JP3848901B2 - 静電容量式センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、外部から加えられる力の検出を行うために用いて好適な静電容量式センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
静電容量式センサは、操作者によって加えられた力の大きさおよび方向を電気信号に変換する装置として一般的に利用されている。例えば、携帯電話の入力装置として、多次元方向の操作入力を行うための静電容量式センサをいわゆるジョイスティックとして組み込んだ装置が利用されている。
【0003】
静電容量式センサでは、操作者から加えられた力の大きさとして、所定のダイナミックレンジをもった操作量を入力することができる。特に、2枚の電極によって静電容量素子を形成し、電極間隔の変化に起因する静電容量値の変化に基づいて力の検出を行う静電容量式力覚センサは、構造を単純化してコストダウンを図ることができるメリットがあるために、さまざまな分野で実用化されている。
【0004】
例えば、特開平7−200164号公報には、図21に示すような静電容量式センサが開示されている。静電容量式センサ510は、基板520と、基板520上に設けられた弾性ゴム板530と、弾性ゴム板530の下面に設けられた電極部540と、基板520の上面に設けられた電極部500〜504(図22参照)と、弾性ゴム板530を基板520に対して支持固定する押え板560と、基板520の下面に設けられた電子装置580とから構成されている。また、電極部500〜504は、図22に示すように、Y軸に対して線対称に配置された電極部501、502と、X軸に対して線対称に配置された電極部503、504と、これらの外側に配置された円環状の電極部500とにより構成されている。また、電極部540の外周部分は、接地されている電極部500と接触しており、電極部500を介して接地されている。
【0005】
操作者が弾性ゴム板530を押下すると、その押下力に伴って電極部540が下方に変位して、これと4つの電極部501〜504との間の距離が変化する。すると、4つの電極部501〜504のそれぞれと電極部540との間で構成された容量素子の静電容量値が変化する。従って、この静電容量値の変化を検出することによって、操作者が加えた力の大きさおよび方向を知ることが可能となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、静電容量式センサ510は、操作者が弾性ゴム板530を押下したときの力の大きさを認識することができる装置(力覚センサ)として利用するためには適しているが、異なる2つの状態(例えば、ON状態またはOFF状態)を切り換えるスイッチ機能を有する装置として利用するためには適していない。したがって、静電容量式センサ510を各方向へのスイッチ機能を有する装置として機器に組み込む場合には、静電容量式センサ510をそのまま利用することは難しく、各方向に対応するスイッチ機能を別に設ける必要がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、各方向の力の大きさを認識する装置およびスイッチ機能を有する装置のいずれにも利用することができる静電容量式センサを提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の静電容量式センサは、検知部材と、前記検知部材と対向している第1の電極と、前記検知部材と前記第1の電極との間において、前記第1の電極との間で容量素子を構成し且つ前記検知部材が変位するのに伴って、それと同じ方向に変位可能な第2の電極と、前記検知部材と対向している1または複数の第1のスイッチ用電極と、前記検知部材と前記第1のスイッチ用電極との間において、前記第1のスイッチ用電極に対向し且つ前記第1のスイッチ用電極から離隔するように設けられていると共に、前記検知部材が変位するのに伴って、前記第1のスイッチ用電極と接触可能な1または複数の第2のスイッチ用電極とを備え、前記第1および前記第2のスイッチ用電極が、前記検知部材の変位方向について前記第1および前記第2の電極と重なるように配置されており、前記第1の電極に対して入力される信号を利用して前記第1の電極と前記第2の電極との間隔の変化に起因する前記容量素子の静電容量値の変化が検出されることに基づいて前記検知部材の変位を認識可能であることを特徴とするものである。
【0009】
請求項1によると、第1の電極と第2の電極との間隔の変化に起因する容量素子の静電容量値の変化を検出することによって、検知部材の変位を認識することができるため、検知部材に外部から加えられた力の大きさを認識可能である。また、第1のスイッチ用電極と第2のスイッチ用電極との接触の有無を認識することができるため、これをスイッチ機能として利用することができる。したがって、本発明の静電容量式センサは、検知部材の変位(検知部材に外部から加えられた力の大きさ)を信号(アナログ信号)として出力する機能を有する装置または/およびスイッチ機能を有する装置として利用することが可能である。これにより、この静電容量式センサは上記のいずれの装置としても利用できる複合デバイスとしての機能を有し、上記両用途に合わせて製造し直す必要がなくなる。
【0010】
また、第1および第2のスイッチ用電極と、第1および第2の電極とが検知部材の変位方向について重なるように(例えば、上下方向について2層に)配置されている。従って、第1および第2のスイッチ用電極が第1および第2の電極と実質的に同じ面上に設けられる場合のように、第1および第2のスイッチ用電極が第1または第2の電極の内側に配置されることによって、第1または第2の電極の有効面積が小さくなって、静電容量式センサの感度が著しく低下することがほとんどない。また、第1および第2のスイッチ用電極が第1または第2の電極の外側に配置されることによって、当該センサに含まれる各電極を設置するために必要な面積が比較的大きくなって、当該センサが大型化することがほとんどない。
【0011】
なお、「検知部材の変位を認識可能である」とは、「検知部材に外部から加えられる力を認識可能である」ということとほぼ同じ意味である。
【0012】
請求項2の静電容量式センサは、前記第1の電極に対して前記第2の電極と反対側に配置されており、その表面に前記第1の電極が設けられた第1の基板と、前記第2の電極に対して前記第1の電極と反対側に配置されており、その表面に前記第2の電極が設けられた第2の基板と、前記第1のスイッチ用電極に対して前記第2のスイッチ用電極と反対側に配置されており、その表面に前記第1のスイッチ用電極が設けられた第1のスイッチ用基板と、前記第2のスイッチ用電極に対して前記第1のスイッチ用電極と反対側に配置されており、その表面に前記第2のスイッチ用電極が設けられた第2のスイッチ用基板とをさらに備えていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項2によると、第1および第2の電極並びに第1および第2のスイッチ用電極が基板上に設けられているため、これらの電極を適正な位置に容易に配置することができ、センサの製造工程が簡略化される。
【0014】
請求項3の静電容量式センサは、前記第1の基板、前記第2の基板、前記第1のスイッチ用基板および前記第2のスイッチ用基板が、1つの可撓性を有する共通基板であることを特徴とするものである。
【0015】
請求項3によると、各電極が1つの共通基板上に設けられた後で、当該共通基板が適正に折り曲げられることによって、センサが製造される。従って、センサの製造工程が簡略化される。また、本発明のセンサのセンサ部が一体に構成(ユニット化)されるため、センサの外観や検知部が変更になっても、共通に利用できるセンサ部を得ることができる。さらに、この場合には、例えば回路パターン(配線)が形成された回路基板の上に載置することが可能となるため、当該回路基板の有効配線面積を削減しなくてもよくなる。
【0016】
請求項4の静電容量式センサは、前記第1の電極、前記第2の電極、前記第1のスイッチ用電極および前記第2のスイッチ用電極のいずれもが前記共通基板の一方の面上に設けられていることを特徴とするものである。
【0017】
請求項4によると、各電極のいずれもが1つの共通基板の一方の面上に設けられているため、センサの製造工程がさらに簡略化され、製造コストを低減できる。
【0018】
請求項5の静電容量式センサは、前記第1および前記第2のスイッチ用電極が、前記第1および前記第2の電極よりも前記検知部材に近接するように配置されていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項5によると、第1の電極と第2の電極との間の間隔が変化する前に、第1のスイッチ用電極と第2のスイッチ用電極との間隔が変化し易くなって、第1および第2のスイッチ用電極間におけるスイッチ機能を優先的に利用する場合に好ましい。
【0020】
請求項6の静電容量式センサは、前記第1の電極、前記第2の電極、前記第1のスイッチ用電極および前記第2のスイッチ用電極の組が複数設けられていることを特徴とするものである。
【0021】
請求項6によると、各組を別方向の力を認識するために用いることによって多次元的な力の認識する機能を有する装置および/またはスイッチ機能を有する装置として利用することが可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0023】
まず、本発明の第1の実施の形態に係る静電容量式センサ1の構成について、図1〜図5を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。図2は、図1の静電容量式センサに含まれる複数の電極の配置を示す断面図である。図3は、図1の静電容量式センサに含まれる容量素子用電極の概略構成を示す図である。図4は、図1の静電容量式センサに含まれる変位電極の概略構成を示す図である。図5は、図1の静電容量式センサに含まれる接点電極の概略構成を示す図である。
【0024】
静電容量式センサ1は、センサユニット10と、例えば携帯電話の情報機器の基板などの固定板20と、人などによって操作されることによって外部から力が加えられる操作用の操作ボタン31を含む操作部30と、操作部30を固定板20に対して支持固定する支持部材40とを有している。ここで、センサユニット10は、その下面が粘着剤50を介して固定板20の表面に接着されている。
