JP3848818B2 - 生体の代謝状態を解析する装置及び記録媒体 - Google Patents

生体の代謝状態を解析する装置及び記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体の代謝の状態を解析することができるように構成された生体の代謝状態を解析する装置、又は生体の代謝のうちエネルギー代謝状態を解析することにより生体の代謝の状態を解析することができるように構成された生体の代謝状態を解析する装置及び記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の生体の代謝状態を解析する装置としては、例えば、特開平11−216121号公報に開示されている健康管理指針アドバイス装置が知られている。このアドバイス装置は、身体インピーダンスの計測値を健康管理に有益な指針情報に変換する変換手段を備え、前記身体インピーダンス計測値に基づいて前記健康管理に有益な指針情報を提供するものである。
【0003】
前記健康管理に有益な指針情報としては、身体インピーダンスの計測値に基づくエネルギー代謝量の推定によって提供される代謝状態指標が開示されている。このエネルギー代謝量の推定原理は、前記身体インピーダンスの計測値が末梢血管の拡張・収縮による血流量変化と比例し、その血流量変化が代謝を促進すると考えられる酸素供給量及び熱の放散と比例しているというものである。
【0004】
一方、ヒトが体内に蓄えられた糖質、脂質等を酸化してエネルギーを産生する過程は代謝の一プロセスであり、その状態を知ることはヒトの代謝を評価してその人の健康状態を評価する一つの大きな指標となる。この代謝の状態を測定する方法として、例えば、被験者が呼吸マスクをして一定時間運動を行い、吸気と呼気の酸素および二酸化炭素の含有量をガス分析機で測定し、被験者の酸素消費量を求めて、代謝の一状態を評価していた。あるいは、被験者の大気中での体重と水中での体重の差から体脂肪量を求めて、代謝の一状態を評価していた。また、例えば特開平6−114024号公報、特開平7−303617号公報に開示されているように、BI(Bioelectrical Impedancd)法を応用して、生体電気抵抗から、比較的簡便に体脂肪率を計測する方法も開発されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前記従来の健康管理指針アドバイス装置では、身体インピーダンスの計測値のみに基づいてエネルギー代謝量を算出する方法が具体的に開示されているに止まり、その他代謝の状態と深い関連のある身体特定化情報等がエネルギー代謝量(代謝状態指標)の算出に対して、示唆はされているが直接的かつ充分に反映されてはいなかった。このため、このアドバイス装置では、より少ない情報に基づいて、前記指針情報としての代謝状態指標(エネルギー代謝量)の推定を行っていたことから、代謝の状態を的確に表現することは困難であった。
【0006】
一方、前記従来の酸素マスクをして運動をしたり、水中での体重を測定する方法は、精度の高い測定が出来る反面、大がかりな測定装置と測定および解析のための長い時間、被験者の多大な精神的および肉体的な負担を要したり、専門の医師のもとで行わなければならなかったりして、費用や簡便さの上で大きな問題があった。
【0007】
また、BI法を応用して生体内の体脂肪率を測定する方法は、その簡便さから広く普及し始めているが、体脂肪率からは肥満や痩せといった被験者の形態的な特徴を測定するにとどまり、肥満や痩せの病態生理学的機序や治療の選択及び効果を評価するものではなかった。
【0008】
この発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、生体の代謝状態を的確かつ簡便に測定することができるように構成した生体の代謝状態を解析する装置及び記録媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明の生体の代謝状態を解析する装置は、被験者の身体情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された被験者の身体情報を用いて、生体の細胞内好気呼吸の状態を間接的に表す内呼吸指数を算出する制御手段と、前記制御手段で処理された処理結果を出力する出力手段と、
を備え、前記制御手段は、身体情報として入力された被験者の身長H(cm)、体重W(kg)及び生体電気抵抗値Z(Ω)から、式1乃至3のいずれかの計算式を用いて体密度BDを算出する体密度算出手段と、前記体密度算出手段で算出された体密度BDから、式4に代入することによって内呼吸指数を算出する内呼吸指数算出手段とを備えたことを特徴とする。
(式1)は、体密度BD=A−(B×W×Z)/H 2 +C×Zである。但し、Aは定数、B及びCは比例係数である。また、(式2)は、体密度BD=A−(B×W×Z)/H 2 +C×Wである。但し、Aは定数、B及びCは比例係数である。(式3)は、体密度BD=a−(b×W×Z)/H 2 である。但し、a及びbは定数である。(式4)は、内呼吸指数=(BD−1)×1000である。
【0010】
請求項2に記載の発明の生体の代謝状態を解析する装置は、さらに、予め医学的判断によって、内呼吸指数に基づいて決定された代謝状態の評価データを記憶する記憶手段を備え、前記制御手段を、前記算出された内呼吸指数を用いて、前記記憶手段に記憶された評価データを検索するように構成するとともに、前記検索された評価結果を前記出力手段に出力するように構成したことを特徴とするものである。
【0011】
請求項3に記載の発明の生体の代謝状態を解析する装置は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記入力手段から除脂肪量DFTと基礎除脂肪量aWを入力し、前記制御手段は、入力された前記除脂肪量DFTと基礎除脂肪量aWに基づいて式5を用いて差ΔDFTを算出する差ΔDFT算出手段をさらに備えたことを特徴とする。(式4)は、ΔDFT=DFT−aWである。但し、係数aは体重Wに対する基礎除脂肪量の割合を表わす除脂肪量係数である。
【0012】
請求項4に記載の発明の生体の代謝状態を解析する装置は、請求項1乃至請求項3に記載の発明において、前記入力手段から、異なる2時点の初めの時点をA、後の時点をBとし、少なくとも前記異なる2時点において測定された2組の前の時点の体脂肪量FTA、後の時点の体脂肪量FTBが入力され、前記制御手段は、前記体脂肪量FTA,FTBに基づいて式6を用いて脂肪組織からのエネルギー産生量EABを算出するエネルギー生産量算出手段をさらに備えたことを特徴とする。(式6)は、EAB=(FTA−FTB)×bである。但し、係数bは脂肪1gが燃焼された時の脂肪組織からのエネルギー産生量を表すエネルギー係数である。ここで、係数bは脂肪1gを燃焼させるために必要な酸素消費量係数、係数cは脂肪1gを燃焼させた時のエネルギー係数であり、例えば、1gの脂肪を燃焼させたときに必要な酸素の量および生成した二酸化炭素、水、エネルギーの量を表した式、1g・fat+2.023L・Vo2=1.436L・CO2+1.07g・H2O+39.63KJ・Eより、b=1.436と導くことができる。
【0013】
請求項5に記載の発明の生体の代謝状態を解析する装置は、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の生体の代謝状態を解析する装置において、前記入力手段から、異なる2時点の初めの時点をA、後の時点をBとし、少なくとも前記異なる2時点において測定された2組の前の時点の体脂肪量FTA、後の時点の体脂肪量FTBが入力され、前記制御手段は、前記体脂肪量FTA,FTBに基づいて式7を用いて脂肪組織における酸素消費量Vo2ABを算出する酸素消費量算出手段をさらに備えたことを特徴とする。(式7)は、Vo2AB=(FTA−FTB)×c/FTA/TABである。但し、cは脂肪1gが燃焼された時の酸素消費量を表す酸素消費量係数Tであり、上記1gの脂肪を燃焼させたときに必要な酸素の量および生成した二酸化炭素、水、エネルギーの量を表した式より、同様にc=39.63と導くことができる。ABは2時点間の時間差である。
【0014】
請求項6に記載の発明の生体の代謝状態を解析する装置は、請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の生体の代謝状態を解析する装置であって、被験者の代謝に関連する身体情報を用いて被験者の代謝関連指標を算出する制御手段を備えた中央解析コンピュータと、その中央解析コンピュータに通信手段を介して接続される入出力端末機器とを備え、前記入出力端末機器は、被験者の身体情報を入力する入力手段と、前記中央解析コンピュータにより算出処理された結果を出力する出力手段とを備え、前記入出力端末機器の入力手段に被験者の身体情報を入力し、その入力された被験者の身体情報を、前記通信手段を介して中央解析コンピュータに送信し、前記中央解析コンピュータの制御手段に、前記送信された被験者の身体情報を用いて代謝関連指標を算出させ、その算出された代謝関連指標を、前記通信手段により入出力端末機器に送信して出力手段に出力させるように構成したことを特徴とする。
【0015】
請求項7に記載の発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体では、コンピュータを、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の生体の代謝状態を解析する装置として機能させるためのプログラムを記録させたことを特徴とする。
【0023】
請求項3に記載の発明における除脂肪量、請求項4又は5に記載の発明における体脂肪量は、いかなる算出手段で算出されていてもよく、例えばMRI(磁気共鳴画像診断法)、CT(コンピュータX線断層撮影法)等により取得されたデータに基づいて算出されたもの、身長、体重および生体電気抵抗の測定値に基づいて算出されたもの等が挙げられる。
【0025】
請求項6に係る発明の生体の代謝状態解析する装置においては、体重はあらかじめ汎用されている体重計を用いて測定した値をキーボード等で入力させ、記憶させてもよく、体重計を解析装置に接続し、直接にデータを取り込んでもよい。除脂肪量、または体脂肪量はまたあらかじめ算出された値をキーボード等を用いて直接入力させ、記憶させてもよく、それらの算出手段を解析装置に備え、上記のデータに基づいて除脂肪量、または体脂肪量を算出し、記憶させてもよい。この場合、上記の算出手段は、簡便さの点から身長、体重および生体電気抵抗の測定値に基づいて算出される算出手段であることが好ましい。身長および体重の測定値としては、汎用されている身長計および体重計と同様のものを用いて測定した測定値を用いることができる。また、生体電気抵抗の測定値としては、1対の電極間に微弱な電流を流すことにより測定した測定値を用いることができる。測定は、一般的に行われているように、両手あるいは両足に電極を密着させて行われていてもよく、また体表面の任意の2点に電極を密着させ、体表面の任意の2点間の生体電気抵抗が測定されていてもよい。
【0026】
また、上記のデータを取得するために、例えばMRI処理装置、CT装置、身長計、体重計、生体電気抵抗測定装置等を解析装置に接続し、直接にデータを取り込むこともできる。
【0033】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化したエネルギー代謝状態の解析方法および装置の第1実施形態について、図1〜図4を参照しつつさらに詳細に説明する。
【0034】
まず、本実施形態のエネルギー代謝状態の解析方法による解析手順について、図1に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
