JP3848211B2 - 低温靭性に優れた厚鋼板およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、構造物の安全性を確保するための重要な性質の一つである低温靭性に優れた厚鋼板、およびそのような厚鋼板を製造するための有用な方法に関するものであり、殊に低温靭性に優れた厚鋼板をNi等の高価な元素を多量に添加することなく実現するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
鋼板における引張強度やシャルピー衝撃試験等で代表される低温靭性等の機械的特性を向上させるには、結晶粒径を微細化することが有効であることは良く知られている。これらの特性のうち引張強度に関しては、結晶粒径2μm以下の超微細組織を実現しない限り、大幅な向上は認められないのが実状である。これに対して、低温靭性に関しては、結晶粒径が4μmまでの微細化レベルであっても、その特性向上は著しいことが知られている。例えば、従来の制御圧延鋼板での標準的レベルである結晶粒径15〜20μmの鋼板における延性−脆性破面遷移温度(vTrs)が−40〜−70℃であるのに対し、結晶粒径を10μm以下、特に7μmまでのレベルに微細化させることによって、上記延性−脆性破面遷移温度(vTrs)を−100℃以下まで向上させ得ることが知られている。
【0003】
従来から、−100℃以下の極低温域までの靭性を確保するためには、Niを多量に添加(例えば1〜3%程度)させることが有用であるとされており、この手法は既存の低温用鋼板に多く採用されてきた。この手法は、低温靭性の向上については極めて有効であるが、Niは高価な元素であるので、こうしたNiを多量添加することは鋼板の製造コストが上昇してしまうという欠点がある。
【0004】
こうした状況の下で、上記したような結晶粒微細化によって低温靭性の向上を図ることが主流となっており、こうした観点からなされた技術がこれまで数多く提案されている。例えば、特開昭63−223124号には、850℃以下650℃以上のオーステナイト未再結晶温度域において圧延を施す際に、1パス当たりの圧下率が15%以上の高圧下率で圧延(累積圧下量:50%以上)を行うことによって、オーステナイト中の変形帯などのフェライト変態核生成サイトを増加させることでフェライト組織の微細化を実現する技術が提案されている。またこうした技術においては、特公昭56−4610号にも見られるように、圧下率の下限を規定することによってフェライト組織の微細化を図るのが一般的である。
【0005】
こうした技術を更に改良したものとして、例えば特許第2579721号のような技術も提案されている。この技術では、1パス当たりの圧下率を15%以上としつつ、圧延の1パス或は2パス毎に冷却速度:1℃/sec以上の強制冷却を施しながら圧延を行うことによって、高圧下率圧延に伴う発熱現象を抑制し、高圧下率圧延によるオーステナイト中への歪や変形帯の蓄積をより効率的に活用するものである。また、特許第3212347号には、高圧下率圧延を行いつつ、各板厚における圧延中の冷却速度を規定することによって、低温靭性に優れた鋼板を得る技術が提案されている。
【0006】
これら提案された技術では、高圧下率による結晶粒微細化がフェライト組織の平均粒径を微細化するのに有効であり、また圧下率が30%以上の超大圧下圧延ではオーステナイト組織は均一に微細化することが明らかにされている。しかしながら、圧下率15〜25%までの圧延を施した場合には、オーステナイトの未再結晶温度域と呼ばれる領域においても、圧延歪の蓄積によって部分的にオーステナイトの再結晶現象が生じ、局部的にオーステナイト組織の不均一性を発生させてしまうという欠点があった。また、高圧下率圧延の場合には、鋼板の厚みおよび幅が大きくなったときに、結晶粒の微細化レベルが圧延機の能力に左右されてしまう結果となり、高品質を安定して維持できない恐れがある。
【0007】
これまでの結晶粒微細化に関する技術の殆どが、小さい平均結晶粒径を求めて組織規定することによって特性の向上を目指したものである。しかしながら、平均結晶粒径を小さくすることによって特性値が向上することも事実ではあるが、平均フェライト粒径がほぼ同一であるにも拘らず、その低温靭性がバラツクという現象も生じている。
【0008】
