JP3850741B2 - 光記録方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に光ビームを照射することにより、記録材料の透過率、反射率等の光学的な変化を生じさせて情報の記録を行ない、追記が可能である光記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光記録媒体はCD(Compact Disk)やDVD(Digital Versatile Disc/Digital Video Disc)などがあり、この光記録媒体には光ビームを照射することにより記録材料の透過率、反射率等の光学的な変化を生じさせて情報の記録を行う。追記が可能である光記録媒体は、DVD−R(DVD−Recrdable)やCD−R(CD−Recrdable)などがあり、Pioneer R&D Vol.6 No.2「DVD-Recordableの開発 DVD-R色素ディスクの基礎研究」、ISOM/ODS ’96:High Density of recording on Dye material Disc approach for 4.7GBなどに記載されている。
【0003】
色素を記録材料として用い、マルチパルス記録光で記録層に記録マークを形成する光記録媒体は、特開2000−030254号公報、特開2000−215508号公報、特開2001−076341号公報、特開2001−076343号公報、特開2001−110053号公報、特開2001−143263号公報、特開2001−155339号公報、特開2001−167436号公報、特開2001−167437号公報、特開2001−176073号公報、特開2001−273636号公報、特開2001−273687号公報、特開平11−134703号公報に記載されている。
【0004】
ポリメチン色素を記録材料として用いた光記録媒体は、特開平10−83577号公報、特開平10−119434号公報、特開平10−149583号公報、特開平10−188339号公報、特開平10−278426号公報に記載されている。
ポリメチン色素+光安定化材を記録材料として用いた光記録媒体は、特開平10−109475号公報、特開平10−109476号公報、特開平10−134413号公報、特開平10−166739号公報に記載されている。
【0005】
アゾ金属キレート色素/金属反射層を記録材料として用いた光記録媒体は、特公平5−67438号公報、特開平7−161069号公報、特開平8−156408号公報、特開平8−231866号公報、特開平8−332772号公報、特開平9−58123号公報、特開平9−175031号公報、特開平9−193545号公報、特開平9−274732号公報、特開平9−277703号公報、特開平10−6644号公報、特開平10−6650号公報、特開平10−6651号公報、特開平10−36693号公報、特開平10−44606号公報、特開平10−58828号公報、特開平10−86519号公報、特開平10−149584号公報、特開平10−157293号公報、特開平10−157300号公報、特開平10−157301号公報、特開平10−157302号公報、特開平10−181199号公報、特開平10−181201号公報、特開平10−181203号公報、特開平10−181206号公報、特開平10−188340号公報、特開平10−188341号公報、特開平10−188358号公報、特開平10−208303号公報、特開平10−214423号公報、特開平10−228671号公報、特開平10−36693号公報、特開平11−12483号公報に記載されている。
【0006】
テトラアザポルフィリン(ポルフィラジン)色素/金属反射層を記録材料として用いた光記録媒体は、特開平9−267562号公報、特開平9−309268号公報、特開平10−856号公報に記載されている。
その他の色素/金属反射層を記録材料として用いた光記録媒体は、特開平10−86517号公報、特開平10−93788号公報、特開平10−226172号公報、特開平10−244752号公報、特開平10−287819号公報、特開平10−297103号公報、特開平10−309871号公報、特開平10−309872号公報に記載されている。
【0007】
シアニン色素+アゾ金属キレート色素(塩形成色素)/金属反射層を記録材料として用いた光記録媒体は、特公平7−51682号公報、特開平11−34499号公報、WO98/29257号公報、特開平9−323478号公報、特開平11−195242号公報、特開平11−250505号公報、特開2000−168237号公報、特開2000−190641号公報、特開2000−190642号公報、特開2000−198273号公報に記載されている。
【0008】
ホルマザン(金属キレート)色素+その他の色素を記録材料として用いた光記録媒体は、特許第02791944号公報、特開平8−295079号公報、特開平9−095520号公報、特開平9−193546号公報、特開平10−337958号公報に記載されている。
【0009】