解析を開始すると、まずS100で、時点Aにおける時刻TA、除脂肪量DFTA、体脂肪量FTA、または体水分量H2OAを算出するために必要なデータDataTA、および必要に応じて体重WAが入力される。データDataTAは例えば身長、体重および生体電気抵抗の測定値であってもよく、MRI(磁気共鳴画像診断法)、CT(コンピュータX線断層撮影法)等により取得されたデータであってもよい。ここで、体水分量の変化量、体脂肪量の変化量、脂肪組織における酸素消費量または脂肪組織からのエネルギー産生量を算出しようとする場合は、異なる2時点のデータが必要であるため、例えば時点Aおよび時点Bにおける測定時刻TA、TBおよび各測定時刻におけるデータDataTA、DataTBが入力される。測定時刻TA、TBおよびデータDataTA、DataTBは、データ処理部2内の記憶部5に記憶される(図2を併せて参照)。
【0035】
このとき、時点A−時点B間において、例えば仕事、運動、食事摂取、薬物投与などを行ってもよく、香り、画像、音楽等により刺激を与えてもよい。このような場合には、それらの行動や刺激が被験者のエネルギー代謝に及ぼす影響についての評価を行うことが可能となる。
【0036】
S110では、除脂肪量と基礎除脂肪量との差ΔDFT、除脂肪量の変化量ΔDFTAB、体脂肪量の変化量ΔFTAB、体水分量の変化量ΔH2OAB、脂肪組織における酸素消費量Vo2ABまたは脂肪組織からのエネルギー産生量EABのうち、解析したい項目を選択し、入力する。
【0037】
すると、データがデータ処理部2内の記憶部5から、演算部4に送られ、算出が行われる。除脂肪量と基礎除脂肪量との差ΔDFTを選択した場合には、S121に進み、例えばデータDataTAより時点Aにおける除脂肪量DFTAが求められ、次いで、S131で基礎除脂肪量aWが求められる。次に、S141で時点Aにおける除脂肪量DFTAが、式
ΔDFT=DFT−aW
に導入され(ここで、DFTの値として時点Aにおける除脂肪量DFTAを、Wの値として時点Aにおける体重WAを導入する)除脂肪量と基礎除脂肪量との差ΔDFTが求められる。
【0038】
除脂肪量の変化量ΔDFTABを選択した場合には、S121に進み、データDataTA、DataTBより時点Aにおける除脂肪量DFTA、DFTBが求められる。次に、S142で除脂肪量DFTA、DFTBが、式
ΔDFTAB=DFTB−DFTA
に導入され、除脂肪量の変化量ΔDFTABが求められる。
【0039】
体水分量の変化量ΔH2OABを選択した場合には、S122に進み、データDataTA、DataTBより時点Aにおける体水分量H2OA、H2OBが求められる。次に、S143で体水分量H2OA、H2OBが、式
ΔH2OAB=H2OB−H2OA
に導入され、体水分量の変化量ΔH2OABが求められる。
【0040】
体脂肪量の変化量ΔFTABを選択した場合には、S123に進み、データDataTA、DataTBより時点Aにおける体脂肪量FTA、FTBが求められる。次に、S144で体脂肪量FTA、FTBが、式
ΔFTAB=FTA−FTB
に導入され、体脂肪量の変化量ΔFTABが求められる。
【0041】
さらに、脂肪組織における酸素消費量Vo2ABを選択した場合には、S151に進み、式
Vo2AB=(FTA−FTB)×c /FTA/TAB
より、脂肪組織における酸素消費量Vo2ABが求められる。また、脂肪組織からのエネルギー産生量EABを選択した場合には、S152に進み、式
EAB=(FTA−FTB)×b
より、脂肪組織からのエネルギー産生量EABが求められる。
【0042】
S160で、算出された除脂肪量と基礎除脂肪量との差ΔDFT、除脂肪量の変化量ΔDFTAB、体脂肪量の変化量ΔFTAB、体水分量の変化量ΔH2OAB、脂肪組織における酸素消費量Vo2ABまたは脂肪組織からのエネルギー産生量EABは、表示部6に表示され、エネルギ−代謝状態の解析を行うことができる。ここで、時点Aが時点Bより前であるとき、それぞれの値が正に大きいほどエネルギー代謝が亢進していることを表す。このとき、測定データDataTAや、S100で入力された個人データなどを併せて表示させてもよい。
【0043】
図2には、本実施形態のエネルギー代謝状態の解析装置1の原理ブロック図を示す。この解析装置1においては、体重、除脂肪量、体脂肪量、または体水分量を入力、あるいは除脂肪量、体脂肪量、または体水分量を算出するために必要なデータを入力する入力手段7と、入力されたデータや算出結果を表示する表示部6(本発明の表示手段に該当する)とが、入出力インターフェイス3を介してデータ処理部2に接続されている。データ処理部2内には、除脂肪量、体脂肪量、または体水分量を算出するために必要なデータから、除脂肪量、体脂肪量、または体水分量を算出し、また、除脂肪量と基礎除脂肪量との差、除脂肪量の変化量、体脂肪量の変化量、体水分量の変化量、脂肪組織における酸素消費量を算出する演算部4(本発明の算出手段および演算手段に該当する)と、データ、算出結果等を記憶する記憶部5(本発明の記憶手段に該当する)とが備えられている。
【0044】
図3には、本発明を具現化したエネルギー代謝状態の解析装置1の側面図を示す。この解析装置1には、データ処理装置2(図2のデータ処理部2に該当する)、ディスプレイ6(図2の表示部6に該当する)、キーボード8、身長測定部9、体重測定部10、および生体電気抵抗測定部11,12(図2の入力手段7に該当する)が備えられている。
【0045】
解析装置1の測定台16には、被験者Mの体重を測定するための体重測定部10が、埋め込まれるように設置されている。また、測定台16の一端には柱部15が立設され、柱部15には被験者Mの身長を測定するための身長測定部9が備え付けられている。柱部15の身長測定部9の下方には、パネル部14が設けられており、パネル部14には、キーボード8およびディスプレイ6が備え付けられている。
【0046】
この解析装置1には、電極11、12が備えられており、電極11は、足用電極11A、手用電極11B、電極パッド12により構成されている。足用電極11Aは、体重測定部10に埋め込まれるように設置され、被験者Mの左右の足裏を密着させて測定が行えるようにされている。足用電極11Aは、各足に対して1個ずつの2電極でもよいが、体表面と足用電極11Aとの接触抵抗を低減させ、測定精度を向上させる目的で、各足に対して2個ずつ配置することが好ましい。また、パネル部14上には、手用電極11Bが設置されていて、被験者Mの左右の手の平をそれぞれ密着させて測定が行えるようにされている。手用電極11Bも、足用電極11Aと同様に、各手に対して1個ずつでもよいが、測定精度の向上のために各手に対して2個ずつ配置することが好ましい。足用電極11Aおよび手用電極11Bは、図示しない内部回路の切り替えにより、例えば右手−左手間、右手−右足間など、任意の2つの電極間の生体電気抵抗を測定することが可能とされている。
【0047】
また、パネル部14側方には、2組の電極パッド12が、接続コード13を介して接続されている。1組の電極パッド12は、電流を流す電流電極12Aと、電圧を計測する電圧電極12Bから構成されている。そして、2組の電極パッド12を、体表面の任意の2点に密着させることにより、任意の2点間の生体電気抵抗の測定が可能とされている。例えば、図4a)に示すように、ももの両端に電極パッド12を配置し、生体電気抵抗を測定すると、被験者Mのももの筋組織の代謝の状態を強く反映した情報を得ることができる。また、図4b)のように、被験者Mの右肩の前後に電極パッド12を配置して生体電気抵抗を測定すると、被験者Mの右肩の筋組織の代謝の状態を強く反映した情報を得ることができる。また、図4c)のように、被験者Mの腹部および背部に電極パッド12を配置して生体電気抵抗を測定すると、被験者Mの腹部の臓器の代謝の状態を強く反映した情報を得ることができる。
【0048】
測定台16上のパネル部14下方には、データ処理装置2が設置されている。なお、図示はしないが、身長測定部9、体重測定部10、パネル部14および電極11,12は、入出力インターフェイス3を介してデータ処理装置2に接続されている。
【0049】
上記のように構成されたエネルギー代謝状態の解析装置1に、キーボード8から時点Aにおける測定時刻TAが入力される。
すると、身長測定部9および体重測定部10に測定の指示が送られる。体重WAは、被験者Mが体重測定部10上に直立静止することにより、自動的に測定される。身長HAは、被験者Mが柱部15の前に直立した状態で身長測定部9によりレーザを上下にスキャンさせ、被験者Mの頭頂部の位置を計測することにより、自動的に測定される。
【0050】
次に、生体電気抵抗Rを測定する電極11または12を選択し、キーボード8より入力する。手用電極11Bまたは足用電極11Aを選択する場合には、右手−左手、右足−左足、右手−右足、右手−左足、左手−右足、左手−左足の6通りの経路から、任意の一つ以上を選択することができる。また、電極パッド12を選択することもできる。
【0051】
電極11、12を選択すると、生体電気抵抗測定部11,12に測定の指示が送られる。すると、電極間に微弱な電流が流されて、生体電気抵抗RAの測定が行われる。手用電極11Bまたは足用電極11Aを選択した場合には、手用電極11Bに手のひらの皮膚が直接接するように押し当て、または足用電極11Aに足裏の皮膚が直接接するように押し当てることにより、自動的に測定が行われる。また、電極パッド12を選択した場合には、2組の電極パッド12を、体表面の任意の2点に密着させることにより、自動的に測定が行われる。このとき、図示しない内部回路の切り替えにより、複数の経路についての生体電気抵抗RAの測定が一度に行われてもよい。
【0052】
次に、除脂肪量と基礎除脂肪量との差ΔDFT、除脂肪量の変化量ΔDFTAB、体脂肪量の変化量ΔFTAB、体水分量の変化量ΔH2OAB、脂肪組織における酸素消費量Vo2ABまたは脂肪組織からのエネルギー産生量EABより、解析したい項目を選択し、キーボード8から入力する。
【0053】
すると、体重WA、身長HA、生体電気抵抗RAはデータ処理装置2内の演算部4に送られ、時点Aにおける除脂肪量DFTA、体脂肪量FTAまたは体水分量H2OAが算出される。これらの算出値は、データ処理装置2内の記憶部5に送られ、記憶される。
【0054】
ここで、除脂肪量の変化量ΔDFTAB、体脂肪量の変化量ΔFTAB、体水分量の変化量ΔH2OAB、脂肪組織における酸素消費量Vo2ABまたは脂肪組織からのエネルギー産生量EABを算出しようとする場合は、上記の過程を所定の間隔をおいて2回以上繰り返して行わせる。このとき、次の測定までの間に例えば仕事、運動、食事摂取、薬物投与などを行ってもよく、香り、画像、音楽等により刺激を与えてもよい。このような場合には、それらの行動や刺激が被験者のエネルギー代謝に及ぼす影響についての評価を行うことが可能となる。
【0055】
次に、解析したい項目として、除脂肪量と基礎除脂肪量との差ΔDFTを選択した場合には、データ処理装置2内の記憶部5に記憶されていた、時点Aにおける体重WAおよび除脂肪量DFTA、が演算部4に送られ、算出が実行される。また、除脂肪量の変化量ΔDFTAB、体脂肪量の変化量ΔFTAB、体水分量の変化量ΔH2OAB、脂肪組織における酸素消費量Vo2ABまたは脂肪組織からのエネルギー産生量EABを選択した場合には、データ処理装置2内の記憶部5に記憶されていた、異なる2時点A、Bにおける除脂肪量DFTA、DFTB、体脂肪量FTA、FTBまたは体水分量H2OA、H2OBが演算部4に送られ、算出が実行される。算出されたそれぞれの値は、ディスプレイ6に表示される。
【0056】
以上のように、本実施形態によれば、エネルギー代謝の状態を現す有効な指標である除脂肪量と基礎除脂肪量との差、除脂肪量の変化量、体脂肪量の変化量、体水分量の変化量、脂肪組織からのエネルギー産生量および脂肪組織における酸素消費量が的確かつ簡便に求められる。これにより、多大な負担を強いることなく、エネルギー代謝の状態を解析することができ、適切な病態診断、治療の選択、治療効果の判定をするために役立てることができる。
【0057】
