JP3851681B2 - 天然ガスからの硫黄回収方法 - Google Patents

天然ガスからの硫黄回収方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3851681B2
JP3851681B2 JP11978496A JP11978496A JP3851681B2 JP 3851681 B2 JP3851681 B2 JP 3851681B2 JP 11978496 A JP11978496 A JP 11978496A JP 11978496 A JP11978496 A JP 11978496A JP 3851681 B2 JP3851681 B2 JP 3851681B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
hydrogen sulfide
sulfur
natural gas
carbon dioxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP11978496A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09278421A (ja
Inventor
喜次 吉川
洋 井上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chiyoda Corp
Original Assignee
Chiyoda Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chiyoda Corp filed Critical Chiyoda Corp
Priority to JP11978496A priority Critical patent/JP3851681B2/ja
Publication of JPH09278421A publication Critical patent/JPH09278421A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3851681B2 publication Critical patent/JP3851681B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、天然ガスから硫黄を回収する方法に関し、更に詳細には硫化水素の含量に比べて二酸化炭素の含量が多い天然ガスから硫黄を高い硫黄回収率でしかも経済的に回収する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガス田から採取した原料天然ガスは、軽質炭化水素に加えて硫化水素を始めとする種々の硫黄化合物を含有している。そこで、一般に、原料天然ガスは、生産地で硫黄化合物が除去され、精製天然ガスとして消費地に搬送される。また、原料天然ガスが二酸化炭素を含む場合には二酸化炭素を除去した上で消費地に搬送する必要がある。一方、除去された硫黄化合物は、環境汚染を防止するために、硫黄として回収される。
原料天然ガスから硫黄を回収して、硫黄フリーの天然ガスを精製するには、先ず、硫化水素等の硫黄化合物を含む酸性ガスを原料天然ガスから分離する酸性ガス分離工程が、実施され、次いで、酸性ガスから硫黄を回収する回収工程が実施される。天然ガスに含まれる硫黄化合物として、硫化水素以外に、例えばメルカプタン、COS、二酸化硫黄、チオフェン等を挙げることができる。本明細書で、酸性ガスとは、硫化水素を含むガスを酸性ガスと言う。
【0003】
天然ガスから酸性ガスを分離する方法は、化学吸収による分離法と、化学物理吸収による分離法とに大別される。化学物理吸収法は、硫黄化合物に加えて高濃度の二酸化炭素を含む天然ガスから硫黄化合物及び二酸化炭素を併せて除去するのに好適であって、サルフィノール(Sulfinol)法、フレクソーブ(Flexorb) 法、ユーカゾール(Ucarsol) 法及びセレクソール(Selexol) 法等を例として挙げることができる。
酸性ガスから硫黄を回収する方法は、クラウス法と呼ばれる古くから確立されているプロセスである。
【0004】
サルフィノール法は、アルカノールアミンとテトラヒドロチオフェンジオキサイドとの混合物(商品名:スルホラン)の水溶液を吸収液として使用して、原料ガスから硫黄化合物及び二酸化炭素を同時に吸収液に吸収し、次いで水溶液から吸収した硫黄化合物及び二酸化炭素を分離する方法である。
サルフィノール法では、先ず、吸収塔にて原料ガスと吸収液とを接触させて硫黄化合物及び二酸化炭素を吸収液に化学物理吸収してガスから分離、除去し、次いで、硫黄化合物及び二酸化炭素を吸収した吸収液を再生塔にてストリッピングして吸収液から硫黄化合物及び二酸化炭素を含む酸性ガスを放出させると共に吸収液の活性を再生する。再生した吸収液を再び吸収塔に送入して原料ガスと接触させ、循環使用する。硫黄化合物及び二酸化炭素が分離されたガスは、精製ガスとして次の工程に送入され、酸性ガスは次の硫黄回収工程に送入される。