【0025】
また、センサユニット10は、フレキシブル・プリント・サーキット基板(FPC)11と、FPC11上に形成された容量素子用電極D1〜D4(図1ではD1およびD2のみを示す)、変位電極D0、スイッチ用の接点電極D11〜D14、D21〜D24(図1ではD11、D12およびD21、D22のみを示す)、FPC11上に配置されたスイッチ用電極D31〜D34(図1ではD31およびD32のみを示す)、スペーサ61、62およびセンサ回路部品70とを有している。
【0026】
ここでは、説明の便宜上、図示のとおり、XYZ三次元座標系を定義し、この座標系を参照しながら各部品に配置説明を行うことにする。すなわち、図1では、固定板20上に接着されたFPC11上の容量素子用電極D1〜D4の中心位置(図3参照)に原点Oが定義され、右水平方向にX軸が、紙面に垂直奥行方向にY軸が、上垂直方向にZ軸がそれぞれ定義されている。従って、FPC11の容量素子用電極D1〜D4が形成された領域近傍の表面(詳しくは後述する第1面11a)は、XY平面を規定し、センサユニット10および操作ボタン31のそれぞれのほぼ中心位置をZ軸が通ることになる。
【0027】
まず、センサユニット10の概略構成および製造方法について説明する。FPC11は、図2に示すように、略矩形状の平板状の部材であって、例えばPETフィルムなどの可撓性(柔軟性)を有する材料で形成されている。そして、FPC11は、第1面11aおよび第2面11bに分割されている。ここで、第1面11aおよび第2面11bは、図2において二点鎖線で示される境界線B12によって仕切られている。そして、第1面11aの面積は、第2面11bの面積よりも大きくなっている。なお、境界線B12は、後述するように、FPC11が折り曲げられるときの折り返し線となる。
【0028】
FPC11上の第1面11aの表面(図2では上面)には、上述したように、原点Oが定義されている。ここで、FPC11が折り曲げられてセンサユニット10が完成した場合には、図1に示すように、第2面11bの中心位置近傍をZ軸が通ることになる。従って、ここでは、図2に示すように、第2面11bの表面(図2では上面であって、図1では下面)および第2面11bの裏面(図2では下面であって、図1では上面)のそれぞれの中心位置近傍には、原点Oに対応する点O’、O’’があるとして説明する。
【0029】
第1面の表面には、図2および図3に示すように、X軸およびY軸のそれぞれの正方向および負方向に対応するとともに、原点Oに対して対称に配置された略扇形形状である容量素子用電極D1〜D4が、銀やカーボンなどを原料とする導電性インクによるスクリーン印刷によって形成されている。ここで、第1面上には、薄い樹脂シート(カバー層)90が、容量素子用電極D1〜D4の上面全体に密着しつつ、FPC11を覆うように配置されている。
【0030】
また、第1面11aに配置された樹脂シート90上には、容量素子用電極D1〜D4の外側に配置された環状のスペーサ61と、それらの内側に配置された円形のスペーサ62とが設けられている。スペーサ61、62は、FPC11の折り曲げられた部分(第2面11b)を固定する機能と、操作ボタン31に対する操作が行われていない場合に、容量素子を構成する容量素子用電極D1〜D4と変位電極D0との間の間隔を一定に維持する機能とを有している。ここで、スペーサ61、62の高さ(厚さ)は、図2に示すように、容量素子用電極D1〜D4の厚さと、樹脂シート90の厚さと、変位電極D0の厚さとの合計よりも大きくなっている。
【0031】
なお、スペーサ61、62は、薄いフィルムなどを接着して形成してもよいし、導電性または非導電性の圧膜層を印刷により形成してもよいし、FPC11を折り曲げて固定する際の粘着剤層であってもよい。
【0032】
第2面11bの表面には、図2および図4に示すように、点O’を中心とする環状の変位電極D0が、銀やカーボンなどを原料とする導電性インクによるスクリーン印刷によって形成されている。ここで、変位電極D0の外径は、容量素子用電極D1〜D4のそれぞれの外側の曲線を結んでできる円の径とほぼ同じ径であって、その内径は、容量素子用電極D1〜D4のそれぞれの内側の曲線を結んでできる円の径とほぼ同じ径である。なお、後述するように、FPC11が折り曲げられてセンサユニット10が完成した場合には、変位電極D0は、容量素子用電極D1〜D4のいずれにも対向し、両者の間で容量素子を構成する。なお、変位電極D0は、必ずしも環状でなくてもよく、円形であってもよいが、本実施の形態では、スペーサ61、62の高さを揃えるために環状に形成されている。
【0033】
また、第2面11bの裏面には、図2および図5に示すように、接点電極D11〜D14、D21〜D24が、銀やカーボンなどを原料とする導電性インクによるスクリーン印刷によってそれぞれ形成されている。ここで、接点電極D11〜D14は円形状であって、接点電極D21〜D24は環状である。そして、これらはそれぞれ対を構成し、接点電極D21〜D24の内側に接点電極D11〜D14がそれぞれ配置されている。
【0034】
そして、図2に示すように、一対の接点電極D11〜D14、D21〜D24の下方には、ドーム形状の金属ドームであるスイッチ用電極D31〜D34が、接点電極D21〜D24に接触し且つ接点電極D11〜D14から離隔するようにそれぞれ配置されている。このように、スイッチ用電極D31〜D34および接点電極D11〜D14、D21〜D24でそれぞれ構成される4つのドーム型スイッチDS1〜DS4(図6参照)が、それぞれX軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向、Y軸負方向に対応するように配置されている。ここで、第1面の裏面および第2面の裏面には、薄い樹脂シート(カバー層)91が、4つのドーム型スイッチDS1〜DS4の上面全体に密着しつつ、FPC11を覆うように配置されている。
【0035】
なお、FPC11が折り曲げられてセンサユニット10が完成した場合(図1参照)に、スイッチ用電極D31を含むドーム型スイッチDS1がX軸正方向に対応し、スイッチ用電極D32を含むドーム型スイッチDS2がX軸負方向に対応する。従って、図2においては、ドーム型スイッチDS1がX軸負方向に対応するように配置されており、ドーム型スイッチDS2がX軸正方向に対応するように配置されている。
【0036】
また、本実施の形態では、スイッチ用電極D31〜D34が、樹脂シート91によって固定されているが、例えばその他の専用の部材などで固定されてもよい。さらに、ドーム型スイッチDS1〜DS4として、ユニット化されて市販されているものを実装してもよい。
【0037】
ここで、例えば、ドーム型スイッチDS1において、操作ボタン31に対する操作が行われた場合に、スイッチ用電極D31の頂部近傍に力が加えられると、スイッチ用電極D31の当該部分は、クリック感を付随しつつ弾性変形して接点電極D11と接触するようになる。このように、スイッチ用電極D31が金属ドームである場合には、ドーム型スイッチDS1をオフ状態からオン状態に切り換えるための操作が行われた場合に、軽いクリック感を操作者に伝えることができる。従って、上述のクリック感が必要でない場合には、必ずしもスイッチ用電極D31をドーム形状にする必要はない。なお、ドーム型スイッチDS2〜DS4についても同様である。
【0038】
また、第1面11a上の第2面11bと反対側の端部近傍には、センサ回路部品70と、コネクタ端子80とが配置されている。センサ回路部品70は、複数の電子部品などから構成されている。コネクタ端子80は、それぞれFPC11上に形成された容量素子用電極D1〜D4、接点電極D11〜D14、D21〜D24などと接続された接続端子などを有している。そして、コネクタ端子80は、上述の各電極を外部回路であるマイコンなどの周辺回路と電気的に接続する場合に利用される。なお、FPC11上には、上述の各電極の他、回路パターン(配線)なども形成されているが、図示が省略されている。
【0039】
ここで、センサユニット10が製造される場合には、図2に示すように、FPC11の第1面11a、第2面11bにそれぞれ電極などが配置された後で、第2面11bが、その表面と第1面11aの表面とが対向するように、第1面11aと第2面11bとの間にある境界線B12に沿って折り返される。すると、第2面11b上の変位電極D0の外側または内側の領域が、第1面11aに設けられたスペーサ61、62の上端部に当接するようになり、その状態で接着される。このとき、スペーサ61、62は上述の高さを有しているため、操作ボタン31に対して操作が行われていない状態では、第1面11a上の容量素子用電極D1〜D4のそれぞれの上面と、第2面11b上の変位電極D0の下面(FPC11が折り返される前の図2の状態ではそれぞれの上面に対応する)との間には、所定の空隙が存在する。
【0040】
このようにして、FPC11が境界線B12に沿って折り曲げられることによって、図1のようなセンサユニット10が完成する。従って、静電容量式センサ1においては、容量素子用電極D1〜D4と変位電極D0との間においてX軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向およびY軸負方向に対応するように構成された4つの可変容量素子C1〜C4と、上述の4つの方向に対応する4つのドーム型スイッチDS1〜DS4とが、上下方向(操作ボタン31の変位方向)について2層に構成されることになる。
【0041】
ここで、本実施の形態の静電容量式センサ1の製造上の特徴は、立体的な構造でありながら、1枚のFPC11をベースとして回路や部品を適正に配置して製造することができることである。そのため、組み立て工数が省略化することができると共に、低コストで製造することが可能となる。また、静電容量式センサ1では、センサ部として機能するセンサユニット10が一体に(ユニット化して)構成されているため、モデルチェンジなどのために、例えば操作部30の外観デザイン(例えば操作ボタン31の形状など)が変更になっても、センサユニット10はそのまま利用することができる。従って、モデルチェンジ毎に、センサ部を製造し直す必要がなくなって、モデルチェンジに伴うコストを大幅に低減することができる。
【0042】