一方、特許第3212343号、同3212348号および同3237861号等においては、圧延中の厚板と冷却速度との関係を規定することによってフェライト組織の微細化を図って低温靭性の優れた鋼板を製造する技術について開示されている。しかしながら、これらの技術では、圧延の際の圧下率を何ら考慮していないので、圧延途中でオーステナイト未再結晶温度域での部分的な再結晶現象が生じ、特性のバラツキが生じる可能性がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、従来技術における上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、構造物の安全性を確保するための重要な性質の一つである低温靭性のバラツキを低減させ、多量のNiを添加することなく安定した特性を発揮することのできる厚鋼板、およびこうした厚鋼板を製造するための有用な方法を提案することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成することのできた厚鋼板とは、C:0.03〜0.16%、Si:0.5%以下(0%を含まない)、Mn:1.8%以下(0%を含まない)、Al:0.01〜0.07%、Ti:0.005〜0.025%、N:0.0015〜0.008%を夫々含有し、残部が鉄および不可避不純物からなると共に、フェライトとパーライト主体のミクロ組織を有し、圧延方向に平行な板厚断面のt/2部(tは板厚)におけるフェライト粒の円相当平均粒径が7μm以下であり、且つ粒径バラツキの標準偏差が3μm以下である点に要旨を有するものである。尚、「円相当平均粒径」とは、該当する組織の個別の粒に着目して、その面積が等しくなるように想定した円の直径の平均値を意味する。また、「圧延方向に平行な板厚断面のt/2部」とは、圧延方向に平行で且つ鋼板表面に垂直な面での鋼板断面のt/2部(tは板厚)を意味する。
【0011】
本発明の厚鋼板には、必要によって、(a)Nb:0.002〜0.03%および/またはV:0.002〜0.05%、(b)B:0.0002〜0.002%、(c)Cu:0.8%以下(0%を含まない)および/またはNi:0.5%以下(0%を含まない)、(d)Cr:0.1%以下(0%を含まない)および/またはMo:0.1%以下(0%を含まない)、(e)Ca:0.0005〜0.005%および/またはZr:0.0003〜0.005%等を含有させることも有用であり、含有させる成分の種類に応じて鋼板の特性が更に改善される。
【0012】
一方、上記目的を達成することできた本発明の製造方法とは、上記のような低温靭性に優れた厚鋼板を効率良く製造することのできる方法として位置付けられたものであって、その構成は、鋼材を950℃以上に加熱し、900℃以上のオーステナイト再結晶温度域にて累積圧下率:40%以上の圧延を行った後に、850℃以下の未再結晶温度域にて、鋼板全体の平均冷却速度が0.5℃/s以上となる冷却を施しながら、1パス当たりの最大圧下率:12%以下、累積圧下率:50%以上として、Ar3変態点以上で圧延を終了し、引き続き平均冷却速度2〜5℃/sで加速冷却を行うところに要旨を有している。またこの方法において、前記加速冷却に引き続いて、600℃以下の温度で焼き戻し処理を行うことも有効である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、フェライト−パーライト主体のミクロ組織を有する厚鋼板について、その低温靭性にバラツキが生じる原因について、様々な角度から検討した。その結果、最終的な鋼板のフェライト粒径のバラツキが、その低温靭性のバラツキと密接な関係を有しているとの着想が得られた。これは、高圧下率圧延において発生したオーステナイトの不均一性が最終的な鋼板の組織であるフェライトの不均一性を発生させ、それが機械的特性にまで影響が及んだ結果であると考えられた。
【0014】
こうした着想の下で本発明者らは、安定的に−100℃以下の延性−脆性破面遷移温度(vTrs)を実現し、更にそのバラツキを15℃以内に抑える条件に関して更に検討したところ、(1)圧延方向に平行な板厚断面におけるフェライト粒の平均粒径(円相当平均粒径)が7μm以下であること、および(2)そのバラツキ(標準偏差)が3μm以下であるときに、優れた低温靭性が安定して発揮されることを見出し、本発明を完成した。
【0015】
本発明における重要なポイントは下記1)〜3)に示すような新たな知見にある。
【0016】
1)機械的特性(シャルピー衝撃試験による低温靭性:延性−脆性破面遷移温度vTrs)は、結晶粒径が小さいほど向上するが、その向上代は平均結晶粒径の微細化に依存し、その特性値のバラツキは、結晶粒径のバラツキ度合いによって支配されること。
【0017】
2)仕上げ圧延を行う際、軽圧下(具体的には1パスでの最大圧下率が12%以下の圧延)を実施することによって、部分的な再結晶現象を抑制し、結晶粒径のバラツキが抑制されること。
【0018】
3)結晶粒の微細化に関しては、従来1パスの圧下率が大きいほど有利であると言われているのに対して、1パス当たりの圧下率が小さい場合でも圧延途中の鋼片の冷却制御を組み合わせることによって微細組織を実現し得ること。
