JP3852083B2 - 2−メトキシシクロヘキサノンの製造法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬や農薬の原料として重要な2−メトキシシクロヘキサノン、特に光学活性2−メトキシシクロヘキサノンの製造法に関するものであり、更に詳しくは2−メトキシシクロヘキサノールを水溶媒中にて次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩などと反応させて2−メトキシシクロヘキサノンを製造するに当たり、特定の物性を持つ有機化合物と、特定量の鉱酸を共存させる事により、高収率で2−メトキシシクロヘキサノンを得る方法である。更に、光学活性2−メトキシシクロヘキサノ−ルを原料とした場合には、ラセミ化を併発する事なく光学活性2−メトキシシクロヘキサノンを製造する方法である。
【0002】
【従来の技術】
従来から脂環式アルコールを次亜ハロゲン酸で酸化して脂環式ケトンを得る方法は種々知られている。例えば、(1)4級アンモニウム塩を共存下、シクロヘプタノールと次亜塩素酸ナトリウムを反応させる方法(Tetrahedron Letter (1976),20,1641)、(2)氷酢酸溶媒中、光学活性メントールを次亜塩素酸ナトリウムと反応させて光学活性メントンを得る方法(J.Org.Chem.,(1980),45,2030)、(3)水と水混和性溶媒中で、シクロアルカノールと次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩又は次亜ハロゲン酸アルカリ土類金属塩と、pH6以下で反応させて脂環式アルコールを得る方法(特開平4−211629号公報)(4)光学活性2ーアルコキシシクロヘキサノールを次亜ハロゲン酸、或いは次亜ハロゲン酸の発生源で酸化させて光学活性2ーアルコキシシクロアルカノンを得る方法(GB 2283971)等が知られている。
【0003】
しかしながら、(1)の方法は4級アンモニウム塩を加えるためにコストが高くなる事、及び単離操作が煩雑になる事、等の欠点がある。(2)の方法は光学純度を低下させる事なく光学活性メントンを得る方法として優れているが、氷酢酸を溶媒として使用する為に、生成物の単離操作が煩雑になる欠点がある。(3)の方法は水と混和する溶媒中で反応する為に、生成物の単離操作が煩雑となる欠点がある。また、(4)の方法の最も好ましい実施態様であるケトン共存下の反応では、添加したケトンのαー位がクロル化された副生物が生成する。例えば、アセトンやメチルエチルケトン等をを使用した場合には、催涙性があり、人体に毒性の高いαーハロケトンが副生する為に生成物の純度が悪化する上に、工業生産した場合には作業員の健康上に問題が発生する恐れがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は2−メトキシシクロヘキサノールを次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩または次亜ハロゲン酸アルカリ土類金属塩と反応させるに当たり、短時間で、高収率で、しかも人体に有害な副生物を発生させることなく2−メトキシシクロヘキサノンを製造する工業的方法を提供する事である。更に、光学活性2−メトキシシクロヘキサノールを使用した場合には、ラセミ化を併発しない光学活性2−メトキシシクロヘキサノンの工業的製造法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは2−メトキシシクロヘキサノンの製造法を鋭意検討した結果、驚くべき事に2−メトキシシクロヘキサノールと次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩または次亜ハロゲン酸アルカリ土類金属塩を水溶媒中で反応させる際に、特定の物性を持つ脂肪族化合物と特定量の鉱酸を共存させる事で、短時間に、高収率で、操作性が良好で、且つ人体に有害な副生物を発生させる事なく2−メトキシシクロヘキサノンを製造でき、特に、光学活性2−メトキシシクロヘキサノールを出発原料に使用した場合には、ラセミ化を抑制して光学活性2−メトキシシクロヘキサノンを製造できることを見出し本発明を完成させた。
【0006】
すなわち、本発明は2−メトキシシクロヘキサノール(以下「2級アルコール」または「脂環式アルコール」と称する場合もある)と次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩または次亜ハロゲン酸アルカリ土類金属塩を水溶媒中で反応させて2−メトキシシクロヘキサノンを製造するに際し、特定の物性を持つ脂肪族化合物と特定量の鉱酸を共存させる2−メトキシシクロヘキサノン(以下「脂環式ケトン」または「ケトン」と称する場合もある)の製造法である。ここで特定の物性を持つ脂肪族化合物とは、アルキルクロライド、ジエチルエーテルから選択される脂肪族化合物を意味する。また、ここで共存させる鉱酸の使用量は、2−メトキシシクロヘキサノールに対して0.1〜0.8当量であることを意味する。更に、光学活性2−メトキシシクロヘキサノールを出発原料とした場合には、光学活性2−メトキシシクロヘキサノンの製造法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