なお、本実施の形態では、センサユニット10は、上述したように、その第1面11aの裏面に配置された樹脂シート91が、粘着剤50によって固定板20に対して固定されている。なお、センサユニット10は、例えば固定板20などに適正に固定されればよく、必ずしも粘着剤50によって固定される必要はなく、その他の方法で固定されてもよい。
【0043】
ここで、静電容量式センサ1において、容量素子用電極D1およびドーム型スイッチDS1はX軸の正方向に対応するように配置され、一方、容量素子用電極D2およびドーム型スイッチDS2はX軸の負方向に対応するように配置されており、外部からの力のX軸方向成分の検出およびX軸方向のスイッチに利用される。また、容量素子用電極D3およびドーム型スイッチDS3はY軸の正方向に対応するように配置され、一方、容量素子用電極D4およびドーム型スイッチDS4はY軸の負方向に対応するように配置され、外部からの力のY軸方向成分の検出およびX軸方向のスイッチに利用される。
【0044】
なお、FPC11は、例えばポリミイドなどの樹脂で形成されていてもよい。また、容量素子用電極D1〜D4、接点電極D11〜D14、D21〜D24、変位電極D0および回路パターンは、ポリミイドなどの樹脂面に銅箔やハンダ層によって構成してもよい。
【0045】
ところで、操作部30は、図1に示すように、センサユニット10の上方に配置された操作ボタン31と、操作ボタン31を支持部材40を介して固定板20に対して支持するキーパッド基材32とを有している。なお、操作部30は、例えばシリコンゴムなどの弾性を有する材料により形成されている。
【0046】
操作ボタン31は、所定の厚さを有する略円盤状の部材である。ここで、操作ボタン31の径は、FPC11上の容量素子用電極D1〜D4のそれぞれの外側の曲線を結んでできる円の径とほぼ同じである。また、操作ボタン31の上面には、X軸およびY軸のそれぞれの正方向および負方向に対応するように、すなわち、容量素子用電極D1〜D4に対応するように、操作方向(カーソルの移動方向)に対応した矢印(図示しない)が形成されている。
【0047】
キーパッド基材32の下面において、容量素子用電極D1〜D4およびドーム型スイッチDS1〜D4に対応する位置には、4つの突起部32aが形成されている。従って、操作ボタン31に対する操作が行われた場合には、ドーム型スイッチDS1〜D4のそれぞれのスイッチ用電極D31〜D34の頂部近傍を適正に押圧することができる。
【0048】
また、支持部材40は、固定板20上に配置された平板状の部材である。そして、支持部材40には、固定板20上のセンサユニット10に対応する位置に、センサユニット10よりも大きい開口40aが形成されている。なお、固定板20は、センサユニット10および操作部30を支持するためのものであって、十分な剛性を有していることが好ましい。
【0049】
なお、本実施の形態において、FPC11上に配置されている樹脂シート90、91は、FPC11上に形成された各電極および銅箔などで構成された回路パターンの保護し且つ補強する機能を有している。ここで、容量素子用電極D1〜D4および変位電極D0上には、特に樹脂シートを配置する必要はないが、操作ボタン31に力が加えられた場合に、両電極が接触すると、容量素子を構成することができなくなるので、少なくともどちらか一方の電極の表面に樹脂シートなどを利用した絶縁層を設けておくことが好ましい。そして、樹脂シートなどで覆わない電極は、酸化するのを防止するために、その表面に金メッキ、銀メッキまたはハンダメッキを施しておくのがより好ましい。また、FPC11上に配置される樹脂シートの代わりに、硬質プリント基板などで使用されるレジスト膜を用いることもできる。
【0050】
また、本実施の形態では、可撓性を有するFPC上において、各電極およびセンサ回路部品がすべて設けられているが、例えば容量素子用電極およびセンサ回路部品が実装される部分だけを部分的に硬質のプリント基板に置き換えてもよい。
【0051】
また、本実施の形態では、FPC11は、樹脂シート90、91を含めて0.1〜0.2mm程度と非常に薄く、センサ回路部品70を構成する電子部品も0.5〜0.8mm程度とより薄型化されたのものである。従って、センサユニット10は、全体として、0.6〜1mm程度に極めて薄くすることができる。その結果、センサユニット10が、機器の薄型化が重視される携帯電話などに採用される場合に、固定板20と操作部30(キーパッド基材32)との間に容易に実装することが可能である。
【0052】
次に、静電容量式センサ1の回路構成について、図6を参照して説明する。図6は、図1に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。
【0053】
静電容量式センサ1では、変位電極D0とFPC11上の容量素子用電極D1〜D4との間には、共通の電極である変位可能な変位電極D0と、固定された個別の容量素子用電極D1〜D4とで形成される容量素子C1〜C4が構成されている。ここで、容量素子C1〜C4は、それぞれ変位電極D0の変位に起因して静電容量値が変化するように構成された可変容量素子であるということができる。なお、容量素子用電極D1〜D4は端子T1、T2に接続されているとともに、変位電極D0は端子T0を介して接地されている。
【0054】
また、上述の容量素子C1〜C4を含み、操作部30に加えられた力を検出する力センサ回路とは独立して、4つのドーム型スイッチDS1〜DS4を含むスイッチ回路が構成されている。そのため、互いの動作は、他方に電気的な影響を与えることがない。従って、静電容量式センサ1が搭載された機器の使用状況に合わせて、力センサ回路の出力とスイッチ回路の出力とを使い分けることができる。なお、接点電極D11〜D14は、端子TS1〜TS4にそれぞれ接続されており、接点電極D21〜D24は、いずれもが端子TS0に接続されている。そして、接点電極D21〜D24は、端子TS0を介して接地されている。
【0055】
次に、上述のように構成された本実施の形態に係る静電容量式センサ1の動作について、図7を参照して説明する。図7は、図1に示す静電容量式センサの操作ボタンにX軸正方向への操作が行われた場合の側面の模式的な断面図である。
【0056】
まず、図1に示す操作ボタン31に力が作用していないときの状態において、図7に示すように、操作ボタン31に対するX軸正方向への操作が行われた場合、すなわち、操作ボタン31に形成されたX軸正方向に対応するように矢印を押し下げるような力(Z軸負方向への力)が加えられた場合を考える。
【0057】
操作ボタン31のX軸正方向に対応する部分が押し下げられることにより、キーパッド基材32が弾性変形を生じて撓み、キーパッド基材32のX軸正方向に対応する突起部32aが下方へと変位する。すると、この突起部32aの先端部は、FPC11の第2面の裏面に配置された樹脂シート91に当接するようになる。
【0058】
そして、さらに操作ボタン31のX軸正方向部分が押し下げられると、ドーム型スイッチDS1のスイッチ用電極D31の頂部近傍に対して下方向への力が作用する。そして、その力が所定値に満たないときにはスイッチ用電極D31はほとんど変位しないが、その力が所定値に達したときには、スイッチ用電極D31の頂部近傍部分が座屈を伴って急激に弾性変形して凹んだ状態となって接点電極D11と接触する。これにより、ドーム型スイッチDS1がオン状態になる。このとき、操作者には、明瞭なクリック感が与えられる。
【0059】
その後、引き続き、操作ボタン31のX軸正方向部分が押し下げられると、ドーム型スイッチDS1がオン状態を保持しつつ、FPC11が撓んで、変位電極D0のX軸正方向部分が下方に変位する。その結果、変位電極D0と容量素子用電極D1との間の間隔が変化する。つまり、操作ボタン31に対してX軸正方向への操作が行われた場合には、容量素子C1〜C4のなかで、変位電極D0と容量素子用電極D1〜D4との間の間隔に変化があった容量素子C1の静電容量値のみが変化する。そして、このとき、後で詳述するように、容量素子用電極D1に接続された端子T1に入力される周期信号は、容量素子C1を含む遅延回路を通過することによって位相にずれが生じ、その位相のずれが読み取られることによって出力信号Vxが導出される。
【0060】
また、このとき、変位電極D0と容量素子用電極D2〜D4とのそれぞれの間隔はほとんど変化しない。そのため、容量素子C2〜C4の静電容量値は変化せず、周期信号が容量素子C2〜C4をそれぞれ含む遅延回路を通過することによっては、その位相にずれは生じない。なお、操作ボタン31に対してX軸正方向への操作が行われた場合に、容量素子C2〜C4の静電容量値が変化することもあるが、それらの変化量は、容量素子C1の静電容量値の変化量と比較して小さい。
【0061】
次に、容量素子C1〜C4のそれぞれの静電容量値の変化から、操作ボタン31に加えられる力の大きさおよび方向を示す出力信号の導出方法について、図8〜図11を参照して説明する。図8は、図1に示す静電容量式センサに入力される周期信号から出力信号を導出する方法を説明するための説明図である。ここで、出力信号Vx、Vyの変化は、それぞれ外部からの力のX軸方向成分およびY軸方向成分の大きさおよび方向を示す。
【0062】
ここで、出力信号Vx、Vyを導出するためには、端子T1、T2に対して、クロック信号などの周期信号が入力される。そして、端子T1、T2に周期信号が入力されている状態で操作ボタン31が外部からの力を受けて変位すると、これにともなって、ドーム型スイッチDS1〜DS4がオフ状態からオン状態に切り換わった後、変位電極D0がZ軸負方向に変位し、容量素子C1〜C4の電極間隔が変化して、容量素子C1〜C4のそれぞれの静電容量値が変化する。すると、端子T1、T2に入力された周期信号の位相にずれが生じる。このように、周期信号に生じる位相のずれを利用して、操作ボタン31の変位、つまり、操作ボタン31が外部から受けた力のX軸方向およびY軸方向の大きさと方向を示す出力信号Vx、Vyを得ることができる。
【0063】
さらに詳細に説明すると、端子T1に対して周期信号Aが入力されるとき、端子T2に対しては周期信号Aと同一の周期で、かつ、周期信号Aの位相とは異なる周期信号Bが入力される。そのとき、操作ボタン31が外部から力を受けて、容量素子C1〜C4の静電容量値がそれぞれ変化すると、端子T1、T2にそれぞれ入力された周期信号Aおよび周期信号Bの少なくともいずれかの位相にずれが生じる。つまり、容量素子C1、C3の静電容量値が変化すると、端子T1にそれぞれ入力された周期信号Aの位相にずれが生じ、一方、容量素子C2、C4の静電容量値が変化すると、端子T2にそれぞれ入力された周期信号Bの位相にずれが生じる。