【0019】
鋼板の機械的特性は結晶粒径の微細化によって向上することが知られており、その評価は平均結晶粒径によって行われる。そして小さな結晶粒が多いほどそれに引きつられて平均結晶粒径は小さくなるが、大きな結晶粒が存在している場合には、平均結晶粒径が小さいときであっても特性値は大きく向上せず、しかも特性値のばらつきも大きなものとなる。こうした現象が生じるのは、機械的特性が平均結晶粒径ではなく、個々の結晶粒が占める体積率の影響を大きく受けるからであると考えられる。
【0020】
本発明者らは、こうした点を留意し、結晶粒径のバラツキを低減し得る圧延条件について検討を重ねてきた。その結果、一般に未再結晶温度域と呼ばれている低温の圧延においても、圧延中の歪蓄積によって局所的にオーステナイトの再結晶が引き起こされ、それに伴って結晶粒の成長が生じるという現象が観察された。
【0021】
そして本発明者らが、上記の現象を抑制する手段について更に鋭意研究した結果、下記(1)〜(3)の要件を組み合わせることによって、組織の均一性を維持しつつ、低温靭性に優れ、且つその特性のバラツキの小さい鋼板となり得ることが判明したのである。
【0022】
(1)仕上げ圧延時に軽圧下圧延(1パス当たりの最大圧下率:12%以下の圧延)を適用することによって、前記の未再結晶温度域での局所的な再結晶現象を抑制し得ること。
【0023】
(2)仕上げ圧延時に、鋼片温度を積極的に冷却制御し、空冷時の速度以上の冷却速度(具体的には、0.5℃/s以上の冷却速度)を適用することによって、軽圧下を適用した場合においても平均結晶粒径の微細化が可能になる(例えば、空冷の場合の冷却速度は、板厚が235mmのときに0.15℃/s、板厚が120mmのときに0.21℃/s、板厚が30mmのときに0.52℃/s程度である)。
【0024】
(3)熱間圧延時のオーステナイト組織の微細化および均一性を確保するためにTi添加を活用する。
【0025】
尚、上記(1)の要件では、圧下率は小さい方が粗大組織発生の抑制効果は大きくなるものの、1パス当たりの圧下率があまり小さくなると、鋼板製造の際の所要時間が長くなって生産性を低下させることになるので、圧下率は6%以上であることが好ましい。
【0026】
圧下率15%以上の高圧下圧延によって結晶粒の微細化を実現する技術思想はこれまでにも数多く存在する。こうした技術は、高圧下圧延によるオーステナイト粒への歪の蓄積を狙ったものである。しかしながらこうした技術では、低温圧延とはいえ圧延温度は700℃以上であるので、圧延によって導入された歪は容易に回復し易く、高圧下圧延による効果が最大限に発揮されているとは言い難い。
【0027】
こうした点を改善するために、前記特許第2579721号や同3212347号等に提案されているように、圧延中の鋼材に対して積極的に冷却を実施することによって、歪の回復を抑制するという思想も見られる。しかしながら、過度の歪蓄積はオーステナイト未再結晶域での部分的な再結晶現象を引き起こし易く、組織の不均一性を助長する恐れがある。また、前記特許第2322343号、同3212348号および3237861号等の技術においては、高圧下率の適用については言及していないものの、軽圧下圧延に限定している訳でないので、上記と同様の理由によって、組織の不均一を助長する恐れが依然として残っている。
【0028】
圧延中に導入した歪の回復を抑制する手段としては、2種類が考えられる。その一つは、圧延時のパス間時間を極力短くすることである。これは、タンデム型ミル(圧延機)を用いて製造する熱延鋼板や線材、棒鋼などでは容易に実現し得るのであるが、リバース型圧延を実施する厚板には、設備的制約からその適用が難しくなる。例えばタンデム型圧延ではパス間時間を0.5〜1秒程度にできるのであるが、リバース型圧延ではパス間時間は最短でも10秒程度になり、板長さが長くなる場合には30秒もの時間が必要になることもある。
【0029】
もう一つの手段としては、Ar3変態点直上の低温域で圧延することが考えられる。但し、低温での圧延では、変形抵抗の増大を招く他、圧延集合組織の発達を促進することになるので、機械的特性の異方性が生じることにもなる。こうした点を改良する手段として、圧延中の鋼材に対して積極的に冷却制御を行い、冷却速度を通常よりも速くすることが有用であることも知られている(例えば、前述の特許第257721号や同3212347号等)。しかしながら、高圧下圧延の場合には、組織の不均一性を助長する可能性があるので、これらの改良技術では、延性−脆性破面遷移温度を低温化させる効果はあるものの、その特性のバラツキまでをも抑制することは困難である。
【0030】
