JP3848745B2 - 電子回路基板装置 - Google Patents
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- H05K3/284—Applying non-metallic protective coatings for encapsulating mounted components
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、基板に実装された電子部品を樹脂モールド中に埋設するようにした電子回路基板装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種の制御装置においては、電子回路基板装置が用いられている。電子回路基板装置は、例えばプリント基板(基板)と、このプリント基板に実装された電源回路、駆動回路、トランジスタ、マイクロプロセッサ、その他の各種の電子部品とから構成されている。
【0003】
ところで、上記のような電子回路基板装置を給湯装置等に装備する場合には、給湯装置内に発生する結露によって電子部品が濡れたり、あるいは湿気による影響を防止するために、プリント基板の実装面に樹脂モールドを設け、この樹脂モールド内に電子部品を埋設するようにしている(実開平4−92688号公報、実開平5−79978号公報、特開平8−162742号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電子回路基板装置においては、比較的高価なエポキシ樹脂等からなる樹脂モールドをプリント基板の実装面全体に設けているため、樹脂モールドを多量に必要とし、この結果製造費が高騰するという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、この発明の第1の態様は、基板と、この基板に装着された多数の電子部品とを備えた電子回路基板装置において、上記基板を複数の領域に区分し、その一部の領域には上記多数の電子部品のうち数μA〜10μA程度の微弱電流が流れる高インピーダンス電子部品を含む電子部品を装着し、他の領域には数十mA〜数A程度の比較的大きな電流が流れる低インピーダンス電子部品のみを装着し、上記基板において当該一部領域の両面に上記樹脂モールドを設け、上記高インピーダンス電子部品を含む電子部品を樹脂モールドに埋設し、上記基板において当該他の領域の両面には樹脂モールドを設けず、しかも当該他の領域において上記低インピーダンス電子部品を配置した面を、外部に開放したことを特徴とする。
【0006】
上記の問題を解決するために、この発明の第2の態様は、底面を有するケースと、このケースの底面から離れるとともにこの底面と対面するようにしてケースに収容された基板と、この基板に装着された多数の電子部品とを備えた電子回路基板装置において、上記ケースに仕切り板を収容することにより、ケース底面と基板との間の内部空間を複数の第1空間に区画するとともに、ケース底面とは反対側の内部空間も複数の第2空間に区画し、上記基板を上記仕切り板により複数領域に区分し、その一部の領域には、上記多数の電子部品のうち数μA〜10μA程度の微弱電流が流れる高インピーダンス電子部品を含む電子部品を装着し、他の領域には数十mA〜数A程度の比較的大きな電流が流れる低インピーダンス電子部品のみを装着し、上記低インピーダンス電子部品を第2空間に配置し、上記基板の当該一部領域に対応する第1空間に樹脂モールドを充填するとともに、当該一部領域に対応する第2空間にも基板を覆う樹脂モールドを設け、上記高インピーダンス電子部品を含む電子部品を樹脂モールドに埋設し、上記基板において当該他の領域に対応する第1、第2の空間には樹脂モールドを設けず、当該他の領域に対応する第2空間を、上記ケースの開放部を介して上記ケースの外部に開放したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施の形態について図1〜図4を参照して説明する。図1(A),(B)および図2はこの発明を給湯装置の電子回路基板装置Aに適用した一実施の形態を示すものであり、この実施の形態の電子回路基板装置Aは、上部が開放された四角形の箱状をなすケース1を備えている。このケース1の底面には高さの等しい複数の支持突起11が形成されており、支持突起11上にはプリント基板(基板)2が載置されている。このプリント基板2は、その上面が実装面21になっており、実装面21のほぼ中央部には上仕切り板(仕切り板)3が載置されている。この上仕切り板3により、実装面21が図1(B)において左側の第1の領域22と、右側の第2の領域23とに区分されるとともに、ケース1の上側の内部空間が左右の上部空間(収容空間)12,13に区画されている。