【0064】
すなわち、外部からの力にX軸方向成分が含まれる場合は、容量素子C1の静電容量値が変化し、端子T1に入力された周期信号Aの位相にずれが生じるか、或いは、容量素子C2の静電容量値が変化し、端子T2に入力された周期信号Bの位相にずれが生じるかのいずれか或いは両方である。ここで、容量素子C1、C2の静電容量値の変化は、外部からの力のX軸正方向成分、X軸負方向成分にそれぞれ対応している。このように、端子T1および端子T2にそれぞれ入力された周期信号Aおよび周期信号Bの位相のずれを例えば排他和回路などで読み取ることによって、出力信号Vxが導出される。この出力信号Vxの変化量の符号が、外部からの力のX軸方向成分が正方向または負方向の向きかを示し、出力信号Vxの変化量の絶対値がX軸方向成分の大きさを示す。
【0065】
また、外部からの力にY軸方向成分が含まれる場合は、容量素子C3の静電容量値が変化し、端子T1に入力された周期信号Aの位相にずれが生じるか、或いは、容量素子C4の静電容量値が変化し、端子T2に入力された周期信号Bの位相にずれが生じるかのいずれか或いは両方である。ここで、容量素子C3、C4の静電容量値の変化は、外部からの力のY軸正方向成分、Y軸負方向成分にそれぞれ対応している。このように、端子T1および端子T2にそれぞれ入力された周期信号Aおよび周期信号Bの位相のずれを例えば排他和回路などで読み取ることによって、出力信号Vyが導出される。この出力信号Vyの変化量の符号が、外部からの力のY軸方向成分が正方向または負方向の向きかを示し、出力信号Vyの変化量の絶対値がY軸方向成分の大きさを示す。
【0066】
次に、端子T1、T2に入力された周期信号A、Bによる出力信号Vx、Vyを導出するための信号処理回路について、図9を参照しながら説明する。図9は、図1に示す静電容量式センサの信号処理回路を示す回路図である。
【0067】
端子T1には、抵抗素子R1、R3が接続されており、端子T2には、抵抗素子R2、R4が接続されている。また、抵抗素子R1、R2の出力端および抵抗素子R3、R4の出力端には、それぞれ排他和回路の論理素子であるEX−OR素子100、101が接続されており、その出力端は端子T120、T121に接続されている。そして、端子T120、T121には、ローパスフィルター(平滑回路)110、111が接続されており、その出力端は端子T130、T131に接続されている。また、抵抗素子R1〜R4の出力端は、それぞれ容量素子用電極D1〜D4に接続され、それぞれ変位電極D0との間で容量素子C1〜C4を構成している。また、変位電極D0は、上述したように、接地されている。
【0068】
ここで、ローパスフィルター110、111は、EX−OR素子100、101から出力される出力信号Vxをアナログ電圧Vx’に変換するためのものである。つまり、容量素子C1〜C4のそれぞれの静電容量値の変化が、ローパスフィルター110、111に入力される前の出力信号Vxの波形のデューティ比の変化として検出され、この信号をローパスフィルター110、111を通過させて平滑することにより、このデューティ比を電圧値に変換して利用することができる。ローパスフィルター110、111は、抵抗素子R110、R111および容量素子C110、C111でそれぞれ構成されている。なお、容量素子C110、C111の2つの電極のなかで抵抗素子R110、R111に接続されていない方の電極は接地されている。
【0069】
従って、EX−OR素子100、101から端子T120、T121に対して出力される出力信号Vxは、ローパスフィルター110、111を通過することにより平滑され、端子T130、T131に対してアナログ電圧Vx’として出力される。このアナログ電圧Vx’の値は、出力信号Vxのデューティ比に比例して変化する。従って、出力信号Vxのデューティ比が大きくなると、それに伴ってアナログ電圧Vx’の値も大きくなり、一方、出力信号Vxのデューティ比が小さくなると、それに伴ってアナログ電圧Vx’の値も小さくなる。また、出力信号Vxのデューティ比がほとんど変化しないときは、アナログ電圧Vx’の値もほとんど変化しない。
【0070】
ここから、X軸方向成分の出力信号Vxの導出方法について、図10および図11を参照して詳しく説明する。図10は、図1に示す静電容量式センサのX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図(図9の一部分)である。図11は、図10に示す信号処理回路の各端子および各節点における周期信号の波形を示す図である。なお、Y軸方向成分の出力信号Vyの導出方法については、X軸方向成分の出力信号Vxの導出方法と同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0071】
図10の信号処理回路において、容量素子C1および抵抗素子R1、容量素子C2および抵抗素子R2は、CR遅延回路をそれぞれ形成している。従って、端子T1、T2に入力された周期信号(矩形波信号)は、それぞれCR遅延回路によって所定の遅延が生じ、EX−OR素子100に入力される。
【0072】
さらに詳細に説明すると、端子T1には周期信号f(φ)(上述の周期信号Aに対応している)が入力され、また、端子T2にはf(φ)と同一の周期で、かつ、位相がθだけずれている周期信号f(φ+θ)(上述の周期信号Bに対応している)が入力される。端子T1に入力される周期信号f(φ)は、容量素子C1と抵抗素子R1により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X1に到達する。このとき、節点X1における周期信号には、図11に示すように、時間aの遅延が生じている。同様に、端子T2に入力される周期信号f(φ+θ)は、容量素子C2と抵抗素子R2により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X2に到達する。このとき、節点X2における周期信号には、時間bの遅延が生じている。
【0073】
ここで、端子T1、T2にそれぞれ入力される異なる位相の周期信号f(φ)、f(φ+θ)は、1つの周期信号発振器から出力された周期信号を2つの経路に分け、その一方の経路に図示しないCR遅延回路を設け、CR遅延回路を通過する周期信号の位相を遅延させることによって発生させられる。なお、周期信号の位相をずらせる方法は、CR遅延回路を用いる方法に限らず、他のどのような方法であってもよいし、また、2つの周期信号発振器を用いて、それぞれ異なる位相の周期信号f(φ)、f(φ+θ)を発生させ、端子T1、T2のそれぞれに入力してもよい。
【0074】
ここで、時間a、bは、それぞれのCR遅延回路における遅延時間に対応し、それぞれのCRの時定数により決定される。従って、抵抗素子R1、R2の抵抗値が同一である場合は、時間a、bの値は容量素子C1、C2の静電容量値に対応するようになる。すなわち、容量素子C1、C2の静電容量値が大きくなると、時間a、bの値も大きくなり、容量素子C1、C2の静電容量値が小さくなると、時間a、bの値も小さくなる。
【0075】
このように、EX−OR素子100には、節点X1、X2における周期信号と同一の波形の信号が入力され、これらの信号の間で排他的論理演算が行われ、その結果を端子T120に対して出力される。ここで、端子T120に対して出力される信号は、所定のデューティ比をもった矩形波信号である(図11参照)。
【0076】
ここで、操作ボタン31のX軸正方向部分に対する操作が行われた場合(図7参照)の各端子および各節点における周期信号の波形を考えることにする。なお、この場合の信号処理回路における容量素子用電極D1、D2と変位電極D0との間で構成される容量素子をC1’、C2’とし、操作ボタン31に対する操作が行われていない場合の信号処理回路の節点X1、X2および端子T120と同位置における各節点および端子を節点X1’、X2’および端子T120’とする(図10参照)。
【0077】
このとき、上述と同様に、図10の信号処理回路において、端子T1には周期信号f(φ)が入力され、また、端子T2には、f(φ)と同一の周期で位相がθだけずれている周期信号f(φ+θ)が入力される。端子T1に入力される周期信号f(φ)は、容量素子C1’と抵抗素子R1により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X1’に到達する。このとき、節点X1’における周期信号には、図11に示すように、時間a+Δaの遅延が生じている。これは、容量素子C1’の静電容量値が容量素子C1よりも大きくなったことにより、CR遅延回路の時定数が大きくなったためである。一方、端子T2に入力される周期信号f(φ+θ)は、容量素子C2’と抵抗素子R2により構成されるCR遅延回路を通過して、節点X2’に到達する。このとき、操作ボタン31のX軸負方向部分には力が加えられていないため、節点X2’における周期信号は、節点X2における周期信号と同じ波形を有している。
【0078】
このように、EX−OR素子100には、節点X1’、X2’における周期信号と同一の波形の信号が入力され、これらの信号の間で排他的論理演算が行われ、その結果を端子T120’に対して出力される。ここで、端子T120’に対して出力される信号は、所定のデューティ比をもった矩形波信号であり、図11に示すように、操作ボタン31に対する操作が行われていない場合において、端子T120に出力された矩形波信号よりも、デューティ比の小さい矩形波信号である。
【0079】
ここで、実際には、上述したように、端子T120および端子T120’に対して出力される信号は、いずれもローパスフィルター110によって平滑された後で出力される。
【0080】
なお、本実施の形態の静電容量式センサ1は、力覚センサとして用いられており、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パソコン、ゲームなどの入力装置(ジョイスティック)として利用されるのに好ましい。また、本実施の形態の静電容量式センサ1は、力覚センサとして用いられる場合に限らず、例えば加速度センサなど、その他のセンサとして用いられる場合も、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0081】