また、前記特許第2322343号、同3212348号および3237861号等では、圧延中の冷却速度を板厚の関数とし規定することによって[V>√(18/t)、V:冷却速度、t:圧延中の鋼片厚]、歪の回復を抑制するものであるが、歪の回復は板厚ではなく、実体温度および時間に依存することは冶金学において周知の事実である。従って、冷却速度を板厚の関数としても、それほど効果的でないのが実状である。
【0031】
本発明者らは、これらの点についても検討を重ねた。その結果、圧延中の冷却速度の制御と軽圧下圧延の利用が有効であることが判明した。軽圧下圧延を実施した場合には、1パスで導入される歪量は大圧下圧延に比べて小さい。しかし、歪の回復現象は、導入された歪量が多いほど速く、また鋼材の温度が高いほど速くなることから、軽圧下圧延の場合にはその回復速度が抑制されることになる。また圧延鋼材に対して冷却制御を実施することによって更にその回復が抑制されることになる。従って、軽圧下圧延では歪の蓄積が有効に行われ、しかも1パス毎の歪量が少ないので、歪の局所的集中によるオーステナイト未再結晶温度域での部分的な再結晶現象を抑制することが可能となる。但し、結晶粒の微細化を実現するという観点からして、50%以上の累積圧下率を確保する必要がある。
【0032】
尚、圧延中の制御冷却に関しては、その効果を有効に発揮させるためには平均冷却速度を0.5℃/s以上とする必要があり、その冷却速度が速い方が歪の回復抑制に対しては有効であるが、圧延中のパス間時間等の制約によって、冷却速度があまりに速くなる場合には、オーステナイト未再結晶温度域において累積圧下率50%以上の圧延を実現することが物理的に困難になること、或は板厚が厚い場合にはその冷却自体が困難になるので、実用的にはせいぜい1.0〜1.5℃/s程度までが適当である。このように、圧延中の冷却速度の制御と軽圧下圧延の利用を有効に活用することによって、板厚全断面における微細フェライト粒が容易に実現できるのである。
【0033】
上記の軽圧下圧延はオーステナイト未再結晶温度域で行う必要があるが、この温度領域は100℃以上の範囲がある。こうした温度域のうち、歪の蓄積を効果的に実行するためにはできるだけ低温であることが好ましい。こうした観点から、軽圧下圧延における圧延終了温度はオーステナイトからフェライトへの変態が開始されるAr3変態点直上であることが好ましい。
【0034】
ところで、上記のような軽圧下圧延および圧延中の冷却制御を実施した場合であっても、熱間圧延中のオーステナイトが均一且つ微細になっていないと、冷却後のフェライト粒を均一且つ微細に保持することは困難である。冷却中に生成するフェライト粒は旧オーステナイト粒界を核生成サイトとするものと、未再結晶域圧延によって導入された変形帯を核生成サイトとしてオーステナイト粒内から生成するものが存在する。旧オーステナイトから生成するフェライト粒の方が、粒内から生成するフェライトよりも形成され易く、しかもその割合が多いため、圧延終了時のオーステナイトは微細であることが望まれる。
【0035】
本発明者らは、Tiの窒化物を活用した場合には、加熱時のオーステナイト粒径が比較的均一化できることも確認している。こうしたことから本発明においては、鋼板における成分としてTiの添加を必須としている。Tiを添加しない場合には、オーステナイト再結晶域圧延によってオーステナイト粒は微細化するが、その後の粒成長を抑制する粒子(本発明ではTi窒化物に相当する)がないときには、微細組織と粗大組織が混在した混粒組織をなり易い。また、混粒組織からフェライトが生成する場合には、前述のようにオーステナイト粒界からのフェライト核生成が優位であるので、最終的に得られるフェライト組織も混粒組織となり易く、粒径バラツキの標準偏差が大きくなる。
【0036】
また、たとえTiを添加している場合であっても、再結晶域での圧延量が不足しているときには、オーステナイト組織の微細化が達成されないので、微細なフェライト粒の実現が困難になるばかりか、Ti無添加時と同様に混粒組織となり易く、機械的特性を安定化させることが困難になる。こうした事態を回避するための策を検討したところ、900℃以上のオーステナイト再結晶温度域において累積圧下率で40%以上の圧延を実施することが有効であることを把握した。即ち、本発明方法では、上記軽圧下圧延に先立ちオーステナイト再結晶温度域において累積圧下率で40%以上の圧延を実施することも重要な要件である。
【0037】