なお、上仕切り板3の両端部は、一対のガイド突条16,16間に挿入されることにより、図1(B)の左右方向に対して位置固定されている。また、プリント基板2の中央部両側には、ガイド突条16,16が嵌まり込む溝24,24がそれぞれ形成されている。
【0011】
また、ケース1の底面中央部には、下仕切り板4が上仕切り板3と対向して配置されている。この下仕切り板4は、支持突起11と同一の高さを有しており、プリント基板2の下面に接している。これにより、ケース1の下側の空間が左右の下部空間14,15に区画されている。なお、下仕切り板4は、上仕切り板3と同様にケース1と別体に形成するとともに、一対のガイド突条によって位置固定するようにしてもよい。
【0012】
上記プリント基板2の実装面21には、各種の電子部品が装着されている。この場合、実装面21のうちの第1の領域22には、後述する樹脂モールド7に埋設する必要がある要埋設電子部品が装着され、第2の領域23には樹脂モールド7に埋設する必要のない埋設不要電子部品が装着されている。なお、上仕切り板3が載置される実装面21の中央部に電子部品が配置されていないのは勿論である。
【0013】
樹脂モールド7に埋設する必要のある要埋設電子部品とは、水分、湿気等の影響を受けて誤作動し易い電子部品であり、例えば数μA〜10μA程度の微弱電流が流れる高インピーダンスの電子部品である。ここでは、高インピーダンスの電子部品として、マイクロプロセッサ51、トランジスタ52、リモートコントロール通信用のデバイス53,54、その他図示していないが、CMOS IC、オペアンプ等の電子部品が第1の領域22に装着されている。
【0014】
一方、樹脂モールド7に埋設する必要のない埋設不要電子部品とは、水分、湿気等の影響を受けことが全くないか、受けたとしても性能的に全く問題のない電子部品であり、例えば数十mA〜数A程度の比較的大きな電流が流れる低インピーダンスの電子部品である。ここでは、低インピーダンスの電子部品として、電源回路のコンデンサ61,62、ヒータ、ポンプ等の負荷(図示せず)が接続されるコネクタ63、定電圧IC64、その他図示していないがリレー、整流用ダイード等の電子部品が第2の領域23に装着されている。
【0015】
上記ケース1の左上部空間12および左下部空間14には、樹脂モールド7が充填されている。樹脂モールド7は、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の水分および湿気が内部に侵入するのを防止することができる樹脂からなるものであり、左下部空間14の全体に充填されるとともに、左上部空間12には、樹脂モールド7内に電子部品51〜54、その他の要埋設電子部品が埋没する程度に充填されている。
【0016】
樹脂モールド7は、次のようにして容易に充填することができる。すなわち、樹脂モールド7を形成するための溶融した樹脂を左上部空間12に流し込む。この場合、左上部空間12が右上部空間13に対し上仕切り板3によって仕切られているので、溶融樹脂が右上部空間13に流入することはない。左上部空間12内に流し込まれた溶融樹脂は、プリント基板2の左端部とケース1との間に形成された隙間Hを通って左下部空間14に流れる込む。勿論、左下部空間14に流れ込んだ溶融樹脂が右下部空間15に流れることは下仕切り板4によって阻止される。左下部空間14内に溶融樹脂が充満すると、左上部空間12内に溶融樹脂が溜まる。溶融樹脂が所定の高さまで左下部空間12に溜まったら、溶融樹脂の流し込みを停止してこれを固化させる。これによって、樹脂モールド7が得られる。
【0017】
なお、樹脂モールド7は、注入型(図示せず)内にプリント基板2を設置し、注入型内に溶融樹脂を注入することによっても形成することができる。そのような場合には、ケース1および仕切り板3,4は必ずしも必要ではない。
【0018】