本実施形態のエネルギー代謝状態の解析方法および装置により求められる除脂肪量の基礎除脂肪量との差、除脂肪量の変化量、体脂肪量の変化量、体水分量の変化量とは、一定時間内に一定の生理学的条件下で、燃料である脂肪が水と二酸化炭素に変換された量を示し、その値が正に大きいほどエネルギ−代謝が亢進していることを表す。また、脂肪組織からのエネルギー産生量および脂肪組織における酸素消費量は、脂肪が水と二酸化炭素に変換される際に使用された酸素量と、産生されたエネルギー量を示し、その値が正に大きいほど脂肪組織におけるエネルギ−代謝が亢進していることを表す。酸素を用いた好気呼吸は、酸素を使用しない嫌気呼吸よりもエネルギー産生効率がはるかによく、除脂肪量の基礎除脂肪量との差、除脂肪量の変化量、体脂肪量の変化量、体水分量の変化量、脂肪組織からのエネルギー産生量および脂肪組織における酸素消費量の増加は好気呼吸によるエネルギー代謝が脂肪細胞内で活発に行われていることを意味し、逆にそれらの低下は好気呼吸によるエネルギー代謝が活発に行われていないことを意味する。よって、これらを年齢、性別、種族を一致させた被験者で解析し比較することで、エネルギー代謝の状態を把握することができる。
【0058】
また、本実施形態のエネルギー代謝状態の解析装置によれば、体表面の任意の2点に1対の電極を接触させ、任意の2点間の生体電気抵抗を測定することができる。これにより、特定の部位の代謝の状態を測定でき、その部位に関連した疾患の診断及び治療効果の判定に応用が可能である。例えば、右手−右足間の生体電気抵抗からは主に右半身の代謝の状態が分かり、左手−左足間の生体電気抵抗からは主に左半身の代謝の状態が分かる。これにより、脳血官障害の発症初期診断や片麻痺になった場合の代謝の状態が測定でき、治療の効果や経過、予後の判断に用いることができる。さらに、悪性腫瘍が身体のある部位に限局している場合も、該当部位の代謝を測定することにより、早期診断が可能となる。
【0059】
以上のように、本実施形態のエネルギー代謝状態の解析方法および装置は、肥満、痩せ、糖尿病、摂食異常症といった代謝異常症の病態診断、治療の選択、治療効果の判定をする上で有用である。また、悪性腫瘍、感染症、炎症性疾患、外傷、免疫性疾患、内分泌疾患などに伴う代謝の状態の診断、治療にも用いることができる。さらに、脂肪組織における酸素消費量は化学受容体によって調節されており、この化学受容体は自律神経系の制御を受けるため、自律神経系の機能検査にも有用である。交感神経系の刺激は脂肪組織における酸素消費量と脂肪組織からのエネルギー産生量を増加させ、交感神経系の刺激伝達障害が存在すると脂肪組織における酸素消費量と脂肪組織からのエネルギー産生量が低下するため、内分泌疾患、呼吸不全、腫瘍、感染、炎症、外傷性疾患などの二次的に代謝に影響を及ぼす基礎疾患が除外された被験者に対して、脂肪組織における酸素消費量の測定は交感神経系の脂肪代謝に関する活性度の指標にもなりうる。
(第2実施形態)
以下、この発明を具体化した第2実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0060】
図5に示すように、生体の代謝状態解析装置20は、被験者の身体情報を入力する入力手段21と、その入力手段21で入力された被験者の身体情報を処理する制御手段22と、その制御手段22で処理された処理結果等を出力する出力手段23と、を備えている。さらに、この解析装置20は、生体の代謝状態解析プログラムを記録した記録媒体24(例えばフロッピーディスク)より同解析プログラムを読取り可能に構成された読取り装置25と、その読取られた解析プログラム等を蓄積及び保存可能に構成されたデータファイル26と、を備えている。
【0061】
入力手段21は、制御手段22と電気的に接続された図示しないキーボード又はマウスによって構成され、前記被験者の身体情報を入力することができるようになっている。この入力手段21は、前記被験者の身体情報を構成する被験者の特定情報、物理学的情報及び時間情報を入力することができるように構成されている。前記物理学的情報は、形態学的情報及び電気的情報から構成されている。
【0062】
前記特定情報としては、被験者の氏名、年齢、性別、人種が入力される。また、前記形態学的情報としては、被験者の身長H及び体重Wが入力され、前記電気的情報としては被験者の生体電気抵抗値Zが入力される。また、前記時間情報としては、前記被験者の身長H、体重W及び生体電気抵抗値Zを測定したときの測定日時が入力される。
【0063】
前記生体電気抵抗値Zは、被験者の身体表面の任意の2点に密着させた電極間に微弱な電流を流すことによって測定される電流電圧値から求められる生体の電気抵抗値(インピーダンス)である。この生体電気抵抗値Zは、前記電極を密着させた2点間の中間位置に存在する生体組織の電気抵抗値を計測し、例えば、右手―右足間の生体電気抵抗値からは主に右半身の電気抵抗値が計測され、右足―左足間の生体電気抵抗値からは主に下半身の電気抵抗値が計測され、右手―左手間の生体電気抵抗値からは主に上半身の電気抵抗値が計測されるようになっている。
【0064】
制御手段22は、中央処理装置(CPU)と、この解析装置20のオペレーションソフトプログラム等を格納したリードオンリメモリ(ROM)と、CPUが処理する処理結果等を一時的に保存するためのランダムアクセスメモリ(RAM)と、から構成されている。
【0065】
CPUは、読取り装置25と電気的に接続され、前記記録媒体24に記録された解析プログラムを読取ることができるように構成されている。この解析プログラムは、生体の代謝状態を解析するためのアプリケーションソフトからなる制御プログラムと、その制御プログラムに従って処理された演算処理結果を評価するための種々の評価データと、を備えている。
【0066】
CPUは、データファイル26と電気的に接続されている。このデータファイル26は、前記読取り装置25を介して記録媒体24から読取られた解析プログラムを蓄積及び保存(記憶)することができるように構成されている。さらに、このデータファイル26は、前記入力手段21で入力された被験者の身体情報と、その身体情報及び前記評価データに基づいて評価された代謝状態に関する被験者の評価結果と、を蓄積及び保存(記憶)することができるように構成されている。
【0067】
すなわち、CPUは、前記データファイル26に記憶された制御プログラムに従って、内呼吸指数、ボディ・マス・インデックス(Body Mass Index;以下、BMIと略記する)の算出等の種々の演算処理を実行するとともに、その演算処理結果に基づいてデータファイル26に記憶されている種々の評価データを検索するように構成されている。
【0068】
前記内呼吸指数は、生体の細胞内好気呼吸の状態を間接的に表す指標として、生体の代謝状態を容易かつ的確に表現することができるうえ、被験者等に感覚的に理解しやすくなるように工夫が凝らされている。この内呼吸指数は、被験者の体密度BDを測定することによって算出される指数である。前記体密度BDは、被験者の身長H(cm)、体重W(kg)及び生体電気抵抗値Z(Ω)を、公知の計算式、例えば下記数式(1a)、数式(1b)又は数式(2)に代入することによって算出され得る。
【0069】
体密度BD = A −(B×W×Z)/H2+C×Z ……(1a)
但し、Aは定数、B及びCは比例係数。
体密度BD = A −(B×W×Z)/H2+C×W ……(1b)
但し、Aは定数、B及びCは比例係数。
【0070】
体密度BD = a−(b×W×Z)/H2 ……(2)
但し、a及びbは定数。
そして、前記内呼吸指数は、前記数式(1a)、数式(1b)又は数式(2)で算出された被験者の体密度BDを下記数式(3)に代入することによって算出される。
【0071】
内呼吸指数 =(BD−1)×1000 ……(3)
なお、本実施形態において、内呼吸指数は、体密度BDを用いて算出されるものを言い、生体電気抵抗値Zのみによって算出されるものではない。従って、この内呼吸指数は、代謝状態と関連の深い要素である被験者の身長H及び体重Wが勘案されたものであり、前記従来の健康管理指針アドバイス装置と比較して、より一層代謝状態を的確に表現することができるものである。
【0072】
一方、前記BMIは、公知の肥満を表す指標の1種であり、被験者の身長H(m)及び体重W(kg)を下記数式(4)に代入することによって算出される。
BMI = W/H2 ……(4)
前記評価データとしては、代謝状態の評価データ、形態学的特徴の評価データ及び代謝形態学的健康状態の評価データが含まれる。前記代謝状態の評価データは、予め医学的判断によって被験者の年齢、性別、人種及び内呼吸指数に基づいて決定されたものであり、形態学的特徴の評価データは、予め医学的判断によって被験者の人種及びBMIに基づいて決定されたものである。
【0073】
例えば、日本人の場合における前記代謝状態の評価データの例を下記表1及び表2に示すとともに、形態学的特徴の評価データの例を下記表3に示す。なお、表1の内呼吸指数は前記数式(1b)及び数式(3)によって算出された内呼吸指数に基づいて決定されたものであり、表2の内呼吸指数は前記数式(2)及び数式(3)によって算出された内呼吸指数に基づいて決定されたものである。
【0074】
【表1】
Figure 0003848818
【0075】
【表2】
Figure 0003848818
【0076】
【表3】
Figure 0003848818
また、前記代謝形態学的健康状態の評価データは、予め医学的判断によって、前記代謝状態の評価データと、形態学的特徴の評価データとの組合せに基づいて決定されたものである。上記日本人の場合を例にした代謝形態学的健康状態の評価データを下記表4に示す。
【0077】
【表4】
Figure 0003848818
一方、このデータファイル26は、上記入力手段21で入力された被験者の身体情報、前記制御手段22によって演算処理された被験者の内呼吸指数及びBMI(以下、演算処理結果と記載する)、並びに前記制御手段22によって検索された被験者の代謝状態の評価結果、形態学的特徴の評価結果及び代謝形態学的健康状態の評価結果(以下、評価結果と記載する)を被験者毎にまとめて記憶するように構成されている。このまとめて記憶されたデータ(以下、ファイルデータと記載する)は、データファイル26内でファイル形式で記憶される。
【0078】
出力手段23は、制御手段22と電気的に接続された図示しないモニタによって構成されている。この出力手段23は、前記被験者の身体情報、演算処理結果及び評価結果をモニタ画面上に出力表示する。さらに、この出力手段23は、同じ被験者の身体情報がデータファイル26に記憶されている場合には、その記憶されているファイルデータの全て又は最新のデータの一部を同時に出力表示するようになっている。
【0079】
上記代謝状態解析装置20による生体の代謝状態の解析方法を説明する。
この生体の代謝状態解析装置20を使用する際には、まず、被験者の身体情報を構成する身長H、体重W及び生体電気抵抗値Zを公知の測定方法を用いて測定する。次に、図6に示すように、入力手段21からCPUに開始信号を入力するとともに、ステップS200(以下、S200とのみ記載する。その他のステップについても同様である)において、被験者の身体情報としての被験者の氏名、年齢、性別及び人種、並びに前記測定された被験者の身長H、体重W、生体電気抵抗値Z及び測定日時を入力する。
【0080】
前記入力手段21からの入力により、CPUはまず、S210において、前記被験者の身長H、体重W及び生体電気抵抗値Zから内呼吸指数を算出して一時的にRAMに記憶させる。続いて、CPUはS220において、データファイル26に記憶されている代謝状態の評価データを検索し、前記被験者情報と、前記算出された内呼吸指数との組合せによる評価を行って代謝状態の評価結果を一時的にRAMに記憶させる。
【0081】
次に、CPUはS230において、前記被験者の身長H及び体重WからBMIを算出して一時的にRAMに記憶させる。続いて、CPUはS240において、データファイル26に記憶されている形態学的特徴の評価データを検索し、前記算出されたBMIの評価を行って形態学的特徴の評価結果を一時的にRAMに記憶させる。
【0082】
次に、CPUはS250において、データファイル26に記憶されている代謝形態学的健康状態の評価データを検索し、前記評価された代謝状態の評価結果と、形態学的特徴の評価結果との組合せによる評価を行って代謝形態学的健康状態の評価結果を一時的にRAMに記憶させる。
【0083】