ジピロメテン(金属キレート)色素+その他の色素を記録材料として用いた光記録媒体は、特開平10−162430号公報、特開平10−166732号公報、特開平10−226172号公報、特開平11−042858号公報、特開平11−042858号公報、特開平11−092682号公報、特開平11−165465号公報、特開平11−208111号公報、特開平11−227332号公報、特開平11−227333号公報、特開平11−255774号公報、特開平11−256057号公報に記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
現在、次世代大容量の光ディスクとしてDVD−Rの開発が進められている。DVD−Rの記録容量の向上の要素技術は、記録ピット微少化のための記録材料開発、MPEG2に代表される画像圧縮技術の採用、記録ピット読み取りのための半導体レーザ短波長化等の技術開発が必要である。
【0011】
これまで赤色波長域の半導体レーザとしては、バーコードリーダ、計測器用に670nm帯のAlGaInPレーザダイオードが商品化されているのみであったが、光ディスクの高密度化に伴い、赤色レーザが本格的に光ストレージ市場で使用されつつある。DVDドライブ装置の場合、光源として635nm帯と650nm帯のレーザダイオードにより2つの波長で規格化されている。一方、再生専用のDVD−ROMドライブ装置は波長〜650nmで商品化されている。
【0012】
一般的にヒートモードによってピット(マーク)が形成される色素系追記型DVDは、特定の記録線速度において記録時のレーザ発光によるマルチパルス記録光のパルス幅と記録パワーが最適化され、異なった記録線速度では形成されるマークやスペースの状態が変化する。すなわち、色素系追記型DVDは、マークの形成に必要なマルチパルス記録光の先頭加熱パルスによる熱容量の不足が生じたり、最適な分解温度に対して到達する加熱温度が異なってマークの平均長がばらついたり、最適なマルチパルス記録光の加熱パルスのデューティ比が異なって均一なマーク幅が得られなくなり、マーク長に応じてマークの太りや細りが生じたりして、ジッタ特性が悪化してしまう。
【0013】
また、DVD記録系の物理フォーマットに関してDVD−Rのフォーマットはランドプリピットと呼ばれるランド部の一部をカットしたフォーマットで規格化されている。このランドプリピット方式をとると、ランドプリピットが0.16(単位はμm)以下であればプリピットアドレス等のプリピット情報が良好に再生できず、ランドプリピットが0.32以上であると今度はランドプリピット信号自体がデータ領域においてノイズ的な振る舞いをし、データエラーが多く発生してしまう。従って、ランドプリピットはその記録材にあったカット幅をスタンパで微調整して0.16〜0.32の範囲になるようにランドカット幅を制御しなければならない。
【0014】
本発明は、有機色素を主成分とする記録層を有する光記録媒体の各記録線速度での良好な記録波形を得ることができる光記録方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、ランドプリピット方式同様のデータ書き足し部における未記録領域を低減できる光記録方法を提供することを目的とする。
【0015】
更に、本発明は、ランドプリピット方式に比較して、スタンパ作製時に於ける微細なランドプリピットカット幅制御やランドプリピット信号のデータ部への漏れ出しによるデータエラーを低減できる光記録方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、案内溝を有する基板上に有機色素を主成分とする記録層を設けた光記録媒体にマルチパルス記録光を照射することにより、前記記録層に記録マークを形成する光記録方法において、前記光記録媒体は、ランドプリピットが存在しないフォーマットを有し、かつ、前記基板の溝に4T〜96Tの周期に相当する周波数のウォブルを有し、以下の式を満たすマルチパルス記録光で前記記録層に記録マークを形成することを特徴とする。
【0017】
1.0T≦Ttop−[0.13×(Vx/Vr)]T≦1.6T
0.55T≦Tmp≦0.75T
0.55T≦Tlp≦0.75T
ただし、Vxは記録線速度、Vrは前記光記録媒体の標準再生速度、Tは記録クロック周期、Ttopは前記マルチパルス記録光の先頭パルス長、Tmpは1つの記録マークあたりの前記マルチパルス記録光のパルス数が3以上の場合の前記マルチパルス記録光の中間パルス長、Tlpは前記マルチパルス記録光の後端パルス長である。
【0018】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の光記録方法において、前記光記録媒体は、ウォブル信号の振幅Woとプッシュプル信号の振幅PPとの割合 ( o /PP ) が0.1≦W o /PP≦0.4の範囲になることを特徴とする。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態では、案内溝を有する基板上に有機色素を主成分とする記録層を設けた色素系光記録媒体にマルチパルス記録光を照射することにより、上記記録層に記録マークを形成する光記録方法において、後述のように以下の式を満たすマルチパルス記録光で上記記録層に記録マークを形成した。
【0027】
1.0T≦Ttop−[0.13×(Vx/Vr)]T≦1.6T
0.55T≦Tmp≦0.75T