上述の如く、本発明はオーステナイトの再結晶を利用する技術であるので、加熱温度はオーステナイト単相域であることが必須になり、たとえオーステナイト単相域の加熱であってもあまりに低温になる場合にはその後の再結晶域での圧延が困難になるので、950℃以上の加熱が必要になる。この加熱温度の上限に関しては、特に限定されるものではないが、生産性やエネルギー原単位等の製造コストを考慮すれば、1200℃以下であることが好ましい。またコストや生産性および組織の均一性等を総合的に考慮した場合の加熱温度の好ましい範囲は1000〜1150℃程度である。
【0038】
本発明は、圧延によって導入された歪を効率的に残留させることによってフェライト粒の微細化を果たし、同時にその粒径バラツキを低減することを目指したものである。従って、圧延後の処理はオーステナイトからフェライトへの変態を素早く進行させることが必要になる。圧延後に空冷状態で放置した場合には、Ar3変態点以下の温度まで低下した鋼材の内部では初析フェライトが生成し、その温度が高いほど粒成長が促進される。こうした状態では、初析フェライトのみが粗大化し、組織の不均一が助長されることになる。この初析フェライトの生成と粒成長を防止するためには、圧延後は初析フェライトが生成していないAr3変態点以上の温度から素早く冷却することが必要になる。またこうした観点から、このときの冷却速度は2℃/s以上とする必要がある。但し、冷却速度があまり大きくなり過ぎると、低温靭性がやや劣る上部ベイナイト組織が混在し始めるので、冷却速度は5℃/s以下とする必要がある。
【0039】
上記の様にして製造された鋼板では、圧延後に600℃以下の温度にて焼戻し処理を行ってもその組織状態は殆ど変化しないので、こうした熱処理を施すことも効果的である。こうした熱処理を施すことによって、鋼板内の残留応力を低減できることになる。但し、焼戻し温度が600℃を超えると、折角微細化したフェライト粒が、再結晶およびそれに引き続く粒成長を引き起こすため粗大組織が生成し、粒度バラツキが大きくなる恐れがある。
【0040】
本発明の鋼板では、C,Si,Mn,Al、TiおよびNを基本成分として含むものであるが、これらの元素の範囲限定理由は、次の通りである。
【0041】
C:0.03〜0.16%
Cは、用途上の必要強度を確保するために必要な元素であり、その効果を発揮させるためには、C含有量は0.03%以上とする必要がある。また、C含有量が0.16%を超えて過剰になると、溶接性および母材靭性の劣化を招くので、0.16%以下とする必要がある。尚、C含有量の好ましい下限は0.05%であり、更に好ましいは0.07%以上とするのが良い。また、C含有量の好ましい上限は0.12%であり、より好ましいは0.10%以下とするのが良い。
【0042】
Si:0.5%以下(0%を含まない)
Siは、母材の強度向上および溶鋼の脱酸成分として有用な元素であり、その効果を発揮させるためには0.1%以上含有させることが望ましい。しかし、含有量が多くなり過ぎる溶接性および母材靭性を劣化させるので、0.5%以下、好ましくは0.4%以下、より好ましくは0.3%以下とするのが良い。
【0043】
Mn:1.8%以下(0%を含まない)
Mnは、母材の強度上昇元素として有用であり、その為には0.7%以上含有させることが好ましい。但し、Mnを過度に含有させると、母材靭性および溶接性を劣化させるので、1.8%以下、好ましくは1.6%以下、より好ましくは1.5%以下とするのが良い。
【0044】
Al:0.01〜0.07%
Alは、脱酸剤として有用であるのみならず、窒化物を形成して母材組織の微細化に寄与する元素である、こうした効果を有効に発揮させるためには0.01%以上含有させることが必要である。しかしながら、Alを過度に含有させると、母材靭性を劣化させるので、0.07%以下とする必要がある。尚、Al含有量の好ましい下限は0.02%であり、好ましい上限は0.055%であり、より好ましくは0.045%以下とするのが良い。
【0045】
Ti:0.005〜0.025%
Tiは前述の如く、窒化物の形成を通じて鋼片加熱時のオーステナイト粒の細細化効果を有し、熱間圧延時の再結晶オーステナイトの微細化および均一化に非常に有用な元素であり、本発明において必要不可欠の元素である。また、最終組織におけるフェライト粒の微細化および均一化に対しても重要な役割を担っており、更にTi窒化物は圧延終了後のフェライト変態核生成促進効果をも発揮する。こうした効果を発揮させるためには、Ti含有量は0.005%以上とすることが必要であるが、0.025%を超えて過剰に含有させると、母材靭性を劣化させることになる。尚、Ti含有量の好ましい下限は0.007%程度であり、好ましい上限は0.015%程度である。
【0046】
N:0.0015〜0.008%