次に、CPUはS260において、同じ被験者の身体情報がデータファイル26に記憶されているか否かを判断する。このとき、同じ被験者の身体情報がデータファイル26に記憶されていた場合にはCPUはS270の処理を行い、記憶されていなかった場合にはS280の処理を行う。なお、データファイル26内に記憶されているファイルデータのファイル名として、被験者を確実に特定することができるとともにその情報内容が変わらない不変特定情報である被験者の氏名を記載することによって、前記S260におけるCPUの判断を容易に行うことができる。
【0084】
S270において、CPUはデータファイル26から前記同じ被験者のファイルデータを読出してモニタ画面上に出力表示させるとともに、上記RAMに一時的に記憶された被験者の身体情報、演算処理結果及び評価結果を読出してモニタ画面上に出力表示させる。続いて、CPUはS290において、前記モニタ画面上に出力表示された被験者の身体情報、演算処理結果、評価結果及びファイルデータ全てをまとめて、データファイル26のファイルデータ上に上書保存して記憶させる。その後、CPUはS200に戻って同様の処理を繰り返す。
【0085】
一方、S280において、CPUは上記RAMに一時的に記憶された被験者の身体情報、演算処理結果及び評価結果を読出してモニタ画面上に出力表示させる。続いて、CPUはS300において、前記モニタ画面上に出力表示された被験者の身体情報、演算処理結果及び評価結果をまとめてデータファイル26に別名保存して記憶させる。なお、このデータファイル26に別名保存する際のファイル名は、不変特定情報である被験者の氏名をそのまま用いるのが好ましい。その後、CPUはS200に戻って同様の処理を繰り返す。
【0086】
さらに、被験者は、上記身長H、体重W及び生体電気抵抗値Zを測定したときとは異なる生理学的状態下で、改めて身長H、体重W及び生体電気抵抗値Zを測定し(このとき、身長Hの変化がほとんど見られない場合には改めて測定する必要はない)、その測定結果と上記被験者の身体情報とを代謝状態解析装置20の入力手段21に入力して解析するのがより好ましい。
【0087】
このとき、特に生体電気抵抗値Zの日内変動等による測定誤差を低減させてより的確な解析結果を得ることができる。さらに、異なる生理学的状態下の少なくとも2時点における内呼吸指数を算出することにより、それらの差を導出すことができることから、代謝状態の変化を明確に数値化することができ、解析や診断の補助となり得る。
【0088】
前記異なる生理学的状態下の組合せとしては、例えば、下記(a)〜(v)に示されるような組合せが挙げられる。
(a) 夜間絶食起床後空腹時と就寝前までの生活時間帯の中で少なくとも1回以上の別の時間
(b) 夜間絶食起床後空腹時とぶどう糖経口投与後
(c) 夜間絶食起床後空腹時と運動負荷後
(d) 夜間絶食起床後空腹時と薬物投与後
(e) 前記(d)で記載の薬物の少なくとも1つは、β3−アドレナリン作動性受容体促進薬(beta3-adrenergic agonists)又はレプチン(leptin)を含む。
【0089】
(f) 食物、有機化合物、自然配合物及び飲物から選ばれる少なくとも1種を摂取する前後
(g) 家事、散歩、体操、スポーツ等主に肉体的な運動をする前後
(h) 勉強、事務仕事、知的創作等主に精神的な労働をする前後
(i) 睡眠の前後
(j) 薬物投与又は服用の前後
(k) 入浴、サウナ、寒冷被曝等被験者の存在する室温、環境温を変える前後
(l) 身体の局所に温冷刺激を加える前後
(m) 痛覚刺激を加える前後
(n) 接触や摩擦等触覚刺激を加える前後
(o) 指圧やマッサージ等の鈍的圧力刺激を身体表面に加える前後
(p) 鍼等の鋭的圧力刺激を身体表面に加える前後
(q) 振動刺激を加える前後
(r) 音や音楽等の聴覚刺激を加える前後
(s) 明暗、色彩、画像等の視覚刺激を加える前後
(t) 香りや臭い等の嗅覚刺激を加える前後
(u) 禅、ヨガ、瞑想等睡眠ではない精神的な休息を与える前後
(v) 気巧や念力等気による刺激を加える前後
上記実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
【0090】
・ 実施形態の生体の代謝状態解析装置20は、被験者の身体情報を入力する入力手段21と、その入力手段21で入力された被験者の身体情報を用いて内呼吸指数及びBMIを算出する制御手段22と、その制御手段22で算出された内呼吸指数及びBMIを出力する出力手段23とを備えている。このため、生体の代謝状態を的確かつ簡便に測定することができる。さらに、生体の代謝状態を的確に表現することができる新規な指標としての内呼吸指数と、生体の代謝状態に深い関連のあるBMIとを組合わせて生体の代謝状態(代謝形態学的健康状態)を評価することができることから、生体の代謝状態をより包括的かつ的確に解析評価することができる。また、前記内呼吸指数のみについても、前記従来の健康管理指針アドバイス装置によるエネルギー代謝量の推定と比較して、生体の代謝状態と深い関連のある被験者の身長H及び体重Wを考慮に入れた算出式により算出されていることから、生体の代謝状態をより一層的確に表現することができるものである。
【0091】
また、この内呼吸指数は、被験者の身長H、体重W及び生体電気抵抗値Zを測定することによって容易に算出することができることから、家庭や職場等の非医療施設における日常生活の中でも非常に手軽に代謝状態の評価を行うことができる。従って、多くの慢性代謝疾患等の自覚症状が出にくい隠れた代謝異常を来たす疾患の発見にも応用することができる。
【0092】
また、この解析装置20は、異なる生理学的状態下の2時点において解析する必要はなく、1時点における解析結果のみでも充分に代謝状態を解析評価することができるように構成されている。このため、例えば、病院の外来患者に対し診断の場ですぐに(短時間で)結果が得られ、その得られた結果に基づいてその場で医師による診断を行うことができる。
【0093】
・ 被験者の身体情報として、被験者の身長H、体重W及び生体電気抵抗値Zを入力手段21に入力するように構成することによって、内呼吸指数及びBMIの両者を容易に算出することができることから、生体の代謝状態を容易に解析することができる。さらに、この解析装置20は、被験者の身体情報として、被験者の氏名、年齢、人種及び測定日時を入力することができるようになっている。このため、前記被験者の年齢及び人種を入力することによって、被験者の代謝状態をより的確かつ詳細に解析評価することができる。
【0094】
さらに、被験者の身長H、体重W及び生体電気抵抗値Zを測定した測定日時を入力することによって、被験者の生理学的状態との関連で代謝状態を評価、診断することができることから、より的確な評価を行うことができる。すなわち、生体電気抵抗値Z(場合によっては体重Wも)はかなりの日内変動があることが知られており、一般に起床直後から朝は比較的高値を示し、夕方にかけては低値で安定化する傾向を示し、さらに就寝近くになると少しずつ上昇する傾向がある。また、運動、発汗、飲食等によっても影響を受けることが知られている。このため、測定日時を同時に出力手段23に出力表示させることによって、これらの影響を勘案した評価、診断が可能となる。
【0095】
また、不変特定情報として被験者の氏名を入力することによって、データファイル26における被験者のファイルデータの管理を容易に行うことができる。このため、上記S260において、同じ被験者のファイルデータが存在するか否かの判断を容易に行わせることができて便利である。
【0096】
・ この解析装置20は、記憶手段としてのデータファイル26を備えていることから、医学的及び健康学的に生体の代謝状態を容易に評価することができる。すなわち、前記データファイル26は、予め医学的判断によって内呼吸指数に基づいて決定された表1又は表2に示される代謝状態の評価データを記憶していることから、被験者の代謝状態の評価を容易に行うことができるとともに、予め医学的判断によってBMIに基づいて決定された表3に示される形態学的特徴の評価データを記憶していることから、被験者の形態学的特徴の評価を容易に行うことができる。さらに、このデータファイル26は、前記代謝状態の評価データと形態学的特徴の評価データとの組合せによる代謝形態学的健康状態の評価データを記憶していることから、被験者の代謝形態学的健康状態の評価を容易に行うことができる。
【0097】
・ この解析装置20は、出力手段23により出力された情報としての被験者の身体情報、演算処理結果及び評価結果を記憶する記録手段としてのデータファイル26を備えるとともに、そのデータファイル26に記憶された処理結果等を出力手段23に出力するように構成されている。このため、異なる生理学的状態における代謝状態を容易に比較しながら評価、診断することができることから、被験者の代謝状態を容易かつ的確に推測することができる。
【0098】
さらに、上記S290において、前記出力手段23に出力された情報を、同じ被験者の情報と同じファイルデータにまとめて上書保存するように構成されている。このため、過去に遡って同じ被験者の情報を容易に閲覧することができるうえ、ファイルデータの管理を容易に行うことができる。
【0099】
・ 異なる生理学的状態下において測定された少なくとも2時点における被験者の身体情報を解析することによって、より誤差の少ない的確な評価、診断を行うことができる。さらに、異なる生理学的状態下の少なくとも2時点において解析された内呼吸指数等の差を容易に導出すことができることから、代謝状態の変化等を明確に数値化することができ、解析や診断の補助となり得る。
(第3実施形態)
以下、第3実施形態を、上記各実施形態を適宜参照しつつ説明する。
【0100】
図7に示すように、第3実施形態の生体の代謝状態解析装置30は、第1端末コンピュータ31及びその他複数の端末コンピュータ31a,31bと、中央解析コンピュータ32と、それら各コンピュータ31,31a,31bと中央解析コンピュータ32との間を接続する通信手段を構成する通信回線33とを備えている。前記通信回線33は、例えば、インターネット、イントラネット、電話回線、無線通信等のオンライン通信回線が使用される。
【0101】
第1端末コンピュータ31及びその他の端末コンピュータ31a,31bは、各被験者によって操作される。また、医師又は看護婦によって操作されてもよい。なお、前記その他の端末コンピュータ31a,31bは以下特に説明しないが、いずれも第1端末コンピュータ31と同様の構成、作用及び効果を有する。
【0102】
この第1端末コンピュータ31は、被験者の身体情報を入力する第1入力手段41(キーボード)と、この第1端末コンピュータ31の制御を行う第1制御手段42(第1CPU、ROM及びRAMから構成される)と、被験者の代謝状態に関する処理結果等を出力表示するための第1出力手段43(モニタ)とを備えている。さらに、この第1端末コンピュータ31は、前記通信回線33と接続される送受信手段44と、この第1端末コンピュータ31と中央解析コンピュータ32との間の情報の送受信等を行わせるためのアプリケーションソフトプログラムを記憶させた第1記憶手段45と、前記第1出力手段43に出力される処理結果等を記録するための記録手段としての第1記録手段46とを備えている。
【0103】
中央解析コンピュータ32は、前記第1端末コンピュータ31の第1入力手段41から入力された被験者の身体情報等を用いて被験者の代謝関連指標を算出する中央解析制御手段51と、予め医学的判断によって代謝関連指標に基づいて決定された代謝状態に関する種々の評価データ等を記憶している記憶手段としての中央記憶手段52と、前記通信回線33と接続され、種々の情報を送受信するための通信手段を構成する送受信手段53とを備えている。
【0104】
前記中央解析制御手段51は、中央解析CPUと、この中央解析コンピュータ32のオペレーションソフトプログラム等を格納したROMと、中央解析CPUが処理する演算処理結果等を一時的に記憶するためのRAMとから構成されている。さらに、前記中央記憶手段52は、この中央解析コンピュータ32が実行する被験者の代謝状態を解析するためのアプリケーションソフトプログラムを記憶している。
【0105】