0.55T≦Tlp≦0.75T
ただし、Vxは記録線速度、Vrは上記光記録媒体の標準再生速度(3.5m/s)、Tは記録クロック周期、Ttopは上記マルチパルス記録光の先頭パルス長(先頭パルスのパルス幅)、Tmpは1つの記録マーク当りの上記マルチパルス記録光のパルス数が3以上の場合の上記マルチパルス記録光の中間パルス長(先頭パルスと後端パルスとの間の中間パルスのパルス幅)、Tlpは上記マルチパルス記録光の後端パルス長(後端パルスのパルス幅)である。
【0028】
また、上記色素系光記録媒体は、4T〜96Tの周期に相当する周波数のウォブルを有し、記録層として記録再生波長±5nmの波長域の光に対する記録層単層の屈折率pが1.5≦p≦3.0であり、消衰係数kが0.02≦k≦0.2である有機色素膜を有する光記録媒体とした。
【0029】
これにより、本実施形態では、上記色素系光記録媒体として、書き足しデータ部先頭の未記録領域を低減でき、低エラー率なDVD追記型ディスクが得られた。即ち、本実施形態では、各記録線速度に応じた、マルチパルス記録光波形のパラメータを選択することと、高周波なウォブルフォマットと、色素系記録層とを組み合わせることにより、各記録線速度での良好な記録波形を得ることができ、ランドプリピット方式同様の書き足しデータ部先頭の未記録領域を低減でき、ランドプリピット方式に比較して、スタンパ作製時に於ける微細なカット幅制御やランドプリピット信号のデータ部への漏れ出しによるデータエラーを低減できるDVD追記型ディスクが得られた。
【0030】
この実施形態では、光記録媒体の記録層に形成する1つの記録マーク当りのマルチパルス記録光のパルス数は、マークデータ長(記録クロックの周期Tに対するマークの長さ)をnとした時に(n−1)本か若しくは(n−2)本のパルス数に設定することが好ましく、(n−2)本のパルス数に設定することがさらに好ましい。1つの記録マーク当りのマルチパルス記録光のパルス数を(n−2)本のパルス数に設定した場合には、マルチパルス記録光は、図4に示すように、最短のマーク長である3Tのマーク長を有するマークを記録するときには先頭加熱パルスのみとなり、6Tのマーク長を有するマークを記録するときには先頭加熱パルスと、後端加熱パルスと、先頭加熱パルス及び後端加熱パルスの間にある2つの中間パルスとからなる。また、マルチパルス記録光は、他のマーク長を有するマークを記録するときには先頭加熱パルス及び後端加熱パルスを含む加熱パルスの数が(n−2)本となる。加熱パルスは例えば記録パワーPpとバイアスパワーPbとの間で反転するパルスであり、先頭加熱パルスのパルス幅がTtopである。後端加熱パルスのパルス幅はTlpであり、中間パルスのパルス幅はTmpである。
【0031】
また、熱干渉の影響から、記録層に形成されるマークの直前のスペースの長さが最短長であるときには、そのマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭加熱パルスの長さを、そのマークを形成するためのマルチパルス記録光以外のマルチパルス記録光の先頭加熱パルスのパルス幅より短く設定し、かつ、最短長のマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭加熱パルスを最短長のマーク以外の他のマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭加熱パルスよりもパルス幅を長く設定することで、より低ジッタな記録が実現できる。
【0032】
記録層に形成されるマークの直前のスペースの長さが最短長である時には、そのマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭加熱パルスのパルス長を、そのマークを形成するためのマルチパルス記録光以外の他のマルチパルス記録光の先頭加熱パルスのパルス幅より短くする具体的な長さは、0.02T〜0.10Tの範囲に設定することが特に好ましく、記録層に形成されるマークの直前のスペースの長さが最短長であるとき、そのマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭パルスの長さが他のマルチパルス記録光の先頭加熱パルスの長さと略等しい場合、熱干渉により記録マーク直前のスペースの長さが短くなり、ジッタが若干悪化する。
【0033】
そこで、記録層に形成されるマークの直前のスペースの長さが最短長である場合のみそのマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭パルスを他のマルチパルス記録光の先頭加熱パルスよりパルス幅を短くすると効果があり、さらに該先頭パルスを短くする場合に先頭パルスの前エッジを短くすることが効果的であるのは言うまでもない。
【0034】