なお、セレクソール法では、ポリエチレングリコールのジメチルエーテルを吸収液として用いている。
【0005】
クラウス法は、前段の燃焼反応炉における硫化水素の酸化工程と、後段の反応器における硫黄生成反応工程とから構成されている。燃焼反応炉では、硫化水素を酸素で燃焼して二酸化硫黄を生成する、反応式1に示す反応と、硫化水素と二酸化硫黄とを反応させて硫黄を生成する、反応式2に示す反応との二つの反応が進行する。硫黄生成反応工程では、硫化水素と二酸化硫黄とを容積比率が2:1になるように混合して反応器に送入し、反応器の無触媒下(熱領域)及び触媒下(触媒領域)において反応式2から4に示す反応を進行させる。尚、反応式(2)から(4)は可逆反応である。
H2S +3/2 O2→SO2 +2H2O +123,938kcal/g-mol-H2S (1)
2 H2S +SO2 →3/2 S2+2H2O −5,737kcal/g-mol-H2S (2)
2 S2→S6 +65.28kcal/g-mol-S6 (3)
4 S2→S8 +65.28kcal/g-mol-S8 (4)
【0006】
ここで、硫化水素と高濃度の二酸化炭素とを含む原料天然ガスから酸性ガスを分離して原料天然ガスを精製すると共に、分離した酸性ガスからクラウス法により硫黄を回収する従来の方法を説明する。
図11は、従来の方法を実施する際に使用する装置の一例の概略構成を示すフローシートである。
原料天然ガスから硫黄を回収する装置10は、サルフィノール法等の化学物理吸収法を使用して、原料天然ガスから酸性ガスを分離する酸性ガス除去装置12と、酸性ガスから硫黄を回収する硫黄回収系とから構成されている。硫黄回収系は、燃焼反応炉14、第1凝縮器16、第1再加熱装置18、第1反応器20、第2凝縮器22、第2再加熱装置24、第2反応器26と、第3凝縮器28、第3再加熱装置30、第3反応器32、及び、最終凝縮器34とから構成されている。更に、硫黄回収系には、燃焼反応炉14及び第1、第2及び第3再加熱装置18、24、30に燃焼用空気及び燃料ガスをそれぞれ供給する空気供給系36及び燃料ガス供給系38、並びに第1、第2及び第3凝縮器16、22及び28にボイラー用水(BFW)を供給するボイラ水供給系39等の付属装置が設けられている。
【0007】
第1、第2、第3及び最終凝縮器16、22、28、34は、生成した硫黄蒸気の潜熱によってBFWを蒸発させて蒸気を作ることにより、生成した硫黄蒸気を凝縮させ、系外に取り出すためのものである。第1、第2及び第3再加熱装置18、24及び30は、凝縮器で温度が低下したガスを加熱して再び反応させるもので、通常、ラインバーナーが使用されている。第1、第2及び第3反応器20、26及び32は、硫黄生成触媒、例えばAl2O3 又はTiO 2 担体を触媒とする触媒層を備えた反応器で、そこではそれぞれ反応式(2)から(4)が進行する。
【0008】
先ず、原料天然ガスを酸性ガス除去装置12に送入し、そこで原料天然ガスから二酸化炭素を含む酸性ガスを分離して原料天然ガスを精製し、次いで分離した酸性ガスを硫黄回収系に流入させる。
硫黄回収系では、燃焼反応炉14において、上記反応式(1)及び(2)の反応が進行し、硫化水素の一部は二酸化硫黄に酸化され、更に硫化水素と二酸化硫黄とが反応して硫黄が生成する。次いで、第1凝縮器16において、生成した硫黄蒸気は凝縮して系外に取り出される。残部の酸性ガスは、第1再加熱装置18において加熱されて、第1反応器20に流入し、反応式(2)から(4)の反応が進行して、硫黄が生成する。生成した硫黄蒸気は、第2凝縮器22において凝縮して系外に取り出される。
残部の酸性ガスは、更に、次の段の第2再加熱装置24、第2反応器26及び第3凝縮器28、更には最終段の第3再加熱装置30、第3反応器32、及び、最終凝縮器34に流入して、同様の硫黄生成反応及び硫黄回収が進行し、酸性ガス中の殆どの硫黄化合物が硫黄として回収される。硫黄回収されたガスは、テールガスとして系外に排出され、テールガス燃焼炉等で燃焼された後、大気に放出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、二酸化炭素の多い天然ガスから二酸化炭素を含む酸性ガスを上述のサルフィノール法或いはフレクソーブ法等により分離し、次いでクラウス法により硫黄を回収しようとすると、硫黄の回収率が大幅に変動すると言う問題があった。時には、回収率が、例えば70%程度に低下し、硫黄化合物の濃度の高いテールガスが放出され、環境汚染を引き起こすと言う問題があった。特に、酸性ガスの硫化水素の含量が30容量%以下である場合には、この傾向が顕著であった。一方、クリーンなエネルギーを求めて、天然ガスの需要が益々増大するに連れて、天然ガスの供給が逼迫しつつあるので、二酸化炭素の含量が多くて扱い難い天然ガス田であっても、それを開発して天然ガスを採取しようとする状況になっている。そこで、二酸化炭素の多い天然ガスから二酸化炭素及び酸性ガスの双方を除去して天然ガスを精製すると共に酸性ガスから硫黄化合物を高い回収率、少なくとも90%以上の高い回収率で回収し、環境汚染問題の発生を防止できる方法の開発が求められている。