上記第1端末コンピュータ31の第1入力手段41に入力される被験者の身体情報としては、上記第2実施形態と同様に、被験者の特定情報、物理学的情報、時間情報等が挙げられる。
【0106】
前記中央解析制御手段51は、第1入力手段41で入力された被験者の身体情報を用いて、上記各実施形態と同様に、内呼吸指数、除脂肪量DFT、体脂肪量FT、体水分量H2O、除脂肪量と基礎除脂肪量の差ΔDFT、BMI等の代謝関連指標を算出する。また、この中央解析制御手段51は、前記第1入力手段41で入力された代謝関連指標と、前記第1記録手段46に記録蓄積された同じ被験者の過去の代謝関連指標とを用いて、異なる2時点(A点とB点)間の除脂肪量の変化量ΔDFTAB、異なる2時点(A点とB点)間の体脂肪量の変化量ΔFTAB、異なる2時点(A点とB点)間の体水分量の変化量ΔH2OAB、異なる2時点(A点とB点)間の脂肪組織からのエネルギー産生量EAB、異なる2時点(A点とB点)間の全身又は脂肪組織における酸素消費量Vo2AB等の代謝関連指標を算出する。
【0107】
一方、前記中央記憶手段52には、上記第2実施形態と同様に、予め医学的判断によって内呼吸指数及びBMIに基づいて決定された種々の評価データが記憶されている。
【0108】
さらに、この中央記憶手段52には、図示しない除脂肪量DFT、体脂肪量FT、体水分量H2O、除脂肪量と基礎除脂肪量の差ΔDFT、異なる2時点間の体脂肪量の変化量ΔFTAB、異なる2時点間の体水分量の変化量ΔH2OAB、異なる2時点間の除脂肪量の変化量ΔDFTAB、異なる2時点間のエネルギー産生量EAB及び異なる2時点間の酸素消費量Vo2ABに関する代謝関連指標の評価データとしての種々のエネルギー代謝状態の評価データが記憶されている。これら評価データは、予め医学的判断によって決定(性別、年齢、人種、時間帯等も加味されている)された正常値、異常値及びその境界域の値を基準にして、エネルギー代謝状態の亢進、正常、軽度低下及び低下の4段階に区分されている。
【0109】
次に、この解析装置30による生体の代謝状態の解析方法を説明する。
この解析装置30を使用する際には、まず、上記第2実施形態と同様に、被験者の身長H、体重W及び生体電気抵抗値Zを測定する。次に、図8に示すように、被験者は、第1端末コンピュータ31をスタートさせた後、ステップS400において、第1入力手段41に被験者の身体情報(特定情報、物理化学的情報及び時間情報)を入力する。続いて、第1CPUはS410において、第1記録手段46に過去の代謝関連指標が記録されているか否かを判別し、YESの場合にはS420の処理を行い、NOの場合にはS430の処理を行う。
【0110】
第1CPUはS420において、第1記録手段46に記録されている過去の代謝関連指標、最も好ましくは記録日時の最も新しい代謝関連指標を読出す。続いて、第1CPUはS440において、前記読出された過去の代謝関連指標と、上記第1入力手段41から入力された被験者の身体情報とを、送受信手段44及び通信回線33を介して中央解析コンピュータ32に送信し、中央解析コンピュータ32の中央解析CPUにS450の処理を行わせる。また、第1CPUはS430において、前記第1入力手段41から入力された被験者の身体情報を、送受信手段44及び通信回線33を介して中央解析コンピュータ32に送信し、中央解析コンピュータ32の中央解析CPUにS450の処理を行わせる。
【0111】
一方、中央解析コンピュータ32は、常時、各端末コンピュータ31,31a,31bから被験者の身体情報等を受信することができるように待機している。そして、この中央解析コンピュータ32の中央解析CPUは、S450において前記第1端末コンピュータ31から送信された被験者の身体情報等を受信して中央解析制御手段51に入力する。この入力された被験者の身体情報等は、中央解析制御手段51のRAMに一時的に記憶される。
【0112】
次に、中央解析CPUはS460において、前記入力された被験者の身体情報を用いて、内呼吸指数、除脂肪量DFT、体脂肪量FT、体水分量H2O、除脂肪量と基礎除脂肪量の差ΔDFT及びBMIを算出する。また、中央解析CPUに被験者の過去の代謝関連指標が入力されている場合には、その代謝関連指標を用いて、異なる2時点間の除脂肪量の変化量ΔDFTAB、異なる2時点間の体脂肪量の変化量ΔFTAB、異なる2時点間の体水分量の変化量ΔH2OAB、異なる2時点間の脂肪組織からのエネルギー産生量EAB及び異なる2時点間の酸素消費量Vo2ABを算出する。これら算出された代謝関連指標は、中央解析制御手段51のRAMに一時的に記憶される。
【0113】
次に、中央解析CPUはS470において、前記算出された代謝関連指標を用いて、中央記憶手段52に記憶されている種々の評価データを検索し、種々の代謝関連指標の評価結果を得る。この得られた評価結果は中央解析制御手段51のRAMに一時的に記憶される。続いて、中央解析CPUはS480において、上記中央解析制御手段51のRAMに記憶されている被験者の身体情報、処理結果及び評価結果を、送受信手段53及び通信回線33を介して第1端末コンピュータ31に送信する。
【0114】
最後に、第1端末コンピュータ31の第1CPUは、S490において、前記中央解析コンピュータ32から送信された被験者の身体情報、処理結果及び評価結果を受信して、第1記録手段46に記憶させるとともに第1出力手段43に出力表示させる。そして、前記被験者は、この第1出力手段43に表示された情報に基づいて代謝状態に関する自己管理を行う。
【0115】
また、前記被験者は、異なる生理学的状態下において継続して物理学的情報を測定し、その測定結果としての身体情報をこの解析装置30によって解析するのが好ましい。前記異なる生理学的状態下としては、上記第2実施形態で記載された異なる生理学的状態下の組合せを含んでいるのが好ましい。このとき、第1端末コンピュータ31の第1記録手段46に蓄積された情報に基づいて、代謝状態に関する自己管理を容易かつ的確に行うことができる。
【0116】
従って、この解析装置30は、被験者の身体情報を用いて被験者の代謝関連指標を算出する中央解析制御手段51を備えた中央解析コンピュータ32と、その中央解析コンピュータ32に通信回線33を介して接続される第1端末コンピュータ31とを備えている。さらに、前記第1端末コンピュータ31は、被験者の身体情報を入力する第1入力手段41と、前記中央解析コンピュータ32により算出処理された結果を出力する第1出力手段43とを備えている。このため、前記第1入力手段41に被験者の身体情報を入力することによって、中央解析コンピュータ32で算出処理された代謝関連指標を第1出力手段43に出力表示させることができることから、生体の代謝状態を的確かつ簡便に測定することができる。
【0117】
さらに、この解析装置30は、中央解析コンピュータ32に代謝関連指標を算出処理させるとともに種々の評価データを検索させるように構成されている。このため、各被験者は、処理速度が速く大容量の中央解析コンピュータ32によって、処理結果及び評価結果を容易かつ迅速に入手することができる。従って、各被験者は、家庭又は職場に前記中央解析コンピュータ32に匹敵する高性能な端末コンピュータ31,31a,31bを設置する必要がなく、設備投資を軽減させることができる。また、中央記憶手段52に記憶されている種々の評価データは、中央解析コンピュータ32のみを改良することによって、全ての被験者が常に最新の評価データに基づく評価結果を入手することが可能となる。
【0118】
【実施例】
以下、上記各実施形態を具体化した実施例について説明する。
{エネルギー代謝状態の解析}
以下、本発明をさらに詳細に説明するために、本実施形態のエネルギー代謝状態の解析方法による試験例を挙げる。
【0119】
<試験方法>
外来勤務の看護婦A、B(いずれも45才、日本人)を被験者とし、勤務開始前に身長、体重、生体電気抵抗を測定し、これより除脂肪量、体脂肪量、体水分量を算出した。続いて、被験者A、Bに3時間の勤務を行わせ、勤務終了後に身長、体重、生体電気抵抗を測定し、これより除脂肪量、体脂肪量、体水分量を算出した。またこの間、飲食、トイレの使用はなかった。これらの値より、被験者A、Bの除脂肪量の基礎除脂肪量との差、除脂肪量の変化量、体脂肪量の変化量、体水分量の変化量、脂肪組織からのエネルギー産生量および脂肪組織における酸素消費量を算出した。
【0120】
<試験結果および考察>
被験者A、Bの勤務開始前および勤務終了後の身長、体重、除脂肪量、体脂肪量、体水分量、除脂肪量の基礎除脂肪量との差、除脂肪量の変化量、体脂肪量の変化量、体水分量の変化量、脂肪組織からのエネルギー産生量および脂肪組織における酸素消費量を表5に示した。
【0121】
【表5】
Figure 0003848818
表5より、勤務時間前および勤務時間後における除脂肪量と基礎除脂肪量との差は、被験者Aよりも被験者Bの方が正に大きかった。これより、前記いずれの時点でも被験者Aよりも被験者Bの方が脂肪細胞のエネルギー代謝が亢進していると考えられた。
【0122】
勤務時間前および勤務時間後の除脂肪量の変化量、体水分量の変化量、体脂肪量の変化量、脂肪組織からのエネルギー産生量および脂肪組織における酸素消費量は、いずれも被験者Aよりも被験者Bの方が正に大きかった。これより、被験者Bは被験者Aよりも勤務時間前から勤務時間後の間において脂肪細胞のエネルギー代謝が亢進していると考えられた。
【0123】
被験者Aおよび被験者Bの体重の変化は勤務前後で共に0.3kgの減少を呈した。
以上のことより、被験者Aの肥満の原因に脂肪細胞のエネルギー代謝が低下が関与していることが示され、脂肪細胞のエネルギー代謝を増加させる治療が有効と考えられた。
【0124】
以上のように、本発明のエネルギ−代謝状態の解析方法および装置によれば、エネルギー代謝の状態を現す有効な指標である除脂肪量の基礎除脂肪量との差、除脂肪量の変化量、体脂肪量の変化量、体水分量の変化量、脂肪組織からのエネルギー産生量および脂肪組織における酸素消費量を簡便に算出できることが明らかとなった。これにより、エネルギー代謝の状態を簡便に診断し、適切な治療の選択、および治療効果の判定を容易に行うことが可能になると期待される。
【0125】
{代謝状態の解析1}
外来勤務の看護婦である被験者C及びDは、いずれも45歳の日本人女性である。午前9時の勤務開始前に、各被験者の身長H(cm)、体重W(kg)及び生体電気抵抗値Z(Ω)を測定し、それらの測定結果と、各被験者の年齢、性別及び人種データを生体の代謝状態解析装置20に入力して解析させることによって、内呼吸指数及びBMIを算出させるとともに、それらの演算処理結果を用いて形態学的特徴、代謝状態及び代謝形態学的健康状態の評価を行わせた。なお、前記内呼吸指数の算出には、上記数式(1b)及び数式(3)が用いられた。
【0126】
続いて、同被験者C及びDに3時間の勤務を行わせた後に体重W及び生体電気抵抗値Zを測定し、それら測定結果を同様に、生体の代謝状態の解析装置20に入力することによって各被験者の形態学的特徴の評価、代謝状態の評価(表中では代謝状態の評価1と記載)及び代謝形態学的健康状態の評価を行った。なお、この勤務時間中に飲食及びトイレの使用は行われなかった。結果を表6に示す。
【0127】
【表6】
Figure 0003848818
表6の結果より、被験者Cは、勤務前後に行われた2回の解析ともに同様な結果が得られ、形態学的特徴は肥満(O)であるうえ、代謝が常に低下している(d)と推測されることから、代謝形態学的健康状態は常に良好でない(×)可能性が高いと判断された。そして、この被験者Cについては、医師による受診が要であると判断される。
【0128】
一方、被験者Dは、勤務前後に行われた2回の解析によって、形態学的特徴は正常(N)であると判断された。さらに、勤務前には軽度の代謝低下(s)が見られたが、勤務後には正常な代謝状態(n)となったことがモニタリングされた。このモニタリング結果から、勤務前の午前9時の時点における代謝の軽度低下(s)は、おそらく起床直後午前中に生じやすい軽度の生理学的な代謝低下であると推測される。従って、異なる2時点の測定(経時的モニタリング)によって、被験者Dの代謝形態学的健康状態は大旨正常であるという推測を行うことができる。
【0129】