また、記録層に形成されるマークの直前のスペースの長さが最短長であるとき、そのマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭パルス長が0.10Tよりも短い場合はマーク自身が短くなりすぎてしまう。最短長のマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭加熱パルスを他のマーク長のマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭加熱パルスよりも長く設定する具体的な長さは、0.05T〜0.25Tの範囲が好ましい。これは特に記録線速度が大きくなった場合に最短長のマークが形成しにくくなるために上記の範囲で最短長のマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭パルスの長さを長くするものである。各マーク長のマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭加熱パルスのパルス幅(前エッジ)の補正量はその形成するマークの直前のスペースの長さに対して具体的には例えば図8に示すように設定する。
【0035】
つまり、記録層に形成されるマークの直前のスペースの長さが最短長であるときには、そのマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭加熱パルスのパルス幅(前エッジ)の補正量を±0.00Tに設定し、そのマークを形成するためのマルチパルス記録光以外のマルチパルス記録光の先頭加熱パルスのパルス幅(前エッジ)の補正量を−0.05Tに設定する。さらに、記録層に形成されるマークの直前のスペースの長さが最短長以外の長さであるときには、最短長のマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭加熱パルスのパルス幅(前エッジ)の補正量を+0.05Tに設定し、最短長のマーク以外の他のマークを形成するためのマルチパルス記録光の先頭加熱パルスのパルス幅(前エッジ)の補正量を±0.00Tに設定する。
【0036】
本実施形態では、例えば図7に示すような光記録再生装置にて上述のような光記録及び再生を行う。上記光記録媒体11はターンテーブル12にセットされ、このターンテーブル12がモータ13で回転駆動させることにより光記録媒体11が回転する。ピックアップ部14は、光源としての半導体レーザで600〜720nmの波長の上記マルチパルス記録光を出射し、この光束を対物レンズを含む光学系を介して光記録媒体11の記録層に光スポットとして照射することにより該記録層に記録マークを形成して情報の記録を行う。
【0037】
また、ピックアップ部14は、半導体レーザからの光束を対物レンズを含む光学系を介して光記録媒体11の記録層に光スポットとして照射し、その反射光(もしくは透過光)を対物レンズを含む光学系を介して受光部で受光して再生信号を得ることにより光記録媒体11から情報の再生を行う。さらに、ピックアップ部14は、光記録媒体11の記録層から対物レンズを含む光学系を介して入射する反射光(もしくは透過光)のうち記録層の案内溝をトレースしない光を受光部のトラッキング誤差検出用受光素子(例えば2分割受光素子)で受光して該受光素子の各出力信号の差を求めることでトラッキング誤差信号を検出し、このトラッキング誤差信号をノイズ除去用フィルタに通してプッシュプル信号を得、このプッシュプル信号により上記対物レンズを制御してトラッキング制御を行う。
【0038】
制御部15は、この光記録再生装置の全体を制御する制御手段であり、上述のような設定や制御などを行う。この制御部15は、記録情報としてのEFMデータと記録クロックに基づいて変調信号を生成し、この変調信号によりピックアップ部14の上記半導体レーザを変調して上記半導体レーザから上述したマルチパルス記録光を出射させる。また、制御部15は、上記トラッキング誤差信号をフィルタを通してウォブル信号を得、このウォブル信号を変調した信号でデータ書き込み位置を制御してウォブルでの同期合わせを行う。
【0039】
次に、上記光記録媒体の構成について説明する。光記録媒体の記録層を構成するのに必要な項目としては、光学特性が挙げられる。この光学特性に必要な条件は、記録再生波長近傍の長波長近傍の波長域の光に対する記録層単層の屈折率pが1.5以上3.0以下であり、消衰係数kが0.02以上0.2以下である範囲にあることが好ましい。pが1.5未満である場合には、記録層の十分な光学的変化が得られにくいために記録変調度が低くなるので好ましくなく、pが3.0を越える場合には、記録層の波長依存性が高くなり過ぎるために記録再生波長領域であってもエラーとなってしまうので好ましくない。また、kが0.02未満である場合には、記録感度が悪くなるために好ましくなく、kが0.2を越える場合には、記録層は50%以上の反射率を得ることが困難となるので好ましくない。
【0040】
次に、光記録媒体の案内溝をあらかじめ蛇行させたウォブルの特性について述べると、ここでウォブル周波数の定義に用いるTは、光記録媒体の記録層にマークを記録クロック周期で記録したときの記録ピット長(単位はμm)であり、DVD(4.7GB)であれば約0.133μmであり、時間で定義すれば約38nsec.である。通常、ウォブルの周波数帯は150T〜400T相当の周波数帯が用いられている。ウォブルの周波数帯が150T〜400T相当の周波数帯であると、周波数変調にしろ、位相変調にしろデータの書き足しをする場合、ウォブルの周波数が低すぎて、前データと書き足しデータとの間がかなり空いてしまい、高密度記録には向かない。
【0041】