Nは、Al,Ti,Nb,V等の添加元素と窒化物を形成し、母材組織の微細化作用を有する。この様な作用を有効に発揮させるためには、0.0015%以上含有させる必要がある。しかしながら、N含有量が過剰になって0.008%を超えると、固溶Nの増大を招き、特に溶接部の靭性が劣化するので0.008%以下とする必要がある。尚、NはTiとの窒化物形成力が大きいので、Tiと優先的に結合するが、その結合割合は質量比([Ti%]/[N%])で約3.4であるので、N含有量はTiとの質量比で[Ti%]/3.4以上であることが好ましい。
【0047】
本発明鋼板における基本成分は上記の通りであり、残部は実質的に鉄からなるものであるが、必要によって、(a)Nb:0.002〜0.03%および/またはV:0.002〜0.05%、(b)B:0.0002〜0.002%、(c)Cu:0.8%以下(0%を含まない)および/またはNi:0.5%以下(0%を含まない)、(d)Cr:0.1%以下(0%を含まない)および/またはMo:0.1%以下(0%を含まない)、(e)Ca:0.0005〜0.005%および/またはZr:0.0003〜0.005%等を含有させることも有効であり、これら含有させる成分に応じて鋼板の特性を更に向上させることができる。これらの成分の範囲限定理通は下記の通りである。尚、これらの成分以外にも、本発明の鋼板においては、その特性を阻害しない程度の微量成分(P,S等の不可避不純物やW,Mg等の許容成分)も含み得るものであり、こうした鋼板も本発明の範囲に含まれるものである。
【0048】
Nb:0.002〜0.03%および/またはV:0.002〜0.05%
NbおよびVは、炭窒化物を形成することによって圧延中のオーステナイト粒粗大化抑制作用および再結晶粒抑制作用を有するので、圧延終了後のフェライト粒微細化に有効な元素である。この様な作用を有効に発揮させるためには、いずれも0.002%以上含有させることが好ましいが、過剰に含有させると溶接性を劣化させる傾向にあるので、Nbで0.03%以下、Vで0.05%以下とするのが好ましい。尚、Nb含有量のより好ましい下限は0.007%であり、更に好ましい下限は0.01%であり、より好ましい上限は0.025%であり、更に好ましい上限は0.02%である。また、V含有量のより好ましい下限は0.005%であり、更に好ましい下限は0.01%であり、より好ましい上限は0.045%であり、更に好ましい上限は0.04%である。
【0049】
B:0.0002〜0.002%
Bは、溶接熱影響部(HAZ)の靭性を向上させるのに有効な元素であり、この様な作用を有効に発揮させるためには、その含有量を0.0002%以上とすることが好ましい。但し、0.002%を超えて含有させると、焼入れ性が増加してフェライト組織より低温靭性の劣る上部ベイナイトの生成を促進し、母材の低温靭性の劣化を招く。尚、B含有量のより好ましい下限は0.0005%であり、更に好ましい下限は0.0007%であり、より好ましい上限は0.0017%であり、更に好ましい上限は0.0015%である。
【0050】
Cu:0.8%以下(0%を含まない)および/またはNi:0.5%以下(0%を含まない)
CuおよびNiは、いずれも低温靭性の向上に寄与するという観点からすれば同効元素である。具体的には、Cuは、結晶粒の微細化および固溶Cuによる低温靭性向上作用を有する元素であるが、フェライト固溶限である0.8%を超える過剰の含有は析出物を生成して母材の靭性を劣化させ、更に溶接性を劣化させるのでその上限を0.8%とすることが好ましく、より好ましくは0.7%以下とするのが良い。尚、Cuによる上記作用を有効に発揮させるためには、0.3%以上含有させることが好ましい。
【0051】
一方、Niは、低温靭性の向上に有効な元素であるが、高価なため、その上限を0.5%とすることが好ましく、より好ましくは0.4%以下とするのが良い。
【0052】
Cr:0.1%以下(0%を含まない)および/またはMo:0.1%以下(0%を含まない)
CrおよびMoは、いずれも炭窒化物を析出させ、強度上昇に寄与する元素である。こうした作用は含有量が多くなるにつれて大きくなるが、過剰に含有させると溶接性および母材靭性を劣化させるので、その上限はいずれも0.1%とすることが好ましく、より好ましくは0.07%以下とするのが良い。
【0053】
Ca:0.0005〜0.005%および/またはZr:0.0003〜0.005%
CaおよびZrは、鋼中の介在物の形態を球状化させることによって母材の靭性を改善する作用を有する元素であり、こうした作用を有効に発揮させるためにはCaで0.0005%以上、Zrで0.0003%以上含有させることが好ましい。しかしながら、これらの元素を過剰に含有させると、母材靭性を却って劣化させるので、いずれも0.005%以下とするのが好ましい。尚、これらの元素の好ましい下限は、いずれも0.001%である。
【0054】