従って、異なる2時点における解析結果を用いて被験者の代謝の状態を経時的にモニタリングすることによって、より的確な代謝形態学的健康状態の推測を行うことができることが確認された。
【0130】
{代謝状態の解析2}
表7に示される被験者E、F及びHは女性の外来通院糖尿病患者、被験者G及びIは男性の外来通院糖尿病患者、被験者Jは男性で甲状腺機能亢進症と後に診断された患者である。午前10時30分に、各被験者の身長H(cm)、体重W(kg)及び生体電気抵抗値Z(Ω)を測定し、それらの測定結果と、各被験者の年齢、性別及び人種データ(全て日本人)を生体の代謝状態解析装置20に入力して解析させることによって、上記代謝状態の解析1と同様に、内呼吸指数及びBMIの算出、並びに形態学的特徴の評価、代謝状態の評価(表中では代謝状態の評価1と記載)及び代謝形態学的健康状態の評価を行わせた。さらに、各被験者について、測定直後の血糖値を測定した。これらの結果を表7に示す。
【0131】
【表7】
Figure 0003848818
表7の結果より、被験者E及びFは形態学的特徴は正常(N)であるが、代謝の低下(d)が認められることから、代謝形態学的健康状態は良好でない(×)と判断された。また、被験者Gは、形態学的特徴は肥満(O)であり、代謝状態は軽度低下(s)であることから、代謝形態学的健康状態はあまり良好でない(△)と判断された。
【0132】
これら被験者E、F及びGは、いずれも血糖値が正常範囲内にあることから、形態学的特徴と、代謝形態学的健康状態と、血糖値との間には密接な相関関係が見られなかった。これらの結果から、単一の指標のみを用いて糖尿病患者に対して医学的判断を下すのは非常に困難であることが確認され、代謝形態学的健康状態を含めた総合的な診断の必要性があるものと推測される。
【0133】
被験者Hは形態学的特徴は正常(N)であるが、軽度の代謝低下(s)が認められることから、代謝形態学的健康状態はあまり良好でない(△)と判断された。このとき、被験者Hの血糖値は高い値を呈したが、このとき同時に測定された血中ヘモグロビンA1cは7.0と正常範囲であった。従って、測定された高血糖は、一過性のもので生体の代謝状態はさほど悪くないと推測される。
【0134】
被験者Iは、形態学的特徴は痩せ(L)であり、代謝状態は低下(d)であった。このとき、被験者Iの血糖値は高値を呈しているうえ、血中ヘモグロビンA1cは14.0と高値であった。この被験者Iは、糖尿病がひどい状態で、インスリン分泌が著しく不足しているものと医学的に推測される。
【0135】
被験者Jは被験者Iと同様に、形態学的特徴は痩せ(L)であるが、代謝状態は亢進(i)であると判断された。血糖値は正常範囲内であったため、その原因を改めて調査してみたところ、甲状腺ホルモン量が高い値を呈したことから、甲状腺機能亢進症と診断された。
【0136】
従って、糖尿病のコントロールには第一に血糖の管理が重要といわれていたが、必ずしも血糖の管理だけでは必要充分なコントロールを的確に行うことができないことが確認された。この知見は、血糖のコントロールが良好であっても合併症を併発するケースとして、しばしば臨床上経験されてきた事実と一致する。
【0137】
このように、代謝状態を解析することによって医学的又は健康学的に新規な診断又は判断材料を提供することができる。そして、この生体の代謝状態解析装置20は、血糖値とは独立した新規な代謝学的診断や代謝の自己管理の補助に有益となり得る。さらに、この代謝状態の解析によって、癌、悪性腫瘍、感染、炎症、外傷、膠原病、甲状腺疾患、副腎疾患、心不全、腎不全の予測診断の補助にも役立てることが可能であると推測される。
【0138】
なお、本実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 第2実施形態において、代謝状態を表す指標として、内呼吸指数の代わりに体内電気導電部位率を用いること。すなわち、この解析装置20は、被験者の身長H、体重W及び生体電気抵抗値Zを用いて、体内電気導電部位率を算出してモニタ画面出力表示させることができるように構成されている。この解析装置20のデータファイル26に、予め医学的判断によって、被験者の年齢、性別及び人種と、体内電気導電部位率とに基づいて決定された代謝状態の評価データを記憶させることによって、その評価データを上記内呼吸指数に基づいて決定された代謝状態の評価データと同様に処理することができるようになっている。
【0139】
前記体内電気導電部位率(%)は、被験者の身体表面に密着させた2つの電極間に微弱な電流を流し、その2つの電極間又はその途中の任意の2点間の電圧(インピーダンス)を測定し、その電流電圧値及び被験者の体重Wとから求められる被験者の生体内の電気導電性部位の体重Wに占める割合である。この体内電気導電部位率は、本発明者らの鋭意研究によって採用されたものであり、体内で電流が通過する部分は水分を含有するため、体内の代謝の影響を反映しやすい性質を利用している。つまり、前記体内の水分は、様々な生理的条件に対して生体が体内の恒常性を保つために変化する組織液、血液、リンパ液、代謝水等に応じて値が変動しやすい。よって体重あたりの体内で電流が通過する部分の比率を求めることで、体内の代謝の状態を間接的に捉えることができるというものである。さらに、この体内電気導電部位率は、上記内呼吸指数と同様に、代謝状態の亢進に比例して数値が上昇するように構成されていることから、生体の代謝状態を感覚的に理解することができるようになっている。
【0140】
この体内電気導電部位率は、例えば、上記数式(1a)又は数式(1b)によって算出された体密度BDを、下記数式(5)に代入するか、或いは上記数式(2)によって算出された体密度BDを、下記数式(6)に代入することにより算出される。
【0141】
体内電気導電部位率 = 100−(4.57/BD−4.142)×100 ……(5)
体内電気導電部位率 = 100−(4.95/BD−4.5)×100 …(6)
なお、この体内電気導電部位率と代謝状態の評価データとの関係(日本人の場合)を表8に示すとともに、上記実施例において解析された被験者C〜Jの体内電気導電部位率及びその代謝状態の評価(表中では代謝状態の評価2と記載されている)を上記表6及び表7に示した。
【0142】
【表8】
Figure 0003848818
このように構成した場合でも、内呼吸指数を用いたときと同様に、生体の代謝状態をより的確に解析評価することができる。また、第3実施形態において、代謝関連指標として体内電気導電部位率を算出するように構成してもよい。
【0143】
・ 第2又は第3実施形態において、肥満を表す指標又は代謝関連指標として、BMIの代わりに肥満度を用いること。この肥満度(%)は、被験者の身長Hを用いて、その身長Hの人(標準的な体型の人)の標準体重を算出した後、被験者の実測体重Wから前記標準体重を引いた値を標準体重で割ったものに100を乗じることによって算出される。なお、前記標準体重は、被験者の身長H(m)の2乗に22を乗じることによって、又は被験者の身長H(cm)から100を引いた値に0.9を乗じることによって算出される。日本人の場合、この肥満度がマイナス10%未満の場合には痩せ気味(L)、マイナス10%以上かつ10%未満の場合には正常(N)、10%以上かつ20%未満の場合には過体重(M)、20%以上の場合には肥満(O)と評価されるようになっている。このように構成した場合でも、BMIを用いたときと同様に、生体の代謝状態をより的確に解析評価することができる。
【0144】
・ 第2又は第3実施形態において、内呼吸指数による代謝状態の評価結果に基づいて、表9に示されるように、体内免疫状態の評価結果、神経系状態の評価結果、ストレスに対する生体反応の評価結果及びストレスに対する生体状態の評価結果から選ばれる少なくとも1種を検索し、出力手段23又は第1出力手段43に出力表示させること。
【0145】
【表9】
Figure 0003848818
すなわち、前記内呼吸指数は、生体の細胞内好気呼吸の状態を間接的に反映する指数であり、内呼吸指数が高値の場合は、細胞の代謝が亢進していることを示唆するだけでなく、生体の免疫状態が亢進していることも示唆する。つまり、免疫系が活性化しているとは、生体に異物反応が生じていることを暗示し、腫瘍、感染、炎症、外傷性疾患が存在することを示唆する。逆に内呼吸指数が低下した場合には、生体が外的異物に対して免疫力が弱いことを示唆する。さらに内呼吸指数が高値の場合は体内の神経系の活性が高まっていることも示唆される。例えば、四肢の内呼吸指数や生体電気抵抗部位率が亢進している場合は、四肢の運動機能が高まっている状態を示唆し、逆に低下している状態では、脳血管障害による麻痺の初期或いは後遺症の回復度の指標等にも応用することができる。
【0146】
また、代謝疾患や内分泌疾患、呼吸不全、循環器疾患、神経系疾患、腫瘍、感染、炎症、外傷性疾患などの2次的に代謝に影響を及ぼす基礎疾患が除外された被験者(代謝学的に健康な被験者)に対して、内呼吸指数又は代謝の状態を表わす指標は、交感神経系の活性度の指標にもなることから、ストレスに対する生体の状態の指標となりうる。つまり、上記条件下で内呼吸指数が低下している状態とは、交感神経系の活性が低下している状態でもあり、それはストレスに対して反応が低下していて体が疲弊している状態を意味する。逆に上記条件下で内呼吸指数が上昇している状態とは、交感神経系の活性が亢進している状態でもあり、それはストレスに対して生体の反応が亢進して過剰適応している状態を意味する。
【0147】
また、生理学的に異なる2時点の内呼吸指数の差からも同様に差が大きければ交感神経系がよく活性されている状態でストレスに対する生体の反応は亢進しており、身体はストレスに過剰適応している状態であることを意味する。一方、異なる2時点の内呼吸指数の差が小さければ交感神経系の活性が低下している状態でストレスに対する生体の反応は低下しており、身体はストレスに対して疲弊している状態であることを意味する。
【0148】
・ 各実施形態において、生体電気抵抗の測定値(生体電気抵抗値Z)として、例えば、筋肉、脂肪、肝臓等の臓器固有の周波数を用いてインピーダンスを測定し、その測定値を用いて臓器固有の内呼吸指数、電気導電部位率、酸素消費量、エネルギー産生量、水分量の変化、除脂肪量の変化、及び除脂肪量と基礎除脂肪量の差、から選ばれる少なくとも1種を算出させ、臓器毎の代謝状態を解析するように構成すること。このように構成した場合、臓器単位で代謝の状態を解析することができることから、各疾患の鑑別診断に対する感度を向上させることができる。また、代謝器官である筋肉、脂肪又は肝臓の固有の代謝状態を把握することができることから、被験者の身体の代謝状態の生理学的機構をより明確に把握することができ、より一層有効な治療の開発や選択を行うことが可能になる。
【0149】
・ 第2実施形態の解析装置20に、酸素消費量、エネルギー産生量、体内水分量の変化量、体脂肪量の差、除脂肪量の変化量、除脂肪量と基礎除脂肪量の差、脂肪組織の酸素消費量、筋肉電気導電部位率、及び脂肪電気導電部位率から選ばれる少なくとも1種を出力表示させるように構成すること。このように構成した場合、代謝状態の評価を行うための判断材料が増えることから、より包括的かつ的確な評価、診断を行うことができる。
【0150】
・ 第2実施形態において、入力手段21に、物理学的情報を構成する除脂肪量、基礎除脂肪量、体脂肪量及び体水分量から選ばれる少なくとも1種を入力し、その入力された物理学的情報を加味した代謝状態の評価を行うことができるように構成すること。
【0151】
・ 第2又は第3実施形態において、被験者の身体情報を構成する物理学的情報としての体密度BDを入力するように構成すること。なお、この体密度BDは、例えば、被験者の身長H、体重W及び生体電気抵抗値Zを用いて、解析装置20又は解析装置30以外の計算機や手計算等により予め算出されたものが好適に使用される。また、例えば、磁気共鳴画像診断法(MRI)やコンピュータX線断層撮影法(CT)等により取得されたデータに基づいて算出されたもの、又は水で満たされた浴槽中で被験者の体積を測定し、その測定値と被験者の体重Wとから算出されたものを使用してもよい。このように構成した場合、内呼吸指数は、MRIやCT等により取得されたデータや被験者の体重W等の代謝状態と関連の深い要素が勘案されることによって、前記従来の健康管理指針アドバイス装置と比較して、代謝状態をより一層的確に表現することができる。従って、生体の代謝状態をより一層的確に測定することができる。