一方、DVD−Rでは、従来、ランドプリピットを設け、そのランドプリピット信号で、データの書き込む位置を制御している。しかしながら、ランドプリピット方式では、ランドプリピットの振幅が小さすぎればランドプリピットを良好に読み出せず、逆にランドプリピットの振幅が大きすぎると今度はランドプリピット信号自体が書き込みデータへ漏れ込んでデータエラーが多発するという不具合が生じるため、ランドプリピットLPPは0.16≦LPP≦0.32の範囲、好ましくは0.18≦LPP≦0.26(単位はμm)にするという制約が生じ、スタンパ作成の際にランド部のカット幅を微細に制御しなくてはならない。 また、ウォブルを高周波のウォブルにすれば、ランドプリピットは必要なく、ウォブル信号を変調して同期をとるため、ランドプリピット方式の様にデータエラーが多発するような事態には至らない。
【0042】
本実施形態の光記録媒体におけるウォブルの振幅であるが、上記のようにトラッキング誤差信号をフィルタを通して得られるウォブル信号の振幅Woに対する、上記トラッキング誤差信号をフィルタを通して得られるプシュプル信号PPの割合Wo/PP=NW0を0.1≦NW0≦0.4の範囲に設定すれば目的であるウォブルでの同期合わせは可能であり、更に好ましいNW0の値は0.15≦NW0≦0.30の範囲内の値である。
【0043】
NW0の値が0.1以下であるとウォブル信号で同期をとるにはウォブル信号が不十分な信号強度であり、NW0の値が0.4を越えてしまうとデータ部のエラーが増えてくる傾向にある。但し、ウォブル振幅の増加は、ランドプリピット方式に比べ、ランドプリピットが大きい光記録媒体でのデータエラーに比較してデータエラーの発生の影響度が小さく、ウォブル振幅の増加に伴うデータエラーが緩やかである。
【0044】
更にスタンパを作成する際にランドプリピット方式のランドプリピットLPPのカット幅をLPP=0.16〜0.32の範囲内にするには高度なカット幅制御技術を必要とするが、本実施形態のような高周波ウォブル方式においては高周波発生源とウォブルの振り量の大きさ(ウォブル振り量を制御する回路で振り量は任意に再現性よく作成できる)だけを管理しさえすれば目的は達成されるため、スタンパの歩留まりや、光記録媒体の歩留まりを飛躍的に向上させることができる。
【0045】
又、光記録媒体の上記のフォーマットを有する基板の案内溝形状については、主に有機色素を用いて溶剤塗工法にて記録層を形成するわけであるが、その場合の最適な案内溝の深さは、1000Å〜2500Åであり、さらに好ましくは1500Å〜2000Åである。案内溝の深さが1000Å以下であると、プシュプル信号が充分にとれずトラッキング制御ができず、案内溝の深さが2500Å以上であると基板成形の際に転写性が甘くなり好ましくない。更に、色素系記録層を設けた場合の色素系記録層の案内溝の深さはウォブルの周波数をm(T)とし、色素系記録層の案内溝深さをd1とした時に1200≦d1×m(T)≦160000の範囲とする。d1×m(T)が1200を下回ると、充分なトラッキング誤差信号が得られず、記録再生時に充分なトッラキングが実施できない。d1×mm(T)が160000を上回ると、逆に発振してやはりトラッキングには好ましくなく、さらに上述の様に転写限界から基板の案内溝深さの限界もあり、実質的には160000を上回ることはできない。また、記録密度として4GB〜5GBの容量を確保するためのトラクピッチは0.64μm〜0.8μm程度とする。案内溝の幅に関しては、記録材料によって異なるが、ほぼ全ての有機材料において、半値幅0.18〜0.40μmの案内溝幅で適用できる。
【0046】
次に、本実施形態における光記録媒体の記録層に使用可能な色素材料の具体例は、アゾ(金属キレート)色素、ホルマザン(金属キレート)色素、ジピロメテン(金属キレート)色素、ポリメチン色素、スクアリリウム色素、アザアヌレン色素等が適用可能であり、具体的には金属キレート色素、トリメチンシアニン色素、スクアリリウム色素、テトラアザポルフィリン色素が特に好ましい。
【0047】
上に挙げた色素の熱分解特性は、その記録材料の分解開始温度が360゜C以下であることが好ましく、特に記録材料の分解開始温度が100〜350゜Cであることが好ましい。記録材料の分解温度が360゜C以上であると記録時のピット形成がうまく行われず、ジッタ特性が悪い。また、記録材料の分解温度が100゜C以下であると今度は光記録媒体の保存安定性が悪化する。
【0048】
次に、本実施形態における光記録媒体の構成について説明する。
本実施形態における光記録媒体は、通常の追記型光ディスクである図1に示すような構造、つまり、図1(a)に示すような基板1上に記録層2を設けた構造、図1(b)に示すように基板1上に下引き層3及び記録層2を順に設けた構造、図1(c)に示すように基板1上に下引き層3、記録層2及び保護層4を順に設けた構造、図1(d)に示すように基板1上に下引き層3、記録層2及び保護層4を順に設けるとともに基板1の下側にハードコート層5を設けた構造としてもよく、図2に示すようなものを2枚貼合わせたいわゆるエアーサンドイッチ、又は密着貼合わせ構造、つまり、図2(a)に示すような基板1上に記録層2、金属反射層6及び保護層4を順に設けたものを2枚貼合わせた構造、図2(b)に示すように基板1上に下引き層3、記録層2、金属反射層6及び保護層4を順に設けたものを2枚貼合わせた構造、図2(c)に示すように基板1上に下引き層3、記録層2、金属反射層6及び保護層4を順に設けるとともに基板1の下側にハードコート層5を設けたものを2枚貼合わせた構造としてもよい。