以上のように、本実施の形態に係る静電容量式センサ1においては、容量素子用電極D1〜D4と変位電極D0との間隔の変化に起因する容量素子C1〜C4の静電容量値の変化を検出することによって、操作ボタン31の変位を認識することができるため、操作ボタン31に外部から加えられた力の大きさを認識可能である。また、ドーム型スイッチDS1〜DS4におけるスイッチ用電極D31〜D34と接点電極D11〜D14との接触の有無を認識することができるため、これをスイッチ機能として利用することができる。したがって、本発明の静電容量式センサ1は、操作ボタン31の変位(操作ボタン31に外部から加えられた力の大きさ)を信号(アナログ信号)として出力する機能を有する装置および/またはスイッチ機能を有する装置として利用することが可能である。これにより、この静電容量式センサ1は上記のいずれの装置としても利用できる複合デバイスとしての機能を有し、上記両用途に合わせて製造し直す必要がなくなる。
【0082】
また、4つのドーム型スイッチDS1〜DS4と、変位電極D0および容量素子用電極D1〜D4から構成される容量素子C1〜C4とが、操作ボタン31の変位方向について重なるように、上下方向について2層に配置されているため、ドーム型スイッチDS1〜DS4が設けられることによって、容量素子用電極D1〜D4または変位電極D0の有効面積が小さくなることがほとんどない。また、当該センサに含まれる各電極を設置するために必要な面積が比較的小さくなる。従って、本発明のセンサにおいては、スイッチ機能を付加することによって、当該センサの感度が低下したり、当該センサが大型化するのが抑制される。
【0083】
また、容量素子用電極D1〜D4、変位電極D0、接点電極D11〜D14、D21〜D24、スイッチ用電極D31〜D34が、1つの可撓性を有するFPC11に形成された後で、容量素子用電極D1〜D4と変位電極D0とが対向するようにFPC11が折り曲げられることによって、静電容量式センサ1が製造される。従って、これらの電極を適正な位置に容易に配置することができると共に、センサの製造工程が簡略化され、製造コストを低減できる。
【0084】
また、ドーム型スイッチDS1〜DS4が容量素子C1〜C4よりも操作ボタン31に近接するように配置されているため、容量素子C1〜C4を構成する容量素子用電極D1〜D4と変位電極D0との間の間隔が変化する前に、ドーム型スイッチDS1〜DS4の状態(オン状態またはオフ状態)が切り換わり易くなって、スイッチ機能を優先的に利用する場合に好ましい。
【0085】
また、容量素子C1〜C4およびドーム型スイッチDS1〜DS4が、X軸方向およびY軸方向のそれぞれの正方向および負方向に対応するように設けられているため、上述の4つの方向の力を認識するために用いることによって多次元的な力の認識する機能を有する装置および/またはスイッチ機能を有する装置として利用することが可能になる。
【0086】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図12〜図14を参照しつつ説明する。図12は、本発明の第2の実施の形態に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。図13は、図12の静電容量式センサに含まれる複数の電極の配置を示す断面図である。図14は、図12に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。
【0087】
ここで、第2の実施の形態に係る静電容量式センサ101の詳細な構造について、図12および図13を参照して説明する。図12の静電容量式センサ101が、図1の静電容量式センサ1と異なる点は、静電容量式センサ1では、4つの容量素子C1〜C4と4つのドーム型スイッチDS1〜DS4とが、上下方向について2層に構成されているのに対して、静電容量式センサ101では、4つの容量素子C1〜C4と4つのドーム型スイッチDS1〜DS4との間に接続スイッチS1が追加されており、全体として3層に構成されている点である。なお、その他の構成は、図1の静電容量式センサ1と同一であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0088】
静電容量式センサ101に含まれるセンサユニット110は、可撓性を有するFPC111を有している。FPC111は、図13に示すように、第1面111a、第2面111bおよび第3面111cに分割されている。ここで、第1面111aおよび第2面111bは、図13において二点鎖線で示される境界線B112によって仕切られており、第2面111bおよび第3面111cは、境界線B123によって仕切られている。なお、境界線B112、B123は、FPC111が折り曲げられるときの折り返し線となる。
【0089】
FPC111では、第1の実施の形態と同様に、第1面111aの表面(図13では上面)には、容量素子用電極D1〜D4、スペーサ61、62、センサ回路部品70、コネクタ端子80および樹脂シート90、91が設けられており、第2面111bの表面には、点O’を中心とする環状の変位電極D0が形成されている。
【0090】
第2面111bの裏面には、点O’’を中心とする環状の変位電極D100が形成されている。変位電極D100は、変位電極D0と同じ形状であって、変位電極D0に対応するように配置されている。そして、変位電極D0と変位電極D100とは、図示しない配線によって電気的に接続されている。また、第2面111bの裏面には、変位電極D100の外側に配置された環状のスペーサ161と、それの内側に配置された円形のスペーサ162とが設けられている。
【0091】
第3面111cの裏面には、点O’’’’を中心とする環状の変位電極D101が形成されている。変位電極D101は、変位電極D0(変位電極D100)と同じ形状である。そして、第3面111cの表面には、第1の実施の形態と同様に、点O’’’を中心として4つのドーム型スイッチDS101〜DS104が設けられている。ここで、ドーム型スイッチDS101〜DS104は、接点電極D111〜D114、D211〜D214およびスイッチ用電極D131〜134により構成されている。また、第3面111cの表面には、薄い樹脂シート(カバー層)190が、4つのドーム型スイッチDS101〜DS104の上面全体に密着しつつ、FPC111を覆うように配置されている。
【0092】
ここで、センサユニット110が製造される場合には、FPC111の第1面111a〜第3面111cにそれぞれ電極などが形成された後で、まず最初に、第2面111b〜第3面111cが、第1面111aの表面と第2面111bの表面とが対向するように、第1面111aと第2面111bとの間にある境界線B112に沿って折り返される。すると、第2面111b上の変位電極D0の外側の領域が、第1面111aに設けられたスペーサ61、62の上端部に当接するようになり、その状態で接着される。
【0093】
その後、第3面111cが、第2面111bの裏面と第3面111cの裏面とが対向するように、第2面111bと第3面111cとの間にある境界線B123に沿って折り返される。すると、第3面111c上の変位電極D101の外側の領域が、第2面111bに設けられたスペーサ161、162の上端部に当接するようになり、その状態で接着される。このようにして、図12に示すようなセンサユニット110が完成する。
【0094】
従って、静電容量式センサ101においては、容量素子用電極D1〜D4と変位電極D0との間においてX軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向およびY軸負方向に対応するように構成された4つの容量素子C1〜C4と、接続スイッチS1と、上述の4つの方向に対応する4つのドーム型スイッチDS101〜DS104とが、上下方向(操作ボタン31の変位方向)について3層に構成されることになる。
【0095】
また、本実施の形態におけるセンサ回路では、図14に示すように、接続スイッチS1がオン状態およびオフ状態のいずれかに切り換えられることによって、変位電極D0は、接地される状態と接地されない(絶縁される)状態とのいずれかを取り得るようになっている。なお、容量素子用電極D1〜D4は端子T1、T2に接続されている。また、変位電極D0と変位電極D100とは電気的に接続されており、変位電極D101は端子T101を介して接地されている。
【0096】
つまり、接続スイッチS1がオン状態である場合には、変位電極D0が接地されて、容量素子C1〜C4に電荷が蓄積できるようになる。従って、静電容量式センサ101の力センサ回路が機能するようになり、操作ボタン31に加えられる力の方向およびその大きさに対応するアナログ電圧を出力可能となる。一方、接続スイッチS1がオフ状態である場合には、変位電極D0が接地されなくなって浮いた(絶縁された)状態になる。従って、容量素子C1〜C4には電荷が蓄積できなくなって、静電容量式センサ101の力センサ回路が機能しなくなる。
【0097】
なお、実際には、容量素子用電極D1〜D4、変位電極D0、D100、D101および回路パターンの周りには、浮遊容量が存在するが、容量素子C1〜C4の本来の静電容量値に比べると、無視できる程度に十分に小さいので、ここでは浮遊容量は無視して説明している。
【0098】
また、第1の実施の形態と同様に、上述の容量素子C1〜C4を含み、操作部30に加えられた力を検出する力センサ回路とは独立して、4つのドーム型スイッチDS101〜DS104を含むスイッチ回路が構成されている。そのため、互いの動作は、他方に電気的な影響を与えることがない。従って、静電容量式センサ101が搭載された機器の使用状況に合わせて、力センサ回路の出力とスイッチ回路の出力とを使い分けることができる。なお、接点電極D111〜D114は、端子TS101〜TS104にそれぞれ接続されており、接点電極D121〜D124は、いずれもが端子TS100に接続されている。そして、接点電極D121〜D124は、端子TS100を介して接地されている。
【0099】
ここで、静電容量式センサ101において、操作ボタン31にX軸正方向への操作が行われた場合には、操作ボタン31のX軸正方向部分が下方に押し下げられることによって、キーパッド基材32が弾性変形を生じて撓み、キーパッド基材32のX軸正方向に対応する突起部32aが下方へと変位する。すると、この突起部32aの先端部は、FPC111の第3面111cに配置された樹脂シート190に当接するようになる。