原料に使用する2級アルコールとしては、2ーメトキシシクロヘキサノールである。また、光学活性脂環式アルコールとは、光学活性2ーメトキシシクロヘキサノールが好ましく使用できる。
【0008】
もう一方の原料である次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩または次亜ハロゲン酸アルカリ土類金属塩は次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜臭素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、または次亜臭素酸カルシウムなどが挙げられるが、好ましくは次亜塩素酸ナトリウム、次亜臭素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜臭素酸カリウムであり、特に好ましくは次亜塩素酸ナトリウムである。次亜塩素酸ナトリウムは通常市販されている水溶液を使用すれば良い。何れの濃度でも使用できるが、通常市販されている5〜14%水溶液が好ましく使用できる。5%以下の希薄水溶液では反応液濃度が低くなるために、製造コストが増加するので好ましくない。また、次亜ハロゲン酸ナトリウム水溶液中の食塩含有量が多くても反応に支障はないが、遊離のアルカリ、例えば水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの混入量は1%未満が好ましい。遊離アルカリが多い場合には事前に遊離アルカリを中和するか、或いは酸化反応液に加える鉱酸量を調節する必要がある。
【0009】
次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩の使用量は有効塩素量から求めるが、反応系の組成、脂環式アルコールの種類、反応温度等により影響される。通常は原料の脂環式アルコールの1〜2当量程度であり、好ましくは1〜1.3当量である。1当量より少ないと反応が未熟となり、また2当量より多いと原料費が高くなるばかりでなく、過剰の次亜ハロゲン酸により副反応が生じたり、反応の後処理工程で次亜ハロゲン酸の分解操作をしなくてはならず、有利とは云えない。尚、本発明の方法で反応が良好に進行している場合には、次亜ハロゲン酸使用量は1〜1.15当量である。
【0010】
添加する脂肪族化合物としては、20℃における2級アルコールの分配比が水に対して1以上であり、かつ40℃に於ける水への溶解度が5重量%以下である有機化合物のうちアルキルクロライド、ジエチルエーテルから選択されるものを用いる。ここで分配比とは、脂肪族化合物と同重量の水に2級アルコールを加えて10分間攪拌してから静置分液して両層の濃度を分析した有機層と水層それぞれの2級アルコールの濃度の比であり、有機溶媒中の濃度が水中の濃度より高い場合を分配比が1以上であると定義する。例えばジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、モノクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、1、2ージクロロエタン、1、1、1ートリクロロエタン等のアルキルクロライド類やジエチルエーテルである。特に好ましくはジクロロメタン、クロロホルム、モノクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、1、2ージクロロエタンである。脂肪族化合物の使用量は通常は2級アルコールの0.1〜3重量倍、好ましく0.2〜同重量である。添加量が0.1重量倍以下では効果が発揮されず反応速度が遅くなり、副生物も増加する。また、3重量倍以上でも反応速度は遅くなるので好ましくない。
【0011】
添加する鉱酸は、硫酸、塩酸、燐酸が好ましい。使用量は原料の2級アルコールの0.1〜0.8当量であり、好ましくは0.2〜0.8当量である。0.1当量より少なくなると、添加する次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩により反応液のpHが3以上になり、反応速度が遅くなるばかりでなく、副生物も増加する。また2当量以上になると次亜ハロゲン酸の分解を促進し、2級アルコールの転化率を100%にする為に必要な次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩の量が多くなり、コストアップとなり好ましくない。但し、使用した次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩水溶液中に遊離のアルカリが多く含まれる場合には、あらかじめ混入しているアルカリ量に見合った酸を反応初期に添加するか、或いは反応途中で逐次添加する。ここで、酸の当量とは脂環式アルコール1モルに対して硫酸を使用する場合は1モルが2当量、塩酸であれば1モルが1当量、また燐酸であれば1モルが3当量を意味する。ここで使用する鉱酸は水溶液で使用してもよい。濃度は2〜25重量%水溶液が好ましく、さらに好ましくは5〜15重量%である。2%以下では反応液濃度が低下し、生産効率が悪くなり、また25%以上では反応初期の反応液が少なくて操作性が悪く、反応温度の制御が難しくなり、副生物が増加するので好ましくない。