ところで本発明に係る低温靭性に優れた鋼板は、ミクロ組織がフェライトとパーライトを主体するものである。ここで「主体とする」とは、ミクロ組織の好ましくは80面積%以上、より好ましくは90面積%以上がフェライトおよび/またはパーライト組織であることを意味し、混在することのあるベイナイト組織やマルテンサイト組織の占める比率が10面積%以下であることが望ましい。
【0055】
尚本発明で対象とする鋼板は、基本的に厚さ:25mm以上の厚鋼板を想定したものであるが、これに限定されず、例えば厚さ:10〜12mm程度のものでも本発明の効果が有効に達成されるものである。
【0056】
以下、実施例によって本発明を更に具体的に示すが、下記実施例は本発明を限定する性質のものではなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0057】
【実施例】
実施例
前記表1に示した化学成分組成を有する各鋼種A〜Fを用い、表2および表4に示す条件で、加熱、圧延および加速冷却を行うことにより、各厚み(仕上板厚)の鋼板を製造した。
【0058】
得られた鋼板について、フェライト粒径に関してナイタールエッチングを施した光学顕微鏡写真を用いて(t/2部、tは板厚)、パソコン上の画像解析によってその平均フェライト粒径(円相当平均粒径)およびバラツキ(標準偏差)を測定した。また、シャルピー衝撃試験おいて延性−脆性破面遷移温度(vTrs)を測定すると共に、vTrsのバラツキについても測定した。vTrsのバラツキの測定に際して、同一鋼板内のほぼ同一部分より試験片を採取し、シャルピー衝撃試験のフルカーブを5本採取し(各試験温度においてn=3で実施)、その最高値と最低値の差によってバラツキ範囲(偏差)とした。これらの結果を、下記表3および表5に示す。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】
【表4】
【0063】
【表5】
【0064】
これらの結果から、次のように考察できる。表2、3のNo.1〜18は、いずれも本発明で規定する要件の全てを満たすものであり、いずれもvTrsが−100℃以下の優れた低温靭性を示しており、しかもそのバラツキも14℃以内と小さくなっていることが分かる。これに対して、表4、5のNo.19〜36は、本発明で規定する要件のいずれかを欠くものであり、vTrsおよびそのバラツキの少なくともいずれかが劣化していることが分かる。次に、各要件についての詳細な検討を行った。
【0065】
図1は、前記鋼種A(表1)を用いたときの平均フェライト粒径(円相当平均粒径の意味:以下同じ)と延性−脆性破面遷移温度(vTrs)の平均値との関係を示したものである。この結果から明らかなように、フェライト粒径の−1/2乗に比例して(即ち、フェライト粒径が微細化していくほど)、vTrsが低温側に移行していく(低温靭性が向上していく)ことが分かる。
【0066】
図2は、前記鋼種Aを用いたときの平均フェライト粒径のバラツキ(標準偏差)と延性−脆性破面遷移温度(vTrs)の偏差との関係を示したものである。この結果から明らかなように、結晶粒径のバラツキが大きくなるほど(混粒度が大きいほど)、vTrsの偏差も大きくなっていることが分かる。
【0067】
図3は、前記鋼種Aを用いたときのオーステナイト未再結晶域での累積圧下率と平均フェライト粒径との関係を示したものである。このときの他の圧延条件は下記の通りである。
(圧延条件)
加熱温度 :1050℃
再結晶域累積圧下率:50%
未再結晶域での1パス圧下率:11%
圧延終了温度 :780℃
冷却開始温度 :765℃
加速冷却速度 :2.5℃/s
【0068】
この結果から明らかなように、オーステナイト再結晶域での累積圧下率が大きくなるに従って平均フェライト粒径が微細化していくことが分かる。但し、圧延中の冷却速度が遅い場合には、同一圧下率のときでも平均フェライト粒径は大きくなっている。
【0069】
図4は、鋼種Aを用いたときのオーステナイト未再結晶域での1パス圧下率と平均フェライト粒径バラツキ(標準偏差)との関係を示したものである。このときの他の圧延条件は下記の通りである。
(圧延条件)
加熱温度 :1050℃
再結晶域圧下率:50%
未再結晶域での累積圧下率:53〜55%
圧延終了温度 :780℃
冷却開始温度 :765℃または740℃
圧延中の平均冷却速度:1.0℃/s
加速冷却速度 :2.5℃/s
【0070】
この結果から明らかなように、1パス圧下率が大きくなるに従って平均フェライト粒径バラツキも大きくなることが分かる。但し、冷却開始温度がAr3変態点以下の場合には、平均フェライト粒径バラツキはAr3変態点を超える温度から冷却したときよりも大きくなる。
【0071】