【0100】
そして、さらに操作ボタン31のX軸正方向部分が押し下げられると、ドーム型スイッチDS101のスイッチ用電極D131の頂部近傍に対して下方向への力が作用する。そして、その力が所定値に満たないときにはスイッチ用電極D131はほとんど変位しないが、その力が所定値に達したときには、スイッチ用電極D131の頂部近傍部分が座屈を伴って急激に弾性変形して凹んだ状態となって接点電極D111と接触する。これにより、ドーム型スイッチDS101がオン状態になる。このとき、操作者には、明瞭なクリック感が与えられる。
【0101】
その後、引き続き、操作ボタン31のX軸正方向部分が押し下げられると、ドーム型スイッチDS101がオン状態を保持しつつ、FPC111が撓んで、変位電極D101のX軸正方向部分が下方に押し下げられる。そして、変位電極D101の当該部分近傍が所定高さだけ押し下げられると、変位電極D101と変位電極D100とが接触するようになる。これにより、接続スイッチS1がオフ状態からオン状態に切り換わる。
【0102】
その後、引き続き、操作ボタン31のX軸正方向部分が押し下げられると、接続スイッチS1がオン状態を保持しつつ、FPC111が撓み、変位電極D0が下方に変位する。従って、変位電極D0と容量素子用電極D1と間の間隔が小さくなる。
【0103】
なお、操作ボタン31に加えられていた力が取り除かれると、FPC111の弾性によって、変位電極D0、D100、D101は元の位置に戻るため、静電容量式センサ101は、操作が行われる前の状態に戻る。
【0104】
ここで、本実施の形態では、操作ボタン31への操作前および操作後においては、容量素子C1〜C4の静電容量値は無視できる程度に小さいが、操作ボタン31に対する操作が行われている間は、変位電極D100と変位電極D101とが接触しており(接続スイッチS1がオン状態となって)、容量素子C1〜C4は充電および放電が可能となる。従って、操作ボタン31への操作前および操作後において、変位電極D100と変位電極D101とが接触することなく、変位電極D0が接地されていない場合には、変位電極D0、D100、D101のそれぞれの位置が操作の前後で変化しても、そのときの容量素子C1〜C4の静電容量値が無視できることに変わりはない。つまり、FPC111が、変形または変位する際にクリープ特性などがあって瞬時に元の位置に戻らない、或いは、永久に元の位置に戻らない場合であっても、変位電極D100と変位電極D101との間の接触性または離隔性が確保することができれば、静電容量式センサ101のヒステリシスを小さくすることができ、再現性が向上する。
【0105】
以上のように、本実施の形態に係る静電容量式センサ101においては、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0106】
次に、本発明の第2の実施の形態の変形例について、図15〜図19を参照しつつ説明する。図15は、本発明の第2の実施の形態の変形例に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。図16は、図15の静電容量式センサに含まれる複数の電極の配置を示す断面図である。図17は、図15の静電容量式センサに含まれるランドの概略構成を示す図である。図18は、図15に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。
【0107】
ここで、本変形例に係る静電容量式センサ201の詳細な構造について、図15および図16を参照して説明する。図15の静電容量式センサ201が、図12の静電容量式センサ101と異なる点は、静電容量式センサ101では、容量素子C1〜C4を構成する変位電極D0が導電性インクにより形成されており、接続スイッチS1が2つの変位電極D100、D101により構成されているのに対して、静電容量式センサ201では、容量素子C1〜C4を構成する変位電極D200が金属板であって、復帰(ウェイクアップ)スイッチS2が変位電極D200と2つのランドD201、D202により構成されている点である。なお、その他の構成は、図12の静電容量式センサ101と同一であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0108】
静電容量式センサ201に含まれるセンサユニット210は、可撓性を有するFPC211a、211bと、金属製の薄い板状部材であって可撓性を有する変位電極D200とを有している。そして、FPC211a、211bは、図16に示すように、変位電極D200を介して連結されている。ここで、FPC211aと変位電極D200との連結部近傍、変位電極D200とFPC211bとの連結部近傍において、図16において二点鎖線で示される境界線B212、B223によって仕切られている。なお、境界線B212、B223は、FPC211a、211bが折り曲げられるときの折り返し線となる。
【0109】
また、FPC211bの裏面には、スイッチ接点の機能を有するランドD201、D202が形成されている。ランドD201は、図17に示すように、点O’’’’を中心とする略環状に形成されており、ランドD202は、ランドD201の外側において略環状に形成されている。ランドD201は、円周部201aと、円周部201aから外側に向かって突出する複数の突出部201bとを有しており、ランドD202は、円周部202aと、円周部202から内側に向かって突出する複数の突出部202bとを有している。なお、ランドD201、D202は、ドーム型スイッチDS101〜DS104に対応するように設けられており、ドーム型スイッチDS101〜DS104が押圧された場合に、ランドD201、D202の変位し易いようになっている。
【0110】
ここで、円周部201aおよび円周部202aは、全周にわたって同じ幅を有している。また、突出部201bおよび突出部202bは、いずれも円周部201aおよび円周部202aとほぼ同じ幅を有するとともに、円周部201aと円周部202aとが離隔する間隔よりも短い長さの略矩形状をしている。また、突出部201bと突出部202bとは、円周方向に沿って交互に配置されており、ランドD201の外周部およびランドD202の内周部は、いずれも櫛歯状に形成されている。なお、突出部201bおよび突出部202bの数および形状は、任意に変更することが可能であって、両者は接触しない範囲で出来る限り隙間無く配置されていることが好ましい。また、ランドD201、D202は、必ずしも櫛歯状に形成されている必要はなく、変位電極D200との接触を検知可能な形状であれば、その形状は任意に変更することができる。
【0111】
そして、第2の実施の形態と同様にして、FPC211a、211bが境界線B212、B223に沿って折り曲げられることによって、図15のようなセンサユニット210が完成する。
【0112】
従って、静電容量式センサ201においても、静電容量式センサ101と同様に、容量素子用電極D1〜D4と変位電極D200との間においてX軸正方向、X軸負方向、Y軸正方向およびY軸負方向に対応するように構成された4つの容量素子C1〜C4と、復帰スイッチS2と、上述の4つの方向に対応する4つのドーム型スイッチDS101〜DS104とが、上下方向(操作ボタン31の変位方向)について3層に構成されることになる。
【0113】
なお、変位電極D200は、金属板の他、例えば導電性プラスチックなどの別の導電性部材に変更してもよい。また、FPC211aとFPC211bとを1つのFPCにして、当該FPCの変位電極D200に相当する位置の両面に導電性ランドを形成してもよい。ここで、第2の実施の形態において、FPC111の両面に形成された変位電極D100、D101の代わりに、本変形例のように、1枚の金属板の変位電極を用いる場合には、弾性変形し易く、センサ出力のヒステリシスの低減およびセンサの耐久性の点で、より好ましい。
【0114】
また、本変形例におけるセンサ回路では、図18に示すように、復帰スイッチS2が、変位電極D200とランドD201、D202との間に形成されている。つまり、復帰スイッチS2は、変位電極D200が、ランドD201、D202と接触する状態(オン状態)およびランドD201、D202と接触しない状態(オフ状態)のいずれかの状態を取り得るようになっている。なお、ランドD201は端子T201を介して接地されており、ランドD202は端子T202およびプルアップ抵抗素子R5を介して一定の電圧値を有する電源電圧Vccに保持されている。また、ランドD202は、端子T202を介して外部回路であるマイコン5の入力ポートIに接続されている。
【0115】
従って、操作ボタン31に対する操作が行われていない場合には、変位電極D200とランドD201、D202とは接触していないため、復帰スイッチS2はオフ状態である。このとき、ランドD202はプルアップされているため、それに接続されたマイコン5の入力ポートIは、電源電圧Vccに保持されて、入力はデジタル的に「Hi」となる。また、このとき、変位電極D200は浮いた状態(絶縁された状態)になっている。
【0116】
そして、操作ボタン31に対する操作が行われている場合(容量素子C1〜C4の静電容量値が変化する場合)には、変位電極D200とランドD201、D202とが接触するため、ランドD201、D202は変位電極D200を介して短絡して、復帰スイッチS2はオン状態となる。このとき、マイコン5の入力ポートIは、接地電圧となって、入力はデジタル的に「Lo」となる。
【0117】
このように、復帰スイッチS2がオン状態である場合には、変位電極D200が接地されて、容量素子C1〜C4に電荷が蓄積できるようになる。従って、静電容量式センサ201の力センサ回路が機能するようになり、操作ボタン31に加えられる力の方向およびその大きさに対応するアナログ電圧を出力可能となる。一方、復帰スイッチS2がオフ状態である場合には、変位電極D200が接地されなくなって浮いた(絶縁された)状態になる。従って、容量素子C1〜C4には電荷が蓄積できなくなって、静電容量式センサ201の力センサ回路が機能しなくなる。
【0118】