【0012】
反応様式は、2級アルコール、有機化合物、及び鉱酸を一括して仕込み、攪拌しながら次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩、或いは次亜ハロゲン酸アルカリ土類金属塩の水溶液を滴下すればよい。また、鉱酸水溶液の初期仕込み濃度が高い場合や、添加する有機化合物量が少ない場合には、2級アルコールや鉱酸水溶液を反応途中で逐次添加して反応する事もできる。
【0013】
反応温度は反応液中で生成する次亜ハロゲン酸の安定性から0〜30℃、好ましくは15〜25℃ である。0℃より低いと酸化反応が遅くなり、30℃ より高いと次亜ハロゲン酸が分解する。特に、光学活性脂環式アルコールを使用する場合には、ラセミ化反応を抑制する為にも30℃以下で反応させる事が好ましい。
添加された次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩は鉱酸と接触して即座に次亜ハロゲン酸となり、次いで脂環式アルコールと接触すると瞬時に反応する。従って、反応時間は実質的には次亜ハロゲン酸アルカリ水溶液の添加時間であり、熟成時間は30分程度で十分である。
【0014】
反応が終了した事を確認した後、過剰の次亜ハロゲン酸を分解する。例えば、ヨウ化カリウム澱粉試験紙が青紫色に変色しなくなるまで亜硫酸水素ナトリウムまたは亜硫酸ナトリウムなどを添加すればよい。
【0015】
かくして得られたケトンは通常の方法で反応液から単離する。例えば、反応混合物から有機溶媒で抽出した後、溶媒を除去してから蒸留・精製する方法、或いは抽出液をカラムクロマトグラフィーで精製・単離する方法等が挙げられる。
【0016】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、脂環式ケトンの化学純度はThermon3000を液層としたGC分析で、光学純度はキラルカラムを使用したGC分析で、それぞれ求めた。
【0017】
実施例1
温度計、滴下ロート、コンデンサー、攪拌機を装着した500mlの4つ口フラスコに、(RS)ー2ーメトキシシクロヘキサノール13.0g(0.1モル)、ジクロロメタン7g、10%硫酸水溶液30g(30ミリモル)を仕込み、20〜25℃にて攪拌した。有効塩素12.1%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液60gを約1時間で添加し、更に30分間攪拌を継続した。反応液をGCで分析し、(RS)−2−メトキシシクロヘキサノールのピークが消滅したのを確認した後、攪拌しながら亜硫酸水素ナトリウム2gを添加し、ヨウ化カリウム澱粉試験紙が青紫色に変色しない事を確認した。ジクロロメタン50gで2回抽出し、ジクロロメタン層を合わせ、30gの飽和食塩水で洗浄した後、濃縮・蒸留して(RS)−2−メトキシシクロヘキサノン11.5g(90ミリモル)を得た。化学純度は99.8%であった。ここで使用したジクロロメタンは20℃ に於ける水との分配比は1以上であり、40℃ の水への溶解度は5wt%以下である。
【0018】
参考例1
実施例1と同様の装置に(RS)−2−メチルシクロヘキサノール11.4g(0.1モル)、1,2−ジクロロエタン7g、10%硫酸水溶液20g(20ミリモル)を仕込み、20〜25℃ にて攪拌した。有効塩素5.6%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液145gを約3時間で添加し、更に30分間攪拌を継続した。反応液をGCで分析した結果、(RS)−2ーメチルシクロヘキサンが95%生成していた。ここで使用した1,2−ジクロロエタンは20℃ に於ける水との分配比は1以上であり、40℃ の水への溶解度は5wt%以下である。
【0019】
参考例2
実施例1と同様の装置に(RS)−4−メチルシクロヘキサノール11.4g(0.1モル)、クロロホルム10g、10%硫酸水溶液20g(20ミリモル)を仕込み、20〜25℃ にて攪拌した。有効塩素5.6%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液145gを約3時間で添加し、更に30分間攪拌を継続した。反応液をGCで分析した結果、(RS)−4ーメチルシクロヘキサノンが94%生成していた。ここで使用したクロロホルムは20℃ に於ける水との分配比は1以上であり、40℃ の水への溶解度は5wt%以下である。
【0020】
実施例
光学純度99%eeの(S)−2−メトキシシクロヘキサノール13.0g(0.1モル)を使用して実施例1と同様に反応し、(S)−2−メトキシシクロヘキサノン11.2g(88ミリモル)得た。化学純度は99.8%、光学純度は99%eeであり、反応でラセミ化は併発していなかった。
【0021】
実施例
実施例1と同様の装置に、(RS)−2−メトキシシクロヘキサノール3.9g(30ミリモル)、10%塩酸7g(19ミリモル)、ジエチルエーテル2gを仕込み、12.3%次亜塩素酸水溶液を23g滴下し、実施例1と同様にして反応させた。反応液をGCで分析した結果、(RS)−2−メトキシシクロヘキサノンが95%生成していた。ここで使用したジエチルエーテルは20℃ に於ける水との分配比は1以上であり、40℃ の水への溶解度は5wt%以下である。