【0049】
また、本実施形態における光記録媒体は、図3に示すようなCD−R用光記録媒体の構造、つまり、図3(a)に示すような基板1上に記録層2、金属反射層6及び保護層4を順に設けた構造、図3(b)に示すように基板1上に記録層2、金属反射層6、保護層4、接着層8及び保護基板7を順に設けた構造、図3(c)に示すように基板1上に下引き層3、記録層2、金属反射層6、保護層4、接着層8及び保護基板7を順に設けるとともに基板1の下側にハードコート層5を設けた構造としてもよい。
【0050】
次に、本実施形態における光記録媒体の各層の必要特性及び構成材料例について説明する。
本実施形態における光記録媒体の構成としては、第1基板と第2基板とを記録層を介して接着剤で貼り合わせた構造を基本構造とする。記録層は、有機色素層単層でもよく、反射率を高めるために有機色素層と金属反射層とを積層したものでも良い。記録層と基板との間は下引き層あるいは保護層を介して構成してもよく、機能向上のためにそれらを積層化した構成でも良い。最も通常に用いられるのは、第1基板、有機色素層、金属反射層、保護層、接着層、第2基板を順次に設けた構造である。
【0051】
光記録媒体の基板としては、光記録媒体に対して基板側より光を照射して記録再生を行なう場合のみ使用光に対して透明でなければならず、記録層側から光を照射して記録、再生を行なう場合には基板は透明である必要はない。光記録媒体の基板材料としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック、又は、ガラス、セラミックあるいは、金属などを用いることができる。尚、基板の表面にトラッキング用の案内溝や、案内ピットなどが形成されていても良い。
【0052】
光記録媒体の記録層は、光の照射により何らかの光学的変化を生じさせ、その変化により情報を記録するものであり、記録層の中には色素が含有されていることが必要であり、記録層の形成に当たって本実施形態では色素を2種以上の組み合わせで用いる。さらに、本実施形態の光記録媒体では、上記色素は光学特性、記録感度、信号特性などの向上の目的で他の有機色素及び金属、金属化合物と混合し又は積層化して用いても良い。上記有機色素の例としては、(ポリ)メチン色素、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、スクアリリウム系、クロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系(インダンスレン系)、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系の染料及び、金属錯体化合物などが挙げられる。
【0053】
上記した金属、金属化合物の例としては、In、Te、Bi、Se、Sb、Ge、Sn、Al、Be、TeO、SnO、As,Cd、などが挙げられ、これらをそれぞれ分散混合あるいは積層の形態で用いることができる。
さらに、上記染料中に高分子材料、例えばアイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の材料もしくはシランカップリング剤などを分散混合しても良いし、特性改良の目的で安定剤(例えば遷移金属錯体)、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤などを一緒に用いることができる。
【0054】
記録層の形成方法としては蒸着、スパッタリング、CVDまたは溶剤塗布などの通常の方法によって行うことができる。塗布法を用いる場合には上記染料などを有機溶剤に溶解して、スプレー、ローラーコーティグ、ディピング及び、スピンコーティングなどの慣用のコーティング法によって行うことができる。上記有機溶媒としては、一般にメタノール、エタノール、イソプロパノール、などのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、などのケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロエタンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、キシレン、モノクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、などの芳香族類、メトキシエタノール、エトキシエタノールなどのセロソルブ類、ヘキサン、ペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの炭化水素類などが挙げられる。記録層の膜厚は100Å〜10μm、好ましくは200Å〜2000Åが適当である。
【0055】