ここで、静電容量式センサ201において、操作ボタン31にX軸正方向への操作が行われた場合には、操作ボタン31のX軸正方向部分が下方に押し下げられることによって、キーパッド基材32が弾性変形を生じてたわみ、キーパッド基材32のX軸正方向に対応する突起部32aが下方へと変位する。すると、この突起部32aの先端部は、FPC211b上の樹脂シート190に当接するようになる。
【0119】
そして、さらに操作ボタン31のX軸正方向部分が押し下げられると、ドーム型スイッチDS101のスイッチ用電極D131の頂部近傍に対して下方向への力が作用する。そして、その力が所定値に満たないときにはスイッチ用電極D131はほとんど変位しないが、その力が所定値に達したときには、スイッチ用電極D131の頂部近傍部分が座屈を伴って急激に弾性変形して凹んだ状態となって接点電極D111と接触する。これにより、ドーム型スイッチDS101がオン状態になる。このとき、操作者には、明瞭なクリック感が与えられる。
【0120】
その後、引き続き、操作ボタン31のX軸正方向部分が押し下げられると、ドーム型スイッチDS101がオン状態を保持しつつ、FPC111が撓んで、ランドD201、D202が下方に押し下げられる。そして、ランドD201、D202の当該部分近傍が所定高さだけ押し下げられると、変位電極D200とランドD201、D202とがほぼ同時に接触するようになる。これにより、復帰スイッチS2がオフ状態からオン状態に切り換わる。
【0121】
その後、引き続き、操作ボタン31のX軸正方向部分が押し下げられると、復帰スイッチS2がオン状態を保持しつつ、FPC111が撓み、変位電極D200が下方に変位する。従って、変位電極D200と容量素子用電極D1と間の間隔が小さくなる。
【0122】
なお、操作ボタン31に加えられていた力が取り除かれると、FPC111の弾性によって、変位電極D200、D201、D102は元の位置に戻るため、静電容量式センサ201は、操作が行われる前の状態に戻る。
【0123】
このように、本変形例の静電容量式センサ201においては、マイコン5の入力ポートIの出力を監視することによって、センサに対する操作が行われたことを確実に検出できるため、スリープモードを確実に解除することができる。これにより、静電容量式センサ201においても、操作ボタン31に対する操作が長時間にわたって行われない場合には、スリープモードに切り換えることによって、消費電力を低減することができる。
【0124】
ここで、静電容量式センサ201がマイコン制御システムとともに用いられる場合には、静電容量式センサ201は、操作ボタン31に対して加えられる力を検出可能なモード(以下、「通常モード」と称する)および消費電力が極力小さく押さえられたモード(以下、「スリープモード」と称する)のいずれかを選択的に取り得ることができる。そして、通常モードにおいて、所定時間が経過しても、操作ボタン31に対する操作が行われない場合には、通常モードからスリープモードに自動的に切り換わるようになっている。一方、スリープモードにおいて、操作ボタン31に対する操作が行われた場合には、スリープモードが解除されて、スリープモードから通常モードに自動的に復帰するようになっている。
【0125】
通常モードでは、上述したように、容量素子用電極D1〜D4に接続された端子T1、T2に対して周期信号が入力される。そして、これらの周期信号が利用されることによって、変位電極D0と容量素子用電極D1〜D4との間で構成される容量素子C1〜C4の静電容量値が検出されて、操作ボタン31に対して加えられた力の方向および大きさが検出される。
【0126】
これに対して、スリープモードでは、容量素子用電極E1〜E4に接続された端子T1、T2に対して周期信号が入力されなくなる。従って、操作ボタン31に対する操作が行われない状態(待ち受け状態)において、電力が無駄に消費されるのが抑制される。
【0127】
また、ランドD202が接続されている外部回路であるマイコン5には、通常モードにおいて、直前の操作ボタン31に対する操作終了時からの経過時間を測定するためのタイマ(図示しない)が設けられている。なお、通常モードにおいて、操作ボタン31に対する操作が行われない場合に、スリープモードに自動的に切り換えるまでの時間(所定時間)はあらかじめ設定されている。
【0128】
ここで、静電容量式センサ201におけるモード切り換えについて、図19を参照して説明する。図19は、図15に示す静電容量式センサにおけるモード切り換えを説明するための図である。なお、図19では、時間経過に対する通常モード、スリープモードおよび復帰スイッチのそれぞれの状態(オン状態またはオフ状態)が互いに対応するように描かれている。
【0129】
まず、図19の時刻t1においては、操作ボタン31に対する操作が行われているとする。従って、操作ボタン31に対する操作が行われているため、復帰スイッチS2はオン状態になっているとともに、静電式容量式センサ201のモードは通常モードになっている(通常モードがオン状態になっているとともにスリープモードがオフ状態になっている)。
【0130】
引き続き、図19の時刻t2に達するまでは、操作ボタン31に対する操作が継続して行われている。そして、時刻t2において操作ボタン31に対する操作が行われなくなると、復帰スイッチS2がオン状態からオフ状態に切り換わる。これとほぼ同時に、マイコン5のタイマの作動が開始される。
【0131】
その後、操作ボタン31に対する操作が行われなくなった時刻t2から、所定時間t0だけ経過した時刻t3までの間は、通常モードにおいて、操作ボタン31に対する操作が行われない状態が維持される。なお、本実施の形態では、通常モードにおいて、操作ボタン31に対する操作が行われない状態が所定時間t0の間だけ継続された場合に、通常モードからスリープモードに自動的に切り換わるように設定されている。
【0132】
従って、図19の時刻t3に達すると、通常モードからスリープモードに切り換わる。つまり、通常モードがオン状態からオフ状態に切り換わるとともに、スリープモードがオフ状態からオン状態に切り換わる。そして、再度、操作ボタン31に対する操作が行われるまでの間は、スリープモードがオン状態に維持される。
【0133】
その後、図19の時刻t4において、再度、操作ボタン31に対する操作が行われると、復帰スイッチS2がオフ状態からオン状態に切り換わるのとほぼ同時に、スリープモードから通常モードに切り換わる。つまり、スリープモードがオン状態からオフ状態に切り換わるとともに、通常モードがオフ状態からオン状態に切り換わる。
【0134】
ここで、復帰スイッチS2がオフ状態からオン状態に切り換わると、ランドD202の電圧は、必ず電源電圧の約半分であるスレッシホールド電圧を跨いで変化する。従って、マイコン5において、ランドD202に接続された入力ポートIの電圧の変化を監視しておけば、操作ボタン31に対する操作が行われたことを確実に検出することができる。
【0135】
また、マイコン5のタイマは、再度、操作ボタン31に対する操作が行われた時点で、停止するとともにリセットされる。そして、図19の時刻t4において開始された操作ボタン31に対する操作が行われなくなると、タイマの作動が開始される。
【0136】
なお、本変形例においては、ランドD201の接点出力が、スリープモードの解除のための復帰スイッチとして利用されているが、それ以外のスイッチとして利用することも可能である。
【0137】
以上のように、本変形例に係る静電容量式センサ202においては、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0138】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて、様々な設計変更を行うことが可能なものである。例えば、上述の第1および第2の実施の形態では、センサユニットが、1つのFPC上に形成されている複数の電極などを有している場合について説明しているが、これに限らず、センサユニットの構成は任意に変更することができる。従って、上述の複数の電極などは、必ずしも基板上に形成されている必要はない。また、これらが基板上に形成される場合であっても、これらのすべてが1つの基板上に形成されなくてもよい。また、第1の実施の形態では、センサユニットは、FPCの両面に各電極などが設けられた後で折り曲げられているが、図20に示すように、FPCの一方の面上だけに各電極などが設けられた後で折り曲げられてもよい。なお、基板としては、FPC以外の可撓性を有しない(硬質の)基板であってもよいし、剛性を向上させるためにFPCに樹脂や金属などの補強板が取り付けられたものであってもよい。
【0139】
また、上述の第1および第2の実施の形態では、センサユニットが、容量素子と、1または2つのスイッチ(ドーム型スイッチ、接続スイッチまたは復帰スイッチ)とが、上下方向について2層または3層に構成されている場合について説明しているが、これに限らず、センサユニットは、容量素子と3つ以上のスイッチとを有しており、4層以上に構成されてもよい。
【0140】
また、上述の第1および第2の実施の形態では、センサユニットが複数層から構成される場合に、容量素子が最下層に配置され、スイッチが、容量素子よりも操作ボタンに近接するように配置されている場合について説明しているが、これに限らず、容量素子は必ずしも最下層に配置される必要はないし、容量素子およびスイッチのそれぞれの配置が反対になってもよい。従って、スイッチが最下層に配置されて、当該スイッチよりも操作ボタンに近接するように、容量素子が配置されてもよい。
【0141】
また、上述の第1の実施の形態では、操作ボタンに対する操作が行われる場合に、ドーム型スイッチがオフ状態からオン状態に切り換わった後で、容量素子の静電容量値が変化する場合について説明しているが、これに限らず、必ずしも両者の順序は変更可能である。従って、容量素子の静電容量値が変化した後で、ドーム型スイッチがオフ状態からオン状態に切り換わってもよいし、ドーム型スイッチがオフ状態からオン状態に切り換わるのとほぼ同時に容量素子の静電容量値が変化してもよい。なお、これらの順序は、FPC、スイッチ用電極などの強度(剛性)などを調整することによって、適宜変更することができる。
【0142】
これと同様に、上述の第2の実施の形態においても、ドーム型スイッチがオフ状態からオン状態に切り換わるタイミングと、接続スイッチまたは復帰スイッチがオフ状態からオン状態に切り換わるタイミングと、容量素子の静電容量値が変化するタイミングとは、いずれが先であってもよいし、それぞれがほぼ同時であってもよい。但し、接続スイッチまたは復帰スイッチがオフ状態からオン状態に切り換わるタイミングおよび容量素子の静電容量値が変化するタイミングについては、接続スイッチまたは復帰スイッチがオフ状態からオン状態に切り換わった後で、容量素子の静電容量値が変化することが好ましい。
