回動方向は、上述した巻き上げ時とは逆方向になる。つまり、上記フィルム給送モータ48(上記第2減速ギヤー109)が、図16の時計方向(第1方向の回転)に回転することにより、上記第8RWギヤー130は、図16の反時計方向に回動することになるために、これに伴って、上記第2クラッチアーム138も図16の反時計方向に公転することになる。
【0146】
そして、上記第2クラッチアーム138が角度θ2 だけ回動した位置において、図示しないストッパ部材等によって所定の位置に位置決めがなされると共に、上記第10RWギヤー132が上記第12RWギヤー134に噛合することになる。つまり、上記巻戻駆動系に上記フィルム給送モータ48の駆動力が伝達される一方で、上記送出駆動系への駆動力の伝達は解除されるようになっている。
【0147】
なお、このときの状態が、図16に示した状態、および図13において上記第8RWギヤー130より右側に展開した状態である。図示のように、上記第10RWギヤー132が上記第12RWギヤー134と噛合しているために、上記第8RWギヤー130の駆動力は、上記ワンウェイクラッチ機構を介すことなく第12RWギヤー134に直接伝達されるようになっている。
【0148】
また、上記第11,第12ギヤー133,134の諸元は、送出駆動系においても巻戻駆動系においても同一であるために、この巻戻駆動系における総減速比iRWは、iRW=263.1となるように設定され、上記送出駆動系の総減速比iALと同様の設定となっている。
【0149】
こうしてこのカメラにおいては、単一のモータ、すなわち、上記フィルム給送モータ48の回転方向を、正逆回転させることによって、フィルムの初期送り出し動作、巻き上げ動作、および巻戻し動作を行なうことができるようになっている。
【0150】
次に、上記直進ソレノイドプランジャ58等によって形成されるクラッチ機構、および、これによって切り換えられるフィルム駆動系とズーム駆動系の概略構成について説明する。図17はモータユニット50を示す分解斜視図である。
【0151】
上述したようにモータユニット50は、上記第1モータ地板120および上記第2モータ地板121を有して構成される筐体部からなり、図17に示すように、上記第1モータ地板120の上面側に、フィルム駆動系とズーム駆動系とを駆動する上記フィルム給送モータ48と、上記ミラー・シャッタモータ47とが、それぞれ所定の位置に直立した状態で配設されており、このフィルム給送モータ48、ミラー・シャッタモータ47のそれぞれの下部において、上記モータユニット50の筐体部内に減速駆動系等が配設されている。
【0152】
なお、上記モータユニット50の筐体部は、該筐体部を構成する一方の筐体部材である上記第1モータ地板120の底面側に設けられた図示しない位置決め用ボスに対して、他方の筐体部材であり板状部材からなる第2モータ地板121側の、上記位置決め用ボスに対応する位置に設けられた孔部が係合することにより、上記第1モータ地板120に対する上記第2モータ地板121の位置決めがなされている。
【0153】
そして、この状態において、上記第2モータ地板121は、上記第1モータ地板120の底面側より、図17に示すように、セルフタップビス120a,120b,120cによって固定されている。
【0154】
また、上記第1モータ地板120の上面側においては、上記フィルム給送モータ48の近傍に、切換アクチュエータである上記直進ソレノイドプランジャ58が配設されており、この直進ソレノイドプランジャ58の移動鉄芯58aの移動方向は、上記撮影レンズ(撮影光学系)の光軸と略平行になるように設定されている。そして、上記移動鉄芯58aの先端部に設けられた後述するフック部58b(図19参照)の下方に対向する位置の上記第1モータ地板120上には、開口部120dが設けられている。
【0155】
そして、上記第1モータ地板120の一端部(フィルム給送モータ48が配設されている側)の前面側(上記モータユニット50がカメラ内部に配置された場合においては被写体側)には、上述したように、上記ズーム駆動系のギヤー列59等が配設されている。このギヤー列59は、第2傘歯ギヤー155、第2Zギヤー156等によって構成されているものである。
【0156】
つまり、上記ギヤー列59を構成する上記第2傘歯ギヤー155、上記第2Zギヤー156およびロックレバー162は、上記第1モータ地板120の前面側に向けて植設された3本の軸部にそれぞれ回動自在に軸支されており、このロックレバー162にはロックばね163が掛けられて、上記軸部を中心とする回転方向の内の一方向に付勢されている。
【0157】
そして、上記第2傘歯ギヤー155、第2Zギヤー156、ロックレバー162は、上記第1モータ地板120と第2モータ地板121が結合されたときに、上記第2モータ地板121側に設けられたスラスト規制部121aによって、その軸方向への移動が規制されると共に、上記モータユニット50の前面側において保持されるようになっている。
【0158】
一方、上記第2モータ地板121側においては、遊星クラッチを構成する上記Wギヤーアーム118および遊星クラッチを構成する係止レバーたるクラッチレバー154が、それぞれアーム軸110,レバー軸153によって、回動自在に軸支されている。
【0159】
上記Wギヤーアーム118上には、遊星クラッチを構成する遊星歯車たる上記第1Wギヤー111および同遊星歯車たる第1Zギヤー151が支持されており、この第1Wギヤー111、第1Zギヤー151は、それぞれ図示しないウェーブワッシャ等によってフリクションが付与されている。また、上記Wギヤーアーム118の上記第1Zギヤー151が設けられている外周側には、上記ロックレバー162と当接してこれを回動させるリフト用斜面部118dが、上記Wギヤーアーム118と一体的に形成されている。
【0160】
そして、上記第1,第2モータ地板120,121が結合した状態において、上記クラッチレバー154の一端部に設けられたボス部154cが、上記第1モータ地板120の開口部120dに対応する位置に配置されるようになっており、このとき、上記ボス部154cは、上記第1モータ地板120の上面側に突出して、上記直進ソレノイドプランジャ58の移動鉄芯58aの上記フック部58bと係合するようになっている。
【0161】
これにより、上記クラッチレバー154は、上記移動鉄芯58aの撮影レンズの光軸と略平行な方向への移動に連動し、上記レバー軸153を中心として回動するようになっている。
【0162】
他方、上記第1モータ地板120の上面側に設けられた上記直進ソレノイドプランジャ58の近傍には軸部材が植設されており、この軸部材には、クラッチレバーばね164が配設されている。このクラッチレバーばね164は、上記クラッチレバー154の後述するばね当接面154d(図19参照)に係合して、該クラッチレバー154を介して上記移動鉄芯58aを常に離反する方向に付勢するものである。
【0163】
そして、フィルム給送に係るフィルム駆動系のギヤー列を構成する他のギヤー等については、上述したように、上記モータユニット50内においてそれぞれ配設されている(図11から図13および図16参照)。
【0164】
次に、本実施形態のカメラのクラッチ機構について説明する。
【0165】
まず、フィルム駆動系のギヤー列の内の巻上駆動系のギヤー列に上記フィルム給送モータ48の駆動力が伝達されている状態について、すなわち、上記クラッチ機構が上記図11に示したようなフィルム巻き上げ状態にある場合について、図18を参照して説明する。
【0166】
図18はフィルム巻き上げ状態における上記カメラのクラッチ機構部を示す平面図である。
【0167】
上述したように上記第2減速ギヤー109は、フィルム巻き上げ動作が行なわれる場合には、上記フィルム給送モータ48によって図18の反時計方向に回動される。
【0168】
上記第2減速ギヤー109には、上記第1Wギヤー111および上記第1Zギヤー151がそれぞれ噛合しており、上記第2減速ギヤー109の回動に伴って、上記第1Wギヤー111、第1Zギヤー151はそれぞれ、図18の時計方向に回動する。
【0169】
この場合に、上記第1Wギヤー111は、上述したように、上記第2Wギヤー112と常に噛合しているために、上記巻上駆動系や巻戻駆動系(送出駆動系)等を駆動することになる一方、この状態においては、上記第1Zギヤー151は、他のギヤーと噛合しておらず空転する状態となっている。
【0170】
上記第1Wギヤー111には、上述したように、図示しないウェーブワッシャ等によってフリクションが付与されているために、この第1Wギヤー111と上記第1Zギヤー151を支持する上記Wギヤーアーム118は、上記フィルム給送モータ48の駆動力により上記第2減速ギヤー109の回転方向と同方向への公転力を受けることになるが、この場合に、上記Wギヤーアーム118の巻上時係止面118aが、上記第2モータ地板121の底面側に設けられた固定部材であるアームストッパ部121bに当接することにより、上記Wギヤーアーム118の公転動作が規制されて、上記第1,第2Wギヤー111,112の噛合が保持される。
【0171】
他方、上記第2Wギヤー112の近傍には、ズーム駆動系を構成する上記第1Zギヤー151と噛合する被駆動系の被駆動歯車たる第1傘歯ギヤー152が配置されており、この第1傘歯ギヤー152は、上記モータユニット50内に配置されて上記第1モータ地板120とクラッチレバー154のレバー軸153によって回動自在に軸支されている。
【0172】
また、上記クラッチレバー154の一腕部には、2つの係止面154a,154bが設けられている。これらの内の一方の巻戻時係止面154aは、フィルムの給送状態において、上記Wギヤーアーム118の巻戻時ストッパ部118fと対向する面であって、この図18には、上記ストッパ部118fと上記巻戻時係止面154aとが対向して配置されている状態を示している。
【0173】
なお、この図18は、上記第2減速ギヤー109が反時計方向に回転した場合(フィルム巻き上げ状態)についてのものであって、上記巻上時係止面118aと上記アームストッパ部121bとが当接している状態を示していると共に、図18において上記ストッパ部118fと上記係止面154aとが当接しているように図示しているが、実際には上記ストッパ部118fと上記係止面154aとの間にはわずかな隙間が存在するように設定されており、上記クラッチレバー154の回動動作が妨げられることのないように構成されている。
【0174】
そして、上記巻戻時係止面154aは、図18に示す状態においてフィルム巻き戻し状態となって、上記第2減速ギヤー109が図18の時計方向に回動し上記Wギヤーアーム118が同方向への公転力を受けたときに、上記巻戻時ストッパ部118fと当接して上記Wギヤーアーム118の公転動作を規制することにより、上記第1Wギヤー111と第2Wギヤー112の噛合状態を該フィルム巻き戻し時においても保持するようになっている。
【0175】
また、他方のズームダウン時係止面154bは、上記フィルム給送モータ48の駆動力がズーム駆動系に伝達されてズーミング動作が行なわれる場合に、上記Wギヤーアーム118を保持する面である。
【0176】