上記構成の電子回路基板装置Aにおいては、水分、湿気等によって影響を受ける電子部品51〜54を樹脂モールド7内に埋設しているので、誤作動が発生するのを防止することができる。しかも、プリント基板2の実装面21全体に樹脂モールド7を設けることなく、第1の領域22にのみ樹脂モールド7を設けているので、樹脂モールド7に要する樹脂の量を減らすことができる。したがって、電子回路基板装置Aの製造費を低減することができる。
【0019】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。なお、以下に述べる実施の形態においては、上記実施の形態と異なる構成についてのみ説明することとし、上記実施の形態と同様な構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。
【0020】
図3に示す電子回路基板装置Bは、プリント基板2をケース1に隙間なく嵌まり込むように形成したものであり、プリント基板2とケース1との間に隙間が形成されていない。したがって、左上部空間12に溶融樹脂を流し込んだときに、その溶融樹脂が左下部空間14に流れ込むことがなく、樹脂モールド7が実装面21のうちの第1の領域22にのみ設けられている。
【0021】
また、図4に示す電子回路基板装置Cは、プリント基板2を、第1の領域22を有する第1の基板片2Aと、第2の領域23を有する第2の基板片2Bとに二分したものであり、第1、第2の基板片2A,2Bは、左下部空間14内の支持突起11と、右下部空間15内の支持突起11とによってそれぞれ独立して支持されている。第1の基板片2Aの上面たる第1の領域22に樹脂モールド7が設けられている。また、プリント基板2を二分したことに伴い、左側の上下の空間12,14と右側の上下の空間13,15との間を遮断するために、上記実施の形態における上下の仕切り板3,4に代えて、それらを一体化したような仕切り板8が用いられている。また、図4において想像線で示すように、第1の基板片2Aには樹脂モールド7から突出したケーブルCが接続されており、その先端部に設けられたソケットSを第2の基板片2Bのコネクタ(図示せず)に接続することにより、第1、第2の基板片2A,2Bが電気的に接続されるようになっている。
【0022】
なお、この発明は上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。
例えば、上記の実施の形態は、この発明を給湯装置の電子回路基板装置に適用したものであるが、この発明は他の電子回路基板装置にも適用可能である。
また、上記の実施の形態においては、プリント基板2の上面だけを実装面21としているが、図1または図4に示す実施の形態のように、下面にも樹脂モールド7を設けた場合には、下面をも実装面として高インピーダンスの電子部品を装着してもよい。ただし、図1に示す実施の形態の場合、下仕切り板4の上面が接するプリント基板2の中央部には電子部品を装着すべきではない。
また、第1の領域22(第1の基板片2A)に高インピーダンスの電子部品だけを装着しているが、回路設計の都合、その他の要求により、低インピーダンスの電子部品を第1の領域22に装着してもよい。ただし、その場合にも必要最小減に留めるべきことは勿論である。
さらに、上記の実施の形態では、実装面21を二つの領域に22,23に区分しているが、3つ以上の領域に区分するようにしてもよい。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、水分、湿気等による電子回路基板装置の誤作動を防止することができるのは勿論のこと、樹脂モールドを形成するのに要する樹脂の量を減らすことができ、これによって電子回路基板装置の製造費を低減することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態を示す図であって、図1(A)はその一部を切り欠いて示す斜視図、図1(B)は図1(A)の一部省略X−X断面図である。
【図2】同実施の形態の分解斜視図である。
【図3】この発明の他の実施の形態を示す図1(B)と同様の断面図である。
【図4】この発明のさらに他の実施の形態を示す図1(B)と同様の断面図である。
【符号の説明】
A 電子回路基板装置
B 電子回路基板装置
C 電子回路基板装置
1 ケース
2 プリント基板(基板)
2A 第1の基板片(基板片)
2B 第2の基板片(基板片)