【0010】
以上のような事情から、本発明の目的は、天然ガスから硫黄を回収する際に、天然ガスが二酸化炭素を多量に含む場合であっても、天然ガスを分離して得た酸性ガスから高い硫黄回収率で硫黄を回収できる方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、二酸化炭素を多量に含む天然ガスから上述のサルフィノール法、ユーカゾール法、或いはフレクソーブ法等により酸性ガスと共に二酸化炭素を分離して、クラウス法により硫黄を回収したとき、硫黄の回収率が変動し、或いは大幅に低下する原因を究明し、その原因は次の通りであると結論した。
二酸化炭素を多量に含む天然ガスからサルフィノール法或いはフレクソーブ法等により二酸化炭素及び酸性ガスを併せて吸収、分離すると、天然ガス中の重質炭化水素、例えば炭素数が5以上のパラフィン系、ナフテン系の炭化水素、或いはベンゼン、トルエン等の芳香族化合物が二酸化炭素及び酸性ガスと共に吸収液に吸収される。その結果、重質炭化水素の含量が硫化水素に対して比較的に多いという酸性ガス組成になり、クラウス法により硫黄を回収する際、酸素により硫化水素を酸化して二酸化硫黄、更には硫黄を生成する酸化工程で、多量の酸素が重質炭化水素の酸化に消費される。
そのため、反応式(2)のクラウス反応を進行させるに際し、重質炭化水素の量が多いと、H2S :SO2 の容積比率を2:1に維持することが難しく、化学量論的に不具合が生じ、望ましい方向のクラウス反応が進行し難くなる。これにより、硫化水素の酸化反応が不安定になって、結果として硫黄回収率が大幅に変動し、或いは大幅に低下する。また、この現象は、酸性ガス中の硫化水素の含量が30容量%以下の場合に、特に顕著であることも判った。
更には、重質炭化水素の不完全燃焼のために煤が発生し、回収した硫黄に混入して、硫黄の品質が低下するという問題もあった。
【0012】
そこで、本発明者は、酸性ガスの硫化水素の含量が30容量%以下の場合でも、硫黄の回収率が低下しないようにする一つの方法として、クラウス法による硫黄回収工程に酸性ガスを導入する前に、酸性ガスを硫化水素濃縮装置に通して酸性ガスの硫化水素含量を20容量%以上に濃縮することを試みた。また、酸性ガス中の重質炭化水素を除去する方法も試みた。しかし、これらの方法では、硫化水素濃縮装置の容量が大きくなって設備費が嵩んだり、或いは選択的に重質炭化水素を除去することが技術的に難しく、技術的にも経済的にも実用化が難しいことが判った。
そこで、更に、研究と実験を進めた結果、酸性ガス除去装置から出た酸性ガスのうち1/3から2/3の容量比率の酸性ガスを硫化水素濃縮装置に通して硫化水素濃度を高くし、その酸性ガスと酸化工程から出た酸性ガスとを混合することにより、高い硫黄回収率を維持できることを見い出し、本発明を完成するに到った。
【0013】
上記目的を達成するために、上記知見に基づき、本発明に係る天然ガスからの硫黄回収方法は、硫黄化合物として少なくとも硫化水素を含み、更に硫化水素より多い含量の二酸化炭素を含む天然ガスからクラウス法により硫黄を回収する際に、
化学物理溶剤を用いて硫化水素、メルカプタン、COSを含む硫黄化合物と共に二酸化炭素を天然ガスから吸収、分離する酸性ガス分離工程と、
酸性ガス分離工程から得た酸性ガスのうち、容積比率で1/3から2/3の範囲の酸性ガスを燃焼反応炉に送入し、硫化水素を酸化して少なくとも二酸化硫黄を含む第1のガスを生成する酸化工程と、
酸性ガスの残部を硫化水素に対する選択吸収性の高いアミン溶剤で洗浄処理して、高濃度の硫化水素を有する第2のガスと、第2のガスに含まれた硫化水素以外の硫黄化合物と高濃度の二酸化炭素とを有する第3のガスとに分離する硫化水素濃縮工程と、
酸化工程から得た第1のガスと硫化水素濃縮工程から得た第2のガスとの混合ガスから熱反応及び触媒反応の少なくとも一方により硫黄を生成する反応工程と
を有することを特徴としている。
【0014】
本発明方法は、硫黄化合物として少なくとも硫化水素を含み、更に硫化水素の含量より高い含量の二酸化炭素を含む天然ガスからクラウス法により硫黄を回収する場合に、天然ガスの成分に関係なく適用できる。