すなわち、上記クラッチレバー154は回動自在であるために、上記巻戻時係止面154aと上記巻戻時ストッパ部118fとの当接が解除された場合(ズーム駆動系への切り換え動作が行なわれた場合)に、上記Wギヤーアーム118は、図18に示す状態から時計方向に公転することが可能な状態になる。このときに、上記Wギヤーアーム118の時計方向への公転に伴って、上記クラッチレバー154は、上記Wギヤーアーム118の外周部118gの外周側に退避し、上記Wギヤーアーム118の公転を許容し、上記ズームダウン時係止面154bとズームダウン時アームストッパ118eとが当接可能となる状態までWギヤーアーム118は公転する。
【0177】
そして、この状態においては、上記第1Wギヤー111と第2Wギヤー112の噛合が解除される一方、上記第1Zギヤー151と上記第1傘歯ギヤー152とが噛合して、後で詳しく説明するように、上記フィルム給送モータ48の駆動力がズーム駆動系へと伝達されるようになっている(図20参照)。
【0178】
一方、上記Wギヤーアーム118の状態については、WZ切換フォトインタラプタ(WZ切換PI)165によって検出されるようになっている。すなわち、上記Wギヤーアーム118の近傍には、上記WZ切換PI165が配設されており、このWZ切換PI165の検出部に対応するように、上記Wギヤーアーム118には薄肉の遮光部からなる検出部118cが設けられている。
【0179】
これによって、上記Wギヤーアーム118が公転した際に、上記WZ切換PI165側の検出部が上記検出部118cの存否を検出することにより、該Wギヤーアーム118の状態が検出されるようになっている。なお、図18に示す状態は、上記Wギヤーアーム118の上記検出部118cが、上記WZ切換PI165の検出部を遮光している状態を示している。
【0180】
図19は上記カメラのクラッチ機構における上記直進ソレノイドプランジャ58の移動鉄芯58aと上記クラッチレバー154との連動状態を示す平面図、図20は上記クラッチ機構においてモータの駆動力がフィルム駆動系側からズーム駆動系側へ切り換えられて伝達される際の状態を示す平面図である。なお、これら図19,図20においては、図面が煩雑になるのを避けるために、クラッチ機構に関する構成部材のみを図示して、その他の部分については省略している。
【0181】
図19,図20を参照して、上記直進ソレノイドプランジャ58への通電がなされて上記移動鉄芯58aが吸着状態となり、フィルム駆動系からズーム駆動系への切り換え動作が行なわれる場合について説明する。
【0182】
上述したように、図19に示す上記クラッチレバー154のボス部154cは、上記第1モータ地板120の開口部120dから上方に向けて突出しており、このボス部154cは、上記直進ソレノイドプランジャ58の移動鉄芯58aの中程に設けられたフック部58bと係合されている。これにより上記クラッチレバー154は、上記移動鉄芯58aの動作に連動して、上記レバー軸153を中心として回動するようになっている。
【0183】
また、上記クラッチレバーばね164は、その一端部の可動端が、上記クラッチレバー154のばね当接面154dと当接している一方、他端部は、上記第1モータ地板120側の図示しない固定部材により係止されている。これにより、上記クラッチレバーばね164は、上記クラッチレバー154を、図19の反時計方向に常に付勢するようになっている。
【0184】
そして、上記移動鉄芯58aは、通常の場合には、上記クラッチレバーばね164によって図19の反時計方向に付勢されているので離反した状態にあるが、上記直進ソレノイドプランジャ58に通電がなされると、吸着する方向に移動するようになっている。この場合に、上記クラッチレバー154の移動鉄芯58aは、上記クラッチレバーばね164の付勢力に抗して、上記クラッチレバー154を、図19の時計方向に回動させることになる。
【0185】
なお、上記直進ソレノイドプランジャ58への通電がなされていない状態においては、上記Wギヤーアーム118の巻上時係止面118aは上記アームストッパ部121bに当接している状態(フィルム巻上げ状態)であるから、上記クラッチレバー154の巻戻時係止面154aには、上記Wギヤーアーム118の巻戻時ストッパ部118f側からの公転力が加わっていない状態である。従って、この状態において、上記直進ソレノイドプランジャ58へ通電がなされて、上記移動鉄芯58aが吸着状態となると、上記クラッチレバー154は、上記巻戻時係止面154aが障害となることなく、図19に示す状態まで回動されることになる。
【0186】
また、上記第1傘歯ギヤー152は、上記クラッチレバー154の回動中心であるレバー軸153と同軸に配設されているが、該レバー軸153によってスラスト方向への規制がなされているのみであるために、上記クラッチレバー154が回動しても上記第1傘歯ギヤー152には何ら影響を与えることはない。そして、この状態において、巻き戻し方向のストッパはフリーとなり、すなわち、上記巻戻時係止面154aによる上記Wギヤーアーム118の公転の規制は解除される状態となる。
【0187】
従って、図19に示すように、上記第2減速ギヤー109が、図19の時計方向(図18の係止状態において巻き戻し方向。)に回動すると、上記第1Wギヤー111に付与されているフリクションによって、上記Wギヤーアーム118も同方向に回動することになる。これによって、上記第1Wギヤー111と上記第2Wギヤー112との噛合が解除されて、フィルム駆動系側には、上記フィルム給送モータ48の駆動力が伝達されない状態となる。つまり、上記クラッチ機構によって、上記フィルム駆動系からズーム駆動系への切り換えがなされることになる。
【0188】
上記Wギヤーアーム118の公転に従って、上記第1Zギヤー151は、上記クラッチレバー154の巻戻時係止面154aを通過して行くが、このとき上記Wギヤーアーム118の外周部118gは、レバー離脱面154eに対して充分な間隔が確保されるように上記クラッチレバー154の回動角が設定されていると共に、上記第1Zギヤー151は、上記クラッチレバー154に対して上下方向に充分な間隔が確保されるようになっている。
【0189】
従って、上記Wギヤーアーム118が図19の時計方向に公転する際には、上記クラッチレバー154は、該Wギヤーアーム118と上記第1Zギヤー151の何れとも干渉しないようになっている。
【0190】
上記Wギヤーアーム118が公転している最中は、上記直進ソレノイドプランジャ58の吸着状態は保持されているために、図20に示すように、上記Wギヤーアーム118は、そのズームアップ時係止面118bが上記アームストッパ部121bに当接する位置まで公転して、その位置で公転が規制される。
【0191】
上記ズームアップ時係止面118bが上記アームストッパ部121bに当接すると、上記第1Zギヤー151と上記第1傘歯ギヤー152とが噛合し、上記フィルム給送モータ48の駆動力は、ズーム駆動系側に伝達される状態となる。
【0192】
これら第1Zギヤー151と第1傘歯ギヤー152が噛合した状態を、カメラ内に配設された図示しない検出部によって検出するようにし、図示しない制御回路等によって上記フィルム給送モータ48を制御することにより、その回転動作を停止させると共に、上記直進ソレノイドプランジャ58への通電を停止するような制御が行なわれることになる。これにより、上記クラッチレバー154は、上記クラッチレバーばね164の付勢力によって、図20の反時計方向へと回動し、その係止位置に入り込むことになる。
【0193】
つまり、上記クラッチレバー154は、図20に示すように、上記Wギヤーアーム118の係止部に係止される状態、すなわち、上記ズームダウン時係止面154bと上記ズームダウン時アームストッパ118eとが対向するように位置する状態となる。
【0194】
なお、図20においては、上記ズームダウン時アームストッパ118eと上記ズームダウン時係止面154bとが当接しているように図示しているが、上記アームストッパ部121bと上記ズームアップ時アーム係止面118bとが当接している場合には、上記ズームダウン時アームストッパ118eと上記ズームダウン時係止面154bとの間には、上記クラッチレバー154の上記Wギヤーアーム118に対する係脱動作に何らの障害が生じないように、若干の間隔が確保されるように設定されている。
【0195】
そして、図20に示すように、上記アームストッパ部121bには、上記ズームアップ時アーム係止面118bが当接した状態となっている。この状態において、フィルム駆動系からズーム駆動系への切り換えを行なう場合と同様に、上記第2減速ギヤー109を図20の時計方向に回動させることにより、上記第1傘歯ギヤー152は、上記第1Zギヤー151を介して図20の時計方向に回動し、ズーム駆動系を構成するギヤー列に駆動力を伝達して、ズームアップ動作が行なわれることになる。
【0196】
また、この図20に示す状態において、上記直進ソレノイドプランジャ58への通電を行なうことなく上記フィルム給送モータ48を逆転させると、上記Wギヤーアーム118には逆方向の公転力が生じるために、上記ズームダウン時アームストッパ118eが上記ズームダウン時係止面係止面154bに当接する。このとき、上記Wギヤーアーム118の公転力は上記クラッチレバー154によって規制されているために、上記第1傘歯ギヤー152と上記第1Zギヤー151との噛合状態は保持される。
【0197】
従って、上記第1傘歯ギヤー152は、図20の反時計方向へと回動して、ズーム駆動系を構成するギヤー列に駆動力を伝達し、ズームダウン動作が行なわれることになる。
【0198】
つまり、この図20に示す状態において、上記フィルム給送モータ48を正逆回転させることによって、任意にズーミング動作を行なうことができることになる。
【0199】
一方、ズーム駆動系からフィルム駆動系へと切り換える場合には、まず、上記直進ソレノイドプランジャ58への通電を行なって吸着状態とし、上記クラッチレバー154を、図20の時計方向へと回動させて、このクラッチレバー154を上記Wギヤーアーム118から離脱させた後に、上記フィルム給送モータ48を巻き上げ時と同方向に回転させることにより、上記Wギヤーアーム118を図20の時計方向に公転させる。これによって、上記図19に示す状態を経て図18に示す状態に復帰することになり、ズーム駆動系からフィルム駆動系への切り換えが行なわれることになる。
【0200】
なお、ズーム駆動系からフィルム駆動系への切り換え動作時においては、上記WZ切換PI165によって上記Wギヤーアーム118の位置が検出される。この場合の上記Wギヤーアーム118の公転位置と上記WZ切換PI165の出力の関係は、図25に示すようになる。
【0201】
すなわち図25に示すように、上記Wギヤーアーム118の検出部118cが上記WZ切換PI165のスリットを遮光した場合をロー(Low)出力とすると、上記Wギヤーアーム118とWZ切換PI165との位置関係は、上記アームストッパ部121bに上記Wギヤーアーム118が当接する直前において、上記WZ切換PI165の出力は、ハイ(High)状態からロー(Low)状態へと切り換わるように設定されている。
【0202】
従って、ズーム駆動系からフィルム駆動系への切り換え時において、上記WZ切換PI165の出力変化を検出することにより、適当なディレイをタイマ等によって確保した後にブレーキをかけることにより、フィルムを移動させてしまうことなく、駆動系が切り換わった位置に確実に上記Wギヤーアーム118を停止させることができるように設定されている。