光記録媒体の下引き層は、▲1▼接着性の向上、▲2▼水又はガスなどのバリアー、▲3▼記録層の保存安定性の向上、▲4▼反射率の向上、▲5▼溶剤からの基板の保護、▲6▼案内溝、案内ピット、プレフォーマットの形成などを目的として使用される。下引き層は、▲1▼の目的に対しては高分子材料例えば、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、天然樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々の高分子化合物及び、シランカップリング剤などを用いることができ、▲2▼及び▲3▼の目的に対しては上記高分子材料以外に無機化合物、例えば、SiO、MgF、SiO、TiO、ZnO、TiN、SiNなどがあり、さらに金属又は半金属例えば、Zn、Cu、Ni、Cr、Ge、Se、Au、Ag、Al、などを用いることができる。又、下引き層は、▲4▼の目的に対しては金属、例えば、Al、Au、Ag等や、金属光沢を有する有機薄膜、例えば、メチン染料、キサンテン系染料などを挙げることができ、▲5▼、▲6▼の目的に対しては紫外線硬化樹脂、熱硬化樹脂、熱可塑性樹脂等を用いることができる。下引き層の膜厚としては、0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。
【0056】
光記録媒体の金属反射層としては単体で高反射率の得られる腐食されにくい金属、半金属等が挙げられ、材料例としてはAu、Ag、Cr、Ni、Al、Fe、Snなどが挙げられるが、反射率、生産性の点からAu、Ag、Alが最も好ましく、これらの金属、半金属は単独で使用しても良く、2種の合金としても良い。光記録媒体の金属反射層の膜形成法としては蒸着、スッパタリングなどが挙げられ、光記録媒体の金属反射層の膜厚としては50〜5000Å、好ましくは100〜3000Åである。
【0057】
光記録媒体の保護層及び基板面ハードコート層(上記ハードコート層)は、▲1▼記録層(反射吸収層)を傷、ホコリ、汚れ等から保護すること、▲2▼記録層(反射吸収層)の保存安定性の向上、▲3▼反射率の向上等を目的として使用される。保護層及び基板面ハードコート層は、これらの目的に対しては上記下引き層の材料を用いることができる。又、保護層及び基板面ハードコート層は、無機材料としてSiO、SiOなども用いることができ、有機材料としてポリメチルアクリレート、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、ポリスチレン、ポリエステル樹脂、ビニル樹脂、セルロース、脂肪族炭化水素樹脂、天然ゴム、スチレンブタジエン樹脂、クロロプレンゴム、ワックス、アルキッド樹脂、乾性油、ロジン等の熱軟化性、熱溶融性樹脂も用いることができる。保護層及び基板面ハードコート層に用いられる上記材料のうち最も好ましい例としては生産性に優れた紫外線硬化樹脂である。保護層又は基板面ハードコート層の膜厚は、0.01〜30μm、好ましくは0.05〜10μmが適当である。本実施形態の光記録媒体において、上述した下引き層、保護層、及び、基板面ハードコート層には記録層の場合と同様に、安定剤、分散剤、難燃剤、滑剤、帯電防止剤、界面活性剤、可塑剤等を含有させることができる。
【0058】
光記録媒体の保護基板は、光記録媒体に対して保護基板側から光を照射する場合には使用光に対して透明でなくてはならず、単なる保護板として用いる場合には透明性は問わない。光記録媒体における保護基板の使用可能な基板材料としては、上記基板の材料と全く同様であり、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリアミド、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミドなどのプラスチック又は、ガラス、セラミックあるいは、金属などを用いることができる。
【0059】
光記録媒体の接着材、接着層は、2枚の光記録媒体を接着できる材料なら何でもよく、生産性を考えると、紫外線硬化型もしくはホットメルト型接着剤が好ましい。
【0060】
本実施形態によれば、各記録線速度ごとの最適なマルチパルス記録光を限定することで、いずれの記録線速度でも低ジッタな記録が可能となった。上記の通り本実施形態によれば、DVD−Rで用いているランドプリピットフォーマットよりも簡単に製造可能な高周波ウォブルフォーマットでデータ部の書き足しを効率良く実施でき、しかも現在、大量に製造されているCD−R、DC−RWとほぼ同一フォーマットでの光記録媒体の提供が可能となった。
【0061】
次に本発明の実施例1乃至実施例7及び比較例1乃至比較例4について説明する。実施例1乃至実施例7及び比較例1乃至比較例4は、案内溝の深さ1750Å、半値幅0.33μm、トラックピッチ0.74μm、ウォブル周波数32T相当で、厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート基板上に、以下の化1、化2、化3の化合物を重量比で60:39:1に秤量して2,2,3,3,-テトラフルオロ-1-プロパノールで溶解しスピンナー塗布し、厚さ1200Åの有機色素層を形成し、85゜Cで30分乾燥した後、次いでスパッタ法により銀1000Åの反射層を設け、更にその上にアクリル系フォトポリマーにて5μmの保護層を設けた後、厚さ0.6mm、外径120mmの射出成形ポリカーボネート平板基板をアクリル系フォトポリマーにて接着し光記録媒体とした。