本発明方法では、燃焼反応炉の送入した酸性ガスの残部、即ち容積比率で酸性ガスの1/3から2/3が硫化水素濃縮工程に送られ、そこで、硫化水素に対する選択吸収性の高いアミン溶剤で酸性ガスから硫化水素を選択的に吸収、分離することにより、第2のガスは、酸性ガスの硫化水素濃度より高い濃度の硫化水素と酸性ガスの二酸化炭素濃度より低い濃度の二酸化炭素とを有するガスになる。一方、第3のガスは、主として、高濃度の二酸化炭素と、重質炭化水素と、硫化水素以外のメルカプタン等の硫黄化合物と、極めて低い濃度の硫化水素とを有するガスとなる。硫化水素濃縮工程では、第2のガス中の硫化水素の濃度が出来るだけ高くなるように酸性ガスを濃縮するのが望ましいが、実用的には、流入する酸性ガス中の硫化水素の濃度が10容積%程度の場合には、第2のガス中の硫化水素の濃度を40容積%以上に、また、酸性ガス中の硫化水素の濃度が25容積%程度の場合には、第2のガス中の硫化水素の濃度を60容積%以上にするのが好ましい。本発明方法で硫化水素濃縮工程に送る酸性ガスの量を容積比率で酸性ガスのうちの1/3から2/3と規定しているのは、1/3以下では本発明の効果が低く、2/3以上では硫化水素濃縮の処理コストに比較して本発明の効果がそれ程大きくならないからである。
反応工程は、クラウス反応に基づいており、その段数は、任意であって、高い硫黄回収率を達成するためには、少なくとも3段の反応工程にする。
【0015】
本発明方法は、酸性ガス分離工程から得た酸性ガスが、30容積%以下の含量の硫化水素と、炭素数が5以上の重質炭化水素と、二酸化炭素を主とする残部とからなる場合に、特に好適に適用できる。
更に、本発明方法を好適に適用できる場合は、酸性ガス分離工程から得た酸性ガス中の上記重質炭化水素の含量が、酸化工程において重質炭化水素を燃焼させるに要する酸素必要量が硫化水素を燃焼させるに要する酸素必要量の2倍以上になるような含量である場合である。
【0016】
本発明の好適な実施態様は、酸性ガス除去処理方法が、サルフィノール(Sulfinol)法、フレクソーブ(Flexorb) 法、ユーカゾール(Ucarsol) 法及びセレクソール(Selexol) 法のいずれかであることを特徴としている。ユーカゾール(Ucarsol) 法は、MDEAを主成分とする溶剤を使用する方法である。
また、本発明の更に好適な実施態様は、硫化水素濃縮工程で使用するアミン溶剤が、Diisopropanolamine(DIPA)、Methyldiethanolamine(MDEA)、Diglycolamine (DGA)及びフレクソーブ(FLEXSORB 登録商標) のいずれかであることを特徴としている。Diisopropanolamine(略称、DIPA)とは、構造式が(HOC3H6)2NHであって、例えば既知のADIP法により使用される。Methyldiethanolamine(略称、MDEA)とは、構造式が(HOC2H4)2NCH3 であって、例えば既知のMDEA法により使用される。Diglycolamine (略称、DGA)とは、構造式がH(OC2H4)2 NH2 であって、DGA法により使用される。フレクソーブ(FLEXSORB 登録商標) とは、EXXON Technology社で開発されたフレクソーブ法で使用されるアミン溶剤である。
【0017】
本発明方法の別の好適な実施態様は、硫化水素濃縮工程にて分離した第3のガスに水素化処理を施して硫黄化合物を硫化水素に転化し、転化した硫化水素を含むガスを反応工程の後段で反応させ、硫黄として回収することを特徴としている。水素化処理工程は、例えばCo及びMoをアルミナ担体に担持させてなる既知の触媒を用いたComox法により行われる。
これにより、第3のガス中の硫黄化合物を硫化水素に転化し、転化した硫化水素を硫黄に転化して回収できるので、第3のガスを大気放出する場合に比べて、更に硫黄回収率を向上させることができる。
また、反応工程の最終段階をスーパークラウス法により行うことにより、更に一層硫黄回収率を向上させることができる。スーパークラウス法とは、酸性ガス中の硫化水素の濃度が低い場合に、通常のクラウス法では化学平衡上硫黄の回収率が低くなるので、次式のように、直接、硫化水素を酸化して硫黄の回収率を上げるものである。
2H2S+O2→2H2O+S2
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照し、実施例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
本発明方法の第1の実施方法は、本発明方法の基本的な実施方法であって、図11に示した従来の方法に硫化水素濃縮工程を加えており、図1のブロックフロー図に示す工程の流れに沿って実施される。
本実施方法では、先ず、原料天然ガスは、サルフィノール法等の化学物理吸収法を使用した酸性ガス分離工程に入る。酸性ガス分離工程において、酸性ガスと共に二酸化炭素が、原料天然ガスから分離される。酸性ガス及び二酸化炭素が除去された天然ガスは、精製天然ガスとして次の工程に送られる。
【0019】
酸性ガスのうちの1/3から2/3は酸化工程に送られ、そこで前述の反応式(1)及び(2)の反応が進行する。硫化水素の一部は硫黄として回収される。一方、酸性ガスの残部は、硫化水素濃縮工程に入り、硫化水素に対する選択吸収性の高いアミン溶剤、例えばMDEAを吸収液として使用した硫化水素濃縮法で洗浄処理され、高濃度の硫化水素を有する硫化水素リッチガスと、硫化水素以外の硫黄化合物及び二酸化炭素を含む硫化水素リーンガスとに分離される。