【0203】
図21はカメラのスプール室56下部に配置されるズーム駆動系を構成するギヤー列の配置を示す正面図、図24はカメラのズーム駆動系を構成するギヤー列の配置を展開して示す断面図である。これらの図面を参照して、第1傘歯ギヤー152以降のズーム駆動系について詳細に説明する。なお、これら図21,図24においては、図面が煩雑になるのを避けるために、必要な部分のみを図示して、その他の部分については省略している。
【0204】
Wギヤーアーム118部付近は、フィルム給送方向と平行な回動方向であったが、ズーム駆動系は撮影レンズ鏡筒2内のカムを回動させるものであるために、回転方向を90°変換する必要がある。
【0205】
図24に示すように、第1傘歯ギヤー152は、上記第1Zギヤー151と噛合している16歯の平歯車の上側に、17歯でモジュール0.4の傘歯車を有している。この傘歯車はピッチ円錐角45°に設定されており、これに、上記第2傘歯ギアー155の傘歯車が噛合している。
【0206】
この第2傘歯ギヤー155の傘歯車も、上記第1傘歯ギヤー152の傘歯車と同一諸元となっており、共に第1モータ地板120に一体に形成された軸に回動自在に支持されている。
【0207】
上記第1傘歯ギヤー152は、レバー軸153によりスラスト方向の位置を規制されていて、このレバー軸153は、クラッチレバー154を回動自在に保持している。
【0208】
上記第2傘歯ギヤー155には上記傘歯車とともに平歯車が一体に形成されていて、この平歯車は第2Zギヤー156を介して第3Zギヤー157側へ動力を伝達するものである。ここに、これら第2Zギヤー156と第3Zギヤー157は、共に大歯車が19歯、小歯車が11歯、モジュール0.4でなる同一諸元の二段ギヤーである。
【0209】
上記第3Zギヤー157にはアイドルギヤーでなる第4Zギヤー158が噛合しており、この第4Zギヤー158はさらに第5Zギヤー159と噛合して、動力が伝達されるようになっている。
【0210】
上記第5Zギヤー159は、本体側と撮影レンズ鏡筒2側の動力伝達を行なう連結ギヤーであり、ボディプレート41を撮影レンズ鏡筒2側へ貫通して動力伝達するようになっている。
【0211】
この第5Zギヤー159も二段ギヤーでなるが、その他端159aは撮影レンズ鏡筒2内の固定枠160に回動自在となるように支持されている。この他端159aは、この状態において撮影レンズ鏡筒2内のカム筒に形成された内歯ギヤーに噛合しており、該カム筒の回動によりレンズ枠が光軸方向に移動するようになっている。
【0212】
図示しないカム筒をも含めたズーム駆動系の総減速比iz はiz =992.5に設定されていて、十分な駆動力を確保するようになっている。
図24におけるその他の構成は既に述べた通りである。
【0213】
次に、図21に示す外装アウトラインは、上記フロントカバー1もしくはストロボ部3の最外形を示している。
【0214】
上記ボディプレート41は、上述のように、その略中央部に撮影レンズからの被写体光束を通過させる略矩形の開口部41kが設けられたものであり、その右上部に設けられたフロントカバービス固定部41bによりフロントカバー1に固定されている。
【0215】
スプール室56内に配設されたフィルム給送モータ48は、給送部の説明において上述したものであり、図面が煩雑になるのを避けるために、上記ピニオンギヤー103から第1傘歯ギヤー152の手前までは部品の図示を全て省略している。
【0216】
第2モータ地板121にはレバー軸153が固定されていて、クラッチレバー154を保持するこのレバー軸153の上側には第1傘歯ギヤー152が配設されていて、さらにその上側に第2傘歯ギヤー155が配設されている。
【0217】
この第2傘歯ギヤー155以降は、上述したように、第2Zギヤー156、第3Zギヤー157、第4Zギヤー158、第5Zギヤー159へと順次噛合している。
【0218】
ここに上記ボディプレート41は、第2傘歯ギヤー155、第2Zギヤー156、第5Zギヤー159を逃げた形状となるように形成されている。
【0219】
第3Zギヤー157,第4Zギヤー158,第5Zギヤー159は、図24に示したZギヤー地板161により支持されており、このZギヤー地板161は、図示しないビスによりボディプレート41に一体的に固定されている。
【0220】
こうして、フィルム給送モータ48からの動力は、第5Zギヤー159を介して、正面から見るとミラーボックスの右下から撮影レンズ鏡筒2内に伝達され、カム筒を回動させるようになっている。
【0221】
ここで、本実施形態のカメラの場合には、上述したようなギヤー列のレイアウトには制約が生じることになる。
【0222】
すなわち、全体構成において、スプール室56側は、該スプール室56ぎりぎりまで他の部材を排除することで小型化を実現しているために、2つの駆動系の受動ギヤー(第2Wギヤー112,第1傘歯ギヤー152)は、たとえば図20において、第2減速ギヤー109の中心よりも右側にレイアウトすることはできない。
【0223】
これは、上記図16に示したカメラのアウトラインと重ね合わせれば容易に判断することができるが、該図16において、第2Wギヤー112と同程度の大きさのギヤーがスプールギヤー117のほぼ外側に配置されているわけであるから、カメラ全体が自ずから大型化してしまう。よって、本実施形態のように、上記2つの受動ギヤー(第2Wギヤー112,第1傘歯ギヤー152)を、上記第2減速ギヤー109の回動中心よりもカメラの中心側になるように配置することが必要となる。
【0224】
また、クラッチ機構を係止するクラッチレバー154は、上述したように、本実施形態においてもクラッチ機構の公転方向に対してラジアル方向(径方向)の係脱によって係止するタイプであるために、図19に示すように、離脱時の径方向のスペースが不可欠となる。
【0225】
よって、クラッチレバー154も、その全体をクラッチ機構の右側に配置する場合には、機構の大型化を招いてしまうことになる。このようなクラッチレバー154を配設するためのスペースに関しては、一つの解決策として、クラッチ機構の公転方向に対して、スラスト方向(上下方向)の係脱によって係止するタイプも知られている。
【0226】
こうしたタイプのものを用いれば径方向のスペースを小さくするのには有効であるが、切換用アクチュエータ(プランジャ)の移動方向も上下方向となるようにレイアウトする必要があるために、適用することができるカメラとしては、上記従来例で説明したように、例えばレンズシャッタ式カメラのような撮影レンズ鏡筒2の側部にスペースを比較的確保し易いものに限られていた。
【0227】
上述のような観点から、本実施形態においては、一方の受動ギヤーの回動軸中心とクラッチレバー154の軸中心を一致させることで、限られたスペース内でのギヤー列とクラッチレバー154の両立を図ることを可能としている。
【0228】
ところで、Wギヤーアーム118は、1つのフィルム給送モータ48の動力を2つの駆動系に切り換えるものであるために、一方の駆動系を駆動している状態にあるときは、他方の駆動系はフィルム給送モータ48からは切り離されて、ギヤー列はフリーの状態となっている。
【0229】
ここでズーム駆動系は、上記図3にも示したように、撮影レンズ鏡筒2をフロントカバー1に対して突出させて行く動作となる。図から分かるように、撮影レンズ鏡筒2自体は外部から容易に触れることができるものであるために、ズーム駆動系は、フィルム給送モータ48に噛合しているか否かに関らず、外力を受ける可能性がある。
【0230】
クラッチ機構が給送系に噛合している状態で、もし外力により撮影レンズ鏡筒2が押圧や引張された場合には、焦点距離が変化して撮影に重大な影響を与える可能性がある。
【0231】
そのために、本実施形態においては、フィルム給送モータ48の動力がズーム駆動系から切り離された場合にズーム駆動系ギヤー列に係止を掛ける機構を設けて、外力による焦点距離の変化を防止するようになっている。
【0232】
上記図21では図示を省略した図17のロックレバー162と、第2傘歯ギヤー155および第2Zギヤー156との関係を、図22,図23を参照して詳細に説明する。
【0233】
図22はWギヤーアーム118が給送系に噛合している状態におけるロックレバー162と第2傘歯ギヤー155および第2Zギヤー156との関係を示したものであり、ズームギヤー列はロック状態になっている。
【0234】
まず構成は、上記図17において説明したように、第1モータ地板120から被写体側に突出した3本の軸部に、第2傘歯ギヤー155、第2Zギヤー156、ロックレバー162がそれぞれ回動自在に保持されている。
【0235】
図22に示すように、係止手段たるロックレバー162は、先端部を略球形状に形成されたレバーリフト部162cを有する一腕部と、先端部に第2Zギヤー係止面162bが、側面に第2傘歯ギヤー係止面162aがそれぞれ形成された他腕部とを有して構成され、後述するレバー中心162f(図27参照)周りに回動自在となるように設けられている。
【0236】
上記レバーリフト部162cは、Wギヤーアーム118に形成されたロックレバーリフト斜面118dの公転軌跡上に位置しており、該Wギヤーアーム118からロックレバー162に作用される力の力点となる部分である。つまり、上記レバーリフト部162cを介してロックレバーリフト斜面118dから作用を受けることにより、ロックレバー162が上記レバー中心162f周りに回転するようになっている。
【0237】
また、上記第2傘歯ギヤー係止面162aは、第2傘歯ギヤー155の歯面と係合してその回動を規制するものであり、第2Zギヤー係止面162bは第2Zギヤー156の歯面と係合してその回動を規制するものである。
【0238】
このロックレバー162にはロックばね163が掛けられていて、このロックばね163は、その一端部が第1モータ地板120と一体に形成されたばね固定部163aに係止されるとともに、他端部が上記ロックレバー162の一腕部の側部に突設されたばねフック部162dに係止されている。これにより、ロックレバー162は常に図22の矢印方向へ付勢されている。
【0239】
なお、図22に示す状態では、Wギヤーアーム118は、平面図において図18に示すような状態となっているために、ロックレバーリフト斜面118dは、レバーリフト部162cをリフトはしておらず、上記ロックばね163の付勢力により図22の時計方向に回動したロック状態となっている。
【0240】
一方、ロックレバーリフト斜面118dがレバーリフト部162cをリフトすると、ロックレバー162は上記ロックばね163の付勢力に抗して図22の反時計方向に回動し、図23に示すようなロック解除状態となる。
【0241】
続いて、図18,図19,図20および図26を参照して、Wギヤーアーム118の公転とロックレバー162のリフトの関係について説明する。
図18に示す状態において、直進ソレノイドプランジャ58が通電されてWギヤーアーム118の公転がズーム側に向って開始されると、ロックレバーリフト斜面118dも時計周りに公転する。
【0242】
図18には示していないが、ロックレバー162のレバーリフト部162cはWギヤーアーム118のロックレバーリフト斜面118dの公転軌跡上に位置しており、Wギヤーアーム118が公転を開始して第1Wギヤー111と第2Wギヤー112の噛合が完全に外れた後に、ロックレバーリフト斜面118dとレバーリフト部162cが当接してリフトを開始する位置関係になっている。