図5は、前記鋼種Aを用いたときの圧延終了後の冷却速度と平均フェライト粒径との関係を示したものである。このときの他の圧延条件は下記の通りである。
(圧延条件)
加熱温度 :1050℃
再結晶域累積圧下率:50%
未再結晶域累積圧下率:51〜53%または41〜43%
未再結晶域での1パス圧下率:11%
圧延終了温度 :780℃
冷却開始温度 :765℃
圧延中の平均冷却速度:1.0℃/s
【0072】
この結果から明らかなように、冷却速度が速くなるに従い平均フェライト粒径が微細化していることが分かる。しかし、5℃/s以上の冷却速度になると、上部ベイナイトの生成が認められるようになる。
【0073】
図6は、鋼種Aを用いたときのオーステナイト再結晶域の累積圧下率と平均フェライト粒径との関係を示したものである。このときの他の圧延条件は下記の通りである。
(圧延条件)
加熱温度 :1050℃
未再結晶域累積圧下率:51〜53%
未再結晶域での1パス圧下率:11%
圧延終了温度 :780℃
冷却開始温度 :765℃
加速冷却速度 :2.5℃/s
この結果から明らかなように、再結晶温度域での圧下率が大きくなるに従い平均フェライト粒径が微細化していることが分かる。
【0074】
【発明の効果】
本発明は以上の様に構成されており、構造物の安全性を確保するための重要な性質の一つである低温靭性のバラツキを低減させ、多量のNiを添加することなく安定した特性を発揮することのできる厚鋼板が実現できたものであり、こうした鋼板は構造物の設計に際してその特性のバラツキを考慮せずに設計を可能とするものであり、構造物の安定性向上に大きく貢献するものと期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】平均フェライト粒径と延性−脆性破面遷移温度(vTrs)との関係を示したグラフである。
【図2】平均フェライト粒径バラツキと延性−脆性破面遷移温度(vTrs)の偏差との関係を示したグラフである。
【図3】オーステナイト未再結晶域での累積圧下率と平均フェライト粒径との関係を示したグラフである。
【図4】オーステナイト未再結晶域での1パス圧下率と平均フェライト粒径バラツキ(標準偏差)との関係を示したグラフである。
【図5】圧延終了後の冷却速度と平均フェライト粒径との関係を示したグラフである
【図6】オーステナイト再結晶域の累積圧下率と平均フェライト粒径との関係を示したグラフである。
Claims (8)
- C:0.03〜0.16%(質量%の意味、以下同じ)、Si:0.5%以下(0%を含まない)、Mn:1.8%以下(0%を含まない)、Al:0.01〜0.07%、Ti:0.005〜0.025%、N:0.0015〜0.008%を夫々含有し、残部が鉄および不可避不純物からなると共に、フェライトとパーライト主体のミクロ組織を有し、圧延方向に平行な板厚断面のt/2部(tは板厚)におけるフェライト粒の円相当平均粒径が7μm以下であり、且つ粒径バラツキの標準偏差が3μm以下であることを特徴とする低温靭性に優れた厚鋼板。
- 更に、Nb:0.002〜0.03%および/またはV:0.002〜0.05%を含有するものである請求項1に記載の厚鋼板。
- 更に、B:0.0002〜0.002%を含有するものである請求項1または2に記載の厚鋼板。
- 更に、Cu:0.8%以下(0%を含まない)および/またはNi:0.5%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の厚鋼板。
- 更に、Cr:0.1%以下(0%を含まない)および/またはMo:0.1%以下(0%を含まない)を含有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の厚鋼板。
- 更に、Ca:0.0005〜0.005%および/またはZr:0.0003〜0.005%を含有するものである請求項1〜5のいずれかに記載の厚鋼板。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の厚鋼板を製造するに当たり、鋼材を950℃以上に加熱し、900℃以上のオーステナイト再結晶温度域にて累積圧下率:40%以上の圧延を行った後に、850℃以下の未再結晶温度域にて、鋼板全体の平均冷却速度が0.5℃/s以上となる冷却を施しながら、1パス当たりの最大圧下率:12%以下、累積圧下率:50%以上として、Ar3変態点以上で圧延を終了し、引き続き平均冷却速度2〜5℃/sで加速冷却を行うことを特徴とする低温靭性に優れた厚鋼板の製造方法。
- 前記加速冷却に引き続いて、600℃以下の温度で焼き戻し処理を行う請求項7に記載の製造方法。
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