酸化工程から出た生成ガスと硫化水素リッチガスとは、混合されて、反応工程に進み、そこで前述の反応式(2)から(4)の反応が進行し、生成した硫黄が回収される。反応工程では、例えば触媒としてAl2O3 又はTiO 2 担体が使用される。
反応工程を出たテールガスと硫化水素リーンガスは、燃焼炉等にて燃焼されて、大気に放出される。
【0020】
本発明方法の第2の実施方法は、図2のブロックフロー図に示す工程の流れに沿って実施される。第2の実施方法は、反応工程の後段にスーパークラウス法を使用したことを除いて第1の実施方法と同じである。
【0021】
本発明方法の第3の実施方法は、図3に示すブロックフロー図の工程の流れに沿って実施される。第3の実施方法は、硫化水素リーンガスを既知のCoMox 触媒を用いる水素化法により水素化処理して、硫黄化合物を硫化水素に転化し、次いでスーパークラウス法を使用した反応工程の後段に送入することを除いて第2の実施方法と同じである。
また、第4の実施方法として、第3の実施方法のスーパークラウス法に代えて、同じ方法で水素化処理して硫化水素に転化したガスを通常のクラウス法の反応工程の後段に入れても良い。
【0022】
【実施例】
実施例1
本実施例は、第1の実施方法を具体的に適用した例であって、本実施例を実施するために必要な主要な機器の構成を示すフローシートは、図4及びそれに続く図5の通りである。本実施例では、酸性ガス分離方法として、既知のサルフィノール法を使用し、硫化水素濃縮方法として、MDEAを吸収液とする既知のADIP法を使用しており、硫化水素濃縮装置40(以下、濃縮装置40と略称する)の基本的構成は、図6のフローシートに示す通りである。
【0023】
濃縮装置40は、図6に示すように、吸収塔42、再生塔44、熱交換器46、再沸器48、冷却器50、凝縮器52、濃縮MDEAポンプ54、再生MDEAポンプ56、還流液ポンプ58、及び、還流液溜め60とを備えている。吸収塔42では、酸性ガスとMDEAとを接触させて、主として硫化水素をMDEAに吸収させ、二酸化炭素及び硫化水素以外の硫黄化合物をガスとして吸収塔42の塔頂から放出する。硫化水素を吸収した濃縮MDEAは、濃縮MDEAポンプ54により吸収塔42の塔底から熱交換器46を経由して所定の温度に昇温され、次いで再生塔48に送られる。再生塔44では、濃縮MDEA中の硫化水素が主としてストリッピングにより濃縮MDEAより解離してガスとして塔頂より流出する。一方、再生されたMDEAは再生塔44の塔底から再生MDEAポンプ56により熱交換器46及び冷却器50を経由して再び吸収塔42に送られる。再生されたMDEAは、熱交換器46で濃縮MDEAを加熱し、次いで冷却器50で冷却水により所定の温度に冷却される。再沸器48は、濃縮MDEAをストリッピングするのに必要な熱を再生塔44に供給するために、再生されたMDEAをスチームで加熱している。硫化水素を主成分とする塔頂より流出したガスは、凝縮器52により一部凝縮して還流液溜め60に入り、硫化水素はガスとして還流液溜め60から流出し、凝縮した液は、還流液ポンプ58により再生塔44に還流する。
以上の構成により、濃縮装置40は、酸性ガスを硫化水素とそれ以外の硫黄化合物と二酸化炭素とに分離することができる。
【0024】
本発明方法を評価するために、本実施例に基づいてプロセスシミュレーションを実施した。本実施例で試料とした原料天然ガスの組成は、表1の通りであって、二酸化炭素の濃度は約3容量%、硫化水素の濃度は約0.4容量%であった。また、酸性ガス除去装置を出た酸性ガス(ストリーム番号50)の硫化水素濃度は10容積%、二酸化炭素濃度は80.9容積%、炭素数が5以上の重質炭化水素の濃度は3.6容積%、硫化水素以外のメルカプタン等の硫黄化合物の濃度は1容積%であった。
【表1】
Figure 0003851681
本実施例では、種々の実験結果及び蓄積データに基づき、ストリーム番号50の酸性ガスは、ストリーム番号90のテールガスのH2S とSO2 との組成比率が2:1になるように、燃焼炉に入るストリーム番号46と硫化水素濃縮装置に入るストリーム番号45に分流されていて、その容積比率は、約3:5である。
【0025】
図4及び図5に示すストリーム番号(○印の番号で表示)毎に表2から表6に示す主要プロセス条件を設定し、その条件で各ストリーム番号毎の組成を求める共に全体的な硫黄回収率を算出した。その結果、硫黄回収率は、91.9重量%であった。これにより、酸性ガス中の硫化水素が10容量%と低い場合でも、本発明方法は、酸性ガス中の硫化水素の濃度が高い場合と同等の硫黄回収率を維持することができることが実証された。
【表2】
Figure 0003851681
【表3】
Figure 0003851681
【表4】
Figure 0003851681
【表5】
Figure 0003851681
【表6】
Figure 0003851681
【0026】