【0243】
公転に従ってロックレバー162のリフト量は増加し、ロックレバーリフト斜面118dを通過した時点で、ロックレバー162は図23に示すようなロック解除状態となる。
【0244】
リフト終了とギヤー切換の関係については、レバーリフト部162cがロックレバーリフト斜面118dのエンドに到達して図23に示すようなロック解除状態となった瞬間には、まだ第1Zギヤー151と第1傘歯ギヤー152の噛合は始まっていない(図26のW1参照)。
【0245】
そして、ロックレバー162のリフトが終了した後に、第1Zギヤー151と第1傘歯ギヤー152の噛合が始まり、Wギヤーアーム118がさらに公転することにより、アーム係止面118bがギヤーアームストッパ121bに当接して、図20に示すようなズームギヤー列へ動力を伝達する状態となる。
【0246】
図26は横軸にWギヤーアーム118の公転角をとった場合のロックレバー162のリフト状態を示す線図である。
【0247】
第1Wギヤー111,第2Wギヤー112の噛合範囲W2においては、ロックレバー162のリフト状態は最小(min)となっていて、この噛合範囲W2を外れても、まだしばらくはリフト最小状態が継続する。
【0248】
このリフト最小状態からロックレバーリフト斜面118dにより順次リフトアップされて、ロックレバーリフト斜面118dの終端に達した所でロックレバー162のリフト状態は最大(max)となる。
【0249】
このリフト最大状態となってからもしばらくは第1Zギヤー151,第1傘歯ギヤー152は噛合せず、その後第1Zギヤー151,第1傘歯ギヤー152の噛合範囲W1に入る。
【0250】
次に、図23を参照して、上述したようなタイミングが必要な理由について説明する。
ロックレバー162は、上述したように、上記レバーリフト部162cが設けられている側と反対側の腕部に、先端によって第2Zギヤー156の大歯車側歯面に係脱可能な第2Zギヤー係止面162bと、第2傘歯ギヤー155の平歯車側の歯面に係脱可能な第2傘歯ギヤー係止面162aとの2カ所の係止面を有している。
【0251】
これらの2カ所の第2傘歯ギヤー係止面162aと第2Zギヤー係止面162bは、図22に示すようなロック状態では、第2Zギヤー156と第2傘歯ギヤー155の両ギヤーの歯形部に当接している。
【0252】
よって図22に示す状態では、もし外力として加えられた力が第2Zギヤー156まで伝達されて第2Zギヤー156が実線で示す矢印156bの方向に回動しようとする場合には、第2Zギヤー係止面162bが歯の先端をフックして回動を阻止する。
【0253】
また、もし第2Zギヤー156が破線で示す矢印156aの方向に回動しようとする場合には、第2傘歯ギヤー155も点線で示す矢印の方向へ回動しようとするが、この第2傘歯ギヤー155の歯面はロックレバー162の第2傘歯ギヤー係止面162aに回動を阻止されているために回動することができず、第2Zギヤー156も回動することはできない。
【0254】
こうして、図22に示す状態では、外力によりズーム駆動系のギヤーがどちらの方向に回動しようとしても、ロックレバー162がその回動を阻止する構成となっている。
【0255】
すなわち、図23に示すロック解除状態のように第2Zギヤー係止面162b、第2傘歯ギヤー係止面162aが完全にギヤー外径から外れた状態とならない内に、第1,第2Zギヤー151,156の噛合を開始してしまうと、ギヤー列はロックしてしまう可能性がある。それゆえに、上述したようなタイミングが必要となったのである。
【0256】
こうして、ズーム駆動時には何らズームギヤー列に負荷を与ることがなく、かつ給送系駆動時にはズームギヤー列をロックすることができる。
【0257】
なお、本実施形態においては、第1Wギヤー111と第1Zギヤー151の諸元は同一であるために、Wギヤーアーム118上の第1Wギヤー111を第1傘歯ギヤー152に噛合させることも原理上は可能である。
【0258】
しかしながら、上述したようなロックレバー162を係脱させるためのリフト関係から、Wギヤーアーム118の公転角として一定角以上を確保することが必要であることを考慮すれば、公転角を本実施形態の例えば4倍程度確保することができる場合にのみ、第1Wギヤー111を第1傘歯ギヤー152へ噛合させることが可能になる。
【0259】
ところが、この場合には、WZ切換PI165は公転軌跡外にシフトする必要が生じるのみならず、ロックレバー162のレバーリフト部162cもこのままの構成では干渉が生じてしまうために退避機構を設けるなどの工夫を凝らさずを得ず、クラッチ機構全体が極めて大型化してしまうことになる。
【0260】
こうした理由から、第2Wギヤー112、第1傘歯ギヤー152のそれぞれに専用に噛合する遊星ギヤーを設ける方が、クラッチ機構の小型化には有効に寄与することができるわけである。
【0261】
続いて図27を参照して、上記図22,図23において説明したロックレバー162による機構について、より詳細に説明する。
【0262】
上記ロックレバー162によるロック機構は、歯車の歯面をロックレバー162の係止面で受けることによりロック状態とするものである。このロックレバー162の回転中心はレバー中心162fであり、係止面は、上記第2傘歯ギヤー係止面162aと第2Zギヤー係止面162bである。
【0263】
また、ロックレバー162は、上記ロックばね163の付勢力により、図27の時計周りの方向に、つまり矢印162gの方向に付勢されている。
【0264】
図27は外力により第2Zギヤー156が点線で示す矢印156aの方向の力を受けた場合を示している。
【0265】
第2Zギヤー156は、歯面156dにより、第2傘歯ギヤー155に矢印155a方向の力を伝達する。なお、歯先156cと第2Zギヤー係止面162bには若干のクリアランスが設けられている。
【0266】
第2傘歯ギヤー155は、矢印155a方向の回動により、その歯面155bがロックレバー162の第2傘歯ギヤー係止面162aに当接する。
【0267】
この第2傘歯ギヤー係止面162aは平面となるように形成されており、その位置関係は歯面155bから受ける力がレバー中心162fに対して、軸力よりもわずかにロックレバー162の離脱方向の力となるように構成されている。
【0268】
これにより、上記ロックばね163による付勢力が弱くても、ロックレバー162は十分な力で第2傘歯ギヤー155の回動規制を保持することができるように構成されている。
【0269】
ここで、上記第2傘歯ギヤー係止面162aが、歯面155bから当接力を受けた際に軸力よりもわずかに離脱方向となるように形成されているのには、次に述べるような2つの理由がある。
【0270】
第1の理由は、矢印156aの方向の力は外力に起因するものであることは既に述べたが、この力が衝撃的に加えられた大きな力であった場合には、この力を全て受け止めるように構成してしまうと、ギヤー列あるいは撮影レンズ鏡筒2内のカム等に大きなダメージが残ってしまう可能性がある。そのために本実施形態の構成では、一定以上の力を受けた場合には、ロックレバー162による係止が解除されて、力を逃がすことができるように構成されている。
【0271】
第2の理由は、本実施形態においてロックしている系列はズーム駆動系であるために、ギヤー列の回動は焦点距離の変化につながってしまうからである。つまり、ロックレバー162は、係脱によって図27の2点鎖線で示すような状態となるために、第2傘歯ギヤー係止面162aが実線と2点鎖線の間で回動する軌跡において、歯面155bに作用を及ぼして第2傘歯ギヤー155を回動させるような軌跡であることは望ましくない。そのために、歯面155bに対して確実に離反していくことができる角度に構成されている。
【0272】
次に、上記矢印156aとは逆方向の力、すなわち矢印156bの方向の力を受けた場合について説明する。
【0273】
図27に示すような状態から実線で示す矢印156bの方向の外力が加えられた場合に、この方向の第2Zギヤー156の回動に伴って、歯先156cがロックレバー162の第2Zギヤー係止面162bに当接する。
【0274】
同時に、第2Zギヤー156と第2傘歯ギヤー155とのバックラッシ155cも当て付こうとするが、このバックラッシ155cの大きさと歯先156cのクリアランスは、ほぼ同等になるように設定されているために、第2Zギヤー156にロックがかかるまでの回動によっては、第2傘歯ギヤー155はほとんど回動することはない。
【0275】
また、ロックレバー162の第2傘歯ギヤー係止面162aの横側近傍には、該第2傘歯ギヤー係止面162aの強度を十分確保するための斜面162eが形成されていて、この斜面162eは、第2傘歯ギヤー155の歯面に対して、図示のような十分なクリアランスが設けられている。これは、もし斜面162eが第2傘歯ギヤー155の歯面と当接すると、ロックレバー162を離反させてしまう大きな力が加わってしまうために、十分な余裕を設ける必要があるからである。
【0276】
このようにして、上記矢印156bの方向の力が加わったときには、第2Zギヤー156の歯先156cは、ロックレバー162の第2Zギヤー係止面162bに当接して保持されている。
【0277】
この第2Zギヤー係止面162bも平面となるように形成されており、受ける力はレバー中心162fの軸力よりもわずかに該ロックレバー162の離脱方向の力となるように構成されている。
【0278】
このように構成されている理由は、矢印156aの回動時において説明したのと同様であり、2点鎖線によって離脱時の状態を示している。
【0279】
なお、通常の使用状態では外力が加わることはないから、矢印156a,156bのような力は加わらない。すなわち、給送系からズーム駆動系への切換の際は、ロックレバー162のどちらかの係止面162a,162bにギヤー155,156が当て付いているとは限らず、中間の状態であることもありうる。
【0280】
しかし、既に述べたように、2つの係止面162a,162bの軌跡は、どちらもギヤー155,156の歯面から逃げる方向に設定されているために、ギヤー列の状態に関らず、ズーム駆動系ギヤー列を回動させてしまうことなく離脱することができる。
【0281】
矢印156b方向の回転によって、もし第2傘歯ギヤー155の歯がロックレバー162の斜面162eに当接すると、ロックレバー162はロック状態から離反させられてしまうことは既に述べたが、これは力の向きの軸力方向成分が小さいためである。
【0282】
両方向の回転をロックする場合に、もし第2傘歯ギヤー係止面162aと斜面162eの2面で行なうことが可能であれば、第2Zギヤー係止面162bは不要となってロックレバーを小型化することができるが、このように構成した場合には、斜面162eによって保持するには極めて大きなばね付勢力が必要となってしまい、ばねを配設するために大きなスペースが必要となる。さらに、レバーリフト時にばねの付勢力に抗するには極めて大きな力が必要となるために、Wギヤーアーム118の公転力ではリフトすることができなくなる可能性がある。
【0283】
こうした点からも、本実施形態で述べた構成が極めて実用的で有効なものとなるのである。
【0284】