3 上仕切り板(仕切り板)
8 仕切り板
21 実装面
22 第1の領域(領域)
23 第2の領域(領域)
51 マイクロプロセッサ(高インピーダンスの電子部品)
52 トランジスタ(高インピーダンスの電子部品)
53 デバイス(高インピーダンスの電子部品)
54 デバイス(高インピーダンスの電子部品)
61 コンデンサ(低インピーダンスの電子部品)
62 コンデンサ(低インピーダンスの電子部品)
63 コネクタ(低インピーダンスの電子部品)
64 定電圧回路(低インピーダンスの電子部品)
Claims (8)
- 基板と、この基板に装着された多数の電子部品とを備えた電子回路基板装置において、
上記基板を複数の領域に区分し、その一部の領域には上記多数の電子部品のうち数μA〜10μA程度の微弱電流が流れる高インピーダンス電子部品を含む電子部品を装着し、他の領域には数十mA〜数A程度の比較的大きな電流が流れる低インピーダンス電子部品のみを装着し、
上記基板において当該一部領域の両面に上記樹脂モールドを設け、上記高インピーダンス電子部品を含む電子部品を樹脂モールドに埋設し、
上記基板において当該他の領域の両面には樹脂モールドを設けず、しかも当該他の領域において上記低インピーダンス電子部品を配置した面を、外部に開放したことを特徴とする電子回路基板装置。 - 上記基板が1枚の基板により構成されることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板装置。
- 上記基板が互いに別体をなす複数の基板片により構成され、一部の基板片に上記高インピーダンス電子部品を含む電子部品が装着され、他の基板片に上記低インピーダンス電子部品のみが装着され、これら複数の基板片が、ケーブルを介して電気的に接続されることを特徴とする請求項1に記載の電子回路基板装置。
- 底面を有するケースと、このケースの底面から離れるとともにこの底面と対面するようにしてケースに収容された基板と、この基板に装着された多数の電子部品とを備えた電子回路基板装置において、
上記ケースに仕切り板を収容することにより、ケース底面と基板との間の内部空間を複数の第1空間に区画するとともに、ケース底面とは反対側の内部空間も複数の第2空間に区画し、
上記基板を上記仕切り板により複数領域に区分し、その一部の領域には、上記多数の電子部品のうち数μA〜10μA程度の微弱電流が流れる高インピーダンス電子部品を含む電子部品を装着し、他の領域には数十mA〜数A程度の比較的大きな電流が流れる低インピーダンス電子部品のみを装着し、上記低インピーダンス電子部品を第2空間に配置し、
上記基板の当該一部領域に対応する第1空間に樹脂モールドを充填するとともに、当該一部領域に対応する第2空間にも基板を覆う樹脂モールドを設け、上記高インピーダンス電子部品を含む電子部品を樹脂モールドに埋設し、
上記基板において当該他の領域に対応する第1、第2の空間には樹脂モールドを設けず、当該他の領域に対応する第2空間を、上記ケースの開放部を介して上記ケースの外部に開放したことを特徴とする電子回路基板装置。 - 上記高インピーダンス電子部品を含む電子部品を装着した上記基板の一部領域とケース内面との間には、樹脂モールド時に溶融樹脂を流すための隙間を形成したことを特徴とする請求項4に記載の電子回路基板装置。
- 上記基板が1枚の基板からなり、ケース底面と基板との間の内部空間を複数の第1空間に区画する仕切り板と、ケース底面とは反対側の内部空間を複数の第2空間に区画する仕切り板とが、別体をなしていることを特徴とする請求項4または5に記載の電子回路基板装置。
- 上記基板が上記仕切り板で分割された複数の基板片により形成されていることを特徴とする請求項4または5に記載の電子回路基板装置。
- 上記仕切り板で分割された複数の基板片が、上記第2空間を区画する仕切り板を越えるケーブルを介して、電気的に接続されることを特徴とする請求項7に記載の電子回路基板装置。
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- 1997-07-11 JP JP20216797A patent/JP3848745B2/ja not_active Expired - Lifetime
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