【0022】
比較例1
10%硫酸を添加せず、その他は実施例1と同様にして反応させた。反応液をGCで分析すると(RS)−2−メトキシシクロヘキサノは1.7%生成していた。
【0023】
比較例2〜6
実施例1と同様の装置に(RS)−2−メトキシシクロヘキサノール11.4g(0.1モル)、表1に示した化合物、及び10%硫酸水溶液40g(41ミリモル)を仕込み、20〜25℃ にて攪拌した。有効塩素12.5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液65gを約2時間で添加し、更に30分間攪拌を継続した。結果を表1に示した。ここで添加した有機化合物のメタノールとアセトニトリルは40℃ での水に対する溶解度は5wt%以上であり、またシクロヘキサンと水に対する20℃ での(RS)−2−メトキシシクロヘキサノールの分配は水に大きく偏っており、シクロヘキサンへの分配比は1以下である。
【0024】
【表1】
Figure 0003852083
何れも(RS)−2−メトキシシクロヘキサノールの転化率が低く、(RS)−2−メトキシシクロヘキサノンの選択率の低かった。
【0025】
比較例7
実施例1と同様の装置に(RS)−2−メトキシシクロヘキサノール11.4g(0.1モル)、メチルエチルケトン7g、及び10%硫酸水溶液25g(26ミリモル)を仕込み、20〜25℃ にて攪拌した。有効塩素12.5%の次亜塩素酸ナトリウム水溶液61gを約2時間で添加し、更に30分間攪拌を継続した。GCで分析した結果、(RS)−2ーメトキシシクロヘキサノールの転化率は98%であり、(RS)−2−メトキシシクロヘキサノンが93%生成していた。次いで実施例1と同様にしてクロロホルムで(RS)−2−メトキシシクロヘキサノンを抽出したが、メチルエチルケトンがクロル化された催涙性の強い化合物が副生物しており、後処理の操作性に支障があった。ここで使用したメチルエチルケトンの40℃ に於ける水への溶解度は5wt%以上である。
【0026】
比較例8
メチルエチルケトンに替えてトルエンを使用し、比較例6と同様に反応させた。GC分析した結果、(RS)−2−メトキシシクロヘキサノンの転化率は45%、(RS)−2−メトキシシクロヘキサノールの収率は42%と低かった。更に、トルエンのクロル化物が副生する為に、(RS)−2−メトキシシクロヘキサノールの精製には高段数の精留塔が必要であった。ここで使用したトルエンと水に対する20℃ での(RS)−2−メトキシシクロヘキサノールの分配は水に大きく偏っており、トルエンへの分配比は1以下である。
【0027】
比較例9
25%硫酸を40g添加し、その他は実施例1と同様にして反応させた。反応液をGCで分析すると(RS)−2−メトキシシクロヘキサノールが24%残存していた。
【0028】
【発明の効果】
1.本発明によれば、2−メトキシシクロヘキサノールを次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩で酸化する際に、特定の有機化合物と鉱酸を共存させる事により、高収率で、容易にケトンを製造することができる。ここで、有機化合物とはアルキルクロライドまたはジエチルエーテルを意味する。
【0029】
2.更に光学活性脂環式アルコールを原料に使用すれば、ラセミ化を併発する事なく光学活性脂環式ケトンを製造することができる。
【0030】
3.原料の2級アルコールと生成物であるケトンは近接した沸点を持つ化合物である事が多いが、本発明の方法では原料の2級アルコールの転化率を100%にする事が容易であり、従って高純度のケトンを容易に得ることができる。

Claims (4)

  1. 2−メトキシシクロヘキサノールを水溶媒中で次亜ハロゲン酸アルカリ金属塩または次亜ハロゲン酸アルカリ土類金属塩と反応させて、2−メトキシシクロヘキサノンを製造するに際し、アルキルクロライド、ジエチルエーテルから選択される脂肪族化合物と、2−メトキシシクロヘキサノールに対して0.1〜0.8当量の鉱酸を共存させることを特徴とする2−メトキシシクロヘキサノンの製造法。
  2. 2−メトキシシクロヘキサノールが光学活性2−メトキシシクロヘキサノールであり、2−メトキシシクロヘキサノンが光学活性2−メトキシシクロヘキサノンであることを特徴とする請求項1に記載の2−メトキシシクロヘキサノンの製造法。
  3. アルキルクロライドがジクロロメタン、クロロホルム、テトラクロロメタン、モノクロロエタン、1、1−ジクロロエタン、1、2−ジクロロエタンまたは1、1、1−トリクロロエタンであることを特徴とする請求項1または2記載の2−メトキシシクロヘキサノンの製造法。
  4. 鉱酸が硫酸、塩酸または燐酸であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の2−メトキシシクロヘキサノンの製造法。
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