こうして上述のような構成によれば、弱い力でばね付勢されたレバーを用いて、確実にズーム駆動系ギヤー列をロックすることができる機構を、小スペースで構成することができる。
【0285】
このような実施形態によれば、駆動源による遊星クラッチを介した被駆動系の一方向の回転または他方向の回転を、効率的に規制することができる小型な駆動力伝達機構となる。これにより、さらにはカメラの小型化にも大きく寄与することが可能である。
【0286】
[付記]
以上詳述したような本発明の上記実施形態によれば、以下のごとき構成を得ることができる。
【0287】
(1) 駆動源と、
この駆動源に連結された遊星クラッチと、
この遊星クラッチが第1の状態にある場合に上記駆動源の駆動力を伝達される第1の被駆動系と、
上記遊星クラッチが第2の状態にある場合に上記駆動源の駆動力を伝達される第2の被駆動系と、
上記遊星クラッチが第2の状態にある場合に、上記第1の被駆動系の一方向の駆動を規制する第1の係止手段と、
上記第1の被駆動系の他方向の回転を規制する第2の係止手段と、
を具備しており、上記第1,第2の係止手段を、単一の部材上に形成し、かつ隣接して噛合する歯車にそれぞれ作用させるように構成したことを特徴とする駆動力伝達機構。
【0288】
(2) 上記(1)において、上記第1,第2の係止手段が形成された単一の部材は、上記遊星歯車の動作に連動して係脱する。
【0289】
(3) 上記(1)において、上記第1の被駆動系はカメラにおける鏡枠駆動機構であり、第2の被駆動系はカメラにおけるフィルム給送駆動機構である。
【0290】
(4) 駆動源と、
この駆動源に連結された遊星歯車を有する遊星歯車機構と、
上記遊星歯車が第1の公転位置にある場合に、該遊星歯車と噛合して回転駆動される第1の被駆動歯車と、
上記遊星歯車が第2の公転位置にある場合に、該遊星歯車と噛合して回転駆動される第2の被駆動歯車と、
上記遊星歯車が第2の公転位置にある場合に、上記第1の被駆動歯車の一方向の回転を規制する第1の係止手段と、
上記第1の被駆動歯車の他方向の回転を規制する第2の係止手段と、
を具備しており、上記第1,第2の係止手段を、単一の部材上に形成し、かつ隣接して噛合する歯車にそれぞれ作用させるように構成したことを特徴とする駆動力伝達機構。
【0291】
(5) 上記(4)において、上記第1,第2の係止手段が形成された単一の部材は、上記遊星歯車の公転に連動して係脱する。
【0292】
(6) 上記(4)において、上記第1の被駆動歯車はカメラにおける鏡枠駆動機構に連結されており、第2の被駆動歯車はカメラにおけるフィルム給送駆動機構に連結されている。
【0293】
(7) 上記(4)において、上記第1の被駆動歯車はカメラにおける鏡枠駆動機構に連結されており、第2の被駆動歯車はカメラにおける、フィルム送り出し機構を有するフィルム給送駆動機構に連結されている。
【0294】
(8) 駆動源と、
この駆動源に連結されたクラッチ機構と、
このクラッチ機構の第1の状態にて、カメラにおける光学系のズームアップ動作もしくはズームダウン動作を行う第1の被駆動系と、
上記クラッチ機構の第2の状態にて、カメラにおけるフィルムの送り出しおよび巻き上げ動作もしくは巻き戻し動作を行う第2の被駆動系と、
上記クラッチ機構が第2の状態にある場合に、上記第1の被駆動系の一方向の移動を規制する第1の係止手段と、
上記第1の被駆動系の他方向の移動を規制する第2の係止手段と、
を具備しており、上記第1,第2の係止手段を、単一の部材上に形成し、かつ隣接して噛合する歯車にそれぞれ作用させるように構成したことを特徴とする駆動力伝達機構。
【0295】
(9) 上記(8)において、上記第1,第2の係止手段が形成された単一の部材は、上記クラッチ機構の動作に連動して係脱する。
【0296】
(10) 駆動源と、
この駆動源に連結されたクラッチ機構と、
このクラッチ機構の第1の状態にて、該クラッチ機構を介して上記駆動源により駆動され、カメラにおける光学系のズームアップ動作もしくはズームダウン動作を行う第1の被駆動歯車と、
上記クラッチ機構の第2の状態にて、該クラッチ機構を介して上記駆動源により駆動され、カメラにおけるフィルムの送り出しおよび巻き上げ動作もしくは巻き戻し動作を行う第2の被駆動歯車と、
上記クラッチ機構が第2の状態にある場合に、上記第1の被駆動歯車の一方向の回転を規制する第1の係止手段と、
上記第1の被駆動歯車の他方向の回転を規制する第2の係止手段と、
を具備しており、上記第1,第2の係止手段を、単一の部材上に形成し、かつ隣接して噛合する歯車にそれぞれ作用させるように構成したことを特徴とする駆動力伝達機構。
【0297】
(11) 上記(10)において、上記クラッチ機構は遊星歯車を具備した遊星クラッチ機構であり、該遊星歯車は駆動源の駆動力によって公転されることにより、上記第1の被駆動歯車と第2の被駆動歯車とに選択的に噛合する。
【0298】
(12) モータの正逆回転を複数の被駆動系に選択的に伝達可能なクラッチ機構を有する駆動力伝達機構において、
モータにより回転駆動される太陽歯車と、
この太陽歯車に常に噛合して、該太陽歯車の周囲を公転可能な複数の遊星歯車と、
上記太陽歯車と複数の遊星歯車の回転中心を連結する連結アームと、
この遊星歯車の公転軌跡の両端にて、これら複数の遊星歯車のそれぞれに噛合される複数の被駆動歯車と、
上記連結アームの公転動作を規制すると共に、回動中心が上記複数の被駆動歯車のいずれかの回転中心と一致するように設けられた係止レバーと、
を具備することを特徴とする駆動力伝達機構。
【0299】
(13) モータの正逆回転を二種類の被駆動系に選択的に伝達可能なクラッチ機構を有する駆動力伝達機構において、
モータにより回転駆動される太陽歯車と、
この太陽歯車に常に噛合して、該太陽歯車の周囲を公転可能な二つの遊星歯車と、
上記太陽歯車と二つの遊星歯車の回転中心を連結する連結アームと、
上記二つの遊星歯車の公転軌跡の両端にて、これら二つの遊星歯車のそれぞれに噛合される二つの被駆動歯車と、
上記連結アームの公転動作を規制すると共に、回動中心が上記二つの被駆動歯車のいずれか一方の回転中心と一致するように設けられた係止レバーと、
を具備することを特徴とする駆動力伝達機構。
【0300】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、駆動源による遊星クラッチを介した被駆動系の一方向の回転または他方向の回転を、効率的に規制することができる小型な駆動力伝達機構となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のカメラの外観を示す正面図。
【図2】上記実施形態のカメラの外観を示す右側面図。
【図3】上記実施形態において、撮影レンズが望遠側にある状態のカメラの外観を示す平面図。
【図4】上記実施形態において、ストロボ部がポップアップした状態のカメラの外観を示す左側面図。
【図5】上記実施形態のカメラの外観を示す底面図。
【図6】上記実施形態のカメラの外観を示す背面図。
【図7】上記実施形態のカメラの内部ユニットの概略配置を正面側から示すブロック図。
【図8】上記実施形態のカメラの内部ユニットの概略配置を上面側から示すブロック図。
【図9】上記実施形態において、ボディプレート、第1本体、ミラーボックス、撮影レンズ鏡筒等のカメラ内部の主要ユニットの構成を示す分解斜視図。
【図10】上記実施形態のカメラの主要ユニットとモータユニットを示す分解斜視図。
【図11】上記実施形態のカメラのフィルム駆動系のギヤー列の、フィルムの巻き上げ(および初期送り出し)状態における配置を示す平面図。
【図12】上記実施形態のカメラのフィルム巻上駆動系のギヤー列の噛合状態を展開して示す縦断面図。
【図13】上記実施形態のカメラのフィルム巻戻駆動系のギヤー列の噛合状態を展開して示す縦断面図。
【図14】上記実施形態のカメラのワンウェイクラッチユニットとカートリッジを示す分解斜視図。
【図15】上記実施形態のカメラのスプール室近傍の概略を示す平断面図。
【図16】上記実施形態のカメラのフィルム駆動系のギヤー列のフィルム巻き戻し状態における配置を示す平面図。
【図17】上記実施形態のカメラのモータユニットを示す分解斜視図。
【図18】上記実施形態のカメラのクラッチ機構部のフィルム巻き上げ時の状態を示す平面図。
【図19】上記実施形態のカメラのクラッチ機構における直進ソレノイドプランジャの移動鉄芯とクラッチレバーとの連動状態を示す平面図。
【図20】上記実施形態のカメラのクラッチ機構においてモータの駆動力がフィルム駆動系側からズーム駆動系側へ切り換えられて伝達される際の状態を示す平面図。
【図21】上記実施形態のカメラのスプール室下部に配置されるズーム駆動系を構成するギヤー列の配置を示す正面図。
【図22】上記実施形態において、ズームギヤー列がロック状態であるときの、ロックレバーと第2傘歯ギヤーおよび第2Zギヤーとの関係を示す正面図。
【図23】上記実施形態において、ズームギヤー列がロック解除状態であるときの、ロックレバーと第2傘歯ギヤーおよび第2Zギヤーとの関係を示す正面図。
【図24】上記実施形態のカメラのズーム駆動系を構成するギヤー列の配置を展開して示す断面図。
【図25】上記実施形態において、横軸にWギヤーアームの公転角をとった場合のWZ切換PIの出力を示す線図。
【図26】上記実施形態において、横軸にWギヤーアームの公転角をとった場合のロックレバーリフト状態を示す線図。
【図27】上記実施形態において、外力により第2傘歯ギヤーおよび第2Zギヤーが点線で示す矢印方向の力を受けたときのロックレバーとの関係を示す正面図。
【符号の説明】
48…フィルム給送モータ(駆動源)
109…第2減速ギヤー(遊星クラッチ、太陽歯車)
111…第1Wギヤー(遊星クラッチ、遊星歯車)
118…Wギヤーアーム(遊星クラッチ、連結アーム)
118d…ロックレバーリフト斜面
151…第1Zギヤー(遊星クラッチ、遊星歯車)
112…第2Wギヤー(被駆動系、被駆動歯車)
152…第1傘歯ギヤー(被駆動系、被駆動歯車)
154…クラッチレバー(遊星クラッチ、係止レバー)
162…ロックレバー(係止手段)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a driving force transmission mechanism, and more particularly to a driving force transmission mechanism that transmits a driving force of a driving source to a plurality of driven systems.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, there has been known a clutch mechanism that transmits rotation in both directions to two types of drive systems by a planetary gear mechanism using a motor and a linear solenoid, and various types of cameras using this clutch mechanism have been proposed. Yes.