実施例2
本実施例は、実施例1と同じ原料天然ガスに対して第3の実施方法を具体的に適用した例であって、本実施例を実施するために必要な主要な機器の構成を示すフローシートは、図7及びそれに続く図8の通りである。本実施例では、硫化水素濃縮装置として、実施例1と同じ方法及び装置を使用し、水素化処理方法として、既知のComox法を使用しており、水素化処理装置の構成を示すフローシートは、図8の通りである。
実施例1と同様にして、本実施例に基づいてプロセスシミュレーションを実施した結果、硫黄回収率は、97.4重量%であった。本実施例の各ストリーム番号毎の条件及び組成は、表7から表13に記載の通りである。
【表7】
Figure 0003851681
【表8】
Figure 0003851681
【表9】
Figure 0003851681
【表10】
Figure 0003851681
【表11】
Figure 0003851681
【表12】
Figure 0003851681
本実施例では、種々の実験結果及び蓄積データに基づき、ストリーム番号50の酸性ガスは、ストリーム番号80のH2S の組成比率が0.9mol %になるように燃焼炉に入るストリーム番号46と硫化水素濃縮装置に入るストリーム番号45に分流されていて、その容積比率は、約26:54である。また、ストリーム番号90のO2 の組成比率が0.5mol %になるように、スーパークラウスリアクタに入る空気量を設定している。
【0027】
実施例3
本実施例は、実施例1と同じ原料天然ガスに対して第4の実施方法を具体的に適用した例であって、本実施例を実施するために必要な主要な機器の構成を示すフローシートは、図9及びそれに続く図10の通りである。本実施例では、硫化水素濃縮装置として、実施例1と同じ方法及び装置を使用し、水素化処理装置として、実施例2と同じ方法及び装置を使用している。
実施例1と同様にして、本実施例に基づいてプロセスシミュレーションを実施した結果、硫黄回収率は、95.9重量%であった。本実施例の各ストリーム番号毎の条件及び組成は、表14から表18に記載の通りである。
【表13】
Figure 0003851681
【表14】
Figure 0003851681
【表15】
Figure 0003851681
【表16】
Figure 0003851681
【表17】
Figure 0003851681
【表18】
Figure 0003851681
本実施例では、種々の実験結果及び蓄積データに基づき、ストリーム番号50の酸性ガスは、ストリーム番号90のテールガスのH2S とSO2 との組成比率が2:1になるように、燃焼炉に入るストリーム番号46と硫化水素濃縮装置に入るストリーム番号45に分流されていて、その容積比率は、約3:5である。
【0028】
【発明の効果】
本発明方法によれば、硫黄化合物と共に多量の二酸化炭素を含む天然ガスからクラウス法により硫黄を回収する際に、天然ガスから分離した酸性ガスのうち、容積比率で1/3から2/3の範囲の酸性ガスを硫化水素濃縮工程に導入して、硫化水素に対する選択吸収性の高いアミン溶剤で洗浄処理して、高濃度の硫化水素を有するガスを分離する。次いで、酸化工程で得たガスと、硫化水素濃縮工程で得たガスとを反応工程に導入する。これにより、天然ガスが二酸化炭素を多量に含む場合であっても、また、酸性ガス中の硫化水素の濃度が30容量%以下の場合であっても、天然ガスを分離して得た酸性ガスから高い硫黄回収率でしかも安定して硫黄を回収できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施方法の工程を示すブロックフロー図である。
【図2】第2の実施方法の工程を示すブロックフロー図である。
【図3】第3の実施方法の工程を示すブロックフロー図である。
【図4】実施例1のストリーム番号を示す図である。
【図5】図4に続く、実施例1のストリーム番号を示す図である。
【図6】実施例1で使用した硫化水素濃縮装置のフローシートである。
【図7】実施例2のストリーム番号を示す図である。
【図8】図7に続く、実施例2のストリーム番号を示す図である。
【図9】実施例3のストリーム番号を示す図である。
【図10】図9に続く、実施例2のストリーム番号を示す図である。
【図11】従来の方法を実施する装置のフローシートである。
【符号の説明】
10 天然ガスから硫黄を回収する従来の方法を実施する装置
12 酸性ガス除去装置
14 燃焼反応炉
16 第1凝縮器
18 第1再加熱装置
20 第1反応器
22 第2凝縮器
24 第2再加熱装置
26 第2反応器
28 第3凝縮器
30 第3再加熱装置
32 第3反応器
34 最終凝縮器
36 空気供給系
38 燃料ガス供給系
39 ボイラ水供給系
40 硫化水素濃縮装置
42 吸収塔
44 再生塔
46 熱交換器
48 再沸器
50 冷却器
52 凝縮器
54 濃縮MDEAポンプ
56 再生MDEAポンプ
58 還流液ポンプ
60 還流液溜め