【0152】
・ 第2又は第3実施形態において、被験者の氏名を入力手段21に入力しないように構成すること。又は、被験者の氏名の代わりに被験者を特定することができるように構成した、例えばID番号等の不変特定情報を入力すること。或いは、被験者の特定情報を入力せずに、匿名にて解析することができるように構成すること。
【0153】
・ 第2又は第3実施形態において、被験者の年齢の代わりに特定情報を構成する不変特定情報としての生年月日を入力手段21又は第1入力手段41に入力し、その入力された被験者の生年月日から制御手段22又は中央解析制御手段51により年齢を算出させるように構成すること。このように構成した場合、被験者の年齢を入力した場合と同様な解析を行うことができる。また、被験者の不変特定情報として、データファイル26に記憶されるファイルデータのファイル名としても容易に利用することができる。
【0154】
・ 第2又は第3実施形態において、被験者の身体情報を構成する測定日時を入力しないように構成するとともに、制御手段22又は中央解析制御手段51内に測定手段を構成する計時装置を設け、被験者の身体情報が入力手段21又は第1入力手段41に入力された時間を、計時装置により自動的にRAMに記憶させるように構成すること。
【0155】
・ 第2又は第3実施形態において、被験者の身体情報として、被験者の身長H、体重W及び生体電気抵抗値Zを測定したときの被験者の生理学的状態を入力するように構成すること。このとき、被験者の身体情報を構成する測定日時を省略してもよい。このように構成した場合、被験者の生理学的状態と評価結果とを容易に対比することができることから、より的確な評価、診断を行うことができる。
【0156】
・ 各実施形態において、被験者の生理学的状態に関する選択肢(例えば、上記(a)〜(v)に記載されているようなもの)を、表示部6、出力手段23又は第1出力手段43に画面表示するとともに、その表示された選択肢を見ながら、被験者が選択入力することができるように構成してもよい。
【0157】
・ 第2又は第3実施形態において、被験者の年齢、性別及び人種から選ばれる少なくとも1種を入力手段21又は第1入力手段41に入力しないように構成すること。このように構成した場合、年齢、性別又は人種による多少の誤差は見られるが、生体の代謝状態を的確に解析評価することが可能である。
【0158】
・ 第2実施形態において、S200において、被験者の身体情報を構成する不変特定情報(例えば、氏名や生年月日)を入力手段21に入力した後、制御手段22によりデータファイル26に同じ被験者の不変特定情報が記憶されているか否かを判断させるように構成すること。なお、同じ被験者の不変特定情報が記憶されている場合には、そのファイルデータから被験者の性別及び人種を自動的に制御手段22に入力するように構成すること。また、前記ファイルデータに記憶されている測定日時からCPUが適宜判断することによって、被験者の年齢や身長Hを制御手段22に入力するように構成してもよい。
【0159】
・ 第2実施形態において、例えば、体脂肪率、除脂肪率、体脂肪量、体水分量、除脂肪量、除脂肪量と基礎除脂肪量との差、体脂肪量の変化量、体水分量の変化量、除脂肪量の変化量、脂肪組織からのエネルギー産生量、及び脂肪組織における酸素消費量から選ばれる少なくとも1種を算出して出力手段23に出力するように構成すること。このように構成した場合、生体の代謝状態を評価するための判断材料が増えることから、さらに的確かつ詳細に代謝状態を解析評価することができる。
【0160】
・ 第2又は第3実施形態において、出力手段23又は第1出力手段43として、例えば、CRTや液晶ディスプレイ等のフラットパネル、プリンタ、3次元造形装置を使用すること。このように構成した場合、評価結果等を色や3次元形状を工夫して視覚的に表現することができる。
【0161】
・ 第2又は第3実施形態において、出力手段23又は第1出力手段43として、例えば、音声による聴覚的表示、色や画像等によって視覚的に鑑別できるように構成すること。
【0162】
・ 第2実施形態において、記録媒体24又はデータファイル26として、例えば、ハードディスク、記録可能なCD、DVD等のディスクメディア、I磁気カードやスマートカード等の記録媒体を使用すること。
【0163】
・ 第2実施形態において、データファイル26を、記憶手段としての第1データファイルと、記録手段としての第2データファイルに分けて構成し、第1データファイルに前記解析プログラムを記憶させ、第2データファイルに前記被験者の身体情報、演算処理結果及び評価結果を記憶させるように構成すること。
【0164】
・ 第2実施形態において、生体の代謝状態解析装置20に、入力手段21を構成する測定手段としての身長計、体重計及び生体電気抵抗値測定用電極を設けること。又は、入力手段21を構成する測定手段としての体重計及び生体電気抵抗値測定用電極を設けること。或いは、入力手段21を構成する測定手段としての体重計又は生体電気抵抗値測定用電極を設けること。また、前記生体電気抵抗値測定用電極の代わりに、入力手段21を構成する測定手段としてのMRI又はCTを設けてもよい。或いは、第3実施形態において、第1端末コンピュータ31に入力手段を構成する測定手段を設けること。これらのように構成した場合、被験者の身体情報を容易かつ正確に入力することができる。
【0165】
・ 第3実施形態において、被験者の身体情報として、被験者の電子メールアドレス、電話番号、ホームドクター名、家族歴、既往歴、現病歴等を入力するように構成すること。
【0166】
・ 第3実施形態において、第1端末コンピュータ31の第1記録手段46に記録蓄積されている被験者の各代謝関連指標の推移を示すグラフを作成させて出力表示させるように構成すること。或いは、中央解析コンピュータ32に前記グラフを作成させ、第1端末コンピュータ31の第1出力手段43に出力表示させるように構成してもよい。
【0167】
・ 第3実施形態において、中央解析コンピュータ32に入力手段及び出力手段を設け、中央解析コンピュータ32を操作する人が中央記憶手段52内に格納されているアプリケーションソフトプログラムを改変することができるように構成すること。
【0168】
・ 第2実施形態において、制御手段22によりBMIを算出しないように構成するとともに、データファイル26に形態学的特徴の評価データ及び代謝形態学的健康状態の評価データを記憶しないように構成し、さらに出力手段23にそれらの評価結果を出力しないように構成すること。
【0169】
・ 第3実施形態において、内呼吸指数、除脂肪量DFT、体脂肪量FT、体水分量H2O、除脂肪量と基礎除脂肪量の差ΔDFT、異なる2時点間の除脂肪量の変化量ΔDFTAB、異なる2時点間の体脂肪量の変化量ΔFTAB、異なる2時点間の体水分量の変化量ΔH2OAB、異なる2時点間の脂肪組織からのエネルギー産生量EAB、異なる2時点間の全身又は脂肪組織における酸素消費量Vo2AB及びBMIから選ばれる少なくとも1種を算出しないように構成してもよい。
【0170】
・ 第2実施形態において、代謝状態の評価結果及び形態学的特徴の評価結果を出力手段23に出力させずに、代謝形態学的健康状態の評価結果のみを出力するように構成すること。さらに、内呼吸指数及びBMIを出力手段に出力しないように構成してもよい。また、第3実施形態において検索される評価データのうち1つ又は2つ以上の評価データについて検索しないように構成してもよい。
【0171】
・ 第2実施形態において、読取り装置25を省略するとともに、解析プログラムを予めデータファイル26に記憶させること。
・ 第2実施形態において、データファイル26を省略し、解析プログラムをROM又はRAMに記憶させること。なおこのとき、読取り装置25を省略してもよい。
【0172】
・ 第2実施形態において、記憶手段及び記録手段としてのデータファイル26を省略し、制御手段22に、内呼吸指数、又は内呼吸指数及びBMI、を算出させて、その演算処理結果を出力手段23に出力させるように構成すること。このとき、読取り装置25を省略し、解析プログラムを予めROM又はRAMに記憶させてもよい。さらにこのとき、例えば、表1〜表4に示されるような代謝状態の評価データ、形態学的特徴の評価データ及び代謝形態学的健康状態の評価データから選ばれる少なくとも1種の生体の代謝状態評価データ検索表を別途作成し、前記演算処理結果から評価結果を被験者自らが検索するように構成してもよい。
【0173】
・ 第2実施形態において、データファイル26に代謝形態学的健康状態の評価データを記憶しないように構成し、出力手段23に代謝状態の評価結果及び形態学的評価結果のみを出力するように構成すること。
【0174】
・ 第2実施形態において、図6におけるS260、S270、S290及びS300を省略して、被験者の身体情報、演算処理結果及び評価結果を記録手段としてのデータファイル26に保存しないように構成すること。
【0175】
・ 第3実施形態において、第1記録手段46を省略してもよい。
・ 第3実施形態において、中央記憶手段に種々の評価データを記憶しないように構成してもよい。
【0176】
・ 第3実施形態において、第1端末コンピュータ31の第1制御手段42を省略し、第1入力手段41、第1出力手段43及び送受信手段44のみによって構成することによって、第1端末コンピュータ31を、被験者の身体情報を入力するとともに処理結果及び評価結果を出力するための入出力端末機器とすること。
【0177】
・ 第3実施形態において、中央記憶手段52又は第1記憶手段45に記憶されているアプリケーションソフトプログラムを、フロッピーディスク、CD―ROM、DVD、I磁気カード、スマートカード等のコンピュータ読取り可能な記録媒体に記録すること。さらに、中央記憶手段52に記憶されている種々の評価データも同時に前記記録媒体に記録するのが好ましい。或いは、これらのアプリケーションソフトプログラムを通信回線33を介して異なるコンピュータにダウンロードすることができるように構成してもよい。
【0178】
さらに、前記実施形態より把握できる技術的思想について以下に記載する。
(1) 生体の代謝状態を解析する装置であって、被験者の身体情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された被験者の身体情報を用いて代謝状態を表す指標及び肥満を表す指標を算出する制御手段と、前記制御手段で処理された処理結果を出力する出力手段と、を備えた生体の代謝状態を解析する装置。
【0179】
(2) 前記身体情報は、被験者の身長、体重及び生体電気抵抗値、又はそれらを用いて算出された体密度であり、前記代謝状態を表す指標は、内呼吸指数又は体内電気導電部位率であり、前記肥満を表す指標は、ボディ・マス・インデックス又は肥満度であることを特徴とする前記(1)に記載の生体の代謝状態を解析する装置。
【0180】
(3) さらに、予め医学的判断によって、代謝状態を表す指標と、肥満を表す指標と、の組合せに基づいて決定された代謝形態学的健康状態の評価データを記憶する記憶手段を備え、前記制御手段を、前記算出された代謝状態を表す指標と、肥満を表す指標と、を用いて、前記記憶手段に記憶された代謝形態学的健康状態の評価データを検索するように構成するとともに、前記検索された代謝形態学的健康状態の評価結果を前記出力手段に出力するように構成した前記(1)又は前記(2)に記載の生体の代謝状態を解析する装置。
【0181】
(4) さらに被験者の身体情報を測定する測定手段を備え、被験者の身体情報を測定して前記制御手段に入力するように構成した請求項1から請求項5、請求項17から請求項19及び前記(1)から前記(3)のいずれかに記載の生体の代謝状態を解析する装置。
【0182】
(5) 請求項1に記載の生体の代謝状態を解析する装置を用いて生体の代謝状態を解析する方法であって、入力手段に被験者の身体情報を入力し、前記入力手段で入力された被験者の身体情報を用いて、制御手段により、生体の細胞内好気呼吸の状態を間接的に表す内呼吸指数を算出し、前記制御手段で処理された処理結果を出力手段に出力することを特徴とする生体の代謝状態を解析する方法。