[0003]
Further, in such a clutch mechanism, there is also known a means for locking the other drive system while driving by one drive system, and an external force is applied as in a zoom drive system, for example. In some cases, it was used for possible parts.
[0004]
In the clutch mechanism as described above, a locking member that is driven using the force of a solenoid is used to control the clutch portion, and since the clutch portion uses a planetary gear, It has been expanded to. Therefore, the locking member is generally used because it can be configured without further increasing the plane space by using the thrust direction of the planetary gear, that is, the member that engages and disengages the arm member up and down. I came.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the conventional configuration as described above, the solenoid is arranged in a direction perpendicular to the deployment direction of the clutch portion, so there is almost no freedom in spatial arrangement of the solenoid. For example, it is effective only for a camera such as a lens shutter type camera in which it is easy to ensure a relatively large space on the outer peripheral side of the lens barrel.
[0006]
The present invention has been made in view of the above circumstances, and is a small driving force transmission capable of efficiently regulating rotation in one direction or rotation in the other direction through a planetary clutch by a driving source. The purpose is to provide a mechanism.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
According to the invention For camera The driving force transmission mechanism is In the driving force transmission mechanism for cameras A driving source, a driven system capable of being driven by a driving force from the driving source, and a state meshed with the driven system to transmit the driving force from the driving source to the driven system; A planetary gear that revolves away from the driven system, a gear in the driven system, and another gear in the driven system that is constantly meshed with the gear; Provided inside the driving force transmission mechanism The planetary gear is disconnected from the driven system. The Locking means for restricting rotation of the two gears in a state.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the drawings.
1 to 27 show an embodiment of the present invention, FIG. 1 is a front view showing the appearance of the camera, FIG. 2 is a right side view showing the appearance of the camera, and FIG. 3 is a photographic lens on the telephoto side. FIG. 4 is a left side view showing the appearance of the camera with the flash unit popped up, FIG. 5 is a bottom view showing the appearance of the camera, and FIG. 6 shows the appearance of the camera. It is a rear view.
[0014]
The camera according to this embodiment corresponds to a so-called advanced photo system that has been actively proposed in recent years, and is a single-lens reflex camera in which a photographing lens and a camera body are integrated. .
[0015]
In addition, a zoom lens capable of continuously changing the focal length is applied to the photographing lens of the camera, and the adjustable range of the focal length is, for example, 25 mm to 100 mm. It is a lens.
[0016]
The camera has a built-in
[0017]
As shown in FIGS. 1 to 6, the exterior of the camera is roughly divided into three blocks: a
[0018]
The
[0019]
As described above, since this camera is compatible with the advanced photo system, for example, a rear side opening provided in a camera using a conventional 135 type film cartridge or the like, or this opening There is no rear lid or the like for opening and closing.
[0020]
Further, as shown in FIG. 4, the
[0021]
In addition, as for the irradiation range of the strobe
[0022]
Further, on the left side when viewed from the front side of the camera, a grip portion 1a for holding the camera at the time of taking a picture or the like is provided. As shown in FIG. 3, an upper front side of the grip portion 1a is provided. The
[0023]
On the other hand, as described above, a 4 × zoom lens having a focal length of 25 mm to 100 mm is applied to the photographing lens of this camera. By arbitrarily operating the
[0024]
At this time, the
[0025]
As shown in FIG. 3, a
[0026]
When the
[0027]
As shown in FIG. 6, various operation members and the like are arranged on the back side of the camera. That is, an
[0028]
The screen
[0029]
More specifically, the “C” position that is the C type is obtained by rotating the screen
[0030]
By such operation of the screen
[0031]
In addition, a
[0032]
A
[0033]
In this camera, the photographing mode that can be selected by the
[0034]
Further, a
[0035]
A date mode switching button 26a and a date set button 26b, which are push buttons, are disposed below the
[0036]
[0037]
Next, as shown in FIG. 5, the bottom surface of the camera is inserted into and removed from the
[0038]
The cartridge lid 7 is pivotally supported on the
[0039]
The cartridge lid 7 can be unlocked by sliding a cartridge lid opening / closing lever 13 (see FIG. 4) provided on the side surface of the grip portion 1a.
[0040]
Here, a
[0041]
In this camera, the cartridge lid 7 is opened and the cartridge is stored in the camera body, and then the cartridge lid 7 is rotated and closed to perform film loading. An in-type loading method is applied.
[0042]
Further, on the bottom portion of the
[0043]
On the other hand, the bottom surface of the camera on the
[0044]
An opening / closing lever 9 for opening / closing the
[0045]
FIG. 5 shows a state where the opening / closing lever 9 is in the unlocked position, and in this state, the locked state of the
[0046]
Further, a tripod mounting
[0047]
Next, the configuration of the internal unit of the camera according to the embodiment will be described with reference to FIGS. FIG. 7 is a block diagram showing a schematic arrangement of the internal units of the camera of this embodiment from the front side, and FIG. 8 is a block diagram showing a schematic arrangement of the internal units of the camera from the top side. 7 and 8 are simplified by omitting illustration as appropriate in order to avoid complication of the drawings.
[0048]
In this camera, as shown in the figure, a
[0049]
On the upper side of the
[0050]
In addition, a
[0051]
Further, a
[0052]
The
[0053]
A second
[0054]
On the other hand, two
[0055]
Further, as shown in FIG. 8, a
[0056]
On the other hand, the exterior member such as the
[0057]
Furthermore, the drive source in this camera is roughly divided into four systems: a mirror /
[0058]
The mirror /
[0059]
Among these, the mirror /
[0060]
As shown in FIGS. 7 and 8, the mirror /
[0061]
As shown in FIG. 7, a one-way
[0062]
Next, the internal structure of the camera will be described in more detail with reference to FIG. FIG. 9 is an exploded perspective view showing the configuration of main units inside the camera such as the
[0063]
As shown in the figure, an
[0064]
As described above, the
[0065]
The
[0066]
As described above, the
[0067]
The
[0068]
On the other hand, the focal plane shutter 43y is disposed on the back side of the
[0069]
Further, the first
[0070]
In other words, two positioning bosses (not shown) projecting rearward from the
[0071]
Since each of the above units is formed to be as small as possible, the unit may be deformed as a single unit. For example, in the case of the first
[0072]
That is,
[0073]
Further, a boss 44c projects from the front side of the
[0074]
It should be noted that another engaging
[0075]
In the state where the
[0076]
On the other hand, the photographing
[0077]
Further, three
[0078]
In this way, main units such as the photographing
[0079]
That is, the engaging
[0080]
The integrated main unit or the like is fixed to the camera exterior member only through the
[0081]
As a result, for example, when impact force or external force is applied to the exterior member of the camera, or when stress is applied by a combination of exterior members, these forces do not affect the inside of the camera. The main unit inside the camera is not affected. The exterior member is formed as thin as possible in order to reduce the size of the camera itself.
[0082]
FIG. 10 shows a state in which the
[0083]
As shown in FIG. 10, the
[0084]
That is, the housing unit of the
[0085]
Since the
[0086]
The clutch mechanism is configured to transmit the rotational driving force of the
[0087]
For the gear train related to the zooming operation, since the driving force of the
[0088]
Next, a camera drive system will be described with reference to FIGS. Here, description of the mirror / shutter drive system, zoom drive system, and the like is omitted, and only the drive system related to the film feeding operation (hereinafter referred to as film drive system) will be described.
[0089]
FIG. 11 is a plan view showing the arrangement of the gear train of the film drive system of the camera in the film winding (and initial delivery) state. In FIG. 11, in addition to the gear train of the film drive system, only the outlines of the
[0090]
FIG. 12 is a longitudinal sectional view showing the meshed state of the gear train of the film winding drive system, and FIG. 13 is a longitudinal sectional view showing the meshed state of the gear train of the film rewind drive system.
[0091]
In FIG. 12, the
[0092]
14 is an exploded perspective view showing the one-way clutch unit and the cartridge of the camera, FIG. 15 is a plan sectional view schematically showing the vicinity of the spool chamber of the camera, and FIG. 16 is a film drive of the camera similar to FIG. It is a top view which shows arrangement | positioning in the film rewinding state of the gear train of a system.
[0093]
First, the initial reduction unit will be described with reference to FIGS. 11 and 12.
As shown in FIG. 12, the
[0094]
Three
[0095]
A
[0096]
Here, the
((12 + 66) / 12) ^ 2 = 6.5 ^ 2
It is set to rotate at a reduction ratio of. Here, the symbol “^” represents a power.