Claims (7)

  1. 硫黄化合物として少なくとも硫化水素を含み、更に硫化水素より多い含量の二酸化炭素を含む天然ガスからクラウス法により硫黄を回収する際に、
    化学物理溶剤を用いて硫化水素、メルカプタン、COSを含む硫黄化合物と共に二酸化炭素を天然ガスから吸収、分離する酸性ガス分離工程と、
    酸性ガス分離工程から得た酸性ガスのうち、容積比率で1/3から2/3の範囲の酸性ガスを燃焼反応炉に送入し、硫化水素を酸化して少なくとも二酸化硫黄を含む第1のガスを生成する酸化工程と、
    酸性ガスの残部を硫化水素に対する選択吸収性の高いアミン溶剤で洗浄処理して、高濃度の硫化水素を有する第2のガスと、第2のガスに含まれた硫化水素以外の硫黄化合物と高濃度の二酸化炭素とを有する第3のガスとに分離する硫化水素濃縮工程と、
    酸化工程から得た第1のガスと硫化水素濃縮工程から得た第2のガスとの混合ガスから熱反応及び触媒反応の少なくとも一方により硫黄を生成する反応工程と
    を有することを特徴とする天然ガスからの硫黄回収方法。
  2. 酸性ガス分離工程から得た酸性ガスが、30容積%以下の含量の硫化水素と、炭素数が5以上の重質炭化水素と、二酸化炭素を主とする残部とからなることを特徴とする請求項1に記載の天然ガスの硫黄回収方法。
  3. 酸性ガス分離工程から得た酸性ガス中の上記重質炭化水素の含量は、酸化工程において重質炭化水素を燃焼させるに要する酸素必要量が硫化水素を燃焼させるに要する酸素必要量の2倍以上になるような含量であることを特徴とする請求項2に記載の天然ガスの硫黄回収方法。
  4. 酸性ガス分離工程で使用する処理方法は、サルフィノール(Sulfinol)法、フレクソーブ(Flexorb) 法、ユーカゾール(Ucarsol) 法及びセレクソール(Selexol) 法のいずれかであることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の天然ガスの硫黄回収方法。
  5. 硫化水素濃縮工程で使用するアミン溶剤が、Diisopropanolamine(DIPA)、Methyldiethanolamine(MDEA)、Diglycolamine (DGA)及びフレクソーブ(FLEXSORB 登録商標) のいずれかであることを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の天然ガスからの硫黄回収方法。
  6. 硫化水素濃縮工程にて分離した第3のガスに水素化処理を施して硫黄化合物を硫化水素に転化し、転化した硫化水素を含むガスを反応工程の後段で反応させ、硫黄として回収することを特徴とする請求項1から5のうちのいずれか1項に記載の天然ガスからの硫黄回収方法。
  7. 反応工程の最終段階をスーパークラウス法により行うことを特徴とする請求項1から6のうちのいずれか1項に記載の天然ガスからの硫黄回収方法。
JP11978496A 1996-04-17 1996-04-17 天然ガスからの硫黄回収方法 Expired - Lifetime JP3851681B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11978496A JP3851681B2 (ja) 1996-04-17 1996-04-17 天然ガスからの硫黄回収方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP11978496A JP3851681B2 (ja) 1996-04-17 1996-04-17 天然ガスからの硫黄回収方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09278421A JPH09278421A (ja) 1997-10-28
JP3851681B2 true JP3851681B2 (ja) 2006-11-29