【0143】
また、上述の第1および第2の実施の形態では、外部とのインターフェースとして、FPCにコネクタ端子が設けられている場合について説明しているが、これに限らず、FPCにハンダ付け用のランドが設けられていてもよい。
【0144】
また、上述の第2の実施の形態の変形例では、FPCに2つのランドが形成されている場合について説明しているが、これに限らず、FPCに形成されるランドの数およびそれらの形状は、任意に変更することができる。
【0145】
また、上述の第1および第2の実施の形態では、外部から加えられた力のX軸方向成分およびY軸方向成分の2つの成分を検出可能な静電容量式センサについて説明しているが、これに限らず、上述の2つのうち必要な1成分だけを検出可能なものであってもよい。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によると、第1の電極と第2の電極との間隔の変化に起因する容量素子の静電容量値の変化を検出することによって、検知部材の変位を認識することができるため、検知部材に外部から加えられた力の大きさを認識可能である。また、第1のスイッチ用電極と第2のスイッチ用電極との接触の有無を認識することができるため、これをスイッチ機能として利用することができる。したがって、本発明の静電容量式センサは、検知部材の変位(検知部材に外部から加えられた力の大きさ)を信号(アナログ信号)として出力する機能を有する装置または/およびスイッチ機能を有する装置として利用することが可能である。これにより、この静電容量式センサは上記のいずれの装置としても利用できる複合デバイスとしての機能を有し、上記両用途に合わせて製造し直す必要がなくなる。
【0147】
また、第1および第2のスイッチ用電極と、第1および第2の電極とが検知部材の変位方向について重なるように(例えば、上下方向について2層に)配置されている。従って、第1および第2のスイッチ用電極が第1および第2の電極と実質的に同じ面上に設けられる場合のように、第1および第2のスイッチ用電極が第1または第2の電極の内側に配置されることによって、第1または第2の電極の有効面積が小さくなって、静電容量式センサの感度が著しく低下することがほとんどない。また、第1および第2のスイッチ用電極が第1または第2の電極の外側に配置されることによって、当該センサに含まれる各電極を設置するために必要な面積が比較的大きくなって、当該センサが大型化することがほとんどない。
【0148】
請求項2によると、第1および第2の電極並びに第1および第2のスイッチ用電極が基板上に設けられているため、これらの電極を適正な位置に容易に配置することができ、センサの製造工程が簡略化される。
【0149】
請求項3によると、各電極が1つの共通基板上に設けられた後で、当該共通基板が適正に折り曲げられることによって、センサが製造される。従って、センサの製造工程が簡略化される。また、本発明のセンサのセンサ部が一体に構成(ユニット化)されるため、センサの外観や検知部が変更になっても、共通に利用できるセンサ部を得ることができる。さらに、この場合には、例えば回路パターン(配線)が形成された回路基板の上に載置することが可能となるため、当該回路基板の有効配線面積を削減しなくてもよくなる。
【0150】
請求項4によると、各電極のいずれもが1つの共通基板の一方の面上に設けられているため、センサの製造工程がさらに簡略化され、製造コストを低減できる。
【0151】
請求項5によると、第1の電極と第2の電極との間の間隔が変化する前に、第1のスイッチ用電極と第2のスイッチ用電極との間隔が変化し易くなって、第1および第2のスイッチ用電極間におけるスイッチ機能を優先的に利用する場合に好ましい。
【0152】
請求項6によると、各組を別方向の力を認識するために用いることによって多次元的な力の認識する機能を有する装置および/またはスイッチ機能を有する装置として利用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。
【図2】図1の静電容量式センサに含まれる複数の電極の配置を示す断面図である。
【図3】図1の静電容量式センサに含まれる容量素子用電極の概略構成を示す図である。
【図4】図1の静電容量式センサに含まれる変位電極の概略構成を示す図である。
【図5】図1の静電容量式センサに含まれる接点電極の概略構成を示す図である。
【図6】図1に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。
【図7】図1に示す静電容量式センサの操作ボタンにX軸正方向への操作が行われた場合の側面の模式的な断面図である。
【図8】図1に示す静電容量式センサに入力される周期信号から出力信号を導出する方法を説明するための説明図である。
【図9】図1に示す静電容量式センサの信号処理回路を示す回路図である。
【図10】図1に示す静電容量式センサのX軸方向成分についての信号処理回路を示す回路図である。
【図11】図10に示す信号処理回路の各端子および各節点における周期信号の波形を示す図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。
【図13】図12の静電容量式センサに含まれる複数の電極の配置を示す断面図である。
【図14】図12に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。
【図15】本発明の第2の実施の形態の変形例に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。
【図16】図15の静電容量式センサに含まれる複数の電極の配置を示す断面図である。
【図17】図15の静電容量式センサに含まれるランドの概略構成を示す図である。
【図18】図15に示す静電容量式センサの構成に対する等価回路図である。
【図19】図15に示す静電容量式センサにおけるモード切り換えを説明するための図である。
【図20】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る静電容量式センサの模式的な断面図である。
【図21】従来の静電容量式センサの模式的な断面図である。
【図22】図21の静電容量式センサの基板上に形成されている複数の電極の配置を示す図である。
【符号の説明】
1、101、201 静電容量式センサ
11、111 FPC(第1および第2の基板;第1および第2のスイッチ用基板;共通基板)
31 操作ボタン(検知部材)
D0 変位電極(第2の電極)
D1〜D4 容量素子用電極(第1の電極)
D11〜D14 接点電極(第1のスイッチ用電極)
D31〜D34 スイッチ用電極(第2のスイッチ用電極)
D100 変位電極(第1のスイッチ用電極)
D101 変位電極(第2のスイッチ用電極)
D111〜D114 接点電極(第1のスイッチ用電極)
D131〜D134 スイッチ用電極(第2のスイッチ用電極)
D200 変位電極(第2の電極;第1のスイッチ用電極)
D201、D202 ランド(第2のスイッチ用電極)
C1〜C4 容量素子
Claims (6)
- 検知部材と、
前記検知部材と対向している第1の電極と、
前記検知部材と前記第1の電極との間において、前記第1の電極との間で容量素子を構成し且つ前記検知部材が変位するのに伴って、それと同じ方向に変位可能な第2の電極と、
前記検知部材と対向している1または複数の第1のスイッチ用電極と、
前記検知部材と前記第1のスイッチ用電極との間において、前記第1のスイッチ用電極に対向し且つ前記第1のスイッチ用電極から離隔するように設けられていると共に、前記検知部材が変位するのに伴って、前記第1のスイッチ用電極と接触可能な1または複数の第2のスイッチ用電極とを備え、
前記第1および前記第2のスイッチ用電極が、前記検知部材の変位方向について前記第1および前記第2の電極と重なるように配置されており、
前記第1の電極に対して入力される信号を利用して前記第1の電極と前記第2の電極との間隔の変化に起因する前記容量素子の静電容量値の変化が検出されることに基づいて前記検知部材の変位を認識可能であることを特徴とする静電容量式センサ。 - 前記第1の電極に対して前記第2の電極と反対側に配置されており、その表面に前記第1の電極が設けられた第1の基板と、
前記第2の電極に対して前記第1の電極と反対側に配置されており、その表面に前記第2の電極が設けられた第2の基板と、
前記第1のスイッチ用電極に対して前記第2のスイッチ用電極と反対側に配置されており、その表面に前記第1のスイッチ用電極が設けられた第1のスイッチ用基板と、
前記第2のスイッチ用電極に対して前記第1のスイッチ用電極と反対側に配置されており、その表面に前記第2のスイッチ用電極が設けられた第2のスイッチ用基板とをさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の静電容量式センサ。 - 前記第1の基板、前記第2の基板、前記第1のスイッチ用基板および前記第2のスイッチ用基板が、1つの可撓性を有する共通基板であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電容量式センサ。
- 前記第1の電極、前記第2の電極、前記第1のスイッチ用電極および前記第2のスイッチ用電極のいずれもが前記共通基板の一方の面上に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の静電容量式センサ。
- 前記第1および前記第2のスイッチ用電極が、前記第1および前記第2の電極よりも前記検知部材に近接するように配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電容量式センサ。
- 前記第1の電極、前記第2の電極、前記第1のスイッチ用電極および前記第2のスイッチ用電極の組が複数設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電容量式センサ。
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