【0183】
(6) 前記(1)に記載の生体の代謝状態を解析する装置を用いて生体の代謝状態を解析する方法であって、入力手段に被験者の身体情報を入力し、前記入力手段で入力された被験者の身体情報を用いて、制御手段により代謝状態を表す指標及び肥満を表す指標を算出し、前記制御手段で処理された処理結果を出力手段に出力することを特徴とする生体の代謝状態を解析する方法。
【0184】
(7) 請求項1に記載の生体の代謝状態を解析する装置に用いられ、生体の代謝状態を解析するコンピュータ読取り可能なプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、被験者の身体情報を入力手段より入力する手順と、前記入力手段で入力された被験者の身体情報を用いて、制御手段により、生体の細胞内好気呼吸の状態を間接的に表す内呼吸指数を算出する手順と、前記制御手段で処理された処理結果を出力手段に出力する手順と、を備えた方法を実行することを特徴とするコンピュータ読取り可能なプログラムを記録した記録媒体。
【0185】
(8) 前記(1)に記載の生体の代謝状態を解析する装置に用いられ、生体の代謝状態を解析するコンピュータ読取り可能なプログラムを記録した記録媒体であって、前記プログラムは、被験者の身体情報を入力手段より入力する手順と、前記入力手段で入力された被験者の身体情報を用いて、制御手段により代謝状態を表す指標及び肥満を表す指標を算出する手順と、前記制御手段で処理された処理結果を出力手段に出力する手順と、を備えた方法を実行することを特徴とするコンピュータ読取り可能なプログラムを記録した記録媒体。
【0186】
(9) 前記入出力端末機器の端末入力手段に入力される被験者の身体情報を、被験者の身長、体重及び生体電気抵抗値とするとともに、前記中央解析コンピュータの制御手段で算出される代謝関連指標を、生体の細胞内好気呼吸の状態を間接的に表す内呼吸指数、体内電気導電部位率、除脂肪量、体脂肪量、体水分量、除脂肪量と基礎除脂肪量の差、異なる2時点間の除脂肪量の変化量、異なる2時点間の体脂肪量の変化量、異なる2時点間の体水分量の変化量、異なる2時点間のエネルギー産生量、異なる2時点間の酸素消費量、ボディ・マス・インデックス及び肥満度から選ばれる少なくとも1種とすることを特徴とする請求項17から請求項19のいずれかに記載の生体の代謝状態を解析する装置。
【0187】
(10) さらに、前記中央解析コンピュータに、予め医学的判断によって代謝関連指標に基づいて決定された代謝状態の評価データを記憶する記憶手段を備え、前記制御手段を、前記算出された代謝関連指標を用いて、前記記憶手段に記憶された評価データを検索するように構成するとともに、前記検索された評価結果を前記入出力端末機器の出力手段に出力するように構成した請求項17から請求項19及び前記(9)のいずれかに記載の生体の代謝状態を解析する装置。
【0188】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
請求項1に記載の発明の生体の代謝状態を解析する装置によれば、生体の代謝状態を的確かつ簡便に測定し、容易に解析することができる。
【0189】
求項に記載の発明の生体の代謝状態を解析する装置によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、生体の代謝状態を医学的に評価することができる。
【0190】
請求項に記載の発明の生体の代謝状態を解析する装置によれば、請求項1又は請求項2に記載の発明の効果に加えて、代謝の状態を現す有効な指標である除脂肪量の基礎除脂肪量との差により、被験者に多大な負担を強いることなく、エネルギー代謝の状態を的確かつ簡便に測定することができる。
【0191】
請求項4に記載の発明の生体の代謝状態を解析する装置によれば、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明の効果に加えて、脂肪組織からのエネルギー産生量が的確かつ簡便に求められる。これにより、被験者に多大な負担を強いることなく、エネルギー代謝の状態を的確かつ簡便に測定することができる。
【0192】
請求項5に記載の発明の生体の代謝状態を解析する装置によれば、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、脂肪組織における酸素消費量が的確かつ簡便に求められる。これにより、被験者に多大な負担を強いることなく、エネルギー代謝の状態を的確かつ簡便に測定することができる。
【0193】
請求項6に記載の発明の生体の代謝状態を解析する装置によれば、生体謝状態を的確かつ簡便に測定することができる。
【0194】
請求項7に記載のコンピュータ読取り可能なプログラムを記録した記録媒体によれば、コンピュータを請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の生体の代謝状態を解析する装置として機能させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態によるエネルギー代謝状態の解析の手順を示すフローチャート。
【図2】 第1実施形態のエネルギー代謝状態解析装置の原理ブロック図。
【図3】 第1実施形態のエネルギー代謝状態の解析装置の側面図。
【図4】 第1実施形態において電極パッドにより体表面の任意の2点間の生体電気抵抗を測定した図。
【図5】 第2実施形態の解析装置の電気的構成を示すブロック図。
【図6】 第2実施形態の解析装置の処理を示すフローチャート。
【図7】 第3実施形態の解析装置の電気的構成を示すブロック図。
【図8】 第3実施形態の解析装置の処理を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…エネルギー代謝状態の解析装置、4…演算部(算出手段、演算手段)、5…記憶部(記憶手段)、6…表示部(表示手段)、20…生体の代謝状態を解析する装置としての生体の代謝状態解析装置、21…入力手段、22…制御手段、23…出力手段、24…記録媒体、26…記憶手段及び記録手段としてのデータファイル、30…生体の代謝状態を解析する装置としての生体の代謝状態解析装置、31…端末入出力手段としての第1端末コンピュータ、31a,31b…端末入出力手段としての端末コンピュータ、32…中央解析コンピュータ、33…通信手段を構成する通信回線、41…入力手段としての第1入力手段、43…出力手段としての第1出力手段、44…通信手段を構成する送受信手段、51…制御手段としての中央解析制御手段、53…通信手段を構成する送受信手段。

Claims (7)

  1. 生体の代謝状態を解析する装置であって、
    被験者の身体情報を入力する入力手段と、
    前記入力手段で入力された被験者の身体情報を用いて、生体の細胞内好気呼吸の状態を間接的に表す内呼吸指数を算出する制御手段と、
    前記制御手段で処理された処理結果を出力する出力手段と、
    を備え、
    前記制御手段は、身体情報として入力された被験者の身長H(cm)、体重W(kg)及び生体電気抵抗値Z(Ω)から、式1乃至3のいずれかの計算式を用いて体密度BDを算出する体密度算出手段と、
    前記体密度算出手段で算出された体密度BDから、
    式4に代入することによって内呼吸指数を算出する内呼吸指数算出手段とを備えたことを特徴とする生体の代謝状態を解析する装置。
    体密度BD=A−(B×W×Z)/H 2 +C×Z・・・(式1)
    但し、Aは定数、B及びCは比例係数
    体密度BD=A−(B×W×Z)/H 2 +C×W・・・(式2)
    但し、Aは定数、B及びCは比例係数
    体密度BD=a−(b×W×Z)/H 2 ・・・(式3)
    但し、a及びbは定数
    内呼吸指数=(BD−1)×1000・・・(式4)
  2. さらに、予め医学的判断によって、内呼吸指数に基づいて決定された代謝状態の評価データを記憶する記憶手段を備え、
    前記制御手段を、前記算出された内呼吸指数を用いて、前記記憶手段に記憶された評価データを検索するように構成するとともに、
    前記検索された評価結果を前記出力手段に出力するように構成したことを特徴とする請求項1に記載の生体の代謝状態を解析する装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の生体の代謝状態を解析する装置において、
    前記入力手段から除脂肪量DFTと基礎除脂肪量aWを入力し、
    前記制御手段は、入力された前記除脂肪量DFTと基礎除脂肪量aWに基づいて式5を用いて差ΔDFTを算出する差ΔDFT算出手段をさらに備えた
    ことを特徴とする生体の代謝状態を解析する装置。
    ΔDFT=DFT−aW・・・(式5)
    但し、係数aは体重Wに対する基礎除脂肪量の割合を表わす除脂肪量係数
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の生体の代謝状態を解析する装置において、
    前記入力手段から、異なる2時点の初めの時点をA、後の時点をBとし、少なくとも前記異なる2時点において測定された2組の前の時点の体脂肪量FTA、後の時点の体脂肪量FTBが入力され、
    前記制御手段は、前記体脂肪量FTA,FTBに基づいて式6を用いて脂肪組織からのエネルギー産生量EABを算出するエネルギー生産量算出手段をさらに備えた
    ことを特徴とする生体の代謝状態を解析する装置。
    EAB=(FTA−FTB)×b・・・(式6)
    但し、係数bは脂肪1gが燃焼された時の脂肪組織からのエネルギー産生量を表すエネルギー係数
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の生体の代謝状態を解析する装置において、
    前記入力手段から、異なる2時点の初めの時点をA、後の時点をBとし、少なくとも前記異なる2時点において測定された2組の前の時点の体脂肪量FTA、後の時点の体脂肪量FTBが入力され、
    前記制御手段は、前記体脂肪量FTA,FTBに基づいて式7を用いて脂肪組織における酸素消費量Vo2ABを算出する酸素消費量算出手段をさらに備えた
    ことを特徴とする生体の代謝状態を解析する装置。
    Vo2AB=(FTA−FTB)×c/FTA/TAB・・・(式7)
    但し、cは脂肪1gが燃焼された時の酸素消費量を表す酸素消費量係数、TABは2時点間の時間差
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の生体の代謝状態を解析する装置であって、
    被験者の代謝に関連する身体情報を用いて被験者の代謝関連指標を算出する制御手段を備えた中央解析コンピュータと、その中央解析コンピュータに通信手段を介して接続される入出力端末機器とを備え、
    前記入出力端末機器は、被験者の身体情報を入力する入力手段と、前記中央解析コンピュータにより算出処理された結果を出力する出力手段とを備え、
    前記入出力端末機器の入力手段に被験者の身体情報を入力し、
    その入力された被験者の身体情報を、前記通信手段を介して中央解析コンピュータに送信し、
    前記中央解析コンピュータの制御手段に、前記送信された被験者の身体情報を用いて代謝関連指標を算出させ、
    その算出された代謝関連指標を、前記通信手段により入出力端末機器に送信して出力手段に出力させるように構成した生体の代謝状態を解析する装置。
  7. コンピュータを、請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の生体の代謝状態を解析する装置として機能させるためのプログラムを記録させたコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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