Family

ID=14770144

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11978496A Expired - Lifetime JP3851681B2 (ja) 1996-04-17 1996-04-17 天然ガスからの硫黄回収方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3851681B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005113124A1 (en) * 2004-04-22 2005-12-01 Fluor Technologies Corporation Cos-claus configurations and methods

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09278421A (ja) 1997-10-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10040051B2 (en) Integrated process to recover high quality native CO2 from a sour gas comprising H2S and CO2
US8444943B2 (en) Methods and apparatus for sulfur recovery from acid gases
KR100810188B1 (ko) 황화수소 함유 가스 스트림의 처리방법
US7662215B2 (en) Methods for removing sulfur-containing compounds
US7803271B2 (en) Method of extracting the hydrogen sulfide contained in a hydrocarbon gas
JP3448030B2 (ja) H2s含有ガスから硫黄を回収する高効率の方法
US9259680B2 (en) Claus hydrocarbon destruction via staged solvent regeneration
GB2375544A (en) Process for deacidification of natural gas comprising two-stage removal process and flashing
NO154786B (no) Fremgangsmaate for fjerning av h2s og co2 fra en gassbl anding medsamtidig fremstilling av en h2sholdig gass som lar seg anvende i en claus-prosess.
WO2018165512A1 (en) Enhancement of claus tail gas treatment by sulfur dioxide-selective membrane technology
CN108355463B (zh) 一种硫磺尾气的脱硫方法和装置
CN108310915B (zh) 复合脱硫剂和对含硫气体进行深度脱硫的方法
JP4303111B2 (ja) 硫黄回収プロセスにおける硫黄成分の回収方法
GB2118455A (en) Selective acid gas removal
NL1002135C2 (nl) Werkwijze voor het verwijderen van zwavelbevattende verontreinigingen, aromaten en koolwaterstoffen uit gas.
JP4837176B2 (ja) 天然ガスからの硫黄化合物の除去方法
US3656887A (en) Method of removing hydrogen sulfide from gaseous mixtures
NL1002134C2 (nl) Werkwijze voor het verwijderen van zwavelbevattende verontreinigingen, aromaten en koolwaterstoffen uit gas.
JPH1028837A (ja) 天然ガス等に含まれる硫黄化合物の除去方法およびその装置
JP3851681B2 (ja) 天然ガスからの硫黄回収方法
CA2982686A1 (en) Removal of aromatic hydrocarbons from lean acid gas feed for sulfur recovery
JP2010209296A (ja) 原料ガス中の有機硫黄化合物の除去方法及びそれに使用する触媒
JPS59120223A (ja) 硫化水素含有ガス中の硫化水素を濃縮する方法とその装置
JP2019511362A (ja) 流体ストリームからc5〜c8−炭化水素及び酸性ガスを分離する方法
JP2010174191A (ja) 天然ガス処理における酸素消費量の低減方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060124

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060815

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060904

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090908

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100908

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110908

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120908

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130908

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term