[0097]
As shown in FIG. 11, the
[0098]
As shown in FIG. 12, the
[0099]
As shown in FIG. 11, the output of the
[0100]
The hoisting drive system includes a gear train that rotates the
[0101]
Further, as shown in FIG. 12, the
[0102]
The
[0103]
On the other hand, the gear trains constituting the hoisting drive system, that is, the
[0104]
At this time, when winding the film, the
[0105]
The
[0106]
On the other hand, since the
[0107]
The
[0108]
The
[0109]
Further, among the gear trains constituting the rewind drive system (and the delivery drive system), the gears from the
[0110]
The
[0111]
That is, the ninth and tenth RW gears 131 and 132 that are the second planetary gears are rotatably supported by shaft portions formed integrally with the respective arm portions of the second
[0112]
In the state shown in FIG. 11, the second
[0113]
In addition, in the developed view shown on the right side of the
[0114]
The eleventh and twelfth RW gears 133, 134 constitute a one-way clutch mechanism (the one-way clutch unit 52), and the axis center thereof is the center of the
[0115]
Here, the one-way clutch mechanism will be described with reference to FIG.
The
[0116]
More specifically, as shown in FIG. 14, the
[0117]
A portion having a cylindrical shape is provided on the upper surface portion of the
[0118]
That is, the one-
[0119]
Further, when the
[0120]
Although the one-way clutch mechanism is configured in this way, the ninth and tenth RW gears 131 and 132 are engaged with the eleventh and twelfth RW gears 133 and 134 on which side the
[0121]
The one-way clutch mechanism is regulated by the first
[0122]
The state shown in FIG. 11 shows a state in which an autoloading (automatic feeding) mechanism of the camera, that is, an initial film feeding operation and a film winding operation are performed.
[0123]
That is, when the
[0124]
Here, the configuration of the film winding mechanism in the vicinity of the
[0125]
That is, as shown in FIG. 15, the
[0126]
On the outer peripheral surface of the
[0127]
Further, the
[0128]
On the inner wall surface of the
[0129]
In the film winding mechanism in the vicinity of the spool shaft configured as described above, when the
[0130]
Since the camera according to this embodiment is compatible with the advanced photo system as described above, the operation until the
[0131]
Further, an interval is secured between the first
[0132]
Further, the
[0133]
In this way, the
[0134]
In the camera of this embodiment, the total reduction ratio iAL of the transmission drive system is set so that iAL = 263.1. The
[0135]
The total reduction ratio iW of the hoisting drive system shown in FIG. 11 is set to iW = 13.5.2. Further, as shown in FIG. 15, in the
[0136]
As described above, by setting the total reduction ratio iAL of the delivery drive system to be sufficiently larger than the total reduction ratio iW of the hoisting drive system, the
[0137]
In the state shown in FIG. 11, when the
[0138]
Thus, after the
[0139]
Next, a rewind drive system when the film is rewound in the camera will be described with reference to FIG.
[0140]
As shown in FIG. 16, when the film rewinding operation is performed, the position of the
[0141]
As described above, the
[0142]
Here, when the film winding operation is performed, the film feeding motor 48 (the second reduction gear 109) rotates counterclockwise in FIG. 11 (the rotation in the second direction). Thus, the first
[0143]
On the other hand, when the film rewinding operation is performed, as shown in FIG. 16, the film feeding motor 48 (the second reduction gear 109) rotates in the clockwise direction (the first direction in FIG. 16). )), The first
[0144]
In this position, since the meshing of the
[0145]
When the film rewinding operation is performed, the turning direction of the
[0146]
The second
[0147]
The state at this time is the state shown in FIG. 16 and the state developed to the right side from the
[0148]
Since the specifications of the eleventh and
[0149]
Thus, in this camera, by rotating the direction of rotation of a single motor, that is, the
[0150]
Next, a schematic structure of a clutch mechanism formed by the
[0151]
As described above, the
[0152]
The housing unit of the
[0153]
In this state, the second
[0154]
Further, on the upper surface side of the first
[0155]
On the front side of the first motor base plate 120 (the side on which the
[0156]
That is, the
[0157]
The
[0158]
On the other hand, on the second
[0159]
On the
[0160]
In a state where the first and second
[0161]
As a result, the
[0162]
On the other hand, a shaft member is implanted in the vicinity of the
[0163]
As described above, the other gears constituting the gear train of the film driving system relating to film feeding are disposed in the motor unit 50 (see FIGS. 11 to 13 and FIG. 16). ).
[0164]
Next, the clutch mechanism of the camera of this embodiment will be described.
[0165]
First, in the state where the driving force of the
[0166]
FIG. 18 is a plan view showing the clutch mechanism of the camera in the film winding state.
[0167]
As described above, the
[0168]
The
[0169]
In this case, since the
[0170]
As described above, since the friction is applied to the
[0171]
On the other hand, in the vicinity of the
[0172]
In addition, two locking
[0173]
FIG. 18 is for the case where the
[0174]
Then, the rewinding locking surface 154a is in the film rewinding state in the state shown in FIG. 18, and the
[0175]
The other zoom-down
[0176]
That is, since the
[0177]
In this state, the engagement of the
[0178]
On the other hand, the state of the
[0179]
Thus, when the
[0180]
FIG. 19 is a plan view showing an interlocking state between the moving
[0181]
Referring to FIGS. 19 and 20, the case where the
[0182]
As described above, the
[0183]
The
[0184]
In the normal case, the moving
[0185]
In the state where the
[0186]
The
[0187]
Accordingly, as shown in FIG. 19, when the
[0188]
As the
[0189]
Accordingly, when the
[0190]
While the
[0191]
When the locking
[0192]
The state in which the
[0193]
That is, as shown in FIG. 20, the
[0194]
In FIG. 20, the zoom-down
[0195]
As shown in FIG. 20, the
[0196]
In the state shown in FIG. 20, if the
[0197]
Accordingly, the
[0198]
That is, in the state shown in FIG. 20, the zooming operation can be performed arbitrarily by rotating the
[0199]
On the other hand, when switching from the zoom drive system to the film drive system, first, the
[0200]
During the switching operation from the zoom driving system to the film driving system, the position of the
[0201]
That is, as shown in FIG. 25, when the
[0202]
Therefore, when switching from the zoom driving system to the film driving system, the change in the output of the
[0203]
FIG. 21 is a front view showing the arrangement of gear trains constituting the zoom drive system arranged below the
[0204]
The vicinity of the
[0205]
As shown in FIG. 24, the
[0206]
The bevel gear of the
[0207]
The position of the
[0208]
A spur gear is integrally formed with the
[0209]
The
[0210]
The
[0211]
The
[0212]
The total reduction ratio iz of the zoom drive system including a cam cylinder (not shown) is set to iz = 992.5 so as to ensure a sufficient driving force.
Other configurations in FIG. 24 are as described above.
[0213]
Next, the exterior outline shown in FIG. 21 shows the outermost shape of the
[0214]
As described above, the
[0215]
The
[0216]
A
[0217]
The
[0218]
Here, the
[0219]
The
[0220]
Thus, the power from the
[0221]
Here, in the case of the camera of the present embodiment, there is a restriction on the layout of the gear train as described above.
[0222]
That is, in the overall configuration, since the
[0223]
This can be easily determined by superimposing the outline of the camera shown in FIG. 16 above, but in FIG. 16, a gear of the same size as the
[0224]
In addition, as described above, the
[0225]
Therefore, when the entire
[0226]
Use of this type is effective in reducing the radial space, but it is necessary to apply the layout so that the moving direction of the switching actuator (plunger) is also in the vertical direction. As described above in the conventional example, the camera that can be used is limited to a camera that can easily secure a space on the side of the photographing
[0227]
From the above viewpoint, in the present embodiment, the rotation axis of one of the passive gears and the axis of the
[0228]
By the way, since the
[0229]
Here, the zoom drive system is an operation in which the photographing
[0230]
If the photographing
[0231]
Therefore, in this embodiment, when the power of the
[0232]
The relationship between the
[0233]
FIG. 22 shows the relationship between the
[0234]
First, as described with reference to FIG. 17, the
[0235]
As shown in FIG. 22, the
[0236]
The
[0237]
The second bevel gear locking surface 162a is engaged with the tooth surface of the
[0238]
A
[0239]
In the state shown in FIG. 22, since the
[0240]
On the other hand, when the lock
[0241]
Next, the relationship between the revolution of the
In the state shown in FIG. 18, when the
[0242]
Although not shown in FIG. 18, the
[0243]
According to the revolution, the lift amount of the
[0244]
Regarding the relationship between the end of the lift and the gear switching, at the moment when the
[0245]
Then, after the lift of the
[0246]
FIG. 26 is a diagram showing a lift state of the
[0247]
In the engagement range W2 of the
[0248]
From the minimum lift state, the lift is sequentially lifted by the lock
[0249]
The
[0250]
Next, the reason why the timing described above is necessary will be described with reference to FIG.
As described above, the
[0251]
These two second bevel gear locking surfaces 162a and second Z
[0252]
Therefore, in the state shown in FIG. 22, if the force applied as an external force is transmitted to the
[0253]
Also, if the
[0254]
In this way, in the state shown in FIG. 22, the
[0255]
That is, the second Z
[0256]
Thus, no load is applied to the zoom gear train at the time of zoom driving, and the zoom gear train can be locked at the time of driving the feeding system.
[0257]
In this embodiment, since the specifications of the
[0258]
However, considering that it is necessary to secure a certain angle or more as the revolution angle of the
[0259]
However, in this case, the
[0260]
For these reasons, providing planetary gears that mesh exclusively with the
[0261]
Next, with reference to FIG. 27, the mechanism by the
[0262]
The lock mechanism by the
[0263]
The
[0264]
FIG. 27 shows a case where the
[0265]
The
[0266]
As the
[0267]
The second bevel gear locking surface 162a is formed to be a flat surface, and the positional relationship is that the force received from the
[0268]
Thereby, even if the urging | biasing force by the said
[0269]
Here, the second bevel gear locking surface 162a is formed so as to be slightly away from the axial force when receiving a contact force from the
[0270]
The first reason has already been described that the force in the direction of the
[0271]
The second reason is that, since the series locked in the present embodiment is a zoom drive system, the rotation of the gear train leads to a change in focal length. That is, since the
[0272]
Next, a case where a force in the direction opposite to the
[0273]
27, when an external force in the direction of an
[0274]
At the same time, the
[0275]
In addition, an
[0276]
Thus, when a force in the direction of the
[0277]
The second Z
[0278]
The reason for this configuration is the same as that explained when the
[0279]
In addition, since an external force is not applied in a normal use state, a force such as
[0280]
However, as already described, since the locus of the two locking
[0281]
As described above, if the teeth of the
[0282]
When locking the rotation in both directions, if the second bevel gear locking surface 162a and the
[0283]
Also from this point, the configuration described in this embodiment is extremely practical and effective.
[0284]
Thus, according to the configuration as described above, a mechanism that can reliably lock the zoom drive system gear train by using a lever biased by a weak force can be configured in a small space.