【0062】
【化1】
Figure 0003850741
【0063】
【化2】
Figure 0003850741
【0064】
【化3】
Figure 0003850741
【0065】
上記で得た光記録体に対して、発振波長660nm、ビーム径0.9μmの半導体レーザ光を用い、トラッキングしながらEFM信号を図9に示したマルチパルス記録条件(Vx、Vx/Vr、{Ttop−[0.13×(Vx/Vr)]T}、Tmp、Tlpの各値、及び図8に示すような先頭加熱パルスのパルス幅の補正の有無、図8に示すような先頭加熱パルスのパルス幅の補正の有無、マルチパルス記録光のパルス数が(n−1)、(n−2)のいずれであるかという条件)と記録線速にてボトム・ジッタ(Bottom Jitter)が極小となるような記録パワーで記録し、その個所を再生してジッタ値を求めて評価した。
その評価結果から、実施例1〜7では比較例1〜4に比較してボトム・ジッタが良好であり、本実施形態の上記効果が充分に示された。
【0066】
また、本発明の実施例8〜11では、上記で得た光記録媒体に対して、発振波長660nm、ビーム径0.9μmの半導体レーザ光を用い、トラッキングしながらEFM信号を図10に示すマルチパルス記録条件(Vx、Vx/Vr、{Ttop−[0.13×(Vx/Vr)]T}、Tmp、Tlpの各値、図8に示すような先頭加熱パルスのパルス幅の補正の有無、マルチパルス記録光のパルス数が(n−1)、(n−2)のいずれであるかという条件)と記録線速度にてボトム・ジッタが極小となるような記録パワーで記録し、その個所を再生してジッタ値を求めた。図5及び図6はその結果を示し、図5はTmpとボトム・ジッタとの関係、Tlpとボトム・ジッタとの関係を示す。
【0067】
実施例8〜11では、図5及び図6から明らかなように
1.0T≦Ttop−[0.13×(Vx/Vr)]T≦1.6T
0.55T≦Tmp≦0.75T
0.55T≦Tlp≦0.75T
を満たす範囲でエラーを引き起こさないような10%以下の低ジッタが得られることが明らかである。また、その効果はマルチパルス記録光のパルス数をマークデータ長nに対して(n−2)として光記録媒体の記録層に記録マークを形成する場合に、より効果的である。
【0068】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、有機色素を主成分とする記録層を有する光記録媒体の各記録線速度での良好な記録波形を得ることができる。
また、本発明によれば、ランドプリピット方式同様のデータ書き足し部における未記録領域を低減できる。
更に、本発明によれば、ランドプリピット方式に比較して、スタンパ作製時に於ける微細なカット幅制御やランドプリピット信号のデータ部への漏れ出しによるデータエラーを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光記録媒体の構造を示す断面図である。
【図2】光記録媒体の他の構造を示す断面図である。
【図3】光記録媒体の別の構造を示す断面図である。
【図4】マルチパルス記録光の例を示す波形図である。
【図5】本発明の実施例8〜11のTmp、Tlpとボトム・ジッタとの関係を示す特性曲線図である。
【図6】同実施例8〜11のTtop−[0.13×(Vx/Vr)]Tとボトム・ジッタとの関係を示す特性曲線図である。
【図7】本発明の実施形態で用いた光記録再生装置を示すブロック図である。
【図8】同実施形態の先頭加熱パルス幅の補正量を示す図である。
【図9】本発明の実施例1乃至実施例7及び比較例1乃至比較例4のマルチパルス記録条件及びジッタ値を示す図である。
【図10】上記実施例8〜11のマルチパルス記録条件及びジッタ値を示す図である。
【符号の説明】
1 基板
2 記録層
4 保護層
6 金属反射層
11 光記録媒体
14 ピックアップ部
15 制御部

Claims (2)

  1. 案内溝を有する基板上に有機色素を主成分とする記録層を設けた光記録媒体にマルチパルス記録光を照射することにより、前記記録層に記録マークを形成する光記録方法において、前記光記録媒体は、ランドプリピットが存在しないフォーマットを有し、かつ、前記基板の溝に4T〜96Tの周期に相当する周波数のウォブルを有し、以下の式を満たすマルチパルス記録光で前記記録層に記録マークを形成することを特徴とする光記録方法。
    1.0T≦Ttop−[0.13×(Vx/Vr)]T≦1.6T
    0.55T≦Tmp≦0.75T
    0.55T≦Tlp≦0.75T
    ただし、Vxは記録線速度、Vrは前記光記録媒体の標準再生速度、Tは記録クロック周期、Ttopは前記マルチパルス記録光の先頭パルス長、Tmpは1つの記録マーク当りの前記マルチパルス記録光のパルス数が3以上の場合の前記マルチパルス記録光の中間パルス長、Tlpは前記マルチパルス記録光の後端パルス長である。
  2. 請求項1記載の光記録方法において、前記光記録媒体は、ウォブル信号の振幅Woとプッシュプル信号の振幅PPとの割合(Wo/PP)が0.1≦Wo/PP≦0.4の範囲になることを特徴とする光記録方法。
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