[0285]
According to such an embodiment, it becomes a small driving force transmission mechanism capable of efficiently regulating the rotation of the driven system in one direction or the rotation in the other direction via the planetary clutch by the driving source. Thereby, it is possible to greatly contribute to further downsizing of the camera.
[0286]
[Appendix]
According to the embodiment of the present invention described in detail above, the following configuration can be obtained.
[0287]
(1) a drive source;
A planetary clutch connected to this drive source;
A first driven system to which the driving force of the driving source is transmitted when the planetary clutch is in the first state;
A second driven system to which the driving force of the driving source is transmitted when the planetary clutch is in the second state;
When the planetary clutch is in the second state, first locking means for restricting driving in one direction of the first driven system;
Second locking means for restricting rotation in the other direction of the first driven system;
And the first and second locking means are formed on a single member and are configured to act on adjacent meshing gears, respectively. mechanism.
[0288]
(2) In the above (1), the single member on which the first and second locking means are formed is engaged and disengaged in conjunction with the operation of the planetary gear.
[0289]
(3) In (1) above, the first driven system is a lens frame driving mechanism in the camera, and the second driven system is a film feed driving mechanism in the camera.
[0290]
(4) a drive source;
A planetary gear mechanism having a planetary gear coupled to the drive source;
A first driven gear that meshes with the planetary gear and is rotationally driven when the planetary gear is in the first revolution position;
A second driven gear that meshes with the planetary gear and is rotationally driven when the planetary gear is in the second revolution position;
First locking means for restricting rotation in one direction of the first driven gear when the planetary gear is in the second revolution position;
Second locking means for restricting rotation in the other direction of the first driven gear;
And the first and second locking means are formed on a single member and are configured to act on adjacent meshing gears, respectively. mechanism.
[0291]
(5) In the above (4), the single member on which the first and second locking means are formed is disengaged in conjunction with the revolution of the planetary gear.
[0292]
(6) In the above (4), the first driven gear is connected to a lens frame driving mechanism in the camera, and the second driven gear is connected to a film feed driving mechanism in the camera.
[0293]
(7) In the above (4), the first driven gear is coupled to a lens frame driving mechanism in the camera, and the second driven gear is a film feeding driving mechanism having a film feeding mechanism in the camera. It is connected.
[0294]
(8) a drive source;
A clutch mechanism coupled to the drive source;
A first driven system that performs a zoom-up operation or a zoom-down operation of the optical system in the camera in the first state of the clutch mechanism;
A second driven system for performing film feeding and winding operation or rewinding operation in the camera in the second state of the clutch mechanism;
A first locking means for restricting movement of the first driven system in one direction when the clutch mechanism is in the second state;
Second locking means for restricting movement in the other direction of the first driven system;
And the first and second locking means are formed on a single member and are configured to act on the adjacent meshing gears, respectively. mechanism.
[0295]
(9) In the above (8), the single member on which the first and second locking means are formed is disengaged in conjunction with the operation of the clutch mechanism.
[0296]
(10) a drive source;
A clutch mechanism coupled to the drive source;
A first driven gear that is driven by the drive source via the clutch mechanism in a first state of the clutch mechanism and performs a zoom-up operation or a zoom-down operation of the optical system in the camera;
A second driven gear that is driven by the driving source through the clutch mechanism in the second state of the clutch mechanism and performs a film feeding and winding operation or a rewinding operation in the camera;
A first locking means for restricting rotation of the first driven gear in one direction when the clutch mechanism is in the second state;
Second locking means for restricting rotation in the other direction of the first driven gear;
And the first and second locking means are formed on a single member and are configured to act on adjacent meshing gears, respectively. mechanism.
[0297]
(11) In the above (10), the clutch mechanism is a planetary clutch mechanism provided with a planetary gear, and the planetary gear is revolved by a driving force of a driving source, whereby the first driven gear and the second gear Selectively engaged with the driven gear.
[0298]
(12) In a driving force transmission mechanism having a clutch mechanism capable of selectively transmitting forward / reverse rotation of a motor to a plurality of driven systems,
A sun gear rotated by a motor;
A plurality of planetary gears that are always meshed with the sun gear and can revolve around the sun gear;
A connecting arm connecting the sun gear and the rotation centers of the plurality of planetary gears;
A plurality of driven gears engaged with each of the plurality of planetary gears at both ends of the revolution trajectory of the planetary gear;
The revolving operation of the connecting arm is restricted, and a locking lever provided so that the center of rotation coincides with the rotation center of any of the plurality of driven gears;
A driving force transmission mechanism comprising:
[0299]
(13) In a driving force transmission mechanism having a clutch mechanism capable of selectively transmitting forward and reverse rotations of a motor to two types of driven systems,
A sun gear rotated by a motor;
Two planetary gears that are always meshed with the sun gear and can revolve around the sun gear;
A connecting arm that connects the sun gear and the rotational center of the two planetary gears;
Two driven gears meshed with each of these two planetary gears at both ends of the revolution trajectory of the two planetary gears,
A locking lever that regulates the revolving motion of the connecting arm and is provided so that the center of rotation coincides with the center of rotation of one of the two driven gears;
A driving force transmission mechanism comprising:
[0300]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a small driving force transmission mechanism capable of efficiently regulating the rotation of the driven system in one direction or the rotation in the other direction via the planetary clutch by the driving source is provided. .
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a front view showing an external appearance of a camera according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a right side view showing an appearance of the camera of the embodiment.
FIG. 3 is a plan view showing the appearance of the camera in a state where the photographing lens is on the telephoto side in the embodiment.
FIG. 4 is a left side view showing an appearance of a camera in a state where a flash unit is popped up in the embodiment.
FIG. 5 is a bottom view showing the appearance of the camera of the embodiment.
FIG. 6 is a rear view showing the appearance of the camera according to the embodiment.
7 is a block diagram showing a schematic arrangement of internal units of the camera of the embodiment from the front side. FIG.
FIG. 8 is a block diagram showing a schematic arrangement of internal units of the camera of the embodiment from the upper surface side.
FIG. 9 is an exploded perspective view showing the configuration of main units inside the camera such as a body plate, a first main body, a mirror box, and a photographing lens barrel in the embodiment.
FIG. 10 is an exploded perspective view showing a main unit and a motor unit of the camera of the embodiment.
FIG. 11 is a plan view showing an arrangement of a gear train of the film drive system of the camera of the embodiment in a film winding (and initial feeding) state.
FIG. 12 is a longitudinal sectional view showing a meshed state of a gear train of a film winding drive system of the camera of the embodiment.
FIG. 13 is a longitudinal sectional view showing a developed state of a gear train of a film rewind drive system of the camera of the embodiment.
FIG. 14 is an exploded perspective view showing the one-way clutch unit and cartridge of the camera of the embodiment.
FIG. 15 is a plan sectional view schematically showing the vicinity of a spool chamber of the camera of the embodiment.
FIG. 16 is a plan view showing the arrangement in the film rewind state of the gear train of the film drive system of the camera of the embodiment.
FIG. 17 is an exploded perspective view showing the motor unit of the camera of the embodiment.
FIG. 18 is a plan view showing a state of the clutch mechanism portion of the camera of the embodiment when the film is wound.
FIG. 19 is a plan view showing the interlocking state between the moving iron core of the linear solenoid plunger and the clutch lever in the clutch mechanism of the camera of the embodiment.
20 is a plan view showing a state when the driving force of the motor is switched from the film driving system side to the zoom driving system side and transmitted in the clutch mechanism of the camera of the embodiment. FIG.
FIG. 21 is a front view showing an arrangement of gear trains constituting a zoom drive system arranged in the lower part of the spool chamber of the camera of the embodiment.
FIG. 22 is a front view showing the relationship between the lock lever, the second bevel gear, and the second Z gear when the zoom gear train is in the locked state in the embodiment.
FIG. 23 is a front view showing the relationship between the lock lever, the second bevel gear, and the second Z gear when the zoom gear train is in the unlocked state in the embodiment.
FIG. 24 is a cross-sectional view showing an exploded arrangement of gear trains that constitute the zoom drive system of the camera of the embodiment.
FIG. 25 is a diagram showing the output of the WZ switching PI when the revolution angle of the W gear arm is taken on the horizontal axis in the embodiment.
FIG. 26 is a diagram showing a lock lever lift state when the revolution angle of the W gear arm is taken on the horizontal axis in the embodiment.
FIG. 27 is a front view showing the relationship with the lock lever when the second bevel gear and the second Z gear are subjected to a force in the arrow direction indicated by a dotted line by an external force in the embodiment.
[Explanation of symbols]
48 ... Film feeding motor (drive source)
109 ... 2nd reduction gear (planet clutch, sun gear)
111 ... 1st W gear (planetary clutch, planetary gear)
118 ... W gear arm (planet clutch, connecting arm)
118d ... Rock lever lift slope
151 ... 1st Z gear (planetary clutch, planetary gear)
112 ... 2nd W gear (driven system, driven gear)
152 ... 1st bevel gear (driven system, driven gear)
154 ... Clutch lever (planet clutch, locking lever)
162 ... Lock lever (locking means)
Claims (1)
駆動源と、
上記駆動源からの駆動力により駆動されることが可能な被駆動系と、
上記駆動源からの駆動力を上記被駆動系に伝達するため上記被駆動系と噛合した状態と、上記被駆動系から切り離された状態とに公転する遊星歯車と、
上記被駆動系中のギヤーと、
上記ギヤーと常時噛み合っている上記被駆動系中のもう一つのギヤーと、
上記駆動力伝達機構の内部に設けられ、上記遊星歯車が上記被駆動系から切り離された状態で上記二つのギヤーの回動を規制する係止手段と、
を有することを特徴とするカメラのための駆動力伝達機構。 In the driving force transmission mechanism for the camera ,
A driving source;
A driven system capable of being driven by a driving force from the driving source;
A planetary gear that revolves between a state engaged with the driven system to transmit a driving force from the drive source to the driven system, and a state disconnected from the driven system;
A gear in the driven system;
Another gear in the driven system that is always meshed with the gear;
A locking means provided inside the driving force transmission mechanism for restricting the rotation of the two gears in a state where the planetary gear is disconnected from the driven system;
A driving force transmission mechanism for a camera, comprising:
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JP09857996A JP3853870B2 (en) | 1996-04-19 | 1996-04-19 | Driving force transmission mechanism |
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- 1996-04-19 JP JP09857996A patent/JP3853870B2/en not_active Expired - Fee Related
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